JP2005291200A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】機関停止時に始動時タイミングとなるように可変バルブタイミングを制御すると共にこのときの操作量を停止時操作量Ueとして記憶する。機関始動時には、記憶した停止時操作量Ueを基本始動時操作量Us0として設定すると共に(S23)、始動時タイミングと現在の開閉タイミングとの偏差に基づいてフィードバック操作量Uを算出し(S24〜26)、これらを加算した始動時操作量Us(=Us0+U)を可変バルブタイミング機構に出力する(S27、S28)。
【選択図】図14
Description
このため、オイルポンプの吐出圧の低い機関始動時では、最遅角タイミングから始動時タイミングに到達するまでの遅れが生じ、始動時タイミングに到達する前に燃料噴射・点火が行われて(初爆が生じて)しまう可能性があり、エミッションの悪化や燃焼の不安定を招くことおそれがあった。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、機関始動時に吸気バルブ又は排気バルブのバルブタイミングを機関の始動に適した始動時タイミングに設定する構成において、機関始動時におけるエミッションの悪化や燃焼の不安定を効果的に防止することを目的とする。
このようにすると、例えば、機関停止中において可変バルブタイミング機構がその直前に制御された開閉タイミングを保持するような場合には、機関始動時に特別な制御を必要とすることなく、常に機関の始動に適した始動時タイミング(あるいは、その近傍)にて機関始動を行えることになり、エミッションの悪化や燃焼の不安定を確実に防止できる。また、機関停止中においては開閉タイミングが最遅角タイミングとなるような場合(すなわち、停止直前の開閉タイミングを保持できない場合)であっても、機関始動時に、例えば前回の機関停止時に開閉タイミングを始動時タイミングへと制御した際の操作量に基づいて可変バルブタイミング機構を制御できるので、始動時タイミングへの応答性を向上させることができ、エミッションの悪化や燃焼の不安定を確実に防止できる。
このようにすると、前記開閉タイミングが始動時タイミングに収束した状態での操作量(停止時操作量)を考慮して始動時操作量が設定できるので、機関始動時に、機関停止中の最遅角タイミングから始動時タイミング(あるいは、その近傍)へと応答よく制御することができ、エミッションの悪化や燃焼の不安定を防止することができる。
このようにすると、例えば、機関温度(冷却水温度)ごとに、前記開閉タイミングを最遅角タイミングから始動時タイミングへと制御するのに適当な操作量を求めておき、そのときの機関温度に応じて操作量を選択してこれをフィードフォワードで可変バルブタイミング機構に与えることが(出力)できるので、複雑な構成(制御)の追加を必要とすることなく、機関停止中の最遅角タイミングから始動時タイミング(あるいは、その近傍)へと応答よく制御することができる。
前記吸気バルブ105及び排気バルブ107は、それぞれ吸気側カムシャフト134、排気側カムシャフト110に設けられたカムによって開閉駆動されるが、吸気側カムシャフト134には、可変バルブタイミング機構(VTC)113が設けられている。
なお、本実施形態では吸気バルブ105側のみにVTC113を備える構成としたが、吸気バルブ105側に代えて又は吸気バルブ105側と共に、排気バルブ107側にVTC113を備える構成であっても良い。
マイクロコンピュータを内蔵するECU114には、各種センサからの出力信号が入力され、該信号に基づく演算処理によって、前記電子制御スロットル104、VTC113及び燃料噴射弁131等を制御する。
各突起部309には、三つのリンク311の基端がピン312によって回転可能に連結される。前記各リンク311の先端には、前記各径方向溝308に摺動自由に係合する円柱状の突出部313が一体に形成されている。
また、各リンク311の先端部には、軸方向前方側に開口する収容穴314が形成されている。この収容穴314には、後述する渦巻き溝315(渦巻き状ガイド)に係合する球面突起316aを有する係合ピン316(転動部材)と、この係合ピン316を前方側(渦巻き溝315側)に付勢するコイルばね317とが収容されている。
この中間回転体318の後方側(カムシャフト134側)には、断面半円状の前述の渦巻き溝315が形成され、この渦巻き溝315に、前記各リンク311の先端の係合ピン316が転動自在に係合されている。
従って、各リンク311の先端の係合ピン316が渦巻き溝315に係合した状態において、中間回転体318がタイミングスプロケット302に対して遅れ方向に相対回転すると、各リンク311の先端部は、径方向溝308に案内されつつ、渦巻き溝315の渦巻き形状に誘導されて半径方向内側に移動する。逆に、中間回転体318が進み方向に相対変位すると、半径方向外側に移動する。
そして、前記操作力付与手段305から中間回転体318に対して回動操作力が入力されると、渦巻き溝315と係合ピン316との係合部を通して、リンク311の先端を径方向に変位させ、リンク311と突起部309との作用によって、タイミングスプロケット302と従動軸部材307(従って、カムシャフト134)との組付角を変化させる回動力として伝達する。
ヒステリシスブレーキ320は、中間回転体318の前端部にリテーナプレート322を介して取り付けられた有底円筒状のヒステリシスリング323と、非回転部材である図外のVTCカバーに回転を規制した状態で取り付けられた磁界制御手段としての電磁コイル324と、電磁コイル324の磁気を誘導する磁気誘導部材であるコイルヨーク325と、を備える。そして、ECU114が、内燃機関101の運転状態に応じて前記電磁コイル324への通電を制御する。具体的には、ECU114は、電磁コイル324に対する通電量を、ディザ信号が重畳されたデューティ制御信号に基づいて制御する。
コイルヨーク325は、電磁コイル324を取り囲むように全体が略円筒形状に形成され、その外周面が図外のシリンダヘッドに固定されている。また、コイルヨーク325の内周面は、軸受328を介して従動軸部材307の先端部に回転可能に支持されている。
コイルヨーク325の両対向面326、327には、図4に示すように、夫々円周方向に沿って複数の凹凸が連続して形成され、これらの凹凸のうち凸部326a、327aが磁極(磁界発生部)を構成している。
従って、両対向面326、327の近接する凸部326a、327a間には、電磁コイル24の励磁によって円周方向に傾きをもった向きの磁界が発生する(図7参照)。なお、前記ヒステリシスリング323の円筒部(壁)323aは、両対向面326、327間の隙間に非接触状態で介装されている。
図8(a)の状態においては、コイルヨーク325の両対向面326、327間における磁界の向き(対向面327の凸部327aから他方の対向面326の凸部326aに向かう磁界の向き)に沿うようにヒステリシスリング323内に磁束の流れが生じる。
本実施形態に係るVTC113は以上のような構成となっており、機関回転中(例えば、停止前のアイドル運転中)にヒステリシスブレーキ320の電磁コイル324の励磁がオフされると、ゼンマイばね319の力によって中間回転体318がタイミングスプロケット302に対して機関回転方向に最大に回転される(図3参照)。これにより、クランクシャフト120に対するカムシャフト134の回転位相はバルブタイミングが最も遅れる最遅角側(吸気バルブ105のバルブタイミングは最遅角タイミング)に維持される。
回転体401は直接又は他の部材を介して間接的にカムシャフト134に固定されており、その外周は、図10に示すように、カムシャフト134の中心からの距離が周方向で徐々に変化するよう形成されている。ギャップセンサ402は、カムシャフト134と回転に伴って変化する回転体401の外周とのギャップGpに応じた信号(電圧)をECU114に出力する。なお、回転体401は、吸気側カムシャフト134と共に回転するように設けられていれば、その固定方法や固定位置等は問わず、また、ギャップセンサ402は、回転体401の外周とのギャップGpに応じた信号を連続的に出力できればその方式は問わない。
このように、2つの回転位相検出手段を備えることにより、例えば、高回転時には前記第1回転位相検出手段により安定かつ正確にクランクシャフト120に対する吸気側カムシャフト134の回転位相を検出すると共に、バルブタイミング制御等の実行周期よりも第1回転位相検出手段による回転位相の検出周期の方が長くなる低回転時には、前記第2回転位相検出手段により前記回転位相を検出することで、制御性の悪化を防止できる。
このため、ECU114は、機関のクランキング時、つまり、キースイッチ(イグニッションスイッチ)の操作によって始動モータがONされているときに、前記第2回転位相検出手段により実バルブタイミング(実回転位相)を検出し、この実バルブタイミングを始動時タイミングに一致させるようヒステリシスブレーキ320の電磁コイル324の通電を制御する。
S11では、前記始動時タイミング(始動時回転位相)θsを目標バルブタイミング(目標回転位相)θtgに設定する(θtg←θs)。
S13では、例えば、前記目標回転位相θtgと前記実回転位相θdetとの偏差Erに基づいて、次式によりVTC113のフィードバック操作量(電磁コイル324の通電量)Uを算出し、このフィードバック操作量Uに基づくデューティ制御信号を出力する。
Up=Gp*Er
Ui=Gi*Er*Ts+Uiz
Ud=Gd*(Er−Erz)/Ts
ただし、Up:比例操作量(比例項)、Ui:積分操作量(積分項)、Ud:微分操作量(微分項)、Gp:比例ゲイン、Gi:積分ゲイン、Gd:微分ゲイン、Ts:制御周期、Uiz:積分操作量の前回値、Erz:偏差の前回値、である。
S15では、出力中の、すなわち、実回転位相θdetが目標回転位相θtgに収束している状態におけるフィードバック操作量Uを停止時操作量Ueとして記憶する(Ue←U)。
図14は、機関始動時のバルブタイミング制御(始動時バルブタイミング制御)のフローチャートである。このフローは、機関の始動要求を検出したときに(例えば、始動モータがONされると)開始され、所定時間毎に実行される。
S23では、前回の停止時に記憶した停止時操作量Ueを読み出して、機関の始動要求を検出したときに出力する基本始動時操作量Us0に設定する(Us0←Ue)。なお、この基本始動時操作量Us0は、始動時の機関温度(冷却水温度Tw)に応じて補正して設定されるのが望ましい。電磁コイル324のコイル電流値はコイル温度によって変化(コイル温度が高いほどコイル電流が減少)し、カムトルクも作動油温度によって変化するからである。かかる水温補正は、例えば、あらかじめ設定したテーブル検索等により、始動時の冷却水温度Twに基づいて水温補正係数を求め、この水温補正係数を始動時操作量Us0に乗算することにより行う。
S28では、算出した始動時操作量Usに基づくデューティ制御信号を電磁コイル324に出力する。その際、バッテリ電圧Vbに基づく補正を行うのが望ましい。クランキング中は始動モータを駆動するために大きな電力消費を伴い、他の状態に比べてバッテリ電圧Vbが低下してしまうためである。かかるバッテリ電圧補正は、簡易には、例えば次式のようにして行う。
そして、S29において、基本始動時操作量Us0をリセットして(Us0=0として)本フローを終了する。
これにより、機関の始動要求を検出したときは、前回の機関停止時にバルブタイミングが始動時タイミングに収束したときの操作量(停止時操作量Ue)がフィードフォワード操作量としての基本始動時操作量Us0に設定され、この基本始動時操作量Us0とフィードバック操作量Uとを加算した始動時操作量Usによって、直ちにVTC113が駆動されることになる(その後は、引き続きフィードバック制御が行われる)。その際、上記機関停止時の制御により、バルブタイミングは始動時タイミング近傍となっているから、速やかに始動時バルブタイミングへと制御することができる。
キースイッチがOFFされると、目標バルブタイミング(破線)が始動時バルブタイミングに設定される(時刻t1)。これにより、実バルブタイミング(実線)が始動時バルブタイミングに一致するようにVTC113が制御される。そして、実バルブタイミングが始動時バルブタイミングに一致(収束)したときのVTC113の操作量を記憶し(時刻t2)、その後、機関は停止する(時刻t3)。ここで、機関が停止したことを確認した後にVTC113へのフィードバック操作量の出力を停止するため、VTC113は、機関停止中もそのまま始動時バルブタイミングを保持することになる。
さらに、本実施形態におけるVTC113は、機関停止中は停止直前のバルブタイミングが保持される構成のものを用いているが、機関停止中に停止直前のバルブタイミングが保持されない構成(例えば、アクチュエータへの通電が停止されると、バルブタイミングが最遅角タイミングとなってしまう構成のものに適用してもよい。この場合であっても、機関始動と共に、少なくとも停止時操作量UeがVTC113に出力されることになるから、従来に比べて、始動時バルブタイミングへの収束を早めることができる。
S31、S32及びS34〜S40までは、前記図14のS21、S22及びS24〜S30までと同じであるので、ここでの説明は省略する。
S33では、始動時の冷却水温度Twに基づいて、あらかじめ設定したテーブル(図17参照)を検索して、基本始動時操作量Us0を設定する。基本始動時操作量Us0を冷却水温度Twに応じて設定するようにしたのは、前記水温補正(図14のS23参照)を行うのと同様の理由による。
以上のように、本実施形態では、機関始動時にそのときの状態(冷却水温度Tw等)に応じて始動時操作量Usをフィードフォワード操作量として設定し、このフィードフォワード操作量Usとフィードバック操作量Uを加算してVTC113に出力する。あるいは、始動時操作量Usを先に出力し、その後、通常のバルブタイミングと同様に、バルブタイミングが始動時タイミングに一致するようフィードバック制御を実行する。
本実施形態も、上記第1実施形態と同様に、機関停止中に停止直前のバルブタイミングが保持されない構成のものに適用してもよい。この場合においては、テーブル検索によって基本始動時操作量Us0を設定するので、機関停止時(直前)にバルブタイミングを始動時タイミングに制御する必要はない。
なお、この第2VTC213も、ゼンマイばねの力とヒステリシスブレーキの制動力とによって位相を変更・保持するものであり、上述した第1VTC113と同一又は類似する構成要素を有しているが、便宜上、全構成について説明する。なお、第1VTC113では各構成要素の符号として300番台を用いるのに対して、第2VTC213では500番台を用いる。
まず、第2VTC213では、操作力付与手段505が組付角操作機構504のカムシャフト134側に配置されていることである。従って、第2VTC213の組付角操作機構504及び操作力付与手段505の構成要素の配置は、VTC113の組付角操作機構304及び操作力付与手段305の構成要素の配置と、図で見て左右逆転している(もちろん、この相違に伴う変更等もある)。
前記従動軸部材507には、フランジ507aが一体に設けられている。
前記タイミングスプロケット502は、前記タイミングチェーンが噛み合う歯車部503が形成された大径の円筒部502aと、小径の円筒部502bと、前記円筒部502aと円筒部502bとの間を連結する円板部502cとから構成される。
前記円板部502cの円筒部502b側の面には、図19〜図21(図18のA−A断面に相当する)に示すように、三つ溝508がタイミングスプロケット502の半径方向に沿って放射状に形成されている。
各突起部509には、3つのリンク511の基端がそれぞれピン512によって回転可能に連結される。
前記各リンク511の先端には、前記各溝508に摺動自在に係合する円柱状の突出部513が一体に形成されている。
また、前記各リンク511の突出部513には、カムシャフト134側に向けて開口する収容穴514が形成される。
一方、前記突起部509よりもカムシャフト134側の従動軸部材507には、円板状の中間回転体518が軸受529を介して回転自在に支持されている。
前記渦巻き溝515は、タイミングスプロケット502の回転方向に沿って次第に縮径するように形成されている。
従って、各係合ピン516が渦巻き溝515に係合した状態において、中間回転体518がタイミングスプロケット502に対して遅れ方向に相対変位すると、各リンク511の先端部は、溝508に案内されつつ渦巻き溝515に誘導されて半径方向内側に向けて移動する。
前記組付角操作手段504は、前記タイミングスプロケット502の溝508、リンク511、突出部513、係合ピン516、中間回転体518、渦巻き溝515等によって構成されている。
前記操作力付与手段505は、中間回転体518をタイミングスプロケット502の回転方向に付勢するゼンマイばね519と、中間回転体518をタイミングスプロケット502の回転方向とは逆方向に回動させる制動力を発生するヒステリシスブレーキ520とを備える。
前記ゼンマイばね519は、図22に示すように、前記タイミングスプロケット502の円筒部502a内に配置され、その外周端部519aが円筒部502aの内周に係合され、内周端部519bが中間回転体518の基部518aの係合溝518bに係合されている。
前記ヒステリシスリング523は、前記中間回転体518の後端部に対して、リテーナプレート522、及び、該リテーナプレート522の後端面に一体に設けられた突起522aを介して取り付けられる。
前記ヒステリシスリング523は、円筒部523aと、この円筒部523aがビス523cによって結合される円板状の基部523bとから構成される。
前記基部523aは、円周方向の等間隔位置に設けられたブッシュ521内に前記各突起522aが圧入されることによって、リテーナプレート522に対して結合されるようになっている。
前記コイルヨーク525は、電磁コイル524を取り囲むように形成され、外周面が図外のシリンダヘッドに固定されている。
そして、前記コイルヨーク525の中間回転体518側には、環状の隙間を介して向かい合う一対の対向面526、527が形成されている。
そして、一方の対向面526の凸部526aと他方の対向面527の凸部527aとは円周方向に交互に配置され、対向面526、527相互の近接する凸部526a、527aがすべて円周方向にずれている。
そして、両対向面526、527間の隙間には、前記ヒステリシスリング523の円筒部523aが非接触状態で介装されている。
前記磁界発生機構は、前記従動軸部材507のフランジ507aの前端側に固定された非磁性材からなるマグネットベース533と、該マグネットベース533の先端部に形成された溝533a内に収容され、ピン533cによって固定される永久磁石534と、前記タイミングスプロケット502の円筒部502bの先端縁に固定されたセンサベース535と、該センサベース535の前端面に円筒状のヨークホルダー536を介して固定された第1、2ヨーク部材537、538とを備えている。なお、前記マグネットベース533の外周面と前記センサベース535の内周面との間には、センサ機構へのゴミなどの侵入を防止するシール部材551が介装されている。
前記永久磁石534は、溝533aの形状に対応するよう小判型に形成されており、その上端部中央と下端部中央とが、それぞれN極とS極の中心に設定されている。
前記素子ホルダー540は、前記VTCカバー532の内側に配置され、圧入等により固定されるボールベアリング539を介して前記ヨークホルダー536の前端部を回転自在に支持する。また、図23に示すように、円周方向等間隔に3つの突起部540aが一体に設けられていると共に、該各突起部540aに穿設された固定用孔にピン546の一端がそれぞれ圧入固定されている。
VTCカバー532の内部側には、円周方向に等間隔で三つの孔532aが形成されており、各孔532aの内部にゴムブッシュ547がそれぞれ固定される。各ゴムブッシュ547の中央に穿設された孔には、前記ピン546の他端部が挿通され、これにより、素子ホルダー540を前記VTCカバー532に支持する。なお、VTCカバー532には、前記各保持孔506aの外側開口を閉塞する栓体548が螺着されている。
前記保護部材544は、前記第4ヨーク部材542の円柱状突起542cの外周に嵌着される。
前記ホール素子545は、前記第3ヨーク541と第4ヨーク542の突起542cとの間に保持され、そのリード線545aは、前記ECU114に接続されている。
図25に示すように、前記カムシャフト134とタイミングスプロケット502との相対回転位相が変化して、前記永久磁石534が、例えば角度θだけ回転すると、N極の中心Pから出力された磁界Zは、第1ヨーク部材537の扇状ヨーク部537bに伝達され、中央ヨーク部537cに伝達され、更に、エアギャップGを介して第3ヨーク部材541を経てホール素子545に伝達される。
前記永久磁石534の回転角度θの連続的な変化によって前記磁界Zの磁束密度が連続的に変化することから、この磁束密度の連続的な変化を前記ホール素子545が検出してその電圧変化を前記ECU114に出力する。
このように、第2VTC213では、永久磁石534の回転角度の変化による磁束密度の変化を検出するホール素子545が前記第2回転位相検出手段に相当することになる。
なお、以上説明した実施形態では、吸気バルブ105にVTC113、213を備えたものについて説明しているが、排気バルブ107側に備えた場合であっても同様である。
また、クランクシャフト120に対する吸気側カムシャフト134の回転位相を任意のタイミングで検出できれば上述したものに限るものではなく、また、少なくとも吸気側カムシャフト134の回転周期よりも短い周期で回転位相を検出できるものであればよい。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する
(イ)請求項2記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記始動時操作量は、前記記憶した停止時操作量に、前記始動時タイミングと実際の開閉タイミングとの偏差に基づくフィードバック操作量を加算して算出されることを特徴とする。
(ロ)請求項3記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記始動時操作量は、機関温度に応じてあらかじめ設定される操作量に、前記始動時タイミングと実際の開閉タイミングとの偏差に基づくフィードバック操作量を加算して算出されることを特徴とする。
(ハ)請求項1又は請求項2記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記開閉タイミングを任意のタイミングで検出可能な開閉タイミング検出手段を備え、
前記開閉タイミング検出手段により検出した開閉タイミングに基づいて前記可変バルブタイミング機構を制御することを特徴とする。
(ニ)上記(ハ)記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記可変バルブタイミング機構は、機関のクランクシャフトに対する吸気バルブ又は排気バルブのカムシャフトの回転位相を変化させることで前記開閉タイミングを変化させる構成であり、
前記開閉タイミング検出手段は、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対変位角を連続的に検出することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
(ホ)上記(ニ)記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記開閉タイミング検出手段は、
前記クランクシャフト又は前記カムシャフトの一方に設けられる永久磁石と、
前記クランクシャフト又は前記カムシャフトの他方に設けられ、前記クランクシャフトと前記カムシャフトの相対回転に応じて前記永久磁石の磁極中心からの磁界の磁束密度が変化するように形成されたヨーク部材と、を有し、
前記磁束密度の変化に基づいて前記回転位相を検出することを特徴とする。
(ヘ)上記(ホ)記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記磁束密度の変化をホール素子によって検出することを特徴とする。
(ト)上記(ニ)記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記開閉タイミング検出手段は、
前記クランクシャフトの回転位置(角度)を検出する第1の回転位置検出手段(クランク角センサ)と、
前記カムシャフトの回転位置(角度)を任意のタイミングで検出できる第2の回転位置検出手段(回転体、ギャップセンサ)と、を有し、
前記第1の回転位置検出手段及び前記第2の回転位置検出手段の出力信号に基づいて、前記クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を検出することを特徴とする。
前記第2の回転位置検出手段は、
前記カムシャフトと共に回転し、カムシャフトの中心から外周までの距離が周方向で変化する回転体と、
前記回転体の外周に近接して配置され、該回転体の外周との間に形成されるギャップに応じた信号を出力するギャップセンサと、
を備えることを特徴とする。
(リ)請求項1〜3、上記(ハ)〜(チ)のいずれか1つに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記可変バルブタイミング機構が、電磁ブレーキの制動力によって前記開閉タイミングを変化させることを特徴とする。
Claims (3)
- 機関の吸気バルブ又は排気バルブの開閉タイミングを変化させる可変バルブタイミング機構を備え、機関始動時における前記開閉タイミングを、最も遅れる最遅角タイミングよりも進角側の始動時タイミングとする内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
機関停止時に、前記開閉タイミングが前記始動時タイミングとなるように前記可変バルブタイミング機構を制御することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 機関停止直前であって、前記開閉タイミングが前記始動時タイミングに収束した状態における前記可変バルブタイミング機構への出力操作量を停止時操作量として記憶し、
前記記憶した停止時操作量に基づいて、機関始動時に前記可変バルブタイミング機構へ出力する始動時操作量を設定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 機関の吸気バルブ又は排気バルブの開閉タイミングを変化させる可変バルブタイミング機構を備え、機関始動時における前記開閉タイミングを、最も遅れる最遅角タイミングよりも進角側の始動時タイミングとする内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
機関温度に応じてあらかじめ設定される操作量に基づいて、機関始動時に前記可変バルブタイミング機構へ出力する始動時操作量を設定することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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