JPH10109411A - インクジェットプリンタヘッドと圧電基板の製造方法 - Google Patents

インクジェットプリンタヘッドと圧電基板の製造方法

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JPH10109411A
JPH10109411A JP26455096A JP26455096A JPH10109411A JP H10109411 A JPH10109411 A JP H10109411A JP 26455096 A JP26455096 A JP 26455096A JP 26455096 A JP26455096 A JP 26455096A JP H10109411 A JPH10109411 A JP H10109411A
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piezoelectric
piezoelectric substrate
green sheets
ink flow
flow channel
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JP26455096A
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Masao Kondo
正雄 近藤
Katsuharu Hida
勝春 肥田
Kazuaki Kurihara
和明 栗原
Mineharu Tsukada
峰春 塚田
Koji Omote
孝司 表
Teru Nakanishi
輝 中西
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットプリンタヘッドと圧電基板の
製造方法に関し、インクジェットプリンタヘッドを小形
化する。 【解決手段】 一対の圧電基板22と23を接合し、圧電基
板23にインク流路溝12と圧電駆動電極16を形成し、圧電
基板23にインク流路溝12に圧電駆動電極16を形成し、駆
動電極16がインク流路溝12の上下を挟み、さらにインク
流路溝12の左右を駆動電極で挟む。グリーンシートを重
ねて焼成した圧電基板は、大判のグリーンシートを重ね
て焼成したのち、グリーンシートに設けたスルーホール
の内壁に導体層を形成し、しかるのち複数のスルーホー
ルの整列線に沿って分割することで、スルーホール内壁
の導体層が外部接続端子となるようにした構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットプリ
ンタに使用するインクジェットヘッドに関する。最近の
インクジェットプリンタは、高精細印刷を可能にするた
め、インク流路が独立して可動する小形軽量構成のもの
が求められるようになった。本発明は、かかるインク流
路内圧力を圧電素子で可変にするインクジェットヘッド
を改善したものである。
【0002】
【従来の技術】図9はインクジェットプリンタの概略を
示す斜視図であり、インクジェットプリンタ1は、記録
媒体3を送出させるプラテンローラ2、プラテンローラ
2に平行する2本のステーシャフト4aと4b、ステー
シャフト4aと4bに案内されてプラテンローラ2の長
さ方向に往復動するキャリッジ5、キャリッジ5に搭載
されたインクジェットヘッドユニット6を備え、インク
ジェットヘッドユニット6から記録媒体3に飛翔させる
インクを補給するため、インクジェットヘッドユニット
6とインク溜まり7とは、可撓性チューブ8によって接
続されている。
【0003】かかるインクジェットプリンタ1におい
て、インクジェットヘッドユニット6からインクを飛翔
させる手段としては、ノズル内に埋め込んだ発熱体に通
電し、インク中にバブルを発生させたときの体積変化を
利用するバブルジェット方式と、圧電体素子に通電して
発生する圧力波を利用するインパクト方式が注目されて
いる。
【0004】インパクト方式の圧電インクジェットヘッ
ドとしては、(1)圧電駆動電極を内蔵する圧電体の表
面にインク流路溝を形成し、その溝をガラスにてなる上
蓋で塞いだもの、(2)圧電駆動電極を内蔵する圧電体
の表面に、インク流路溝を形成した上蓋を被せたもの
(流路板方式)、(3)上下に貫通する溝を形成した流
路板の上面と下面に、圧電駆動電極を内蔵する圧電体を
貼着したものが、一般に知られている。
【0005】図10は流路板方式の圧電インクジェット
ヘッドの分解模式図、図11は図10に示す圧電インク
ジェットヘッドの断面図、図12は圧電インクジェット
ヘッドにおける干渉の説明図、図13はインク流路間の
干渉防止型圧電インクジェットヘッドの説明図である。
【0006】図10において、インクジェットヘッドユ
ニット6に組み込まれるインクジェットヘッド9は、圧
電基板10と複数(図は4本)のインク流路溝12を形
成したインク流路板11を接合し、その前面には複数の
インク流路溝12に連通する複数(図は4個)のノズル
13が形成されたノズル板14が接合され、インク流路
溝12は図示しないインク供給路によってインク供給口
15に連通し、インク供給口15に可撓性チューブ8
(図9参照)の一端が接続されるようになる。
【0007】図11において、圧電基板10には、イン
ク流路板11のインク流路溝12に対応し、圧電駆動電
極16が形成されている。2層以上(図は3層)の電極
にてなる圧電駆動電極16は、電極間に所定の電圧を印
加するとその間の圧電層が図の上方向に伸びてインク流
路溝12を圧縮し、インク流路溝12内インクの一部が
ノズル13から記録媒体3(図9参照)に向けて飛翔す
るようになる。
【0008】複数の圧電駆動電極16とその電極16に
対応する複数のインク流路溝12が形成された前記
(1)方式のインクジェットヘッド9において、精細化
印刷用では、圧電駆動電極16およびインク流路溝12
を近接させる必要が生じる。
【0009】そこで、所定の駆動電極16、例えば図1
2のインクジェットヘッド9において、左から2番目の
駆動電極16に駆動電圧を印加すると、圧電基板10は
図12に破線17で示すように、駆動電圧が印加された
部分が上方に伸び、所定のインク流路溝12-1の容積が
狭められると共に、隣接するインク流路溝12-2の容積
も僅かながら圧縮されるようになる。
【0010】隣接インク流路溝12-2の圧縮を一般に干
渉と呼んでおり、その干渉によるクロストークをなくす
方法として、図13に示す如く、隣接するインク流路溝
12の間にスリット18を、圧電基板10に設けたもの
が知られている。幅が10〜80μmのスリット18
は、一般にダイシングソーで機械的に切削している。
【0011】一般に圧電基板10とインク流路板11の
接合は、圧電基板10の表面に、ドライフィルムと呼
ばれる光硬化型接着剤のフィルムをラミネートするまた
は、液状の光硬化型接着剤を塗布して接着剤の膜を形成
し、そのドライフィルムまたは接着剤の膜に所定強
度、例えば100mj/cm2 程度の紫外線を照射し硬
化させて接着層とし、その接着層にインク流路板11
を重ね、500KPa程度の圧力,150℃,1時間程
度で熱圧着させている。
【0012】なお、バブルジェット方式より高精細化が
可能なインパクト方式の圧電インクジェットヘッドにお
いて、インク流路板にインク流路溝を形成した前記方式
の他に、圧電駆動電極を形成した圧電基板にインク流路
溝を形成したもの、上下に貫通する溝を形成したインク
流路板の両面に、圧電駆動電極を形成した圧電基板を接
合したものもある。
【0013】図14は従来の圧電基板に使用するグリー
ンシートの説明図、図15は駆動電極を内蔵する従来の
圧電基板の説明図である。図14において、従来の圧電
基板10の製造には、圧電粉末よりなるグリーンシート
10-1と、グリーンシート10-1の表面に複数(図は4
本)の駆動電極パターン16-1を形成したグリーンシー
ト10-2と、グリーンシート10-1の表面に駆動電極パ
ターン16-2を形成したグリーンシート10-3を使用す
る。
【0014】グリーンシート10-1は、圧電粉末を含む
スラリーからドクターブレード法によって作成し、グリ
ーンシート10-2の複数の駆動電極パターン16-1は、
中間部から一方の端部(前端部)までがインク流路板の
インク流路溝に対応するピッチで形成されるのに対し、
中間部から他方の端部(後端部)までは、適当な間隔で
離れるように形成されている。
【0015】グリーンシート10-3の駆動電極パターン
16-2は、中間部から一方の端部(前端部)までが複数
の駆動電極パターン16-1に対応する幅広に形成され、
中間部から他方の端部(後端部)までは、駆動電極パタ
ーン16-1の他端部から適当な間隔で離れるように形成
されている。
【0016】図15(a)において、圧電基板10は、
複数枚(図は8枚)のグリーンシート10-1を重ね、そ
の上にグリーンシート10-3と10-2を交互に複数枚
(図は4枚)ずつ重ね、その上に複数枚(図は2枚)の
グリーンシート10-1を重ねたものを焼成してなる。
【0017】従って、圧電基板10の前端面で駆動電極
パターン16-1の端部は、図15(a)に示す如く、イ
ンク流路板のインク流路溝に対応する狭ピッチで整列す
るのに対し、圧電基板10の後端面では図15(b)に
示す如く、駆動電極パターン16-1および16-2の端部
は、同一順位例えば図13のグリーンシート10-2にお
いて右側から同じ順番の駆動電極パターン16-1の後端
部は上下方向に揃い、順番の異なる駆動電極パターン1
-1の後端部はそれぞれ左右方向に離れて露呈する。
【0018】そこで、図15(c)に示す如く、圧電基
板10の後端面において上下方向に揃う駆動電極パター
ン16-1および16-2の露呈端を、導電端子19-1〜1
-5で接続し、圧電基板10が完成する。
【0019】かかる圧電基板10は、複数個の圧電基板
10を取得可能な大形基板を焼成後に切断し、しかるの
ち、一般に印刷手段を利用して導電端子19-1〜19-5
を形成することになる。
【0020】即ち、従来の圧電基板10では導電端子1
-1〜19-5形成のため、駆動電極パターン16-1およ
び16-2は、圧電基板10の後端面で離す必要があっ
た。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
複数の圧電駆動電極を同一圧電素子基板に形成したと
き、インク流路および圧電駆動電極を接近させるとクロ
ストークが生じ、そのクロストークの抑制が流路板方式
の実用化のための大きな障害となっていた。
【0022】そして、クロストークをなくす従来方法
は、隣接する圧電駆動電極の間にスリットを形成する構
成であり、機械加工によるスリットはその形成に長時間
かかり、かつ、スリット形成位置を決める位置決めが煩
わしいため、量産に向かないという問題点があった。
【0023】さらに、従来の圧電基板は圧電駆動電極を
駆動回路に接続する電極端を離す必要から大形化し、圧
電基板にガラス等にてなるインク流路板または蓋板を接
合する従来構成は、部品点数が多くなってコスト高とな
り、小形化し難いという問題点もあった。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、クロス
トークによる障害なしにインク流路を接近可能とし、イ
ンクジェットプリンタヘッドを低コストで小形化するこ
とである。
【0025】上記目的を達成する本発明の第1のインク
ジェットプリンタヘッドは、インク流路溝が形成された
第1の圧電基板の下面に、第2の圧電基板の上面を接合
し、該第1の圧電基板内には該インク流路溝の底面に対
応する第1の圧電駆動電極が形成され、該第2の圧電基
板内には該インク流路溝に対応する第2の圧電駆動電極
が形成されたインクジェットプリンタヘッドであって、
該第1の圧電基板が、圧電粉末よりなる複数枚の第1の
グリーンシートと、該第1のグリーンシートの所定部に
該第1の圧電駆動電極の電極パターンが形成された複数
枚の第2のグリーンシートと、該第1のグリーンシート
の所定部に該インク流路溝となる切り欠きを形成した複
数枚の第3のグリーンシートを重ねた焼成処理で一体化
させたものであり、該第2の圧電基板が、複数枚の該第
1のグリーンシートと、該第1のグリーンシートの所定
部に該第2の圧電駆動電極の電極パターンが形成された
複数枚の第4のグリーンシートを重ねた焼成処理で一体
化させたものである。
【0026】上記目的を達成する本発明の第2のインク
ジェットプリンタヘッドは、インク流路溝が形成された
第1の圧電基板の下面に、第2の圧電基板の上面を接合
し、該第1の圧電基板内には、該インク流路溝の底面に
対応する第1の圧電駆動電極と、該インク流路溝の側方
に位置する第3の圧電駆動電極が形成され、該第2の圧
電基板内には、該インク流路溝に対応する第2の圧電駆
動電極が形成されたジェットプリンタヘッドであって、
該第1の圧電基板が、圧電粉末よりなる複数枚の第1の
グリーンシートと、該第1のグリーンシートの所定部に
該第1の圧電駆動電極の電極パターンが形成された複数
枚の第2のグリーンシートと、該第1のグリーンシート
の所定部に該インク流路溝となる切り欠きおよび該第3
の圧電駆動電極の電極パターンが形成された複数枚の第
3のグリーンシートを重ねた焼成処理で一体化させたも
のであり、該第2の圧電基板が、複数枚の該第1のグリ
ーンシートと、該第1のグリーンシートの所定部に該第
2の圧電駆動電極の電極パターンが形成された複数枚の
第4のグリーンシートを重ねた焼成処理で一体化させた
ものである。
【0027】上記目的を達成する本発明の第3のインク
ジェットプリンタヘッドは、上面にインク流路溝が形成
された複数の第1の圧電基板を積み重ねて接合し、最上
位の該第1の圧電基板の上面に第2の圧電基板を接合
し、該第1の圧電基板内には、該インク流路溝の底面に
対応する第1の圧電駆動電極と、下位の該第1の圧電基
板のインク流路溝に対応する第2の圧電駆動電極が形成
され、該第2の圧電基板内には、該最上位の第1の圧電
基板のインク流路溝に対応する第2の圧電駆動電極が形
成されたインクジェットプリンタヘッドであって、該第
1の圧電基板が、圧電粉末よりなる複数枚の第1のグリ
ーンシートと、該第1のグリーンシートの所定部に該イ
ンク流路溝となる切り欠きを形成した複数枚の第2のグ
リーンシートと、該第1のグリーンシートの所定部に該
第1の圧電駆動電極の電極パターンが形成された複数枚
の第3のグリーンシートと、該第1のグリーンシートの
所定部に該第2の圧電駆動電極の電極パターンが形成さ
れた複数枚の第4のグリーンシートを重ねた焼成処理で
一体化させたものであり、該第2の圧電基板が、複数枚
の該第1のグリーンシートと複数枚の該第4のグリーン
シートを重ねた焼成処理で一体化させたものである。
【0028】上記目的を達成する本発明の第4のインク
ジェットプリンタヘッドは、上面にインク流路溝が形成
された複数の第1の圧電基板を積み重ねて接合し、最上
位の該第1の圧電基板の上面に第2の圧電基板を接合
し、該第1の圧電基板内には、該インク流路溝の底面に
対応する第1の圧電駆動電極と、下位の該第1の圧電基
板のインク流路溝に対応する第2の圧電駆動電極と、該
インク流路溝の側方に位置する第3の圧電駆動電極とが
形成され、該第2の圧電基板内には、該最上位の第1の
圧電基板のインク流路溝に対応する第2の圧電駆動電極
が形成されたインクジェットプリンタヘッドであって、
該第1の圧電基板が、圧電粉末よりなる複数枚の第1の
グリーンシートと、該第1のグリーンシートの所定部に
該インク流路溝となる切り欠きおよび該第3の圧電駆動
電極の電極パターンが形成された複数枚の第2のグリー
ンシートと、該第1のグリーンシートの所定部に該第1
の圧電駆動電極の電極パターンが形成された複数枚の第
3のグリーンシートと、該第1のグリーンシートの所定
部に該第2の圧電駆動電極の電極パターンが形成された
複数枚の第4のグリーンシートを重ねた焼成処理で一体
化させたものであり、該第2の圧電基板が、複数枚の該
第1のグリーンシートと複数枚の該第4のグリーンシー
トを重ねた焼成処理で一体化させたものである。
【0029】上記目的を達成する本発明の第5のインク
ジェットプリンタヘッドは、前記本発明の第1〜第4の
インクジェットプリンタヘッドにおける圧電基板の接合
に、焼成手段を用いたことである。
【0030】上記目的を達成する本発明の圧電基板の製
造方法は、内部に圧電駆動電極を有する圧電基板の製造
に際し、圧電粉末よりなり所定部に整列する複数の第1
のスルーホールを形成した少なくとも1枚の第1のグリ
ーンシートを、圧電粉末よりなり該第1のスルーホール
のそれぞれに連通する複数の第2のスルーホールと該第
2のスルーホールの形成部から延在し該圧電駆動電極の
電極パターンを形成した複数枚の第2のグリーンシート
に重ね、該複数枚の第2のグリーンシートを圧電粉末よ
りなる複数枚の第3のグリーンシートに重ねた焼成処理
で、一体化された焼成体を形成する工程と、連通する該
第1のスルーホールと第2のスルーホールの内壁に導電
層を形成する工程と、該複数のスルーホールの整列方向
に該焼成体を分割する工程を含むことである。
【0031】前記本発明の第1のインクジェットプリン
タヘッドは、第1の圧電基板と第2の圧電基板に形成し
た第1または第2の圧電駆動電極がインク流路溝を挟む
構成であり、第1の圧電駆動電極と第2の圧電駆動電極
を同期駆動させると、圧電基板に要求される変形量(イ
ンク流路溝圧縮量)は、片側駆動であった従来の圧電基
板の1/2で済む。そのため、インク流路溝を接近させ
てもクロストークを防止できる。
【0032】前記本発明の第2のインクジェットプリン
タヘッドは、第1の圧電駆動電極と第2の圧電駆動電極
と一対の第3の圧電駆動電極が、インク流路溝の四方を
囲むことで、本発明の第1のインクジェットプリンタヘ
ッドにおける前記作用効果に加え、所定のインク流路溝
に対応する第1および第2の駆動電極に同期させて一対
の第3の圧電駆動電極を駆動させたとき、インク流路溝
間における圧電基板の変形を積極的に抑制し、一層のク
ロストーク防止効果が生じる。
【0033】前記本発明の第3のインクジェットプリン
タヘッドは、左右方向および上下方向にインク流路溝を
配設したいインクジェットプリンタヘッドに対応したも
のであり、そのような要望に対し本発明の第1のインク
ジェットプリンタヘッドの多層構成を合理化したもので
ある。
【0034】従って、本発明の第3のインクジェットプ
リンタヘッドにおいて、インク流路溝を接近させて発生
するクロストークの防止効果は、本発明の第1のインク
ジェットプリンタヘッドのそれと同等である。
【0035】前記本発明の第4のインクジェットプリン
タヘッドは、左右方向および上下方向にインク流路溝を
配設したいインクジェットプリンタヘッドに対応したも
のであり、そのような要望に対し本発明の第2のインク
ジェットプリンタヘッドの多層構成を合理化したもので
ある。
【0036】従って、本発明の第4のインクジェットプ
リンタヘッドにおいて、インク流路溝を接近させて発生
するクロストークの防止効果は、本発明の第2のインク
ジェットプリンタヘッドのそれと同等である。
【0037】前記本発明の第5のインクジェットプリン
タヘッドは、圧電基板の接合に焼成法を適用した構成で
あり、本発明の第1〜第4のインクジェットプリンタヘ
ッドにおいて、接着剤を使用した接合により生じるイン
ク流路溝の形状・体積・断面積をなくす効果がある。
【0038】前記本発明の圧電基板の製造方法は、スル
ーホールの内壁に形成した導電層が、圧電駆動電極を駆
動回路に接続する接続端子として使用可能である。従っ
て、従来構成の圧電基板において圧電駆動電極の接続部
が、圧電基板を所要寸法に切断後に形成されるため、イ
ンク流路溝より広ピッチとすることで必要となり、その
ことによる圧電基板の大形化を不要にする。
【0039】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1と第2の実施
例の説明図である。本発明の第1の実施例を簡略化して
示す図1(a)において、インクジェットプリンタヘッ
ド21は、圧電基板22の上面に圧電基板23の下面を
接合してなり、圧電基板22と23は、圧電粉末を混合
した複数枚のグリーンシートを焼成して一体化し、さら
なる焼成処理で圧電基板22と23を接合したものであ
る。
【0040】上面が平坦な圧電基板22内には、圧電基
板23に形成したインク流路溝12に対応する複数の圧
電駆動電極24が形成され、下面に複数(図は3本)の
インク流路溝12が形成された圧電基板23内には、イ
ンク流路溝12の底面(図の上面)に対応する複数の圧
電駆動電極25が形成されている。
【0041】圧電基板22と23は、それぞれ複数枚の
圧電グリーンシートを重ねて焼成することで一体化し、
圧電基板23のインク流路溝12は、グリーンシート焼
成後の機械加工によって形成している。
【0042】かかるインクジェットプリンタヘッド21
は、それぞれが複数の電極パターンで構成された圧電駆
動電極24と25に、所定の同期駆動電圧を印加する
と、圧電基板22と23には図中に破線で示す如く局部
的に変形が発生し、対応するインク流路溝12を圧縮す
る。その結果、圧縮されたインク流路溝12に連通する
ノズルからインクが飛翔するようになる。ただし、従来
の圧電基板10に比べて圧電基板22および23に発生
させる変形量は、少なくて済むため、隣接するインク流
路溝12に対する干渉が著しく低減される。
【0043】次に、圧電基板22と23の具体的製造方
法の実施例について説明する。ただし、圧電駆動電極2
4と25が同一形状の導体パターンで構成されている。
圧電基板22と23の製造用として、圧電基板22およ
び23の寸法より大判で厚さが約50μmの複数枚のグ
リーンシートは、粒径が約1.0mmのPNN系圧電粉
末、例えばPb(Ni1/3 Nb2/3)O3 とPbTiO3
とPbZrO3を、0.5:0.35:0.15の重量
比で混合し、さらにPVB(有機バインダ:ポリビニル
プチラール)とDBP(可塑剤:ジブビニルブチラー
ル)およびエタノール(有機溶媒)を混合してスラリー
とし、そのスラリーからドクターブレード法によって作
成する。
【0044】かかるグリーンシートから所望寸法のグリ
ーンシートを打抜き形成、例えば100mm角のグリー
ンシートを打抜き加工で作成する。100mm角のグリ
ーンシートの一部はそのまま第1のグリーンシートとし
て使用するが、他のものは第2のグリーンシートとして
表面に、Ag−Pペーストを使用したスクリーン印刷法
で150μm幅の複数本の電極配線パターンを形成す
る。前記電極配線パターンは、圧電駆動電極24または
25の一部となる。
【0045】圧電基板22は、それぞれ複数枚の第1の
グリーンシートと第2のグリーンシートを重ねて焼成、
例えば第1のグリーンシートを30枚重ね、その上に第
2のグリーンシートを4枚重ね、さらにその上に第1の
グリーンシート12枚重ね、約50MPaの押圧力を加
え80℃,1時間の熱処理で一体化させる。
【0046】しかるのち、約500℃に加熱した電気炉
に約4時間入れて脱脂処理(PVBを除去)し、さらに
約1100℃に加熱した電気炉に約4時間入れ焼成処理
したのち、所定寸法に切断すると、圧電基板22が完成
する。
【0047】圧電駆動電極25が圧電駆動電極24と同
じ導体パターンの組み合わせである圧電基板23は、そ
れぞれ複数枚の第1のグリーンシートと第2のグリーン
シートを重ねて焼成、例えば第1のグリーンシートを1
4枚重ね、その上に第2のグリーンシートを4枚重ね、
さらにその上に第1のグリーンシートを12枚重ねたの
ち、圧電基板22と同様な一体化処理と脱脂処理および
焼成処理を行なう。
【0048】しかるのち、所定寸法に切断し、ダイシン
グソーにて幅200μmで深さが400μmのインク流
路溝12を形成すると、圧電基板23が完成する。そこ
で、圧電基板22の上面と圧電基板23の下面(インク
流路溝12形成面)を、それぞれ200μm程度研磨し
平坦化させたのち、圧電基板22の上面に圧電基板23
の下面を重ね合わせ、約1100℃で3時間の熱処理を
施す。すると、圧電基板22と23は接合され、インク
ジェットプリンタヘッド21が完成する。
【0049】本発明の第2の実施例を簡略化して示す図
1(b)において、インクジェットプリンタヘッド26
は、圧電基板22の上面に圧電基板27の下面を接合し
てなり、圧電基板22と27は、圧電粉末を混合した複
数枚のグリーンシートを焼成して一体化し、さらなる焼
成処理で圧電基板22と27を接合したものである。
【0050】上面が平坦な圧電基板22内には、圧電基
板27に形成したインク流路溝12に対応する複数の圧
電駆動電極24が形成され、下面に複数(図は3本)の
インク流路溝12が形成された圧電基板27内には、イ
ンク流路溝12の底面(図の上面)に対応し、圧電駆動
電極24と同一形状の導体パターンにてなる複数の圧電
駆動電極25と、インク流路溝12の側方に対応する複
数の圧電駆動電極28が形成されている。
【0051】圧電基板22と27は、それぞれ複数枚の
圧電グリーンシートを重ねて焼成することで一体化し、
圧電基板27のインク流路溝12は、グリーンシート焼
成後の機械加工によって形成している。
【0052】かかるインクジェットプリンタヘッド26
は、所定のインク流路溝12を囲む圧電駆動電極、即ち
所定のインク流路溝12の上下に位置する圧電駆動電極
24と25およびその側方に位置する一対の圧電駆動電
極28に、所定の同期駆動電圧を印加すると、図中に破
線で示す如く、圧電基板22と27は局部的に変形が発
生し、対応するインク流路溝12を圧縮する。その結
果、圧縮されたインク流路溝12に連通するノズルから
インクが飛翔するようになる。
【0053】ただし、一対の圧電駆動電極28は、圧電
駆動電極24による圧電基板22の変形を抑制する方向
の電圧を印加する。その結果、従来の圧電基板10に比
べて圧電基板22および27に発生させる変形量は少な
くで済み、かつ、圧電駆動電極28が隣接するインク流
路溝12への干渉を抑えるため、従来技術で問題となっ
た干渉が確実に解消する。
【0054】なお、インクジェットプリンタヘッド26
において、圧電基板22は、インクジェットプリンタヘ
ッド21のそれと同一方法で製造されるため説明を省略
し、圧電基板27の具体的製造方法についてその実施例
を説明する。
【0055】圧電基板27の製造用として、圧電基板2
7の寸法より大判で厚さが約50μmの複数枚のグリー
ンシートは、粒径が約1.0mmのPNN系圧電粉末、
例えばPb(Ni1/3 Nb2/3)O3 とPbTiO3 とP
bZrO3 を、0.5:0.35:0.15の重量比で
混合し、さらにPVB(有機バインダ)とDBP(可塑
剤)およびエタノール(有機溶媒)を混合してスラリー
とし、そのスラリーからドクターブレード法によって作
成する。
【0056】かかるグリーンシートから所望寸法のグリ
ーンシートを打抜き形成、例えば100mm角のグリー
ンシートを打抜き加工で作成する。100mm角のグリ
ーンシートの一部はそのまま第1のグリーンシートとし
て使用するが、他の一部は第2のグリーンシートとして
表面に、Ag−Pペーストを使用したスクリーン印刷法
で150μm幅の複数本の電極配線パターンを形成し、
さらに他の一部は第3のグリーンシートとして表面に、
Ag−Pペーストを使用したスクリーン印刷法で40μ
m幅の複数本の電極配線パターンを形成する。前記第2
のグリーンシートの電極配線パターンは、圧電駆動電極
25の一部となり、前記第3のグリーンシートの電極配
線パターンは、圧電駆動電極28の一部となる。
【0057】圧電基板27は、それぞれ複数枚の第1の
グリーンシートと第2のグリーンシートと第3のグリー
ンシートを重ねて焼成、例えば第1のグリーンシートを
12枚重ね、その上に第3のグリーンシートを4枚重
ね、その上に第2のグリーンシートを4枚重ね、さらに
第1のグリーンシートを12枚重ね、約50MPaの押
圧力を加え80℃,1時間の熱処理で一体化させる。
【0058】しかるのち、約500℃に加熱した電気炉
に約4時間入れて脱脂処理(PVBを除去)し、さらに
約1100℃に加熱した電気炉に約4時間入れ焼成処理
し、所定寸法に切断したのち、ダイシングソーにて幅2
00μmで深さが400μmのインク流路溝12を形成
すると、圧電基板23が完成する。
【0059】そこで、圧電基板22の上面と圧電基板2
7の下面(インク流路溝12形成面)を、それぞれ20
0μm程度研磨し平坦化させたのち、圧電基板22の上
面に圧電基板27の下面を重ね合わせ、約1100℃で
3時間の熱処理を施す。すると、圧電基板22と27は
接合され、インクジェットプリンタヘッド26が完成す
る。
【0060】図2は本発明の第3と第4の実施例の説明
図である。本発明の第3の実施例を簡略化して示す図2
(a)において、インクジェットプリンタヘッド31
は、圧電基板22の上面に接着剤32を介して、圧電基
板23の下面を接合してなり、圧電基板22と23は、
圧電粉末を混合した複数枚のグリーンシートを焼成して
一体化してなる。
【0061】前に説明したインクジェットプリンタヘッ
ド21とインクジェットプリンタヘッド31は、圧電基
板22と23を使用することで共通するが、その接合手
段が異なる。即ち、インクジェットプリンタヘッド21
は、圧電基板22と23を焼成接合させたのに対し、イ
ンクジェットプリンタヘッド31では接着剤32を使用
する。
【0062】接着剤32には、従来のインクジェットプ
リンタヘッドにおける圧電基板10とインク流路板11
の接合に使用する接着剤、即ちドライフィルムレジスト
と呼ばれるフィルム状の接着剤,液状レジスト,感光性
ポリイミド等が使用できる。
【0063】圧電基板22と23の製造方法は、インク
ジェットプリンタヘッド21のそれらと同じである。そ
こで、接着剤32にドライフィルムレジストを使用した
圧電基板22と23の接合方法の実施例を説明する。
【0064】露光しないと硬度が得られない接着剤(ド
ライフィルムレジスト)32は、圧電基板22の上面に
搭載したのち、露光例えば100mj/cm2 の紫外線
を照射したのち、接着剤32の上に圧電基板23を搭載
し、適当な押圧力で圧電基板23を接着剤32に押し付
けた状態で、150℃で1時間程度の熱圧着を施す。た
だし、圧電基板23はインク流路溝12の形成下面が接
着剤32に接する。
【0065】かかるインクジェットプリンタヘッド31
は、前出のインクジェットプリンタヘッド21と同様に
使用し、従来技術で問題となった干渉を著しく低減可能
にする。
【0066】本発明の第3の実施例を簡略化して示す図
2(b)において、インクジェットプリンタヘッド36
は、圧電基板22の上面に接着剤32を介して、圧電基
板23の下面を接合してなり、圧電基板22と23は、
圧電粉末を混合した複数枚のグリーンシートを焼成して
一体化してなる。
【0067】前に説明したインクジェットプリンタヘッ
ド26とインクジェットプリンタヘッド36は、圧電基
板22と27を使用することで共通するが、その接合手
段が異なる。即ち、インクジェットプリンタヘッド26
は、圧電基板22と27を焼成接合させたのに対し、イ
ンクジェットプリンタヘッド36では接着剤32を使用
する。
【0068】インクジェットプリンタヘッド31と同じ
く接着剤32には、例えばドライフィルムレジストを使
用し、その接合方法はインクジェットプリンタヘッド3
1と同一方法とする。
【0069】かかるインクジェットプリンタヘッド36
は、前出のインクジェットプリンタヘッド26と同様に
使用し、従来技術で問題となった干渉をなくすことが可
能になる。
【0070】図3は本発明の第5の実施例の説明図であ
り、インクジェットプリンタヘッド41は、一対の圧電
基板42-1と42-2および圧電基板43を重ねた状態
で、接着剤32-1と32-2を使用し接合してなる。ただ
し、圧電基板42-1と42-2および43は、圧電粉末を
混合した複数枚のグリーンシートを焼成して一体化して
なる。
【0071】上面に複数(図は4本)のインク流路溝1
2が形成された圧電基板42-1と42-2は、それらの基
板内に、インク流路溝12のそれぞれの底面に対応する
複数の圧電駆動電極44と、下位基板のインク流路溝1
2に対応する複数の圧電駆動電極45が形成され、圧電
基板42-1より上位の圧電基板42-2のインク流路溝1
2を塞ぐ圧電基板43内には、そのインク流路溝12の
それぞれに対応する複数の駆動電極46が形成されてい
る。
【0072】かかるインクジェットプリンタヘッド41
において、圧電基板42-1と42-2および43の製造方
法、特に圧電駆動電極44と45と46およびインク流
路溝12の形成方法は、インクジェットプリンタヘッド
21の圧電基板22および23のそれらと同一であり、
接着剤32-1にて圧電基板42-1と42-2を接合する方
法と、接着剤32-2にて圧電基板42-2と43を接合す
る方法は、インクジェットプリンタヘッド31におい
て、圧電基板22と23を接合する方法と同一である。
【0073】ただし、インクジェットプリンタヘッド4
1における基板間接合に使用する接着剤32-1と32-2
の露光処理前の貼着は、一対の接合面のうちインク流路
溝12が形成されない面、即ち接着剤32-1は圧電基板
42-2の下面に貼着して露光処理(硬化処理)し、接着
剤32-2は圧電基板43の下面に貼着して露光処理(硬
化処理)する。
【0074】かかるインクジェットプリンタヘッド41
は、二色印刷を可能にする構成であり、前出のインクジ
ェットプリンタヘッド21と同様に駆動せしめ、従来技
術で問題となった干渉を著しく低減可能にする。
【0075】図4は本発明の第6の実施例の説明図であ
り、インクジェットプリンタヘッド48は、一対の圧電
基板49-1と49-2および圧電基板43を重ねた状態
で、接着剤32-1と32-2を使用し接合してなる。ただ
し、圧電基板49-1と49-2は、圧電粉末を混合した複
数枚のグリーンシートを焼成して一体化してなる。
【0076】上面に複数(図は4本)のインク流路溝1
2が形成された圧電基板49-1と49-2は、それらの基
板内に、インク流路溝12のそれぞれの底面に対応する
複数(図は4組)の圧電駆動電極44と、下位基板のイ
ンク流路溝12に対応する複数(図は4組)の圧電駆動
電極45と、インク流路溝12の両側に位置する複数
(図は6組)の駆動電極50が形成されている。
【0077】かかるインクジェットプリンタヘッド48
において、圧電基板49-1と49-2および43の製造方
法、特に駆動電極44と45と46と50およびインク
流路溝12の形成方法は、インクジェットプリンタヘッ
ド26の圧電基板22および27のそれらと同一であ
り、接着剤32-1および32-2にて圧電基板間を接合さ
せる方法は、インクジェットプリンタヘッド41におい
て、圧電基板42-1と42-2および42-2と43を接合
する方法と同一である。
【0078】かかるインクジェットプリンタヘッド48
は、インクジェットプリンタヘッド41と同じく二色印
刷を可能にする構成であり、前出のインクジェットプリ
ンタヘッド36と同様に駆動せしめ、従来技術で問題と
なった干渉をなくすことが可能になる。
【0079】図5は本発明の第7の実施例の説明図であ
り、インクジェットプリンタヘッド51は、4枚の圧電
基板49-1と49-2と49-3と49-4および圧電基板4
3を重ねた状態で、接着剤32-1と32-2と32-3と3
-4を使用し接合してなる。ただし、4枚の圧電基板4
-1〜49-4は、圧電粉末を混合した複数枚のグリーン
シートを焼成して一体化してなる。
【0080】かかるインクジェットプリンタヘッド51
において、圧電基板43と49-1〜49-4の製造方法お
よびそれらの接合方法は、前出の実施例と同一のため省
略するが、4枚の圧電基板49-1〜49-4を重ねたの
は、黒の単色印刷とフルカラー印刷を可能にするためで
あり、例えは最上位のインク流通路12に黒色インクを
供給するとき、2段目以下の3段のインク流路溝12に
は、赤色インク,青色インク,黄色インクの中から一色
を段別に特定し供給することになる。
【0081】かかるインクジェットプリンタヘッド51
は、前出のインクジェットプリンタヘッド21と同様に
駆動せしめ、従来技術で問題となった干渉を著しく低減
可能にし、かつ、黒の単色印刷とフルカラー印刷を可能
にする。
【0082】図6は本発明の第8の実施例に使用するグ
リーンシートの説明図、図7と図8は本発明の第8の実
施例の説明図である。図6において、発明の第8の実施
例によるインクジェットプリンタヘッドには、所定部
(図は所定の4箇所)に複数個(図は5個)のスルーホ
ール62が整列する圧電グリーンシート61-1と、所定
部に複数個のスルーホール62が整列し、かつ、複数
(図は4本)の圧電駆動電極構成用短冊形導体パターン
63-1が形成された圧電グリーンシート61-2と、所定
部に複数個のスルーホール62が整列し、かつ、圧電駆
動電極構成用角形導体パターン63-2が形成された圧電
グリーンシート61-3と、単なる圧電グリーンシート6
-4を使用する。
【0083】グリーンシート61-1〜61-3におけるス
ルーホール62の所定部は、グリーンシート61-1〜6
-3を重ねたとき連通する位置であり、導体パターン6
-1はグリーンシート61-2の同一所定部に形成された
スルーホール62の中の複数個(図は整列する5個の中
で左端から4個)のスルーホール62から手前に延在
し、導体パターン63-2は4本の導体パターン63-1
対応し、かつ、所定(図は整列する5個の中の右端)の
スルーホール62に連通する。
【0084】グリーンシート61-1〜61-4は、粒径が
約1.0mmのPNN系圧電粉末、例えばPb(Ni
1/3 Nb2/3)O3 とPbTiO3 とPbZrO3 を、
0.5:0.35:0.15の重量比で混合し、さらに
PVB(有機バインダ)とDBP(可塑剤)およびエタ
ノール(有機溶媒)を混合してスラリーとし、そのスラ
リーからドクターブレード法によってシート状とし、所
望寸法に切断して所望枚数のグリーンシート61-4を作
成する。
【0085】グリーンシート61-1は、グリーンシート
61-4にスルーホール62を形成してなり、グリーンシ
ート61-2は、グリーンシート61-4にスルーホール6
2と導体パターン63-1を形成してなり、グリーンシー
ト61-3は、グリーンシート61-4にスルーホール62
と導体パターン63-2を形成してなる。
【0086】導体パターン63-1と63-2は、Ag−P
dペーストを印刷しそれを乾燥させたものである。そし
て、同一グリーンシート61-2の複数の導体パターン6
-1は、圧電基板として完成したとき個々が別のインク
流路溝に対応し、圧電基板の駆動時には電源装置のプラ
ス電圧端子が印加されるようになるのに対し、導体パタ
ーン63-2は複数のインク流路溝に対応し、圧電基板の
駆動時には電源装置のアース端子またはマイナス端子に
接続されるようになる。
【0087】図7において、グリーンシート積層体66
は、複数枚(図は7枚)のグリーンシート61-4を重ね
た上に、グリーンシート61-3と61-2を交互に複数枚
(図は4枚)ずつ重ね、その上に少なくとも1枚のグリ
ーンシート61-1を重ねる。
【0088】次いで、約10MPaの押圧力を加え60
℃で5分間の処理で、重ねられたグリーンシート61-1
〜61-4を一体化させてから、約1000℃で10時間
の焼成処理を施したのち、無電解めっきでスルーホール
62の内壁にNiの導電層67を形成してなる。
【0089】なお、導電層67を形成させるとき焼成済
みグリーンシート積層体66の上面にもNi層が被着す
るようになるが、そのNi層は研磨処理で除去したの
ち、図中の矢印付きの線に沿ってダイシングソーで切
断、即ちスルーホール62の整列線に沿う切断と、左右
の不要部を除去する切断と、左右に中央部で二分割する
切断処理を行なう。
【0090】その結果、焼成したグリーンシート積層体
66からは、図8に示す圧電基板71が4個取得でき
る。図8において、(a)は前面から見た斜視図、
(b)は後面から見た斜視図であり、前出の圧電基板2
2に相当する圧電基板71の前面には、インク流路溝に
対応する駆動電極群(図は4組の圧電駆動電極)72の
端面が露呈し、後面には、駆動電極に電圧を付与する接
続端子73-1と73-2と73-3と73-4および73-5
露呈する。
【0091】接続端子73-1〜73-5は導電層67の一
部、即ちグリーンシート積層体66の前記切断で二分割
された導電層67の片側である。そして、図6に示す導
体パターン63-1の後端部が接続する接続端子73-1
73-4は、図示しない電源装置の圧電基板駆動用プラス
端子に接続し、図6に示す導体パターン63-2の後端部
が接続する接続端子73-5は、図示しない電源装置のア
ース端子または圧電基板駆動用マイナス端子に接続し、
圧電基板71が駆動される。
【0092】かかる圧電基板71は、電源装置に対する
接続端子73-1〜73-5が、インク流路溝と同じピッチ
で形成されているため、図15に示す従来の圧電基板1
0より小形化できる。
【0093】なお、本発明の第5,第6,第7の実施例
において圧電基板間の接合に、接着剤を使用している。
しかし、本発明の第1および第2の実施例において説明
した如く、圧電基板間は接着剤を使用しない焼成接合が
可能である。従って、本発明の第5,第6,第7の実施
例構成から接着剤をなくすことができる。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるイン
クジェットプリンタヘッドは、駆動時の干渉を低減また
はなくすことで、クロストークを低減し、インク流路溝
のピッチを狭めることが可能となり、さらにスルーホー
ル内の導電層を外部接続端子とすることで、インクジェ
ットプリンタヘッドを小形化させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1と第2の実施例の説明図
【図2】 本発明の第3と第4の実施例の説明図
【図3】 本発明の第5の実施例の説明図
【図4】 本発明の第6の実施例の説明図
【図5】 本発明の第7の実施例の説明図
【図6】 本発明の第8の実施例に使用するグリーンシ
ートの説明図
【図7】 本発明の第8の実施例の説明図(その1)
【図8】 本発明の第8の実施例の説明図(その2)
【図9】 インクジェットプリンタの概略を示す斜視図
【図10】 流路板方式の圧電インクジェットヘッドの
分解模式図
【図11】 図10に示す圧電インクジェットヘッドの
断面図
【図12】 圧電インクジェットヘッドにおける干渉の
説明図
【図13】 インク流路間の干渉防止型圧電インクジェ
ットヘッドの説明図
【図14】 従来の圧電基板に使用するグリーンシート
の説明図
【図15】 駆動電極を内蔵する従来の圧電基板の説明
【符号の説明】
10-1,10-2,10-3,61-1,61-2,61-3,6
-4 グリーンシート 12 インク流路溝 16-1,16-2,63-1,63-2 圧電駆動電極用の導
体パターン 21,26,31,36,41,48,51 インクジ
ェットプリンタヘッド 22,23,27,42-1,42-2,49-1,49-2
49-3,49-4,71圧電基板 24,25,28,44,45,46,50 圧電駆動
電極 32,32-1,32-2 接着剤 62 スルーホール 67 スルーホール内の導体層 73-1,73-2,73-3,73-4,73-5 圧電基板の
接続端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗原 和明 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 塚田 峰春 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 表 孝司 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 中西 輝 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク流路溝が形成された第1の圧電基
    板の下面に、第2の圧電基板の上面が接合され、該第1
    の圧電基板内には該インク流路溝の底面に対応する第1
    の圧電駆動電極が形成され、該第2の圧電基板内には該
    インク流路溝に対応する第2の圧電駆動電極が形成され
    たインクジェットプリンタヘッドであって、 該第1の圧電基板が、圧電粉末よりなる複数枚の第1の
    グリーンシートと、該第1のグリーンシートの所定部に
    該第1の圧電駆動電極の電極パターンが形成された複数
    枚の第2のグリーンシートと、該第1のグリーンシート
    の所定部に該インク流路溝となる切り欠きを形成した複
    数枚の第3のグリーンシートを重ねた焼成処理で一体化
    させたものであり、 該第2の圧電基板が、複数枚の該第1のグリーンシート
    と、該第1のグリーンシートの所定部に該第2の圧電駆
    動電極の電極パターンが形成された複数枚の第4のグリ
    ーンシートを重ねた焼成処理で一体化させたものである
    こと、 を特徴とするインクジェットプリンタヘッド。
  2. 【請求項2】 インク流路溝が形成された第1の圧電基
    板の下面に、第2の圧電基板の上面が接合され、該第1
    の圧電基板内には、該インク流路溝の底面に対応する第
    1の圧電駆動電極と、該インク流路溝の側方に位置する
    第3の圧電駆動電極が形成され、該第2の圧電基板内に
    は、該インク流路溝に対応する第2の圧電駆動電極が形
    成されたジェットプリンタヘッドであって、 該第1の圧電基板が、圧電粉末よりなる複数枚の第1の
    グリーンシートと、該第1のグリーンシートの所定部に
    該第1の圧電駆動電極の電極パターンが形成された複数
    枚の第2のグリーンシートと、該第1のグリーンシート
    の所定部に該インク流路溝となる切り欠きおよび該第3
    の圧電駆動電極の電極パターンが形成された複数枚の第
    3のグリーンシートを重ねた焼成処理で一体化させたも
    のであり、 該第2の圧電基板が、複数枚の該第1のグリーンシート
    と、該第1のグリーンシートの所定部に該第2の圧電駆
    動電極の電極パターンが形成された複数枚の第4のグリ
    ーンシートを重ねた焼成処理で一体化させたものである
    こと、 を特徴とするインクジェットプリンタヘッド。
  3. 【請求項3】 上面にインク流路溝が形成された複数の
    第1の圧電基板が積み重ねて接合され、最上位の該第1
    の圧電基板の上面に第2の圧電基板を接合し、該第1の
    圧電基板内には、該インク流路溝の底面に対応する第1
    の圧電駆動電極と、下位の該第1の圧電基板のインク流
    路溝に対応する第2の圧電駆動電極が形成され、該第2
    の圧電基板内には、該最上位の第1の圧電基板のインク
    流路溝に対応する第2の圧電駆動電極が形成されたイン
    クジェットプリンタヘッドであって、 該第1の圧電基板が、圧電粉末よりなる複数枚の第1の
    グリーンシートと、該第1のグリーンシートの所定部に
    該インク流路溝となる切り欠きを形成した複数枚の第2
    のグリーンシートと、該第1のグリーンシートの所定部
    に該第1の圧電駆動電極の電極パターンが形成された複
    数枚の第3のグリーンシートと、該第1のグリーンシー
    トの所定部に該第2の圧電駆動電極の電極パターンが形
    成された複数枚の第4のグリーンシートを重ねた焼成処
    理で一体化させたものであり、 該第2の圧電基板が、複数枚の該第1のグリーンシート
    と複数枚の該第4のグリーンシートを重ねた焼成処理で
    一体化させたものであること、 を特徴とするインクジェットプリンタヘッド。
  4. 【請求項4】 上面にインク流路溝が形成された複数の
    第1の圧電基板が積み重ねて接合され、最上位の該第1
    の圧電基板の上面に第2の圧電基板が接合され、該第1
    の圧電基板内には、該インク流路溝の底面に対応する第
    1の圧電駆動電極と、下位の該第1の圧電基板のインク
    流路溝に対応する第2の圧電駆動電極と、該インク流路
    溝の側方に位置する第3の圧電駆動電極とが形成され、
    該第2の圧電基板内には、該最上位の第1の圧電基板の
    インク流路溝に対応する第2の圧電駆動電極が形成され
    たインクジェットプリンタヘッドであって、 該第1の圧電基板が、圧電粉末よりなる複数枚の第1の
    グリーンシートと、該第1のグリーンシートの所定部に
    該インク流路溝となる切り欠きおよび該第3の圧電駆動
    電極の電極パターンが形成された複数枚の第2のグリー
    ンシートと、該第1のグリーンシートの所定部に該第1
    の圧電駆動電極の電極パターンが形成された複数枚の第
    3のグリーンシートと、該第1のグリーンシートの所定
    部に該第2の圧電駆動電極の電極パターンが形成された
    複数枚の第4のグリーンシートを重ねた焼成処理で一体
    化させたものであり、 該第2の圧電基板が、複数枚の該第1のグリーンシート
    と複数枚の該第4のグリーンシートを重ねた焼成処理で
    一体化させたものであること、 を特徴とするインクジェットプリンタヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載の接合が、焼成によ
    る接合であることを特徴とするインクジェットプリンタ
    ヘッド。
  6. 【請求項6】 内部に圧電駆動電極を有する圧電基板の
    製造に際し、 圧電粉末よりなり所定部に整列する複数の第1のスルー
    ホールを形成した少なくとも1枚の第1のグリーンシー
    トを、圧電粉末よりなり該第1のスルーホールのそれぞ
    れに連通する複数の第2のスルーホールと該第2のスル
    ーホールの形成部から延在し該圧電駆動電極の電極パタ
    ーンを形成した複数枚の第2のグリーンシートに重ね、
    該複数枚の第2のグリーンシートを圧電粉末よりなる複
    数枚の第3のグリーンシートに重ねた焼成処理で、一体
    化された焼成体を形成する工程と、 連通する該第1のスルーホールと第2のスルーホールの
    内壁に導電層を形成する工程と、 該複数のスルーホールの整列方向に該焼成体を分割する
    工程、 を含むこと特徴とする圧電基板の製造方法。
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