JP2005263574A - 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内周端面および外周端面を面取り形状とした情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、製造工程数を少なくし、小径のガラス基板であっても高い効率で製造できるようにする。
【解決手段】 面取り形状に対応する断面楔状の2本の突条11a,11b,21a,21bが同心円状にそれぞれ対向して形成された一対の金型1,2を用いて溶融ガラス3をプレス成形し、同心円状に2つの略V字溝41a,42a,41b,42bを両面に有するガラス基板前駆体4を形成する。そして、内側の略V字溝42a,42bで囲まれた中央部43と、外側の略V字溝41a,41bよりも外方の外周部44とをスクライブによって切除する。
【選択図】 図2

Description

本発明は内周端面および外周端面の少なくとも一方を面取り形状とした情報記録媒体用ガラス基板(以下、単に「ガラス基板」と記すことがある)の製造方法に関するものである。
大量の情報を高速に書き込み及び読み出しできる情報記録媒体として、いわゆるハードディスクが用いられている。このハードディスクの基板として、平滑性や硬度などに優れるガラス基板が従来のアルミニウム基板に代わって近年広く使用されるようになってきている。このようなガラス基板の従来の製造工程を図9に示す(例えば特許文献1)。
まず、ガラス素材を溶融し(ガラス溶融工程)、溶融ガラスを下型に流し込み、上型によってプレス成形する(プレス成形工程)。プレス成形工程においては一般に、図10に示すような方法が採用されている。同図(a)〜(c)に示すように、平面形状を有する成形面を備えた上型91および下型92によって、溶融ガラス3を所定厚みにプレス成形する。ここで、ガラス基板の外径を規制するためのリング状外径規制枠を上型・下型間に介設し、成形されるガラス基板前駆体93の外径を規制してもよい。
そしてプレス成形されたガラス基板前駆体93は結晶化またはアニ−ルされ、冷却される(結晶化工程またはアニール工程)。冷却されたガラス基板前駆体93は、必要によりコアドリル等で中心部に孔が開けられる(コアリング工程)。そして、第1ラッピング工程において、ガラス基板の両表面が研削加工され、ガラス基板の全体形状、すなわちガラス基板の平行度、平坦度および厚みが予備調整される。次に、ガラス基板の外周端面および内周端面が研削され面取りされて、ガラス基板の外径寸法および真円度、孔の内径寸法、並びにガラス基板と孔との同心度が微調整された後(内・外径精密加工工程)、ガラス基板の外周端面および内周端面が研磨されて微細なキズ等が除去される(端面研磨加工工程)。次に、ガラス基板の両表面が再び研削加工されて、ガラス基板の平行度、平坦度および厚みが微調整される(第2ラッピング工程)。そしてガラス基板の両表面が研磨加工され、表面の凹凸が均一にされる(ポリッシング工程)。ガラス基板の両表面は必要により粒度の異なる研磨材を用いてさらに研磨加工される(第2ポリッシング工程)。そして最後に、ガラス基板は洗浄および検査され、ハードディスク用のガラス基板として出荷される。
特開2003−63831号公報((0002)〜(0004)段、図6)
このように従来の方法では、例えば内・外周端面の加工に研削と研磨という2工程が必要であり、全体的に製造工程数が多く煩雑で製造効率が悪かった。また、ハードディスク基板を搭載する機器の小型・軽量化に伴って、ガラス基板の小径化が進みつつあるところ、小径のガラス基板を製造するには、例えば中央孔を空けるコアドリルを小径のものにしなければならない等、従来に比べ製造治具が小さくなるため作業が難しくなり、従来の同じ製造工程では製造効率が不可避的に低下する。
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものでり、その目的とするところは、製造工程数を少なくし、小径のガラス基板であっても高い効率で製造できるガラス基板の製造方法を提供することにある。
本発明者等は前記目的を達成するため鋭意検討を重ね、プレス成形によって作製されるガラス基板前駆体の形状を、できるだけ最終形状に近いものにしておけばよいとの着想に基づき本発明をなすに至った。すなわち、外周端面を面取り形状とした情報記録媒体用ガラス基板の製造方法においては、前記面取り形状に対応する断面楔状の突条が周状に対向して形成された一対の金型を用いて、溶融ガラスをプレス成形し、周状の略V字溝を両面に有するガラス基板前駆体を形成する工程と、この略V字溝よりも外側の外周部を切除する工程とを有する構成とする。
また中央孔を有し、内周端面を面取り形状とした情報記録媒体用ガラス基板の製造方法においては、前記面取り形状に対応する断面楔状の突条が周状に対向して形成された一対の金型を用いて、溶融ガラスをプレス成形し、周状の略V字溝を両面に有するガラス基板前駆体を形成する工程と、略V字溝で囲まれた中央部を切除する工程とを有する構成とする。
さらに、中央孔を有し、内周端面および外周端面を面取り形状とした情報記録媒体用ガラス基板の製造方法においては、前記面取り形状に対応する断面楔状の2本の突条が同心円状にそれぞれ対向して形成された一対の金型を用いて溶融ガラスをプレス成形し、同心円状に2つの略V字溝を両面に有するガラス基板前駆体を形成する工程と、内側の略V字溝で囲まれた中央部と、外側の略V字溝よりも外方の外周部とを切除する工程とを有する構成とする。
そしてまた、外周端面を面取り形状とした情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、前記面取り形状に対応する断面楔形の突条が一方の金型に形成された一対の金型を用いて、溶融ガラスをプレス成形し、一方面に周状の略V字溝を有するガラス基板前駆体を形成する工程と、この略V字溝よりも外側の外周部を切除して、外周端面の一方面側を面取り形状とする工程と、面取り形状とされていない側の外周端面を加熱し、面取り形状に対応する成形面を有する金型で押圧し、面取り形状とされていなかった側の外周端面を面取り形状とする工程とを有する構成とする。
また中央孔を有し、内周端面を面取り形状とした情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、前記面取り形状に対応する断面楔形の突条が一方の金型に形成された一対の金型を用いて、溶融ガラスをプレス成形し、一方面に周状の略V字溝を有するガラス基板前駆体を形成する工程と、この略V字溝で囲まれた中央部を切除して、内周端面の一方面側を面取り形状とする工程と、面取り形状とされていない側の内周端面を加熱し、面取り形状に対応する成形面を有する金型で押圧し、面取り形状とされていなかった側の内周端面を面取り形状とする工程とを有する構成とする。
中央孔を有し、内周端面および外周端面を面取り形状とした情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、前記面取り形状に対応する断面楔状の2本の突条が一方の金型に同心円状に形成された一対の金型を用いて、溶融ガラスをプレス成形し、一方面側に同心円状に2つの略V字溝を有するガラス基板前駆体を形成する工程と、面取り形状とされていない側の内周端面および外周端面を加熱し、面取り形状に対応する成形面を有する金型で押圧し、面取り形状とされていなかった側の内周端面および外周端面を面取り形状とする工程とを有する構成とする。
ここで製造効率の向上および製造装置の簡素化の観点から、前記ガラス基板前駆体から前記中央部及び/又は前記外周部を切断するのはスクライブによるのが好ましい。
本発明のガラス基板の製造方法では、面取り形状に対応する断面楔状の突条が周状に対向して形成された一対の金型を用いて、溶融ガラスをプレス成形し、周状の略V字溝を両面に有するガラス基板前駆体を形成した後、略V字溝よりも外側の外周部及び/又は内側の略V字溝で囲まれた中央部を切除する構成としたので、プレス成形によってガラス基板の外周端面及び/又は内周端面を面取り形状とすることができ、これにより従来は必要であったコアリング工程や端面精密加工工程が不要となり生産効率が向上する。
またもう一つの発明のガラス基板の製造方法では、面取り形状に対応する断面楔形の突条が一方の金型に形成された一対の金型を用いて、溶融ガラスをプレス成形し、一方面に周状の略V字溝を有するガラス基板前駆体を形成した後、略V字溝よりも外側の外周部及び/又は内側の略V字溝で囲まれた中央部を切除して、外周端面及び/又は内周端面の一方面側を面取り形状し、その後面取り形状とされていない側の外周端面を加熱し、面取り形状に対応する成形面を有する金型で押圧し、面取り形状とされていなかった側の外周端面及び/又は内周面を面取り形状とするので、前記発明と同様に、従来は必要であったコアリング工程や端面精密加工工程が不要となり生産効率が向上する。
以下、本発明に係るガラス基板の製造方法について図に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
図1は、中央孔を有し、内周端面および外周端面を面取り形状とするガラス基板の製造方法の一例を示す工程図である。まず、ガラス素材を溶融する(ガラス溶融工程)。使用するガラス素材に特に限定はなく、リチウム・アルミノシリケート系ガラスやマグネシウム・アルミノシリケート系ガラス、ホウケイ酸系ガラスなどのガラス素材を、得ようとするガラス基板の所望の形態(結晶化ガラスまたは非晶質ガラス)に応じて適宜選択して用いればよい。
次に、一定量の溶融ガラスを下型に滴下あるいは流し込み、溶融ガラスを上型で押圧してプレス成形する(プレス成形工程)。ここで図2に示すように下型2には、円形の凹部21が形成され、凹部21の底面には断面楔状の2本の突条21a,21bが同心円状に形成されている。一方上型1は、下型2の円形凹部21に嵌合し得る形状を有し、下型2の突条21a,21bに対向する位置に、同様の突条11a,11bが形成されている。溶融ガラス3は、このような下型2と上型1とでプレス成形されることによって、同心円状の2つのV字溝41a,41b,42a,42bが両面に形成されたガラス基板前駆体4に成形される。以下、このガラス基板前駆体4におけるV字溝42a,42bで囲まれた部分を中央部43、V字溝41a,41bよりも外側を外周部44、V字溝41aとV字溝42aとで挟まれた部分を本体部45という。
後述するように、上下型に形成する突条の形状は、そのままガラス基板端面の面取り形状に対応するので、図2に示す斜面角度θは30〜60°の範囲が好ましく、その高さhはガラス基板の厚さに対して1/4〜1/3の範囲が好ましい。
プレス成形条件としては、従来の製造方法における成形条件と同様の成形条件を採用することができ、例えばプレス圧は20〜100kg/cm2、プレス時間は0.3〜2.0secの範囲が推奨される。なお、本発明で用いるプレス成形はダイレクトプレスの他、再加熱プレスであってももちろん構わない。
そして次に、図1に示すように、プレス成形されたガラス基板前駆体を結晶化処理またはアニール処理する。結晶化処理及びアニール処理のいずれを行うかは、得ようとするガラス基板の形態(結晶質または非晶質)に依存する。すなわち結晶性ガラス基板を得たい場合には結晶化処理を行い、非晶質ガラス基板を得たい場合にはアニール処理を行う。
結晶化処理およびアニール処理の方法は、従来の製造方法における結晶化処理およびアニール処理の方法と同様の方法を用いることができる。例えば結晶化処理を行う場合には通常、(ガラス転移点Tg+50℃)〜(Tg+300℃)までガラス基板前駆体を加熱した後、一定温度を保持する、あるいは温度制御しながらTg付近まで徐冷し、それ以降は放冷する。ここで加熱温度や保持時間、Tgまでの冷却速度などを適宜選択することによって、熱膨張率やヤング率、結晶化度などのガラス基板の諸物性を調整できる。一方、アニール処理を行う場合には通常、Tg付近で一定時間保持後、歪点まで比較的遅い冷却速度で冷却し、その後比較的速い冷却速度で冷却する。
次に、ダイヤモンドカッタ等を用いてV字溝に従って切り目を入れた後、中央部と外周部とに衝撃体によって衝撃を与えて、中央部と外周部とを本体部から切断・除去する(図1の内外径スクライブ工程)。中央部と外周部とを切断・除去する方法として、レーザ切断法やウォータジェット切断法などを用いても構わないが、これらの切断法では周状のV字溝に忠実に従って切断することが難しく、また装置が高価であること等から、上記の切り目を入れて切断する方法が推奨される。
図3に示すように、ダイヤモンドカッタCによって中央部43と外周部44とが切断・除去された後の本体部45の内周端面および外周端面は、V字溝の一方の斜面によって面取り形状となっている。金型成形による成形体の寸法精度は高く、また金型の表面性状が成形体の表面に転写されるので、上記のように成形によって面取り形状が形成されていると、研磨した場合と同程度以上の性状が得られる。したがって、従来は必要であった内外径精密加工工程および端面研磨加工工程(図9に図示)を、本件発明の製造方法では省略することができ生産効率が格段に向上する。
図1に戻って、内外径スクライブによって本体部45のみとなったガラス基板前駆体4’に対して第1ラッピング処理が行われる。この第1ラッピング処理では、ガラス基板前駆体4’の両面が研磨されて所定の平行度、平坦度、厚みに予備調整される。ラッピング処理条件に特に限定はなく、従来公知の製造方法における処理条件をここでも採用できる。研磨材としては粒度が#600〜#2000の範囲、好ましくは#800〜#2000の範囲の固定砥粒(ダイヤペレット)や遊離砥粒(アルミナ、炭化ケイ素などのスラリー)を使用できる。またラッピング装置としては従来の公知の装置を使用でき、例えばハマイ社製やスピードファム社製の両面ラッピング装置が好適である。
次に、本体部45の切断面である端面ストレート部46a,46b(図3に図示)の研磨を行う。中央部43と外周部44とが切断除去された本体部45の切断面は、成形によって形成された面ではないので研磨処理する必要がある。研磨処理の方法は、従来公知のポリッシング処理の方法と同じ方法を用いることができる。例えば平均一次粒子径が2μm以下の酸化セリウムなどの研磨材を用いて、表面粗さ(Ra)が1nm以下、好ましくは0.5nm以下、そして最大表面粗さ(Rmax)が20nm以下、好ましくは10nm以下まで本体部の切断面を研磨する。なお、表面粗さ(Ra)及び最大表面粗さ(Rmax)はJIS B0601に基づく平均値及び最大値である。
次いで、ガラス基板前駆体の両表面を研削加工して表面の形状精度を修正する(第2ラッピング工程)。最終的なガラス基板としての形状品質(平行度、平坦度および厚み)を達成し、同時に後述のポリッシング工程で調整可能な表面粗さおよび最大表面粗さを達成する。この第2ラッピング処理における処理条件および使用装置は、前述の第1ラッピング処理で例示したものがここでも好適に採用および使用できる。
第2ラッピング処理が終わると次にポリッシング処理が行われる。すなわち、ガラス基板前駆体の両表面を研磨加工して平滑性を調整する。ポリッシング処理の方法は従来公知の方法を採用することができ、例えば端面ストレート部46a,46b(図3に図示)の研磨で例示した方法および基準を適用できる。ポリッシング装置としては従来公知の装置を使用でき、例えば両面ポリッシュ盤(ハマイ社製)が挙げられる。
最後に、ポリッシング処理されたガラス基板前駆体を洗浄し検査する。洗浄工程においてはガラス基板前駆体を常温の流水にさらすなどして前駆体表面に付着したガラスくずなどを除去する。検査工程では、ガラス基板前駆体の平行度、平坦度、厚み、表面粗さ、最大表面粗さ、同心度、真円度、端部形状(ロールオフ)、微小ウネリ等が所望の範囲内であるかどうかが検査され、製品としてのガラス基板とされる。
なお、以上説明した製造方法は、中央孔を有し、内周端面および外周端面を面取り形状としたガラス基板についての製造方法であるが、内周端面および外周端面のいずれか一方のみを面取り形状としたガラス基板、あるいは中央孔を有さず、外周端面のみを面取り形状としたガラス基板についても適用可能である。すなわち、内周端面および外周端面のいずれか一方のみを面取り形状としたガラス基板を製造する場合には、上・下型の、面取り形状とすべき端面に対応する位置にのみ突条を形成すればよく、同様に中央孔を有さず、外周端面のみを面取り形状としたガラス基板を製造する場合には、上・下型の、外周端面に対応する位置にのみ突条を形成すればよい。
また、前記の実施形態では、上下方向に金型が相対的に移動してプレス成形するが、図4に示すように金型1’,2’を水平方向に移動させ、滴下された溶融ガラス3を滴下途中で挟み込んでプレス成形するようにしても構わない。この場合、金型1’,2’を精度よく高速で移動させなければならない困難性はあるものの、溶融ガラス3を温度の高い状態でプレス成形できるので、より薄い厚さのガラス基板前駆体を得ることができ、研磨加工処理を軽減あるい無くすことができ好ましい。
次に、もう一つの発明に係る製造方法について説明する。この発明に係る製造方法が、前述の発明に係る製造方法と異なる点は、一方の金型にのみ突条を形成してプレス成形することにある。製造効率を考えるならば、前述の製造方法のように両方の金型の対向位置に突条を形成し、ガラス基板前駆体の両表面にV字溝を形成するのが望ましい。しかし、プレス成形時に溶融ガラスから突条に繰り返し加わる圧力によって、突条の消耗が早く寿命が短い。そこで、この発明に係る製造方法では、一方の金型にのみ突条を形成し、プレス成形によってガラス基板の一方面側の端面を面取り形状を形成し、もう一方面側の端面の面取り形状はいわゆる再加熱法で形成することとし、これによって金型の寿命を長くして生産コストを低下せさることとした。
図5は、前述の製造方法と同様に、中央孔を有し、内周端面および外周端面を面取り形状とするガラス基板についての製造方法の一例を示す工程図である。なお、前述の製造方法と同じ工程についてはその説明を略し、異なる工程を中心に以下説明する。図6に示すように、この発明の製造方法では、凹部61の底面を成形面とする下型6に、一定量の溶融ガラス3を滴下あるいは流し込み、断面楔状の2本の突条51,52が同心円状に形成された上型5で溶融ガラス3を押圧してプレス成形する(プレス成形工程)。これにより溶融ガラス3は、同心円状の2つのV字溝71,72が上面に形成されたガラス基板前駆体7に成形される。なお、上型5に形成する突条51,52の形状は、そのままガラス基板端面の面取り形状に対応するので、前述の製造方法と同様に、その斜面角度θは30〜60°の範囲が好ましく、その高さhはガラス基板の厚さに対して1/4〜1/3の範囲が好ましい。
図5に示すように、次にプレス成形されたガラス基板前駆体7を結晶化処理またはアニール処理する。そして、図7に示すように、ダイヤモンドカッタCを用いてV字溝71,72に従って切り目を入れた後、中央部73と外周部74とに衝撃体(不図示)によって衝撃を与えて、ガラス基板前駆体7の中央部73と外周部74とを本体部75から切断・除去する(図5の内外径スクライブ工程)。これにより、ガラス基板前駆体7の本体部75の端面の上側は面取り形状となり、端面の下側は略直角となる。この本体部75のみとなったガラス基板前駆体7’に対して前記と同様の第1ラッピング処理が行われる。
次に、ガラス基板前駆体7’の、面取り形状とされていない側の端面を面取りする(図5の片面面取り形状創生工程)。具体的には、図8に示すように、ガラス基板前駆体7’の、面取り形状とされていない側の端面部分(同図の丸囲い部分)を、ファイヤーポリシュやレーザなどにより局所加熱し、ガラス基板前駆体7’の内周端面および外周端面に対向する部分に、面取り形状に対応した成形面を有する金型8で押圧して、前記端面部分を面取り形状とする。なお、ここで形成される面取り形状は、既に形成されている面取り形状と同形状であることが、以後の工程での取り扱い上望ましい。
図5に戻って、片面面取り形状創生工程以後の第2ラッピング工程、ポリッシング工程洗浄工程、検査工程の各製造工程は、前述の実施形態と同じである。なお、以上説明した製造方法は、中央孔を有し、内周端面および外周端面を面取り形状としたガラス基板についての製造方法であるが、内周端面および外周端面のいずれか一方のみを面取り形状としたガラス基板、あるいは中央孔を有さず、外周端面のみを面取り形状としたガラス基板についても適用可能である。
すなわち、内周端面および外周端面のいずれか一方のみを面取り形状としたガラス基板を製造する場合には、プレス成形用金型の一方として、ガラス基板の面取り形状とすべき端面に対向する位置に突条が形成された金型を用いると共に、押圧用金型として、ガラス基板の面取り形状とすべき端面と当接する面を面取り形状に対応した成形面とした金型を用いればよい。同様に、中央孔を有さず、外周端面のみを面取り形状としたガラス基板を製造する場合には、プレス成形用金型の一方として、ガラス基板の外周端面に対向する位置に突条が形成された金型を用いると共に、押圧用金型として、面取り形状とされていない側の外周端面と当接する面を面取り形状に対応した成形面とした金型を用いればよい。
本発明に係る製造方法の一例を示す工程図である。 プレス成形の概説図である。 内外径スクライブの概説図である。 プレス成形の他の例を示す概説図である。 もう一つの発明に係る製造方法の一例を示す工程図である。 プレス成形の概説図である。 内外径スクライブの概説図である。 再加熱法による面取りの概説図である。 従来の製造方法を示す工程図である。 従来のプレス成形の概説図である。
符号の説明
1 上型
2 下型
3 溶融ガラス
4 ガラス基板前駆体
5 上型
6 下型
7 ガラス基板前駆体
8 金型
11a,11b 突条
21a,21b 突条
41a,41b 略V字溝
42a,42b 略V字溝
43,73 中央部
44,74 外周部
45,75 本体部
51,52 突条
71,72 略V字溝

Claims (7)

  1. 外周端面を面取り形状とした情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、
    前記面取り形状に対応する断面楔状の突条が周状に対向して形成された一対の金型を用いて、溶融ガラスをプレス成形し、周状の略V字溝を両面に有するガラス基板前駆体を形成する工程と、この略V字溝よりも外側の外周部を切除する工程とを有することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  2. 中央孔を有し、内周端面を面取り形状とした情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、
    前記面取り形状に対応する断面楔状の突条が周状に対向して形成された一対の金型を用いて、溶融ガラスをプレス成形し、周状の略V字溝を両面に有するガラス基板前駆体を形成する工程と、略V字溝で囲まれた中央部を切除する工程とを有することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  3. 中央孔を有し、内周端面および外周端面を面取り形状とした情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、
    前記面取り形状に対応する断面楔状の2本の突条が同心円状にそれぞれ対向して形成された一対の金型を用いて溶融ガラスをプレス成形し、同心円状に2つの略V字溝を両面に有するガラス基板前駆体を形成する工程と、内側の略V字溝で囲まれた中央部と、外側の略V字溝よりも外方の外周部とを切除する工程とを有することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  4. 外周端面を面取り形状とした情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、
    前記面取り形状に対応する断面楔形の突条が一方の金型に形成された一対の金型を用いて、溶融ガラスをプレス成形し、一方面に周状の略V字溝を有するガラス基板前駆体を形成する工程と、この略V字溝よりも外側の外周部を切除して、外周端面の一方面側を面取り形状とする工程と、面取り形状とされていない側の外周端面を加熱し、面取り形状に対応する成形面を有する金型で押圧し、面取り形状とされていなかった側の外周端面を面取り形状とする工程とを有することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  5. 中央孔を有し、内周端面を面取り形状とした情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、
    前記面取り形状に対応する断面楔形の突条が一方の金型に形成された一対の金型を用いて、溶融ガラスをプレス成形し、一方面に周状の略V字溝を有するガラス基板前駆体を形成する工程と、この略V字溝で囲まれた中央部を切除して、内周端面の一方面側を面取り形状とする工程と、面取り形状とされていない側の内周端面を加熱し、面取り形状に対応する成形面を有する金型で押圧し、面取り形状とされていなかった側の内周端面を面取り形状とする工程とを有することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  6. 中央孔を有し、内周端面および外周端面を面取り形状とした情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、
    前記面取り形状に対応する断面楔状の2本の突条が一方の金型に同心円状に形成された一対の金型を用いて、溶融ガラスをプレス成形し、一方面側に同心円状に2つの略V字溝を有するガラス基板前駆体を形成する工程と、面取り形状とされていない側の内周端面および外周端面を加熱し、面取り形状に対応する成形面を有する金型で押圧し、面取り形状とされていなかった側の内周端面および外周端面を面取り形状とする工程とを有することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  7. スクライブによって、前記ガラス基板前駆体から前記中央部及び/又は前記外周部を切断する請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
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