JP3386119B2 - 積層型インクジェット記録ヘッドの流路ユニット - Google Patents
積層型インクジェット記録ヘッドの流路ユニットInfo
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Description
圧力室の一部領域に圧電振動子を貼設し、この圧電振動
子により圧力室を圧縮してインク滴を発生させる記録ヘ
ッドを構成する流路ユニットにに関する。
に圧電振動板を張設し、圧電振動板の変位により圧力室
の容積を変化させてインク滴を発生させるインクジェッ
ト記録ヘッドは、圧力室の広い面積を変位させることが
可能なため、インク滴を安定して発生させることができ
るという特徴を備えている。しかしながら振動板の変位
方向に直角な方向にインク滴を飛翔させるため、記録用
紙の紙面に垂直な方向のサイズが大きくなり、キャリッ
ジ等が大型化するという問題を抱えている。このような
問題を解消するために振動板を含む圧力発生部材、及び
インク流路形成部材を積層構造により構成して、振動板
の変位方向に平行にノズル開口を設けて薄型化を図った
インクジェット記録ヘッドが提案されている(特開昭62
-111758号公報)。このような積層構造を取ると、小型
化を図れるばかりでなく、プレス加工やエッチング加工
された板材を接着するとい簡単な方法が適用できるた
め、製造工程の簡素化を図ることが可能となる。しかし
ながら、各板材の接着を接着剤に頼っている関係上、微
細な小孔への接着剤の流れ込みによる流路抵抗の変動に
よる信頼性の低下を招いたり、振動板への圧電振動子の
取り付けを、接着剤や、エッチングやレーザー加工に頼
っているため、手間がかかるという問題を抱えている。
このような問題を解消するために半固化状態のセラミッ
クス板を所要の形状に加工して流路部材と、圧電振動子
を形成し、これらを積層して焼成することにより、圧電
振動子の取り付け作業を不要としたインクジェット記録
ヘッドも提案されている(特開昭63-149159号公報)。
しかしながら、これは前述したように振動板の変位方向
に直角な方向にノズル開口を設けたもので、記録ヘッド
の薄型化するためには適用できない。
に鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、薄型のインクジェット記録ヘッドを構成する比較的
製造が容易な流路ユニットを提供することである。
るために本発明においては、圧力室のインクを加圧手段
により加圧する圧力発生ユニットと組み合わされて積層
型インクジェット記録ヘッドを構成する流路ユニットに
おいて、リザーバを形成する凹部を備えたリザーバ形成
部材と、前記リザーバ形成部材の一方の面を封止する板
材からなるインク供給部材と、ノズル開口を備え、前記
リザーバ形成部材の他方の面を封止するノズルプレート
と、を接着層を介して一体に固定し、前記インク供給部
材には前記リザーバと外部のインクタンクとを接続する
通孔、及び前記圧力室と前記リザーバとを接続する通孔
が設けられ、また前記インク供給部材と前記リザーバ形
成部材とには、前記ノズル開口を前記圧力室に連通させ
る連通孔がそれぞれ形成されている。
力ユニットとは別部材として薄型化、小型化した流路ユ
ニットを供給できるため作業能率が向上でき、また圧力
ユニットを接合するという簡単な作業で記録ヘッドを構
成できる。
に基づいて説明する。図1、2は本発明の一実施例を示
す断面図と、その分解斜視図であって、図中符号1は、
圧力室形成部材で、圧力室を形成するのに適した厚さ、
例えば150μmのジルコニア(ZrO2)などのセラ
ミックス板に、図4に拡大して示したように長軸側の端
部が丸く形成された長丸矩形状の圧力室2、2、2‥‥
の形状に一致し、一端が図3に示したようにリザーバ2
1に重なり、また他端がノズル開口31に重なる長孔
2’、2’、2’‥‥を一定ピッチで穿設して構成され
ている。4は、圧力室形成部材1の一方の面に固定され
る振動板で、圧力室形成部材1と一体に焼成したとき相
性が良く、しかも弾性率の高い材料、この実施例では圧
力室形成部材と同様に厚さ10μmのジルコニアの薄板
で構成され、これの表面には図4に示したように圧力室
2に対応させて圧電振動子7の駆動信号印加電極5と、
後述する共通電極の引出電極6が設けられている。
電極5を覆い、図4に示したように圧力室2の長手方向
の長さとほぼ等しく、また幅が小さなサイズのPZT等
の圧電振動材料の薄板からなり、長手方向を軸とするよ
うに幅方向に湾曲するモードで振動するように構成され
ている。これら圧電振動子7、7、7‥‥、及び引出電
極6の表面は、図5、及び図6に示したように共通電極
8がスパッタリングなどの膜形成法により作り付けられ
ている。この結果、各圧電振動子7は振動板4側が駆動
信号印加電極5に、また表面側が共通電極8に接続され
ることになる。また、圧電振動子7は、図6に見られる
ように駆動信号印加電極5の幅よりも広く、かつ幅方向
の両端からそれぞれ若干W、W’張り出すように形成さ
れている。
成する蓋部材で、圧力室形成部材1と一体に焼成したと
き相性が良い材料、この実施例では厚さ150μmのジ
ルコニアの薄板からなり、後述するノズル開口31と圧
力室2を接続する通孔11と、リザーバ21と圧力室2
を接続する通孔12を穿設して構成されている。これら
各部材1、4、10は、それぞれ一体に固定されて圧力
発生ユニット15としてまとめ上げられている。
ーバ形成部材で、インク流路を構成するに適した例えば
150μmのステンレス鋼などの耐蝕性を備えた板材
に、リザーバ21を形成する略V字状の通孔21’と、
圧力室2とノズル開口31を結ぶ連通路となる通孔22
を穿設して構成されている。リザーバ21となる通孔2
1’は、インク供給口部材24から各圧力室2、2、2
‥‥の端部に平行に伸びるように構成されている。すな
わち、ノズル開口列を2列備える本実施例においては、
インク供給口部材24を先端として「V」字状に分岐し
て、各枝から圧力室2、2、2‥‥に至る直線状の流路
が構成されている。
方に固定されるインク供給部材で、圧力室2とノズル開
口31を接続する通孔27や、リザーバ21と圧力室2
とを接続する通孔2を穿設するとともに、図示しないイ
ンクタンクと接続するインク供給口形成部材24を表面
に固定して構成されている。
れたノズルプレートで、直径40μmのノズル開口を穿
設するのに適した厚さ60μmのステンレス鋼板からな
り、圧力室2に対向する位置にノズル開口31,31‥
‥が設けられている。これら部材20,26,30は、
それぞれ接着剤や溶着等により一体に積層されて流路ユ
ニット35としてまとめ上げられている。そしてこれら
部材20,26,30は金属により構成されているた
め、内部にリザーバ形成用の大きな通孔21’を有する
としても、十分な接着強度を得るための圧力を加えても
食い込みや、変形を生じることがなく、高い精度寸法精
度を維持して層状にまとめあげることができる。
ユニット35は、その対向する面、つまり蓋部材10と
インク供給部材26との接触面に接着剤を塗布して一体
に固定されて記録ヘッドに構成される。これにより、圧
力室2は、蓋部材10の通孔12とインク供給部材26
の通孔28を介してリザーバ21に、及び蓋部材10の
通孔11とインク供給部材26の通孔27とリザーバ形
成部材20の通孔22を介してノズル開口31に接続さ
れることになる。
ンクジェット記録ヘッドの表側、及び裏側の構造を示す
ものであって、表側にはノズル開口31,31,31‥
‥が2列一定の間隔を隔てて配列されており、また、裏
面側には流路ユニット35に一体に圧力発生ユニット1
5が固定されていて、各圧電振動子7,7,7‥‥に電
気信号を伝達するケーブル37が接続されている。
に駆動信号を印加すると、圧電振動子7が図9示したよ
うに長手方向を軸とするように幅方向に湾曲し、振動板
4を圧力室側に変形させる。これにより圧力室2の容積
が縮小してここに存在するインクに圧力が印加されるこ
とになる。圧力室2のインクは、蓋部材10の通孔11
からインク供給部材26の通孔27、流路ユニット35
のリザーバ形成部材20の通孔22を通ってノズルプレ
ート30のノズル開口31に移動し、ここからインク滴
となって飛び出す。
接続する流路は、蓋部材10、インク供給部材26、及
びリザーバ形成部材20に穿設した通孔11、27、2
2により構成されいて、ノズル開口側の口径が段階的に
小さくなっているため、圧力室の気泡が流路に侵入し難
くなっている。なお、圧力室2のインクは通孔12、2
8を通ってリザーバ21にも流れ込むが、通孔28の口
径が小さいため、インク滴の飛翔に影響を与える程度に
までは圧力の損失はない。
が元の形状に復帰すると、圧力室2の容積が膨張して圧
力室2に陰圧が生じる。この結果、通孔28,12を通
ってリザーバ21から圧力室2に、消費分に相当するイ
ンクが補給される。また圧力室2に発生した陰圧は、ノ
ズル開口31にも作用するが、ノズル開口31,31,
31‥‥に生じているメニスカスによりインクが圧力室
側に後退するのが阻止されてリザーバ21からのインク
吸引に有効に作用する。
ット15は、30μm程度の高分子材料製の接着剤の薄
い層を介して接続されているため、温度変化による両ユ
ニットの熱膨張差が生じたとしても、熱膨張差は接着層
により緩衝されてノズルプレートに歪みを生じさせるこ
とがなく、印刷品質の低下が接着層により防止される。
0に基づいて説明する。焼成したとき圧力室2を形成す
るのに適した厚みを備えたセラミックス材料、この実施
例ではジルコニアの粘土状薄板、いわゆるグリーンシー
ト40に、圧力室を形成すべき位置をプレスにより打ち
抜いて通孔41,41‥‥を穿設した第1のシートを用
意する。同様に蓋部材10を形成するのに適した厚みの
ジルコニアのグリーンシートにリザーバ21とノズル開
口31との連通孔となる通孔43,44をプレスにより
穿設した第2のシート42を用意する。
ト42と、振動板4に適した厚みのジルコニアのグリー
ンシートからなる第3のシート45とをサンドイッチ状
に積層して、均一な圧力を加えて3枚を粘着させた状態
で乾燥させる。この乾燥工程により3枚のシート40,
42,45が仮接着されて半固化状態となる。ついで温
度、例えば1000°Cで、反りを防止できる程度の圧
力を加えながら焼成する。これにより、各シートがセラ
ミックスに変化し、同時に各シートの境界面では焼結作
用により3枚のシートが元から1枚のシートで構成され
ていたかのように一体となる(図10 I)。
1のシート40には圧力室となる通孔41が穿設されて
いるとしても、この通孔41の横幅が極めて小さいた
め、仮接着時に振動板や蓋部材となる第3、第2のシー
ト45、42に無用な変形を起こさせることなく、この
通孔41の部分に適当に圧力が集中して振動板、及び蓋
部材となるシート45、42を第1のシート40に焼結
させる際に寄与し、圧力室の容積を設計基準通りに仕上
げるのに役立つ。
れぞれ圧力室形成部材50、蓋部材51、振動板52と
して機能するようになる。この状態で振動板52の表面
に圧力室53の位置と、共通電極引出端子の位置に導電
ペーストを厚膜印刷法により形成して乾燥させる。つい
で圧力室53の形状に合わせて通孔を形成したマスクを
用いて粘土状の圧電材料を厚膜印刷する。振動子構成材
料の焼成に適した状態に乾燥した時点で、圧電振動子及
び電極を焼成するのに適した温度、例えば1000乃至
1200°C程度で全体を加熱する。これにより各圧力
室53に圧電振動子54を形成することができる(図1
0 II)。そして圧電振動子54を形成した段階で、
共通電極引出端子、及び圧電振動子54を覆うように導
電材料の層をスパッタリング等の膜形成手法により形成
すると、振動板、圧力室形成部材、及び蓋部材を同一材
料であたかもブロックとして構成したような圧力発生ユ
ニットが完成する。
孔27や流路制限孔28に対応する通孔61,62をプ
レスにより穿設したインク供給部材60と、リザーバ2
1や連通孔22となる通孔64,65をプレスにより穿
設したリザーバ形成部材66と、ノズル開口31となる
通孔68をプレスにより穿設したノズルプレート69を
用意し、図11に示したように部材60,66,69間
に,各部材の通孔61,62,64,65,68を塞が
ない程度の接着代を見込んだ通孔70,70,‥‥、7
1、72,72,72‥‥、73を穿設した接着フィル
ム75,76を介装して熱圧着して流路ユニットを構成
する(図10 III)。
トと流路ユニットとの接合面に図12(イ)したように
一方のユニット、例えば流路ユニットのインク供給部材
60の表面に、接着剤を塗布したり、熱溶着フィルムに
より接着剤層80を形成して(図10 IV)、これに
圧力発生ユニットの蓋部材51を、その通孔56,57
が同心円状に位置するように位置合わせして接合すると
(図10 V)、流路ユニットと圧力発生ユニットとの
間に異種材料間の熱膨張差を吸収する緩衝材となる接着
層81を介した記録ヘッドが完成する。なお、接着剤層
80は、2つの被接合部材から圧力を受けると横に広が
るため、通孔外周に接着剤を塗布しない領域82を設け
て、蓋部材51とインク供給部材60の通孔に流れ込む
のを防止されている。
比較して密度の小さなセラミックスにより構成している
から、減衰度が大きく隣接する圧電振動子から伝搬して
くる振動を可及的に減衰させることができ、クロストー
クを防止することができる。また、振動により常に変形
を受ける部材が中間に異材を介することなく一体に構成
できるため、接合不良に起因するインク漏れを確実に防
止することができる。さらには圧力発生ユニットの基体
と、振動発生ユニットを構成するセラミックスをそれぞ
れに適した温度で焼成することができるため、信頼性の
向上を図ることができる。
電素子や電極など精密な作業を必要とする圧力ユニット
とは別部材として薄型化、小型化した流路ユニットを供
給できるため作業能率が向上でき、また圧力ユニットを
接合するという簡単な作業で記録ヘッドを構成すること
ができる。
ト記録ヘッドの一実施例を示す断面図である。
ト記録ヘッドの一実施例を示す分解斜視図である。
である。
5の線A−Aの断面で示す図である。
ト記録ヘッドの概観を示す斜視図である。
ト記録ヘッドの裏面構造を示す斜視図である。
発生時の状態を長手方向の断面と、幅方向(線B−B)
の断面とで示す断面図である。
路ユニットの製造方法、及び圧力発生ユニットを固着す
る工程を示す図である。
す図である。
圧力発生ユニットとを接着する接着層を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 圧力室のインクを加圧手段により加圧す
る圧力発生ユニットと組み合わされて積層型インクジェ
ット記録ヘッドを構成する流路ユニットにおいて、リザーバを形成する凹部を備えたリザーバ形成部材と、
前記リザーバ形成部材の一方の面を封止する板材からな
るインク供給部材と、 ノズル開口を備え、前記リザーバ形成部材の他方の面を
封止するノズルプレートと、 を接着層を介して一体に固定し、 前記インク供給部材には前記リザーバと外部のインクタ
ンクとを接続する通孔、及び前記圧力室と前記リザーバ
とを接続する通孔が設けられ、また前記インク供給部材
と前記リザーバ形成部材とには、前記ノズル開口を前記
圧力室に連通させる連通孔がそれぞれ形成されている 積
層型インクジェット記録ヘッドの流路ユニット。 - 【請求項2】 前記接着層が、通孔を穿設した熱圧着性
の接着フィルムにより構成されている請求項1に記載の
積層型インクジェット記録ヘッドの流路ユニット。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (7)
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JP27314992 | 1992-10-12 | ||
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JP2002083529A JP3386119B2 (ja) | 1992-08-26 | 2002-03-25 | 積層型インクジェット記録ヘッドの流路ユニット |
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Publications (2)
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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- 2002-03-25 JP JP2002083529A patent/JP3386119B2/ja not_active Expired - Lifetime
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