JP2005336244A - 低誘電率、低線熱膨張係数、高透明性、高ガラス転移温度を併せ持つポリイミドとその前駆体 - Google Patents

低誘電率、低線熱膨張係数、高透明性、高ガラス転移温度を併せ持つポリイミドとその前駆体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は低誘電率、低線熱膨張係数、高透明性、高ガラス転移温度、且つ十分な膜靭性を併せ持つ、実用上有益なポリイミド膜とその前駆体の製造方法を提供することにある。
【解決手段】
式(1)
【化1】

(式中、Aは二価の芳香族基であり、その結合様式はパラ結合であり、もしくはAは二価の脂環族基であり、その結合様式は1,4−結合であり、Xは0.1〜1の範囲である。)
で表さることを特徴とするポリイミド前駆体(ポリアミド酸)と、それを閉環反応し、2.7よりも低い誘電率、30ppm/Kよりも低い線熱膨張係数、無着色で高圧水銀灯のi線(365nm)での透過率が80%以上、300℃以上のガラス転移温度および十分な膜靭性を併せ持つポリイミド膜。

Description

本発明は低誘電率、低線熱膨張係数、高透明性、高ガラス転移温度、且つ十分な膜靭性を併せ持つ、実用上有益なポリイミド膜とその前駆体の製造方法に関する。
ポリイミドは優れた耐熱性のみならず、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁性、優れた機械的性質などの特性を併せ持つことから、フレキシブルプリント配線回路用基板、テープオートメーションボンディング用基材、半導体素子の保護膜、集積回路の層間絶縁膜等、様々な電子デバイスに現在広く利用されている。
一般にポリイミドは、無水ピロメリット酸等の芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミンとをジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性有機溶媒中で等モル反応させて得られる高重合度のポリイミド前駆体を、膜などに成形し加熱硬化して得られる。
しかしながらポリイミドの耐熱性を保持するためには、分子設計上、骨格構造を剛直にせざるを得ず、結果として多くのポリイミドは有機溶媒に不溶で、ガラス転移温度以上でも溶融しないため、ポリイミドそのものを成型加工することは通常容易ではない。
従って通常、アミド系有機溶媒に高い溶解性を示すポリイミド前駆体を経由する方法が用いられる。具体的にはポリイミド前駆体の非プロトン性有機溶媒溶液を金属基板上に塗布・乾燥後、250℃ないし350℃で加熱脱水閉環(イミド化)反応せしめることでポリイミド膜を形成する。
ポリイミド/金属基板積層体をイミド化温度から室温へ冷却する過程で発生する熱応力はしばしばカーリング、膜の剥離、割れ等の深刻な問題を引き起こす。最近では電子回路の高密度化に伴い、多層配線基板が採用されるようになってきたが、たとえ膜の剥離や割れにまで至らなくても多層基板における応力の残留はデバイスの信頼性を著しく低下させる。
イミド化工程で発生する応力は金属基板とポリイミド膜との間の線熱膨張係数の差が大きいほど、またイミド化温度が高いほど増加する。
熱応力低減の方策として、ポリイミドの低熱膨張化が挙げられる。殆どのポリイミドでは線熱膨張係数が40〜90ppm/Kの範囲にあり、金属基板例えば銅の線熱膨張係数17ppm/Kよりもはるかに大きいため、銅の値に近い、およそ20ppm/K以下を示す低熱膨張性ポリイミドの研究開発が行われている。
ポリイミドの低熱膨張化には一般に、その主鎖構造が直線的でしかも内部回転が束縛され、剛直であることが必要条件であると報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
現在実用的な低熱膨張性ポリイミド材料としては3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンから形成されるポリイミドが最もよく知られている。このポリイミド膜は、膜厚や作製条件にもよるが、5〜10ppm/Kと非常に低い線熱膨張係数を示すことが知られている(例えば、非特許文献2参照)。
近年、特にマイクロプロセッサーの演算速度の高速化やクロック信号の立ち上がり時間の短縮化が情報処理・通信分野で重要な課題になってきているが、そのためには絶縁膜として使用されるポリイミド膜の誘電率を下げることが必要となる。また電気配線長の短縮のための高密度配線および多層基板化にとっても、絶縁膜の誘電率が低いほど絶縁層を薄くできる等の点で有利である。
ポリイミドの低誘電率化には骨格中へのフッ素置換基の導入が有効である(例えば、非特許文献3参照)。例えば2,2−ビス(3,4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物と2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンから得られるフッ素化ポリイミド膜は平均屈折率から見積もられた誘電率が2.65と非常に低い値を示す(例えば、非特許文献4参照)。
また芳香族単位を脂環族単位に置き換えてπ電子を減少することも低誘電率化に有効な手段である(例えば、非特許文献5参照)。例えば、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物と4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から得られる非芳香族ポリイミド膜は平均屈折率から見積もられた誘電率が2.6と非常に低い値を示す(例えば、非特許文献6参照)。
しかしながら、低誘電率(一時的な目標値として3.0以下)と低熱膨張係数(一時的な目標値として25ppm/K以下)を同時に有し、かつハンダ耐熱性を保持しているポリイミドを得ることは分子設計上容易ではない。ポリイミド以外の低誘電率高分子材料や無機材料も検討されているが、誘電率、線熱膨張係数、耐熱性および靭性の点で要求特性が十分に満たされていないのが現状である。
一般にポリイミド骨格中へのフッ素置換基を導入すると分子間相互作用が弱まり、低熱膨張化の要因であるイミド化時の自発的分子配向が妨害される傾向がある。更に過剰なフッ素化はコスト面でも不利である。例えばフッ素化酸二無水物、2,2−ビス(3,4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物とフッ素化ジアミン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンから得られる全フッ素化ポリイミド膜は前述のように極めて低誘電率を示すが、線熱膨張係数は64ppm/Kと非常に高く、低熱膨張特性を満足しない(例えば、非特許文献4参照)。
また脂環式構造単位の導入もしばしばポリイミド主鎖骨格の直線性および剛直性を低下させ、線熱膨張係数の増大を引き起こすという問題がある。例えば4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)のような屈曲性の高い脂環式ジアミンを用いた場合、各種酸二無水物と容易に重合が進行し、高重合度のポリイミド前駆体を生成するが、閉環反応により得られるポリイミド膜は低熱膨張特性を示さない。
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物と4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から得られるポリイミド膜は前述のように低誘電率を示すが、線熱膨張係数は70ppm/Kと非常に高く、低熱膨張特性を示さない。
一方、低熱膨張特性発現を目論み、上記屈曲性脂環式ジアミンの代わりに剛直な脂環式ジアミン、トランス−1,4−シクロヘキサンジアミンを用いると、ポリイミド前駆体の重合時に強固な塩形成が起り、しばしば重合反応が進行しないという問題が生じる。
例えば、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物と、トランス−1,4−シクロヘキサンジアミンから成るポリイミドは剛直で比較的直線状の骨格を有するため、低誘電率に加えて低熱膨張特性の発現が期待される。しかしながら実際には上記の理由によりポリイミド前駆体を重合することは困難である。
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とトランス−1,4−シクロヘキサンジアミンとの重合反応において、重合初期に形成される塩の、重合溶媒に対する溶解度が殆どゼロであることが、重合が全く進まない要因である。
もし、上記どちらかのモノマー成分に嵩高い置換基を導入することができれば、立体障害により塩結合がわずかでも妨害されて塩結合密度が減少し、結果として塩の溶解度が増加して、重合反応を進行させることができると期待される。
嵩高い置換基の導入によりポリイミド膜の誘電率が更に低下することも期待される。
しかしながら、剛直性を保持したままで、嵩高い置換基を有する脂環式モノマーは入手することが困難なため、そのような脂環式モノマーから誘導されたポリイミドの報告例は知られていない。
「ポリマー(Polymer)」,28巻,1987年,p.2282−2288 「マクロモレキュール(Macromolecules)」,29巻,1996年,p.7897−7909 「マクロモレキュール(Macromolecules)」,24巻,1991年,p.5001−5005 「ハイパフォーマンスポリマー(High Performance Polymers)」,15巻,2003年,p.47−64 「マクロモレキュール(Macromolecules)」,32巻,1999年,p.4933−4939 「リアクティブアンドファンクショナルポリマー(Reactive and Functional Polymers)」,30巻,1996年,p.61−69
本発明は低誘電率、低線熱膨張係数、高透明性、高ガラス転移温度、且つ十分な膜靭性を併せ持つ、実用上有益なポリイミド膜とその前駆体の製造方法を提供するものである。
以上の問題を鑑み、鋭意研究を積み重ねた結果、式(2)
(式中、Aは二価の芳香族基であり、その結合様式はパラ結合であり、もしくはAは二価の脂環族基であり、その結合様式は1,4−結合であり、Xは0.1〜1の範囲である。)
で表されるポリイミド膜が上記の要求特性を満たすことを見出し、本発明を完成するに至った。
前述の1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物は反応式(3)に従って、無水マレイン酸を酢酸エチル等の有機溶媒に溶解し、高圧水銀灯のi線を照射することで、合成される。この反応を利用して、反応式(4)のように、シトラコン酸無水物を出発原料として用い、これを光二量化すれば目的の置換基含有脂環式酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を合成することが原理的に可能である。
(式中、hνは光照射することを意味する。)
(式中、hνは光照射することを意味する。)
式(3)に示す1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物では立体構造の異なる2つの異性体即ち、式(5)に示すanti型と式(6)に示すsyn型が存在する。
式(5)の1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物はクランクシャフト状の折曲部位を含んでいるが、直線状の分子構造を持つジアミンと組み合わせることで、生成するポリイミド骨格は比較的直線的な構造を保持することが可能であり、式(5)の立体構造は低熱膨張特性発現に不可欠なイミド化誘起自発的面内配向を促進するのに有効である。
一方、式(6)の立体構造のモノマーを用いると、ポリイミド骨格に大きな折曲りを導入することになり、自発的面内配向が阻害されて、線熱膨張係数の著しい増加を引き起こす可能性が高い。
無水マレイン酸を光二量化反応すると式(5)の異性体が選択的に生成することが知られている。同様にシトラコン酸無水物から得られる1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物は式(7)の立体構造を持つ。
従って、式(7)のテトラカルボン酸二無水物と、剛直で直線的な構造のジアミンを組み合わせることにより、低熱膨張特性を保持したままで、より低い誘電率を達成できると期待される。
式(7)に示す酸二無水物は原料合成が容易でかつ、対応するポリイミド前駆体は溶解性に優れ、対応するポリイミドは2.7よりも低い誘電率、30ppm/Kよりも低い線熱膨張係数、無着色で高圧水銀灯のi線(365nm)での透過率が80%以上、300℃以上のガラス転移温度および十分な膜靭性を示すなど、優れた特性を具備したポリイミド膜を与える。
以下に本発明を詳細に説明する。
式(7)
で表される脂環式テトラカルボン酸二無水物モノマーの合成は以下のように行う。まずパイレックスガラス製容器中、シトラコン酸無水物を1,4−ジオキサン等の有機溶媒に溶解し、これに1〜2重量%の濃度で増感剤としてベンゾフェノンを溶かす。この反応溶液を攪拌下10〜15℃に保ちながら高圧水銀灯にて1〜20時間光照射することで白色粉末が沈澱する。これを濾別後、ジオキサンでよく洗浄し、120℃で24時間真空乾燥して、重合に供することのできる高純度な脂環式テトラカルボン酸二無水物が得られる。
ポリイミド前駆体の重合は以下のように行う。まずジアミン成分を重合溶媒に溶解し、これに式(7)で表される脂環式テトラカルボン酸二無水物粉末を徐々に添加し、メカニカルスターラーを用い、室温で0.5〜48時間攪拌する。この際、モノマー濃度は5〜40重量%、好ましくは7〜35重量%である。このモノマー濃度範囲で重合を行うことにより均一で高重合度のポリイミド前駆体溶液を得ることができる。
式(7)の脂環式テトラカルボン酸二無水物を単独で用いる場合の他に、出発原料がはるかに安価で製造コストの点で有利な式(5)
の脂環式テトラカルボン酸二無水物を共重合成分として用いることができる。
芳香族ジアミンを用いる場合、モノマー濃度が高いほど高重合度のポリイミド前駆体が得られる傾向があるため、ポリイミド膜が特に高靭性を必要とする用途ではできるだけ高い濃度で重合を開始することが好ましい。
重合溶媒としてはN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルスルホオキシド、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,2−ジメトキシエタン-ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テロラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ピコリン、ピリジン、アセトン、クロロホルム、トルエン、キシレン等の非プロトン性溶媒および、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール等のプロトン性溶媒が使用可能である。またこれらの溶媒は単独でも、2種類以上混合して用いてもよい。
本発明に係るポリイミドの要求特性を満足するために好ましいジアミン成分として、p−フェニレンジアミン、2−メチルー1,4−フェニレンジアミン、2−トリフルオロメチルー1,4−フェニレンジアミン、ベンジジン、o−トリジン、m−トリジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサンが例として挙げられるが、特に好ましいジアミンとしては2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンおよびトランス−1,4−ジアミノシクロヘキサンが挙げられる。
本発明に係るポリイミドの要求特性を著しく損なわない範囲で部分的に使用可能な芳香族ジアミンとしては特に限定されないが、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノデュレン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−エチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、p−ターフェニレンジアミン等が例として挙げられる。またこれらを2種類以上併用することもできる。
また、ポリイミドの要求特性を著しく損なわない範囲で使用可能な脂肪族ジアミンとしては特に限定されないが、シス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン(トランス/シス混合物)、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−エチルシクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルシクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルシクロヘキシルアミン)、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン等が挙げられる。またこれらを2種類以上併用することもできる。
高い熱安定性や高いガラス転移温度を保持するために、脂肪族ジアミンとして1,6−ヘキサメチレンジアミンのような鎖状ジアミンよりは、1,4−ジアミノシクロヘキサンの如き脂環式ジアミンを用いた方が好ましい。
1,4−ジアミノシクロヘキサンでは2つの立体構造即ち、式(8)で表される椅子形トランス体と式(9)で表される椅子形シス体が安定に存在する。
ポリイミド膜の低熱膨張化には式(8)のトランス体の使用が有利である。式(9)のシス体あるいはトランス/シス混合物の使用はポリイミド鎖に大きな折れ曲がりを導入することになり、低熱膨張特性が著しく損なわれる恐れがある。
しかしながら、一般に脂肪族ジアミンをポリイミド前駆体重合反応に供した場合、重合初期に塩が形成され、重合の進行が妨げられる。脂肪族ジアミンの中では特にトランス−1,4−ジアミノシクロヘキサンと殆どのテトラカルボン酸二無水物との組み合わせで、より強固な塩が形成され、しばしば重合が全く進まない。
一方、本発明に係る式(7)で表される脂環式テトラカルボン酸二無水物を用いた場合は、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサンと速やかに反応して、高重合度のポリイミド前駆体を容易に得ることができる。そのため、脂肪族ジアミンをクロロトリメチルシランの如きシリル化剤でシリル化するような煩雑な重合前処理工程を必要としない。
前述のように、式(5)の1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とトランス−1,4−ジアミノシクロヘキサンの組み合わせでは重合初期に強固な塩が形成され、重合が全く進まないが、式(7)の脂環式テトラカルボン酸二無水物を共重合成分として用いることにより、N,N−ジメチルアセトアミドの如き通常の重合溶媒中でも重合反応を容易に進行させることが可能である。
この際、共重合成分である式(7)の脂環式テトラカルボン酸二無水物の使用量が極端に少ないと、形成される塩が溶解せず重合が進まない恐れがある。式(1)
(式中、Aは二価の芳香族基であり、その結合様式はパラ結合であり、もしくはAは二価の脂環族基であり、その結合様式は1,4−結合であり、Xは0.1〜1の範囲である。)
で表されるポリアミド酸共重合体の組成Xは0.1〜1の範囲であることが好ましく、特に好ましくはX=0.5〜1の範囲であると、塩形成により重合が妨害される恐れがない。
本発明に係るポリイミドの要求特性および重合反応性を著しく損なわない範囲で、式(3)
(式中、hνは光照射することを意味する。)
で表されるテトラカルボン酸二無水物以外の酸二無水物成分を部分的に使用しても差し支えない。共重合酸二無水物成分としては特に限定されないが、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。共重合成分としてこれらを単独あるいは2種類以上用いてもよい。
ポリイミド前駆体の重合の際しばしば添加される高分子溶解促進剤即ちリチウムブロマイドやリチウムクロライドの如き金属塩類は、本発明に係るポリイミド前駆体重合反応には一切使用する必要がない。これらの金属塩類はポリイミド膜中に金属イオンが痕跡量でも残留すると、電子デバイスとしての信頼性を著しく低下させるため用いられるべきではない。
基板上に塗布されたポリイミド前駆体溶液は40℃〜180℃範囲で乾燥される。得られたポリイミド前駆体膜を基板上で空気中、窒素等の不活性ガス雰囲気中あるいは真空中、200℃〜430℃、好ましくは250℃〜350℃の温度で熱処理することでポリイミド膜が得られる。
イミド化は脱水環化試薬を用いて化学的に行うこともできる。即ちピリジンあるいはトリエチルアミンの如き塩基性触媒を含む無水酢酸中に、基板上に形成されたポリイミド前駆体膜を室温で1分〜数時間浸漬する方法によってもポリイミド膜を得ることができる。
得られたポリイミド膜中には必要に応じて酸化安定剤、末端封止剤、フィラー、シランカップリング剤、感光剤、光重合開始剤および増感剤等の添加物が混合されていても差し支えない。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、これに限定されるものではない。尚、各例における分析値は以下の方法により求めた。
<固有粘度>
0.5重量%のポリイミド前駆体溶液を、オストワルド粘度計を用いて30℃で測定した。
<ガラス転移温度>
動的粘弾性測定により、周波数0.1Hz、昇温速度5℃/分における損失ピークから求めた。
<5%重量減少温度>
ポリイミド膜の熱重量変化を測定し、重量が5%減少した温度を求めた。
<線熱膨張係数>
熱機械分析により、荷重0.5g/膜厚1μm、昇温速度5℃/分における試験片の伸びより、100〜200℃の範囲での平均値として線熱膨張係数を求めた。
<カットオフ波長(透明性)>
分光光度計により200nmから900nmの可視・紫外線透過率を測定した。透過率が0.5%以下となる波長(カットオフ波長)を透明性の指標とした。カットオフ波長が短い程、透明性が良好であることを意味する。
<複屈折>
ポリイミド膜に平行な方向(nin)と垂直な方向(nout)の屈折率をアッベ屈折計(ナトリウムランプ使用、波長589nm)で測定し、これらの屈折率の差から複屈折(Δn=nin−nout)を求めた。
<誘電率>
ポリイミド膜の平均屈折率〔nav=(2nin+nout)/3〕に基づいて、次式により1MHzにおける誘電率(ε)を算出した。ε=1.1×nav2
(実施例1)
[1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物の合成]
パイレックス(登録商標)ガラス製3口フラスコ中、シトラコン酸無水物20mLを1,4−ジオキサン150mLに溶解し、これにベンゾフェノン3.79gを溶かした。窒素バブリングをしながらこの反応溶液を攪拌下10℃で高圧水銀灯にて18時間光照射し、白色沈澱を得た。これを濾別後、ジオキサンでよく洗浄し、120℃で24時間真空乾燥した。収率は約10%であった。赤外吸収スペクトル(図1)より目的の脂環式テトラカルボン酸二無水物が得られたことが確認された。
(実施例2)
[ポリイミド前駆体の重合およびポリイミド膜特性の評価]
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中に2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン5mmol(1.6012g)をモレキュラーシーブス4Aで十分に脱水したN,N−ジメチルアセトアミド15mLに溶解した後、実施例1と同様にして得られた1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物粉末5mmol(1.1208g)徐々に加えた。室温で48時間撹拌し透明、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。このポリイミド前駆体溶液は室温および−20℃で一ヶ月間放置しても沈澱、ゲル化は全く起こらず、極めて高い溶液貯蔵安定を示した。N,N−ジメチルアセトアミド中、30℃で測定したポリイミド前駆体の固有粘度は0.864dL/gであった。この重合溶液をガラス基板に塗布し、60℃、2時間で乾燥して膜厚20μmの全く無着色で靭性のあるポリイミド前駆体膜を得た。カットオフ波長は304nm、高圧水銀灯のi線の波長(365nm)での透過率は87.6%と、極めて高い透明性が示された。このポリイミド前駆体膜を基板上で真空中330℃で2時間、熱イミド化を行い、残留応力を除くため基板から剥がして更に340℃で30分間熱処理を行って、膜厚15μmの透明で靭性のあるポリイミド膜を得た。ポリイミド膜の物性は以下の通りである。平均屈折率から見積もられた誘電率は2.59と極めて低誘電率であった。また熱機械分析により測定された線熱膨張係数は28ppm/Kと、低い値が得られた。これは複屈折値(Δn=0.050)から判断して、実際にポリイミド鎖がある程度面内配向している事実に起因している。動的粘弾性測定から得られたガラス転移点は341℃であった。このように本ポリイミド膜は低誘電率・低熱膨張・高ガラス転移温度を満足している。ガラス転移温度以上での貯蔵弾性率の低下は非常に小さく、熱可塑性は殆どないことがわかった。5%重量減少温度は窒素中で434℃、空気中で423℃であり、十分高い熱安定性を示した。カットオフ波長は284nm、高圧水銀灯のi線の波長(365nm)での透過率は81.4%と、極めて高い透明性が示された。得られたポリイミド前駆体膜およびポリイミド膜の赤外線吸収スペクトル(透過モード)を図2、図3にそれぞれ示す。
(実施例3)
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中にトランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン5mmol(0.5710g)をモレキュラーシーブス4Aで十分に脱水したN,N−ジメチルアセトアミド10mLに溶解した後、実施例1と同様にして得られた1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物粉末5mmol(1.1208g)徐々に加えた。最初に塩が生成したが、塩はそれほど強固ではなく、攪拌により徐々に溶解して、24時間撹拌後、透明、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。このポリイミド前駆体溶液は室温および−20℃で一ヶ月間放置しても沈澱、ゲル化は全く起こらず、極めて高い溶液貯蔵安定を示した。N,N−ジメチルアセトアミド中、30℃で測定したポリイミド前駆体の固有粘度は1.14dL/gであった。この重合溶液をガラス基板に塗布し、60℃、2時間で乾燥して膜厚20μmの全く無着色で靭性のあるポリイミド前駆体膜を得た。カットオフ波長は222nm、高圧水銀灯のi線の波長(365nm)での透過率は89.7%と、極めて高い透明性が示された。このポリイミド前駆体膜を基板上で真空中250℃2時間、次いで300℃3時間熱イミド化し、残留応力を除くため基板から剥がして更に310℃で30分間熱処理を行って、膜厚15μmの透明で靭性のあるポリイミド膜を得た。ポリイミド膜の物性は以下の通りである。平均屈折率から見積もられた誘電率は2.61と極めて低誘電率であった。また熱機械分析により測定された線熱膨張係数は40ppm/Kと、比較的低熱膨張であった。動的粘弾性測定から得られたガラス転移点は360℃であった。ガラス転移温度以上での貯蔵弾性率の低下は非常に小さく、熱可塑性は殆どないことがわかった。5%重量減少温度は窒素中で428℃、空気中で377℃であり、全脂肪族ポリイミドとしては比較的高い熱安定性を示した。カットオフ波長は262nm、高圧水銀灯のi線の波長(365nm)での透過率は80.0%と、極めて高い透明性が示された。得られたポリイミド前駆体膜およびポリイミド膜の赤外線吸収スペクトル(透過モード)を図4、図5にそれぞれ示す。
(実施例4)
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中に2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン5mmol(1.6012g)をモレキュラーシーブス4Aで十分に脱水したN,N−ジメチルアセトアミド6mLに溶解した後、実施例1と同様にして得られた1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物粉末2.5mmolおよび1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物粉末2.5mmolを徐々に添加した。15時間攪拌後、N,N−ジメチルアセトアミド10mLを追加し、10時間撹拌後、透明、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液が得られた。このポリイミド前駆体溶液は室温および−20℃で一ヶ月間放置しても沈澱、ゲル化は全く起こらず、極めて高い溶液貯蔵安定を示した。N,N−ジメチルアセトアミド中、30℃で測定したポリイミド前駆体の固有粘度は1.25dL/gであった。この重合溶液をガラス基板に塗布し、60℃、2時間で乾燥して膜厚20μmの全く無着色で靭性のあるポリイミド前駆体膜を得た。カットオフ波長は306nm、高圧水銀灯のi線の波長(365nm)での透過率は88.1%と、極めて高い透明性が示された。このポリイミド前駆体膜を基板上で真空中330℃で2時間、熱イミド化を行い、残留応力を除くため基板から剥がして更に340℃で10分間熱処理を行って、膜厚15μmの透明で靭性のあるポリイミド膜を得た。ポリイミド膜の物性は以下の通りである。平均屈折率から見積もられた誘電率は2.60と極めて低誘電率であった。また熱機械分析により測定された線熱膨張係数は25ppm/Kと、比較的低熱膨張であった。これは複屈折値(Δn=0.045)から判断して、実際にポリイミド鎖がある程度面内配向している事実に起因している。動的粘弾性測定から得られたガラス転移点は346℃であった。このように本ポリイミド膜は低誘電率・低熱膨張・高ガラス転移温度を満足している。ガラス転移温度以上での貯蔵弾性率の低下は非常に小さく、熱可塑性は殆どないことがわかった。5%重量減少温度は窒素中で437℃、空気中で418℃であり、十分高い熱安定性を示した。またカットオフ波長は290nm、高圧水銀灯のi線の波長(365nm)での透過率は76.4%と、極めて高い透明性が示された。得られたポリイミド前駆体膜およびポリイミド膜の赤外線吸収スペクトル(透過モード)を図6、図7にそれぞれ示す。
(実施例5)
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中にトランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン5mmol(0.5710g)をモレキュラーシーブス4Aで十分に脱水したN,N−ジメチルアセトアミド16mLに溶解した後、実施例1と同様にして得られた1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物粉末2.5mmolを徐々に加えた。最初に塩形成が見られ反応溶液は白濁したが、1時間攪拌後、続いて1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物粉末を徐々に添加して室温で攪拌し続けると、塩が徐々に溶解し、48時間撹拌後、透明、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。このポリイミド前駆体溶液は室温および−20℃で一ヶ月間放置しても沈澱、ゲル化は全く起こらず、極めて高い溶液貯蔵安定を示した。N,N−ジメチルアセトアミド中、30℃で測定したポリイミド前駆体の固有粘度は1.99dL/gであった。この重合溶液をガラス基板に塗布し、60℃、2時間で乾燥して膜厚20μmの全く無着色で靭性のあるポリイミド前駆体膜を得た。カットオフ波長は224nm、高圧水銀灯のi線の波長(365nm)での透過率は87.9%と、極めて高い透明性が示された。このポリイミド前駆体膜を基板上で真空中250℃で2時間、次いで300℃で3時間熱イミド化を行い、更に残留応力を除くため基板から剥がして更に310℃で30分間熱処理を行って、膜厚15μmの透明で靭性のあるポリイミド膜を得た。ポリイミド膜の物性は以下の通りである。平均屈折率から見積もられた誘電率は2.61と極めて低誘電率であった。また熱機械分析により測定された線熱膨張係数は39.9ppm/Kと、比較的低熱膨張であった。動的粘弾性測定から得られたガラス転移点は376℃であった。ガラス転移温度以上での貯蔵弾性率の低下は非常に小さく、熱可塑性は殆どないことがわかった。5%重量減少温度は窒素中で420℃、空気中で371℃であり、全脂肪族ポリイミドとしては比較的高い熱安定性を示した。カットオフ波長は264nm、高圧水銀灯のi線の波長(365nm)での透過率は84.2%と、極めて高い透明性が示された。得られたポリイミド前駆体膜およびポリイミド膜の赤外線吸収スペクトル(透過モード)を図8、図9にそれぞれ示す。
(比較例1)
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中にトランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン5mmol(0.5710g)を入れ、モレキュラーシーブス4Aで十分に脱水したN,N−ジメチルアセトアミド15mLに溶解した。この溶液に1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物粉末5mmol(0.9806g)を徐々に加え室温で撹拌した。しかし、重合初期に強固な塩が形成され、室温で数週間〜1ヶ月間攪拌を継続しても、重合が全く進行しなかった。重合溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミドの他にN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホオキシド、γ-ブチロラクトン、ジグライム、m−クレゾール、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサメチルホスホルアミド/N,N−ジメチルアセトアミド混合溶媒、ヘキサメチルホスホルアミド/N−メチル−2−ピロリドン混合溶媒、テトラヒドロフラン/メタノール混合溶媒を用いて重合を試みたが、あらゆる溶媒系で全く重合は進行しなかった。またこれらの溶媒系で溶質濃度1〜15重量%の濃度範囲、室温〜150℃の温度範囲で重合反応を試みたが、同様に全く重合しなかった。更に、ピリジンやトリエチルアミンのような三級アミンあるいはリチウムクロライドのような無機塩類も用いたがこれらの添加効果は全く見られず重合は全く進行しなかった。
本発明のポリイミド前駆体より得られるポリイミドは2.7よりも低い誘電率、30ppm/Kよりも低い線熱膨張係数、無着色で高圧水銀灯のi線(365nm)での透過率が80%以上、300℃以上のガラス転移温度および十分な膜靭性を示すなど、優れた特性を具備したポリイミド膜を与える。これらの塗膜は、半導体素子の保護膜や集積回路の層間絶縁膜、光学素子の保護膜用途などに有用である。
図1は実施例1に記載の1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物の赤外線吸収スペクトルである。 図2は実施例2に記載のポリイミド前駆体膜の赤外線吸収スペクトルである。 図3は実施例2に記載のポリイミド膜の赤外線吸収スペクトルである。 図4は実施例3に記載のポリイミド前駆体膜の赤外線吸収スペクトルである。 図5は実施例3に記載のポリイミド膜の赤外線吸収スペクトルである。 図6は実施例4に記載のポリイミド前駆体膜の赤外線吸収スペクトルである。 図7は実施例4に記載のポリイミド膜の赤外線吸収スペクトルである。 図8は実施例5に記載のポリイミド前駆体膜の赤外線吸収スペクトルである。 図9は実施例5に記載のポリイミド膜の赤外線吸収スペクトルである。

Claims (6)

  1. 式(1)で表さることを特徴とするポリイミド前駆体(ポリアミド酸)。

    (式中、Aは二価の芳香族基であり、その結合様式はパラ結合であり、もしくはAは二価の脂環族基であり、その結合様式は1,4−結合であり、Xは0.1〜1の範囲である。)
  2. 式(1)中、構造単位Aが

    で表される二価の芳香族基あるいは脂環基より選択されてなる、ポリイミド前駆体とその有機溶媒溶液。但し、構造単位Aがシクロヘキサン基の場合、その立体構造は椅子型トランス配置である、請求項1に記載のポリイミド前駆体(ポリアミド酸)
  3. 固有粘度が0.1dL/g以上である、式(1)で表される請求項1又は2に記載のポリイミド前駆体。
  4. 式(2)で表されることを特徴とするポリイミド、

    (式中、Aは二価の芳香族基であり、その結合様式はパラ結合であり、もしくはAは二価の脂環族基であり、その結合様式は1,4−結合であり、Xは0.1〜1の範囲である。)
  5. 式(2)中、構造単位Aが

    で表される二価の芳香族基あるいは脂環基より選択されてなる、ポリイミド。但し、構造単位Aがシクロヘキサン基の場合、その立体構造は椅子型トランス配置である。
  6. 請求項1〜3に記載のポリイミド前駆体の有機溶媒溶液を基板上に塗布・乾燥してポリイミド前駆体フィルムを製膜した後、これを加熱脱水環化反応させるか、もしくは脱水閉環試薬を用いて得られる式(2)

    (式中、Aは二価の芳香族基であり、その結合様式はパラ結合であり、もしくはAは二価の脂環族基であり、その結合様式は1,4−結合であり、Xは0.1〜1の範囲である。)
    のポリイミドであって、且つ2.7よりも低い誘電率、30ppm/Kよりも低い線熱膨張係数、無着色で高圧水銀灯のi線(365nm)での透過率が80%以上、300℃以上のガラス転移温度および十分な膜靭性を併せ持つポリイミド膜の製造方法。
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