JP2007046106A - 蒸着用ボートおよびこれを備えた真空蒸着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ボートの温度管理および製作を複雑化することなく、溶解した蒸発材料の濡れ広がりによる電極取付部への付着を防止して、ピンホール等の発生を抑えることができる蒸着用ボートを提供する。
【解決手段】 本発明の蒸着用ボート11は、抵抗加熱体からなるボート本体12と、このボート本体12の両端部に各々設けられた電極取付部13と、ボート本体12の表面略中央に位置しており蒸発材料の供給を受けるキャビティ(材料受け部)14とを備え、ボート本体12の表面であって、キャビティ14と電極取付部13との間の領域に、キャビティ14から電極取付部13へ向かう方向と交差する方向に延在する複数の溝部15を形成することにより、キャビティ14から電極取付部13へ向かう蒸発材料の流動を堰き止めて、蒸発材料が電極取付部13へ到達することを規制する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、抵抗加熱蒸着に用いられる蒸着用ボートおよびこれを備えた真空蒸着装置に関する。
従来より、減圧環境下で、金属等を蒸発させフィルム等に薄膜を形成する真空蒸着技術が知られている。このような技術を用いることにより、ガスバリア膜を有した食品包装用のフィルムや、フィルムコンデンサ用のフィルム等が製造されている。
この種の真空蒸着装置において、蒸発材料の蒸発方法としては、アルミニウム等のワイヤーを電気抵抗により加熱したボートにフィードして蒸発させる方法や、るつぼ内の蒸着物質を誘導加熱等により加熱して蒸発させる方法等がある。特に、ワイヤーをボートにフィードして蒸発させる方法は、他の方法に比べて構造が簡単であり、装置を小さくすることができる点で有利である。
図7に従来の蒸着用ボートの構成を示す。この蒸着用ボート1は、タングステンや導電性セラミック等の抵抗加熱体で形成されたボート本体2を有している。ボート本体2の両端には、電極取付部3,3が各々設けられている。ボート本体2は、電極取付部3,3に外部電極が接続され電流が供給されることで、抵抗により発熱する。ボート本体2の表面略中央部には、キャビティ4が凹状に形成されており蒸発材料の供給を受ける材料受け部を構成している。
このような構成の蒸着用ボート1は、成膜時、所定温度に加熱されたボート本体2のキャビティ4に、アルミニウム等のワイヤー状の蒸発材料がフィードされる。キャビティ4内で溶解、蒸発したアルミニウムは、ボートに対向して設置または移送される原料フィルムに蒸着される。これにより、原料フィルム表面にアルミニウム膜が成膜される。
ところで、上述したワイヤーフィード方法による蒸発材料の蒸発方法においては、原料フィルム等に蒸着膜を均一に成膜するため、ボート上で溶解した蒸発材料を均一に蒸発させることが必要である。
しかしながら、図8に示すように、溶解した蒸発材料Mは、キャビティ4内で流動し、キャビティ4から電極取付部3側へ這い上がることが知られている。電極取付部3の周辺は冷却されて温度が低いため、この這い上がりにより蒸発材料Mが電極取付部3で凝固する場合がある。そして、電極取付部3で凝固した蒸発材料が、突沸やスプラッシュの原因となり、原料フィルムにピンホール等の欠陥を生じさせるという問題がある。
そこで、蒸発材料の電極取付部側への這い上がりを防止するため、下記特許文献1には、キャビティ周辺のボート断面を小さく形成し当該キャビティ周辺のボート部分の電気抵抗を大とすることで、キャビティ内部よりもキャビティ周辺部を高温にし、キャビティから這い上がった蒸発材料の蒸気化率を高める構成が開示されている。
また、下記特許文献2に記載のように、キャビティ周辺を溶融金属との濡れ性が低い物質による溶融金属の這い上がり防止層を形成したり、下記特許文献3に記載のように、キャビティの外側に溶融金属との濡れ性が低い物質からなる土手を形成する構成のものが知られている。
特開昭52−102681号公報 特開2005−113171号公報 特開2003−96558号公報
しかしながら、上記特許文献1のように、ボートの一部の抵抗を上げて温度を変化させることは、ボートの温度管理を困難にするとともに、温度が高い部分に蒸発材料が達したときに蒸発量が変化するため、蒸発量を均一にすることができない場合がある。
また、上記特許文献2のように、ボート表面の材質を濡れ性の低いものにすることは、ボートの製作工程を変更する必要があるとともに、使用する材質によっては成膜される膜に異物が混入する問題が発生する場合がある。
更に、上記特許文献3のように、濡れ性の低い物質で土手を形成することはボートの製作工程が増加するとともに、ボート本体の構成材料と土手の構成材料との熱膨張率の違いにより長期使用ができない場合が懸念される。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、ボートの温度管理および製作を複雑化することなく、溶解した蒸発材料の濡れ広がりによる電極取付部への付着を防止して、ピンホール等の発生を抑えることができる蒸着用ボートおよびこれを備えた真空蒸着装置を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明の蒸着用ボートは、抵抗加熱体からなるボート本体と、このボート本体の両端部に各々設けられた電極取付部と、ボート本体の表面略中央に位置しており蒸発材料の供給を受ける材料受け部とを備えた蒸着用ボートにおいて、ボート本体の表面であって、材料受け部と電極取付部との間の領域には、材料受け部から電極取付部へ向かう方向と交差する方向に延在する複数の溝部が形成されていることを特徴とする。
本発明の蒸着用ボートにおいては、材料受け部に供給された蒸発材料はボート本体の抵抗加熱作用で溶解し蒸発することで、当該ボートに対向する原料フィルム上に蒸着膜を形成する。このとき、材料受け部で溶解した蒸発材料は、ボート表面を濡れ広がり、電極取付部へ向かって流動する。そこで、材料受け部と電極取付部との間の領域に形成した複数の溝部が、材料受け部から電極取付部へ向かう方向と交差する方向に延在することで、蒸発材料の広がり流動を規制する。これにより、溶解した蒸発材料が電極取付部へ到達するのを阻止し、電極取付部における蒸発材料の凝固およびこれに起因する蒸発材料の突沸あるいはスプラッシュを抑制して、ピンホール等の欠陥を低減することが可能となる。
好適には、ボート本体は直方形状を有し、その長辺方向の両端部に電極取付部が各々設けられているとともに、上記複数の溝部は、ボート本体の短辺方向にそれぞれ平行に形成されている。ボート表面に形成される複数の溝部の長さは、ボート本体の幅方向全域にわたって形成されていてもよいし、ボート本体の幅寸法より短い長さで形成されていてもよい。これらの溝部の長さはすべて同じ長さに統一されている必要はなく、溝毎に異なっていてもよい。
溝部の形成は、例えばボート表面への切削加工が適用でき、これによりボートの製作工程に大きな変更や追加が伴うことがない。なお、溝部の形成方法としては他に、エッチチング加工、レーザー加工等が適用可能である。
溝部の形成数、長さ、幅、間隔および深さは、ボート本体の大きさや表面性状、供給される蒸発材料の種類、供給量等に応じて適宜設定することができる。また、これらの溝部は、材料受け部と電極取付部との間に形成される場合に限らず、これに加えて、材料受け部の形成領域内にも形成することができる。なお、材料受け部は、ボート表面に凹状に形成されたキャビティ状とされていてもよいし、ボート表面と同一平面上に位置していてもよい。
以上述べたように、本発明によれば、ボートの温度管理が容易であるとともにボートの製作を複雑化することなく、溶解した蒸発材料の濡れ広がりによる電極取付部への付着を規制できる。これにより、蒸発材料の突沸やスプラッシュの原因をなくし、成膜層中のピンホールの発生を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態による蒸着用ボートを備えた巻取式真空蒸着装置5の概略構成図である。図示しない真空ポンプに接続された真空チャンバ6の内部には、原料フィルムFを連続的に巻き出す巻出しローラ(巻出し部)7と、この巻出しローラ7から巻き出された原料フィルムFを巻き取る巻取りローラ8と、原料フィルムFを冷却するキャンローラ9と、原料フィルムFに蒸着される蒸発材料の蒸発源10とを備えている。
原料フィルムFは、本発明に係る「被成膜基材」に対応し、本実施の形態ではPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の透明な樹脂フィルムが用いられている。この原料フィルムFに形成される膜は、後述する蒸発源10から蒸発するアルミニウム等の金属膜とされている。
キャンローラ9は、巻出しローラ7と巻取りローラ8との間に配置されている。キャンローラ9は例えば金属製で、内部に冷媒が循環できる構造を有し、キャンローラ9に巻き付いた原料フィルムFを所定温度に冷却する。巻出しローラ7とキャンローラ9との間には補助ローラ17A,17Bが配置されており、キャンローラ9と巻取りローラ8との間には補助ローラ18A,18Bが配置されている。
真空チャンバ6の内部には仕切板19が配置されており、巻出しローラ7、巻取りローラ8および補助ローラ17A,17Bおよび補助ローラ18A,18Bが配置される搬送室20Aと、キャンローラ9および蒸発源10が配置される成膜室20Bとに区画されている。原料フィルムFは、仕切板19に形成されたスリット19a,19aを介して搬送室20Aと成膜室20Bとの間を搬送される。なお、搬送室20Aと成膜室20Bとは、図示しない真空ポンプ等により各々独立して真空排気可能とされている。
蒸発源10は、蒸着用ボート11と、これに蒸発材料Mを供給する材料供給ノズル16とで構成されている。蒸着用ボート11は、抵抗加熱体からなるボート本体12と、このボート本体12の両端に形成された電極取付部13と、材料供給ノズル16からワイヤ状の蒸発材料(本例ではアルミニウム)Mの供給を受ける材料受け部としてのキャビティ14とを備えている。
図2A,Bは、蒸着用ボート11の全体構成を示しており、Aは平面図、Bは断面図である。ボート本体2は、タングステン、モリブデン、タンタル、アルミナ、ボロンナイトライド(BN)、チタンボライト(TiB)またはこれらの化合物等からなる高融点金属あるいは高融点セラミック材料で形成されている。ボート本体2は直方形状を有しており、その両端部には電極取付部13,13がそれぞれ設けられている。
電極取付部13,13は、ボート本体12の両端部に金属層を形成することで形成されている。これら電極取付部13,13に図示しない外部電源の各端子部が取り付けられることで、ボート本体12へ所定電流が通電されるようになっている。上記外部電源の各端子部は、電極取付部13,13に対し着脱自在であり、一定のクランプ力で電極取付部13を挟持することで両者間の電気的接続が図れる構成とされている。
ボート本体12の具体的な大きさとしては、(長さ)×(幅)×(厚さ)の各寸法が、150×30×10あるいは130×30×10、材質はBN+TiB+AlN(抵抗1300〜3000μΩ・cm)、抵抗加熱温度は1350〜1400℃とされている。なお勿論、ボート本体12の仕様は上記に限られない。
キャビティ14は、ボート本体12の表面略中央部に形成されており、図2Aに示すようにその平面形状は、長軸方向をボート本体の長手方向に一致させた長楕円形状となっている。図1に示したように、キャビティ14の一側方部の直上には材料供給ノズル16が設置され、この材料供給ノズル16からキャビティ14内にワイヤー状の蒸発材料Mが連続的または間欠的に供給されるようになっている。なお、キャビティ14の形状は長楕円形状に限定されず、長方形状等の場合もある。
なお、本実施の形態では蒸発材料Mとしてアルミニウムが用いられているが、用途に応じて、金、銀、金−錫合金等の他の蒸発金属も適用可能である。
ここで、図3Aは従来の構造の蒸着用ボート1(ボート本体2)の構成における蒸発材料Mの這い上がりの様子を模式的に示している。ボート本体2上で加熱されて溶解した蒸発材料Mは、キャビティ4を這い上がり、電極接続部3に向かって流動する。このとき、ボート表面に蒸発材料Mの流動を阻止する手段がないと、蒸発材料Mが電極取付部3に到達する。電極取付部3の近傍は冷却されて低温となっているので、電極取付部3に到達した蒸発材料Mは凝固し、突沸やスプラッシュの原因となる。また、凝固した蒸発材料を原因としてボート表面で電流が電気的に短絡し、ボートの温度管理が不可能となる。
そこで本実施の形態の蒸着用ボート11においては、ボート本体12の表面であって、電極取付部13とキャビティ14との間の領域に、複数の溝部15を形成している。これら複数の溝部15は、キャビティ14から電極取付部13へ向かう方向と交差(本例では直交)する方向すなわちボート本体12の幅(短辺)方向に、互いに平行に延在している。
これら複数の溝部15をキャビティ14と電極取付部13との間のボート表面に形成することによって、図3Bに示すように、キャビティ14から這い上がった溶解した蒸発材料Mが、電極取付部13に向かうのを阻止される。従って、溝部13の形成長、形成幅、形成深さ、形成ピッチ等を適宜調整することにより、溶解した蒸発材料Mの流動を当該溝部15で堰き止め、かつ蒸発材料Mの流動量を段階的に低減して、蒸発材料Mが電極取付部13へ到達するのを規制することができるようになる。また、ボート表面上における蒸発材料Mの溶解による広がり分布を容易に制御できるようになる。
溝部15の形成数、形成長さ、形成ピッチ、形成幅、形成深さ等は、ボート本体12の大きさや表面性状、供給される蒸発材料Mの種類(溶解時の粘性等)、供給量等に応じて適宜設定することができる。好適には、溝部15の形成領域にボート本体12の所定以上の温度差(蒸気化率が変動する温度差)が生じない程度の大きさあるいは範囲において、溝部15が形成される。
一例を挙げると、キャビティ14の端部と電極取付部13との間の間隔を5〜20mmとしたときに、この範囲に溝部15を複数本形成されるように溝幅が0.1〜1mm、形成ピッチが0.5〜数mm、溝深さが0.1〜1mmとなるように、溝部15が複数形成される。
なお、溝部15の形成長は、図2Aに示したように、ボート本体12の幅方向(短辺方向)全域にわたって形成する場合に限らず、図4に示す蒸着ボートの構成例のように、溝部15をボート本体12の幅寸法よりも短く形成してもよい。この場合、溝部15の端部をボート本体12の幅方向両端から例えば1〜3mm程度離して形成することができる。
溝部の形成は、例えばボート表面への切削加工が適用でき、これによりボート製作の複雑化が回避される。なお、溝部の形成方法としては他に、エッチング加工、レーザー加工等が適用可能である。また、ボート表面に異種材料層を形成して蒸発材料の流動を規制する構成ではないので、ボートの長寿命化を図ることが可能となる。また、ボートの温度管理も容易であるので、蒸発材料の蒸気化率の変動を抑えることができる。
一方、図5に示す蒸着用ボートのように、溝部15をキャビティ14の形成領域内にも更に形成してもよい。この場合、溶解した蒸発材料Mのキャビティ14からの這い上がり自体を規制することができる点で一層効果的であると同時に、キャビティ14内における蒸発材料Mの広がり分布を制御できる点で有利である。
更に、図6に示す蒸着用ボートの構成は、ボート表面の略中央部の所定領域に、凹状のキャビティに代えて、ボート本体12の表面と同一平面上に位置する材料受け部21を設けた例を示している。上述したように、材料受け部の形成領域内に溝部15を形成することでその周囲への溶解した蒸発材料の広がりを規制できるので、当該材料受け部21を凹状に形成することなく、安定して蒸発材料の存在領域を制御して安定した蒸発作用を行わせることが可能となる。
以上のように構成される本実施の形態の真空蒸着装置5において、巻出しローラ7から連続的に繰り出された原料フィルムFは、キャンローラ9上で蒸発源10から蒸発したアルミニウムが蒸着することで連続的に成膜された後、巻取りローラ8で巻き取られる。蒸発源10においては、蒸着用ボート11の電極取付部13,13間に電流が供給されることでボート本体12が抵抗加熱により所定温度に加熱されており、材料供給ノズル16からワイヤー状の蒸発材料M(アルミニウム)が蒸着用ボート11へ逐次供給されることで、蒸発材料Mが連続的に溶解され蒸発する。
本実施の形態によれば、蒸発源10を構成する蒸着用ボート11において、蒸発材料Mの安定した蒸発作用を継続して行うことが可能となり、原料フィルムFに対する高品質のアルミニウム膜の連続成膜が可能となる。
特に本実施の形態によれば、ボート本体12の表面に複数の溝部15を形成することにより、電極取付部13側への蒸発材料の流動を規制できるので、蒸発材料Mの突沸やスプラッシュを抑制して、蒸発材料Mの安定した蒸発作用を確保することができる。これにより、原料フィルムF上の成膜層へのピンホールの発生頻度を従来よりも著しく低減でき、膜質の均一化、高品位化を図ることができる。
本発明者らの実験によれば、従来の蒸着用ボートで成膜を行った場合、1平方メートル当たり6個のピンホールが発生したが、本発明のように蒸着用ボート表面に溝部15を形成した場合、ピンホールの発生個数を1平方メートル当たり2.5個以下にまで低減できたことが確認されている。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の実施の形態では、巻取式真空蒸着装置を例に挙げて説明したが、これに限らず、被成膜基材が真空チャンバ内に静止して配置された真空蒸着装置にも本発明は適用可能である。したがって、被成膜基材としては、ロール状の原料フィルムに限らず、半導体ウェーハやガラス基板等にも適用することができる。
また、蒸着用ボートを構成するボート本体12をタングステンやボロンナイトライド等の単一材料で形成する例に限らない。例えば、ボート本体をボロンナイトライドで形成するとともに、その表面にタングステン層を形成したものも適用可能である。この例の場合では、蒸発材料にアルミニウムを用いた場合、ボート表面での濡れ広がり性が高められるので、蒸着面積を広くとることが可能となり、特に蒸発材料の供給開始時の処理操作が容易になるという利点もある。
本発明の実施の形態による真空蒸着装置5の概略構成図である。 本発明の実施の形態による蒸着用ボート11の構成の一例を示す図であり、Aは平面図、Bは側断面図である。 蒸着用ボート11の一作用を説明する要部平面図であり、Aは従来例の場合を示し、Bは本発明の実施形態の場合を示している。 本発明の実施の形態による蒸着用ボートの他の構成例を示す平面図である。 本発明の実施の形態による蒸着用ボートの他の構成例を示す平面図である。 本発明の実施の形態による蒸着用ボートの更に他の構成例を示す図であり、Aは平面図、Bは側断面図である。 従来例の真空蒸着用ボートの構成を示す図であり、Aは平面図、Bは側断面図である。 従来技術の問題点を説明する蒸着用ボートの平面図である。
符号の説明
5 巻取式真空蒸着装置
6 真空チャンバ
7 巻出しローラ
8 巻取りローラ
9 キャンローラ
10 蒸発源
11 蒸着用ボート
12 ボート本体
13 電極取付部
14 キャビティ(材料受け部)
15 溝部
16 材料供給ノズル
17A,17B,18A,18B 補助ローラ
19 仕切板
20A 搬送室
20B 成膜室
21 材料受け部
F 原料フィルム
M 蒸発材料

Claims (6)

  1. 抵抗加熱体からなるボート本体と、このボート本体の両端部に各々設けられた電極取付部と、前記ボート本体の表面略中央に位置しており蒸発材料の供給を受ける材料受け部とを備えた蒸着用ボートにおいて、
    前記ボート本体の表面であって、前記材料受け部と前記電極取付部との間の領域には、前記材料受け部から前記電極取付部へ向かう方向と交差する方向に延在する複数の溝部が形成されていることを特徴とする蒸着用ボート。
  2. 前記ボート本体は直方形状を有し、その長辺方向の両端部に前記電極取付部が各々設けられているとともに、
    前記複数の溝部は、前記ボート本体の短辺方向にそれぞれ平行に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸着用ボート。
  3. 前記複数の溝部は更に、前記材料受け部の形成領域内に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸着用ボート。
  4. 前記材料受け部は、前記ボート本体の表面と同一平面上に位置していることを特徴とする請求項3に記載の蒸着用ボート。
  5. 真空チャンバの内部に、被成膜基材と、この被成膜基材に対向配置され前記被成膜基材上に蒸発材料を蒸着させる蒸着用ボートとを備えた真空蒸着装置において、
    前記蒸着用ボートは、抵抗加熱体からなるボート本体と、このボート本体の両端部に各々設けられた電極取付部と、前記ボート本体の表面略中央に位置しており蒸発材料の供給を受ける材料受け部とを備え、
    前記ボート本体の表面であって、前記材料受け部と前記電極取付部との間の領域には、前記材料受け部から前記電極取付部へ向かう方向と交差する方向に延在する複数の溝部が形成されていることを特徴とする真空蒸着装置。
  6. 前記真空チャンバの内部には、前記被処理基材として原料フィルムを連続的に巻き出す巻出し部と、この巻出し部から巻き出された原料フィルムを巻き取る巻取り部と、前記巻出し部と前記巻取り部との間に配置され前記原料フィルムを冷却するキャンローラとが設置され、前記蒸着用ボートは、前記キャンローラに対向配置されていることを特徴とする請求項5に記載の真空蒸着装置。


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