JP2007261146A - インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インク溜め12、インク加圧室11およびインク噴射流路13にそれぞれ対応する貫通孔を第一層2のグリーンシートに形成するとともに、インク噴射流路13、インク加圧室11、インク溜め12、インク噴射ノズル15およびフィルタ流路14にそれぞれ対応する貫通孔を第二層3のグリーンシートに形成し、基層1、第一層2、第二層3を下方から順に積層して熱圧着することにより、流路基板5となる積層体を作成し、さらに、振動板となるグリーンシートを流路基板5となる積層体上に重ね合わせて熱圧着しながら焼成することにより、基層1、第一層2、第二層3および振動板を一体化する。
【選択図】図1
Description
このオンデマンド型インクジェット記録ヘッドの構造は、インク噴射ノズル(以降、ノズルと表記)の設置方法で大別すると2種類あり、一つはインク加圧室に対してノズルが下方に設置される方法、もう一つはインク加圧室に対してノズルが側方に設置される方法である。
ここで、集中定数回路モデルを用いたインクジェット記録ヘッドの理論解析によれば(特許文献1)、インク滴の体積は(1)式のように表される。ただし、(1)式中のインク流路抵抗に関係するパラメータは、(2)〜(7)式のように表される。
D:減衰定数
E:角周波数
P:インク加圧室の圧力
c0:振動系(圧電素子+振動板)の音響容量
k:比例定数
m2:インク噴射流路のイナータンス
m3:ノズルのイナータンス
r2:インク噴射流路の音響抵抗
r3:ノズルの音響抵抗
λ:流路長
β:インク密度
S:流路断面積
γ:インク粘度
d:流路直径
また、特許文献3には、流路が型押しによって形成された生シートを積層加圧しながら高温焼結することにより、セラミック積層型インクジェットヘッドを製造する方法が開示されている。
また、特許文献4には、インク流路が形成された感光性樹脂層を積層することにより、インクジェット記録ヘッドを製造する方法が開示されている。
また、特許文献3に開示された方法では、ノズルが圧力室に直接接続されているため、インク流路抵抗を適性に調整することが困難であり、インクジェット式工業用記録計に使用されるインクジェット記録ヘッドの性能を確保することができないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、同種材料を用いてインク流路上に振動板を接合させることを可能としつつ、インク流路の粘性抵抗や慣性抵抗を適正化することが可能なインクジェット記録ヘッドおよびその製造方法を提供することである。
これにより、グリーンシートの積層数を増やすことで、流路抵抗を小さくするように調整することが可能となり、インクジェット記録ヘッドの性能を維持しつつ、インクジェット記録ヘッドの小型化を図ることが可能となるとともに、コスト増を抑制することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの圧電素子の形成前の概略構成を示す斜視図、図2は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの圧電素子の形成後の概略構成を示す斜視図、図3は、図2のA−A´線で切断した断面図である。
図4において、基層1となる厚さ1.0mmのグリーンシート、第一層2となる厚さ0.15mmのグリーンシート、第二層3となる厚さ0.05mmのグリーンシート、振動板4となる厚さ0.15mmのグリーンシートを作製する。なお、各層の厚さは、前記に限定されるものではなく、外寸やインク飛翔仕様により適宜調整することができる。また、各層のグリーンシートは、例えばドクターブレード法によって成形することができる。
さらに、振動板4となるグリーンシートを流路基板5となる積層体上に重ね合わせて熱圧着し、その後1300〜1600℃の酸化雰囲気中にて焼成することにより、基層1、第一層2、第二層3および振動板4を一体化する。なお、インク噴射ノズル15の端面は、ワイヤーソーやダイヤモンドカッター等の一般的な方法を用いて切断することにより仕上加工することができる。また、インク噴射ノズル15の端面を切断後、インク噴射ノズル15の端面を研磨加工することにより、さらに滑らかな端面を得ることができる。
図5および図6において、流路基板26には基層21、第一層22、第二層23および第三層24が設けられ、第一層22、第二層23および第三層24は基層21上に順次積層されている。ここで、基層21は、セラミック材料からなるヘッド厚み調整用平板を構成することができる。また、第一層22には、インク加圧室31およびインク溜め32が形成され、第一層22には、インク加圧室31およびインク溜め32に加え、インク噴射流路33が形成され、第二層23には、インク噴射流路33、インク加圧室31およびインク溜め32に加え、インク噴射ノズル35およびフィルタ流路34が形成されている。
図7において、基層21となる厚さ1mmのグリーンシート、第一層22となる厚さ0.1mmのグリーンシート、第二層23となる厚さ0.05mmのグリーンシート、第三層24となる厚さ0.05mmのグリーンシート、振動板25となる厚さ0.15mmのグリーンシートを作製する。
そして、振動板25上に金ペーストをスクリーン印刷し、焼結して電極を形成した後(図示せず)、インク加圧室31と対向する部位にPZT等の圧電素子27をエポキシ樹脂等で接着する。なお、圧電素子27の寸法は、例えば1.0×3.0×0.15mmとすることができる。また、電極はスパッタリング等によって形成しても良い。以上の工程を経ることにより、図7に示すような流路断面形状を持つインクジェット記録ヘッドを製作することができる。
2、22 第一層
3、23 第二層
4、25 振動板
5、26 流路基板
6、27 圧電素子
11、31 インク加圧室
12、32 インク溜め
13、33 インク噴射流路
14、34 フィルタ流路
15、35 インク噴射ノズル
11a、11b、12a、12b、13a、13b、14b、15b、31a、31b、31c、32a、32b、32c、33c、34c、35c 貫通孔
24 第3層
Claims (4)
- インク噴射ノズルとインク噴射流路とインク加圧室とフィルタ流路とインク溜めとを含むインク流路が、平面上に連通する溝として形成された流路基板と、
前記流路基板のインク流路が形成される面を封止する振動板と、
前記インク加圧室と対向するようにして前記振動板の上面に配置された圧電素子とを備え、
前記流路基板は、
セラミック材料からなるヘッド厚み調整用平板である基層と、
前記インク噴射流路、前記インク加圧室および前記インク溜めを形成する貫通孔を有する第一層と、
前記インク噴射ノズル、前記インク噴射流路、前記インク加圧室、前記フィルタ流路および前記インク溜めを形成する貫通孔を有する第二層とを備え、
前記基層、前記第一層、前記第二層および前記振動板にそれぞれ対応するグリーンシートが積層加圧されながら高温焼結されることにより、前記基層、前記第一層、前記第二層および前記振動板が一体化されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。 - インク噴射ノズルとインク噴射流路とインク加圧室とフィルタ流路とインク溜めとを含むインク流路が、平面上に連通する溝として形成された流路基板と、
前記流路基板のインク流路が形成される面を封止する振動板と、
前記インク加圧室と対向するようにして前記振動板の上面に配置された圧電素子とを備え、
前記流路基板は、
ヘッド厚み調整用平板である基層と、
前記インク加圧室および前記インク溜めを形成する貫通孔を有する第一層と、
前記インク噴射流路、前記インク加圧室および前記インク溜めを形成する貫通孔を有する第二層と、
前記インク噴射ノズル、前記インク噴射流路、前記インク加圧室、前記フィルタ流路および前記インク溜めを形成する貫通孔を有する第三層とを備え、
前記基層、前記第一層、前記第二層、前記第三層および前記振動板にそれぞれ対応するグリーンシートが積層加圧されながら高温焼結されることにより、前記基層、前記第一層、前記第二層、前記第三層および前記振動板が一体化されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。 - セラミック材料からなる第1グリーンシートをプレス成型することにより、インク噴射流路、インク加圧室およびインク溜めを構成する貫通孔を有する流路基板の第一層を形成する工程と、
セラミック材料からなる第2グリーンシートをプレス成型することにより、インク噴射ノズル、前記インク噴射流路、前記インク加圧室、フィルタ流路および前記インク溜めを構成する貫通孔を有する前記流路基板の第二層を形成する工程と、
第3グリーンシートからなる基層上に前記第一層および前記第二層を積層加圧することにより、前記インク噴射ノズルと前記インク噴射流路と前記インク加圧室と前記フィルタ流路と前記インク溜めとを含むインク流路が、平面上に連通する溝として構成された流路基板を形成する工程と、
第4グリーンシートからなる振動板を前記流路基板上に積層加圧しながら高温焼結することにより、前記基層、前記第一層、前記第二層および前記振動板を一体化する工程と、
前記インク加圧室と対向するようにして前記振動板の上面に配置された圧電素子を形成する工程とを備えることを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。 - セラミック材料からなる第1グリーンシートをプレス成型することにより、インク加圧室およびインク溜めを構成する貫通孔を有する流路基板の第一層を形成する工程と、
セラミック材料からなる第2グリーンシートをプレス成型することにより、インク噴射流路、前記インク加圧室および前記インク溜めを構成する貫通孔を有する流路基板の第二層を形成する工程と、
セラミック材料からなる第3グリーンシートをプレス成型することにより、インク噴射ノズル、前記インク噴射流路、前記インク加圧室、フィルタ流路および前記インク溜めを構成する貫通孔を有する前記流路基板の第三層を形成する工程と、
第4グリーンシートからなる基層上に前記第一層、前記第二層および前記第三層を積層加圧することにより、前記インク噴射ノズルと前記インク噴射流路と前記インク加圧室と前記フィルタ流路と前記インク溜めとを含むインク流路が、平面上に連通する溝として構成された流路基板を形成する工程と、
第5グリーンシートからなる振動板を前記流路基板上に積層加圧しながら高温焼結することにより、前記基層、前記第一層、前記第二層、前記第三層および前記振動板を一体化する工程と、
前記インク加圧室と対向するようにして前記振動板の上面に配置された圧電素子を形成する工程とを備えることを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006090713A JP2007261146A (ja) | 2006-03-29 | 2006-03-29 | インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006090713A JP2007261146A (ja) | 2006-03-29 | 2006-03-29 | インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法 |
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Family
ID=38634604
Family Applications (1)
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JP2006090713A Pending JP2007261146A (ja) | 2006-03-29 | 2006-03-29 | インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007261146A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110239221A (zh) * | 2018-03-09 | 2019-09-17 | 中国科学院苏州纳米技术与纳米仿生研究所 | 一种喷墨打印装置 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5989163A (ja) * | 1982-10-25 | 1984-05-23 | Seiko Epson Corp | インクジエツトヘツド |
JP2593940B2 (ja) * | 1988-10-14 | 1997-03-26 | 富士電機株式会社 | インクジェット記録ヘッドの駆動方法 |
JPH11240153A (ja) * | 1998-02-26 | 1999-09-07 | Fuji Electric Co Ltd | インクジェット記録ヘッド |
JP3334894B2 (ja) * | 1991-06-19 | 2002-10-15 | セイコーエプソン株式会社 | インクジェット記録ヘッド及びその製造方法 |
-
2006
- 2006-03-29 JP JP2006090713A patent/JP2007261146A/ja active Pending
Patent Citations (4)
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