JP2019065364A - スパッタリング用ターゲット及びスパッタリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】均一な膜質のスパッタリング膜を形成することが出来るスパッタリング用ターゲットを実現する。【解決手段】バッキングプレート20に接合されたスパッタリング用ターゲット10であって、前記スパッタリング用ターゲット10は、プラズマ用ガスを放出させるガス供給孔11を主面に複数有していることを特徴とするスパッタリング用ターゲット10。【選択図】図5A
Description
本発明は特に表示装置等の製造に用いられるスパッタリング装置およびスパッタリング用ターゲットに関する。
有機EL表示装置や液晶表示装置は、多くの層で形成され、これらの層の内、金属膜、酸化物導電膜、酸化物半導体、あるいは、バリア層として用いられるアルミニウム酸化膜(以後AlOx)等はスパッタリングによって成膜される。
スパッタリングは、プラズマからのイオンをターゲットに衝突させ、これによって、ターゲットからの原子を基板に被着させて成膜するものである。スパッタリングでは、成膜速度、膜質等の制御が重要である。
プラズマからのイオンがターゲットに衝突することによってターゲットが加熱する。スパッタリングにより成膜する膜厚が大きくなればそれだけターゲットの温度上昇も大きくなる。また、スパッタリングにより成膜する膜厚が大きくなればターゲットの消耗も大きくなり、ターゲットを頻繁に交換する必要が生ずる。
特許文献1にはターゲットを粒状とすることによって、ターゲット粒間にプラズマ形成ガス(Arガス等)を通過させ、ターゲットの冷却を容易にし、かつ、スパッタリング用ターゲットの交換を容易にする構成が記載されている。
表示装置の製造には反応性スパッタリングが多用される。反応性スパッタリングはスパッタリングに必要なアルゴン(Ar)等の不活性ガスに加えて、反応性ガス(O2、N2、H2、H2Oなど)を導入混合してスパッタリングを行い、酸化物や窒化物の化合物薄膜を形成する方法である。
反応性スパッタリングでは反応性ガスのガス圧が基板の位置で異なるとこれに起因して基板面内において、スパッタリング膜の膜質分布が発生する。液晶表示装置や有機EL表示装置では、多数の表示装置が形成されたマザー基板の面積が大きくなるので、マザー基板面内におけるガス圧分布に起因する膜質の分布が問題になる。
本発明の課題は、液晶表示装置や有機EL表示装置用の大きなマザー基板においても、均一な膜質のスパッタリング膜を得ることが出来るスパッタリング用ターゲット、及び、スパッタリング装置を実現することである。
本発明は上記課題を克服するものであり、代表的な手段は次のとおりである。
(1)バッキングプレートに接合されたスパッタリング用ターゲットであって、前記スパッタリング用ターゲットは、プラズマ用ガスを放出させるガス供給孔を主面に複数有していることを特徴とするスパッタリング用ターゲット。
(2)真空チャンバ内に基板と、前記基板に対向してバッキングプレートに接合されたスパッタリング用ターゲットを有するスパッタリング装置であって、前記基板と前記スパッタリング用ターゲットの間にプラズマが形成され、前記スパッタリング用ターゲットの主面は前記プラズマ用のガスを供給する複数のガス供給孔を有していることを特徴とするスパッタリング装置。
液晶表示装置や有機EL表示装置では、大きなマザー基板に多数の表示パネルを形成し、マザー基板が完成したあと、スクライビング等によって、個々の表示パネルに分離することが行われている。マザー基板の大きさは、いわゆる4.5世代であると、730mm×920mm、5.5世代であると、1300mm×1500mm、6世代であると、1500mm×1850mmである。
このように、大きな基板に均一にスパッタリング膜を成膜するために、図1に示すように、複数のスパッタリング用ターゲット10を用いることが行われている。あるいはスパッタリング装置のカソードが複数のターゲットで構成されているということもできる。以後、ターゲットとカソードを同じ意味で使用することもある。
図1は、基板40とターゲット10の関係を示す模式平面図である。基板40の大きさは例えば、第6世代ではxs=1500mm、ys=1850mmである。ターゲット10はこれよりも若干大きくする必要がある。このような大きなターゲット10を1枚で製造することは非常に困難なので、図1に示すように、ターゲット10を分割する。図1は、ターゲット10を8個に分割した例である。それでも、個々のターゲット10は大きく、価格も高い。
また、膜を均一に形成するために、基板40又はスパッタリング用ターゲット10を、図1の矢印で示すように、搖動させることが行われている。図1において、ターゲットはx方向において分割されているので、ターゲット間の境界の影響を無くすために、基板40あるいはターゲット19を矢印で示すようにx及びy方向に搖動動作させる。
もしくは,スパッタリング用ターゲット10の数を減らす目的で,スパッタリング用ターゲット10を固定し,基板40をx方向に通過させて成膜する方式もある。
もしくは,スパッタリング用ターゲット10の数を減らす目的で,スパッタリング用ターゲット10を固定し,基板40をx方向に通過させて成膜する方式もある。
一方、スパッタリングでは、プラズマを形成するガス圧が場所によって異なると、膜質への影響が生ずる。特に、反応性スパッタリングにおいては、反応性ガスのガス分圧が膜質に大きな影響を生ずる。
図2は通常のスパッタリング装置の模式断面図である。スパッタリング装置は種々の方式があるが、図2は基板40とターゲット10が垂直に配置している例である。図2において、真空チャンバ100内に、基板40とターゲット10が例えば、間隔100mm乃至300mm程度で対向して配置している。基板40はマザー基板なので、非常に大きい。
基板40の周辺にマスク50が配置している。マスク50は基板40の周辺にスパッタリング膜が形成されるのを防止する。基板40周辺に形成されたスパッタリング膜は剥離しやすく、この剥離屑が、不良の原因となる。したがって、マスク50によって、基板40の周辺に膜が形成されないようにしている。
ターゲット10はバッキングプレート20にロウ付け等によって取り付けられている。バッキングプレート20は銅等の、導電性があり、かつ、熱伝導のよいもので形成される。本明細書では、ターゲット10とバッキングプレート20の組み合わせをターゲット組立30とも呼ぶ。ターゲット組立30はスパッタリングにおけるカソードとなる。
図2において、バッキングプレート20の背面には、スパッタリングを行うための電源部110が配置している。電源部110には、プラズマを所定の空間に閉じ込めておくためのマグネット120が配置している。また、この電源部110には、真空チャンバ100外から冷却水が供給される。冷却水は電源部110を巡廻してターゲット組立30のバッキングプレート20を冷却した後、排出孔から排出される。図2において、スパッタリングを行うためのガス、すなわち、アルゴン(Ar)等の不活性ガスと反応性ガス(O2、N2、H2、H2Oなど)の混合ガスがガス導入孔130から供給される。
アルゴン(Ar)等の不活性ガスと反応性ガス(O2、N2、H2など)の混合ガスは基板40とマスク50の隙間からターゲット10と基板40の間の空間に入り込み、プラズマ200を形成する。一方、ガスは排気孔140から排気され、真空チャンバ100内を一定の圧力に保つ。基板40が非常に大きいために、基板40とターゲット10との間の空間において、場所によってガスの分圧に差が生ずる。ガス分圧に差が生ずると、スパッタリング膜にも膜厚及び膜質の分布が生じてしまう。一方、均一な特性を有する表示装置のためには、スパッタリング膜はできるだけ均一であることが望ましい。
図3A及び図3Bは、図2で使用されているターゲット組立30の図である。図3Aは平面図、図3Bは断面図である。ターゲット10は長尺であり、長さlは2000mm程度、幅wは200mm程度である。また、ターゲット10の厚さは例えば、16mm、バッキングプレート20の厚さは、例えば20mmである。このように、個々のターゲット10も非常に大きく、個々のターゲット10においても、ガス圧の分布の影響が生ずる。
図4は、本発明によるスパッタリング装置の模式断面図である。図4が図2と異なる点は、アルゴン(Ar)等の不活性ガスと反応性ガス(O2、N2、H2、H2Oなど)の混合ガスがガス導入孔130から供給されるが、このガス導入孔130はターゲット10に形成されたガス供給パイプ13と直結していることである。以後、アルゴン(Ar)等の不活性ガスと反応性ガス(O2、N2、H2、H2Oなど)の混合ガスを単にガスという。
後で説明するように、本発明におけるターゲット10は、内部にガス通過孔12とガス供給孔11を有している。そして、ガス供給パイプ13から供給されたガスはガス通過孔12を通過して、ガス供給孔11からターゲット10と基板40の間の空間(以後これをプラズマ空間という)に供給され、プラズマ200を形成する。
図4に示すように、ガスは、ターゲット10の多くの箇所からプラズマ空間に供給されるので、ガス圧は全ての場所で均一にすることが出来る。したがって、基板40全面に均一なスパッタリング膜を形成することが出来る。図4におけるその他の構成は図2で説明したのと同様である。
図5A及び図5Bは、本発明によるターゲット組立30を示す図であり、図5Aは平面図、図5Bは断面図である。図5Aにおいて、ターゲット10の大きさは、図3Aと同様である。すなわち、長さlは2000mm程度、幅wは200mm程度である。また、ターゲット10の厚さは例えば、16mm、バッキングプレート20の厚さは、例えば20mmである。
図5Aにおいて、ターゲット10の主面(成膜時にプラズマに面する面)には、多数のガス供給孔11が形成されている。多数のガス供給孔11からプラズマ空間にガスが供給されるので、プラズマ空間内には、ガス圧の差が生じにくい。したがって、均一なスパッタリング膜を形成することが出来る。
図5Bは、ターゲット組立30の断面図である。ターゲット10及びバッキングプレート20の厚さは図3Bと同様である。すなわち、ターゲット10の厚さは例えば、16mm、バッキングプレート20の厚さは、例えば20mmである。図5Bにおいて、ターゲット10の内部には空洞が形成されており、この空洞はガス供給孔11から供給されるガスの通過孔となっている。ガス通過孔からターゲットの表面にかけて多数のガス供給孔11が形成されている。
図6は、図5Aに示すターゲット10の詳細平面図である。図6において、ガス供給孔11が2列形成されている。ガス供給孔11のy方向のピッチyyは例えば、100mmである。プラズマ空間のガス圧を均一化する観点からは、通常は、yyは3mm以上、500mm以下であればよい。また、真空排気140との位置関係によっては不等であってもよい。また、ガス供給孔のx方向のピッチxxは100mmである。x方向ピッチも、プラズマ空間のガス圧を均一化する観点からは、通常は、xxは10mm以上、200mm以下、若しくはx方向の1列であればよい。図6において、バッキングプレート20はターゲット10よりも若干大きく形成されている。
図6におけるガス供給孔の径φ1は、φ0.4mm以下であることが望ましい。φ0.4mmを超えるとガス供給孔11内にプラズマが形成される場合がある。ガス供給孔11内にプラズマが形成されると、プラズマ空間におけるプラズマが不安定となり、基板40における膜厚や膜質に影響を与える場合がある。一方、ガス供給孔11の径φ1は0.1mm以上であることが望ましい。ガス供給孔11は、通常、機械加工で形成されるので、0.1mmより小さい孔は加工が困難になるからである。
図7はガス供給孔11のピッチyyをターゲット10の位置によって変えた場合である。図7では、ターゲット10の端部付近においてガス供給孔11の密度を大きくした例である。ガスはターゲット10の周辺に向かって逃げるので、プラズマ空間におけるガスの密度を一定にするために、図7では、ターゲット10の周辺においてガス供給孔の密度を大きくしてガスの供給量を増やしている。
図8はガス供給孔11のピッチを一定にして、ターゲット10における位置によってガス供給孔11の径を変化させた場合である。図8の例は、ターゲット10の端部付近のガス供給孔11の径φ1よりも、ターゲット10の中央付近におけるガス供給孔11の径φ3を大きくして、プラズマ空間の中心側において、ガス供給量を増やした場合である。このように、プラズマ空間内に供給されるガスは、ガス供給孔11の密度あるいは径を調整することによって制御することが出来る。
図9乃至図20は、本発明によるスパッタリング用ターゲットの種々の形状を示す実施例である。
図9は、実施例1を示すターゲット10の平面図である。図10乃至図12は図9の平面形状を持つターゲット10の断面図である。図9において、バッキングプレート20の上にターゲット10が配置している。図9において、点線で示すように、ターゲット10は内側がくりぬかれてガス通過孔12が形成されている。
図10は図9のA−A断面図である。図10において、厚さt2のバッキングプレート20の上にガス供給孔11とガス通過孔12が形成されたターゲット10が配置している。バッキングプレート20の厚さt2は例えば20mmである。ターゲット10の厚さt1は例えば16mmである。ターゲット10の内、表面層の厚さは例えば8mmであり、中空となっているガス通過孔の深さt2は4mmであり、ターゲット10のベース部の厚さは例えば4mmである。
図10において、ターゲット10とバッキングプレート20はロウ付けで接合されている。したがって、ターゲット10とバッキングプレート20の熱伝導は非常に良い。図4に示すように、バッキングプレート20は水冷されている。また、バッキングプレート20は、銅等の、熱電導に優れた材料を使用している。したがって、ターゲット10で発生した熱はバッキングプレート20を通して効果的に外部に放出することが出来る。
また、ターゲット10の中空となっているガス通過孔12にはプラズマ空間に供給するガスが常に通過しているので、このガスによってターゲット10を効果的に冷却することが出来る。すなわち、本発明のターゲット10は、プラズマ空間のガス圧を均一化するのみでなく、ターゲット10の冷却も効果的に行うことが出来る。
図10において、ターゲット10のうち、実際にターゲット材料として利用されるのは表面層であるから他の層よりも厚く形成されている。ターゲット10の表面層にガス供給孔11が形成されている。ガス供給孔11の径φ1は、0.1mm乃至0.4mmである。プラズマ空間へのガスの供給は、ガス供給孔11の数の他、ガス供給孔の流量に対するコンダクタンスを規定するガス供給孔11の径φ1とターゲット10の表面層の厚さh1によって制御することが出来る。
図11は図9のB−B断面図である。この部分にはガス供給孔11もガス通過孔12も形成されていない。図12は、図9のC−C断面図である。この部分には、ガス通過孔12は形成されているが、ガス供給孔11は形成されていない。図12に示すように、ターゲット10のC−C断面側端部は解放されているので、ターゲット10内に中空の空間となっているガス通過孔12を形成することが出来る。つまり、ターゲット10を焼結あるいは溶融した金属等を型に流し込んで形成することが出来る。なお、図10におけるガス供給孔11は機械加工で形成される。
図13および図14は、実施例2のターゲット10を示す図である。実施例2の平面図は実施例1と同じ図9である。図13は実施例2における図9のA−A断面図である。図13においても、バッキングプレート20の上にターゲット10がロウ付けで接合されている。図13の特徴は、ガス通過孔12が中空ではなく、ターゲット10の下部に形成された凹部とバッキングプレート20とで形成される空間に形成されていることである。したがって、ターゲット10の表面の厚さを大きくすることが出来、その分ターゲットの寿命を実施例1の場合よりも長くすることが出来る。
図13において、ターゲット10の厚さt1は16mmであるが、表面層の厚さは12mmである。また、ガス通過孔11を形成しているターゲットの凹部の深さは4mmである。ガス供給孔の径φ1は0.1mm乃至0.4mmである。
実施例2における、図9のB−B断面図は実施例1のB−B断面図である図11と同じである。図14は、実施例2における図9のC−C断面図である。図14において、ガス供給孔11が無い他は図13と同じである。本実施例は、ガス通過孔12がターゲット10の中空ではなく、ターゲット10の下部に形成された凹部に対応している。したがって、ターゲット10を、焼結、あるいいは、金属を型に流し込んで形成する以外に、機械加工によって形成することが出来る。
図15は実施例3におけるターゲット10の平面図である。図15が実施例1あるいは実施例2の図9と異なる点は、ガス通過孔12が2個並行して形成されていることである。2個のガス通過孔12が縦方向(y方向)に配列しているガス供給孔11に対応している。また、図15において、ガス通過孔12のy方向端部は閉止されているが、−y方向端部は解放されている。
図16は、図15のD−D断面図である。図16において、ターゲット10の厚さt1、バッキングプレート20の厚さt2は実施例1の図10と同じである。また、ターゲット10の表面層の厚さh1、ガス通過孔の深さt2、べース部の深さh3も実施例1の図10と同じである。また、ガス通過孔の径φ1も図10と同じである。図16において、ターゲット10とバッキングプレート20はロウ付けによって接合している。したがって、ターゲット10とバッキングプレート20の間の熱伝導は図10の場合よりも優れている。
図15のE−E断面は実施例1におけるB−B断面、つまり、図11と同じである。図17は図15のF−F断面図である。図17は、ガス供給孔11が無い他は図16と同じである。図17からわかるように、ターゲット10の一方の端は解放されているので、ターゲット10を、焼結、あるいは、金属を型に流し込むことによって製造することが出来る。
図18および図19は、実施例4のターゲット10を示す図である。実施例4の平面図は実施例3と同じ図15である。図18は実施例4における図15のD−D断面図である。図18においても、バッキングプレート20の上にターゲット10がロウ付けで接合されている。図18の特徴は、2つのガス通過孔12が中空ではなく、ターゲット10の下部に形成された凹部とバッキングプレート20とで形成される空間に形成されていることである。したがって、ターゲット10の表面の厚さを大きくすることが出来、その分ターゲット10の寿命を実施例3の場合よりも長くすることが出来る。
図18において、ターゲット10の厚さt1は16mmであるが、表面層の厚さは12mmである。また、ガス通過孔12を形成しているターゲット10の凹部の深さは4mmである。ガス供給孔の径φ1は0.1mm乃至0.4mmである。
実施例4における、図15のE−E断面図は実施例1のB−B断面図である図11と同じである。図19は、実施例4における図15のF−F断面図である。図19において、ガス供給孔11が無い他は図18と同じである。本実施例は、2つのガス通過孔11がターゲットの中空ではなく、ターゲットの下部に形成された凹部に対応している。したがって、ターゲットを、焼結、あるいは、金属を型に流し込んで形成する以外に、機械加工によって形成することが出来る。
図20は、実施例5のターゲット10を示す断面図である。実施例5の平面図は実施例3あるいは4と同じ図15である。図20は実施例5における図15のD−D断面図である。図20においても、バッキングプレート20の上にターゲット10がロウ付けで接合されている。図20において、2つのガス通過孔12が中空ではなく、ターゲット10の下部に形成された凹部とバッキングプレート20とで形成される空間に形成されていることは図18と同じである。
図20の特徴は、ガス供給孔11が2つの径で構成されていることである。表面の孔111の径φ1よりも、内部の孔112の径φ2の方が小さい。したがって、ガスの流量は内側の孔112によって規定される。より詳しくは、ガスの流量は、内側の孔112の径φ2およびその深さh12によって規定される。
ガス供給孔11は機械加工で形成されるが、孔の径と深さの関係で、所定の形状にできない場合がある。すなわち、機械加工では、小さな径で深い孔を形成することが困難な場合がある。一方、ターゲット10の寿命を考えると、表面層h1(あるいは図20におけるh11+h12)は大きくしたほうがよい。
このような場合、ターゲット10の表面には比較的大きな孔111を、径φ1、深さh11で形成し、その内部により小さな孔112を、径φ2、深さh12で形成すればよい。図20において、表面の孔111の径は例えば0.4mm、深さは例えば11mm、内側の孔112の径は例えば0.1mm、深さは例えば1mmである。これによって、所望のガス流量を有するターゲットを製造することが出来る。なお、実施例5におけるガス通過孔12の形状は、実施例1乃至4のいずれの構成を使用してもよい。
なお、実施例5における、図15のB−B断面図は実施例1のB−B断面図である図11と同じである。また、実施例5における図15のF−F断面図は、実施例4の図19と同じである。
実施例5は、ターゲット10に形成されたガス供給孔11の径が2段階の場合であるが、必要に応じて3段階以上とすることも出来る。また、実施例5は実施例4に即して説明したが、実施例1乃至3のターゲット10についても同様に適用することが出来る。
図1では、ターゲットは複数のターゲットを並列にして使用しているが、本発明は、1個のターゲットでスパッタリングする場合にも適用することが出来る。また、各実施例では、ターゲットは平面で視て長方形であるとして説明したが、これに限らず、正方形等、基板に合わせて種々な形とすることが出来る。
このように、本発明によれば、ターゲットに形成された多数のガス供給孔からスパッタリング用ガスとしてのアルゴン(Ar)等の不活性ガスと反応性ガス(O2、N2、H2、H2Oなど)の混合ガスを供給するので、ガス圧の不均一に伴う膜質の不均一を防止することが出来る。また、ガスを用いてターゲット全体を均一に冷却することが出来るので、スパッタリング膜の膜質を均一にすることが出来る。
10…ターゲット、 11…ガス供給孔、 12…ガス通過孔、 13…ガス供給パイプ、 20…バッキングプレート、 30…ターゲット組立、 40…基板、 50…マスク、 100…真空チャンバ、 110…電源部、 111…第1のガス供給孔、 112…第2のガス供給孔、 120…マグネット、 130…ガス導入孔、 140…排気孔、 150…冷却水導入孔、 160…冷却水排出孔、 200…プラズマ
Claims (20)
- バッキングプレートに接合されたスパッタリング用ターゲットであって、
前記スパッタリング用ターゲットは、プラズマ形成用ガスを放出させるガス供給孔を主面に複数有していることを特徴とするスパッタリング用ターゲット。 - 前記スパッタリング用ターゲットは平面で視て、第1の方向に長辺を有し、第2の方向に短辺を有する長方形であって、
前記ガス供給孔は前記第1の方向に第1のピッチで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング用ターゲット。 - 前記ガス供給孔は前記第2の方向に第2のピッチで形成されていることを特徴とする請求項2に記載のスパッタリング用ターゲット。
- 前記第1のピッチは、前記第1の方向において変化することを特徴とする請求項2に記載のスパッタリング用ターゲット。
- 前記第1のピッチと前記第2のピッチは3mm以上で、500mm以下であることを特徴とする請求項3に記載のスパッタリング用ターゲット。
- 前記ガス供給孔は、前記スパッタリング用ターゲットに形成されたガス通過孔と接続していることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング用ターゲット。
- 前記ガス通過孔は前記スパッタリング用ターゲット内に形成されていることを特徴とする請求項6に記載のスパッタリング用ターゲット。
- 前記ガス通過孔は前記スパッタリング用ターゲットの下面に形成された凹部と前記バッキングプレートの表面で形成される空間であることを特徴とする請求項6に記載のスパッタリング用ターゲット。
- 前記ガス供給孔の径は0.1mm乃至0.4mmであることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング用ターゲット。
- 前記ガス供給孔は表面に形成された第1の径を有する第1の孔と、前記第1の孔より内部に形成された第2の径を有する第2の孔を有し、前記第2の径は前記第1の径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング用ターゲット。
- 前記スパッタリング用ターゲットは、前記ガス通過孔と接続するガス供給パイプを有していることを特徴とする請求項6に記載のスパッタリング用ターゲット。
- 真空チャンバ内に基板と、前記基板に対向してバッキングプレートに接合されたスパッタリング用ターゲットを有するスパッタリング装置であって、
前記基板と前記スパッタリング用ターゲットの間にプラズマが形成され、
前記スパッタリング用ターゲットの主面は前記プラズマ形成用のガスを供給する複数のガス供給孔を有していることを特徴とするスパッタリング装置。 - 前記プラズマ用ガスは、不活性ガスと反応性ガスを含むことを特徴とする請求項12に記載のスパッタリング装置。
- 前記ガス供給孔は第1の方向に第1のピッチで配列しており、前記第1の方向と直交する第2の方向に第2のピッチで配列していることを特徴とする請求項12に記載のスパッタリング装置。
- 前記スパッタリング用ターゲットは、内部に前記ガス供給孔と接続するガス通過孔を有しており、前記ガス通過孔は、前記真空チャンバのガス導入孔と接続していることを特徴とする請求項12に記載のスパッタリング装置。
- 前記スパッタリング用ターゲットの下面には凹部が形成され、前記凹部と前記バッキングプレートとの間の空間に前記ガス供給孔と接続するガス通過孔を有しており、前記ガス通過孔は、前記真空チャンバのガス導入孔と接続していることを特徴とする請求項12に記載のスパッタリング装置。
- 真空チャンバ内に基板と、前記基板に対向してカソードが形成され、
前記カソードは、バッキングプレートに接合された複数のスパッタリング用ターゲットで形成され、
前記スパッタリング用ターゲットは第1の方向に長辺を有し、第2の方向に短辺を有する長方形であり、
前記スパッタリング用ターゲットは前記第2の方向に並列して配置され、
前記スパッタリング用ターゲットと前記基板の間にはプラズマ形成用の空間が存在し、前記スパッタリング用ターゲットの前記基板と対向する面には、前記プラズマ用のガスを供給する複数の孔が形成されていることを特徴とするスパッタリング装置。 - 前記スパッタリング用ターゲットは、内部に前記ガス供給孔と接続するガス通過孔を有しており、前記ガス通過孔は、前記真空チャンバのガス導入孔と接続していることを特徴とする請求項17に記載のスパッタリング装置。
- 前記スパッタリング用ターゲットの下面には凹部が形成され、前記凹部と前記バッキングプレートとの間の空間に前記ガス供給孔と接続するガス通過孔を有しており、前記ガス通過孔は、前記真空チャンバのガス導入孔と接続していることを特徴とする請求項17に記載のスパッタリング装置。
- 前記複数のスパッタリング用ターゲットは、前記第2の方向に搖動可能であることを特徴とする請求項17に記載のスパッタリング装置。
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JP (1) | JP2019065364A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111593311A (zh) * | 2020-06-23 | 2020-08-28 | 北京北方华创微电子装备有限公司 | 用于半导体工艺设备中的靶材和半导体工艺设备 |
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2017
- 2017-10-04 JP JP2017194187A patent/JP2019065364A/ja active Pending
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CN111593311A (zh) * | 2020-06-23 | 2020-08-28 | 北京北方华创微电子装备有限公司 | 用于半导体工艺设备中的靶材和半导体工艺设备 |
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