JP2007264363A - 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シクロブタンテトラカルボン酸二無水物と、ピロリメット酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物またはビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物とをテトラカルボン酸二無水物としそしてジアミノジフェニルエーテルをジアミン化合物とするポリアミック酸およびそのポリアミック酸とは異なる他のポリアミック酸のイミド化重合体とを含有し、そしてアミック酸結合単位を30〜90%含有する液晶配向剤。
【選択図】なし
Description
また、カイラル剤の添加によって当該液晶分子の長軸が基板間で180度以上にわたって連続的に捻れる状態を達成させ、これにより生じる複屈折効果を利用したSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子も知られている。さらに最近においては、対向する基板間に負の誘電異方性を有するホメオトロピック配向状態のネマチック液晶層や螺旋軸が基板法線と平行状態にあるコレステリック液晶層を形成させ、それらの液晶層中に色素を添加した、ゲスト−ホスト型の反射型液晶表示素子も開発されている。これらの液晶表示素子における液晶の配向は、通常、ラビング処理が施された液晶配向膜により発現される。ここに、液晶表示素子を構成する液晶配向膜の材料としては、従来よりポリイミド、ポリアミドおよびポリエステルなどが知られている。特にポリイミドは、耐熱性、液晶との親和性、機械的強度などに優れているため多くの液晶表示素子に使用されている。
で表わされる繰返し単位を有するポリアミック酸、および
上記式(I)で表わされる繰返し単位を持たないポリアミック酸のイミド化重合体を含有し、そして
アミック酸結合単位とイミド結合単位の合計結合単位数に基づいてアミック酸結合単位の数が30〜90%を占める、
ことを特徴とする液晶配向剤によって達成される。
本発明の液晶表示素子は、種々の装置に有効に使用することができ、例えば、卓上計算機、腕時計、置時計、携帯電話、計数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、液晶テレビなどの表示装置として好適に用いることができる。
ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを開環重付加させて得られ、イミド化重合体は、通常、ポリアミック酸を脱水閉環させて得られる。
[テトラカルボン酸二無水物]
ポリアミック酸の上記式(I)で表される繰り返し単位(アミック酸単位)におけるPで表される4価の有機基と、イミド化重合体の繰り返し単位(イミド単位)における相当する4価の有機基は、いずれもテトラカルボン酸二無水物に由来する基である。これらの4価の有機基は同一ではなく異なっている。換言すれば、アミック酸結合単位を構成するテトラカルボン酸二無水物に由来する4価の有機基(P)とイミド結合単位を構成するテトラカルボン酸二無水物に由来する4価の有機基とは異なっている。上記式(I)におけるPは下記式(i)で表される4価の有機基と、下記式(ii)〜(vi)のそれぞれで表わされる4価の基よりなる群から選ばれる少なくとも一種とを有する。
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、下記式(1)〜(4)のそれぞれで表される化合物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
ポリアミック酸の上記式(I)で表される繰り返し単位(アミック酸単位)におけるQで表される2価の有機基と、イミド化重合体の繰り返し単位(イミド単位)における相当する2価の有機基は、いずれもジアミン化合物に由来する基である。これらの2価の有機基は同一ではなく異なっている。換言すれば、アミック酸結合単位を構成するジアミン化合物に由来する2価の有機基(Q)とイミド結合単位を構成するジアミン化合物に由来する2価の有機基とは異なっている。上記式(I)におけるQは下記式(vii)で表される2価の有機基である。
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族および脂環式ジアミン;
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミンおよび下記式(IV)〜(V)で表される化合物などの、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン;
下記式(VI)で表されるモノ置換フェニレンジアミン類;下記式(VII)で表されるジアミノオルガノシロキサン;
下記式(9)〜(13)で表される化合物などを挙げることができる。これらのジアミン化合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
これらのうち、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4−(4’−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、上記式(9)〜(13)で表される化合物、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、上記式(IV)で表される化合物のうち下記式(14)で表される化合物、上記式(V)で表される化合物のうち下記式(15)で表される化合物および上記式(VI)で表される化合物のうち下記式(16)〜(21)で表される化合物が好ましい。
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割合は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中において、好ましくは−20〜150℃、より好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。ここで、有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を例示することができる。また、有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
前記有機溶媒には、ポリアミック酸の貧溶媒であるアルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用することができる。かかる貧溶媒の具体例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙げることができる。
以上のようにして、ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。そして、この反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧下乾燥することによりポリアミック酸を得ることができる。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒で析出させる工程を1回または数回行うことにより、ポリアミック酸を精製することができる。
本発明の液晶配向剤を構成するイミド化重合体は、ポリアミック酸を脱水閉環することにより調製することができる。本発明で用いるイミド化重合体は、イミド化率100%未満の、部分的に脱水閉環されたものであってもよい。ここでいう「イミド化率」とは、ポリマーの全繰り返し単位中、イミド環またはイソイミド環を有する繰り返し単位の割合を、百分率で表した値である。イミド化率が20〜100%のイミド化重合体からなる配向膜は、特にTFT型素子に用いられる場合、焼き付きおよび信頼性が高いという評価を得ることができる。ポリアミック酸の脱水閉環は、(i)ポリアミック酸を加熱する方法により、または(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。
上記(i)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行し難く、反応温度が200℃を超えると得られるイミド化重合体の分子量が低下することがある。
上記ポリアミック酸、部分イミド化ブロック重合体および部分イミド化ランダム重合体は、分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。この末端修飾型の重合体を用いることにより、本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性などを改善することができる。このような末端修飾型のものは、ポリアミック酸を合成する際に、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを反応系に添加することにより合成することができる。ここで、酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げることができる。また、モノアミン化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。また、モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
以上のようにして得られるポリアミック酸およびイミド化重合体、その対数粘度(ηln)の値が好ましくは0.05〜10dl/g、より好ましくは0.05〜5dl/gである。
本発明における対数粘度(ηln)の値は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.5g/100ミリリットルである溶液について30℃で粘度の測定を行い、下記式(i)によって求められるものである。
本発明の液晶配向剤は、上記ポリアミック酸とイミド化重合体が有機溶媒中に溶解含有されて構成される。本発明の液晶配向剤を構成する上記重合体は、ポリアミック酸結合単位とイミド結合単位の合計結合単位数に基づいてアミック酸結合単位の数が30〜90%を占め、イミド結合単位の数が10〜70%を占めるように用いられる。
本発明の液晶配向剤を構成する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成反応に用いられるものとして例示した溶媒と同じものを挙げることができる。また、ポリアミック酸の合成反応の際に併用することができるものとして例示した貧溶媒と同じものも適宜選択して併用することができる。
本発明の液晶配向剤における固形分濃度は、粘性、揮発性などを考慮して選択される。好ましくは1〜10重量%の範囲である。すなわち、本発明の液晶配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜を形成するが、固形分濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得難い。固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得難く、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣り易くなる。また、本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは、0℃〜200℃、より好ましくは20℃〜60℃である。
これら官能性シラン含有化合物の配合割合は、ポリアミック酸とイミド化重合体の合計重量100重量部に対して、好ましくは40重量部以下である。
本発明の液晶配向剤を用いて得られる液晶表示素子は、例えば次の方法によって製造することができる。
また、本発明の液晶配向剤により形成された液晶配向膜に、例えば特開平6−222366号公報や特開平6−281937号公報に示されているような、紫外線を部分的に照射することによってプレチルト角を変化させるような処理、あるいは特開平5−107544号公報に示されているような、ラビング処理を施した液晶配向膜表面にレジスト膜を部分的に形成し、先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去して、液晶配向膜の液晶配向能を変化させるような処理を行うことによって、液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。
液晶としては、ネマティック型液晶およびスメクティック型液晶を挙げることができ、その中でもネマティック型液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック型液晶や商品名「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤などを添加して使用することもできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶も使用することができる。
また、液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
FT−IR測定における1381cm−1付近の吸収(C−N−C変角振動=イミド結合の吸収)と、1503cm−1付近の吸収(アミック酸結合の吸収)とのピーク面積比から、下記式によりイミド化率を算出した、
イミド化率={α1/(α1+α2)}×100(%)
α1:1381cm−1付近の吸収のピーク面積
α2:1503cm−1付近の吸収のピーク面積
なお、α2は塗膜を300℃のホットプレートで10分間加熱したものの1303cm−1付近の吸収を0として、ピーク面積を求めた値である。
液晶表示素子に5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定した。測定装置は(株)東陽テクニカ製VHR−1を使用した。電圧保持率が90%以上の場合を良、それ以外の場合を不良と判断した。
図1に示したようなITO電極を持つセルを作製。電極Aに直流電圧6.0V、電極Bに直流電圧0.5Vを室温にて24時間印加。ストレス解放後、電極A、Bに直流電圧0.1〜5.0Vを0.1V刻みに印加。それぞれの電圧での電極A,Bの輝度差により焼き付き特性を判断した。輝度差が小さい場合、焼き付き特性が良好(○)、輝度差が大きい場合、焼き付き特性が悪い(×)と判断した。
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物112.09g(0.50モル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン157.15g(0.50モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン94.62g(0.875モル)、2,2’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル32.02g(0.10モル)および3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン6.43g(0.01モル)、さらにモノアミンとしてn−オクタデシルアミン8.09g(0.03モル)を、N−メチル−2−ピロリドン4500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.80dl/gのポリアミック酸380gを得た。得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、対数粘度0.78dl/gのポリイミド(これを「ポリイミド(A−1)」とする)18.6gを得た。
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物112.09g(0.50モル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン157.15g(0.50モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン81.65g(0.755モル)、2,2’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル32.02g(0.10モル)、ビスアミノプロピルテトラメチルジシロキサン24.85g(0.10モル)および3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン19.28g(0.03モル)、さらにモノアミンとしてアニリン2.79g(0.03モル)を、N−メチル−2−ピロリドン4500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.77dl/gのポリアミック酸370gを得た。得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、対数粘度0.79dl/gのポリイミド(これを「ポリイミド(A−2)」とする)20.3gを得た。
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物95.06g(0.50モル)およびピロメリット酸二無水物109.06g(0.50モル)、ジアミン化合物として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.24g(1.0モル)を、N−メチル−2−ピロリドン4500gに溶解させ、40℃で3時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコール中に注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.95dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(B−1)」とする)410gを得た。
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物112.08g(0.5モル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン157.15g(0.5モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン95.71g(0.865モル)、ビスアミノプロピルテトラメチルジシロキサン24.85g(0.1モル)および3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン12.86g(0.02モル)、さらにモノアミンとしてN−オクタデシルアミン8.09g(0.03モル)を、N−メチル−2−ピロリドン4500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.84dl/gのポリアミック酸340gを得た。得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、対数粘度0.65dl/gのポリイミド(これを「ポリイミド(A−3)」とする)17.4gを得た。
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1.0モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン95.16g(0・88モル)、およびコレスタリル−3,5−ジアミノベンゾエート7.842g(0.015モル)をN−メチル−2−ピロリドン4500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.75dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸B−2」とする)を400g得た。得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、対数粘度0.78dl/gのポリイミド(これを「ポリイミド(A−4)」とする)19.2gを得た
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物196.12g(1.0モル)、ジアミン化合物として2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル212.3g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン4500gに溶解させ、40℃で3時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコール中に注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.91dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(B−3)」とする)390gを得た。
合成例1で得られたポリイミド(A−1)および合成例3で得られたポリアミック酸(B−1)を、ポリイミド:ポリアミック酸=20:80(重量比)になるように、γ−ブチロラクトン/N−メチル−2−ピロリドン/ブチルセロソルブ混合溶剤(重量比71/17/12)に溶解させて、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを重合体100重量部に対して2重量部溶解させ固形分濃度3.5重量%の溶液とし、十分な攪拌後、この溶液を孔径1μmのフィルターを用いて濾過し、本発明の液晶配向剤を調製した。イミド化率上記液晶配向剤を、厚さ1mmのガラス基板の一面に設けられたITO膜からなる透明導電膜上に、スピンナーを用いて塗布(回転数:2500rpm,塗布時間:1分間)し、200℃で1時間乾燥することにより乾燥膜厚0.08μmの被膜を形成した。この被膜のイミド化率を測定したところ、イミド化率は52%であった。この被膜にレーヨン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンにより、ロールの回転数400rpm、ステージの移動速度3cm/秒、毛足押し込み長さ0.4mmでラビング処理を行った。上記液晶配向膜塗布基板を、イソプロピルアルコール中に1分間浸漬した後、100℃のホットプレート上で5分間乾燥した。次に、一対の透明電極/透明電極基板の上記液晶配向膜塗布基板の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間に、ネマティック型液晶(メルク社製、MLC−6221)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏光板を張り合わせ、液晶表示素子を作製した。得られた液晶表示素子の電圧保持率を評価した。本発明で得られた液晶配向剤は、電圧保持率が99%以上と高い値を示した。また、焼き付き試験を行ったところ、良好な結果を示した。
合成例2〜6で得られたポリイミド(A−2)〜(A−4)、ポリアミック酸(B−1)〜(B−3)、とN,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンをγ―ブチロラクトンを主成分とする混合溶剤に溶解させ固形分濃度3.5%の溶液を得、この溶液を孔径1μmのフィルターでろ過することにより、本発明の液晶配向剤を調整した。このようにして調整された液晶配向剤の各々を用い、実施例1と同様にして、基板表面上に被膜を形成し、当該液晶配向膜が形成された基板を用いて液晶表示素子を作製した。そして、電圧保持率、焼き付き特性を評価した。結果を表1に示す。
Claims (5)
- イミド化重合体が、テトラカルボン酸二無水物に由来する4価の基として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオンのそれぞれに由来する4価の基を含有し、そしてジアミン化合物に由来する2価の基として2,2’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニルに由来する2価の基を含有する請求項1に記載の液晶配向剤。
- 分子内に少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物を、ポリアミック酸とイミド化重合体の合計重量100重量部に対し、0.1〜15重量部でさらに含む請求項1または2に記載の液晶配向剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載された液晶配向剤から形成された液晶配向膜。
- 請求項4に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
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