JP2016071909A - 磁気ディスク用基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】波長50〜200μmの微小うねりを低下することができる磁気ディスク用基板の製造方法、および磁気ディスクの製造方法を提供する。【解決手段】磁気ディスク用基板の製造方法は、一対の研磨パッドで基板を挟み、前記研磨パッドと前記基板の間に研磨砥粒を含むスラリーを供給して、前記研磨パッドと前記基板を相対的に摺動させることにより、前記基板の両主表面を研磨する研磨処理を含む。前記基板の前記研磨処理後、さらに、別の基板に前記研磨処理を施す前に、前記研磨パッドの表面の開口に詰まっている研磨砥粒の残留物を物理的に除去する除去処理と、前記除去処理後の前記研磨パッドの表面を除去するドレス処理と、を行なう。【選択図】 図3
Description
本発明は、磁気ディスク用基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法に関する。
情報記録媒体の1つとして用いられる磁気ディスクには、従来より、ガラス基板が好適に用いられている。今日、ハードディスクドライブ装置における記憶容量の増大の要請を受けて、磁気記録の高密度化が図られている。これに伴って、磁気ヘッドの磁気記録面からの浮上距離を極めて短くして磁気記録情報エリアを微細化することが行われている。このような磁気ディスク用ガラス基板においては、基板の表面凹凸、特に微小うねりに対する低減要求は、高記録密度ハードディスクドライブ装置に必須の磁気ヘッド低浮上量化を達成するために、ますます強まっている。
これに対して、表面の微小うねりを正確に制御することができ、高密度記録に対応した情報記録媒体の基板として用いることができる情報記録媒体用ガラス基板の製造方法が知られている(特許文献1)。
当該製造方法は、軟質ポリシャの研磨パッドを貼りつけた上下定盤の間に情報記録媒体用ガラス基板をセットして両主表面を研磨する研磨工程を有する情報記録媒体用ガラス基板の製造方法である。この製造方法では、前記研磨工程後の情報記録媒体用ガラス基板主表面の微小うねりの値が、前記研磨工程で用いる研磨パッド表面の表面粗さの値に依存するという現象を利用し、前記研磨工程で用いる研磨パッド表面の表面粗さを選定することによって、前記研磨工程後の情報記録媒体用ガラス基板主表面の微小うねりが所定の値になるようにする。例えば、選定する研磨パッドの表面粗さRz(最大高さ)は、20μm以下とする。ここで微小うねりの波長(周期)帯域は2μm〜4mmとされている。
当該製造方法は、軟質ポリシャの研磨パッドを貼りつけた上下定盤の間に情報記録媒体用ガラス基板をセットして両主表面を研磨する研磨工程を有する情報記録媒体用ガラス基板の製造方法である。この製造方法では、前記研磨工程後の情報記録媒体用ガラス基板主表面の微小うねりの値が、前記研磨工程で用いる研磨パッド表面の表面粗さの値に依存するという現象を利用し、前記研磨工程で用いる研磨パッド表面の表面粗さを選定することによって、前記研磨工程後の情報記録媒体用ガラス基板主表面の微小うねりが所定の値になるようにする。例えば、選定する研磨パッドの表面粗さRz(最大高さ)は、20μm以下とする。ここで微小うねりの波長(周期)帯域は2μm〜4mmとされている。
最近、磁気ヘッドの小型化、低浮上量化、磁気ディスクの高速回転化などに伴い、磁気ディスク用ガラス基板において低減すべき微小うねりの波長帯域が小さくなってきた。しかし、上記製造方法における研磨パッドの表面粗さRzを、上述の数値範囲にした場合、従来の広い波長帯域を持つ、波長2μm〜4mmの微小うねりを低減することができるが、ガラス基板の波長50〜200μmの微小うねりを十分に低減することはできなかった。
このような背景において、上記微小うねりを低減するために、研磨パッドの表面粗さをより精度良く管理することが求められている。磁気ディスク用ガラス基板の主表面の品質要求を満足するようなガラス基板の表面粗さを達成させるための最終研磨処理では、研磨パッドとして、空隙(ボア)を多数有する発泡ポリウレタン製の研磨パッドが用いられる。この研磨パッドは、表面に所望のサイズの空隙の開口が露出するようにドレス処理をする。研磨未使用の新品の研磨パッドには、その表面に開口が空いていないので、一定の厚さで表面を削るドレス処理が施されてその表面に開口が設けられる。また、研磨パッドを繰り返して最終研磨処理に使用すると、表面の開口には、研磨によって生じたガラススラッジや研磨砥粒等が残留物として付着する。このため、最終研磨処理に繰り返し使用した研磨パッドは、表面を一定の厚さに削るドレス処理が施されてその表面に新たな開口が設けられる。
しかし、このようなドレス処理後の研磨パッドを用いて研磨したガラス基板の主表面の微小うねりは十分に低下しないといった問題があった。
このようなガラス基板における問題は、アルミニウム合金製基板においても同様の問題があった。
このような背景において、上記微小うねりを低減するために、研磨パッドの表面粗さをより精度良く管理することが求められている。磁気ディスク用ガラス基板の主表面の品質要求を満足するようなガラス基板の表面粗さを達成させるための最終研磨処理では、研磨パッドとして、空隙(ボア)を多数有する発泡ポリウレタン製の研磨パッドが用いられる。この研磨パッドは、表面に所望のサイズの空隙の開口が露出するようにドレス処理をする。研磨未使用の新品の研磨パッドには、その表面に開口が空いていないので、一定の厚さで表面を削るドレス処理が施されてその表面に開口が設けられる。また、研磨パッドを繰り返して最終研磨処理に使用すると、表面の開口には、研磨によって生じたガラススラッジや研磨砥粒等が残留物として付着する。このため、最終研磨処理に繰り返し使用した研磨パッドは、表面を一定の厚さに削るドレス処理が施されてその表面に新たな開口が設けられる。
しかし、このようなドレス処理後の研磨パッドを用いて研磨したガラス基板の主表面の微小うねりは十分に低下しないといった問題があった。
このようなガラス基板における問題は、アルミニウム合金製基板においても同様の問題があった。
そこで、本発明は、波長50〜200μmの微小うねりを低下することができる磁気ディスク用基板の製造方法、および磁気ディスクの製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者は、上記問題を解決すべく、研磨パッドに施すドレス処理について詳細な検討を行った。
上記微小うねりを低下するために、研磨パッドのドレス処理と研磨後のガラス基板の表面粗さを調べたところ、研磨パッドの表面の開口の大きさが小さく、しかも大きさのばらつきが小さいほど微小うねりの低減に有効であること、さらには、研磨に繰り返し使用した研磨パッドのドレス処理において、研磨によって生成し開口に付着したガラススラッジ等を十分に除去することが、微小うねりの低下に有効であることを知見した。
一般的に、研磨パッドには空隙(ボア)を多数有する発泡ポリウレタンが用いられる。発泡ポリウレタンにおける空隙は、その表面から内部に向かうほど空隙の断面が大きくなる形状を成している。このため、微小うねりを低下するために、研磨パッドの表面の開口の大きさを小さくしようとする場合、新品の研磨パッドの表面のドレス量(ドレス処理により表面を削り取る量)を小さくすることが好ましく、また、繰り返し研磨処理に使用した研磨パッドのドレス量も小さくすることが好ましい。しかし、ドレス量の小さなドレス処理では、開口に付着した残留物は研磨パッドの表面に残存し易い。このため、小さなドレス量でドレス処理した研磨パッドにおいて、ガラススラッジ等の残留物が除去されていることが、微小うねりの低下にとって重要である。以上より、本願発明者は、以下の磁気ディスク用基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法を発明するに至った。
上記微小うねりを低下するために、研磨パッドのドレス処理と研磨後のガラス基板の表面粗さを調べたところ、研磨パッドの表面の開口の大きさが小さく、しかも大きさのばらつきが小さいほど微小うねりの低減に有効であること、さらには、研磨に繰り返し使用した研磨パッドのドレス処理において、研磨によって生成し開口に付着したガラススラッジ等を十分に除去することが、微小うねりの低下に有効であることを知見した。
一般的に、研磨パッドには空隙(ボア)を多数有する発泡ポリウレタンが用いられる。発泡ポリウレタンにおける空隙は、その表面から内部に向かうほど空隙の断面が大きくなる形状を成している。このため、微小うねりを低下するために、研磨パッドの表面の開口の大きさを小さくしようとする場合、新品の研磨パッドの表面のドレス量(ドレス処理により表面を削り取る量)を小さくすることが好ましく、また、繰り返し研磨処理に使用した研磨パッドのドレス量も小さくすることが好ましい。しかし、ドレス量の小さなドレス処理では、開口に付着した残留物は研磨パッドの表面に残存し易い。このため、小さなドレス量でドレス処理した研磨パッドにおいて、ガラススラッジ等の残留物が除去されていることが、微小うねりの低下にとって重要である。以上より、本願発明者は、以下の磁気ディスク用基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法を発明するに至った。
すなわち、本発明の一態様は、磁気ディスク用基板の製造方法であって、
一対の研磨パッドで基板を挟み、前記研磨パッドと前記基板の間に研磨砥粒を含むスラリーを供給して、前記研磨パッドと前記基板を相対的に摺動させることにより、前記基板の両主表面を研磨する研磨処理を含み、
前記基板の前記研磨処理後、さらに、別の基板に前記研磨処理を施す前に、前記研磨パッドの表面の開口に詰まっている研磨砥粒の残留物を物理的に除去する除去処理と、
前記除去処理後の前記研磨パッドの表面を除去するドレス処理と、
を行なう、ことを特徴とする。
一対の研磨パッドで基板を挟み、前記研磨パッドと前記基板の間に研磨砥粒を含むスラリーを供給して、前記研磨パッドと前記基板を相対的に摺動させることにより、前記基板の両主表面を研磨する研磨処理を含み、
前記基板の前記研磨処理後、さらに、別の基板に前記研磨処理を施す前に、前記研磨パッドの表面の開口に詰まっている研磨砥粒の残留物を物理的に除去する除去処理と、
前記除去処理後の前記研磨パッドの表面を除去するドレス処理と、
を行なう、ことを特徴とする。
その際、前記除去処理は、ブラシを用いて前記残留物を除去する処理を含む、ことが好ましい。
また、前記基板はガラス基板であり、前記残留物は、ガラススラッジを含み、前記除去処理は、前記研磨パッドの表面に、高圧水を吹き付けることにより、前記残留物を除去する処理を含む、ことが好ましい。
前記研磨パッドの前記開口の口径は、10μm以下である、ことが好ましい。
前記ドレス処理は、前記研磨パッドの表面の部分を5μm以下除去する、ことが好ましい。
本発明の他の一態様は、前記磁気ディスク用基板の製造方法によって製造された磁気ディスク用基板の主表面に少なくとも磁性層を形成することを特徴とする、磁気ディスクの製造方法である。
上述の磁気ディスク用基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法では、基板の波長50μm〜200μmの微小うねりを低下することができる。
以下、本発明の磁気ディスク用基板の製造方法及び磁気ディスク用基板について詳細に説明する。なお、本発明の磁気ディスク用基板は、ガラス基板の他にアルミニウム合金基板にも適用できるが、以降の説明では磁気ディスク用ガラス基板を本実施形態として用いて説明する。
本実施形態では、一対の研磨パッドでガラス基板を挟み、研磨パッドとガラス基板の間に研磨砥粒を含むスラリーを供給して、研磨パッドとガラス基板を相対的に摺動させることにより、ガラス基板の両主表面を研磨する研磨処理を含む。ガラス基板の研磨処理後、さらに、別の基板に研磨処理を施す前に、研磨パッドの表面の開口に詰まっている研磨砥粒の残留物を物理的に除去する除去処理と、除去処理後の研磨パッドの表面を除去するドレス処理と、を行なう。ここで、除去処理及びドレス処理は、複数回の研磨処理を行った後に行なう。また、研磨処理は、後述するように最終研磨処理であることが好ましい。
このように、研磨処理を複数回行なった研磨パッドの表面の開口には、ガラススラッジや研磨砥粒等の残留物が付着する。この残留物が開口に付着した状態の研磨パッドで研磨処理をすると、ガラス基板の主表面の微小うねりを抑えることができない。このため、ドレス処理を行う前に残留物の物理的に除去する。物理的に除去するとは、除去手段を残留物と物理的に接触させて残留物を研磨パッドから除去することをいう。
本実施形態では、一対の研磨パッドでガラス基板を挟み、研磨パッドとガラス基板の間に研磨砥粒を含むスラリーを供給して、研磨パッドとガラス基板を相対的に摺動させることにより、ガラス基板の両主表面を研磨する研磨処理を含む。ガラス基板の研磨処理後、さらに、別の基板に研磨処理を施す前に、研磨パッドの表面の開口に詰まっている研磨砥粒の残留物を物理的に除去する除去処理と、除去処理後の研磨パッドの表面を除去するドレス処理と、を行なう。ここで、除去処理及びドレス処理は、複数回の研磨処理を行った後に行なう。また、研磨処理は、後述するように最終研磨処理であることが好ましい。
このように、研磨処理を複数回行なった研磨パッドの表面の開口には、ガラススラッジや研磨砥粒等の残留物が付着する。この残留物が開口に付着した状態の研磨パッドで研磨処理をすると、ガラス基板の主表面の微小うねりを抑えることができない。このため、ドレス処理を行う前に残留物の物理的に除去する。物理的に除去するとは、除去手段を残留物と物理的に接触させて残留物を研磨パッドから除去することをいう。
本実施形態では、磁気ディスクに用いる磁気ディスク用ガラス基板は、円板形状であって、中心部分が同心円形状にくり抜かれたリング状を成し、リングの中心を回転軸として回転する。磁気ディスクは、磁気ディスク用ガラス基板に磁性層等を積層して得られる。
例えば、付着層、軟磁性層、非磁性下地層、垂直磁気記録層、保護層および潤滑層等がガラス基板上に成膜される。これにより、磁気ディスクが製造される。したがって、磁気ディスク用ガラス基板の表面凹凸を精度良く管理することは重要である。本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法では、ガラス基板の主表面の研磨により、ガラス基板の主表面における波長50〜200μmの微小うねりの二乗平均平方根粗さRqを低減することができ、好ましくは研磨前の0.6nm以下の二乗平均平方根粗さRqを0.06nm以下に低減することができる。このとき、研磨に用いる研磨パッドは、表面に複数の開口を有する発泡ポリウレタンの表面層を有する。この研磨パッドの表面層は、残留物の除去処理及びドレス処理により管理されている。
なお、本明細書でいう波長50〜200μmの微小うねりの二乗平均平方根粗さRqを含めた表面粗さの定義は、いずれもJIS B 0601:2001に準拠する。
例えば、付着層、軟磁性層、非磁性下地層、垂直磁気記録層、保護層および潤滑層等がガラス基板上に成膜される。これにより、磁気ディスクが製造される。したがって、磁気ディスク用ガラス基板の表面凹凸を精度良く管理することは重要である。本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法では、ガラス基板の主表面の研磨により、ガラス基板の主表面における波長50〜200μmの微小うねりの二乗平均平方根粗さRqを低減することができ、好ましくは研磨前の0.6nm以下の二乗平均平方根粗さRqを0.06nm以下に低減することができる。このとき、研磨に用いる研磨パッドは、表面に複数の開口を有する発泡ポリウレタンの表面層を有する。この研磨パッドの表面層は、残留物の除去処理及びドレス処理により管理されている。
なお、本明細書でいう波長50〜200μmの微小うねりの二乗平均平方根粗さRqを含めた表面粗さの定義は、いずれもJIS B 0601:2001に準拠する。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の一例を以下説明する。
先ず、一対の主表面を有する板状の磁気ディスク用ガラス基板の素材となるガラスブランクを成形する。次に、このガラスブランクを適宜加工して、中心部分に孔のあいた、エッジ部が面取り加工されたリング形状(円環状)のガラス基板を作製する。これにより、ガラス基板が生成される。この後、主表面について研磨処理を行うことによって、波長50μm〜200μmの微小うねりを低減することができる。研磨処理は、必要に応じて、複数の処理に分けて行ってもよい。また、必要に応じて、主表面の研削や、端面(面取り部含む)の研磨や、化学強化を行ってもよい。このとき各処理の順序は適宜決定してよい。
以下、各処理について、説明する。
先ず、一対の主表面を有する板状の磁気ディスク用ガラス基板の素材となるガラスブランクを成形する。次に、このガラスブランクを適宜加工して、中心部分に孔のあいた、エッジ部が面取り加工されたリング形状(円環状)のガラス基板を作製する。これにより、ガラス基板が生成される。この後、主表面について研磨処理を行うことによって、波長50μm〜200μmの微小うねりを低減することができる。研磨処理は、必要に応じて、複数の処理に分けて行ってもよい。また、必要に応じて、主表面の研削や、端面(面取り部含む)の研磨や、化学強化を行ってもよい。このとき各処理の順序は適宜決定してよい。
以下、各処理について、説明する。
(a)ガラスブランク成形処理
ガラスブランクの成形では、例えばフロート法が用いられる。ガラスブランクの成形処理では先ず、錫などの溶融金属の満たされた浴槽内に、溶融ガラスを連続的に流し入れることで例えば上述した組成の板状ガラスを得る。溶融ガラスは厳密な温度操作が施された浴槽内で進行方向に沿って流れ、最終的に所望の厚さ、幅に調整された板状ガラスが形成される。この板状ガラスから、磁気ディスク用ガラス基板の元となる所定形状(例えば平面視四角形状)の板状のガラスブランクが切り出される。
また、板状のガラスブランクの成形は、フロート法の他に、例えばプレス成形法を用いることもできる。さらに、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法などの公知の製造方法を用いて製造することができる。これらの公知の製造方法で作られた板状ガラスに対し、適宜形状加工を行うことによって磁気ディスク用ガラス基板の元となる円板状のガラスブランクが切り出される。
ガラスブランクの成形では、例えばフロート法が用いられる。ガラスブランクの成形処理では先ず、錫などの溶融金属の満たされた浴槽内に、溶融ガラスを連続的に流し入れることで例えば上述した組成の板状ガラスを得る。溶融ガラスは厳密な温度操作が施された浴槽内で進行方向に沿って流れ、最終的に所望の厚さ、幅に調整された板状ガラスが形成される。この板状ガラスから、磁気ディスク用ガラス基板の元となる所定形状(例えば平面視四角形状)の板状のガラスブランクが切り出される。
また、板状のガラスブランクの成形は、フロート法の他に、例えばプレス成形法を用いることもできる。さらに、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法などの公知の製造方法を用いて製造することができる。これらの公知の製造方法で作られた板状ガラスに対し、適宜形状加工を行うことによって磁気ディスク用ガラス基板の元となる円板状のガラスブランクが切り出される。
(b)形状加工処理
次に、形状加工処理では、ガラスブランク成形処理後、公知の加工方法を用いて円孔を形成することにより円形状の貫通孔があいたディスク状のガラス基板を作る。その後、さらに面取りを実施してもよい。また、板厚調整や平坦度低減などの目的で、主表面の研削を実施してもよい。
次に、形状加工処理では、ガラスブランク成形処理後、公知の加工方法を用いて円孔を形成することにより円形状の貫通孔があいたディスク状のガラス基板を作る。その後、さらに面取りを実施してもよい。また、板厚調整や平坦度低減などの目的で、主表面の研削を実施してもよい。
(c)第1研磨処理
次に、ガラス基板の主表面に第1研磨処理が施される。第1研磨処理は、主表面の鏡面研磨を目的とする。具体的には、ガラス基板を、両面研磨装置に装着される保持部材(キャリア)に設けられた保持孔内に保持しながらガラス基板の両側の主表面の研磨が行われる。第1研磨による取り代は、例えば数μm〜100μm程度である。第1研磨処理は、例えば主表面に残留したキズや歪みの除去、あるいは微小な表面凹凸の調整を目的とする。なお、表面凹凸についてさらに低減したり、より精密な調整を行うために、第1研磨処理を複数の研磨処理に分けて実施してもよい。
次に、ガラス基板の主表面に第1研磨処理が施される。第1研磨処理は、主表面の鏡面研磨を目的とする。具体的には、ガラス基板を、両面研磨装置に装着される保持部材(キャリア)に設けられた保持孔内に保持しながらガラス基板の両側の主表面の研磨が行われる。第1研磨による取り代は、例えば数μm〜100μm程度である。第1研磨処理は、例えば主表面に残留したキズや歪みの除去、あるいは微小な表面凹凸の調整を目的とする。なお、表面凹凸についてさらに低減したり、より精密な調整を行うために、第1研磨処理を複数の研磨処理に分けて実施してもよい。
第1研磨処理では、上定盤、下定盤、インターナルギヤ、キャリア、太陽ギヤを備え、遊星歯車機構を有する公知の両面研磨装置を用いて、研磨スラリーを与えながらガラス基板が研磨される。第1研磨処理では、研磨砥粒(遊離砥粒)を含んだ研磨スラリーが用いられる。第1研磨に用いる遊離砥粒として、例えば、酸化セリウムやジルコニア、コロイダルシリカの砥粒等(粒子サイズ:直径0.3〜3μm程度)が用いられる。両面研磨装置では、上下一対の定盤の間にガラス基板が狭持される。下定盤の上面及び上定盤の底面には、全体として円環形状の平板の研磨パッド(例えば、樹脂製のポリッシャ)が取り付けられている。そして、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作させることで、ガラス基板と各定盤とを相対的に移動させることにより、ガラス基板の両主表面を研磨する。
(d)化学強化処理
ガラス基板は適宜化学強化することができる。化学強化液として、例えば硝酸カリウムや硝酸ナトリウム、またはそれらの混合物を300℃〜500℃に加熱して得られる溶融液を用いることができる。そして、ガラス基板を化学強化液中に例えば1時間〜10時間浸漬する。
化学強化処理を行うタイミングは、適宜決定することができるが、化学強化処理の後に研磨処理を行うようにすると、表面の平滑化とともに化学強化処理によってガラス基板の表面に固着した異物を取り除くことができるので特に好ましい。化学強化処理は、必ずしも行う必要はない。
ガラス基板は適宜化学強化することができる。化学強化液として、例えば硝酸カリウムや硝酸ナトリウム、またはそれらの混合物を300℃〜500℃に加熱して得られる溶融液を用いることができる。そして、ガラス基板を化学強化液中に例えば1時間〜10時間浸漬する。
化学強化処理を行うタイミングは、適宜決定することができるが、化学強化処理の後に研磨処理を行うようにすると、表面の平滑化とともに化学強化処理によってガラス基板の表面に固着した異物を取り除くことができるので特に好ましい。化学強化処理は、必ずしも行う必要はない。
(e)第2研磨(最終研磨)処理
次に、化学強化処理後のガラス基板に第2研磨処理が施される。第2研磨処理は、主表面の鏡面研磨を目的とする。第2研磨においても、第1研磨に用いる両面研磨装置と同様の構成を有する両面研磨装置が用いられる。第2研磨による取り代は、例えば0.5μmから10μm程度である。
第2研磨処理では、遊離砥粒を含むスラリーを用いて研磨が行われる。遊離砥粒としてコロイダルシリカが好適に用いられる。コロイダルシリカの平均粒径は、5nm以上50nm以下であることが、ガラス基板Gの主表面における波長50〜200μmの微小うねりを低減する点で、好ましい。平均粒径が50nmより大きいと、波長50〜200μmの微小うねりを十分に低減できない虞がある。また、表面粗さを十分に低減できない虞がある。一方、平均粒径が5nm未満だと、研磨レートが極端に下がり生産性が低下する虞がある。
なお、本実施形態において、上記平均粒径とは、光散乱法により測定された粒度分布における粉体の集団の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが50%となる点の粒径(累積平均粒子径(50%径)や、D50とも呼ぶ)を言う。
図1(a)、(b)は、第2研磨に用いる研磨装置10の概略構成図である。第1研磨にも同様の装置を用いることができる。
次に、化学強化処理後のガラス基板に第2研磨処理が施される。第2研磨処理は、主表面の鏡面研磨を目的とする。第2研磨においても、第1研磨に用いる両面研磨装置と同様の構成を有する両面研磨装置が用いられる。第2研磨による取り代は、例えば0.5μmから10μm程度である。
第2研磨処理では、遊離砥粒を含むスラリーを用いて研磨が行われる。遊離砥粒としてコロイダルシリカが好適に用いられる。コロイダルシリカの平均粒径は、5nm以上50nm以下であることが、ガラス基板Gの主表面における波長50〜200μmの微小うねりを低減する点で、好ましい。平均粒径が50nmより大きいと、波長50〜200μmの微小うねりを十分に低減できない虞がある。また、表面粗さを十分に低減できない虞がある。一方、平均粒径が5nm未満だと、研磨レートが極端に下がり生産性が低下する虞がある。
なお、本実施形態において、上記平均粒径とは、光散乱法により測定された粒度分布における粉体の集団の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが50%となる点の粒径(累積平均粒子径(50%径)や、D50とも呼ぶ)を言う。
図1(a)、(b)は、第2研磨に用いる研磨装置10の概略構成図である。第1研磨にも同様の装置を用いることができる。
研磨装置10は、図1(a)、(b)に示すように、下定盤12と、上定盤14と、インターナルギヤ16と、キャリア18と、研磨パッド20と、太陽ギヤ22と、を備える。
研磨装置10は、上下方向から、下定盤12と上定盤14との間にインターナルギヤ16を挟む。インターナルギヤ16内には、研磨時に複数のキャリア18が保持される。図1(b)には、5つのキャリア18が示されている。下定盤12及び上定盤14には、研磨パッド20が平面的に接着されている。下定盤12及び上定盤14は、下定盤12及び上定盤14の備える回転軸中心の周りに回転(自転)するように構成されている。
研磨装置10は、上下方向から、下定盤12と上定盤14との間にインターナルギヤ16を挟む。インターナルギヤ16内には、研磨時に複数のキャリア18が保持される。図1(b)には、5つのキャリア18が示されている。下定盤12及び上定盤14には、研磨パッド20が平面的に接着されている。下定盤12及び上定盤14は、下定盤12及び上定盤14の備える回転軸中心の周りに回転(自転)するように構成されている。
図2は、研磨装置の研磨を説明する図であり、図1(b)に示すA−A線に沿った断面図である。図2に示されるように、下定盤12上の研磨パッド20にガラス基板Gの下側の主表面が当接し、上定盤14上の研磨パッド20にガラス基板Gの上側の主表面が当接するように、キャリア18が配置される。このような状態で研磨を行うことにより、円環状に加工されたガラス基板Gの両側の主表面を研磨することができる。
図1(b)に示されるように、各キャリア18に設けられた円形状の孔に、円環状のガラス基板Gが保持される。一方、ガラス基板Gは、下定盤12の上で、外周にギヤ19を有するキャリア18に保持される。キャリア18は、下定盤12に設けられた太陽ギヤ22、インターナルギヤ16と噛合する。太陽ギヤ22を図1(b)に示される矢印方向に回転することにより、各キャリア208はそれぞれの矢印方向に遊星歯車として自転しながら公転する。これにより、ガラス基板Gは、研磨パッド20を用いて研磨される。研磨時、ガラス基板Gは、例えば0.002〜0.02MPaで押圧されて研磨される。研磨に用いるスラリーは、図1(a)に示すように上定盤14に供給され、下定盤12に流れて外部容器に回収される。
なお、第2研磨で用いる遊離砥粒の種類、粒径、粒径のばらつきや、研磨パッド20に用いる樹脂の硬度、後述するような研磨パッド20表面のポアの開口径などは、第1研磨から適宜変更される。本実施形態では、少なくとも最終の研磨処理において、研磨後のガラス基板の波長50〜200μmの微小うねりを低減するために、研磨パッド20の表面は、ドレス処理と残留物の除去処理により管理される。
第2研磨の後、ガラス基板Gは洗浄され、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。
この後、磁気ディスク用ガラス基板の主表面に、磁性層が設けられ磁気ディスクが作製される。磁気ディスクの表面には、例えば、付着層、軟磁性層、非磁性下地層、垂直磁気記録層、保護層および潤滑層等の各層が設けられる。
第2研磨の後、ガラス基板Gは洗浄され、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。
この後、磁気ディスク用ガラス基板の主表面に、磁性層が設けられ磁気ディスクが作製される。磁気ディスクの表面には、例えば、付着層、軟磁性層、非磁性下地層、垂直磁気記録層、保護層および潤滑層等の各層が設けられる。
(研磨パッド)
本実施形態で用いる研磨パッド20は、発泡ポリウレタンが用いられる。研磨処理に未使用の新品の研磨パッド20は、図3に示すように、表面には開口が形成されず、内部にサイズが異なる空隙20a,20bを含んでいる。図3は、本実施形態で用いる研磨パッドの構造を説明する断面図である。空隙20a,20bはいずれも、液滴形状を成し、表面20cに向かって先細りの形状を成している。このため、新品の研磨パッド20の表面は20cを除去して、空隙20a,20bの先端部分が開口となるようにドレス処理が行われる。しかし、空隙20a,20bの大きさが異なるため、従来のように線Y1のドレス量を大きくして開口を表面に設けると、開口の大きさはばらつく(空隙20aにより形成される開口は、空隙20bにより形成される開口に比べて小さい)。このため、表面の開口のばらつきが大きい研磨パッドを第2研磨処理に用いると、ガラス基板Gの主表面は、微小うねりが生じ易い。このため、表面の開口の大きさがばらつかないように、ドレス処理におけるドレス量は小さい。図3に示す例では、研磨パッド20の表面20cを線X1の位置にする。
本実施形態で用いる研磨パッド20は、発泡ポリウレタンが用いられる。研磨処理に未使用の新品の研磨パッド20は、図3に示すように、表面には開口が形成されず、内部にサイズが異なる空隙20a,20bを含んでいる。図3は、本実施形態で用いる研磨パッドの構造を説明する断面図である。空隙20a,20bはいずれも、液滴形状を成し、表面20cに向かって先細りの形状を成している。このため、新品の研磨パッド20の表面は20cを除去して、空隙20a,20bの先端部分が開口となるようにドレス処理が行われる。しかし、空隙20a,20bの大きさが異なるため、従来のように線Y1のドレス量を大きくして開口を表面に設けると、開口の大きさはばらつく(空隙20aにより形成される開口は、空隙20bにより形成される開口に比べて小さい)。このため、表面の開口のばらつきが大きい研磨パッドを第2研磨処理に用いると、ガラス基板Gの主表面は、微小うねりが生じ易い。このため、表面の開口の大きさがばらつかないように、ドレス処理におけるドレス量は小さい。図3に示す例では、研磨パッド20の表面20cを線X1の位置にする。
なお、ドレス処理は、図1(a)、(b)及び図2に示す研磨装置10において、研磨パッド20を下定盤12及び上定盤14に貼り付けた状態で、キャリア18の代わりに、ダイヤモンド砥粒等を表面に分散させて固定した、キャリア18と同じサイズの円板状のドレッサを用いて行なわれる。すなわち、ドレッサを下定盤12と上定盤14の間に挟んで所定の圧力をかけてドレッサと研磨パッド20を相対的に摺動させることにより、ドレス処理が行なわれる。
しかし、このように研磨パッド20を研磨処理に繰り返し用いた後の研磨パッド20は、研磨処理によって得られたガラススラッジや研磨砥粒等の残留物が研磨パッド20の表面に付着して、研磨速度を低下させ、また、微小うねりを大きくする。このため、研磨パッド20はドレス処理が施される。このドレス処理の場合においてもドレス量は従来に比べて小さい。図3に示す例では、研磨パッド20の表面20cを線X2の位置にする。
このように、従来に比べて本実施形態におけるドレス量は小さいので、研磨パッド20の表面の開口に付着したガラススラッジや研磨砥粒等の残留物は、ドレス処理において研磨パッド20の除去される部分とともに除去され難い。このため、ドレス処理を行っただけでは、開口にはガラススラッジや研磨砥粒等の残留物が多数付着している場合がある。
このため、本実施形態では、ドレス処理を行う前に、研磨パッド20の表面の開口に詰まっている研磨砥粒の残留物を物理的に除去する除去処理を行う。
このように、従来に比べて本実施形態におけるドレス量は小さいので、研磨パッド20の表面の開口に付着したガラススラッジや研磨砥粒等の残留物は、ドレス処理において研磨パッド20の除去される部分とともに除去され難い。このため、ドレス処理を行っただけでは、開口にはガラススラッジや研磨砥粒等の残留物が多数付着している場合がある。
このため、本実施形態では、ドレス処理を行う前に、研磨パッド20の表面の開口に詰まっている研磨砥粒の残留物を物理的に除去する除去処理を行う。
除去処理では、例えば、ブラシを用いてガラススラッジや研磨砥粒等の残留物を研磨パッド20の表面から除去する処理を含む、ことが好ましい。ブラシを用いて残留物を除去する場合、水や洗浄液を研磨パッド20の表面に供給しながら除去することが好ましい。ブラシは、例えば直径0.1〜1mmのナイロン樹脂繊維からなるブラシが挙げられる。このように、研磨パッド20の表面から物理的に残留物を除去することにより、その後に行なうドレス処理におけるドレス量が小さくても、ドレス処理後の研磨パッド20の開口には残留物が残り難い。このため、研磨パッド20を用いたガラス基板の主表面の微小うねりを抑制することができる。
また、除去処理は、例えば、研磨パッドの表面に、高圧水を吹き付けることにより、残留物を除去する処理を含む。このように、研磨パッド20の表面から高圧水を吹き付けて物理的に残留物を除去することにより、その後に行なうドレス処理におけるドレス量が小さくても、ドレス処理後の研磨パッド20の開口には残留物がない。このため、研磨パッド20を用いたガラス基板の主表面の微小うねりを抑制することができる。ここで、高圧水の圧力は1〜15Pa(ゲージ圧)であることが好ましい。後述するように、高圧水を吹き付ける除去処理は、水や洗浄液を霧粒にして研磨パッド20に吹き付ける除去処理に比べて、ガラス基板の主表面の微小うねりを大きく抑制することができる。
また、除去処理は、例えば、研磨パッドの表面に、高圧水を吹き付けることにより、残留物を除去する処理を含む。このように、研磨パッド20の表面から高圧水を吹き付けて物理的に残留物を除去することにより、その後に行なうドレス処理におけるドレス量が小さくても、ドレス処理後の研磨パッド20の開口には残留物がない。このため、研磨パッド20を用いたガラス基板の主表面の微小うねりを抑制することができる。ここで、高圧水の圧力は1〜15Pa(ゲージ圧)であることが好ましい。後述するように、高圧水を吹き付ける除去処理は、水や洗浄液を霧粒にして研磨パッド20に吹き付ける除去処理に比べて、ガラス基板の主表面の微小うねりを大きく抑制することができる。
本実施形態では、微小うねりを小さくするために、研磨パッド20のドレス量を小さくして、研磨パッド20の表面に露出する開口の大きさを小さくする。このときの、研磨パッド20の開口の口径は、10μm以下であることが微小うねりを小さくするために好ましく、7μm以下であることがより好ましい。
ドレス処理では、研磨パッド20の表面に露出する開口の大きさを小さくする点から、研磨パッド20の表面の部分を5μm以下除去することが好ましく、3μm以下除去することがより好ましい。
ドレス処理では、研磨パッド20の表面に露出する開口の大きさを小さくする点から、研磨パッド20の表面の部分を5μm以下除去することが好ましく、3μm以下除去することがより好ましい。
(実験例)
本実施形態の効果を確かめるために、ガラス基板に上述の第2研磨(最終研磨)処理
を施して微小うねりを計測した。
用いた研磨パッド20は、発泡ポリウレタンを用い、除去処理の有無、除去処理の内容、及び研磨パッド20のドレス量を種々変えた。未使用の研磨パッド20を第2研磨処理に所定回数使用した後のものに対してドレス処理を施した。除去処理における高圧水(実施例1,3,4)は、5Paの高圧水を研磨パッド20に約3cm離れた位置から吹きつけた。ブラシによる除去処理(実施例2)では、0.5mmのナイロン樹脂繊維からなるブラシを用いて、水を研磨パッド20の表面に供給しながらブラッシングすることにより残留物を除去した。
本実施形態の効果を確かめるために、ガラス基板に上述の第2研磨(最終研磨)処理
を施して微小うねりを計測した。
用いた研磨パッド20は、発泡ポリウレタンを用い、除去処理の有無、除去処理の内容、及び研磨パッド20のドレス量を種々変えた。未使用の研磨パッド20を第2研磨処理に所定回数使用した後のものに対してドレス処理を施した。除去処理における高圧水(実施例1,3,4)は、5Paの高圧水を研磨パッド20に約3cm離れた位置から吹きつけた。ブラシによる除去処理(実施例2)では、0.5mmのナイロン樹脂繊維からなるブラシを用いて、水を研磨パッド20の表面に供給しながらブラッシングすることにより残留物を除去した。
微小うねりは、ガラス基板の主表面の表面凹凸を、光学式表面形状測定機を用いて測定して、50〜200μmの波長のうねりの二乗平均平方根粗さRqを求め、RqのレベルによってA〜Dの4段階評価をした。評価Aは微小うねりが極めて小さいレベル(Rqが0.04nm以下)、評価Bは微小うねりが小さいレベル(Rqが0.04nmより大きく0.05nm以下)、評価Cは微小うねりが許容ぎりぎりのレベル(Rqが0.05nmより大きく0.06nm以下)、評価Dは微小うねりが許容できない程度に大きなレベル(Rqが0.06nmより大きい)を意味する。
下記表には、各研磨パッドのドレス処理、除去処理の種々の内容とその評価結果を示している。
上記表1によると、除去処理をすることにより、微小うねりを許容レベルに抑えることができることがわかる。特にドレス量を5μm以下とする実施例1〜3では、微小うねりを有効に抑えることができる。ドレス処理を5μm以上とする実施例4では、微小うねりが許容レベル範囲内であるが大きくなる。
これより、本実施形態の効果は明らかである。
これより、本実施形態の効果は明らかである。
以上、本発明の磁気ディスク用基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 研磨装置
12 下定盤
14 上定盤
16 インターナルギヤ
18 キャリア
19 ギヤ
20 研磨パッド
22 太陽ギヤ
12 下定盤
14 上定盤
16 インターナルギヤ
18 キャリア
19 ギヤ
20 研磨パッド
22 太陽ギヤ
Claims (6)
- 磁気ディスク用基板の製造方法であって、
一対の研磨パッドで基板を挟み、前記研磨パッドと前記基板の間に研磨砥粒を含むスラリーを供給して、前記研磨パッドと前記基板を相対的に摺動させることにより、前記基板の両主表面を研磨する研磨処理を含み、
前記基板の前記研磨処理後、さらに、別の基板に前記研磨処理を施す前に、前記研磨パッドの表面の開口に詰まっている研磨砥粒の残留物を物理的に除去する除去処理と、
前記除去処理後の前記研磨パッドの表面を除去するドレス処理と、
を行なう、ことを特徴とする磁気ディスク用基板の製造方法。 - 前記除去処理は、ブラシを用いて前記残留物を除去する処理を含む、請求項1に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
- 前記基板はガラス基板であり、
前記残留物は、ガラススラッジを含み、
前記除去処理は、前記研磨パッドの表面に、高圧水を吹き付けることにより、前記残留物を除去する処理を含む、請求項1または2に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。 - 前記研磨パッドの前記開口の口径は、10μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
- 前記ドレス処理は、前記研磨パッドの表面の部分を5μm以下除去する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気ディスク用基板の製造方法によって製造された磁気ディスク用基板の主表面に少なくとも磁性層を形成することを特徴とする、磁気ディスクの製造方法。
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JP2014198329A JP2016071909A (ja) | 2014-09-29 | 2014-09-29 | 磁気ディスク用基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 |
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