JP2007261146A - インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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貴誌 乾
Mikihiko Matsuda
幹彦 松田
Yukio Tanaka
行雄 田中
Kazuyuki Kisa
一之 木佐
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】同種材料を用いてインク流路上に振動板を接合させることを可能としつつ、インク流路の粘性抵抗や慣性抵抗を適正化できるようにする。
【解決手段】インク溜め12、インク加圧室11およびインク噴射流路13にそれぞれ対応する貫通孔を第一層2のグリーンシートに形成するとともに、インク噴射流路13、インク加圧室11、インク溜め12、インク噴射ノズル15およびフィルタ流路14にそれぞれ対応する貫通孔を第二層3のグリーンシートに形成し、基層1、第一層2、第二層3を下方から順に積層して熱圧着することにより、流路基板5となる積層体を作成し、さらに、振動板となるグリーンシートを流路基板5となる積層体上に重ね合わせて熱圧着しながら焼成することにより、基層1、第一層2、第二層3および振動板を一体化する。
【選択図】図1

Description

本発明はインクジェット記録ヘッドおよびその製造方法に関し、特に、インクジェット式工業用記録計で使用されるインクジェット記録ヘッドに適用して好適なものである。
微細なノズル孔よりインクを噴射して紙などの記録媒体上に付着させて記録を行う方法として、インクジェット記録方式がある。そして、インクジェット記録方式に用いられる記録ヘッドの一つとして、オンデマンド型インクジェット記録ヘッドがある。
このオンデマンド型インクジェット記録ヘッドの構造は、インク噴射ノズル(以降、ノズルと表記)の設置方法で大別すると2種類あり、一つはインク加圧室に対してノズルが下方に設置される方法、もう一つはインク加圧室に対してノズルが側方に設置される方法である。
ここで、インクジェット式工業用記録計にインクジェット記録ヘッドを使用する場合には、装置内部での記録ヘッドとインク供給系統や電気配線との配置関係から、インク加圧室に対してノズルが側方に設置される構造を持つ記録ヘッドが好ましい。このような構造において、電気機械変換素子として用いられる圧電素子に駆動電圧を印加すると、振動板がインク加圧室の内側に変位してインク加圧室の容積を急激に減少させ、その容積変化分に相当するインクがノズルから噴射され、それがインク滴となって記録紙に点着することで印字が行われる。
また、インクジェット式工業用記録計では、高度な階調よりも記録速度を優先する描画仕様であることから、インクジェット式工業用記録計の記録ヘッドは、インクジェットプリンタ等で使用される記録ヘッドと比較して、インク噴射用ノズルの数は4本程度と少ないが、インク滴量は0.2〜0.3μlと多くする必要があるため、インク加圧室の容積を大きくする必要がある。
ここで、集中定数回路モデルを用いたインクジェット記録ヘッドの理論解析によれば(特許文献1)、インク滴の体積は(1)式のように表される。ただし、(1)式中のインク流路抵抗に関係するパラメータは、(2)〜(7)式のように表される。
Figure 2007261146
Q:インク滴の体積
D:減衰定数
E:角周波数
P:インク加圧室の圧力
c0:振動系(圧電素子+振動板)の音響容量
k:比例定数
2:インク噴射流路のイナータンス
3:ノズルのイナータンス
2:インク噴射流路の音響抵抗
3:ノズルの音響抵抗
λ:流路長
β:インク密度
S:流路断面積
γ:インク粘度
d:流路直径
インク流路抵抗は記録ヘッドの性能を左右する重要な条件であり、上記理論式から定性的に論ずると、例えばインク吐出後の振動減衰を良くするためには、インク噴射流路の流路長を長く、流路断面積を小さくして粘性抵抗を大きくする必要がある。また、駆動電圧を低くして高い応答性を得るためには、インク加圧室の流路長を短く、流路断面積を大きくして慣性抵抗を小さくする必要がある。なお、フィルタ流路まで含めた理論解析が必要な場合は、非特許文献1に開示された数学モデルを応用することが好ましい。
また、特許文献2には、シリコン基板にインク流路を形成して、振動板となるパイレックス(登録商標)ガラス板を静電接合することにより、インクジェット記録ヘッドを製造する方法が開示されている。
また、特許文献3には、流路が型押しによって形成された生シートを積層加圧しながら高温焼結することにより、セラミック積層型インクジェットヘッドを製造する方法が開示されている。
また、特許文献4には、インク流路が形成された感光性樹脂層を積層することにより、インクジェット記録ヘッドを製造する方法が開示されている。
特許第2593940号公報 特許第2830435号公報 特開昭59−89163号公報 特許第3334894号公報 「Kyzer型インクジェットプリンタの動特性シミュレーション」 日本機会学会論文集(C編)Vol.64 No.623 p.166〜171
しかしながら、特許文献2に開示された方法では、接着剤を用いずに異種材料を接合するため、真空条件を達成可能な静電接合装置が必要になるとともに、インク流路の適正な粘性抵抗や慣性抵抗を得るため、複雑なマスクパターンを複数用いたシリコン基板のプラズマエッチングや、パイレックス(登録商標)ガラス板を振動板として機能させるための研磨や、基板内可視化のための透明導電性薄膜の形成などが必要になる。このため、インクジェット記録ヘッドのコスト増を招くとともに、製造時の工程管理が煩雑であるという問題があった。
また、特許文献3に開示された方法では、ノズルが圧力室に直接接続されているため、インク流路抵抗を適性に調整することが困難であり、インクジェット式工業用記録計に使用されるインクジェット記録ヘッドの性能を確保することができないという問題があった。
また、特許文献4に開示された方法では、インクジェット記録ヘッドが異種材料を用いて構成されているため、材料間の接合に難点があるとともに、流路を形成するためには露光、溶剤による溶解、基板洗浄などの多数の工程を経る必要があり、加工数が多くなることから、インクジェット記録ヘッドのコスト増を招くとともに、信頼性の確保が困難であるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、同種材料を用いてインク流路上に振動板を接合させることを可能としつつ、インク流路の粘性抵抗や慣性抵抗を適正化することが可能なインクジェット記録ヘッドおよびその製造方法を提供することである。
上述した課題を解決するために、請求項1記載のインクジェット記録ヘッドによれば、インク噴射ノズルとインク噴射流路とインク加圧室とフィルタ流路とインク溜めとを含むインク流路が、平面上に連通する溝として形成された流路基板と、前記流路基板のインク流路が形成される面を封止する振動板と、前記インク加圧室と対向するようにして前記振動板の上面に配置された圧電素子とを備え、前記流路基板は、セラミック材料からなるヘッド厚み調整用平板である基層と、前記インク噴射流路、前記インク加圧室および前記インク溜めを形成する貫通孔を有する第一層と、前記インク噴射ノズル、前記インク噴射流路、前記インク加圧室、前記フィルタ流路および前記インク溜めを形成する貫通孔を有する第二層とを備え、前記基層、前記第一層、前記第二層および前記振動板にそれぞれ対応するグリーンシートが積層加圧されながら高温焼結されることにより、前記基層、前記第一層、前記第二層および前記振動板が一体化されていることを特徴とする。
これにより、貫通孔が設けられたグリーンシートを積層加圧することで、インク噴射ノズルとインク加圧室との間にインク噴射流路を設けることを可能としつつ、同種材料を用いてインク流路上に振動板を接合させることができる。このため、インクジェット記録ヘッドを製造するために異種材料を接合させる必要がなくなるとともに、製造工程の煩雑化を抑制しつつ、インク流路の粘性抵抗や慣性抵抗を適正化することが可能となり、インクジェット記録ヘッドのコスト増を抑制しつつ、インクジェット記録ヘッドの性能を確保することが可能となる。
また、請求項2記載のインクジェット記録ヘッドによれば、インク噴射ノズルとインク噴射流路とインク加圧室とフィルタ流路とインク溜めとを含むインク流路が、平面上に連通する溝として形成された流路基板と、前記流路基板のインク流路が形成される面を封止する振動板と、前記インク加圧室と対向するようにして前記振動板の上面に配置された圧電素子とを備え、前記流路基板は、ヘッド厚み調整用平板である基層と、前記インク加圧室および前記インク溜めを形成する貫通孔を有する第一層と、前記インク噴射流路、前記インク加圧室および前記インク溜めを形成する貫通孔を有する第二層と、前記インク噴射ノズル、前記インク噴射流路、前記インク加圧室、前記フィルタ流路および前記インク溜めを形成する貫通孔を有する第三層とを備え、前記基層、前記第一層、前記第二層、前記第三層および前記振動板にそれぞれ対応するグリーンシートが積層加圧されながら高温焼結されることにより、前記基層、前記第一層、前記第二層、前記第三層および前記振動板が一体化されていることを特徴とする。
これにより、グリーンシートの積層数を増やすことで、ノズル長を短くし、インク噴射流路の深さを浅くして、流路抵抗が小さくなるように調整することが可能となる。このため、インク加圧室の圧力の低下に対応しつつ、圧電素子を小型化することが可能となり、インクジェット記録ヘッドの性能を維持しつつ、インクジェット記録ヘッドの小型化を図ることが可能となるとともに、コスト増を抑制することができる。
また、請求項3記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法によれば、セラミック材料からなる第1グリーンシートをプレス成型することにより、インク噴射流路、インク加圧室およびインク溜めを構成する貫通孔を有する流路基板の第一層を形成する工程と、セラミック材料からなる第2グリーンシートをプレス成型することにより、インク噴射ノズル、前記インク噴射流路、前記インク加圧室、フィルタ流路および前記インク溜めを構成する貫通孔を有する前記流路基板の第二層を形成する工程と、第3グリーンシートからなる基層上に前記第一層および前記第二層を積層加圧することにより、前記インク噴射ノズルと前記インク噴射流路と前記インク加圧室と前記フィルタ流路と前記インク溜めとを含むインク流路が、平面上に連通する溝として構成された流路基板を形成する工程と、第4グリーンシートからなる振動板を前記流路基板上に積層加圧しながら高温焼結することにより、前記基層、前記第一層、前記第二層および前記振動板を一体化する工程と、前記インク加圧室と対向するようにして前記振動板の上面に配置された圧電素子を形成する工程とを備えることを特徴とする。
これにより、貫通孔が設けられたグリーンシートを積層加圧することで、インク噴射ノズルとインク加圧室との間にインク噴射流路を設けることが可能となるとともに、インク流路上に振動板を接合させることができ、インクジェット記録ヘッドのコスト増を抑制しつつ、インクジェット記録ヘッドの性能を確保することが可能となる。
また、請求項4記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法によれば、セラミック材料からなる第1グリーンシートをプレス成型することにより、インク加圧室およびインク溜めを構成する貫通孔を有する流路基板の第一層を形成する工程と、セラミック材料からなる第2グリーンシートをプレス成型することにより、インク噴射流路、前記インク加圧室および前記インク溜めを構成する貫通孔を有する流路基板の第二層を形成する工程と、セラミック材料からなる第3グリーンシートをプレス成型することにより、インク噴射ノズル、前記インク噴射流路、前記インク加圧室、フィルタ流路および前記インク溜めを構成する貫通孔を有する前記流路基板の第三層を形成する工程と、第4グリーンシートからなる基層上に前記第一層、前記第二層および前記第三層を積層加圧することにより、前記インク噴射ノズルと前記インク噴射流路と前記インク加圧室と前記フィルタ流路と前記インク溜めとを含むインク流路が、平面上に連通する溝として構成された流路基板を形成する工程と、第5グリーンシートからなる振動板を前記流路基板上に積層加圧しながら高温焼結することにより、前記基層、前記第一層、前記第二層、前記第三層および前記振動板を一体化する工程と、前記インク加圧室と対向するようにして前記振動板の上面に配置された圧電素子を形成する工程とを備えることを特徴とする。
これにより、グリーンシートの積層数を増やすことで、流路抵抗を小さくするように調整することが可能となり、インクジェット記録ヘッドの性能を維持しつつ、インクジェット記録ヘッドの小型化を図ることが可能となるとともに、コスト増を抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、同種のセラミック材料を用いることにより、接着剤を用いない簡便な手法にてインクジェット記録ヘッドの流路基板と振動板を一体成型可能となるとともに、流路基板に簡便な加工法で流路を形成した後に積層して一体化することで、インク流路抵抗が適正に調整された流路基板を得ることができ、製作工程が少なく品質管理が容易であり、加工精度の高いインクジェット記録ヘッドを安価に得ることができる。
以下、本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドについて図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの圧電素子の形成前の概略構成を示す斜視図、図2は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの圧電素子の形成後の概略構成を示す斜視図、図3は、図2のA−A´線で切断した断面図である。
図1から図3において、流路基板5には基層1、第一層2および第二層3が設けられ、第一層2および第二層3は基層1上に順次積層されている。ここで、基層1は、セラミック材料からなるヘッド厚み調整用平板を構成することができる。また、第一層2には、インク噴射流路13、インク加圧室11およびインク溜め12が形成され、第二層3には、インク噴射流路13、インク加圧室11およびインク溜め12に加え、インク噴射ノズル15およびフィルタ流路14が形成されている。
そして、第一層2および第二層3を基層1上に順次積層することにより、インク噴射ノズル15とインク噴射流路13とインク加圧室11とフィルタ流路14とインク溜め12とを含むインク流路が、平面上に連通する溝として流路基板5に形成されている。また、流路基板5上には、流路基板5のインク流路が形成される面を封止する振動板4が積層され、振動板4の上面には、インク加圧室11と対向するように配置された圧電素子6が形成されている。
ここで、流路基板5および振動板4の材料としてはセラミックを用いることができる。そして、基層1、第一層2、第二層3および振動板4にそれぞれ対応するグリーンシートを積層加圧しながら高温焼結することにより、基層1、第一層2、第二層3および振動板4を一体化することができる。また、基層1、第一層2、第二層3および振動板4にそれぞれ対応するグリーンシートを積層加圧しながら高温焼結する場合、インク噴射流路13、インク加圧室11およびインク溜め12に対応する貫通孔を第一層2のグリーンシートに予め形成するとともに、インク噴射流路13、インク加圧室11、インク溜め12、インク噴射ノズル15およびフィルタ流路14に対応する貫通孔を第二層3のグリーンシートに予め形成することができる。
これにより、貫通孔が設けられたグリーンシートを積層加圧することで、インク噴射ノズル15とインク加圧室11との間にインク噴射流路13を設けることを可能としつつ、同種材料を用いてインク流路上に振動板4を接合させることができる。このため、インクジェット記録ヘッドを製造するために異種材料を接合させる必要がなくなるとともに、製造工程の煩雑化を抑制しつつ、インク流路の粘性抵抗や慣性抵抗を適正化することが可能となり、インクジェット記録ヘッドのコスト増を抑制しつつ、インクジェット記録ヘッドの性能を確保することが可能となる。
図4は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの製造方法を示す斜視図である。
図4において、基層1となる厚さ1.0mmのグリーンシート、第一層2となる厚さ0.15mmのグリーンシート、第二層3となる厚さ0.05mmのグリーンシート、振動板4となる厚さ0.15mmのグリーンシートを作製する。なお、各層の厚さは、前記に限定されるものではなく、外寸やインク飛翔仕様により適宜調整することができる。また、各層のグリーンシートは、例えばドクターブレード法によって成形することができる。
次に、第一層2のグリーンシートをプレス加工することにより、インク溜め12、インク加圧室11およびインク噴射流路13にそれぞれ対応する貫通孔12a、11a、13aをグリーンシートに形成する。また、第二層3のグリーンシートをプレス加工することにより、インク噴射流路13、インク加圧室11、インク溜め12、インク噴射ノズル15およびフィルタ流路14にそれぞれ対応する貫通孔13b、11b、12b、15b、14bをグリーンシートに形成する。
なお、インク加圧室11となる貫通孔11a、11b全体の幅および長さは、例えば1.0×3.0mm、インク溜め12となる貫通孔12a、12b全体の幅および長さは、例えば1.0×1.0mm、インク噴射流路13となる貫通孔13a、13b全体の幅および長さは、例えば0.2mmおよび2.0mm、フィルタ流路14となる貫通孔14bの幅および長さは、例えば0.2mmおよび0.4mm、インク噴射ノズル15となる貫通孔15bの幅および長さは、例えば0.05mmおよび1.0mmとすることができる。
次に、図2に示すように、基層1、第一層2、第二層3を下方から順に積層して熱圧着することにより、流路基板5となる積層体を作成し、流路寸法の精度について抜取り検査を行う。
さらに、振動板4となるグリーンシートを流路基板5となる積層体上に重ね合わせて熱圧着し、その後1300〜1600℃の酸化雰囲気中にて焼成することにより、基層1、第一層2、第二層3および振動板4を一体化する。なお、インク噴射ノズル15の端面は、ワイヤーソーやダイヤモンドカッター等の一般的な方法を用いて切断することにより仕上加工することができる。また、インク噴射ノズル15の端面を切断後、インク噴射ノズル15の端面を研磨加工することにより、さらに滑らかな端面を得ることができる。
次に、図3に示すように、振動板4上に金ペーストをスクリーン印刷し、焼結して電極を形成した後(図示せず)、インク加圧室11と対向する部位にPZT等の圧電素子6をエポキシ樹脂等で接着する。なお、圧電素子6の寸法は、例えば1.0×3.0×0.15mmとすることができる。また、電極はスパッタリング等によって形成しても良い。以上の工程を経ることにより、図4に示すような流路断面形状を持つインクジェット記録ヘッドを製作することができる。
図5は、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの圧電素子の形成前の概略構成を示す斜視図、図6は、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの圧電素子の形成後の概略構成を示す断面図である。
図5および図6において、流路基板26には基層21、第一層22、第二層23および第三層24が設けられ、第一層22、第二層23および第三層24は基層21上に順次積層されている。ここで、基層21は、セラミック材料からなるヘッド厚み調整用平板を構成することができる。また、第一層22には、インク加圧室31およびインク溜め32が形成され、第一層22には、インク加圧室31およびインク溜め32に加え、インク噴射流路33が形成され、第二層23には、インク噴射流路33、インク加圧室31およびインク溜め32に加え、インク噴射ノズル35およびフィルタ流路34が形成されている。
そして、第一層22、第二層23および第三層24を基層21上に順次積層することにより、インク噴射ノズル35とインク噴射流路33とインク加圧室31とフィルタ流路34とインク溜め32とを含むインク流路が、平面上に連通する溝として流路基板26に形成されている。また、流路基板26上には、流路基板26のインク流路が形成される面を封止する振動板25が積層され、振動板25の上面には、インク加圧室31と対向するように配置された圧電素子27が形成されている。
ここで、流路基板25および振動板24の材料としてはセラミックを用いることができる。そして、基層21、第一層22、第二層23、第三層24および振動板25にそれぞれ対応するグリーンシートを積層加圧しながら高温焼結することにより、基層21、第一層22、第二層23、第三層24および振動板25を一体化することができる。また、基層21、第一層22、第二層23、第三層24および振動板25にそれぞれ対応するグリーンシートを積層加圧しながら高温焼結する場合、インク加圧室31およびインク溜め32に対応する貫通孔を第一層22のグリーンシートに予め形成するとともに、インク噴射流路33、インク加圧室31およびインク溜め32に対応する貫通孔を第二層23のグリーンシートに予め形成し、さらにインク噴射流路33、インク加圧室31、インク溜め32、インク噴射ノズル35およびフィルタ流路34に対応する貫通孔を第三層24のグリーンシートに予め形成することができる。
これにより、グリーンシートの積層数を増やすことで、インク噴射ノズル35のノズル長を短くし、インク噴射流路33の深さを浅くして、流路抵抗が小さくなるように調整することが可能となる。このため、インク加圧室31の圧力の低下に対応しつつ、圧電素子26を小型化することが可能となり、インクジェット記録ヘッドの性能を維持しつつ、インクジェット記録ヘッドの小型化を図ることが可能となるとともに、コスト増を抑制することができる。
図7は、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの製造方法を示す斜視図である。
図7において、基層21となる厚さ1mmのグリーンシート、第一層22となる厚さ0.1mmのグリーンシート、第二層23となる厚さ0.05mmのグリーンシート、第三層24となる厚さ0.05mmのグリーンシート、振動板25となる厚さ0.15mmのグリーンシートを作製する。
次に、第一層22のグリーンシートをプレス加工することにより、インク溜め32およびインク加圧室31にそれぞれ対応する貫通孔32a、31aをグリーンシートに形成する。また、第二層23のグリーンシートをプレス加工することにより、インク溜め32、インク加圧室31およびインク噴射流路33にそれぞれ対応する貫通孔32b、31b、33bをグリーンシートに形成する。また、第三層24のグリーンシートをプレス加工することにより、インク噴射流路33、インク加圧室31、インク溜め32、インク噴射ノズル35およびフィルタ流路34にそれぞれ対応する貫通孔33c、31c、32c、35c、34cをグリーンシートに形成する。
なお、インク加圧室31となる貫通孔31a、31b、31c全体の幅および長さは、例えば0.5mm×3mm、インク溜め32となる貫通孔32a、32b、32c全体の幅および長さは、例えば0.5mm×1.0mm、インク噴射流路33となる貫通孔33b、33c全体の幅および長さは、例えば0.2mmおよび2.8mm、フィルタ流路34となる貫通孔34cの幅および長さは、例えば0.2mmおよび0.4mm、インク噴射ノズル35となる貫通孔35cの幅および長さは、例えば0.05mmおよび0.2mmとすることができる。これにより、記録ヘッドの長さおよび厚みを変えることなく、幅のみを縮小して、記録ヘッドを小型化することが可能となる。
次に、図6において、基層21、第一層22、第二層23、第三層24を下方から順に積層して熱圧着することにより、流路基板26となる積層体を作成し、流路寸法の精度について抜取り検査を行う。
そして、振動板25上に金ペーストをスクリーン印刷し、焼結して電極を形成した後(図示せず)、インク加圧室31と対向する部位にPZT等の圧電素子27をエポキシ樹脂等で接着する。なお、圧電素子27の寸法は、例えば1.0×3.0×0.15mmとすることができる。また、電極はスパッタリング等によって形成しても良い。以上の工程を経ることにより、図7に示すような流路断面形状を持つインクジェット記録ヘッドを製作することができる。
本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの圧電素子の形成前の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの圧電素子の形成後の概略構成を示す斜視図である。 図2のA−A´線で切断した断面図である。 本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの製造方法を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの圧電素子の形成前の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの圧電素子の形成後の概略構成を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの製造方法を示す斜視図である。
符号の説明
1、21 基層
2、22 第一層
3、23 第二層
4、25 振動板
5、26 流路基板
6、27 圧電素子
11、31 インク加圧室
12、32 インク溜め
13、33 インク噴射流路
14、34 フィルタ流路
15、35 インク噴射ノズル
11a、11b、12a、12b、13a、13b、14b、15b、31a、31b、31c、32a、32b、32c、33c、34c、35c 貫通孔
24 第3層

Claims (4)

  1. インク噴射ノズルとインク噴射流路とインク加圧室とフィルタ流路とインク溜めとを含むインク流路が、平面上に連通する溝として形成された流路基板と、
    前記流路基板のインク流路が形成される面を封止する振動板と、
    前記インク加圧室と対向するようにして前記振動板の上面に配置された圧電素子とを備え、
    前記流路基板は、
    セラミック材料からなるヘッド厚み調整用平板である基層と、
    前記インク噴射流路、前記インク加圧室および前記インク溜めを形成する貫通孔を有する第一層と、
    前記インク噴射ノズル、前記インク噴射流路、前記インク加圧室、前記フィルタ流路および前記インク溜めを形成する貫通孔を有する第二層とを備え、
    前記基層、前記第一層、前記第二層および前記振動板にそれぞれ対応するグリーンシートが積層加圧されながら高温焼結されることにより、前記基層、前記第一層、前記第二層および前記振動板が一体化されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. インク噴射ノズルとインク噴射流路とインク加圧室とフィルタ流路とインク溜めとを含むインク流路が、平面上に連通する溝として形成された流路基板と、
    前記流路基板のインク流路が形成される面を封止する振動板と、
    前記インク加圧室と対向するようにして前記振動板の上面に配置された圧電素子とを備え、
    前記流路基板は、
    ヘッド厚み調整用平板である基層と、
    前記インク加圧室および前記インク溜めを形成する貫通孔を有する第一層と、
    前記インク噴射流路、前記インク加圧室および前記インク溜めを形成する貫通孔を有する第二層と、
    前記インク噴射ノズル、前記インク噴射流路、前記インク加圧室、前記フィルタ流路および前記インク溜めを形成する貫通孔を有する第三層とを備え、
    前記基層、前記第一層、前記第二層、前記第三層および前記振動板にそれぞれ対応するグリーンシートが積層加圧されながら高温焼結されることにより、前記基層、前記第一層、前記第二層、前記第三層および前記振動板が一体化されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  3. セラミック材料からなる第1グリーンシートをプレス成型することにより、インク噴射流路、インク加圧室およびインク溜めを構成する貫通孔を有する流路基板の第一層を形成する工程と、
    セラミック材料からなる第2グリーンシートをプレス成型することにより、インク噴射ノズル、前記インク噴射流路、前記インク加圧室、フィルタ流路および前記インク溜めを構成する貫通孔を有する前記流路基板の第二層を形成する工程と、
    第3グリーンシートからなる基層上に前記第一層および前記第二層を積層加圧することにより、前記インク噴射ノズルと前記インク噴射流路と前記インク加圧室と前記フィルタ流路と前記インク溜めとを含むインク流路が、平面上に連通する溝として構成された流路基板を形成する工程と、
    第4グリーンシートからなる振動板を前記流路基板上に積層加圧しながら高温焼結することにより、前記基層、前記第一層、前記第二層および前記振動板を一体化する工程と、
    前記インク加圧室と対向するようにして前記振動板の上面に配置された圧電素子を形成する工程とを備えることを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  4. セラミック材料からなる第1グリーンシートをプレス成型することにより、インク加圧室およびインク溜めを構成する貫通孔を有する流路基板の第一層を形成する工程と、
    セラミック材料からなる第2グリーンシートをプレス成型することにより、インク噴射流路、前記インク加圧室および前記インク溜めを構成する貫通孔を有する流路基板の第二層を形成する工程と、
    セラミック材料からなる第3グリーンシートをプレス成型することにより、インク噴射ノズル、前記インク噴射流路、前記インク加圧室、フィルタ流路および前記インク溜めを構成する貫通孔を有する前記流路基板の第三層を形成する工程と、
    第4グリーンシートからなる基層上に前記第一層、前記第二層および前記第三層を積層加圧することにより、前記インク噴射ノズルと前記インク噴射流路と前記インク加圧室と前記フィルタ流路と前記インク溜めとを含むインク流路が、平面上に連通する溝として構成された流路基板を形成する工程と、
    第5グリーンシートからなる振動板を前記流路基板上に積層加圧しながら高温焼結することにより、前記基層、前記第一層、前記第二層、前記第三層および前記振動板を一体化する工程と、
    前記インク加圧室と対向するようにして前記振動板の上面に配置された圧電素子を形成する工程とを備えることを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
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