JP2005307351A - スパッタ・ターゲット、スパッタ・ターゲット・アセンブリ及びそれらの製造方法 - Google Patents

スパッタ・ターゲット、スパッタ・ターゲット・アセンブリ及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スパッタリング中にスパッタ・ターゲットに熱が蓄積することを防止する。
【解決手段】スパッタ面を作製し、このスパッタ面の裏側に(表裏で対応するように)ターゲット裏面を作製することによって、冷却速度を選択的に制御するようにしたスパッタ・ターゲットを製造する。前記ターゲット裏面は、表面に凹凸素地を施すテクスチャード加工がなされた少なくとも第1のテクチャード領域含んで構成される。この第1のテクスチャード領域は、熱を放散させることによって、該第1のテクスチャード領域に隣接するスパッタ・ターゲットの領域の冷却を助長する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、広くスパッタ・ターゲットの分野に関し、より詳細には、表面積の変化を介したスパッタ・ターゲットの冷却制御に関する。
スパッタリング処理は、様々な分野において広く利用されており、原子的に滑らかな面を有し、正確な厚みに制御された薄膜材料の堆積(成膜)を提供して、例えば、半導体をコーティングしたり、磁気記録媒体の表面に膜を形成したりする。
スパッタリング処理においては、スパッタ・ターゲットが、不活性ガスの充填されたチャンバー内に配置され、電場内に置かれることでプラズマを発生させる。このプラズマ内のイオンがスパッタ・ターゲットの表面に衝突することで、スパッタ・ターゲットから原子が放出する。スパッタ・ターゲットとコーティングされる基板との間の電圧差によって、放出した原子は基板の表面に所望の薄膜を形成する。
スパッタリングの間、スパッタ・ターゲットには熱が蓄積することが多く、スパッタリング処理の制御に悪影響を与えたり、スパッタ・ターゲットの寿命を短くしたりする。
図1は、そのような従来のスパッタ・ターゲットの一例を示している。
具体的には、従来のスパッタ・ターゲット101は、スパッタ面102を含んで構成されており、このスパッタ面102は、さらに、スパッタリング用のスパッタ領域104と、非スパッタ領域105とを含んでいる。
従来のスパッタ・ターゲット101はまた、ターゲット裏面106と、スパッタ・ターゲット101に貫通形成された穴部107とを含んでおり、この穴部107は、スパッタリングの間、スパッタ・ターゲット101を所定の位置に保持するために用いられる。
従来のスパッタ・ターゲット101は、バキューム・チャンバー(真空チャンバー)内に配置され、リング状の支持体110に固定(クランプ係止)される。
ガスケット111とスパッタ・ターゲットのターゲット裏面106との間は、気密及び液密にシールされる。
水等の冷却流体は、リング状の支持体110によって形成される空間(キャビティ)内にポンプで送り込まれ、スパッタ面102に発生する熱を放散させる。
長時間にわたるスパッタリングの後では、スパッタ・ターゲット101の原子がスパッタ面102から放出されるので、スパッタ領域104は侵食され、損耗する。そして、この侵食(損耗)によって、図中破線で示すように、スパッタ面102には溝(凹部)108が形成されることになる。
薄膜材料を上手くスパッタ・コーティングできるか否か、特に、磁気データ記録産業分野における薄膜を上手くスパッタ・コーティングできるか否かは、効果的に熱を放散させることができるか否かに大きく依存している。
具体的には、スパッタ・ターゲット上の温度が高温となると、スパッタリングを惹起させる速度(スパッタリング速度)を増加させ、堆積する(成膜される)薄膜の均一性に影響を及ぼす。
スパッタリング速度が速すぎると、特定のスパッタ・ターゲットの実用寿命は短縮してしまい、その結果、高い交換コストが高くなり、頻繁にシステムのダウン時間が生じることになる。
さらに、スパッタ・ターゲットが熱くなりすぎると、スパッタ・ターゲットを構成する異種材料間の接合(結合)が溶けてしまう場合があり、スパッタリング処理における効率を低下させたり、スパッタリング処理に不必要な中断を引き起こしたりすることになる。
従来のスパッタ・ターゲットでは、スパッタリング装置を改良することや望ましい保温特性を有する裏当て材料を選択すること以外に、スパッタ・ターゲットの冷却に関するより改善された又は選択的な制御を行うことができなかった。
従って、スパッタリングの間、スパッタ・ターゲットの冷却制御方法を提供することは望ましいことである。
特に、スパッタリングの安全性と効率とを向上させるために、ターゲット裏面の表面積を変化させることによって、スパッタ・ターゲットの主面の特定の位置における冷却を選択的に制御する方法を提供することは望ましい。
熱が蓄積されてしまうことは、スパッタリング処理に内在する副作用である。
あまりに多くの熱が蓄積されると、スパッタ・ターゲットの寿命に悪影響を与え、堆積する(成膜される)薄膜の均一性を低下させるおそれがある。
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、従来のスパッタ・ターゲットに見られる不利益、特に、スパッタリング中にスパッタ・ターゲットに熱が蓄積してしまうことに関する不利益を解消することを目的とする。
本発明の第1の態様においては、表面積の変化を介して(表面積を変化させることで)冷却速度を選択的に制御するようにしたスパッタ・ターゲットが、スパッタ面と、このスパッタ面の裏側のターゲット裏面とを生成(作製)することによって製造される。
ターゲット裏面は、少なくとも第1の(1つの)テクスチャード領域(表面に凹凸素地を施すテクスチャード加工がなされた領域)を含んでおり、この第1のテクスチャード領域は、熱を放散させることによって、該第1のテクスチャード領域に隣接するスパッタ・ターゲットの領域の冷却を助長する。
テクスチャード領域の表面積を操作することによって、スパッタ・ターゲットの特定の領域の冷却速度を制御することができ、スパッタ領域における侵食(損耗)パターンを制御することができる。
例えば、スパッタ・ターゲットの特定の領域における冷却速度を増加させることによって、スパッタリング処理をゆっくり行うようにすることができ、その結果、特定のスパッタ・ターゲットの耐用年数を延長することができ、運転コストも減少する。
また、複数のテクスチャード領域を含むようにすることによって、スパッタリング(処理)速度は、スパッタ・ターゲット表面の選択された位置において、異なる速度に調節し又は調整することが可能となり、さらには、スパッタリング処理における制御(性)が改善される。
ターゲット裏面はまた、少なくとも第1の(1つの)非テクスチャード領域(前記テクスチャード加工が施されていない領域)を含んでいる。
スパッタ・ターゲットのターゲット裏面に非テクスチャード領域を設けることにより、冷却速度を減少させるか、あるいは、他の場所から冷却速度を孤立化させることが可能となる。
非テクスチャード領域は、スパッタ面の非スパッタ領域の裏側の面に配置してもよい。ここで、上記非スパッタ領域は、スパッタ領域よりも低温であることが多く、侵食(損耗)もゆっくりとなされる。
さらに、非テクスチャード領域は、真空シール(バキューム・シール)用ガスケットに隣接して配置して、真空シール(バキューム・シール)を達成し、かつ冷却流体と真空チャンバー(バキューム・チャンバー)との間で気液交換が発生するのを防止するようにしてもよい。
前記第1のテクスチャード領域は、例えば、グリット・ブラスト処理、ランダム機械加工、レーザー加工、又は、旋盤加工等によって作製される。
これらのテクスチャード加工方法はそれぞれ、研磨された裏面領域に表面積を増加させたテクスチャード裏面領域を提供する。
表面積の増加は、前記第1のテクスチャード領域に供される冷却流体との接触がより多くなるようにすることができ、故に、この第1のテクスチャード領域に表裏で対応する(表側の)位置におけるスパッタ・ターゲットの冷却速度を増加させる。
第2の態様においては、本発明は、冷却速度を選択的に制御するようにしたスパッタ・ターゲットを提供する。
このスパッタ・ターゲットは、スパッタ面と、このスパッタ面の裏側のターゲット裏面とを含んで構成され、そのターゲット裏面は、さらに、少なくとも第1の(1つの)テクスチャード領域を含んでいる。
上記ターゲット裏面はまた、少なくとも第1の(1つの)非テクスチャード領域を含んでいる。
上記テクスチャード領域は、熱を放散させることによって、該テクスチャード領域に隣接するスパッタ・ターゲットの領域の冷却を助長する。
スパッタ・ターゲットのターゲット裏面をテクスチャード加工することによって、冷却流体との接触を増進させることが可能となり、熱発散をより増加させることになる。この場合において、スパッタ・ターゲットは、円形型、矩形型あるいは六角形型のいずれの形状であってもよい。
スパッタリングの間、スパッタ領域におけるイオンとターゲット材料からの原子との衝突によって、スパッタ・ターゲットには激しい熱が発生する。
温度上昇の結果として、スパッタリング(処理)速度は増加し、さらには、スパッタ領域から放出されるターゲット材料の量も増加する。
これにより、スパッタ領域の侵食(損耗)が増加し、スパッタ・ターゲットの耐用時間を短縮する。
スパッタ領域の裏側にテクスチャード領域を設置することによって、このテクスチャード領域からより多くの熱が放散されることとなり、スパッタ領域を選択的に冷却する。
ターゲット裏面の表面積を変化させることを介してスパッタ領域の冷却速度を制御すると、スパッタ領域をより速く、或いはよりゆっくりと、又は、スパッタ・ターゲットの非スパッタ領域と同速度で冷却させることが可能となる。
別の構成においては、スパッタ面は、スパッタリング用のスパッタ領域と、少なくとも第1の非スパッタ領域と、を含んで構成され、上記テクスチャード領域は、非スパッタ領域の裏側に位置する。
スパッタリング(処理)速度は、スパッタ領域においてだけではなく、スパッタ面全体から選択したいずれの領域でも制御することが可能である。
スパッタ・ターゲットは、金属合金又はセラミック材料のいずれかで構成されるが、本発明は、例えばセラミックのような低い熱伝導率を有する材料よりも、例えば金属のような高い熱伝導率を有する材料に対して効果的である。
上記テクスチャード領域は、ターゲット裏面から突出させたり、あるいは、ターゲット裏面を切り込んだりすることで形成される。
さらに、上記テクスチャード領域は、例えばグリット・ブラスト処理やランダム機械加工のようなランダムな凹凸素地を施す処理でテクスチャード加工される。
スパッタ・ターゲットが、ターゲット裏面において冷却流体と接触することで直接的に冷却される場合においては、スパッタ・ターゲットの冷却速度は、スパッタ・ターゲットの熱伝導率に依存する。
冷却流体は、ターゲット裏面を素早く通過するので、冷却流体自身が著しく加熱されてしまうようなことはない。
このように、ターゲット裏面の表面積を増加させることによって、冷却流体がより多くスパッタ・ターゲットと接触することとなり、所定期間に冷却流体に放散される熱量も増加する。
上記テクスチャード領域は、複数の斜交平行線(クロス・ハッチ)、複数の同心円、複数の矩形形状、複数の平行線又は複数の曲線のうちのいずれかの素地を施すようにテクスチャード加工されてもよい。ここで、(複数の)曲線は、ターゲット裏面の接触する冷却流体の流れを速め、あるいは、その乱流化を促進する。
(複数の)曲線は、流路を形成して流体流入口から流体流出口までの冷却流体の流れを速めることができ、あるいは、(複数の)曲線は、冷却流体の流れ方向に略直交する粗部(起伏:rough spots)を形成して冷却流体の乱流化を促進することができる。
第3の態様においては、本発明は、表面積の変化を介して冷却速度を選択的に制御するようにしたスパッタ・ターゲット・アセンブリ(組立体)を提供する
このスパッタ・ターゲット・アセンブリは、スパッタ・ターゲットと、バック・プレート(裏板)とを含んで構成される。前者のスパッタ・ターゲットは、さらにスパッタ面を含んでおり、後者のバック・プレートは、さらにターゲット裏面を含んでいる。
また、上記ターゲット裏面は、さらに少なくとも第1の(1つの)テクスチャード領域を含んでいる。
上記のスパッタ・ターゲットと上記バック・プレートとは、スパッタ面がターゲット裏面の表側となるように(すなわち、表裏で対応するように)、一体的に接合される。
テクスチャード領域は、熱を放散させることによって、該テクスチャード領域に隣接するスパッタ・ターゲット・アセンブリの領域の冷却を助長する。
通常、スパッタ・ターゲットは、冷却流体による(冷却)効果を向上させるためにバック・プレートに接合される。
上記スパッタ面は、スパッタ・ターゲットに作製され、上記ターゲット裏面は、バック・プレートの表面積、ひいては、スパッタ・ターゲット・アセンブリ全体の表面積を増加させるように、バック・プレートに作製することができる。
上記スパッタ・ターゲット及び上記バック・プレートは、スパッタ面又はターゲット裏面の作製前又は作成後に一体的に接合される。
第4の態様においては、本発明は、表面積の変化を介して冷却速度を選択的に制御するようにしたスパッタ・ターゲット・アセンブリの製造方法を提供する。
かかる製造方法は、スパッタ・ターゲットにスパッタ面を作製するステップと、バック・プレートにターゲット裏面を作製するステップとを含み、このターゲット裏面は、少なくとも第1の(1つの)テクスチャード領域を含んでいる。
上記製造方法はまた、スパッタ面がターゲット裏面の表側となるように、スパッタ・ターゲットとバック・プレートとを一体的に接合するステップを含んでいる。
上記第1のテクスチャード領域は、熱を放散させることによって、該第1のテクスチャード領域に隣接するスパッタ・ターゲット・アセンブリの領域の冷却を助長する。
以下の好ましい実施形態の説明においては、同記載の一部を構成し、本発明が実施され得る特定の実施形態を例示する添付図面が参照される。なお、他の実施形態が利用できることや本発明の範囲を逸脱することのない変更が可能であることを理解すべきである。
以下、図面を参照しつつ好ましい実施形態について記載するが、図面全体を通じて同じ参照番号は対応する部分を示している。
本発明は、表面積を変化させて選択された領域におけるスパッタ・ターゲットの冷却を制御することによって、スパッタ・ターゲットの冷却制御を改善すること及びスパッタ・ターゲットの実用(耐用)寿命を延長することを可能とする。
図2は、本発明に係るスパッタ・ターゲットの外観を示している。
簡単に説明すると、本発明は、表面積の変化を介して冷却速度を選択的に制御するようにしたスパッタ・ターゲットに関する。
スパッタ・ターゲットは、スパッタ面と、このスパッタ面の裏側に位置する(表裏で対応する)ターゲット裏面とを含んで構成されており、そのターゲット裏面は、さらに少なくとも1つのテクスチャード領域(第1のテクスチャード領域)を含んでいる。このテクスチャード領域は、熱を放散させることによって、該テクスチャード領域に隣接するスパッタ・ターゲットの領域の冷却を助長する。
詳述すると、スパッタ・ターゲット201は、スパッタ面202を含んで構成される。このスパッタ面202は、さらに、スパッタリング用のスパッタ領域204と、非スパッタ領域205とを含んでいる。
スパッタ・ターゲット201はまた、スパッタ面202の裏側に位置するターゲット裏面206を含んで構成される。
ターゲット裏面206は、テクスチャード領域210を含んでいる。このテクスチャード領域210は、熱を放散させることによって、該テクスチャード領域に隣接するスパッタ・ターゲット201の領域の冷却を助長する。
ターゲット裏面206はまた、少なくとも非テクスチャード領域212を含んでいる。
別の構成においては、非テクスチャード領域212がなく、テクスチャード領域210がターゲット裏面206の全体を占めている。
スパッタ・ターゲット201は、金属合金、及び/又は、セラミック材料からなり、また、いかなる形状のものであってもよい。そのような形状には、例えば、円形型、矩形型又は六角形型が含まれるが、これに限られるものではない。
本発明は、例えばセラミックのような熱伝導率が低い材料よりもむしろ、例えば金属のような熱伝導率が高い材料に影響を及ぼし、効果的である。
スパッタリング処理前に、スパッタ・ターゲット201は、バキューム・チャンバー内に配置されて、リング状等の支持体(図示省略)に固定(クランプ係止)される。
リング状又は矩形状の支持体の上に設けられるガスケット(図示省略)とターゲット裏面206との間は、気密及び液密にシールされる。
水等の冷却流体は、上記支持体によって形成される空間(キャビティ)内にポンプで送り込まれ、スパッタ面202に発生し放散された熱を吸収する。
テクスチャード領域210は、様々な形態でのテクスチャード加工が可能である。そのような形態には、複数の同心円、複数の交差斜線(クロス・ハッチ)、複数の矩形形状、複数の平行線、複数の曲線、及び/又は、グリット・ブラスト処理やランダム機械加工処理によるランダムな凹凸素地面などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
テクスチャード領域210の(複数の)曲線は、ターゲット裏面と接触する冷却流体の流れを高速化し、あるいは乱流化を促進する。
テクスチャード領域210は、ターゲット裏面から突出して形成されるもの、ターゲット裏面に切り込み形成されるもの、あるいは、これらが混在するもののいずれであってもよい。
これらのテクスチャード加工方法はそれぞれ、研磨された裏面領域に、表面積を増加させたテクスチャード裏面領域を提供する。
表面積を増加させることにより、冷却流体がより多くテクスチャード領域210に接触することとなり、該テクスチャード領域の表側の場所におけるスパッタ・ターゲットの冷却速度を増加させることができる。
スパッタ・ターゲットのターゲット裏面に非テクスチャード領域を設けることによって、選択した場所における冷却速度を低下させたり、冷却速度を孤立化させたりすることが可能となる。
非テクスチャード領域は、スパッタ面の非スパッタ領域の裏側に配置するようにしてもよい。この非スパッタ領域は、スパッタ領域より低温であることが多く、そのため、浸食(損耗)もゆっくりと生じる。
さらに、非テクスチャード領域は、バキュームシール用ガスケットに隣接して配置して、バキュームシールを達成し、かつ冷却流体とバキューム・チャンバーとの間で気液交換が発生するのを防止するようにしてもよい。
テクスチャード領域の表面積を操作することによって、スパッタ・ターゲットの特定の領域における冷却速度を選択的に制御することが可能となる。
スパッタ・ターゲットの選択した場所における冷却速度を増加させることによって、熱はより速く放散され、スパッタリング処理はゆっくりと行われる。その結果、特定のスパッタ・ターゲットの実用(耐用)寿命を延長し、運転コストも減少する。
テクスチャード領域210は、スパッタ領域204の裏側に位置している。
別の構成においては、テクスチャード領域210は、非スパッタ領域205の裏側に位置している。
非テクスチャード領域は、スパッタ面の非スパッタ領域の裏側に配置させる方が有利である。それは、非スパッタ領域は、スパッタ領域よりも低温であることが多く、一般に浸食(損耗)もゆっくりと行われるからである。
スパッタ領域は、プラズマ中のイオンとスパッタ・ターゲット上の原子とが衝突するため、スパッタ面202で最も熱くなる部分である。
スパッタリング速度は、温度が高くなるほど高くなり、スパッタ領域の浸食(損耗)を増加させる。
テクスチャード領域をスパッタ領域の裏側に配置することによって、該テクスチャード領域から速やかに熱を放散し、スパッタ領域を選択的に冷却し、浸食(損耗)を減少させることができる。
テクスチャード領域をスパッタ領域に裏側に配置することによって、スパッタ領域の冷却速度を微調整することができ、スパッタ領域をより速く冷却したり、よりゆっくりと冷却したり、あるいは、スパッタ・ターゲットの非スパッタ領域と同程度の速度で冷却したりすることも可能となる。
冷却(された)流体がターゲット裏面に接触することによって、スパッタ・ターゲットが直接的に冷却される場合においては、スパッタ・ターゲットの冷却速度は、スパッタ・ターゲットの熱伝導率に依存する。
冷却流体は、ターゲット裏面を速やかに通過するので、冷却流体自身が著しく加熱されてしまうようなことはない。
このため、ターゲット裏面の表面積を増加させることによって、冷却流体とスパッタ・ターゲットとの接触も増加し、これにより、単位時間当たりに冷却流体に放散される熱量も増加することになる。
図3は、円形型のスパッタ・ターゲットに形成されたテクスチャード領域を例示したものである。
具体的には、図3は、複数の平行線の素地を施すように処理(加工)されたテクスチャード領域を有するターゲット裏面206(図3(b)参照)、あるいは、複数の同心楕円(長円)の素地を施すように処理(加工)されたテクスチャード領域を有するターゲット裏面206(図3(c)参照)を備えた円形型のスパッタ・ターゲット201を示している。なお、例示したものは、いずれもターゲット裏面206全体がテクスチャード領域210となっている。
図4は、矩形型のスパッタ・ターゲットに作製されたテクスチャード領域の例を示している。
具体的には、図4は、ターゲット裏面206を備えた矩形型のスパッタ・ターゲット201を示しており、テクスチャード領域210は、複数の並列的な曲線からなる素地を有している。こちらも、ターゲット裏面206全体がテクスチャード領域210となっている。
図5は、テクスチャード領域の拡大図であり、ここでは、取り得る3つのテクスチャード・パターンが用いられている。
具体的には、図5は、ターゲット裏面206の側面(断面形状)を示している。これは、ターゲット裏面206において、非テクスチャード領域に対するテクスチャード加工の高さ又は深さを示すためである。
テクスチャード領域210が、例えば旋盤やレーザー切削工具のような切削装置を用いて加工されるような場合には、切削断面は、三角形状(図5(b)参照)、矩形形状(図5(c),(d)参照)あるいは円弧状(図示省略)等になり得る。
さらに、テクスチャード領域201は、ターゲット裏面206から突出させて形成されるもの、ターゲット裏面に切り込み形成されるもの、これらが混在するもののいずれであってもよい。
図6は、スパッタ・ターゲットに曲線でテクスチャード加工されたテクスチャード領域と冷却流体の流れとの関係を空間的に示している。さらに具体的には、図6(a)において、丸いスパッタ・ターゲット201は、上記に詳述したように、バキューム・チャンバー内に取り付けられている。
ターゲット裏面206へと流れる冷却流体は、流入口601を経てスパッタ・ターゲット201の下方のチャンバー内に流入し、流出口602を経てスパッタ・ターゲット201の下方のチャンバーから流出する。
図6(a)及び図6(b)に示すように、冷却流体は、通常、スパッタ・ターゲット201の直下を図の左右方向に流入口601から流出口602へと流れる。
テクスチャード領域210は、冷却流体の流れの高速化、あるいは乱流化を促進するために用いることができる。
図6(a)において、テクスチャード領域210は、複数の曲線でテクスチャード加工されている。これらの曲線は、通常、冷却流体の流れと平行するように設けられており、また、これらの曲線は、流入口601及び流出口602の上方の領域から発して、流入口601及び流出口602の上方の領域で終端している。
このため、テクスチャード領域210は、冷却流体が流れることが可能な流路を形成することとなり、流入口601から流出口602に至る冷却流体の流れを滑らかにし、流れを速める(流れを高速化する)。
図6(b)においては、テクスチャード領域210は、複数の曲線の素地を施すようにテクスチャード加工されている。これらの曲線は、冷却流体の流れに略直交するように設けられている。
このため、ターゲット裏面206には、テクスチャード領域210は、ターゲット裏面206に粗部(rough spots)を形成することとなり、冷却流体の流路を形成しないから、ターゲット裏面206と接触する冷却流体の乱流化を促進する。
図7は、スパッタ面及びターゲット裏面の一例を示しており、図2に示した実施形態によるものである。
図7は、スパッタ・ターゲット201の上面図(a)及び底面図(b)であり、スパッタ面202を示している。このスパッタ面202は、さらにスパッタリング用のスパッタ領域204と、非スパッタ領域205とを含んでいる。
スパッタ・ターゲット201はまた、スパッタ面202の裏側に位置するターゲット裏面206を含んでおり、このターゲット裏面206は、テクスチャード領域210と、非テクスチャード領域212と、2番目の(第2の)非テクスチャード領域701とを含んでいる。
テクスチャード領域210は、スパッタ領域204の裏側に位置する。これにより、テクスチャード領域210は、熱を放散させることによって、該テクスチャード領域210に隣接するスパッタ・ターゲット201の領域の冷却を助長する。
テクスチャード領域210をスパッタ領域204の裏側に設置することによって、スパッタ領域204に発生した熱を速やかに放散させ、スパッタ領域204を選択的に冷却して、スパッタ・ターゲット201の全体的な浸食(損耗)を減少させることができる。
テクスチャード領域210をスパッタ領域204の裏側に設置することによって、スパッタ領域204の冷却速度を微調整することができ、スパッタ領域204をより速く冷却したり、よりゆっくりと冷却したり、あるいは、スパッタ・ターゲット201の非スパッタ領域と同速度で冷却すること等が可能となる。
図8は、本発明の好ましい実施形態によるものであり、スパッタ面及びターゲット裏面の他の実施形態を示している。
さらに具体的には、図8は、スパッタ・ターゲット201のさらなる(別の)上面図(a)と底面図(b)であり、スパッタ面202が示されている。このスパッタ面202は、さらにスパッタリング用のスパッタ領域204と、非スパッタ領域205とを含んでいる。
スパッタ・ターゲット201はまた、スパッタ面202の裏側にターゲット裏面206を含んで構成され、このターゲット裏面206は、第1のテクスチャード領域210と、第2のテクスチャード領域801と、第3のテクスチャード領域802と、非テクスチャード領域212と、第2の非テクスチャード領域803とを含んでいる。
第1のテクスチャード領域210、第2のテクスチャード領域801及び第3のテクスチャード領域802を組み合わせた領域は、スパッタ領域204の裏側に位置する。
図7の構成の場合と同様に、スパッタ領域204の裏側の領域をテクスチャード加工することによって、スパッタ領域204に発生した熱を速やかに放散させることができ、スパッタ・ターゲット201の実用(耐用)寿命を延長する。
しかしながら、図8では、複数の異なるテクスチャード領域がターゲット裏面206に設けられている(b)。ここで、それぞれのテクスチャード領域は、個別の既知の冷却速度を有しているものである。このため、第1テクスチャード領域210、第2のテクスチャード領域801及び第3のテクスチャード領域802にそれぞれ隣接する領域は、異なる速度で冷却されることとなり、スパッタ領域内において異なる速度でスパッタリングが発生することとなる(スパッタリング(処理)速度が異なることとなる)。
これにより、スパッタ領域204における冷却速度が微調整され、スパッタ領域204の選択された部分がより速やかに冷却されたり、よりゆっくりと冷却されたり、又は、スパッタ・ターゲット201の非スパッタ領域と同速度、若しくはスパッタ領域204内のそれぞれ異なる部分と同速度で冷却すること等が可能となる。
図9は、本発明の別の態様によるものであり、表面積の変化を介して冷却速度を選択的に制御するようにしたスパッタ・ターゲットの製造プロセスのフローチャートである。
簡単に説明すると、スパッタ面が作製され、ターゲット裏面がそのスパッタ面の裏側に作製される。このターゲット裏面は、少なくとも1つのテクスチャード領域(第1のテクスチャード領域)を含んでいる。
上記第1のテクスチャード領域は、熱を放散させることによって、該第1のテクスチャーと領域に隣接するスパッタ・ターゲットの領域の冷却を助長する。
より詳細に説明すると、(スパッタ・ターゲットの製造)プロセスが開始すると(ステップS901)、スパッタ面が作製される(ステップS902)。
スパッタ・ターゲット(・アセンブリ)は、2つの異なるターゲット材料で作製されており、スパッタ・ターゲットは、冷却流体の効果を増大させるため、バック・プレートに取り付けられ又は接合される。
ここにおいて、スパッタ面は、第1の材料(スパッタ・ターゲット)に作製され、このスパッタ面は、スパッタリング用のスパッタ領域と、少なくとも1つの非スパッタ領域(第1の非スパッタ領域)とを含んでいる。
なお、スパッタ・ターゲットにスパッタ面を作製するプロセスは、材料科学技術の分野において周知である。
次に、ターゲット裏面が作製されて(ステップS904)、その後プロセスは終了する(ステップS906)。
ターゲット裏面は、バック・プレート及びターゲット・アセンブリ全体としての表面積を増加させるため、例えばバック・プレートのような第2の材料に作製される。
ターゲット裏面は、少なくとも1つのテクスチャード領域(第1のテクスチャード領域)を含んでおり、第1のテクスチャード領域は、熱を放散させることによって、該第1のテクスチャード領域に隣接するスパッタ・ターゲットの領域の冷却を助長する。
ターゲット裏面はまた、少なくとも1つの非テクスチャード領域(第1の非テクスチャード領域)を含んでいる。
テクスチャード領域の表面積を操作することによって、スパッタ・ターゲットの特定の領域における冷却速度を制御でき、スパッタ領域の損耗パターンを制御できる。
スパッタ・ターゲットの選択した位置での冷却速度を増加させることによって、スパッタリング処理を減速させることができ、その結果、特定のスパッタ・ターゲットの実用(耐用)年数が延長され、運転コストも減少することになる。
複数のテクスチャード領域を含むようにすることで、スパッタ・ターゲット表面の選択した位置で異なる(冷却)速度に調節又は調整することができ、さらには、スパッタリング処理全般にわたる制御性が向上される。
第1のテクスチャード領域は、例えば、グリット・ブラスト処理、ランダム機械加工、レーザー加工又は旋盤加工等を用いて作製される。
第1のテクスチャード領域は、様々な形態(模様)でテクスチャード加工することが可能である。それらには、複数の同心円又は同心の長円、クロス・ハッチ、複数の矩形形状、複数の平行線、複数の曲線、及び/又はランダムな凹凸素地等があるが、これらに限るものではない。
第1のテクスチャード領域における複数の曲線は、ターゲット裏面と接触する冷却流体の流れを速め(高速化し)、あるいは、その乱流化を促進することができる。
第1のテクスチャード領域は、ターゲット裏面から突出して形成されるもの、ターゲット裏面に切り込み形成されるもの、あるいは、これらが混在するもののいずれであってもよい。
これらのテクスチャード加工方法は、いずれも研磨されたターゲット裏面に、表面積が増加されたテクスチャード裏面領域を提供する。
表面積が増加することで、第1のテクスチャード領域へと流れる冷却流体とより多く接触させることができ、この第1のテクスチャード領域の反対側の位置におけるスパッタ・ターゲットの冷却速度を増加させる。
図10は、本発明の第3実施形態の外観を示している。
簡単に説明すると、本発明は、表面積を変化させることによって冷却速度が選択的に制御されるスパッタ・ターゲット・アセンブリに関する。
スパッタ・ターゲット・アセンブリは、スパッタ・ターゲットとバック・プレートとを含んで構成される。スパッタ・ターゲットは、さらにスパッタ面を含んでおり、バック・プレートは、さらにターゲット裏面を含んでいる。
ターゲット裏面は、さらに少なくとも第1のテクスチャード領域を含んでいる。
スパッタ・ターゲットとバック・プレートとは、スパッタ面がターゲット裏面の表側となるように(表裏で対応するように)、一体的に接合される。
第1のテクスチャード領域は、熱を放散することによって、該第1のテクスチャード領域に隣接するスパッタ・ターゲット・アセンブリの領域の冷却を助長する。
通常、スパッタ・ターゲットは、冷却流体の効果を増加させるために、バック・プレートに接合される。
スパッタ面は、スパッタ・ターゲットに作製され、ターゲット裏面は、バック・プレートの表面積、ひいては、スパッタ・ターゲット・アセンブリ全体としての表面積を増加させるために、バック・プレートに作製されてもよい。
スパッタ・ターゲットとバック・プレートとは一体的に接合されるが、それは、スパッタ面又はターゲット裏面を作製する前後のいずれであってもよい。
より詳細には、スパッタ・ターゲット・アセンブリ1001は、スパッタ・ターゲット1014を含んで構成される。このスパッタ・ターゲット1014は、スパッタ面1002を含んでいる。
スパッタ面1002は、さらに、スパッタリング用のスパッタ領域1004と、非スパッタ領域1005とを含んでいる。
スパッタ・ターゲット・アセンブリ1001はまた、バック・プレート1015を含んで構成される。ここで、バック・プレート1015は、さらにターゲット裏面1006を含んでいる。
スパッタ・ターゲット1014とバック・プレート1015とは、スパッタ面1002がターゲット裏面1006の表側となるように(表裏で対応するように)、一体的に接合される。
ターゲット裏面1006は、テクスチャード領域1010を含んでいる。
テクスチャード領域1010は、熱を放散することによって、該テクスチャード領域1010に隣接するスパッタ・ターゲット・アセンブリ1001の領域の冷却を助長する。
ターゲット裏面1006はまた、少なくとも第1の非テクスチャード領域1012を含んでいる。
別の構成においては、第1の非テクスチャード領域1012がなく、テクスチャード領域1010がターゲット裏面1006全体を占めている。
スパッタ・ターゲット1014は、金属合金、及び/又は、セラミック材料からなり、様々な形状とすることが可能である。このような形状には、円形型、矩形型、あるいは六角形型等が含まれるが、これらに限るものではない。
本発明は、セラミックのような熱伝導率が低い材料よりはむしろ、金属のような熱伝導率の高い材料に効果的である。
スパッタリング処理前に、スパッタ・ターゲット・アセンブリ1001はバキューム・チャンバー内に配置され、リング状等の支持体(図示省略)に固定(クランプ係止)される。
リング状又は矩形状の支持体上に設けられたガスケット(図示省略)とターゲット裏面1006との間は、気密及び液密にシールされる。
水等の冷却流体は、支持体によって形成される空間部内にポンプによって送り込まれ、冷却流体は、スパッタ面1002に発生して放散された熱を吸収する。
テクスチャード領域1010は、様々な形態の素地模様形状にテクスチャード加工が可能であり、それには、複数の同心円、クロス・ハッチ、複数の矩形形状、複数の平行線、複数の曲線、及び/又は、グリット・ブラスト加工やランダム機械加工等が施されたランダム凹凸素地などが含まれるが、これらに限るものではない。
テクスチャード領域1010の複数の曲線は、ターゲット裏面と接触する冷却流体の流れの高速化、あるいは、乱流化を促進する。テクスチャード領域1010は、ターゲット裏面から突出して形成されてもよいし、及び/又は、ターゲット裏面に切り込み形成されてもよい。
テクスチャード領域1010は、スパッタ領域1004の(表裏で対応する)裏側に位置する。他の構成においては、テクスチャード領域1010は、非スパッタ領域1005の裏側に位置する。スパッタ面の非スパッタ領域は、スパッタ領域よりも低温であることが多く、通常は、ゆっくりと浸食され(損耗する)ので、この非スパッタ領域の裏側に非テクスチャード領域を位置させることは有利である。
図11は、表面積を変化させることによって、冷却速度を選択的に制御するようにしたスパッタ・ターゲット・アセンブリの製造プロセスを示すフローチャートであり、本発明の更なる態様によるものである。
簡単に説明すると、スパッタ面は、スパッタ・ターゲットに作製され、ターゲット裏面は、バック・プレートに作製される。前記ターゲット裏面は、少なくとも第1のテクスチャード領域を含んでいる。
スパッタ・ターゲットとバック・プレートとは、スパッタ面がターゲット裏面の表側となるように(表裏で対応するように)、一体的に接合される。
第1のテクスチャード領域は、熱を放散することによって、該第1のテクスチャード領域に隣接するスパッタ・ターゲット・アセンブリの領域の冷却を助長する。
より詳細には、処理が開始すると(ステップS1101)、スパッタ面がスパッタ・ターゲットに作製される(ステップS1102)。
上記スパッタ面は、スパッタ・ターゲットに作製され、このスパッタ面は、スパッタリング用のスパッタ領域と、少なくとも1つの(第1の)非スパッタ領域とを含んでいる。
なお、スパッタ・ターゲットにスパッタ面を作製するプロセスは、材料科学技術の分野において周知である。
ターゲット裏面は、バック・プレートに作製される(ステップS1104)。
このターゲット裏面は、バック・プレート及びターゲット・アセンブリ全体としての表面積を増加させるために、バック・プレートに作製される。
上記ターゲット裏面は、少なくとも1つのテクスチャード領域(第1のテクスチャード領域)を含んでおり、この第1のテクスチャード領域は、熱を放散させることによって、該第1のテクスチャード領域に隣接するスパッタ・ターゲットの領域の冷却を助長する。
上記ターゲット裏面はまた、少なくとも1つの非テクスチャード領域(第1の非テクスチャード領域)を含んでいる。
第1の材料(スパッタ・ターゲット)と第2の材料(バック・プレート)とが接合されて(ステップS1105)、プロセスは終了する(ステップS1106)。
第1の材料及び第2の材料は、2つの材料を物理的に結合させることによって、又は、締結(クランプ)することによって、接合することができる。
他の構成においては、第1の材料及び第2の材料は、スパッタ面又はターゲット裏面の作製前又は作成後に接合されるようになっている。
スパッタ・ターゲット・アセンブリ1001は、スパッタ・ターゲットとバック・プレートとを含んで構成され、これらは、その接触面に沿って一体的に接合されている。
例えば金属合金のような材料を接合させる技術は、冶金技術分野において周知である。
スパッタ・ターゲットは、ターゲット裏面に流れる冷却流体の冷却効果を向上させるために、通常、接合又は締結された2つ以上の材料から形成されている。
以上では、特定の実施形態により本発明を記述してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、当業者によって様々な改良や変更がなされ得ることを理解すべきである。
従来のスパッタ・ターゲットの一例を示す図である。 本発明に一実施形態の外観を示す図である。 円形型のスパッタ・ターゲットのテクスチャード領域の例を示す図である。 矩形型のスパッタ・ターゲットのテクスチャード領域の例を示す図である。 テクスチャード加工が施された3種類のテクスチャード領域を拡大した図である。 曲線の素地を施すようにテクスチャード加工されたテクスチャード領域を有するスパッタ・ターゲットと、冷却流体の流れとの空間的関係を示す図である。 図2に示す実施形態におけるスパッタ面及びターゲット裏面の一例を示す図である。 本発明の好ましい実施形態におけるスパッタ面及びターゲット裏面の別の例を示す図である。 表面積の変化を介して冷却速度を選択的に制御するようにしたスパッタ・ターゲットの製造プロセスを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態の外観の一例を示す図である。 表面積の変化を介して冷却速度を選択的に制御するようにしたスパッタ・ターゲット・アセンブリの製造プロセスを示すフローチャートである。
符号の説明
101,201,1014…スパッタ・ターゲット、
102,202,1002…スパッタ面、
104,204,1004…スパッタ領域、
105,205,1005…非スパッタ領域、
106,206,1006…ターゲット裏面、
210,801,802,1010…テクスチャード領域、
212,1012…非テクスチャード領域
601…冷却流体流入口、
602…冷却流体流出口
1001…スパッタ・ターゲット・アセンブリ
1015…バック・プレート

Claims (54)

  1. 表面積の変化を介して冷却速度を選択的に制御するようにしたスパッタ・ターゲットであって、
    スパッタ面と、
    前記スパッタ面の裏側に位置するように設けられ、その表面にテクスチャード加工が施された少なくとも第1のテクスチャード領域を有するターゲット裏面と、
    を含んで構成され、
    前記第1のテクスチャード領域は、熱を放散させることによって、該第1のテクスチャード領域に隣接するスパッタ・ターゲットの領域の冷却を助長することを特徴とするスパッタ・ターゲット。
  2. 前記ターゲット裏面は、前記テクスチャード加工が施されていない少なくとも第1の非テクスチャード領域をさらに有することを特徴とするスパッタ・ターゲット。
  3. 前記スパッタ面は、
    スパッタリング用のスパッタ領域と、
    少なくとも第1の非スパッタ領域と、を有し、
    前記第1のテクスチャード領域は、前記スパッタ領域の裏側に位置するように設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスパッタ・ターゲット。
  4. 前記スパッタ面は、
    スパッタリング用のスパッタ領域と、
    少なくとも第1の非スパッタ領域と、を有し、
    前記第1のテクスチャード領域は、前記第1の非スパッタ領域の裏側に位置するように設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスパッタ・ターゲット。
  5. 前記スパッタ・ターゲットは、金属合金からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット。
  6. 前記スパッタ・ターゲットは、セラミック材料からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット。
  7. 前記第1のテクスチャード領域は、前記ターゲット裏面から突出して形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット。
  8. 前記第1のテクスチャード領域は、前記ターゲット裏面を切り込み形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット。
  9. 前記第1のテクスチャード領域は、ランダムな凹凸素地を施す処理でテクスチャード加工されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット。
  10. 前記ランダムな凹凸素地を施す処理は、グリット・ブラスト加工であることを特徴とする請求項9記載のスパッタ・ターゲット。
  11. 前記ランダムな凹凸素地を施す処理は、ランダム機械加工であることを特徴とする請求項9記載のスパッタ・ターゲット。
  12. 前記第1のテクスチャード領域は、クロス・ハッチ(斜交平行線)素地を施すようにテクスチャード加工されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット。
  13. 前記第1のテクスチャード領域は、複数の同心円の素地を施すようにテクスチャード加工されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット。
  14. 前記第1のテクスチャード領域は、複数の矩形形状の素地を施すようにテクスチャード加工されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット。
  15. 前記第1のテクスチャード領域は、複数の平行線の素地を施すようにテクスチャード加工されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット。
  16. 前記第1のテクスチャード領域は、複数の曲線の素地を施すようにテクスチャード加工されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット。
  17. 前記複数の曲線は、前記ターゲット裏面に接触する冷却流体の流れを速めることを特徴とする請求項16記載のスパッタ・ターゲット。
  18. 前記複数の曲線は、前記ターゲット裏面に接触する冷却流体の流れの乱流化を促進することを特徴とする請求項16記載のスパッタ・ターゲット。
  19. 前記スパッタ・ターゲットは、円形型であることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット。
  20. 前記スパッタ・ターゲットは、矩形型であることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット。
  21. 前記スパッタ・ターゲットは、六角形型であることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット。
  22. 表面積の変化を介して冷却速度を選択的に制御するようにしたスパッタ・ターゲットの製造方法であって、
    スパッタ面を作製するステップと、
    前記スパッタ面の裏側に位置するように設けられ、その表面にテクスチャード加工が施された少なくとも第1のテクスチャード領域を有するターゲット裏面を作製するステップと、
    を含んで構成され、
    前記第1のテクスチャード領域は、熱を放散させることによって、該第1のテクスチャード領域に隣接するスパッタ・ターゲットの領域の冷却を助長することを特徴とするスパッタ・ターゲットの製造方法。
  23. 前記ターゲット裏面は、テクスチャード加工が施されていない少なくとも第1の非テクスチャード領域をさらに有することを特徴とする請求項22記載のスパッタ・ターゲットの製造方法。
  24. 前記第1のテクスチャード領域は、グリット・ブラスト加工によって作製されることを特徴とする請求項22又は請求項23記載のスパッタ・ターゲットの製造方法。
  25. 前記第1のテクスチャード領域は、ランダム機械加工によって作製されることを特徴とする請求項22〜24のいずれか1つの記載のスパッタ・ターゲットの製造方法。
  26. 前記第1のテクスチャード領域は、旋盤加工によって作製されることを特徴とする請求項22〜25のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲットの製造方法。
  27. 前記第1のテクスチャード領域は、レーザー加工によって作製されることを特徴とする請求項22〜26のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲットの製造方法。
  28. 表面積の変化を介して冷却速度を選択的に制御するようにしたスパッタ・ターゲット・アセンブリであって、
    スパッタ面を含んで構成されるスパッタ・ターゲットと、
    テクスチャード加工が施された少なくとも第1のテクスチャード領域を有するターゲット裏面を含んで構成されるバック・プレートと、
    を含んで構成され、
    前記スパッタ面が前記ターゲット裏面の表側に位置するように、前記スパッタ・ターゲットと前記バック・プレートとが一体的に接合されるとともに、
    前記第1のテクスチャード領域は、熱を放散させることによって、該第1のテクスチャード領域に隣接するスパッタ・ターゲット・アセンブリの領域の冷却を助長することを特徴とするスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  29. 前記ターゲット裏面は、前記テクスチャード加工が施されていない少なくとも第1の非テクスチャード領域をさらに有することを特徴とする請求項28記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  30. 前記スパッタ面は、
    スパッタリング用のスパッタ領域と、
    少なくとも第1の非スパッタ領域と、を有し、
    前記第1のテクスチャード領域は、前記スパッタ面の裏側に位置することを特徴とする請求項28又は請求項29記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  31. 前記スパッタ面は、
    スパッタリング用のスパッタ領域と、
    少なくとも第1の非スパッタ領域と、を有し、
    前記第1のテクスチャード領域は、前記非スパッタ面の裏側に位置することを特徴とする請求項28又は請求項29記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  32. 前記スパッタ・ターゲットは、金属合金からなることを特徴とする請求項28〜31のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  33. 前記スパッタ・ターゲットは、セラミック材料からなることを特徴とする請求項28〜31のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  34. 前記第1のテクスチャード領域は、前記ターゲット裏面から突出して形成されることを特徴とする請求項28〜33のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  35. 前記第1のテクスチャード領域は、前記ターゲット裏面に切り込み形成されることを特徴とする請求項28〜34のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  36. 前記第1のテクスチャード領域は、ランダムな凹凸素地を施す処理でテクスチャード加工されることを特徴とする請求項28〜35のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  37. 前記ランダムな凹凸素地を施す処理は、グリット・ブラスト加工であることを特徴とする請求項36記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  38. 前記ランダムな凹凸素地を施す処理は、ランダム機械加工であることを特徴とする請求項36記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  39. 前記第1のテクスチャード領域は、クロス・ハッチ(斜交平行線)を施す処理でテクスチャード加工されていることを特徴とする請求項28〜35のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  40. 前記第1のテクスチャード領域は、複数の同心円の素地を施す処理でテクスチャード加工されていることを特徴とする請求項28〜35のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  41. 前記第1のテクスチャード領域は、複数の矩形形状の素地を施す処理でテクスチャード加工されていることを特徴とする請求項28〜35のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  42. 前記第1のテクスチャード領域は、複数の平行線の素地を施す処理でテクスチャード加工されていることを特徴とする請求項28〜35のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  43. 前記第1のテクスチャード領域は、複数の曲線の素地を施す処理でテクスチャード加工されていることを特徴とする請求項28〜35のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  44. 前記複数の曲線は、前記ターゲット裏面に接触する冷却流体の流れを速めることを特徴とする請求項43記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  45. 前記複数の曲線は、前記ターゲット裏面に接触する冷却流体の流れの乱流化を促進することを特徴とする請求項43記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  46. 前記スパッタ・ターゲットは、円形型であることを特徴とする請求項28〜45のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  47. 前記スパッタ・ターゲットは、矩形型であることを特徴とする請求項28〜45のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  48. 前記スパッタ・ターゲットは、六角形型であることを特徴とする請求項28〜45のいずれか1つに記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリ。
  49. 表面積の変化を介して冷却速度を選択的に制御するようにしたスパッタ・ターゲット・アセンブリの製造方法であって、
    スパッタ面をスパッタ・ターゲットに作製するステップと、
    表面にテクスチャード加工が施された少なくとも第1のテクスチャード領域を含んだターゲット裏面をバック・プレートに作製するステップと、
    前記スパッタ面と前記ターゲット裏面とが表裏で対応するように、前記スパッタ・ターゲットと前記バック・プレートとを一体的に接合するステップと、
    を含んで構成され、
    前記第1のテクスチャード領域は、熱を放散させることによって、該第1のテクスチャード領域に隣接するスパッタ・ターゲット・アセンブリの領域の冷却を助長することを特徴とするスパッタ・ターゲット・アセンブリの製造方法。
  50. 前記ターゲット裏面は、テクスチャード加工が施されていない少なくとも第1の非テクスチャード領域をさらに含むことを特徴とする請求項49記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリの製造方法。
  51. 前記第1のテクスチャード領域は、グリット・ブラスト加工によって作製されることを特徴とする請求項49又は請求項50記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリの製造方法。
  52. 前記第1のテクスチャード領域は、ランダム機械加工によって作製されることを特徴とする請求項49又は請求項50記載のスパッタ・ターゲット・アセンブリの製造方法。
  53. 前記第1のテクスチャード領域は、旋盤加工によって作製されることを特徴とする請求項49又は請求項50記載のスパッタ・ターゲットの製造方法。
  54. 前記第1のテクスチャード領域は、レーザー加工によって作製されることを特徴とする請求項49又は請求項50記載のスパッタ・ターゲットの製造方法。
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