JP2005327872A - 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよび磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよび磁気ディスク装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005327872A
JP2005327872A JP2004143993A JP2004143993A JP2005327872A JP 2005327872 A JP2005327872 A JP 2005327872A JP 2004143993 A JP2004143993 A JP 2004143993A JP 2004143993 A JP2004143993 A JP 2004143993A JP 2005327872 A JP2005327872 A JP 2005327872A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
magnetic
film
thickness
nonmagnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004143993A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3683577B1 (ja
Inventor
Daisuke Miyauchi
大助 宮内
Tomohito Mizuno
友人 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2004143993A priority Critical patent/JP3683577B1/ja
Priority to US11/002,814 priority patent/US7446983B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3683577B1 publication Critical patent/JP3683577B1/ja
Publication of JP2005327872A publication Critical patent/JP2005327872A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/33Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only
    • G11B5/39Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects
    • G11B5/3903Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects using magnetic thin film layers or their effects, the films being part of integrated structures

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)

Abstract

【課題】磁気抵抗効果素子を構成する各層の面に対して垂直な方向に電流を流したときに大きな磁気抵抗変化を得ることができるようにする。
【解決手段】MR素子5は、互いに反対側を向く2つの面を有する非磁性導電層24と、非磁性導電層24における一方の面に隣接するように配置され、外部磁界に応じて磁化の方向が変化するフリー層25と、非磁性導電層24の他方の面に隣接するように配置され、磁化の方向が固定されたピンド層23とを備えている。ピンド層23は、第1ピンド層31、結合層33および第2ピンド層32を有している。第2ピンド層32は、それぞれ磁性材料よりなる3つの磁性層41,42,43を有している。磁性層41,42の間と磁性層42,43の間には、それぞれ、Cu膜、磁性膜およびCu膜よりなる積層体が挿入されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子、ならびに、この磁気抵抗効果素子を有する薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよび磁気ディスク装置に関する。
近年、磁気ディスク装置の面記録密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドとしては、基板に対して、読み出し用の磁気抵抗効果素子(以下、MR(Magnetoresistive)素子とも記す。)を有する再生ヘッドと書き込み用の誘導型電磁変換素子を有する記録ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。
MR素子としては、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magnetoresistive)効果を用いたAMR素子や、巨大磁気抵抗(Giant Magnetoresistive)効果を用いたGMR素子や、トンネル磁気抵抗(Tunnel-type Magnetoresistive)効果を用いたTMR素子等がある。
再生ヘッドの特性としては、高感度および高出力であることが要求される。この要求を満たす再生ヘッドとして、既に、スピンバルブ型GMR素子を用いたGMRヘッドが量産されている。最近では、面記録密度の更なる向上に対応するために、TMR素子を用いた再生ヘッドの開発が進められている。
スピンバルブ型GMR素子は、一般的には、互いに反対側を向く2つの面を有する非磁性導電層と、この非磁性導電層の一方の面に隣接するように配置されたフリー層と、非磁性導電層の他方の面に隣接するように配置されたピンド層と、このピンド層における非磁性導電層とは反対側の面に隣接するように配置された反強磁性層とを有している。フリー層は信号磁界に応じて磁化の方向が変化する層である。ピンド層は、磁化の方向が固定された強磁性層である。反強磁性層は、ピンド層との交換結合により、ピンド層における磁化の方向を固定する層である。
ところで、従来のGMRヘッドでは、磁気的信号検出用の電流(以下、センス電流という。)を、GMR素子を構成する各層の面に対して平行な方向に流す構造になっていた。このような構造は、CIP(Current In Plane)構造と呼ばれる。これに対し、センス電流を、GMR素子を構成する各層の面に対して垂直な方向に流す構造のGMRヘッドの開発も進められている。このような構造は、CPP(Current Perpendicular to Plane)構造と呼ばれる。以下、CPP構造の再生ヘッドに用いられるGMR素子をCPP−GMR素子と呼び、CIP構造の再生ヘッドに用いられるGMR素子をCIP−GMR素子と呼ぶ。なお、前述のTMR素子を用いた再生ヘッドもCPP構造となる。
CPP−GMR素子は、TMR素子に比べて抵抗が小さいことや、トラック幅が小さくなったときにCIP−GMR素子に比べて大きな出力が得られること等の利点があることから、高い将来性を持つものとして期待されている。
しかしながら、CIP−GMR素子における各層の構成を、そのままCPP−GMR素子に適用しても、十分な磁気抵抗変化を得ることができない。その大きな要因としては、次の2つがある。1つの要因は、CPP−GMR素子では、磁気抵抗変化に寄与する部分、すなわちフリー層、ピンド層および非磁性導電層からなる部分の抵抗が素子全体の抵抗の中で占める割合が小さいことである。もう1つの要因は、CPP−GMR素子では、CIP−GMR素子に比べて、磁性層と非磁性層の界面におけるスピンに依存した電子の散乱(以下、界面散乱と言う。)による磁気抵抗変化が小さいことである。すなわち、通常のGMR素子では、磁性層と非磁性層の界面は、非磁性導電層とフリー層との間と、非磁性導電層とピンド層との間の2つである。それでも、CIP−GMR素子では、センス電流は、GMR素子を構成する各層の面に対して平行な方向に流されるため、界面散乱による磁気抵抗変化が十分に得られる。これに対し、CPP−GMR素子では、センス電流は、GMR素子を構成する各層の面に対して垂直な方向に流されるため、GMR素子における磁気抵抗変化に対する界面散乱の寄与は小さい。
CPP−GMR素子では、GMR素子における磁気抵抗変化に対して、磁性層内におけるスピンに依存した電子の散乱(以下、バルク散乱と言う。)の寄与が大きい。そのため、CPP−GMR素子において大きな磁気抵抗変化を得るためには、磁性層であるフリー層およびピンド層の厚さを大きくすることが効果的である。しかしながら、フリー層の厚さを大きくすると、フリー層における磁化の方向が変化しにくくなるという問題が生じる。また、ピンド層の厚さを大きくすると、反強磁性層によってピンド層における磁化の方向を十分強固に固定することが難しくなるという問題が生じる。従って、CPP−GMR素子において、フリー層およびピンド層の厚さを大きくして磁気抵抗変化を大きくすることには限界がある。
特許文献1には、CPP−GMR素子において大きな磁気抵抗変化を得るために、フリー層またはピンド層に非磁性金属層を挿入して、界面散乱を生じさせる界面の数を増やす技術が記載されている。特許文献1には、具体的には、CoFeBからなる強磁性金属層とCuからなる非磁性金属層を交互に積層した構造のフリー層を含むCPP−GMR素子が記載されている。
ところで、磁性層内における上向きスピンの電気伝導率と下向きスピンの電気伝導率との非対称性は、バルク散乱係数βで表される。具体的には、磁性層内における上向きスピンの電気伝導率をσ↑、磁性層内における下向きスピンの電気伝導率をσ↓とすると、バルク散乱係数βは、以下の式で表される。
β=(σ↑−σ↓)/(σ↑+σ↓)
同様に、磁性層と非磁性層の界面における上向きスピンの電気伝導率と下向きスピンの電気伝導率との非対称性は、界面散乱係数γで表される。具体的には、界面における上向きスピンの電気伝導率をσ↑、界面における下向きスピンの電気伝導率をσ↓とすると、界面散乱係数γは、以下の式で表される。
γ=(σ↑−σ↓)/(σ↑+σ↓)
バルク散乱係数βの絶対値が大きいほど磁気抵抗変化は大きくなる。同様に、界面散乱係数γの絶対値が大きいほど磁気抵抗変化は大きくなる。ただし、ある磁性層のバルク散乱係数βの正負の符号と、その磁性層と非磁性層の界面の界面散乱係数γの正負の符号とが異なる場合には、バルク散乱による磁気抵抗変化と界面散乱による磁気抵抗変化とが打ち消し合う。
バルク散乱係数βは、磁性層を構成する材料に依存し、界面散乱係数γは、磁性層を構成する材料と非磁性層を構成する材料との組み合わせに依存する。非特許文献1には、各種の材料についてバルク散乱係数βおよび界面散乱係数γを求めた結果が示されている。
特開2003−152239号公報 フィジカル・レビュー・ビー(Physical Review B),米国,アメリカン・フィジカル・ソサイアティ(The American Physical Society),1999年9月1日,第60巻,第9号,p.6710−6722
特許文献1には、フリー層の構造として、約1〜2nmの強磁性金属層を2〜3層、非磁性金属層を介して積層した構造が望ましいと記載されている。そして、特許文献1には、一定の厚さの強磁性金属層と一定の厚さの非磁性金属層とを交互に積層した構造のフリー層が記載されている。しかしながら、このような構造では、各強磁性金属層が所望の磁気特性を有するようにするために各強磁性金属層の厚さを約1〜2nmとすると、フリー層全体の厚さが大きくなり、フリー層における磁化の方向が変化しにくくなるという問題が生じる。また、ピンド層の構造を、一定の厚さの強磁性金属層と一定の厚さの非磁性金属層とを交互に積層した構造とした場合には、ピンド層全体の厚さが大きくなり、反強磁性層によってピンド層における磁化の方向を十分強固に固定することが難しくなるという問題が生じる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、磁気抵抗効果素子を構成する各層の面に対して垂直な方向に電流を流したときに大きな磁気抵抗変化を得ることができるようにした磁気抵抗効果素子、ならびに、この磁気抵抗効果素子を有する薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよび磁気ディスク装置を提供することにある。
本発明の磁気抵抗効果素子は、互いに反対側を向く2つの面を有する非磁性導電層と、非磁性導電層における一方の面に隣接するように配置され、外部磁界に応じて磁化の方向が変化するフリー層と、非磁性導電層の他方の面に隣接するように配置され、磁化の方向が固定されたピンド層とを備えている。本発明において、フリー層とピンド層の少なくとも一方は、それぞれ磁性材料よりなる第1および第2の磁性層と、第1および第2の磁性層の間において第1の磁性層に隣接するように配置された第1の非磁性膜と、第1および第2の磁性層の間において第2の磁性層に隣接するように配置された第2の非磁性膜と、第1および第2の非磁性膜の間において、これらに接するように配置された磁性膜とを有している。第1および第2の非磁性膜は、いずれも銅よりなる。磁性膜は、コバルト、ニッケル、鉄のいずれかを含む磁性材料よりなり、且つ0より大きく0.5nm以下の厚さを有している。
本発明の磁気抵抗効果素子では、第1の非磁性膜と第1の磁性層との間、第1の非磁性膜と磁性膜との間、第2の非磁性膜と第2の磁性層との間、第2の非磁性膜と磁性膜との間に、界面散乱係数の大きな界面が形成される。これにより、本発明の磁気抵抗効果素子では、磁気抵抗効果素子を構成する各層の面に対して垂直な方向に電流を流したときに大きな磁気抵抗変化を得ることが可能になる。また、本発明では、磁性膜の厚さが0より大きく0.5nm以下であることから、フリー層またはピンド層の全体の厚さをあまり大きくすることなく、第1および第2の磁性層の厚さを、所望の磁気特性を得るために十分な厚さにすることができる。
本発明の磁気抵抗効果素子において、第1および第2の非磁性膜は、いずれも、0より大きく0.5nm以下の厚さを有していてもよい。
また、本発明の磁気抵抗効果素子において、第1および第2の磁性層は、いずれも、1nm以上、2nm以下の厚さを有していてもよい。
また、本発明の磁気抵抗効果素子において、磁性膜は、コバルト−マンガン合金よりなるものであってもよい。
また、本発明の磁気抵抗効果素子において、磁性膜は、コバルト−鉄合金またはニッケル−鉄合金よりなるものであってもよい。
本発明の薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面と、記録媒体からの信号磁界を検出するために媒体対向面の近傍に配置された本発明の磁気抵抗効果素子と、磁気的信号検出用の電流を、磁気抵抗効果素子に対して、磁気抵抗効果素子を構成する各層の面に対して垂直な方向に流すための一対の電極とを備えたものである。
本発明のヘッドジンバルアセンブリは、本発明の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを弾性的に支持するサスペンションとを備えたものである。
本発明の磁気ディスク装置は、本発明の薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを支持すると共に記録媒体に対して位置決めする位置決め装置とを備えたものである。
本発明の磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリまたは磁気ディスク装置では、第1の非磁性膜と第1の磁性層との間、第1の非磁性膜と磁性膜との間、第2の非磁性膜と第2の磁性層との間、第2の非磁性膜と磁性膜との間に、界面散乱を生じさせる界面が形成される。これにより、本発明によれば、磁気抵抗効果素子を構成する各層の面に対して垂直な方向に電流を流したときに大きな磁気抵抗変化を得ることが可能になるという効果を奏する。また、本発明では、磁性膜の厚さが0より大きく0.5nm以下であることから、フリー層またはピンド層の全体の厚さをあまり大きくすることなく、第1および第2の磁性層の厚さを、所望の磁気特性を得るために十分な厚さにすることができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
始めに、図3および図4を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成および製造方法の概略について説明する。図3は薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面および基板に垂直な断面を示す断面図、図4は薄膜磁気ヘッドの磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示す断面図である。
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、まず、アルティック(Al23・TiC)等のセラミック材料よりなる基板1の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ(Al23)等の絶縁材料よりなる絶縁層2を、例えば1〜5μmの厚さに形成する。次に、絶縁層2の上に、めっき法等によって、NiFe、FeAlSi等の磁性材料よりなる再生ヘッド用の第1のシールド層3を、所定のパターンに形成する。次に、図示しないが、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層を形成する。次に、例えば化学機械研磨(以下、CMPという。)によって、第1のシールド層3が露出するまで絶縁層を研磨して、第1のシールド層3および絶縁層の上面を平坦化する。
次に、第1のシールド層3の上に、再生用のMR素子5を形成する。次に、図示しないが、MR素子5の2つの側部および第1のシールド層3の上面を覆うように絶縁膜を形成する。絶縁膜は、アルミナ等の絶縁材料によって形成される。次に、絶縁膜を介してMR素子5の2つの側部に隣接するように2つのバイアス磁界印加層18を形成する。次に、MR素子5およびバイアス磁界印加層18の周囲に配置されるように絶縁層7を形成する。絶縁層7は、アルミナ等の絶縁材料によって形成される。
次に、MR素子5、バイアス磁界印加層18および絶縁層7の上に、磁性材料からなり、記録ヘッドの下部磁極層を兼ねた再生ヘッドの第2のシールド層8を形成する。なお、第2のシールド層8に用いる磁性材料は、NiFe、CoFe、CoFeNi、FeN等の軟磁性材料である。第2のシールド層8は、例えばめっき法またはスパッタリング法によって形成される。なお、第2のシールド層8の代わりに、第2のシールド層と、この第2のシールド層の上にスパッタリング法等によって形成されたアルミナ等の非磁性材料よりなる分離層と、この分離層の上に形成された下部磁極層とを設けてもよい。
次に、第2のシールド層8の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ等の絶縁材料よりなる記録ギャップ層9を、例えば50〜300nmの厚さに形成する。次に、磁路形成のために、後述する薄膜コイルの中心部分において、記録ギャップ層9を部分的にエッチングしてコンタクトホール9aを形成する。
次に、記録ギャップ層9の上に、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイルの第1層部分10を、例えば2〜3μmの厚さに形成する。なお、図3において、符号10aは、第1層部分10のうち、後述する薄膜コイルの第2層部分15に接続される接続部を表している。第1層部分10は、コンタクトホール9aの周囲に巻回される。
次に、薄膜コイルの第1層部分10およびその周辺の記録ギャップ層9を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機絶縁材料よりなる絶縁層11を所定のパターンに形成する。次に、絶縁層11の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層11の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
次に、絶縁層11のうちの後述するエアベアリング面20側の斜面部分からエアベアリング面20側にかけての領域において、記録ギャップ層9および絶縁層11の上に、記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁極層12のトラック幅規定層12aを形成する。上部磁極層12は、このトラック幅規定層12aと、後述する連結部分層12bおよびヨーク部分層12cとで構成される。
トラック幅規定層12aは、記録ギャップ層9の上に形成され、上部磁極層12の磁極部分となる先端部と、絶縁層11のエアベアリング面20側の斜面部分の上に形成され、ヨーク部分層12cに接続される接続部とを有している。先端部の幅は記録トラック幅と等しくなっている。接続部の幅は、先端部の幅よりも大きくなっている。
トラック幅規定層12aを形成する際には、同時に、コンタクトホール9aの上に磁性材料よりなる連結部分層12bを形成すると共に、接続部10aの上に磁性材料よりなる接続層13を形成する。連結部分層12bは、上部磁極層12のうち、第2のシールド層8に磁気的に連結される部分を構成する。
次に、磁極トリミングを行う。すなわち、トラック幅規定層12aの周辺領域において、トラック幅規定層12aをマスクとして、記録ギャップ層9および第2のシールド層8の磁極部分における記録ギャップ層9側の少なくとも一部をエッチングする。これにより、図4に示したように、上部磁極層12の磁極部分、記録ギャップ層9および第2のシールド層8の磁極部分の少なくとも一部の各幅が揃えられたトリム(Trim)構造が形成される。このトリム構造によれば、記録ギャップ層9の近傍における磁束の広がりによる実効的なトラック幅の増加を防止することができる。
次に、全体に、アルミナ等の無機絶縁材料よりなる絶縁層14を、例えば3〜4μmの厚さに形成する。次に、この絶縁層14を、例えばCMPによって、トラック幅規定層12a、連結部分層12bおよび接続層13の表面に至るまで研磨して平坦化する。
次に、平坦化された絶縁層14の上に、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイルの第2層部分15を、例えば2〜3μmの厚さに形成する。なお、図3において、符号15aは、第2層部分15のうち、接続層13を介して薄膜コイルの第1層部分10の接続部10aに接続される接続部を表している。第2層部分15は、連結部分層12bの周囲に巻回される。
次に、薄膜コイルの第2層部分15およびその周辺の絶縁層14を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機絶縁材料よりなる絶縁層16を所定のパターンに形成する。次に、絶縁層16の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層16の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
次に、トラック幅規定層12a、絶縁層14,16および連結部分層12bの上に、パーマロイ等の記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁極層12のヨーク部分を構成するヨーク部分層12cを形成する。ヨーク部分層12cのエアベアリング面20側の端部は、エアベアリング面20から離れた位置に配置されている。また、ヨーク部分層12cは、連結部分層12bを介して第2のシールド層8に接続されている。
次に、全体を覆うように、例えばアルミナよりなるオーバーコート層17を形成する。最後に、上記各層を含むスライダの機械加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドを含む薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面20を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
このようにして製造される薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面としてのエアベアリング面20と再生ヘッドと記録ヘッドとを備えている。再生ヘッドの構成については、後で詳しく説明する。
記録ヘッドは、エアベアリング面20側において互いに対向する磁極部分を含むと共に、互いに磁気的に連結された下部磁極層(第2のシールド層8)および上部磁極層12と、この下部磁極層の磁極部分と上部磁極層12の磁極部分との間に設けられた記録ギャップ層9と、少なくとも一部が下部磁極層および上部磁極層12の間に、これらに対して絶縁された状態で配設された薄膜コイル10,15とを有している。この薄膜磁気ヘッドでは、図3に示したように、エアベアリング面20から、絶縁層11のエアベアリング面20側の端部までの長さが、スロートハイトTHとなる。なお、スロートハイトとは、エアベアリング面20から、2つの磁極層の間隔が開き始める位置までの長さ(高さ)をいう。
次に、図1および図2を参照して、再生ヘッドの構成について詳しく説明する。図1はMR素子の層の構成を示す断面図である。図2は再生ヘッドのエアベアリング面に平行な断面を示す断面図である。
図2に示したように、本実施の形態における再生ヘッドは、所定の間隔を開けて配置された第1のシールド層3および第2のシールド層8と、第1のシールド層3と第2のシールド層8との間に配置されたMR素子5と、MR素子5の2つの側部および第1のシールド層3の上面を覆う絶縁膜6と、絶縁膜6を介してMR素子5の2つの側部に隣接する2つのバイアス磁界印加層18とを備えている。絶縁膜6は、例えばアルミナによって形成される。バイアス磁界印加層18は、硬磁性層(ハードマグネット)や、強磁性層と反強磁性層との積層体等を用いて構成される。具体的には、バイアス磁界印加層18は、例えばCoPtやCoCrPtによって形成される。
本実施の形態における再生ヘッドは、CPP構造の再生ヘッドである。第1のシールド層3と第2のシールド層8は、センス電流を、MR素子5に対して、MR素子5を構成する各層の面に対して垂直な方向に流すための一対の電極を兼ねている。なお、第1のシールド層3および第2のシールド層8とは別に、MR素子5の上下に一対の電極を設けてもよい。MR素子5は、スピンバルブ型GMR素子である。MR素子5は、外部磁界、すなわち記録媒体からの信号磁界に応じて抵抗値が変化する。センス電流は、MR素子5を構成する各層の面に対して垂直な方向に流れる。MR素子5の抵抗値はセンス電流より求めることができる。このようにして、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生することができる。
図1および図2に示したように、MR素子5は、第1のシールド層3の上に順に積層された下地層21、反強磁性層22、ピンド層23、非磁性導電層24、フリー層25および保護層26を備えている。ピンド層23は磁化の方向が固定された層であり、反強磁性層22は、ピンド層23との交換結合により、ピンド層23における磁化の方向を固定する層である。下地層21は、その上に形成される各層の結晶性や配向性を向上させ、特に、反強磁性層22とピンド層23との交換結合を良好にするために設けられる。フリー層25は、軟磁性層からなり、外部磁界、すなわち記録媒体からの信号磁界に応じて磁化の方向が変化する層である。保護層26は、その下の各層を保護するための層である。
下地層21の厚さは、例えば2〜6nmである。下地層21としては、例えばTa層とNiFeCr層との積層体が用いられる。
反強磁性層22の厚さは、例えば5〜30nmである。反強磁性層22は、例えば、Pt、Ru、Rh、Pd、Ni、Au、Ag、Cu、Ir、CrおよびFeからなる群のうちの少なくとも1種MIIと、Mnとを含む反強磁性材料により構成されている。このうちMnの含有量は35原子%以上95原子%以下、その他の元素MIIの含有量は5原子%以上65原子%以下であることが好ましい。この反強磁性材料には、熱処理しなくても反強磁性を示し、強磁性材料との間に交換結合磁界を誘起する非熱処理系反強磁性材料と、熱処理により反強磁性を示すようになる熱処理系反強磁性材料とがある。この反強磁性層22は、そのどちらにより構成されていてもよい。
なお、非熱処理系反強磁性材料にはγ相を有するMn合金等があり、具体的には、RuRhMn、FeMnあるいはIrMn等がある。熱処理系反強磁性材料には規則結晶構造を有するMn合金等があり、具体的には、PtMn、NiMnおよびPtRhMn等がある。
ピンド層23では、反強磁性層22との界面における交換結合により、磁化の向きが固定されている。本実施の形態におけるピンド層23は、反強磁性層22の上に順に積層された第1ピンド層31、結合層33および第2ピンド層32を有し、いわゆるシンセティックピンド層になっている。第1ピンド層31と第2ピンド層32は、例えば、CoおよびFeからなる群のうちの少なくともCoを含む強磁性材料により構成された磁性層を含んでいる。特に、この強磁性材料の(111)面は積層方向に配向していることが好ましい。第1ピンド層31および第2ピンド層32を構成する材料には、B等の添加物が加えられていてもよい。第1ピンド層31と第2ピンド層32は、反強磁性結合し、磁化の方向が互いに逆方向に固定されている。第1ピンド層31の厚さは、例えば3〜7nmである。第2ピンド層32の厚さは、例えば3〜7nmである。
ピンド層23における結合層33の厚さは、例えば0.2〜1.2nmである。結合層33は、例えば、Ru、Rh、Ir、Re、CrおよびZrからなる群のうち少なくとも1種を含む非磁性材料により構成されている。この結合層33は、第1ピンド層31と第2ピンド層32の間に反強磁性交換結合を生じさせ、第1ピンド層31の磁化と第2ピンド層32の磁化とを互いに逆方向に固定するためのものである。なお、第1ピンド層31の磁化と第2ピンド層32の磁化が互いに逆方向というのは、これら2つの磁化の方向が互いに180°異なる場合のみならず、2つの磁化の方向が180°±20°異なる場合を含む。
非磁性導電層24の厚さは、例えば1.0〜4.0nmである。非磁性導電層24は、例えば、Cu、AuおよびAgからなる群のうち少なくとも1種を80重量%以上含む非磁性の導電性材料により構成されている。
フリー層25の厚さは、例えば1.0〜8.0nmである。フリー層25は、単層で構成されていてもよいし、2つ以上の層によって構成されていてもよい。ここでは、フリー層25が2つの軟磁性層で構成される場合の例を挙げる。2つの軟磁性層のうち、非磁性導電層24側の層を第1の軟磁性層と呼び、保護層26側の層を第2の軟磁性層と呼ぶ。
第1の軟磁性層の厚さは、例えば0.5〜3nmである。第1の軟磁性層は、例えば、Ni、CoおよびFeからなる群のうちの少なくともCoを含む磁性材料により構成されている。具体的には、第1の軟磁性層は、(111)面が積層方向に配向しているCoxFeyNi100-(x+y)により構成されることが好ましい。式中、x,yはそれぞれ原子%で70≦x≦100、0≦y≦25の範囲内である。
第2の軟磁性層の厚さは、例えば0.5〜8nmである。第2の軟磁性層は、例えば、Ni、Co、Fe、Ta、Cr、Rh、MoおよびNbからなる群のうち少なくともNiを含む磁性材料により構成されている。具体的には、第2の軟磁性層は、[NixCoyFe100-(x+y)100-ZIZにより構成されることが好ましい。式中、MIは、Ta、Cr、Rh、MoおよびNbのうち少なくとも1種を表し、x、y、zはそれぞれ原子%で75≦x≦90、0≦y≦15、0≦z≦15の範囲内である。
保護層26の厚さは、例えば0.5〜10nmである。保護層26としては、例えばCu層とTa層との積層体が用いられる。
MR素子5を構成する各層は、例えばスパッタリング法によって形成される。また、MR素子5の形成工程では、MR素子5を構成する各層を形成した後、ピンド層23における磁化方向を固定するために、磁界中で、例えば270℃、4時間のアニール(熱処理)を行なう。MR素子5の上面の形状は、例えば、縦0.1μm、横0.1μmの正方形である。
なお、MR素子5の層の構成は、図1または図2に示した構成と上下が逆の構成であってもよい。また、MR素子5の層の構成としては、図1または図2におけるフリー層25と保護層26との間に、フリー層25側から順に配置された非磁性導電層、ピンド層、反強磁性層を設けてデュアルスピンバルブの構成としてもよい。この場合にフリー層25と保護層26との間に設けられる非磁性導電層、ピンド層、反強磁性層の構成は、それぞれ非磁性導電層24、ピンド層23、反強磁性層22と同様である。
次に、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの作用について説明する。薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって記録媒体に情報を記録し、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生する。
再生ヘッドにおいて、バイアス磁界印加層18によるバイアス磁界の方向は、エアベアリング面20に垂直な方向と直交している。MR素子5において、信号磁界がない状態では、フリー層25の磁化の方向は、バイアス磁界の方向に揃えられている。一方、ピンド層23の磁化の方向は、エアベアリング面20に垂直な方向に固定されている。
MR素子5では、記録媒体からの信号磁界に応じてフリー層25の磁化の方向が変化し、これにより、フリー層25の磁化の方向とピンド層23の磁化の方向との間の相対角度が変化し、その結果、MR素子5の抵抗値が変化する。MR素子5の抵抗値は、第1および第2のシールド層3,8によってMR素子5にセンス電流を流したときのシールド層3,8間の電位差より求めることができる。このようにして、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生することができる。
次に、本実施の形態に係るMR素子5の特徴について説明する。本実施の形態に係るMR素子5は、互いに反対側を向く2つの面を有する非磁性導電層24と、非磁性導電層24における一方の面に隣接するように配置され、外部磁界に応じて磁化の方向が変化するフリー層25と、非磁性導電層24の他方の面に隣接するように配置され、磁化の方向が固定されたピンド層23とを備えている。本実施の形態におけるピンド層23は、第1ピンド層31、結合層33および第2ピンド層32を有している。第2ピンド層32は、それぞれ磁性材料よりなる3つの磁性層41,42,43を有している。磁性層41は、結合層33に隣接するように配置されている。磁性層43は、非磁性導電層24に隣接するように配置されている。磁性層42は、磁性層41と磁性層43との間に配置されている。磁性層41,42,43は、1nm以上、2nm以下の厚さを有していることが好ましい。
第2ピンド層32は、更に、磁性層41と磁性層42との間において磁性層41に隣接するように配置された非磁性膜51と、磁性層41と磁性層42との間において磁性層42に隣接するように配置された非磁性膜52と、非磁性膜51,52の間において、これらに接するように配置された磁性膜53とを有している。非磁性膜51,52は、本発明における第1および第2の非磁性膜に対応する。非磁性膜51,52および磁性膜53に関しては、磁性層41が本発明における第1の磁性層に対応し、磁性層42が本発明における第2の磁性層に対応する。
第2ピンド層32は、更に、磁性層42と磁性層43との間において磁性層42に隣接するように配置された非磁性膜61と、磁性層42と磁性層43との間において磁性層43に隣接するように配置された非磁性膜62と、非磁性膜61,62の間において、これらに接するように配置された磁性膜63とを有している。非磁性膜61,62は、本発明における第1および第2の非磁性膜に対応する。非磁性膜61,62および磁性膜63に関しては、磁性層42が本発明における第1の磁性層に対応し、磁性層43が本発明における第2の磁性層に対応する。
非磁性膜51,52,61,62は、いずれも銅(Cu)よりなる。また、非磁性膜51,52,61,62は、0より大きく0.5nm以下の厚さを有していることが好ましい。非磁性膜51,52,61,62は、例えばスパッタリング法によって形成される。非磁性膜51,52,61,62の厚さは、平均で0.05nm以上であることが好ましく、0.2nm以上であることがより好ましい。0.05nmという厚さは、成膜可能な非磁性膜51,52,61,62の厚さの下限値とほぼ等しい。
磁性膜53,63は、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)のいずれかを含む磁性材料よりなる。また、磁性膜53,63は、0より大きく0.5nm以下の厚さを有している。磁性膜53,63は、例えばスパッタリング法によって形成される。磁性膜53,63の厚さは、平均で0.05nm以上であることが好ましく、0.2nm以上であることがより好ましい。0.05nmという厚さは、成膜可能な磁性膜53,63の厚さの下限値とほぼ等しい。
非特許文献1からも分かるように、Co、Ni、Feのいずれかを含む磁性材料よりなる膜とCuよりなる膜との界面では、界面散乱係数γが比較的大きくなる。本実施の形態では、このように界面散乱係数γが比較的大きくなる界面が、磁性層41と非磁性膜51との間、非磁性膜51と磁性膜53との間、磁性膜53と非磁性膜52との間、非磁性膜52と磁性層42との間、磁性層42と非磁性膜61との間、非磁性膜61と磁性膜63との間、磁性膜63と非磁性膜62との間、非磁性膜62と磁性層43との間に形成される。従って、本実施の形態によれば、MR素子5を構成する各層の面に対して垂直な方向に電流を流したときに、大きな磁気抵抗変化を得ることができる。
また、本実施の形態では、磁性膜53,63の厚さが0より大きく0.5nm以下であることから、第2ピンド層32の全体の厚さおよびピンド層23全体の厚さをあまり大きくすることなく、磁性層41,42,43の厚さを、所望の磁気特性を得るために十分な厚さ、例えば1nm以上、2nm以下の厚さにすることができる。
磁性膜53,63の材料としては、特に、コバルト−マンガン合金(以下、CoMnと記す。)が好ましい。それは、非特許文献1中のTABLE.1に記載されているように、CoMn膜とCu膜との界面における界面散乱係数γは非常に大きいことから、磁性膜53,63の材料としてCoMnを用いることにより、磁性膜53,63とこれらに接する非磁性膜51,52,61,62との界面における界面散乱係数γを非常に大きくすることができるからである。同様の理由から、磁性膜53,63の材料としては、コバルト−鉄合金(以下、CoFeと記す。)や、ニッケル−鉄合金(以下、NiFeと記す。)も好ましい。
ところで、非特許文献1中のTABLE.1から分かるように、CoMn膜とCu膜との界面における界面散乱係数γは正の値であるのに対し、CoMn膜のバルク散乱係数βは負の値である。そのため、磁性膜53,63としてCoMn膜を用いた場合、界面散乱による磁気抵抗変化とバルク散乱による磁気抵抗変化と界面散乱による磁気抵抗変化とが打ち消し合う。そのため、磁性膜53,63としてのCoMn膜が厚すぎると、界面散乱係数γの大きな界面の数が増えたにもかかわらず、MR素子5全体の磁気抵抗変化があまり大きくならなかったり、負のバルク散乱係数βによる磁気抵抗変化の方が優勢になったりする。しかしながら、本実施の形態では、磁性膜53,63としてのCoMn膜の厚さは、0より大きく0.5nm以下と、非常に小さいため、CoMn膜におけるバルク散乱による磁気抵抗変化も非常に小さくなる。従って、本実施の形態によれば、磁性膜53,63としてのCoMn膜におけるバルク散乱による磁気抵抗変化は、ほぼ無視することができ、CoMn膜とCu膜の界面における大きな界面散乱係数γに起因して、大きな磁気抵抗変化を得ることができる。
なお、非特許文献1中のTABLE.1には、CoMn(Co95%:Mn5%)層のバルク散乱による磁気抵抗変化とCoMn層とCu層の界面における界面散乱による磁気抵抗変化とが相殺されるCoMn層の厚さ(補償厚さ)tとして50nmという値が記載されている。この補償厚さに比べて、本実施の形態における磁性膜53,63としてのCoMn膜の厚さは非常に小さい。このことから、本実施の形態では、磁性膜53,63としてのCoMn膜におけるバルク散乱による磁気抵抗変化は、ほぼ無視することができることが分かる。
また、磁性膜53,63の材料としてCoFeやNiFeを用いた場合には、CoFe膜やNiFe膜のバルク散乱係数βが正の値であることから、界面散乱による磁気抵抗変化とバルク散乱による磁気抵抗変化と界面散乱による磁気抵抗変化とが打ち消し合うことはない。しかしながら、本実施の形態では、ピンド層23はシンセティックピンド層になっているため、第2ピンド層32中の磁性膜53,63を厚くすると、第1ピンド層31も厚くする必要が生じる。第1ピンド層31を厚くすると、寄生抵抗の増加、第1ピンド層31による負の磁気抵抗変化の増加、MR素子5全体の厚さの増加等の不具合が生じる。従って、磁性膜53,63の材料としてCoFeやNiFeを用いる場合でも、磁性膜53,63が厚すぎることは好ましくない。
以下、本実施の形態に係るMR素子5の実施例と、この実施例と比較するための比較例とについて、抵抗変化率を比較した結果について説明する。抵抗変化率は、第1のシールド層3に一方の電流供給用端子と一方の電圧検出用端子とを接続し、第2のシールド層8に他方の電流供給用端子と他方の電圧検出用端子とを接続して、四端子法によって測定した。
まず、下記の表に、比較例1および比較例2のMR素子の構成と抵抗変化率を示す。なお、下記の表において、第1行と最終行とを除いて、第1列はMR素子の各層を示し、第2列は各層の具体的な構成を示している。第2列において、例えば“Ta”はTa層を表している。また、第2列における各層の上下関係は、MR素子における各層の上下関係と一致している。また、下記の表において、第1行と最終行とを除いて、第3列は、比較例1について、第2列に記載された各層の厚さを示し、第4列は、比較例2について、第2列に記載された各層の厚さを示している。なお、厚さの単位はnmである。下記の表において、最終行は、比較例1,2の各MR素子の抵抗変化率を示している。
Figure 2005327872
比較例1のMR素子の構成は、基本的には、CIP−GMR素子の構成と同じである。ただし、CPP−GMR素子では、磁気抵抗変化に対してバルク散乱の寄与が大きいため、比較例1のMR素子では、一般的なCIP−GMR素子に比べて、磁性層の厚さを大きくしている。なお、磁性層の厚さを、上記の表に記載した値よりも大きくすることで、若干の抵抗変化率の向上が期待される。しかし、フリー層の厚さを大きくし過ぎると、フリー層における磁化の方向が変化しにくくなり、また、スピンが維持される長さ(スピン拡散長)を超えて磁性層の厚さを大きくすることは効果的ではない。これらのことを考慮して、比較例1における各層の厚さを上記の表に示したように決定した。
なお、比較例1および比較例2において、第1ピンド層および第2ピンド層におけるCoFe層を構成するCoFeの組成は、Co:50原子%、Fe:50原子%である。また、フリー層におけるCoFe層を構成するCoFeの組成は、Co:90原子%、Fe:10原子%であり、フリー層におけるNiFe層を構成するNiFeの組成は、Ni:82原子%、Fe:18原子%である。
比較例1のMR素子では、第2ピンド層は、CoFe層のみによって構成されている。この比較例1のMR素子の抵抗変化率は1%未満である。これに対し、比較例2のMR素子では、第2ピンド層は、厚さ1.5nmのCoFe層、厚さ0.2nmのCu層、厚さ1.5nmのCoFe層、厚さ0.2nmのCu層および厚さ1.5nmのCoFe層を積層した構成としている。これにより、比較例2のMR素子では、CoFe層とCu層の界面が4つ形成されている。その結果、比較例2のMR素子の抵抗変化率は、比較例1のMR素子の抵抗変化率よりも大きくなっている。
次に、下記の表に、実施例1〜5および比較例3のMR素子の構成と抵抗変化率を示す。なお、下記の表において、第1行と最終行とを除いて、第1列はMR素子の各層を示し、第2列は各層の具体的な構成を示している。第2列における各層の上下関係は、MR素子における各層の上下関係と一致している。また、下記の表において、第1行と最終行とを除いて、第3列ないし第8列は、それぞれ、実施例1〜5および比較例3について、第2列に記載された各層の厚さを示している。なお、厚さの単位はnmである。下記の表において、最終行は、実施例1〜5および比較例3の各MR素子の抵抗変化率を示している。
Figure 2005327872
実施例1のMR素子5では、第2ピンド層32は、磁性層41としての厚さ1.5nmのCoFe層、非磁性膜51としての厚さ0.1nmのCu膜、磁性膜53としての厚さ0.1nmのCoMn膜、非磁性膜52としての厚さ0.1nmのCu膜、磁性層42としての厚さ1.5nmのCoFe層、非磁性膜61としての厚さ0.1nmのCu膜、磁性膜63としての厚さ0.1nmのCoMn膜、非磁性膜62としての厚さ0.1nmのCu膜、磁性層43としての厚さ1.5nmのCoFe層を積層した構成としている。
実施例2ないし実施例5および比較例3の各MR素子5では、非磁性膜51,52,61,62としてのCu膜の厚さと磁性膜53,63としてのCoMn膜の厚さが実施例1と異なり、その他の構成は実施例1と同じである。実施例2では、非磁性膜51,52,61,62としてのCu膜の厚さおよび磁性膜53,63としてのCoMn膜の厚さを0.2nmとしている。実施例3では、非磁性膜51,52,61,62としてのCu膜の厚さおよび磁性膜53,63としてのCoMn膜の厚さを0.3nmとしている。実施例4では、非磁性膜51,52,61,62としてのCu膜の厚さおよび磁性膜53,63としてのCoMn膜の厚さを0.5nmとしている。実施例5では、非磁性膜51,52,61,62としてのCu膜の厚さを0.1nmとし、磁性膜53,63としてのCoMn膜の厚さを0.2nmとしている。比較例3では、非磁性膜51,52,61,62としてのCu膜の厚さおよび磁性膜53,63としてのCoMn膜の厚さを1.0nmとしている。
なお、実施例1ないし実施例5および比較例3において、第1ピンド層および第2ピンド層におけるCoFe層を構成するCoFeの組成、フリー層におけるCoFe層を構成するCoFeの組成、フリー層におけるNiFe層を構成するNiFeの組成は、比較例1および比較例2と同じである。実施例2ないし実施例5および比較例3において、磁性膜53,63としてのCoMn膜を構成するCoMnの組成は、Co:95原子%、Mn:5原子%である。
実施例1ないし実施例5では、いずれも、抵抗変化率は2%以上になり、比較例1および比較例2に比べて大幅に大きくなっている。これは、界面散乱係数γの大きなCoMn膜とCu膜の界面が多く存在することによる効果が顕著に現れたためであると考えられる。なお、実施例1ないし実施例5では、いずれも、Cu膜およびCoMn膜の厚さが非常に小さいことから、これらを第2ピンド層に挿入しない場合と比べて、第2ピンド層の磁気特性に大きな違いは見られなかった。
比較例3では、抵抗変化率は1.3%という小さな値になっており、このことからも、磁性膜53,63としてのCoMn膜が厚すぎることは好ましくないことが分かる。
次に、下記の表に、実施例6のMR素子の構成と抵抗変化率を示す。なお、下記の表において、第1行と最終行とを除いて、第1列はMR素子の各層を示し、第2列は各層の具体的な構成を示している。第2列における各層の上下関係は、MR素子における各層の上下関係と一致している。また、下記の表において、第1行と最終行とを除いて、第3列は、実施例6について、第2列に記載された各層の厚さを示している。なお、厚さの単位はnmである。下記の表において、最終行は、実施例6のMR素子の抵抗変化率を示している。
Figure 2005327872
実施例6の各MR素子5の構成は、磁性膜53,63が厚さ0.2nmのCoFe膜であることを除いて、実施例2と同じである。なお、実施例6において、磁性膜53,63としてのCoFe膜を構成するCoFeの組成は、Co:50原子%、Fe:50原子%である。
実施例6では、比較例1および比較例2に比べて大きな抵抗変化率が得られている。このことから、磁性膜53,63の材料としてCoFeを用いても、MR素子5の抵抗変化率を大きくすることができることが分かる。
次に、下記の表に、磁性膜53,63の材料の組成が異なる8つのMR素子5についてMR素子5の抵抗変化率を調べた結果を示す。なお、この8つのMR素子5において、磁性膜53,63の材料以外は、実施例2および実施例6と同じである。下記の表から、磁性膜53,63の材料としてCoFeやCoMnを用いる場合には、それらの材料の広い組成範囲で、大きな抵抗変化率が得られることが分かる。また、下記の表から、磁性膜53,63の材料としてNiFeを用いた場合にも、比較例1および比較例2に比べて大きな抵抗変化率が得られることが分かる。
Figure 2005327872
次に、比較例1、比較例2、実施例2および実施例6の各MR素子について、5mAのセンス電流を流して再生出力を測定した結果を示す。ここでは、各MR素子の再生出力を、比較例1のMR素子の再生出力が1.0となるように規格化して得られる規格化再生出力で表わしている。
Figure 2005327872
上記の表から分かるように、本実施の形態によれば、MR素子5の再生出力を大きくすることができる。
以下、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリおよび磁気ディスク装置について説明する。まず、図5を参照して、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ210について説明する。磁気ディスク装置において、スライダ210は、回転駆動される円盤状の記録媒体である磁気ディスクに対向するように配置される。このスライダ210は、主に図3における基板1およびオーバーコート層17からなる基体211を備えている。基体211は、ほぼ六面体形状をなしている。基体211の六面のうちの一面は、磁気ディスクに対向するようになっている。この一面には、エアベアリング面20が形成されている。磁気ディスクが図5におけるz方向に回転すると、磁気ディスクとスライダ210との間を通過する空気流によって、スライダ210に、図5におけるy方向の下方に揚力が生じる。スライダ210は、この揚力によって磁気ディスクの表面から浮上するようになっている。なお、図5におけるx方向は、磁気ディスクのトラック横断方向である。スライダ210の空気流出側の端部(図5における左下の端部)の近傍には、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド100が形成されている。
次に、図6を参照して、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ220について説明する。ヘッドジンバルアセンブリ220は、スライダ210と、このスライダ210を弾性的に支持するサスペンション221とを備えている。サスペンション221は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね状のロードビーム222、このロードビーム222の一端部に設けられると共にスライダ210が接合され、スライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプレート224とを有している。ベースプレート224は、スライダ210を磁気ディスク262のトラック横断方向xに移動させるためのアクチュエータのアーム230に取り付けられるようになっている。アクチュエータは、アーム230と、このアーム230を駆動するボイスコイルモータとを有している。フレクシャ223において、スライダ210が取り付けられる部分には、スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が設けられている。
ヘッドジンバルアセンブリ220は、アクチュエータのアーム230に取り付けられる。1つのアーム230にヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。また、複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドスタックアセンブリと呼ばれる。
図6は、ヘッドアームアセンブリの一例を示している。このヘッドアームアセンブリでは、アーム230の一端部にヘッドジンバルアセンブリ220が取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイスコイルモータの一部となるコイル231が取り付けられている。アーム230の中間部には、アーム230を回動自在に支持するための軸234に取り付けられる軸受け部233が設けられている。
次に、図7および図8を参照して、ヘッドスタックアセンブリの一例と本実施の形態に係る磁気ディスク装置について説明する。図7は磁気ディスク装置の要部を示す説明図、図8は磁気ディスク装置の平面図である。ヘッドスタックアセンブリ250は、複数のアーム252を有するキャリッジ251を有している。複数のアーム252には、複数のヘッドジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ251においてアーム252とは反対側には、ボイスコイルモータの一部となるコイル253が取り付けられている。ヘッドスタックアセンブリ250は、磁気ディスク装置に組み込まれる。磁気ディスク装置は、スピンドルモータ261に取り付けられた複数枚の磁気ディスク262を有している。各磁気ディスク262毎に、磁気ディスク262を挟んで対向するように2つのスライダ210が配置される。また、ボイスコイルモータは、ヘッドスタックアセンブリ250のコイル253を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を有している。
スライダ210を除くヘッドスタックアセンブリ250およびアクチュエータは、本発明における位置決め装置に対応し、スライダ210を支持すると共に磁気ディスク262に対して位置決めする。
本実施の形態に係る磁気ディスク装置では、アクチュエータによって、スライダ210を磁気ディスク262のトラック横断方向に移動させて、スライダ210を磁気ディスク262に対して位置決めする。スライダ210に含まれる薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって、磁気ディスク262に情報を記録し、再生ヘッドによって、磁気ディスク262に記録されている情報を再生する。
本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリおよび磁気ディスク装置は、前述の本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドと同様の効果を奏する。
[第2の実施の形態]
次に、図9を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るMR素子の構成について説明する。図9は、本実施の形態に係るMR素子5の層の構成を示す断面図である。本実施の形態では、第2ピンド層32とフリー層25の構成が第1の実施の形態とは異なっている。
本実施の形態における第2ピンド層32は、非磁性膜51、磁性膜53、非磁性膜52よりなる積層体および非磁性膜61、磁性膜63、非磁性膜62よりなる積層体を含んでいない。しかし、本実施の形態における第2ピンド層32は、複数の磁性層と、隣接する磁性層の間に配置された非磁性層を含んでいてもよい。
本実施の形態におけるフリー層25は、それぞれ磁性材料よりなる3つの磁性層71,72,73を有している。磁性層71は、非磁性導電層24に隣接するように配置されている。磁性層73は、保護層26に隣接するように配置されている。磁性層72は、磁性層71と磁性層73との間に配置されている。磁性層71,72,73は、1nm以上、2nm以下の厚さを有していることが好ましい。
フリー層25は、更に、磁性層71と磁性層72との間において磁性層71に隣接するように配置された非磁性膜81と、磁性層71と磁性層72との間において磁性層72に隣接するように配置された非磁性膜82と、非磁性膜71,72の間において、これらに接するように配置された磁性膜83とを有している。非磁性膜81,82は、本発明における第1および第2の非磁性膜に対応する。非磁性膜81,82および磁性膜83に関しては、磁性層71が本発明における第1の磁性層に対応し、磁性層72が本発明における第2の磁性層に対応する。
フリー層25は、更に、磁性層72と磁性層73との間において磁性層72に隣接するように配置された非磁性膜91と、磁性層72と磁性層73との間において磁性層73に隣接するように配置された非磁性膜92と、非磁性膜91,92の間において、これらに接するように配置された磁性膜93とを有している。非磁性膜91,92は、本発明における第1および第2の非磁性膜に対応する。非磁性膜91,92および磁性膜93に関しては、磁性層72が本発明における第1の磁性層に対応し、磁性層73が本発明における第2の磁性層に対応する。
非磁性膜81,82,91,92は、いずれも銅(Cu)よりなる。また、非磁性膜81,82,91,92は、0より大きく0.5nm以下の厚さを有していることが好ましい。非磁性膜81,82,91,92は、例えばスパッタリング法によって形成される。非磁性膜81,82,91,92の厚さは、平均で0.05nm以上であることが好ましく、0.2nm以上であることがより好ましい。0.05nmという厚さは、成膜可能な非磁性膜81,82,91,92の厚さの下限値とほぼ等しい。
磁性膜83,93は、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)のいずれかを含む磁性材料よりなる。また、磁性膜83,93は、0より大きく0.5nm以下の厚さを有している。磁性膜83,93は、例えばスパッタリング法によって形成される。磁性膜83,93の厚さは、平均で0.05nm以上であることが好ましく、0.2nm以上であることがより好ましい。0.05nmという厚さは、成膜可能な磁性膜83,93の厚さの下限値とほぼ等しい。
本実施の形態では、界面散乱係数γが比較的大きくなる界面が、磁性層71と非磁性膜81との間、非磁性膜81と磁性膜83との間、磁性膜83と非磁性膜82との間、非磁性膜82と磁性層72との間、磁性層72と非磁性膜91との間、非磁性膜91と磁性膜93との間、磁性膜93と非磁性膜92との間、非磁性膜92と磁性層73との間に形成される。従って、本実施の形態によれば、MR素子5を構成する各層の面に対して垂直な方向に電流を流したときに、大きな磁気抵抗変化を得ることができる。
また、本実施の形態では、磁性膜83,93の厚さが0より大きく0.5nm以下であることから、フリー層25の全体の厚さをあまり大きくすることなく、磁性層71,72,73の厚さを、所望の磁気特性を得るために十分な厚さ、例えば1nm以上、2nm以下の厚さにすることができる。
なお、後で、本実施の形態における実施例を、他の実施の形態における実施例と共に示す。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、図10を参照して、本発明の第3の実施の形態に係るMR素子の構成について説明する。図10は、本実施の形態に係るMR素子5の層の構成を示す断面図である。本実施の形態では、フリー層25の構成が第1の実施の形態とは異なっている。本実施の形態におけるフリー層25の構成は、第2の実施の形態と同じである。従って、本実施の形態では、第2ピンド層32とフリー層25の両方が、非磁性膜、磁性膜および非磁性膜よりなる積層体を含んでいる。
本実施の形態では、第2ピンド層32とフリー層25の両方において、界面散乱係数γが比較的大きくなる界面が多く形成されている。従って、本実施の形態によれば、MR素子5を構成する各層の面に対して垂直な方向に電流を流したときに、大きな磁気抵抗変化を得ることができる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
次に、下記の表に、実施例7〜9のMR素子の構成と抵抗変化率を示す。実施例7は第1の実施の形態における実施例であり、実施例8は第2の実施の形態における実施例であり、実施例9は第3の実施の形態における実施例である。なお、下記の表において、第1行と最終行とを除いて、第1列はMR素子の各層を示している。また、下記の表において、第1行と最終行とを除いて、第2列と第3列は実施例7のMR素子における各層の具体的な構成と各層の厚さを示し、第4列と第5列は実施例8のMR素子における各層の具体的な構成と各層の厚さを示し、第6列と第7列は実施例9のMR素子における各層の具体的な構成と各層の厚さを示している。第2列、第4列、第6列における各層の上下関係は、MR素子における各層の上下関係と一致している。なお、厚さの単位はnmである。下記の表において、最終行は、実施例7〜9の各MR素子の抵抗変化率を示している。
Figure 2005327872
実施例7のMR素子5の構成は、フリー層25が厚さ3.0nmのCoFe層のみによって構成されていることを除いて、実施例2と同じである。
実施例8のMR素子5では、第2ピンド層32は、厚さ1.5nmのCoFe層、厚さ0.2nmのCu層、厚さ1.5nmのCoFe層、厚さ0.2nmのCu層、厚さ1.5nmのCoFe層を積層した構成となっている。また、実施例8のMR素子5では、フリー層25は、磁性層71としての厚さ1.0nmのCoFe層、非磁性膜81としての厚さ0.2nmのCu膜、磁性膜83としての厚さ0.2nmのCoMn膜、非磁性膜82としての厚さ0.2nmのCu膜、磁性層72としての厚さ1.0nmのCoFe層、非磁性膜91としての厚さ0.2nmのCu膜、磁性膜93としての厚さ0.2nmのCoMn膜、非磁性膜92としての厚さ0.2nmのCu膜、磁性層73としての厚さ1.0nmのCoFe層を積層した構成としている。実施例8のMR素子5のその他の構成は、実施例7と同じである。
実施例9のMR素子5の構成は、フリー層25の構成が実施例8と同じであることを除いて、実施例7と同じである。なお、実施例7〜9において、フリー層25におけるCoFe層を構成するCoFeの組成は、Co:90原子%、Fe:10原子%である。なお、実施例8,9において、磁性層71,72,73としてNiFe層を用いることも考えられる。しかし、その場合には、Cu層とNiFe層が固溶し、フリー層25の磁気特性の劣化を引き起こす可能性がある。そのため、実施例8,9では、磁性層71,72,73としてCoFe層を用いている。また、実施例8,9において、磁性膜83,93としてのCoMn膜を構成するCoMnの組成は、Co:95原子%、Mn:5原子%である。
実施例7〜9の抵抗変化率は、比較例1および比較例2に比べて大幅に大きくなっている。実施例7〜9の中では、実施例9の抵抗変化率が最も大きくなっている。これは、実施例9のMR素子5では、第2ピンド層32とフリー層25の両方が、Cu膜、CoMn膜およびCu膜よりなる積層体を含んでいるため、界面散乱係数γが比較的大きくなる界面の数が、実施例7〜9の中で最も多いことによると考えられる。
実施例8,9では、フリー層25が、Cu膜、CoMn膜およびCu膜よりなる積層体を含んでいる。フリー層25は、信号磁界に応じて磁化の方向が変化する層であるため、良好な軟磁気特性が要求される。実施例8,9では、フリー層25におけるCoFe層を構成するCoFeとして、比較的軟磁気特性に優れたCo:90原子%、Fe:10原子%の組成のものを用い、また、Cu膜およびCoMn膜の厚さが非常に小さいことから、Cu膜およびCoMn膜をフリー層25に挿入しない場合と比べて、フリー層25の軟磁気特性の劣化は見られなかった。
次に、下記の表に、実施例10〜12のMR素子の構成と抵抗変化率を示す。実施例10は第1の実施の形態における実施例であり、実施例11は第2の実施の形態における実施例であり、実施例12は第3の実施の形態における実施例である。なお、下記の表において、第1行と最終行とを除いて、第1列はMR素子の各層を示している。また、下記の表において、第1行と最終行とを除いて、第2列と第3列は実施例10のMR素子における各層の具体的な構成と各層の厚さを示し、第4列と第5列は実施例11のMR素子における各層の具体的な構成と各層の厚さを示し、第6列と第7列は実施例12のMR素子における各層の具体的な構成と各層の厚さを示している。第2列、第4列、第6列における各層の上下関係は、MR素子における各層の上下関係と一致している。なお、厚さの単位はnmである。下記の表において、最終行は、実施例10〜12の各MR素子の抵抗変化率を示している。
Figure 2005327872
実施例10のMR素子5の構成は、フリー層25が厚さ3.0nmのCoFe層のみによって構成されていることを除いて、実施例6と同じである。
実施例11のMR素子5では、第2ピンド層32は、厚さ1.5nmのCoFe層、厚さ0.2nmのCu層、厚さ1.5nmのCoFe層、厚さ0.2nmのCu層、厚さ1.5nmのCoFe層を積層した構成となっている。また、実施例11のMR素子5では、フリー層25は、磁性層71としての厚さ1.0nmのCoFe層、非磁性膜81としての厚さ0.2nmのCu膜、磁性膜83としての厚さ0.2nmのCoFe膜、非磁性膜82としての厚さ0.2nmのCu膜、磁性層72としての厚さ1.0nmのCoFe層、非磁性膜91としての厚さ0.2nmのCu膜、磁性膜93としての厚さ0.2nmのCoFe膜、非磁性膜92としての厚さ0.2nmのCu膜、磁性層73としての厚さ1.0nmのCoFe層を積層した構成としている。実施例11のMR素子5のその他の構成は、実施例10と同じである。
実施例12のMR素子5の構成は、フリー層25の構成が実施例11と同じであることを除いて、実施例10と同じである。なお、実施例10〜12において、フリー層25におけるCoFe層を構成するCoFeの組成は、Co:90原子%、Fe:10原子%である。
実施例10〜12の抵抗変化率は、比較例1および比較例2に比べて大幅に大きくなっている。実施例10〜12の中では、実施例12の抵抗変化率が最も大きくなっている。これは、実施例12のMR素子5では、第2ピンド層32とフリー層25の両方が、Cu膜、CoFe膜およびCu膜よりなる積層体を含んでいるため、界面散乱係数γが比較的大きくなる界面の数が、実施例10〜12の中で最も多いことによると考えられる。
実施例11,12では、フリー層25が、Cu膜、CoFe膜およびCu膜よりなる積層体を含んでいるが、実施例8,9と同じ理由から、Cu膜およびCoFe膜をフリー層25に挿入しない場合と比べて、フリー層25の軟磁気特性の劣化は見られなかった。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、各実施の形態では、第2ピンド層32とフリー層25の少なくとも一方に、非磁性膜、磁性膜および非磁性膜よりなる積層体を2組設けている。しかし、本発明では、第2ピンド層32とフリー層25の少なくとも一方に、非磁性膜、磁性膜および非磁性膜よりなる積層体を1組あるいは3組以上設けてもよい。
また、本発明において、ピンド層23はシンセティックピンド層に限らない。なお、ピンド層23がシンセティックピンド層である場合には、非磁性膜、磁性膜および非磁性膜よりなる積層体は、非磁性導電層に近い第2ピンド層に設ける必要がある。
また、第2または第3の実施の形態において、磁性膜83,93の材料として、NiFeを用いてもよい。
また、本発明における磁性膜の材料は、各実施の形態で挙げた磁性材料に限らず、種々の磁性材料を用いることができる。
また、各実施の形態では、基体側に再生ヘッドを形成し、その上に、記録ヘッドを積層した構造の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
また、読み取り専用として用いる場合には、薄膜磁気ヘッドを、再生ヘッドだけを備えた構成としてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係るMR素子の層の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における再生ヘッドのエアベアリング面に平行な断面を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面および基板に垂直な断面を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダを示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリを含むヘッドアームアセンブリを示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ディスク装置の要部を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ディスク装置の平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るMR素子の層の構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るMR素子の層の構成を示す断面図である。
符号の説明
1…基板、2…絶縁層、3…第1のシールド層、5…MR素子、7…絶縁層、8…第2のシールド層、9…記録ギャップ層、10…薄膜コイルの第1層部分、12…上部磁極層、15…薄膜コイルの第2層部分、17…オーバーコート層、18…バイアス磁界印加層、20…エアベアリング面、21…下地層、22…反強磁性層、23…ピンド層、24…非磁性導電層、25…フリー層、31…第1ピンド層、32…第2ピンド層、33…結合層、41,42,43…磁性層、51,52,61,62…非磁性膜、53,63…磁性膜。

Claims (8)

  1. 互いに反対側を向く2つの面を有する非磁性導電層と、
    前記非磁性導電層における一方の面に隣接するように配置され、外部磁界に応じて磁化の方向が変化するフリー層と、
    前記非磁性導電層の他方の面に隣接するように配置され、磁化の方向が固定されたピンド層とを備え、
    前記フリー層とピンド層の少なくとも一方は、それぞれ磁性材料よりなる第1および第2の磁性層と、前記第1および第2の磁性層の間において第1の磁性層に隣接するように配置された第1の非磁性膜と、前記第1および第2の磁性層の間において第2の磁性層に隣接するように配置された第2の非磁性膜と、前記第1および第2の非磁性膜の間において、これらに接するように配置された磁性膜とを有し、
    前記第1および第2の非磁性膜は、いずれも銅よりなり、
    前記磁性膜は、コバルト、ニッケル、鉄のいずれかを含む磁性材料よりなり、且つ0より大きく0.5nm以下の厚さを有することを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 前記第1および第2の非磁性膜は、いずれも、0より大きく0.5nm以下の厚さを有することを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記第1および第2の磁性層は、いずれも、1nm以上、2nm以下の厚さを有することを特徴とする請求項1または2記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記磁性膜は、コバルト−マンガン合金よりなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 前記磁性膜は、コバルト−鉄合金またはニッケル−鉄合金よりなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 記録媒体に対向する媒体対向面と、
    前記記録媒体からの信号磁界を検出するために前記媒体対向面の近傍に配置された請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子と、
    磁気的信号検出用の電流を、前記磁気抵抗効果素子に対して、磁気抵抗効果素子を構成する各層の面に対して垂直な方向に流すための一対の電極と
    を備えたことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  7. 請求項6記載の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと
    を備えたことを特徴とするヘッドジンバルアセンブリ。
  8. 請求項6記載の薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを支持すると共に前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と
    を備えたことを特徴とする磁気ディスク装置。
JP2004143993A 2004-05-13 2004-05-13 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよび磁気ディスク装置 Expired - Fee Related JP3683577B1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004143993A JP3683577B1 (ja) 2004-05-13 2004-05-13 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよび磁気ディスク装置
US11/002,814 US7446983B2 (en) 2004-05-13 2004-12-03 Magnetoresistive element, thin-film magnetic head, head gimbal assembly, and magnetic disk drive

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004143993A JP3683577B1 (ja) 2004-05-13 2004-05-13 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよび磁気ディスク装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3683577B1 JP3683577B1 (ja) 2005-08-17
JP2005327872A true JP2005327872A (ja) 2005-11-24

Family

ID=35004073

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004143993A Expired - Fee Related JP3683577B1 (ja) 2004-05-13 2004-05-13 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよび磁気ディスク装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7446983B2 (ja)
JP (1) JP3683577B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7961438B2 (en) 2008-05-28 2011-06-14 Tdk Corporation Magnetoresistive device of the CPP type, and magnetic disk system

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4121035B2 (ja) * 2006-04-14 2008-07-16 Tdk株式会社 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置
JP4914495B2 (ja) * 2007-05-22 2012-04-11 アルプス電気株式会社 トンネル型磁気検出素子
JP2010055657A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands Bv Cpp構造磁気抵抗効果型ヘッド
US20140284733A1 (en) * 2013-03-22 2014-09-25 Daisuke Watanabe Magnetoresistive element
US9184374B2 (en) * 2013-03-22 2015-11-10 Kazuya Sawada Magnetoresistive element

Family Cites Families (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6002553A (en) * 1994-02-28 1999-12-14 The United States Of America As Represented By The United States Department Of Energy Giant magnetoresistive sensor
EP0675554A1 (en) * 1994-03-24 1995-10-04 Nec Corporation Magnetoresistive effect element
US5898546A (en) * 1994-09-08 1999-04-27 Fujitsu Limited Magnetoresistive head and magnetic recording apparatus
US5701222A (en) * 1995-09-11 1997-12-23 International Business Machines Corporation Spin valve sensor with antiparallel magnetization of pinned layers
US6275363B1 (en) * 1999-07-23 2001-08-14 International Business Machines Corporation Read head with dual tunnel junction sensor
US6611405B1 (en) * 1999-09-16 2003-08-26 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetoresistive element and magnetic memory device
US6317297B1 (en) * 1999-10-06 2001-11-13 Read-Rite Corporation Current pinned dual spin valve with synthetic pinned layers
JP2001176030A (ja) * 1999-12-20 2001-06-29 Alps Electric Co Ltd スピンバルブ型薄膜磁気素子及び薄膜磁気ヘッド
US6407890B1 (en) * 2000-02-08 2002-06-18 International Business Machines Corporation Dual spin valve sensor read head with a specular reflector film embedded in each antiparallel (AP) pinned layer next to a spacer layer
JP2001332780A (ja) * 2000-05-19 2001-11-30 Fujitsu Ltd 磁気抵抗効果膜、磁気抵抗効果型ヘッド、および情報再生装置
JP3618654B2 (ja) 2000-09-11 2005-02-09 株式会社東芝 磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド及び磁気記録再生装置
US6437950B1 (en) * 2000-10-12 2002-08-20 International Business Machines Corporation Top spin valve sensor that has an iridium manganese (IrMn) pinning layer and an iridium manganese oxide (IrMnO) seed layer
US6937446B2 (en) * 2000-10-20 2005-08-30 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetoresistance effect element, magnetic head and magnetic recording and/or reproducing system
US6905780B2 (en) 2001-02-01 2005-06-14 Kabushiki Kaisha Toshiba Current-perpendicular-to-plane-type magnetoresistive device, and magnetic head and magnetic recording-reproducing apparatus using the same
JP4167428B2 (ja) 2001-02-01 2008-10-15 株式会社東芝 磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果ヘッド、および磁気記録再生装置
JP3563375B2 (ja) * 2001-06-19 2004-09-08 アルプス電気株式会社 磁気検出素子及び前記磁気検出素子を用いた薄膜磁気ヘッド
JP2003031870A (ja) * 2001-07-19 2003-01-31 Alps Electric Co Ltd 交換結合膜及び前記交換結合膜を用いた磁気検出素子
JP4198900B2 (ja) * 2001-07-19 2008-12-17 アルプス電気株式会社 交換結合膜及び前記交換結合膜を用いた磁気検出素子
JP4024499B2 (ja) 2001-08-15 2007-12-19 株式会社東芝 磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド及び磁気再生装置
JP2003152239A (ja) 2001-11-12 2003-05-23 Fujitsu Ltd 磁気抵抗効果素子、及び、それを有する読み取りヘッド並びにドライブ
US7229706B2 (en) * 2003-01-15 2007-06-12 Alps Electric Co., Ltd. Magnetic detecting element having pinned magnetic layers disposed on both sides of free magnetic layer
JP2005012111A (ja) * 2003-06-20 2005-01-13 Tdk Corp 磁気抵抗効果素子及び薄膜磁気ヘッド
JP2005109263A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Toshiba Corp 磁性体素子及磁気メモリ
JP2006005185A (ja) * 2004-06-18 2006-01-05 Alps Electric Co Ltd 磁気検出素子
JP2006005286A (ja) * 2004-06-21 2006-01-05 Alps Electric Co Ltd 磁気検出素子
JP2006005278A (ja) * 2004-06-21 2006-01-05 Alps Electric Co Ltd 磁気検出素子
JP2006005277A (ja) * 2004-06-21 2006-01-05 Alps Electric Co Ltd 磁気検出素子

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7961438B2 (en) 2008-05-28 2011-06-14 Tdk Corporation Magnetoresistive device of the CPP type, and magnetic disk system

Also Published As

Publication number Publication date
US20050254179A1 (en) 2005-11-17
JP3683577B1 (ja) 2005-08-17
US7446983B2 (en) 2008-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4942445B2 (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置
JP4492604B2 (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置
JP4670890B2 (ja) Cpp構造の磁気抵抗効果素子および磁気ディスク装置
JP2007287863A (ja) 磁気抵抗効果素子およびその製造方法、ならびに磁気抵抗効果素子集合体、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置
JP4449951B2 (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置
JP2007273657A (ja) 磁気抵抗効果素子およびその製造方法、ならびに薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置
JP2008130809A (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置
JP2007317824A (ja) 磁気抵抗効果素子およびその製造方法、ならびに薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置
JP2008047737A (ja) 磁気抵抗効果装置、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置
JP2008117953A (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置
JP2005310264A (ja) 薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置
JP3865738B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置
JP4160945B2 (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、およびハードディスク装置
US7782576B2 (en) Exchange-coupling film incorporating stacked antiferromagnetic layer and pinned layer, and magnetoresistive element including the exchange-coupling film
JP2008227457A (ja) 磁歪低減層を含むフリー層を有する磁気抵抗効果素子および薄膜磁気ヘッド
JP3683577B1 (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよび磁気ディスク装置
JP3896366B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置
JP2006286669A (ja) 磁気抵抗効果素子の製造方法
JP2009176400A (ja) Cpp型磁気抵抗効果素子および磁気ディスク装置
JP4471020B2 (ja) Cpp構造の磁気抵抗効果素子および磁気ディスク装置
JP3818592B2 (ja) 磁気抵抗効果装置およびその製造方法、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリならびにハードディスク装置
JP2008021896A (ja) Cpp構造のgmr素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置
JP2005223193A (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、薄膜磁気ヘッドのウエハ、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリ、ヘッドスタックアセンブリ、およびハードディスク装置
JP2005293761A (ja) 薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置
JP4387923B2 (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050525

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080603

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090603

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090603

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100603

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110603

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees