JP2000131699A - 反射型液晶表示素子用液晶配向剤 - Google Patents

反射型液晶表示素子用液晶配向剤

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JP2000131699A
JP2000131699A JP30515598A JP30515598A JP2000131699A JP 2000131699 A JP2000131699 A JP 2000131699A JP 30515598 A JP30515598 A JP 30515598A JP 30515598 A JP30515598 A JP 30515598A JP 2000131699 A JP2000131699 A JP 2000131699A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視領域での光透過性が高く、反射型液晶表
示素子に適した液晶配向剤を提供すること。 【解決手段】 300nm〜700nmの波長領域にお
ける透過率が90%以上のポリアミック酸および/また
はポリイミドを含有することを特徴とする、反射型液晶
表示素子用液晶配向剤を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶配向剤に関す
る。さらに詳しくは、反射型液晶表示素子において、透
明性に優れた液晶配向膜を形成し得る、液晶配向剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】反射型液晶表示素子は、素子外部光源よ
り入射し、素子下部に配置した反射鏡にて反射した光
が、光路途上の液晶層によって透過もしくは遮断される
ことによって制御される構造を有する液晶表示素子であ
る。液晶層による反射光の透過と遮断は、液晶層に印加
される電界の有無によって行われ、この反射光の透過お
よび遮断によって、液晶表示素子としての機能が発現さ
れる。現在、反射型液晶表示素子としては、導電膜が設
けられている基板の当該表面にポリアミック酸、ポリイ
ミドなどからなる液晶配向膜を形成して液晶表示素子用
基板とし、当該基板2枚を対向配置してその間隙内に正
の誘電異方性を有するネマチック型液晶の層を形成して
サンドイッチ構造のセルとし、当該液晶分子の長軸が一
方の基板から他方の基板に向かって連続的に90度捻れ
るようにした、いわゆるTN(Twisted Nem
atic)型液晶セルを有するTN型液晶表示素子が知
られている。また、カイラル剤の添加によって当該液晶
分子の長軸が基板間で180度以上にわたって連続的に
捻れる状態を達成させ、これにより生じる複屈折効果を
利用したSTN(Super Twisted Nem
atic)型液晶表示素子も存在する。さらに最近にお
いては、対向する基板間に負の誘電異方性を有するホメ
オトロピック配向状態のネマチック液晶層や螺旋軸が基
板法線と平行状態にあるコレステリック液晶層を形成さ
せ、それらの液晶層中に色素を添加したゲスト−ホスト
型の反射型液晶表示素子も開発されている。これらの液
晶表示素子における液晶の配向は、通常、ラビング処理
が施された液晶配向膜により発現されるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような反射型液晶
表示素子に用いられる液晶配向膜は、従来の透過型液晶
表示素子に用いられる液晶配向膜と比較して、より透過
率が高いことが望まれる。従来の透過型液晶表示素子で
は、バックライトからの光が、液晶層の上下に1層ずつ
配置された液晶配向膜を各1回、すなわち総計2層分通
過して外部へと出射するのに対し、反射型液晶表示素子
においては、外部からの入射光が素子の下部にある反射
鏡で反射されて戻ってくる過程で、液晶層の上下に配置
された液晶配向膜を各2回、すなわち総計4層分通過す
ることになる。そのため、反射型液晶表示素子では、と
りわけ可視光の透過率が高い液晶配向膜が望まれる。し
かしながら、従来の液晶配向膜は、可視領域での光透過
性が不十分であり、そのため反射型液晶表示素子の反射
光に着色が生じてしまい、画質の劣化を引き起こすとい
う問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
実状を鑑み、可視領域での光透過性が高く、反射型液晶
表示素子に適した液晶配向剤を提供することを目的とし
てなされたものである。本発明の上記目的および利点
は、300nm〜700nmの波長領域における透過率
が90%以上のポリアミック酸および/またはポリイミ
ドを含有することを特徴とする、反射型液晶表示素子用
液晶配向剤によって達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で用いられるポリアミック酸は、下記式
(A)で表される繰り返し単位を有するポリマーである
ことが好ましく、本発明で用いられるポリイミドは、下
記式(B)で表される繰り返し単位を有するポリマーで
あることが好ましい。
【0006】
【化1】
【0007】(式中、Rは4価の有機基であり、R’は
2価の有機基である。ただし、RおよびR’から選ばれ
る有機基の少なくとも1つの有機基は、脂肪族基であ
る。)
【0008】上記式(A)および式(B)中、脂肪族基
は、鎖状脂肪族であっても環状脂肪族(脂環族)であっ
ても良い。本発明で用いられるポリアミック酸および/
またはポリイミドは、全繰り返し単位におけるRおよび
R’の総数において、その30%以上が脂肪族基である
ことが好ましく、50%以上が脂肪族基であることが特
に好ましい。脂肪族基を有するポリマーを用いることに
より、可視領域における光透過性を高めることができ
る。
【0009】本発明で用いられるポリアミック酸は、テ
トラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを、開環重
付加させて得られる。また、本発明で用いられるポリイ
ミドは、当該ポリアミック酸を脱水閉環させて得られ
る。従って、本発明で用いられるポリアミック酸および
/またはポリイミドの合成には、脂肪族のテトラカルボ
ン酸二無水物および/または脂肪族のジアミン化合物が
用いられる。好ましくは、脂肪族のテトラカルボン酸二
無水物と、脂肪族のジアミン化合物とが併せて用いられ
る。なお、本発明における「脂肪族」とは、テトラカル
ボン酸二無水物における2つの酸無水物基に直結する有
機基、またはジアミン化合物における2つのアミノ基に
直結する有機基が、それぞれ脂肪族であるということを
意味する。ただし、当該脂肪族のテトラカルボン酸二無
水物または脂肪族のジアミン化合物中に芳香環が含まれ
ていてもよく、その場合は、芳香環の数は1つであるこ
とが好ましい。
【0010】[テトラカルボン酸二無水物]上記ポリア
ミック酸の合成に用いられる脂肪族のテトラカルボン酸
二無水物としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二
無水物、n−ペンタンテトラカルボン酸二無水物などの
鎖状アルカンのテトラカルボン酸二無水物;1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,
2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカ
ルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4
−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジ
クロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン
酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸
二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテト
ラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシ
クロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキ
シノルボルナン−2−酢酸二無水物などのシクロアルカ
ンのテトラカルボン酸二無水物;2,3,4,5−テト
ラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物などのテトラ
ヒドロフランのテトラカルボン酸二無水物;1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ
−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2
−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,
5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒ
ドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト
[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5−
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−
5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニ
ル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオ
ン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−
エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−
フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−
ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−
8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−
3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,
3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒド
ロ−8−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキ
ソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−
1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサ
ヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,
5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]
−フラン−1,3−ジオンなどのテトラヒドロナフタレ
ンコハク酸二無水物類(芳香環を含む脂環式テトラカル
ボン酸二無水物);5−(2,5−ジオキソテトラヒド
ロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2
−ジカルボン酸二無水物などのシクロアルケンのテトラ
カルボン酸二無水物;ビシクロ[2.2.2]−オクト
−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水
物などの脂肪族縮合環のテトラカルボン酸二無水物;下
記式(I)および(II)で表される化合物を挙げること
ができる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わ
せて用いられる。
【0011】
【化2】
【0012】(式中、R1 およびR3 は、脂肪族環を有
する2価の有機基を示し、R2 およびR4 は、水素原子
またはアルキル基を示し、複数存在するR2 およびR4
は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0013】これらのうち、鎖状アルカンのテトラカル
ボン酸二無水物、シクロアルカンのテトラカルボン酸二
無水物、テトラヒドロナフタレンコハク酸二無水物類が
好ましく、具体的には、ブタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二
無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブ
タンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シク
ロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−ト
リカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,
5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラ
ヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト
[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメ
チル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フ
ラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオ
ンが、可視域での良好な光透過性を発現させることから
好ましい。中でも特に好ましいものとしては、1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,
3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカ
ルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロ
ペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−
ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ
−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,
3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒド
ロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキ
ソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−
1,3−ジオンを挙げることができる。
【0014】また、上記の脂肪族テトラカルボン酸二無
水物と併用しても良い芳香族テトラカルボン酸二無水物
としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニ
ルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,
4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水
物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホ
ン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,
4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二
無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオ
キサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニ
ルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフ
ェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル
酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス
(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタ
ン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロト
リメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒ
ドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス
(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオ
ール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オ
クタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビ
ス(アンヒドロトリメリテート)、下記式(1)〜
(4)で表される化合物などの芳香族テトラカルボン酸
二無水物を挙げることができる。これらは1種単独でま
たは2種以上組み合わせて用いられる。
【0015】
【化3】
【0016】[ジアミン化合物]上記ポリアミック酸の
合成に用いられる脂肪族のジアミン化合物としては、例
えば、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジア
ミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミ
ン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメ
チレンジアミンなどの鎖状アルカンのジアミン化合物;
1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシ
クロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,
3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビ
ス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレ
ンビス(シクロヘキシルアミン)などのシクロアルカン
のジアミン化合物;イソホロンジアミン、1,3−シク
ロヘキサンビス(メチルアミン)トリシクロ[6.2.
1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミンなどのシク
ロアルケンのジアミン化合物;テトラヒドロジシクロペ
ンタジエニレンジアミン、2,5−ビス(アミノメチ
ル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス
(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンなど
の脂肪族縮合環のジアミン化合物;ヘキサヒドロ−4,
7−メタノインダニレンジメチレンジアミンなどの脂肪
族多環構造のジアミン化合物;下記式(III)で表され
るジアミノオルガノシロキサンを挙げることができる。
これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いら
れる。
【0017】
【化4】
【0018】(式中、R5は炭素数1〜12の脂肪族炭
化水素基を示し、複数存在するR5は、それぞれ同一で
も異なっていてもよく、pは1〜3の整数であり、qは
1〜20の整数である。)
【0019】これらのうち、好ましいものとしては、シ
クロアルカンのジアミン化合物、シクロアルケンのジア
ミン化合物、脂肪族縮合環のジアミン化合物および脂肪
族多環構造のジアミン化合物が挙げられ、具体的には
1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシ
クロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,
3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビ
ス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレ
ンビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミ
ン、1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)トリ
シクロ[6.2.1.02,7 ]−ウンデシレンジメチルジ
アミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミ
ン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.
1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ
[2.2.1]ヘプタン、ヘキサヒドロ−4,7−メタ
ノインダニレンジメチレンジアミンなどが挙げられる。
これらのうち、シクロアルカンのジアミン化合物が特に
好ましい。
【0020】また上記の脂肪族ジアミン化合物と併用し
ても良い芳香族ジアミン化合物としては、例えば、p−
フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスル
フィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,
3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,
1−メタキシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3
−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミ
ノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリ
メチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェ
ニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−
ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベン
ゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,
4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3
−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−ア
ミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−
ジアミノフルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−
クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ
−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ
−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニ
ル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェ
ニル、1,4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデ
ン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプ
ロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4
−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニ
ル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−
2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、
4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチ
ル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルなどの芳
香族ジアミン;
【0021】2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジア
ミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジ
アミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシア
ノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシ
ピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−
1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプ
ロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロ
ポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−
6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジア
ミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジ
アミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−
2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−
フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6
−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジア
ミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−
2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ
−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピ
ペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−ア
ミノフェニル)フェニルアミンおよび下記式(IV)〜
(V)で表される化合物などの、分子内に2つの1級ア
ミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジ
アミン;
【0022】
【化5】
【0023】(式中、R6 は、ピリジン、ピリミジン、
トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる
窒素原子を含む環構造を有する1価の有機基を示し、X
は2価の有機基を示す。)
【0024】
【化6】
【0025】(式中、R7 は、ピリジン、ピリミジン、
トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる
窒素原子を含む環構造を有する2価の有機基を示し、X
は2価の有機基を示し、複数存在するXは、同一でも異
なっていてもよい。)
【0026】下記式(VI)で表されるモノ置換フェニレ
ンジアミン類;
【0027】
【化7】
【0028】(式中、R8 は、−O−、−COO−、−
OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−
から選ばれる2価の有機基を示し、R9 は、ステロイド
骨格、トリフルオロメチル基およびフルオロ基から選ば
れる基を有する1価の有機基または炭素数6〜30のア
ルキル基を示す。)
【0029】下記式(5)〜(17)で表される化合物
などを挙げることができる。これらのジアミン化合物
は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることがで
きる。
【0030】
【化8】
【0031】(式中、yは2〜12の整数であり、zは
1〜5の整数である。)
【0032】
【化9】
【0033】<ポリアミック酸>ポリアミック酸の合成
反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化
合物の使用割合は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基
1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物
基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ま
しくは0.6〜1.4当量となる割合である。ポリアミ
ック酸の合成反応は、有機溶媒中において、通常−20
〜150℃、好ましくは0〜100℃の温度条件下で行
われる。ここで、有機溶媒としては、原料となるジアミ
ン化合物およびテトラカルボン酸二無水物と合成される
ポリアミック酸をともに溶解できるものであれば特に制
限はなく、好ましいものとして例えばN−メチル−2−
ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリドン、γ−ブチロラクトン、
テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドな
どの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノ
ール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノ
ール系溶媒を例示することができる。また、有機溶媒の
使用量(a)は、通常、テトラカルボン酸二無水物およ
びジアミン化合物の総量(b)が、反応溶液の全量(a
+b)に対して0.1〜30重量%になるような量であ
ることが好ましい。
【0034】なお、前記有機溶媒には、ポリアミック酸
の貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル類、
エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類など
を、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用す
ることができる。斯かる貧溶媒の具体例としては、例え
ばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピル
アルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチル
メトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−
ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモ
ノ−i−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−
n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエー
テル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチ
レングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テト
ラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエ
タン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、ク
ロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジア
セトンアルコール、炭酸プロピレン、プロピレングリコ
ールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプ
ロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、α−
ピネンなどを挙げることができる。以上のようにして、
ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。そ
して、この反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を
得、この析出物を減圧下乾燥することによりポリアミッ
ク酸を得ることができる。また、このポリアミック酸を
再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒で析出させる工
程を1回または数回行うことにより、ポリアミック酸を
精製することができる。
【0035】<ポリイミド>本発明の液晶配向剤を構成
するポリイミドは、上記ポリアミック酸を脱水閉環する
ことにより調製することができる。本発明で用いられる
ポリイミドは、イミド化率が低いものであっても良い。
ここで、「イミド化率」とは、重合体における繰り返し
単位の総数に対する、イミド環を形成してなる繰り返し
単位の数の割合を%で表したものとする。このとき、イ
ミド環の一部がイソイミド環であっても良い。脱水閉環
反応の条件を調整することにより、イミド化率を調整す
ることができる。ポリアミック酸の脱水閉環は、(i)
ポリアミック酸を加熱する方法により、または(ii)ポ
リアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤
および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法
により行われる。上記(i)のポリアミック酸を加熱す
る方法における反応温度は、通常100〜300℃とさ
れ、好ましくは150〜250℃とされる。反応温度が
100℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応
温度が300℃を超えると得られるイミド化重合体の分
子量が低下することがある。一方、上記(ii)のポリア
ミック酸の溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加す
る方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無
水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物
を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミッ
ク酸の繰り返し単位1モルに対して0.01〜20モル
とするのが好ましい。また、脱水閉環触媒としては、例
えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン
などの3級アミンを用いることができる。しかし、これ
らに限定されるものではない。脱水閉環触媒の使用量
は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モル
とするのが好ましい。なお、脱水閉環反応に用いられる
有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられる
ものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。そ
して、脱水閉環反応の反応温度は、通常0〜180℃、
好ましくは10〜150℃とされる。また、このように
して得られる反応溶液に対し、ポリアミック酸の精製方
法と同様の操作を行うことにより、ポリイミドを精製す
ることができる。
【0036】<液晶配向剤>本発明の液晶配向剤は、上
記ポリアミック酸および/またはポリイミドが、通常、
有機溶媒中に溶解含有されて構成される。本発明の液晶
配向剤を構成する有機溶媒としては、ポリアミック酸の
合成反応に用いられるものとして例示した溶媒を挙げる
ことができる。また、ポリアミック酸の合成反応の際に
併用することができるものとして例示した貧溶媒も適宜
選択して併用することができる。本発明の液晶配向剤に
おける固形分濃度は、粘性、揮発性などを考慮して選択
されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲とされる。
すなわち、本発明の液晶配向剤は、基板表面に塗布さ
れ、液晶配向膜となる塗膜が形成されるが、固形分濃度
が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小
となって良好な液晶配向膜を得ることができず、固形分
濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大
となって良好な液晶配向膜を得ることができず、また、
液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣るものとな
る。また、本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、
通常、0℃〜200℃、好ましくは20℃〜60℃であ
る。
【0037】本発明の液晶配向剤には、基板表面に対す
る接着性を向上させる観点から、官能性シラン含有化合
物またはエポキシ基含有化合物が含有されていてもよ
い。斯かる官能性シラン含有化合物としては、例えば3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメト
キシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピ
ルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエト
キシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキ
シシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメ
トキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−
トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、1
0−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカ
ン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルア
セテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノ
ニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)
−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス
(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシ
シランなどを挙げることができる。
【0038】また、エポキシ基含有化合物としては、例
えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエ
チレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレング
リコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコ
ールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール
ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリ
シジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジ
ルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2
−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテ
ル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキ
サンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリシジ
ル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジ
グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,
N’,N’,−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノ
ジフェニルメタンなどを好ましいものとして挙げること
ができる。これら官能性シラン含有化合物やエポキシ基
含有化合物の配合割合は、重合体100重量部に対し
て、通常、40重量部以下、好ましくは0.1〜30重
量部である。
【0039】<液晶表示素子>本発明の液晶配向剤を用
いて得られる液晶表示素子は、例えば次の方法によって
製造することができる。 (1)パターニングされた透明導電膜が設けられている
基板の一面に、本発明の液晶配向剤を例えばロールコー
ター法、スピンナー法、印刷法などの方法によって塗布
し、次いで、塗布面を加熱することにより塗膜を形成す
る。ここに、基板としては、例えばフロートガラス、ソ
ーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホ
ン、ポリカーボネートなどのプラスチックからなる透明
基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透
明導電膜としては、酸化スズ(SnO2 )からなるNE
SA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸
化スズ(In23−SnO2)からなるITO膜などを
用いることができ、これらの透明導電膜のパターニング
には、フォト・エッチング法や予めマスクを用いる方法
が用いられる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面
および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にする
ために、基板の該表面に、官能性シラン含有化合物、官
能性チタン含有化合物などを予め塗布することもでき
る。液晶配向剤塗布後の加熱温度は80〜300℃とさ
れ、好ましくは120〜250℃とされる。なお、ポリ
アミック酸を含有する本発明の液晶配向剤は、塗布後に
有機溶媒を除去することによって配向膜となる塗膜を形
成するが、さらに加熱することによって脱水閉環を進行
させ、よりイミド化された塗膜とすることもできる。形
成される塗膜の膜厚は、通常0.001〜1μmであ
り、好ましくは0.005〜0.5μmである。
【0040】(2)形成された塗膜面を、例えばナイロ
ン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付
けたロールで一定方向に擦るラビング処理を行う。これ
により、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向
膜となる。また、本発明の液晶配向剤により形成された
液晶配向膜に、例えば特開平6−222366号公報や
特開平6−281937号公報に示されているような、
紫外線を部分的に照射することによってプレチルト角を
変化させるような処理、あるいは特開平5−10754
4号公報に示されているような、ラビング処理を施した
液晶配向膜表面にレジスト膜を部分的に形成し、先のラ
ビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレ
ジスト膜を除去して、液晶配向膜の液晶配向能を変化さ
せるような処理を行うことによって、液晶表示素子の視
界特性を改善することが可能である。
【0041】(3)上記のようにして液晶配向膜が形成
された基板を2枚作製し、それぞれの液晶配向膜におけ
るラビング方向が直交または逆平行となるように、2枚
の基板を、間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、
2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基
板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内
に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成
する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セル
を構成するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を、その
偏光方向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラ
ビング方向と一致または直交するように貼り合わせるこ
とにより、液晶表示素子が得られる。得られた液晶表示
素子は、外部(通常、素子の下部)に反射鏡を配置する
ことにより、反射型液晶表示素子として用いられる。
【0042】ここに、シール剤としては、例えば硬化剤
およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有す
るエポキシ樹脂などを用いることができる。液晶として
は、ネマティック型液晶を挙げることができ、例えばシ
ッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液
晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、
ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液
晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオ
クタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができ
る。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライ
ド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネー
トなどのコレステリック型液晶や商品名「C−15」
「CB−15」(メルク社製)として販売されているよ
うなカイラル剤などを添加して使用することもできる。
また、液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板として
は、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ
素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロース
保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光
板を挙げることができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるもの
ではない。本明細書の実施例および比較例の液晶配向膜
の透明性は透過率測定により評価した。測定装置にはH
ITACHI U−2010型分光光度計(日立製作所
(株)製)を用いた。
【0044】〔合成例1〕テトラカルボン酸二無水物と
して2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二
無水物224.174g(1モル)、ジアミン化合物と
して4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)
203.4g(0.9モル)を、N−メチル−2−ピロ
リドン4500gに溶解させ、60℃で6時間反応させ
た。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注
いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコー
ルで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることに
より、対数粘度0.90dl/g、イミド化率0%のポ
リアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−1)」
とする。)550gを得た。得られたポリアミック酸3
0gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解さ
せ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添
加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして
沈殿、洗浄、減圧を行い、対数粘度0.85dl/g、
イミド化率100%のポリイミド(これを「ポリイミド
(Ab−1)」とする。)17.5gを得た。
【0045】〔合成例2〕テトラカルボン酸酸二無水物
として、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢
酸二無水物224.174g(1モル)とジアミン化合
物として1,4−ジアミノシクロヘキサン120.0g
(1モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数
粘度が0.95dl/gのポリアミック酸(これを「ポ
リアミック酸(Aa−2)」とする。)502gを得
た。その後ポリアミック酸(Aa−1)に代えてポリア
ミック酸(Aa−2)を用いたこと以外は合成例1と同
様にして、対数粘度0.87dl/g、イミド化率10
0%のポリイミド(これを「ポリイミド(Ab−2)」
とする。)18.5gを得た。〔合成例3〕テトラカル
ボン酸酸二無水物として、ピロメリット酸無水物21
8.12g(1モル)とジアミン化合物としてパラフェ
ニレンジアミン108.2g(1モル)を用いた以外は
合成例1と同様にして、対数粘度が1.95dl/gの
ポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−
3)」とする。)480gを得た。
【0046】〔実施例1〕 (1)液晶配向剤の調製:合成例1で得られたポリイミ
ド(Ab−1)4gを、4−ヒドロキシ−4−メチル−
2−ペンタノン20gとγ−ブチロラクトン76gとの
混合溶剤に溶解させて、固形分濃度4重量%の溶液とし
た。この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過して本発
明の液晶配向剤を調製した。 (2)塗膜の作製:厚さ1.5mmの石英基板上に、上
記のようにして調製された本発明の液晶配向剤をスピン
ナーを用いて塗布し、180℃で1時間乾燥することに
より乾燥膜厚800Åの塗膜を形成した。作製された塗
膜の透過率測定を行った。透過率測定は、波長700n
m、600nm、500nm、450nm、400n
m、350nmおよび300nmにおける値を求めた。
結果を表1に示す。
【0047】(3)液晶表示素子の作製: 厚さ1mmのガラス基板の一面に設けられたITO
膜からなる透明導電膜上に、上記のようにして調製され
た本発明の液晶配向剤をスピンナーを用いて塗布し、1
80℃で1時間乾燥することにより乾燥膜厚800Åの
塗膜を形成した。 形成された塗膜面を、ナイロン製の布を巻き付けた
ロールを有するラビングマシーンを用いてラビング処理
を行い、液晶配向膜とした。ここに、ラビング処理条件
は、ロールの回転数400rpm、ステージの移動速度
3cm/秒、毛足押し込み長さ0.4mmとした。 上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2
枚作製し、それぞれの基板の外縁部に、直径17μmの
酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂系接着剤を
スクリーン印刷法により塗布した後、それぞれの液晶配
向膜におけるラビング方向が逆平行となるように2枚の
基板を間隙を介して対向配置し、外縁部同士を当接させ
て圧着して接着剤を硬化させた。 基板の表面および外縁部の接着剤により区画された
セルギャップ内に、ネマティック型液晶「MLC−20
01」(メルク社製)を注入充填し、次いで、注入孔を
エポキシ系接着剤で封止して液晶セルを構成した。その
後、液晶セルの外表面に、偏光方向が当該基板の一面に
形成された液晶配向膜のラビング方向と一致するように
偏光板を貼り合わせることにより、液晶表示素子を作製
した。 上記のようにして作製された液晶表示素子につい
て、液晶配向の面内均一性を目視により評価した。評価
基準としては、配向状態の乱れに起因する1mm2以上
の着色領域が存在しない場合を、均一性が良好とした。
結果を表1に示す。
【0048】〔実施例2〕合成例2で得られたポリイミ
ド(Ab−2)を用い、実施例1と同様にして本発明の
液晶配向剤を調製した。次いで、このようにして調製さ
れた液晶配向剤を用い、実施例1と同様にして塗膜およ
び液晶表示素子を作製した。作製された塗膜の透過率測
定を行うとともに液晶表示素子について、液晶配向の面
内均一性を評価した。結果を表1に示す。 〔比較例〕合成例3で得られたポリアミック酸(Aa−
3)を用い、実施例1と同様にして、比較用の液晶配向
剤を調製した。次いで、このようにして調製された液晶
配向剤を用い、実施例1と同様にして塗膜および液晶表
示素子を作製した。作製された塗膜の透過率測定を行う
とともに液晶表示素子について、液晶配向の面内均一性
を評価した。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、可視域の光透過性に優
れた液晶配向膜を形成することができる液晶配向剤を提
供することができる。本発明の液晶配向剤により形成さ
れる液晶配向膜は、TN型およびSTN型のみならずゲ
スト−ホスト型液晶表示素子など種々の反射型液晶表示
素子を構成するために好適に使用することができる。ま
た、当該液晶配向膜を備えた液晶表示素子は、画質に優
れ、種々の装置に有効に使用することができ、例えば卓
上計算機、腕時計、計数表示板、モバイルコンピュータ
などの表示装置として好適に用いることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 300nm〜700nmの波長領域にお
    ける透過率が90%以上のポリアミック酸および/また
    はポリイミドを含有することを特徴とする、反射型液晶
    表示素子用液晶配向剤。
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