JP6868364B2 - ガラスブランクおよび磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

ガラスブランクおよび磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁気ディスク用ガラス基板を製造するためのガラスブランクおよび磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
今日、パーソナルコンピュータ、DVD(Digital Versatile Disc)記録装置等には、データ記録のためにハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)が内蔵されている。ハードディスク装置では、基板に磁性層が設けられた磁気ディスクが用いられ、磁気ディスクの面上を僅かに浮上させた磁気ヘッドで磁性層に磁気記録情報が記録され、あるいは読み取られる。この磁気ディスクの基板として、金属基板(アルミニウム基板)等に比べて塑性変形し難い性質を持つガラス基板が好適に用いられる。
磁気ディスク用ガラス基板は、ガラスブランクに対して研削、研磨等の機械加工をすることにより作製される。ガラスブランクを作製する方式の1つとして、溶融ガラスの塊を一対のプレス成形型によりプレス成形する方法が知られている。
また、複数の下型をターンテーブル上に環状に配列し、1つの下型の上部に溶融ガラスの供給部を配置し、その下型に隣接する他の下型の上部に上型を配置し、溶融ガラス塊を順次下型の上に滴下し、ターンテーブルを回転させて溶融ガラス塊が滴下された下型を上型の下部に移動させてプレス成形し、その後、ターンテーブルを回転させながら成形されたガラスブランクを下型の上で冷却する方法もある(例えば、特許文献1参照)。
このように製造されたガラスブランクに対して、円孔形成処理、研削処理、研磨処理等の加工処理を行うことで、磁気ディスク用ガラス基板が製造される。得られた磁気ディスク用ガラス基板に対して、主表面に磁性膜を成膜することで、磁気ディスクが得られる。
国際公開第2013/001723号
下型の上部に溶融ガラスを滴下し、滴下された溶融ガラスを下型と上型との間でプレス成形する場合、滴下した溶融ガラスはプレス成形されるまでに下型に接触する側が冷却され、その後プレスされ下型に載置された状態となる。このため、ガラスブランクの両主表面のうち、成形前に冷却が進行する下側の主表面と、成形時のみ上型と接触していた上側の主表面とで熱履歴が異なる。
一方、磁気ディスクを製造する工程においては、(1)溶融ガラスからガラスブランクを成形する工程、(2)ガラスブランクを穴あけ、研削、研磨等により所望の形状および寸法のガラス基板に加工する工程、(3)ガラス基板に対して磁性膜を付与して磁気ディスクとする成膜工程を経る。ここで、ガラスブランクの上側の主表面および下側の主表面の外観には差異がないため、成形されたガラスブランクをその後の加工処理のために搬送する際にガラスブランクの主表面の向きが反転すると、成形工程における上側の主表面と下側の主表面とを判別することが困難となる。主表面の向きが反転したガラスブランクが混在した状態で加工処理が行われると、得られる磁気ディスク用ガラス基板の品質にバラツキが生じるという問題がある。
また、下型を載せたターンテーブルを回転させながら、下型の上部で成形されたガラスブランクを冷却するとき、遠心力によってガラスブランクが下型に対して回転径方向外側に移動して飛び出すおそれがある。
そこで、本発明は、ターンテーブルとともに回転する下型の上部で冷却されるガラスブランクが下型に対して移動することを防ぐとともに、成形後のガラスブランクの両主表面の判別を容易にすることを目的とする。
本発明者がガラスブランクの形状について検討したところ、ガラスブランクの一方の面に凹陥部又は小突起を設けることで、両主表面の判別を容易にすることができることがわかった。また、ガラスブランクの両主表面のうち、下型と接触する下側主表面に凹陥部又は小突起を設けることで、ガラスブランクを上部に配置した下型を載せたターンテーブルを回転させても、遠心力によってガラスブランクが下型に対して回転径方向外側に移動することを防止できることがわかった。
以上の課題を解決するため、本発明の第一の態様は、磁気ディスク用ガラス基板を製造
するための円板状のガラスブランクであって、
前記ガラスブランクの両主表面の少なくとも一方には、前記ガラスブランクの中心から
半径10mmの範囲内に先細り状の凹陥部を有し、前記凹陥部は、前記磁気ディスク用ガラス基板の円孔があけられる領域に設けられる、ことを特徴とする。
ここで、先細り状とは、例えば、半球形状、円錐や多角錐等の錐体形状、円錐台や角錐台等の截頭錐体形状等、その他ガラスブランクの凹陥部が形成される主表面から反対側の主表面に向かって(凹陥部の底部に向かって)開口面積が小さくなる凹陥部の形状である。凹陥部の主表面との接続部から底部に至る面は平面であってもよいし、曲面(屈曲面や凹凸面)であってもよい。
前記凹陥部の開口の最大径は、0.5〜10mmである、ことが好ましい。ここで、「開口の最大径」の「径」とは、凹陥部の開口の主表面における輪郭線が円である場合にはその半径をいい、凹陥部の開口の輪郭線が円ではない場合には、凹陥部の輪郭線に外接する最小の外接円の半径をいう。
前記凹陥部は、錐体形状あるいは截頭錐体形状である、ことが好ましい。
前記凹陥部の一方の主表面からの最大深さは前記ガラスブランクの最大板厚の90%未満であることが好ましく、最大板厚の30%未満であることがより好ましい。
本発明の第二の態様は、磁気ディスク用ガラス基板を製造するための円板状のガラスブランクであって、
前記ガラスブランクの両主表面の少なくとも一方には、前記ガラスブランクの中心から半径10mmの範囲内に先細り状の小突起と、前記小突起の周りを取り巻き、前記ガラスブランクの外縁まで広がっている平坦面と、を有し、
前記小突起の最大径は、0.2〜1.0mmであり、
前記小突起は、前記中心に1つ設けられている
ここで、先細り状とは、例えば、半球形状、円錐や多角錐等の錐体形状、円錐台や角錐台等の截頭錐体形状等、その他ガラスブランクの小突起が形成される主表面から先端に向かって主表面と平行な断面積が小さくなる突起形状である。小突起の主表面との接続部から先端に至る面は平面であってもよいし、曲面(屈曲面や凹凸面)であってもよい。
ここで、「最大径」の「径」とは、小突起の主表面における輪郭線が円である場合にはその半径をいい、小突起の輪郭線が円ではない場合には、小突起の輪郭線に外接する最小の外接円の半径をいう。
また、前記小突起は、錐体形状あるいは截頭錐体形状である、ことが好ましい。
前記小突起の最大高さは0.1〜2.0mmである、ことが好ましい。
また、前記ガラスブランクの外周側面は、前記平坦面と接続する、外周外側に向かって丸まった曲面である、ことが好ましい。
前記ガラスブランクの両主表面のうち、前記凹陥部あるいは前記小突起を有する主表面は、算術平均粗さRaが0.8μm以上の外側領域に囲まれた、算術平均粗さRaが2μm以下の平滑領域を中央部に有し、
前記外側領域の算術平均粗さRaをR1、前記平滑領域の算術平均粗さRaをR2とするときR1>R2である、ことが好ましい。
R1/R2は1.1〜6.0である、ことが好ましい。
R1は0.95〜3.0μmであり、R2は0.5〜1.5μmである、ことが好ましい。
前記平滑領域の面積をS1、前記主表面の全面積をS0とするとき、S1/S0は0.01〜0.2である、ことが好ましい。
前記ガラスブランクの、前記平滑領域が形成された部分のヘイズ値は40%以下であり、前記外側領域が形成された部分のヘイズ値は35%以上であって、かつ前記平滑領域のヘイズ値が前記外側領域のヘイズ値よりも小さい、ことが好ましい。
本発明の第三の態様は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
下部金型の上面に溶融ガラスを滴下し、前記溶融ガラスを上部金型と前記下部金型との間に挟み込んで加圧することでガラスブランクを成形するプレス成形処理と、
前記ガラスブランクに円孔を形成する円孔形成処理と、
を含み、
前記下部金型の上面は、滴下された前記溶融ガラスが接触する位置に突起を有し、
前記プレス成形処理では、成形されるガラスブランクの下側の主表面の前記ガラスブランクの中心から半径10mmの範囲内に前記突起と対応する形状の凹陥部を形成し、
前記円孔形成処理では、前記凹陥部を含む範囲に円孔を形成する、ことを特徴とする。
本発明の第四の態様は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
下部金型の上面に溶融ガラスを滴下し、前記溶融ガラスを上部金型と前記下部金型との間に挟み込んで加圧することでガラスブランクを成形するプレス成形処理と、
前記ガラスブランクに円孔を形成する円孔形成処理と、
を含み、
前記下部金型の上面は、滴下された前記溶融ガラスが接触する位置に凹部を有し、
前記プレス成形処理では、成形されるガラスブランクの下側の主表面の前記ガラスブランクの中心から半径10mmの範囲内に前記凹部と対応する形状の小突起を形成し、さらに、前記小突起の周りを取り巻き、前記ガラスブランクの外縁まで広がっている平坦面を形成し、
前記円孔形成処理では、前記小突起を含む範囲に円孔を形成し、
前記小突起の最大径は、0.2〜1.0mmであり、
前記小突起は、前記中心に1つ設けられている、ことを特徴とする。
前記下部金型の上面は、算術平均粗さRaが0.5〜1.5μmの平滑領域形成部と、前記平滑領域形成部の外側に前記平滑領域形成部よりも算術平均粗さが大きい外側領域形成部とを有し、
前記溶融ガラスを前記平滑領域形成部に滴下する、ことが好ましい。
前記円孔形成処理では、成形されたガラスブランクの前記平滑領域形成部により成形された平滑領域を含む領域に円孔を形成する、ことが好ましい。
本発明によれば、ガラスブランクを上記形状とすることで、ターンテーブルとともに回転する下型の上で冷却されるガラスブランクが下型に対して移動することを防ぐとともに、成形後のガラスブランクの両主表面の判別を容易にすることができる。
ガラスブランクのプレス成形処理装置を示す斜視図である。 本実施形態の下部金型の中心を通る鉛直断面図である。 本実施形態のガラスブランクの鉛直断面図である。 本実施形態の変形例1に係る下部金型の中心を通る鉛直断面図である。 本実施形態の変形例1に係るガラスブランクの鉛直断面図である。 本実施形態の変形例2に係る下部金型の中心を通る鉛直断面図である。 本実施形態の変形例2に係るガラスブランクの鉛直断面図である。 本実施形態の変形例3に係る下部金型の中心を通る鉛直断面図である。 本実施形態の変形例3に係るガラスブランクの鉛直断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明する。なお、本発明は、公称2.5〜3.5インチサイズ(直径65〜95mm)、板厚0.4〜2.0mmの磁気ディスク用ガラス基板の製造に好適である。
また、本明細書でいう算術平均粗さRaは、JIS B0601:2001に準拠して、スタイラス(触針)を用いた触針式粗さ計(接触式粗さ測定機)により測定したものである。
(磁気ディスク用ガラス基板)
まず、磁気ディスク用ガラス基板について説明する。磁気ディスク用ガラス基板は、円板形状である。なお、磁気ディスク用ガラス基板は、外周と同心の円形の中心孔がくり抜かれたリング状であってもよい。磁気ディスク用ガラス基板の両面の円環状領域に磁性層(記録領域)が形成されることで、磁気ディスクが形成される。
(磁気ディスク用ガラスブランク)
磁気ディスク用ガラスブランク(以降、単にガラスブランクという)は、プレス成形により作製されるガラス板であり、後述する研削処理が行われる前のものである。ガラスブランクの形状は略円形である。ここで、「略円形」には、真円形状および楕円形状を含み、その外周形状は単一の曲率半径の円弧のみからなるものであってもよいし、異なる曲率半径の円弧からなるものであってもよい。また、ガラスブランクは後述する円孔形成処理により形成される円孔を有していてもよい。
ガラスブランクの材料として、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平面度及び基板の強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を作製することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好適に用いることができる。
本実施形態におけるガラスブランクは、第1の主表面の中央部を構成する元素中の窒素、酸素、及びアルミニウムの含有率が、第1の主表面の外周部を構成する元素中の窒素、酸素、及びアルミニウムの含有率よりも高い。ここで、ガラスブランクの「第1の主表面」とは、下型と上型との間でプレス成形されたガラスブランクの両主表面のうち、下型と接触することにより形成された主表面をいう。また、「中央部」とは、主表面の中心から輪郭線までの距離の18〜38%の距離の領域をいい、「外周部」とは、主表面の中心から輪郭線までの距離の70%以上100%以下の距離の領域をいう。
なお、ガラスブランクの輪郭線が真円でない場合、ガラスブランクの「中心」は、ガラスブランクの輪郭線に外接する最小の外接円の中心である。
(ガラス基板の製造方法)
次に、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を説明する。先ず、一対の主表面を有する板状の磁気ディスク用ガラス基板の素材となる溶融ガラス塊をプレス成形することによりガラスブランクを作製する(プレス成形処理)。次に、作製されたガラスブランクの中心部分に円孔を形成しリング形状(円環状)とする(円孔形成処理)。
次に、ガラスブランクに対して端面研削による形状加工を行う(形状加工処理)。これにより、リング形状(円環状)のガラス基板が生成される。次に、固定砥粒による主表面研削を行い(研削処理)、平坦となったガラス基板に対して端面研磨を行う(端面研磨処理)。次に、ガラス基板の主表面に第1研磨を行う(第1研磨処理)。次に、必要に応じてガラス基板に対して化学強化を行う(化学強化処理)。次に、化学強化されたガラス基板に対して第2研磨を行う(第2研磨処理)。以上の処理を経て、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。以下、各処理について、詳細に説明する。
(a)プレス成形処理
溶融ガラス流の先端部を切断器により切断し、切断された溶融ガラス塊を一対の金型のプレス成形面の間に挟みこみ、プレスしてガラスブランクを成形する。本実施形態においては、後述するように、下部金型の上面に溶融ガラス塊を滴下し、この溶融ガラス塊を上から上部金型によって下方に加圧することで、ガラスブランクを成形する。
所定時間プレスを行った後、金型を開いてガラスブランクが取り出される。なお、本実施形態においては、後述するように、下部金型の上面に突起21a(又は凹部21d)が設けられている(図2,6参照)。このため、ガラスブランクの下部金型により成形される主表面(下側主表面)に、下部金型の突起21a(又は凹部21d)と対応する形状の凹陥部18a(又は小突起18d)が形成される。
また、本実施形態においては、後述するように、下部金型の上面に、平滑領域形成部21bと、外側領域形成部21cとを有していることも好ましい(図4,8参照)。この場合、外側領域形成部21cは平滑領域形成部21bの外側に設けられ、平滑領域形成部21bよりも算術平均粗さ(Ra)が大きい。このため、ガラスブランクの下部金型により成形される主表面(下側主表面)は、平滑領域形成部21bによって形成される平滑領域18bと、平滑領域18bを囲み、平滑領域18bよりも算術平均粗さRaが大きい外側領域18cとを有することが好ましい。なお、下部金型の上面に設けられる上記突起21a(又は凹部21d)は、平滑領域形成部21bで囲まれていることが好ましい。この場合、溶融ガラスの塊を平滑領域形成部21bに滴下することが好ましい。
(b)円孔形成処理
ガラスブランクに対して、コアリング、スクライビング等により円形状の孔(円孔)を形成することで、円孔があいたディスク状のガラスブランクを得る。
コアリングは、一方の端が開口した筒状のコアドリルによってガラスブランクを一方の主表面から切削することで、円孔の円周部を削り取り中心部(コア)のガラスをくり抜き、貫通孔を形成する方法である。なお、円孔の円周部(内側円)を削り取るとともに、ガラスブランクの外側輪郭線となる円形の切断線(外側円)をコアドリルによって削り取ってもよい。その後、ガラスブランクの外側円よりも外側の部分および内側円よりも内側の部分が除去されることで、ディスク状のガラスブランクが得られる。
コアドリルによってガラスブランクを下側主表面から切削する場合、下側主表面に形成された凹陥部18a(又は小突起18d)がコアドリルによる切削の妨げとなるおそれがある。このため、ガラスブランクの上部金型により成形される主表面(上側主表面)からコアドリルによって切削することが好ましい。
また、ガラスブランクの下側主表面は、算術平均粗さRaが異なる2種類の領域(平滑領域18bおよび外側領域18c)を有することも好ましい(図5,9参照)。この場合、コアドリルによってガラスブランクを下側主表面から切削する場合、下側主表面に形成された平滑領域18bと外側領域18cとの算術平均粗さRaの違いにより、コアドリルによる切削が不均一となるおそれがある。このため、ガラスブランクの上部金型により成形される主表面(上側主表面)からコアドリルによって切削することが好ましい。
スクライビングは、超鋼合金製あるいはダイヤモンド粒子からなるカッター(スクライバ)によりガラスブランクの一方の主表面に円形の切断線を設け、その後ガラスブランクを加熱することにより円形の切断線をガラスブランクの厚さ方向に伸展させ、円形の切断線の内部を押圧して分離する方法である。なお、円孔の輪郭線となる円形の切断線と同時に、ガラスブランクの外側輪郭線となる円形の切断線を同時に形成してもよい。この場合、ガラスブランクの外側輪郭線となる円形の切断線(外側円)と、円孔の輪郭線となる円形の切断線(内側円)とを同心円となるように形成する。その後、ガラスブランクを部分的に加熱することにより、ガラスブランクの熱膨張の差異によって、ガラスブランクの外側円よりも外側の部分および内側円よりも内側の部分が除去され、ディスク状のガラスブランクが得られる。
ガラスブランクの下側主表面に円形の切断線をつけるとき、下側主表面に形成された凹陥部18a(又は小突起18d)がダイヤモンドカッター等の妨げとなるおそれがあるため、ガラスブランクの上部金型により成形される主表面(上側主表面)から円形の切断線を付けることが好ましい。
この場合、上側主表面の切断線を形成する領域の粗さが大きいと、スクライビングの際に切断線が断続的となるおそれがある。切断線が断続的になると、切断線をガラスブランクの厚さ方向に伸展させることが困難となる。このため、上側主表面の切断線を形成する領域における算術平均粗さ(Ra)は5μm以下となっていることが好ましく、2μm以下となっていることがより好ましい。
一方、下側主表面に形成された凹陥部18a(又は後述する小突起18d)を囲むように円形の切断線を付けるのであれば、下側主表面に円形の切断線を付けてもよい。
この場合、下側主表面の切断線を形成する領域の粗さが大きいと、スクライビングの際に切断線が断続的となり、切断線をガラスブランクの厚さ方向に伸展させることが困難となる。このため、ガラスブランクの下側主表面のうち、凹陥部18a以外の部分(又は小突起18d以外の部分)は平坦であり、算術平均粗さRaが5μm以下であることが好ましく、Raが2μm以下であることがより好ましい。すなわち、ガラスブランクの下側主表面において、凹陥部18a(又は小突起18d)は、算術平均粗さRaが5μm以下の領域に囲まれていることが好ましく、Raが2μm以下の領域に囲まれていることがより好ましい。
また、上述したように、ガラスブランクの下側主表面は、算術平均粗さRaが異なる2種類の領域(平滑領域18bおよび外側領域18c)を有する場合(図5,9参照)、この下側主表面に円形の切断線をつけるとき、切断線が平滑領域18bと外側領域18cとにまたがって形成されると、均一な切断線が形成されないおそれがある。このため、ガラスブランクの上部金型により成形される主表面(上側主表面)に円形の切断線を付けることが好ましい。
この場合、上側主表面の切断線を形成する領域の粗さが大きいと、スクライビングの際に切断線が断続的となるおそれがある。切断線が断続的になると、切断線をガラスブランクの厚さ方向に伸展させることが困難となる。このため、上側主表面の切断線を形成する領域における算術平均粗さ(Ra)は5μm以下となっていることが好ましく、2μm以下となっていることがより好ましい。
なお、下側主表面に円形の切断線を付ける場合、下側主表面に形成された平滑領域18bを囲むように外側領域18cに円形の切断線を付けることが好ましい。この場合、下側主表面の切断線を形成する外側領域18cの粗さが大きいと、スクライビングの際に切断線が断続的となり、切断線をガラスブランクの厚さ方向に伸展させることが困難となる。このため、外側領域18cの算術平均粗さRaは0.95〜3.0μmであることが好ましい。
(c)形状加工処理
形状加工処理では、ガラスブランクの外周端部に対する面取り加工を行う。ガラスブランクに円孔を形成した場合は、円孔の内周端部に対する面取り加工も行う。
(d)研削処理
研削処理では、遊星歯車機構を備えた両面研削装置を用いて、ガラスブランクの主表面に対して研削加工を行う。具体的には、ガラスブランクの外周側端面を、両面研削装置の保持部材に設けられた保持孔内に保持しながらガラスブランクの両主表面の研削を行う。両面研削装置は、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤および下定盤の間にガラス基板が狭持される。そして、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作させ、ガラスブランクと各定盤とを相対的に移動させることにより、ガラスブランクの両主表面を研削することができる。
(e)端面研磨処理
端面研磨処理では、ガラスブランクの外周側端面に対して、ブラシ研磨により鏡面仕上げを行う。ガラスブランクに円孔を形成した場合は、円孔の内周側端面に対しても、鏡面仕上げを行う。このとき、酸化セリウム等の微粒子を遊離砥粒として含む砥粒スラリが用いられる。
(f)第1研磨処理
第1研磨は、例えば固定砥粒による研削を行った場合に主表面に残留したキズや歪みの除去、あるいは微小な表面凹凸(マイクロウェービネス、粗さ)の調整を目的とする。具体的には、ガラスブランクの研削処理により得られたガラス基板の外周側端面を、両面研磨装置の研磨用キャリアに設けられた保持孔内に保持しながらガラス基板の両側の主表面の研磨が行われる。
第1研磨処理では、固定砥粒による研削処理に用いる両面研削装置と同様の構成を備えた両面研磨装置を用いて、研磨スラリを与えながらガラス基板が研磨される。第1研磨処理では、固定砥粒による研削と異なり、固定砥粒の代わりに遊離砥粒を含む研磨スラリが用いられる。
両面研磨装置は、両面研削装置と同様に、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤および下定盤の間にガラス基板が狭持される。下定盤の上面及び上定盤の底面には、全体として円環形状の平板の研磨パッド(例えば、樹脂ポリッシャ)が取り付けられている。上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作させることで、ガラス基板と各定盤とを相対的に移動させることにより、ガラス基板の両主表面が研磨される。
なお、第1研磨処理後のガラス基板を化学強化液中に浸漬することで、ガラス基板を化学強化してもよい(化学強化処理)。化学強化液として、例えば硝酸カリウムと硫酸ナトリウムの混合熔融液等を用いることができる。
(g)第2研磨(最終研磨)処理
第2研磨処理は、主表面の鏡面研磨を目的とする。第2研磨においても、第1研磨に用いる両面研磨装置と同様の構成を有する両面研磨装置が用いられる。具体的には、ガラス基板の外周側端面を、両面研磨装置の研磨用キャリアに設けられた保持孔内に保持しながらガラス基板の両側の主表面の研磨が行われる。第2研磨処理が第1研磨処理と異なる点は、遊離砥粒の種類及び粒子サイズが異なることと、樹脂ポリッシャの硬度が異なることである。具体的には、粒径5〜100nm程度のコロイダルシリカを遊離砥粒として含む研磨液が両面研磨装置の研磨パッドとガラス基板の主表面との間に供給され、ガラス基板の主表面が研磨される。研磨されたガラス基板を中性洗剤、純水、イソプロピルアルコール等を用いて洗浄することで、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。
(プレス成形処理用の金型)
ここで、プレス成形処理に用いるプレス成形処理装置について説明する。図1はガラスブランクのプレス成形処理に用いるプレス成形処理装置の斜視図である。
図1に示すように、プレス成形処理装置は、ターンテーブル11と、複数のプレス機下部12と、複数の下部金型20Aと、上部金型30と、プレス機上部13と、回転軸14と、流出ノズル15と、を備える。
ターンテーブル11は円板状であり、ターンテーブル11の上部には、複数のプレス機下部12が周方向に等間隔に配列された状態で固定されている。複数のプレス機下部12の上部には、それぞれ下部金型20Aが固定されている。
ターンテーブル11の中心には回転軸14が設けられている。ターンテーブル11は複数のプレス機下部12、複数の下部金型20A、下部金型20Aの上面に滴下された溶融ガラスおよび成形されたガラスブランクとともに、回転軸14を中心に回転する。
プレス機下部12の上部には、下部金型20Aが設けられている。また、プレス機下部12の内部には、下部金型20Aの温度を制御する図示しないヒータが埋め込まれている。
下部金型20Aの上面は平坦であり、この上面(プレス面21)の中央部に溶融ガラスが滴下される。下部金型20Aの溶融ガラスと接触するプレス面を構成する元素中の酸素濃度は、(15atomic%)以上であることが好ましい。
下部金型20Aは例えば金属窒化物(例えば窒化アルミニウム)からなる。下部金型20Aは、例えば冷間等方圧プレスにより金属窒化物を成形することで、製造することができる。
プレス成形処理に用いる前に、あらかじめ、下部金型20Aに対し、プレス面21を構成する金属窒化物の一部を酸化して金属酸化物にする酸化処理を行っておくことが好ましい。酸化処理は、例えば、金属窒化物を下部金型20Aの形状に成形した後、酸素を含む雰囲気中で1000〜1200℃で10〜12時間加熱することにより、表面の金属窒化物の酸化処理を行うことができる。
また、プレス面21を構成する金属窒化物を酸化して金属酸化物にする酸化処理を行うとともに、プレス面21に形成された金属酸化物の一部を除去する除去処理を行うことで、残った金属酸化物の領域がプレス面21内に分散して存在するようにしてもよい。例えば、酸化処理後の下部金型20Aのプレス面21に対してサンドブラスト等による除去処理を行うことにより、プレス面21に形成された金属酸化物の一部を除去してもよい。
上記の酸化処理および必要に応じて粗面化処理、除去処理を行った後の下部金型20Aのプレス面21の算術平均粗さ(Ra)は5μm以下となっていることが好ましく、2μm以下となっていることがより好ましい。
複数の下部金型20Aのいずれか1つの上方には、流出ノズル15が設けられている。流出ノズル15は、流出ノズル15の下方に配置された下部金型20Aの上面(プレス面21)に、溶融ガラス16を流出させる。溶融ガラス16は図示しないブレードによって切断され、溶融ガラス塊17として下部金型20Aの上面(プレス面21)に載置される。
また、複数の下部金型20Aのうち、上方に流出ノズル15が配置されたものよりもターンテーブル11の回転方向の下流側に配置された下部金型20Aの上方には、プレス機上部13が設けられている。プレス機上部13の下部には、上部金型30が設けられている。また、プレス機上部13の内部には、上部金型30の温度を制御する図示しないヒータが埋め込まれている。
溶融ガラス塊17が滴下された下部金型20Aを支持するプレス機下部12がターンテーブル11によってプレス機上部13の下方に移送される毎に、プレス機上部13はサーボモータの制御により上部金型30を所定の距離だけ下降することで溶融ガラス塊17を上部金型30と下部金型20Aとの間に所定の間隔で挟み込み、溶融ガラス塊17を所定の板厚に引き伸ばし、その後上昇することを繰り返す。
上部金型30は下部金型20Aの上面に滴下された溶融ガラス塊17を下方に加圧するものである。上部金型30は下部金型20Aよりも熱伝導性が高い材料(例えばタングステン合金)からなる。このため、下部金型20Aの上面に滴下された溶融ガラス塊17は上部金型30と接触するまでは高温の状態が維持され、溶融ガラス塊17の上方から上部金型30が溶融ガラス塊17を押圧することで、上部金型30に接触した溶融ガラス塊17が急速に冷却され、ガラスブランク18Aに成形される。
成形されたガラスブランク18Aは、下部金型20Aの上面に載置された状態で冷却されながら、ターンテーブル11によって搬送される。冷却されたガラスブランク18Aは、図示しない吸着手段によって下部金型20Aの上面から取り外され、以後の形状加工等の処理を行う装置へ搬送される。
上記の下部金型20Aおよび上部金型30を用いてガラスブランクのプレス成形を行うと、ガラスの下部金型20Aへの融着を抑制することができる。この理由は、下部金型20Aの酸化処理によりプレス面21に酸化皮膜が形成されるため、溶融ガラスが酸化皮膜と融着しても、ガラスブランクを下部金型20Aから取り外すときに酸化皮膜が下部金型20Aから剥離し、酸化皮膜と融着したガラスがプレス面21に残存しないためであると考えられる。一方、プレス成形後の下部金型20Aは、溶融ガラスにより加熱されることで新たに酸化皮膜が形成されるため、プレス面21における金属酸化物の領域の割合が一定に維持される。
このように、ガラスの下部金型20Aへの融着を抑制することで、下部金型20Aの寿命が伸び、生産コストを低減することができる。
図2は下部金型20Aの中心を通る鉛直断面図である。本実施形態においては、下部金型20Aの上面(プレス面21)の、滴下される溶融ガラス16が始めに接触する位置に突起21aが設けられている。突起21aは、先細り形状をしている。ここで、先細り形状とは、例えば、半球形状、円錐や多角錐等の錐体形状、円錐台や角錐台等の截頭錐体形状等、プレス面21の平坦部分から上端に向かって水平断面積が小さくなる形状である。突起21aのプレス面21との接続部から上端に至る側面は平面であってもよいし、曲面(屈曲面や凹凸面)であってもよい。プレス面21への溶融ガラス16の滴下は、成形後のガラスブランク18A(図3参照)の中心Cから半径10mmの範囲内に突起21aが位置するように行うことが好ましい。
下部金型20Aは、金属窒化物を成形することで、始めからプレス面21に突起21aを有するように製造してもよいし、平坦なプレス面21を有する下部金型20Aを成形した後、プレス面21の中央部に突起21aを形成してもよい。例えば、平坦なプレス面21の突起21aを形成すべき領域に高温の溶融ガラスを密着させ、この状態で溶融ガラスの温度を低下させることで、溶融ガラスの成分がプレス面21に付着し、突起が形成される。さらに形成された突起に高温の溶融ガラスを密着させ、溶融ガラスの温度を低下させると、突起にさらに溶融ガラスの成分が付着することで、突起が大きくなる。これを繰り返すことで、所望の大きさの突起21aをプレス面21に形成することができる。
下部金型20Aのプレス面21の突起21a以外の部分は平坦であり、算術平均粗さRa(JIS B0601)が5μm以下であることが好ましく、Raが2μm以下であることがより好ましい。
図3はガラスブランク18Aの鉛直断面図である。ガラスブランク18Aの下側主表面には、ガラスブランク18Aの中心Cから半径10mmの範囲内に、突起21aと対応する先細り状の凹陥部18aが形成されている。なお、図3においては、凹陥部18aは中心Cと一致する位置に形成されている。
凹陥部18aは、先細り形状をしている。ここで、先細り形状とは、半球形状、円錐や多角錐等の錐体形状、円錐台や角錐台等の截頭錐体形状等、凹陥部18aが形成された主表面から反対側の主表面に向かって(凹陥部18aの底側に向かって)主表面と平行な断面積が小さくなる凹陥部の形状である。
下部金型20Aのプレス面21に突起21aが設けられるとともに、ガラスブランク18Aの下側主表面に凹陥部18aが設けられることで、ガラスブランク18Aが下部金型20Aの上部に載置された状態では、ガラスブランク18Aの凹陥部18aと下部金型20Aの突起21aとが嵌合している。このため、ターンテーブル11が回転しても、下部金型20Aの上部に載置されたガラスブランク18Aが遠心力によって下部金型20Aに対して回転径方向外側に移動することを防ぐことができる。また、ガラスブランク18Aの下部金型20Aと接触する主表面に凹陥部18aが形成される一方、ガラスブランク18Aの上部金型30と接触する主表面を平坦に形成することで、成形後のガラスブランク18Aの両主表面の判別を容易にすることができる。
ガラスブランク18Aの下部金型20Aに対する移動を防ぐとともに、成形後のガラスブランク18Aの両主表面の判別を容易にするために、凹陥部18aの開口の最大径は、0.5mm以上とすることが好ましい。ここで、「開口の最大径」の「径」とは、凹陥部18aの開口の輪郭線が円である場合にはその半径をいい、凹陥部18aの開口の輪郭線が円ではない場合には、凹陥部18aの輪郭線に外接する最小の外接円の半径をいう。
一方、ガラスブランク18Aからガラス基板を作成した場合に凹陥部18aが影響しないように、ガラスブランク18Aの凹陥部18aを含む範囲に円孔を形成することが好ましい。円孔の形成を容易にするため、凹陥部18aの開口の最大径は円孔の内径よりも小さいことが好ましい。このため、凹陥部18aの開口の最大径は10mm以下であることが好ましい。
したがって、凹陥部18aの開口の最大径は、0.5〜10mmであることが好ましい
凹陥部18aの主表面からの最大深さが大きいと、ガラスブランク18Aに円孔を形成するときにガラスブランク18Aが割れるおそれがある。このため、凹陥部18aの主表面からの最大深さはガラスブランク18Aの最大板厚の90%未満であることが好ましく、ガラスブランク18Aの最大板厚の30%未満であることがより好ましい。凹陥部18aの主表面からの最大深さは800μm以下であることが好ましく、300μm以下であることが好ましい。
一方、ガラスブランク18Aを目視することにより、または検査装置により、ガラスブランク18Aの両主表面を識別できるように、凹陥部18aの主表面からの最大深さは50μm以上であることが好ましい。なお、凹陥部18aの主表面からの最大深さは50μm以上であれば、ガラスブランク18Aの下部金型20Aに対する移動を充分に防ぐことができる。このため、凹陥部18aの主表面からの最大深さは50〜800μmであることが好ましく、50〜300μmであることがより好ましい。
凹陥部18aの主表面からの最大深さを上記範囲とすることで、ガラスブランク18Aの下部金型20Aに対する移動を防ぐとともに、成形後のガラスブランク18Aの両主表面の判別を容易とすることができる。
ガラスブランク18Aの凹陥部18aを上記の形状とするため、下部金型20Aの突起21aの最大径を0.5〜15mmとすることが好ましい。ここで、「最大径」の「径」とは、突起21aの輪郭線が円である場合にはその半径をいい、突起21aの輪郭線が円ではない場合には、突起21aの輪郭線に外接する最小の外接円の半径をいう。
また、突起21aのプレス面21からの最大高さは、プレス成形されるガラスブランク18Aの最大板厚の5%よりも大きく、90%未満であることが好ましい。
下部金型20Aの突起21aを上記形状とすることで、ガラスブランク18Aの下部金型20Aに対する移動を防ぐとともに、成形後のガラスブランク18Aの両主表面の判別を容易とすることができる。
<変形例1>
図4は変形例1に係る下部金型20Aの中心を通る鉛直断面図であり、図5は変形例1に係るガラスブランク18Aの鉛直断面図である。
変形例1においては、下部金型20Aの上面(プレス面21)は、上述した突起21aを有し、さらに、突起21a以外の領域は、平滑領域形成部21bと、外側領域形成部21cとを有している。突起21aは、平滑領域形成部21bに周りを囲まれている。平滑領域形成部21bの算術平均粗さRaは0.5〜1.5μmであることが好ましい。外側領域形成部21cは平滑領域形成部21bの外側に設けられ、平滑領域形成部21bよりも算術平均粗さRaが大きい。外側領域形成部21cの算術平均粗さRaは、例えば0.95〜3.0μmであることが好ましい。
下部金型20Aは、あらかじめプレス面21の中央部に平滑領域形成部21bを有するとともに、平滑領域形成部21bの外側に外側領域形成部21cを有するように成形してもよいし、成形後の下部金型20に対してプレス面21の中央部の算術平均粗さRaが0.5〜1.5μmとなるように酸化被膜を形成する処理等を施すことで、平滑領域形成部21bを形成してもよい。
あるいは、あらかじめプレス面21Aの全体の算術平均粗さRaが0.5〜1.5μmとなるように下部金型20Aを成形し、突起21aを形成し、その後、プレス面21の中央部を除く部分に粗面化処理を施すことで外側領域形成部21cを環状に形成し、外側領域形成部21cに囲まれた部分を平滑領域形成部21bとしてもよい。例えば、下部金型20Aを金属窒化物(例えば窒化アルミニウム)により形成し、その後、プレス面21の外側領域形成部21cとなる領域に、平滑領域形成部21bとなる領域よりも算術平均粗さRaが高くなるように、酸化処理によって金属酸化物層を形成してもよい。
溶融ガラス16を平滑領域形成部21bに滴下すると、溶融ガラス16は平滑領域形成部21bと接触している部分から冷却され、後述する下側主表面の平滑領域18bが平滑領域形成部21bと接触している部分に形成される。その後、溶融ガラス16が切断された溶融ガラス塊17が上部金型30によって下方に加圧されると、溶融ガラス塊17は水平方向に広がり、プレス面21の外側領域形成部21cと接触し、冷却されることで、後述する下側主表面の外側領域18cが形成される。
なお、変形例1のプレス面21Aを用いて成形されたガラスブランク18Aの平滑領域18bを含む領域に上述した円孔形成処理で円孔を形成し、平滑領域18bを少なくとも除去することが好ましい。
図5はガラスブランク18Aの鉛直断面図である。ガラスブランク18Aの板厚の平均は0.9mm未満、標準偏差が0.015mm未満であることが好ましい。
ガラスブランク18Aの下側主表面は、先細り状の凹陥部18aと、平滑領域18bと、外側領域18cとを有する。凹陥部18aは、平滑領域18bに囲まれている。平滑領域18bがガラスブランク18Aの下側主表面の中央部に形成され、外側領域18cは下側主表面の平滑領域18bよりも外側の領域に、平滑領域18bを囲むように形成されている。
ここで、外側領域18cの算術平均粗さRaは、0.8μm以上であって、その算術平均粗さRaをR1とし、平滑領域18bの算術平均粗さRaは2μm以下であって、そのの算術平均粗さRaをR1とするときR1>R2であることが好ましい。
ここで、ガラスブランク18Aの主表面の「中央部」とは、ガラスブランク18Aの中心から半径の18〜38%の範囲をいい、ガラスブランク18Aの「中心」とは、ガラスブランク18Aの外周形状が正円ではない場合には、ガラスブランク18Aの外周に対する最小の外接円の中心をいう。また、ガラスブランク18Aの「半径」とは、ガラスブランク18Aの外周形状が正円ではない場合には、ガラスブランク18Aの外周に対する最小の外接円の半径をいう。
なお、ガラスブランク18Aに円孔が形成される場合には、円孔が形成される領域よりも内側の領域を「中央部」としてもよい。
下部金型20Aのプレス面21に平滑領域形成部21bが設けられるとともに、ガラスブランク18の下側主表面に平滑領域18bが設けられることで、ガラスブランク18Aが下部金型20Aの上部に載置された状態では、ともに算術平均粗さRaが小さい平滑領域18bと下部金型20Aの平滑領域形成部21bとが密着し、摩擦抵抗が大きくなる。さらに、プレス面21の突起21aとガラスブランク18Aの下側主表面の凹陥部18aとが嵌合している。このため、ターンテーブル11が回転しても、下部金型20Aの上部に載置されたガラスブランク18Aが遠心力によって下部金型20Aに対して回転径方向外側に移動することを防ぐ効果はより向上する。このとき、平滑領域18bと外側領域18cの算出平均粗さRaの比R1/R2が1.1〜6.0であることが、上記効果を発揮させる点で好ましい。また、R1は0.95〜3.0μmであり、R2は0.5〜1.5μmであることが、上記効果を発揮させる点で好ましい。
また、ガラスブランク18Aの下側主表面に平滑領域18bおよび外側領域18cが形成される一方、ガラスブランク18Aの上側主表面は一様に形成されるため、成形後のガラスブランク18Aの両主表面の判別を容易にすることができる。すなわち、両主表面のうち、平滑領域18bおよび外側領域18cが識別される面が下側主表面であると区別することができる。
ガラスブランク18Aの平滑領域18bと下部金型20の平滑領域形成部21bとが密着することでガラスブランク18Aが下部金型20Aに対して固定されるため、平滑領域18bを大きくすることで、ガラスブランク18Aを下部金型20Aに対してより強固に固定することができる一方、平滑領域18bが大きすぎるとガラスブランク18Aを下部金型20Aから取り外すことが困難となる。また、平滑領域18bが小さすぎると平滑領域18bと外側領域18cとの識別が困難になり、両主表面の区別ができなくなる。
このため、ガラスブランク18Aの平滑領域18bの面積をS1、主表面の全面積をS0とするとき、S1/S0は0.4以下であることが好ましく、より好ましくは0.38以下、よりいっそう好ましくは0.2以下である。また、S1/S0は、0.01以上であることが好ましく、より好ましくは0.03以上であり、よりいっそう好ましくは0.18以上である。例えば、S1/S0は0.01〜0.2であることが好ましく、また、0.03〜0.4であることも好ましく、0.18〜0.38であることも好ましい。
平滑領域18bおよび外側領域18cの目視での識別を容易にするために、平滑領域18bと外側領域18cとを視覚的に区別できることが好ましい。このため、ガラスブランク18Aの平滑領域18bが形成された部分のヘイズ値が40%以下、好ましくは35%以下であり、外側領域18cが形成された部分のヘイズ値が35%以上、好ましくは45%以上、さらに好ましくは55%以上であり、かつ、平滑領域18bが形成された部分のヘイズ値は外側領域18cが形成された部分のヘイズ値よりも小さいことが好ましい。これによりガラスブランク18Aの中央部に形成される平滑領域18bは透明である一方、外側領域18cはすりガラス状に曇った状態として、視覚的に区別することが容易となる。
<変形例2>
図6は変形例2に係る下部金型20Bの中心を通る鉛直断面図であり、図7は変形例2に係るガラスブランク18Bの鉛直断面図である。下部金型20Bは、図1に示される下部金型20Aに代えて用いられる。
変形例2においては、下部金型20Bの上面(プレス面21)の、滴下される溶融ガラス16が始めに接触する位置に凹部21dが設けられている。凹部21dは、先細り形状をしている。ここで、先細り形状とは、例えば、半球形状、円錐や多角錐等の錐体形状、円錐台や角錐台等の截頭錐体形状等、プレス面21から凹部21dの底側に向かって水平断面積が小さくなる凹部形状である。凹部21dのプレス面21の平坦部分から底部に至る側面は平面であってもよいし、曲面(屈曲面や凹凸面)であってもよい。プレス面21への溶融ガラス16の滴下は、成形後のガラスブランク18B(図5参照)の中心Cから半径10mmの範囲内に凹部21dが位置するように行うことが好ましい。
下部金型20Bのプレス面21の凹部21d以外の部分は平坦であり、算術平均粗さRaが5μm以下であることが好ましく、Raが2μm以下であることがより好ましい。
ガラスブランク18Bの下側主表面には、ガラスブランク18Bの中心Cから半径10mmの範囲内に、凹部21dと対応する形状の小突起18dがガラスブランク18Bに形成される。なお、図7においては、小突起18dは中心Cと一致する位置に形成されている。
小突起18dは、先細り形状をしている。ここで、先細り形状とは、例えば、先細り形状とは、例えば、半球形状、円錐や多角錐等の錐体形状、円錐台や角錐台等の截頭錐体形状等、ガラスブランク18Bの下側主表面から小突起18dの先端に向かって主表面と平行な断面積が小さくなる突起形状である。小突起18dのプレス面21との接続部から先端に至る側面は平面であってもよいし、曲面(屈曲面や凹凸面)であってもよい。
下部金型20Bのプレス面21に凹部21dが設けられるとともに、ガラスブランク18Bの下側主表面に小突起18dが設けられることで、ガラスブランク18Bが下部金型20Bの上部に載置された状態では、ガラスブランク18Bの小突起18dと下部金型20Bの凹部21dとが嵌合している。このため、ターンテーブル11が回転しても、下部金型20Bの上部に載置されたガラスブランク18Bが遠心力によって下部金型20Bに対して回転径方向外側に移動することを防ぐことができる。また、ガラスブランク18Bの下部金型20Bと接触する主表面に小突起18dが形成される一方、ガラスブランク18Bの上部金型30と接触する主表面を平坦に形成することで、成形後のガラスブランク18Bの両主表面の判別を容易にすることができる。
ガラスブランク18Bの下部金型20Bに対する移動を防ぐとともに、成形後のガラスブランク18Bの両主表面の判別を容易にするために、小突起18dの最大径は、0.2mm以上とすることが好ましい。ここで、「最大径」とは、小突起18dの輪郭線が円である場合にはその半径をいい、小突起18dの輪郭線が円ではない場合には、小突起18dの輪郭線に外接する最小の外接円の半径をいう。
一方、ガラスブランク18Bからガラス基板を作成した場合に小突起18dが影響しないように、ガラスブランク18Bの小突起18dを含む範囲に円孔を形成することが好ましい。ガラスブランク18Bの小突起18dを含む範囲に円孔を形成することを容易にするため、小突起18dの開口の最大径は1.0mm以下であることが好ましい。
また、ガラスブランク18Bの下部金型20Bに対する移動を防ぐために、小突起18dの主表面からの最大高さは0.1mm以上であることが好ましい。
一方、小突起18dがガラスブランク18Bの搬送やガラスブランク18Bに対する円孔形成処理等の妨げとならないように、小突起18dの主表面からの最大高さは2.0mm以下であることが好ましい。
小突起18dの主表面からの最大高さを上記範囲とすることで、ガラスブランク18Bの下部金型20Bに対する移動を防ぐことができ、小突起18dがガラスブランク18Bの搬送の妨げとならない。
ガラスブランク18Bの小突起18dを上記の形状とするため、下部金型20Bの凹部21dの最大径を0.5〜15mmとすることが好ましい。ここで、「最大径」とは、凹部21dの開口の輪郭線が円である場合にはその半径をいい、凹部21dの開口の輪郭線が円ではない場合には、凹部21dの開口の輪郭線に外接する最小の外接円の半径をいう。
また、凹部21dのプレス面21からの最大深さは、0.1mm〜2.0mmであることが好ましい。
下部金型20Bの凹部21dを上記形状とすることで、ガラスブランク18Bの下部金型20Bに対する移動を防ぐとともに、成形後のガラスブランク18Bの両主表面の判別を容易とすることができる。
<変形例3>
図8は変形例3に係る下部金型20Bの中心を通る鉛直断面図であり、図9は変形例3に係るガラスブランク18Bの鉛直断面図である。
変形例3においては、変形例2の図6に示す下部金型20Bの上面に設けられる凹部21dと同様の形状及び構成の凹部21dの周りに、変形例1の図4に示す平滑領域形成部21bと同様の形状及び構成の平滑領域形成部21bが設けられ、平滑領域形成部21bの周りに図4に示す外側領域形成部21cと同様の形状及び構成の外側領域形成部21cが設けられている。下部金型20Bの凹部21d、平滑領域形成部21b及び外側領域形成部21cの説明は省略する。平滑領域形成部21b及び外側領域形成部21cに対応して、ガラスブランク18Bの下側主表面には、ガラスブランク18Bの中心Cから半径10mmの範囲内に、変形例2のガラスブランク18Bと同様の形状及び構成を有する、凹部21dと対応する形状の小突起18dが設けられ、小突起18dの周りに、変形例1の図5に示す平滑領域18bと同様の形状及び構成の平滑領域18bが設けられ、平滑領域18bの周りに図5に示す外側領域18cと同様の形状及び構成の外側領域18cが設けられている。このガラスブランク18Bの平滑領域18b及び外側領域18cの説明は省略する。
下部金型20Bのプレス面21に平滑領域形成部21bが設けられるとともに、ガラスブランク18の下側主表面に平滑領域18bが設けられることで、ガラスブランク18Bが下部金型20Bの上部に載置された状態では、ともに算術平均粗さRaが小さい平滑領域18bと下部金型20Bの平滑領域形成部21bとが密着し、摩擦抵抗が大きくなる。さらに、プレス面21の凹部21dとガラスブランク18Bの下側主表面の小突起18dとが嵌合している。このため、ターンテーブル11が回転しても、下部金型20Bの上部に載置されたガラスブランク18Bが遠心力によって下部金型20Bに対して回転径方向外側に移動することを防ぐ効果はより向上する。
また、ガラスブランク18Bの下側主表面に平滑領域18bおよび外側領域18cが形成される一方、ガラスブランク18Bの上側主表面は一様に形成されるため、成形後のガラスブランク18Bの両主表面の判別を容易にすることができる。すなわち、両主表面のうち、平滑領域18bおよび外側領域18cが識別される面が下側主表面であると区別することができる。
ガラスブランク18Bの平滑領域18bと下部金型20の平滑領域形成部21bとが密着することでガラスブランク18Bが下部金型20Bに対して固定されるため、平滑領域18bを大きくすることで、ガラスブランク18Bを下部金型20Bに対してより強固に固定することができる一方、平滑領域18bが大きすぎるとガラスブランク18Bを下部金型20Bから取り外すことが困難となる。また、平滑領域18bが小さすぎると平滑領域18bと外側領域18cとの識別が困難になり、両主表面の区別ができなくなる。
このため、ガラスブランク18Aの平滑領域18bの面積をS1、主表面の全面積をS0とするとき、S1/S0は0.4以下であることが好ましく、より好ましくは0.38以下、よりいっそう好ましくは0.2以下である。また、S1/S0は、0.01以上であることが好ましく、より好ましくは0.03以上であり、よりいっそう好ましくは0.18以上である。例えば、S1/S0は0.01〜0.2であることが好ましく、また、0.03〜0.4であることも好ましく、0.18〜0.38であることも好ましい。
平滑領域18bおよび外側領域18cの目視での識別を容易にするために、平滑領域18bと外側領域18cとを視覚的に区別できることが好ましい。このため、ガラスブランク18Bの平滑領域18bが形成された部分のヘイズ値が40%以下、好ましくは35%以下であり、外側領域18cが形成された部分のヘイズ値が35%以上、好ましくは45%以上、さらに好ましくは55%以上であり、かつ、平滑領域18bが形成された部分のヘイズ値は外側領域18cが形成された部分のヘイズ値よりも小さいことが好ましい。これによりガラスブランク18Bの中央部に形成される平滑領域18bは透明である一方、外側領域18cはすりガラス状に曇った状態として、視覚的に区別することが容易となる。
以上、本発明のガラスブランクおよび磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。例えば、ガラスブランクの下側主表面に凹陥部又は小突起を設ける代わりに、上側の主表面に凹陥部又は小突起を設けることで、成形後のガラスブランク18A,18Bの両主表面の判別をしてもよい。
11 ターンテーブル
12 プレス機下部
13 プレス機上部
14 回転軸
15 流出ノズル
16 溶融ガラス
17 溶融ガラス塊
18A,18B ガラスブランク
18a 凹陥部
18b 平滑領域
18c 外側領域
18d 小突起
20A,20B 下部金型
21 プレス面
21a 突起
21b 平滑領域形成部
21c 外側領域形成部
21d 凹部
30 上部金型

Claims (18)

  1. 磁気ディスク用ガラス基板を製造するための円板状のガラスブランクであって、
    前記ガラスブランクの両主表面の少なくとも一方には、前記ガラスブランクの中心から半径10mmの範囲内に先細り状の凹陥部を有し、前記凹陥部は、前記磁気ディスク用ガラス基板の円孔があけられる領域に設けられる、ガラスブランク。
  2. 前記凹陥部の開口の最大径は、0.5〜10mmである、請求項1に記載のガラスブランク。
  3. 前記凹陥部の一方の主表面からの最大深さは前記ガラスブランクの最大板厚の90%未満である、請求項1又は2に記載のガラスブランク。
  4. 前記凹陥部は、錐体形状あるいは截頭錐体形状である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラスブランク。
  5. 磁気ディスク用ガラス基板を製造するための円板状のガラスブランクであって、
    前記ガラスブランクの両主表面の少なくとも一方には、前記ガラスブランクの中心から半径10mmの範囲内に先細り状の小突起と、前記小突起の周りを取り巻き、前記ガラスブランクの外縁まで広がっている平坦面と、を有し、
    前記小突起の最大径は、0.2〜1.0mmであり、
    前記小突起は、前記中心に1つ設けられている、ガラスブランク。
  6. 前記小突起は、錐体形状あるいは截頭錐体形状である、請求項に記載のガラスブランク。
  7. 前記小突起の最大高さは0.1〜2.0mmである、請求項5又は6に記載のガラスブランク。
  8. 前記ガラスブランクの外周側面は、前記平坦面と接続する、外周外側に向かって丸まった曲面である、請求項5〜7のいずれか1項に記載のガラスブランク。
  9. 前記ガラスブランクの両主表面のうち、前記凹陥部を有する主表面は、算術平均粗さRaが0.8μm以上の外側領域に囲まれた、算術平均粗さRaが2μm以下の平滑領域を中央部に有し、
    前記外側領域の算術平均粗さRaをR1、前記平滑領域の算術平均粗さRaをR2とするときR1>R2である、請求項1〜のいずれか1項に記載のガラスブランク。
  10. 前記ガラスブランクの両主表面のうち、前記小突起を有する主表面は、算術平均粗さRaが0.8μm以上の外側領域に囲まれた、算術平均粗さRaが2μm以下の平滑領域を中央部に有し、
    前記外側領域の算術平均粗さRaをR1、前記平滑領域の算術平均粗さRaをR2とするときR1>R2である、請求項5〜8のいずれか1項に記載のガラスブランク。
  11. R1/R2は1.1〜6.0である、請求項9または10に記載のガラスブランク。
  12. R1は0.95〜3.0μmであり、R2は0.5〜1.5μmである、請求項9〜11のいずれか1項に記載のガラスブランク。
  13. 前記平滑領域の面積をS1、前記主表面の全面積をS0とするとき、S1/S0は0.01〜0.2である、請求項9〜12のいずれか1項に記載のガラスブランク。
  14. 前記ガラスブランクの、前記平滑領域が形成された部分のヘイズ値は40%以下であり、前記外側領域が形成された部分のヘイズ値は35%以上であって、かつ前記平滑領域のヘイズ値が前記外側領域のヘイズ値よりも小さい、請求項9〜13のいずれか1項に記載のガラスブランク。
  15. 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    下部金型の上面に溶融ガラスを滴下し、前記溶融ガラスを上部金型と前記下部金型との間に挟み込んで加圧することでガラスブランクを成形するプレス成形処理と、
    前記ガラスブランクに円孔を形成する円孔形成処理と、
    を含み、
    前記下部金型の上面は、滴下された前記溶融ガラスが接触する位置に突起を有し、
    前記プレス成形処理では、成形されるガラスブランクの下側の主表面の前記ガラスブランクの中心から半径10mmの範囲内に前記突起と対応する形状の凹陥部を形成し、
    前記円孔形成処理では、前記凹陥部を含む範囲に円孔を形成する、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  16. 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    下部金型の上面に溶融ガラスを滴下し、前記溶融ガラスを上部金型と前記下部金型との間に挟み込んで加圧することでガラスブランクを成形するプレス成形処理と、
    前記ガラスブランクに円孔を形成する円孔形成処理と、
    を含み、
    前記下部金型の上面は、滴下された前記溶融ガラスが接触する位置に凹部を有し、
    前記プレス成形処理では、成形されるガラスブランクの下側の主表面の前記ガラスブランクの中心から半径10mmの範囲内に前記凹部と対応する形状の小突起を形成し、
    さらに、前記小突起の周りを取り巻き、前記ガラスブランクの外縁まで広がっている平坦面を形成し、
    前記円孔形成処理では、前記小突起を含む範囲に円孔を形成し、
    前記小突起の最大径は、0.2〜1.0mmであり、
    前記小突起は、前記中心に1つ設けられている、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  17. 前記下部金型の上面は、算術平均粗さRaが0.5〜1.5μmの平滑領域形成部と、前記平滑領域形成部の外側に前記平滑領域形成部よりも算術平均粗さが大きい外側領域形
    成部とを有し、
    前記溶融ガラスを前記平滑領域形成部に滴下する、請求項15又は16に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  18. 前記円孔形成処理では、成形されたガラスブランクの前記平滑領域形成部により成形された平滑領域を含む領域に円孔を形成する、請求項17に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
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