JP2005324557A - インクジェットプリンタヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラスにてなる流路板と圧電板または圧電基板に対する接合の信頼性を高め、製造歩留まりを向上させる。
【解決手段】複数のインク流路溝37を形成されたインク流路板33をガラスにて製造し、圧電板32の上面に感光性組成物の接着層34を被着し、第1回目の熱圧着工程で接着層34にインク流路板33の下面を熱圧着させたのち、インク流路板33を通した露光工程で接着層34を感光硬化せしめ、第1回目の熱圧着より高温の第2回目の熱圧着工程で接着層34を完全硬化させる。
【選択図】 図1
【解決手段】複数のインク流路溝37を形成されたインク流路板33をガラスにて製造し、圧電板32の上面に感光性組成物の接着層34を被着し、第1回目の熱圧着工程で接着層34にインク流路板33の下面を熱圧着させたのち、インク流路板33を通した露光工程で接着層34を感光硬化せしめ、第1回目の熱圧着より高温の第2回目の熱圧着工程で接着層34を完全硬化させる。
【選択図】 図1
Description
本発明はインクジェットプリンタに使用するインクジェットヘッドの製造方法に関する。
最近のインクジェットプリンタは、高精細印刷を可能にするため、インク流路が独立に可動し、インク流路を高密度化した小形軽量構成のものが求められるようになった。
図6はインクジェットプリンタの概略を示す斜視図であり、インクジェットプリンタ1は、記録媒体3を送出させるプラテンローラ2、プラテンローラ2に平行する2本のステーシャフト4aと4b、ステーシャフト4aと4bに案内されてプラテンローラ2の長さ方向に往復動するキャリッジ5、キャリッジ5に搭載されたインクジェットヘッドユニット6を備え、インクジェットヘッドユニット6から記録媒体3に飛翔させるインクを補給するため、インクジェットヘッドユニット6とインク溜まり7とは、可撓性チューブ8によって接続されている。
かかるインクジェットプリンタ1において、インクジェットヘッドユニット6からインクを飛翔させる手段としては、ノズル内に埋め込んだ発熱体に通電し、インク中にバブルを発生させたときの体積変化を利用するバブルジェット方式と、圧電体素子に通電して発生する圧力波を利用するピエゾ方式が注目されている。
ピエゾ方式のインクジェットヘッドとしては、(1)圧電駆動電極を内蔵する圧電基板の表面にインク流路溝を形成し、その溝をガラスにてなる上蓋で塞いだもの、(2)圧電駆動電極を内蔵する圧電基板の表面に、インク流路溝を形成したインク流路板を被せたもの(流路板方式)、(3)上下に貫通する溝を形成した流路板の上面と下面に、圧電駆動電極を内蔵する圧電体を貼着したものが、一般に知られている。
図7は流路板方式のインクジェットヘッドの分解模式図、図8は図6に示すインクジェットヘッドの断面図、図9はインクジェットヘッドにおける干渉の説明図、図10はクロストークをなくす第1の従来方法の説明図である。
図7において、インクジェットヘッドユニット6に組み込まれるインクジェットヘッド9は、圧電基板10と複数(図は4本)のインク流路溝12を形成したインク流路板11を、接着層21で接合し、その前面には複数のインク流路溝12のそれぞれに連通するノズル13が形成されたノズル板14が接合され、インク流路溝12は図示しないインク供給路によってインク供給口15に連通し、インク供給口15に可撓性チューブ8(図9参照)の一端が接続されるようになる。
図8において、接着層21でインク流路板11を接合した圧電基板10内には、インク流路板11のインク流路溝12に対応し、圧電駆動電極16が形成されている。
2層以上(図は3層)の電極パターンにてなる圧電駆動電極16は、電極間に所定の電圧を印加するとその間の圧電層が図の上方向に伸びてインク流路溝12を圧縮し、インク流路溝12内インクの一部がノズル13から記録媒体3(図6参照)に向けて飛翔するようになる。
複数の圧電駆動電極16とその電極16に対応する複数のインク流路溝12が形成された前記(1)方式のインクジェットヘッド9において、精細化印刷用では、圧電駆動電極16およびインク流路溝12を近接させる必要がある。
そこで、所定の駆動電極16、例えば図9のインクジェットヘッド9において、左から2番目の駆動電極16に駆動電圧を印加すると、圧電基板10は図9に破線17で示すように、駆動電圧が印加された部分が上方に伸び、所定のインク流路溝12-1の容積が狭められると共に、隣接するインク流路溝12-2の容積も僅かながら圧縮されるようになる。
隣接インク流路溝12-2の圧縮を一般に干渉と呼んでおり、その干渉によるクロストークをなくす方法として、図10に示す如く、隣接するインク流路溝12の間にスリット18を、圧電基板10に設けたものが知られている。幅が10〜80μmのスリット18は、一般にダイシングソーで機械的に切削している。
一般に、インク流路板11はガラスにて製造し、接着層21に感光性組成物(紫外線硬化型接着剤)を使用している。そして、接着層21による圧電基板10とインク流路板11の接合は、[1] 圧電基板10の表面に、ドライフィルムと呼ばれる紫外線硬化型接着剤のフィルムをラミネートするまたは、液状の感光性組成物の接着剤(紫外線硬化型接着剤)を塗布してその接着剤膜を形成し、[2] そのドライフィルムまたは接着剤膜に所定強度、例えば100mj/cm2 程度の紫外線を照射し露光硬化させたのち、[3] ドライフィルムまたは接着剤膜にインク流路板11を重ね、500KPa程度の圧力,150℃,1時間程度で熱圧着させている。
以上説明したよう、複数の圧電駆動電極を同一圧電基板内に形成したとき、インク流路および圧電駆動電極を接近させるとクロストークが生じ、そのクロストークが流路板方式の高精細化に対し大きな障害となっていた。
クロストークをなくす第1の従来方法は、図13を用いて説明した如く、隣接する圧電駆動電極の間にスリット18を形成する構成であり、機械加工によるスリット18はその形成に長時間かかり、かつ、スリット形成位置を決める位置決めが煩わしいため、量産に向かないという問題点があった。
図11はクロストークをなくす第2の従来方法の説明図、図12はクロストークをなくす第3の従来方法の説明図である。図11のインクジェットヘッドは、圧電駆動電極16′をインク流路溝12の幅より適当な狭幅とする構成であり、圧電駆動電極16′により発生する圧電基板10の変形が、隣接するインク流路溝12に影響しないようにしたことである。
しかし、圧電特性(単位電圧当たりの変化量)が一点鎖線19で示すような駆動電圧を圧電駆動電極16′に印加したとき、圧電駆動電極16′を内蔵する圧電基板10の拘束力により、圧電基板10の実際の変形は破線20で示す如く、一点鎖線19より横方向に広がって弱められたものとなり、インク流路溝12に対し所要の圧縮力を与えることが困難になる。
その解決策としては、インク流路溝12の面積を大きくするまたは、圧電駆動電極16′の印加電圧を高くすることが考えられるが、それらは何れもインクジェットヘッドを大形化させ高精細化印刷の妨げになるまたは、駆動回路を高価格化するという問題点が発生する。
図12において、圧電素子23を下面に接合した比較的薄い基板22の上面が、インク流路板11の下面に接合された構成であり、圧電素子23としてインク流路溝12より狭幅のものを使用する。
かかる構成のインクジェットヘッドは、図11の圧電基板10について説明した駆動時の拘束力が低減する。しかし、基板22による拘束力が、インク流路溝12の間隔を狭める(高精細化印刷)に対する障害となっていた。
さらに、ガラスにてなるインク流路板11を、接着層21で圧電基板10に接合させたとき、硬化した接着層21の硬度が低いと、接着層21がクッションとなって圧電駆動電極16または16′あるいは圧電素子23の変形(発生歪)の一部を吸収し、インク流路溝12に印加する圧力のロスが生じる。その結果、インクの飛翔特性が低下するようになる。
前記接合において、露光処理で感光硬化させた接着層21に被着材(インク流路板の被着面)が少し埋入した状態とし、その状態で熱圧着させることが望ましい。しかし、露光処理後に熱圧着させる従来方法では、接着層21に対する被着面の埋入量が浅くなり、部分的に接着不良が生じ易い。
その対策として、露光処理における光量を弱くし露光による硬化を低下させる方法が考えられるが、その方法では熱圧着後の接着層21が硬度不足となり、前記圧力ロスを招くことになる。
他方、接着層21に液状接着剤を使用する方法は、接着剤の粘度コントロールが容易でない、即ち大気の温度および湿度によって変化する粘度の最適化が困難であり、粘度が高いと薄く塗付することが難しく、粘度が低いとインク流路溝12に接着剤の一部が流入し、インク流路溝12の形状や体積および断面積が設計値と異なって、インクの飛翔特性の低下およびばらつきが生じる。
本発明の目的は、ガラスにてなる流路板と圧電板または圧電基板に対する接合の信頼性を高め、製造歩留まりを向上させることである。
上記目的を達成する本発明のインクジェットプリンタヘッドの製造方法は、複数のインク流路溝を形成されたインク流路板の下面に、圧電板の上面を接合させたインクジェットプリンタヘッドの製造方法において、該インク流路板をガラスにて製造し、該圧電板の上面に感光性組成物の接着層を被着し、第1回目の熱圧着工程で該接着層に該インク流路板の下面を熱圧着させたのち、該インク流路板を通した露光工程で該接着層を感光硬化せしめ、該第1回目の熱圧着より高温の第2回目の熱圧着工程で該接着層を完全硬化させることである。
前記本発明のインクジェットプリンタヘッドの製造方法は、ガラスにてなるインク流路板の接合による問題点を解決し、該接合の信頼性を高めると共に製造歩留りを向上させる。
以上説明したように本発明の請求項1はガラスにてなる流路板と圧電板または圧電基板に対する接合の信頼性を高め、そのことでインク流路および圧電駆動電極を接近可能にすると共に、製造歩留りが向上する。
図1は本発明の第1の実施例の説明図、図2は本発明の第2の実施例の説明図である。
簡略化したインクジェットプリンタヘッドの断面を示す図1において、インクジェットプリンタヘッド31は、圧電板32の上面にインク流路板33を、フィルム状の接着層34で接合し、圧電板32の下面に圧電素子35を形成(または接合)してなる。
ガラスにてなるインク流路板33には、図紙の厚さ方向に延在する複数のインク流路溝37が形成され、インク流路溝37より狭幅の複数個の圧電素子35は、インク流路溝37のそれぞれに対応する。
本実施例において、圧電粉末にてなるグリーンシートは、例えば粒径が約1.0μmのPNN系圧電粉末、例えばPb(Ni1/3 Nb2/3)O3 とPbTiO3とPbZrO3 を、0.5:0.35:0.15の重量比で混合し、さらにPVB(有機バインダ:ポリビニルプチラール)とDBP(可塑剤:ジブビニルブチラール)およびテルプレオール(有機溶媒)を混合してスラリーとし、そのスラリーからドクターブレード法によって作成し、そのグリーンシートを焼成してなる圧電板32には、インク流路溝37のそれぞれの長さ方向、かつ、幅方向の両内側部に沿って延在する溝36が、グリーンシート焼成後、カッターブレードで機械加工している。
なお、一般にグリーンシートの焼成は、約500℃に加熱する脱脂処理(PVBを除去)と、約1100℃に加熱する本格的硬化処理と2段階に分けて実施している。
圧電素子35は、圧電部材35bを一対の駆動電極35aと35cで挟む構成であり、接着剤で圧電基板32に接着してもよい。しかし、本実施例では、駆動電極35aを印刷にて圧電板32の下面に形成し、次いで、駆動電極35aに重ねて圧電部材35bを印刷形成または所定寸法に切断した圧電グリーンシートを貼着し、しかるのち駆動電極35cを印刷法によって形成しており、圧電部材35bと一対の駆動電極35aと35cは、圧電基板32と共に焼成している。
接着層34は圧電板32とインク流路板33を接合するためのものである。従って、圧電板32とインク流路板33が接する所要部分に被着していればよいが、その所要部分だけに接着層34を被着させることが非常に煩わしい作業となる。
そのためインクジェットプリンタヘッド31では、溝36の上面を塞ぐ不要部分および、インク流路溝37に対応する圧電板32の不要部分にも、接着層34が被着している。かかる不要部分に被着する接着層34は、インクジェットプリンタヘッド31に対する悪影響が殆ど認められず、圧電板32とインク流路板33の接合作業を容易にする。
接着層34は、従来のインクジェットプリンタヘッドに使用するもの、即ち液状接着剤を塗付またはフィルム状接着剤を貼着し利用することができる。かかるインクジェットプリンタヘッド31において、特定の圧電素子35に駆動電圧を印加したとき、圧電部材35bにその厚さ方向の電界が作用することにより、圧電素子35にはd31方向(電界に垂直な方向)の変位が発生し、駆動圧電素子35の変形量(インク流路溝37の圧縮量)は、従来構成のものより大きくなる。即ち、図11に二点鎖線38で示す如く、破線18より大きくなって一点鎖線19に近付くなるようになると共に、隣接するインク流路溝37に対する干渉を低減させるようになる。
次に、本発明による圧電板32とインク流路板33の接合方法を説明する。本実施例において接着層34には、フィルム状の感光性組成物(光硬化型接着剤)、即ち一般にドライフィルムレジストと呼ばれ、光(紫外線)硬化型接着剤をフィルム状にしたものを、圧電板32とインク流路板33の間に挟む。
次いで、第1回目の熱圧着では500KPa程度の押圧力を加え、完全熱硬化温度より低温の100℃で10分程度加熱したのち、露光硬化処理、即ちガラスにてなるインク流路板33を通し接着層34に200mj/cm2 程度の紫外線を照射する。
次いで、500KPa程度の押圧力を加える第2回目の熱圧着では、150℃で1時間程度加熱する。その結果、接着層24は熱と光(紫外線)による完全硬化が完了する。
かかる接合方法は、インク流路板33の下面が適当に接着層34に埋まって、確実な接合が確保されるようになり、該圧電板32とインク流路板33の接合に対する信頼性が向上する。
なお、接着層34による接合において、接着面積の5%未満の剥がれを良品と評価したとき、使用する接着層34の種別によって、良品と評価されるのに必要な紫外線露光量(mj/cm2)に多少の差があるが、本発明方法による最低露光量は150mj/cm2 であった。
そして、特定種類の接着層34において、200mj/cm2 の露光量で露光処理したのち熱圧着した従来方法の試料では、接着面積の40%以上に剥がれが観察されたのに対し、それと同一種類の接着層34を使用し、本発明方法によって第1回目の熱圧着を施したのち、200mj/cm2 の露光量で露光処理し、次いで第2回目の熱圧着を施した試料では、接着面積の剥がれ率は5%未満であった。
簡略化したインクジェットプリンタヘッドの断面を示す図2において、インクジェットプリンタヘッド41は、圧電板32の上面にインク流路板33を、接着層34で接合し、圧電板32の下面に圧電素子基板42を接合してなる。
インク流路板33と圧電板32は、図1のインクジェットプリンタヘッド31のそれと同一のため、説明を省略するが、圧電素子基板42は、圧電板32の下面に被着する第1の電極43と、圧電部材44を挟んで電極43に対向し圧電部材44の下面凸部44′に被着する第2の電極45にてなる。
かかる圧電素子基板42は、圧電粉末にてなるグリーンシート、例えば粒径が約1.0μmのPNN系圧電粉末、例えばPb(Ni1/3 Nb2/3)O3 とPbTiO3 とPbZrO3 を、0.5:0.35:0.15の重量比で混合し、さらにPVB(有機バインダ:ポリビニルプチラール)とDBP(可塑剤:ジブビニルブチラール)およびテレプレオール(有機溶媒)を混合してスラリーとし、そのスラリーからドクターブレード法によって作成したグリーンシートの上面に、例えばAg−Pペーストを印刷して電極43となる導体層を形成し、そのグリーンシートの下面に例えばAg−Pペーストを印刷して電極45となる導体層を形成したのち、それを焼成して製造される。
なお、下面凸部44′は、各インク流路板33の両側部に対応する一対の溝36の形成間に対応しており、インクジェットプリンタヘッド31の駆動電極35cに相当する複数の電極45は、圧電駆動回路のプラス電圧端子に接続されるようになるのに対し、インクジェットプリンタヘッド31の駆動電極35cに相当し複数の電極45が対応する電極43は、圧電駆動回路の接地端子またはマイナス電圧端子に接続されるようになる。
本実施例において、圧電基板32の溝36および圧電部材44の下面凸部44′は、圧電粉末にてなるグリーンシートを焼成して平板状に形成したのち、溝36および下面凸部44′の間の不要部を機械加工によって削除している。
かかるインクジェットプリンタヘッド41において、特定の電極45に駆動電圧を印加したとき、その電極45が形成された凸部44′には、厚さ方向の電界が作用し、圧電基板32を部分的に変形(d31方向の変位)せしめ、圧迫されたインク流路溝37のインク、即ちインクジェットプリンタヘッド31と同等に圧縮されたインク流路溝37のインクは、隣接するインク流路溝37に対する干渉なしに飛翔するようになる。
なお、インクジェットプリンタヘッド41の前記説明では、圧電基板32と圧電素子基板42を別々に製造し接合させている。しかし、圧電基板32と圧電素子基板42の製造にグリーンシートを使用したとき、圧電基板32と圧電素子基板42を一体化させた製造方法、即ち、焼成前の圧電基板32と圧電素子基板42を重ねて焼成することで、両者の一体化が可能になる。
図3は本発明の第3の実施例の説明図、図4は本発明の第4の実施例の説明図、図5は本発明の第3および第4の実施例に使用したグリーンシートの説明図である。
図3において、インクジェットプリンタヘッド51は、圧電基板52の上面とインク流路板33の下面が接着層34で接合されている。圧電グリーンシートを焼成してなる圧電基板52には、複数のインク流路溝37のそれぞれに対応する圧電駆動電極53、即ち複数層(図は3層)の電極パターンにてなる圧電駆動電極53を内蔵し、その上面にはインク流路溝37を挟むように開口する複数の溝54が形成され、溝54内には焼成残滓55が被着している。
図4において、インクジェットプリンタヘッド56は、圧電基板57の上面とインク流路板33の下面が接着層34で接合されている。圧電粉末よりなるグリーンシートを焼成してなる圧電基板57には、インク流路溝37に対応する圧電駆動電極53を内蔵し、その上面にはインク流路溝37の形成間に対応し開口する複数の溝54が形成されている。
図5において、61は適当な寸法に切断した圧電粉末よりなるグリーンシート、62はグリーンシート61の所定部に短冊形状の貫通穴64を設けたグリーンシート、63はグリーンシート61の所定部に短冊形状の貫通穴64と帯状の導体パターン65を設けたグリーンシートである。
グリーンシート61は、例えば粒径が約1.0μmのPNN系圧電粉末、例えばPb(Ni1/3 Nb2/3)O3 とPbTiO3 とPbZrO3 を、0.5:0.35:0.15の重量比で混合し、さらにPVB(有機バインダ:ポリビニルプチラール)とDBP(可塑剤:ジブビニルブチラール)およびテレプレオール(有機溶媒)を混合してスラリーとし、そのスラリーからドクターブレード法によって厚さ50μmに作成したのち、所定寸法例えば100mm×100mmに切断する。
グリーンシート62において、貫通穴64はインクジェットプリンタヘッド51または56の溝54を形成するためのものであり、例えば幅400μm程度の貫通穴64はプレス抜きにより形成する。
グリーンシート63において、貫通穴64はインクジェットプリンタヘッド51または56の溝54を形成するためプレス抜きしたものであり、導体パターン65は圧電駆動電極53を形成するため、例えばAg−Pペーストをスクリーン印刷してなる。
そこで、インクジェットプリンタヘッド51の圧電基板52は、例えばグリーンシート61を20枚重ね、その上にグリーンシート63を3枚重ね、その上に1枚のグリーンシート63を重ねたのち、位置合わせで上下方向に連通する貫通穴64に、グリーンシート61と同一無機組成物で成収縮率がグリーンシート61より大きいペースト、例えばグリーンシート61製造用スラリーよりPVBおよびテレプレオールが数倍多い(全体の60%程度)ペーストを充填し、150℃で30分程度加熱しテレプレオールを除去したのち、1100℃で4時間程度焼成する。
すると、貫通穴64に充填し焼成されたペーストの残滓55は、図3に示す如く、連通貫通穴64の底面(最上位のグリーンシート61上面)に被着し、かつ、連通貫通穴64の側壁との間に隙間が、即ち幅400μmの貫通穴64を形成した実施例では50μm程度の隙間が生じ、その焼成体を複数の貫通穴64の長さ方向端部近傍で切断すると圧電基板52が完成し、前記隙間が駆動させた電極53による干渉を防止するようになる。
次に、インクジェットプリンタヘッド56の圧電基板57の製造方法について説明する。圧電基板57において、グリーンシート61〜63を重ねることは、圧電基板52の製造時と同じであるが、位置合わせで上下方向に連通する貫通穴64、例えば幅120μmの貫通穴64には、グリーンシート61製造用スラリーに使用したPVBを充填する。
そこで、150℃で30分程度加熱したのち、1100℃で4時間程度の焼成処理を施すと、PVBは昇華して図4に示す如く、圧電基板52には、連通する貫通穴64からなり従来の干渉防止用スリット18に相当する溝54が形成され、その焼成体を複数の溝54の長さ方向端部近傍で切断し、圧電基板57が完成する。
31,41,51,56 インクジェットヘッド
32 圧電板
33 インク流路板
34 接着層
35 圧電素子
35a,35c,43,45 電極
35b,44 圧電部材
36 インク流路に対向する圧電板の溝
37 インク流路
42 圧電素子基板
44′ 圧電部材下面凸部
53 圧電駆動電極
54 圧電基板の溝
55 焼成残滓
57 圧電基板
61,62,63 グリーンシート
64 グリーンシートの貫通穴
65 導体パターン
32 圧電板
33 インク流路板
34 接着層
35 圧電素子
35a,35c,43,45 電極
35b,44 圧電部材
36 インク流路に対向する圧電板の溝
37 インク流路
42 圧電素子基板
44′ 圧電部材下面凸部
53 圧電駆動電極
54 圧電基板の溝
55 焼成残滓
57 圧電基板
61,62,63 グリーンシート
64 グリーンシートの貫通穴
65 導体パターン
Claims (2)
- 複数のインク流路溝を形成されたインク流路板の下面に、圧電板の上面を接合させたインクジェットプリンタヘッドの製造方法において、
該インク流路板をガラスにて製造し、
該圧電板の上面に感光性組成物の接着層を被着し、
第1回目の熱圧着工程で該接着層に該インク流路板の下面を熱圧着させたのち、
該インク流路板を通した露光工程で該接着層を感光硬化せしめ、
該第1回目の熱圧着より高温の第2回目の熱圧着工程で該接着層を完全硬化させること、を特徴とするインクジェットプリンタヘッドの製造方法。 - 前記圧電板は、前記複数のインク流路溝のそれぞれに対応する圧電駆動電極を内蔵する圧電基板であることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
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