JP2008174400A - ガラス基板成形用金型、ガラス基板の製造方法、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法及び情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

ガラス基板成形用金型、ガラス基板の製造方法、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法及び情報記録媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶融ガラスをプレス成形することによってガラス基板を製造するための金型において、離型の際のガラス基板の割れやクラックの発生を防止することができるガラス基板成形用金型、該ガラス基板成形用金型を用いたガラス基板の製造方法等を提供する。
【解決手段】溶融ガラスが供給され、供給された該溶融ガラスを加圧するための第1の成形面を備える下型と、下型の第1の成形面との間で溶融ガラスを加圧するための第2の成形面を備える上型とを有するガラス基板成形用金型であって、第1の成形面及び第2の成形面の少なくとも一方は、表面粗さRaが0.11μm以上5μm以下である。
【選択図】図4

Description

本発明は、ガラス基板成形用金型、該成形用金型を用いたガラス基板の製造方法、該製造方法で製造したガラス基板を用いた情報記録媒体用ガラス基板の製造方法及び情報記録媒体の製造方法に関する。
磁気、光、光磁気等の性質を利用した記録層を有する情報記録媒体のなかで、代表的なものとして磁気ディスクがある。磁気ディスク用基板として、従来アルミニウム基板が広く用いられていた。しかし、近年、記録密度向上のための磁気ヘッド浮上量の低減の要請に伴い、アルミニウム基板よりも表面の平滑性に優れ、しかも表面欠陥が少ないことから磁気ヘッド浮上量の低減を図ることができるガラス基板を磁気ディスク用基板として用いる割合が増えてきている。
このような磁気ディスク等の情報記録媒体用ガラス基板は、ブランク材と呼ばれるガラス基板に研磨加工等を施すことによって製造される。ガラス基板(ブランク材)は、プレス成形によって製造する方法や、フロート法等によって作製された板ガラスを切断して製造する方法等が知られている。これらの方法うち、溶融ガラスを直接プレス成形することによってガラス基板を製造する方法は、特に高い生産性が期待できることから注目されている。
しかし、プレス成形によってガラス基板を製造する方法においては、上下の金型でプレス成形した後、成形されたガラス基板が金型に張り付いてしまい、離型の際にガラス基板が割れたり、クラックが発生する場合があるという問題があった。
溶融ガラスをプレス成形する方法ではなく、ガラス素材を加熱・軟化させてプレス成形し、ガラス基板を成形する方法においては、上型に設けた直径1mm程度の貫通孔から不活性気体等を供給してガラス基板を離型する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2002−187727号公報
しかしながら、溶融ガラスを直接プレス成形してガラス基板を製造する方法は、ガラス素材を加熱・軟化させてプレス成形する方法と比較して、プレス開始時点のガラスの粘性が非常に低いという特徴がある。そのため、溶融ガラスを直接プレス成形してガラス基板を製造する方法において上記のような貫通孔を有する金型を用いると、貫通孔に溶融ガラスが入り込むためガラス基板に凸部が生じてしまい、研磨等の後工程に余分な時間と労力を要するという問題があった。また、貫通孔に入り込んだガラスが起点となってガラス基板に割れやクラックが発生し易いという問題もあった。
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、溶融ガラスをプレス成形することによってガラス基板を製造するための金型において、離型の際のガラス基板の割れやクラックの発生を防止することができるガラス基板成形用金型、該ガラス基板成形用金型を用いたガラス基板の製造方法、該製造方法で製造したガラス基板を用いた情報記録媒体用ガラス基板の製造方法及び情報記録媒体の製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1. 溶融ガラスをプレス成形してガラス基板を製造するためのガラス基板成形用金型において、前記溶融ガラスが供給され、供給された該溶融ガラスを加圧するための第1の成形面を備える下型と、前記第1の成形面との間で前記溶融ガラスを加圧するための第2の成形面を備える上型と、を有し、前記第1の成形面及び前記第2の成形面の少なくとも一方は、表面粗さRaが0.11μm以上5μm以下であることを特徴とするガラス基板成形用金型。
2. 溶融ガラスをプレス成形してガラス基板を製造するガラス基板の製造方法において、下型に形成された第1の成形面に溶融ガラスを供給する溶融ガラス供給工程と、前記第1の成形面、及び上型に形成された第2の成形面で、前記第1の成形面に供給された前記溶融ガラスを加圧しながら冷却してガラス基板を得る加圧工程と、前記加圧工程の後、前記ガラス基板への加圧を解除して型開きを行う離型工程と、を有し、前記第1の成形面及び前記第2の成形面の少なくとも一方は、表面粗さRaが0.11μm以上5μm以下であることを特徴とするガラス基板の製造方法。
3. 前記ガラス基板は、情報記録媒体用ガラス基板を製造するためのガラス基板であることを特徴とする前記2に記載のガラス基板の製造方法。
4. 前記3に記載のガラス基板の製造方法により製造されたガラス基板を研磨する工程を有することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
5. 前記4に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法により製造された情報記録媒体用ガラス基板に記録層を形成する工程を有することを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
本発明によれば、下型の第1の成形面及び上型の第2の成形面の少なくとも一方の表面粗さが所定の範囲であるため、成形されたガラス基板の熱量をこれらの面から急速に逃がすことができ、その結果、ガラス基板の張り付きを抑えることができる。従って、溶融ガラスをプレス成形することによってガラス基板を製造する方法において、離型の際のガラス基板の割れやクラックの発生を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(ガラス基板成形用金型)
図1は、本発明のガラス基板成形用金型の例を示す図である。この金型10は、溶融ガラスが供給され、供給された該溶融ガラスを加圧するための第1の成形面13を備える下型11と、下型11の第1の成形面13との間で溶融ガラスを加圧するための第2の成形面14を備える上型12とを有している。
本発明のガラス基板成形用金型は、成形によって得られるガラス基板と接触する第1の成形面13及び第2の成形面14の少なくとも一方は、表面粗さRaが0.11μm以上5μm以下となっている。そのため、成形によるガラス基板の張り付きを抑えることができ、離型の際のガラス基板の割れやクラックの発生を防止することができる。
第1の成形面13及び第2の成形面14の少なくとも一方の表面粗さRaを上記範囲とすることでガラス基板の張り付きを抑えることができる理由を説明する。溶融ガラスをプレス成形することによってガラス基板を製造する方法においては、所定温度に保たれた金型に、金型よりも高温の溶融ガラスが供給される。高温の溶融ガラスは、上下金型で加圧される間に変形すると同時に放熱し、冷却固化してガラス基板が形成される。このときの放熱の大部分は金型との接触面から行われる。ここで、溶融ガラスと接触している際の金型の表面近傍温度は非常に高くなる。本発明者は、溶融ガラスと金型が接触する面積を大きくすることで、表面近傍の過度の温度上昇を抑制するとともにガラスの冷却速度を向上し、金型とガラスの反応を抑え、冷却固化した後のガラス基板の張り付きを防止することができることを見いだした。
本発明においては、接触面である第1の成形面13や第2の成形面14を、表面粗さRaが0.11μm以上となるように粗くしている。そのため、溶融ガラスと金型とが接触する実効表面積が大きくなり、金型表面の温度上昇を抑えるとともに、溶融ガラスの放熱速度を高めることができる。その結果、溶融ガラスと金型とが高い温度で接触している時間が短くなり、ガラス基板の張り付きを抑えることができるのである。
第1の成形面13や第2の成形面14の表面粗さRaが0.11μm未満の場合は、溶融ガラスと金型とが接触する実効表面積が十分に大きくならず、放熱の速度を上げることができないため、ガラス基板の張り付きを十分に抑えることができない。更に効果的に放熱の速度を上げるためにはRaを1μm以上とすることが好ましい。一方、表面粗さRaが5μmを超える場合は、表面の凹凸による接着効果の影響でかえって張り付きやすくなってしまう。また、酸化や溶融ガラスとの反応による金型表面の劣化が激しくなるため、成形によって得られるガラス基板が必要な平面度を確保できなくなるまでの金型寿命が短いという問題があり、好ましくない。以上の観点より、第1の成形面13や第2の成形面14の表面粗さRaは0.11μm以上5μm以下とする必要があり、1μm以上4μm以下とすることがより好ましい。
離型の際、ガラス基板が第1の成形面13及び第2の成形面14の両方に張り付いた状態で無理に型開きを行うことによってガラス基板に割れやクラックが発生する。従って、ガラス基板の割れやクラックの発生を防止するためには、第1の成形面13及び第2の成形面14の少なくとも一方の表面粗さRaが0.11μm以上5μm以下であればよい。第1の成形面13のみでも良いし、第2の成形面14のみでも良い。また、第1の成形面13及び第2の成形面14の両方の表面粗さRaを上記範囲としても良い。例えば、上型12の第2の成形面14の表面粗さRaを上記範囲とし、下型11の第1の成形面13の表面粗さRaを0.11μm未満とした場合、ガラス基板は第2の成形面14には張り付かないため、型開きの際もガラス基板の割れやクラックは発生しない。このとき、ガラス基板は下型11の第1の成形面13の上に残ったままとなるが、残ったガラス基板を更に冷却して熱収縮させることにより、張り付きを解除してスムーズに回収することができる。
第1の成形面13や第2の成形面14は、ガラス基板と接触する全ての領域で表面粗さRaが上記範囲となっていることが最も好ましい。但し、表面粗さRaが上記範囲となっている領域は、必ずしもガラス基板と接触する全ての領域である必要はなく、本発明の効果が得られる範囲で、ガラス基板と接触する領域よりも小さい面積であっても良い。通常は表面粗さRaが上記範囲となっている領域が、ガラス基板と接触する領域の70%程度以上であれば本発明の効果を得ることができ、80%程度以上とすることが好ましい。また、表面粗さRaが全ての領域で一定である必要はなく、上記範囲内で分布を持っていても良い。
なお、表面粗さRaとは、JIS B0601:2001で規定されている算術平均高さRaのことをいう。表面粗さRaは、市販の触針式表面粗さ測定機等を用いて測定することができる。
本発明のガラス基板成形用金型の材質は、各種の耐熱性ステンレス鋼、炭化タングステンを主成分とする超硬材料、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、カーボンなど、ガラス基板成形用金型の材質として公知の材料の中から適宜選択して用いることができる。また、耐熱性、耐酸化性等の向上のため、これらの材料の表面に各種金属やセラミックス、カーボンなどの保護膜を形成したものを用いることもできる。下型11と上型12とを同一の材料で構成しても良いし、それぞれ別の材料で構成しても良い。
第1の成形面13や第2の成形面14の表面粗さRaを上記範囲とするには、機械的な研磨加工や研削加工の他、ブラスト処理やエッチング処理によって表面の粗面化を行えばよい。大気中での加熱による酸化処理によって粗面化を行うこともできる。また、第1の成形面13や第2の成形面14に保護膜が形成されている場合、先ず下地面を粗面化し、その上に保護膜を形成しても良いし、先に保護膜を形成してから、形成された保護膜を粗面化しても良い。
成形を繰り返すうち、溶融ガラスとの反応等によって表面粗さRaが徐々に低下して上記範囲からはずれる場合がある。このような場合には、第1の成形面13や第2の成形面14を上記方法によって再度粗面化し、表面粗さRaを上記範囲とすることで、成形用金型を再度使用することができる。
なお、本発明のガラス基板成形用金型は、1つの上型12に対して1つの下型11が組になった物であっても良いし、何れか一方、又は両方が複数であっても良い。例えば、1つの上型12に対して2つ以上の下型11が組となった物や、2つ以上の上型12と2つ以上の下型11が組になった物であっても良い。
(ガラス基板の製造方法)
本発明におけるガラス基板の製造方法は、溶融ガラスをプレス成形してガラス基板を製造する方法であり、下型に形成された第1の成形面に溶融ガラスを供給する溶融ガラス供給工程と、下型の第1の成形面、及び上型に形成された第2の成形面で、第1の成形面に供給された溶融ガラスを加圧しながら冷却してガラス基板を得る加圧工程と、加圧工程の後、ガラス基板への加圧を解除して型開きを行う離型工程とを有している。また、第1の成形面及び第2の成形面の少なくとも一方は、表面粗さRaが0.11μm以上5μm以下となっている。
(溶融ガラス供給工程)
溶融ガラス供給工程は、下型に形成された第1の成形面に溶融ガラスを供給する工程である。図2は、溶融ガラス供給工程における下型11と溶融ガラス23等を示す模式図である。始めに、流出ノズル21から溶融ガラス23を流出し、所定温度に加熱された下型11の第1の成形面13に供給する(図2(a))。次に、ブレード22によって溶融ガラス23を切断し、所定量の溶融ガラス23を分離する(図2(b))。
下型11の温度に特に制限はなく、ガラスの種類やガラス基板のサイズ等によって適宜決定すればよい。下型11の温度が低すぎるとガラス基板の平面度が悪化したり、転写面へのしわの発生等の問題が起こる。逆に、必要以上に温度を高くしすぎると、ガラスとの融着が発生したり、金型の劣化が著しくなることから好ましくない。通常は、成形するガラスのTg(ガラス転移点)−200℃からTg+100℃程度の温度範囲とすることが好ましい。
下型11の加熱手段にも特に制限はなく、公知の加熱手段の中から適宜選択して用いることができる。例えば、下型11の内部に埋め込んで使用するカートリッジヒーターや、下型11の外側に接触させて使用するシート状のヒーターなどを用いることができる。また、赤外線加熱装置や、高周波誘導加熱装置を用いて加熱することもできる。
(加圧工程)
加圧工程は、下型11の第1の成形面13、及び上型12に形成された第2の成形面14で、第1の成形面13に供給された溶融ガラスを加圧しながら冷却してガラス基板24を得る工程である。
図3は、加圧工程におけるガラス基板成形用金型10とガラス基板24を示す模式図である。溶融ガラス供給工程において溶融ガラス23が供給された下型11は、上型12と対向する位置まで水平移動する。その後、下型11の第1の成形面13と、上型12の第2の成形面14とで溶融ガラスを加圧する。溶融ガラスは、第1の成形面13及び第2の成形面14との接触面から放熱することによって冷却・固化し、ガラス基板24となる。
上述のように、本発明の製造方法においては、第1の成形面13及び第2の成形面14の少なくとも一方の表面粗さRaが0.11μm以上5μm以下となっている。そのため、かかる接触面からの放熱速度が速く、溶融ガラスと金型とが高い温度で接触している時間が短いため、加圧工程後のガラス基板の張り付きを抑えることができる。
なお、上型12は、下型11と同様に所定温度に加熱されている。加熱温度や加熱手段については上述の下型11の場合と同様である。
下型11と上型12に荷重を負荷するための加圧手段は、公知の加圧手段を適宜選択して用いることができる。例えば、エアシリンダ、油圧シリンダ、サーボモータを用いた電動シリンダ等が挙げられる。
(離型工程)
離型工程は、加圧工程の後、ガラス基板への加圧を解除して型開きを行う工程である。図4は、型開き後のガラス基板成形用金型10とガラス基板24を示す模式図である。図4は、上型12の第2の成形面14の表面粗さRaを0.11μm以上5μm以下とし、下型11の第1の成形面13の表面粗さRaを0.11μm未満とした場合の例を示している。加圧工程で得られたガラス基板24が、上型12の第2の成形面14に張り付くことはなく、型開きの際のガラス基板24の割れやクラックの発生が防止されている。
このとき、ガラス基板24は下型11の第1の成形面13の上に残ったままとなるが、エアーを吹き付ける等により残ったガラス基板24を更に冷却して熱収縮させることにより、張り付きを解除することができる。その後は真空吸着等、一般的な回収方法によってガラス基板24を回収すれば良い。
(情報記録媒体用ガラス基板の製造方法)
上述の製造方法によって製造されたガラス基板(ブランク材)に、少なくとも研磨工程を加えることにより情報記録媒体用ガラス基板を製造することができる。図5は、本発明の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって製造した情報記録媒体用ガラス基板の1例を示す図である。図5(a)は斜視図、図5(b)は断面図である。情報記録媒体用ガラス基板30は中心穴33が形成された円板状のガラス基板であって、主表面31、外周端面34、内周端面35を有している。外周端面34と内周端面35には、それぞれ面取り部36、37が形成されている。
研磨工程は、製造されたガラス基板(ブランク材)の主表面を研磨する工程であり、最終的に情報記録媒体用ガラス基板として要求される平滑性に仕上げる工程である。研磨の方法は、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法として用いられる公知の方法をそのまま用いることができる。例えば、対向配置した2つの回転可能な定盤の対向する面にパッドを張り付け、2つのパッド間にガラス基板を配置し、ガラス基板表面にパッドを接触させながら回転させると同時に、ガラス基板表面に研磨剤を供給する方法で行うことができる。また、研磨剤の粒度やパッドの種類を変えて、粗研磨工程、精密研磨工程といったように複数の工程に分けて研磨を行うことも好ましい。
研磨剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、コロイダルシリカ、ダイヤモンドなどが挙げられる。この中でも、ガラスとの反応性が高く、短時間で平滑な研磨面が得られる酸化セリウムを用いることが好ましい。
パッドは硬質パッドと軟質パッドとに分けられるが、必要に応じて適宜選択して用いることができる。硬質パッドとしては、硬質ベロア、ウレタン発泡、ピッチ含有スウェード等を素材とするパッドが挙げられ、軟質パッドとしては、スウェードやベロア等を素材とするパッドが挙げられる。
また、本発明の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法においては、ガラス基板(ブランク材)の主表面を研磨する研磨工程の他、内外周加工工程やラッピング工程を行うことが好ましい。内外周加工工程は、中心孔の穿孔加工、外周端面や内周端面の形状や寸法精度確保のための研削加工、内外周端面の研磨加工等を行う工程であり、ラッピング工程は、記録層が形成される面の平面度、厚み、平行度等を満足させるため、研磨工程の前にラッピング加工を行う工程である。更に、ガラス基板の材料として化学強化ガラスや結晶化ガラスを用いる場合には、加熱された化学強化処理液にガラス基板を浸漬してイオン交換を行う化学強化工程や、熱処理によって結晶化を行う結晶化工程等を必要に応じて適宜行うことができる。これらの内外周加工工程、ラッピング工程、化学強化工程、結晶化工程等の各工程は、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法として通常用いられている方法により行うことができる。
なお、本発明の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法においては、上記以外の種々の工程を有していても良い。例えば、ガラス基板の内部歪みを緩和するための熱処理を行うアニール工程、ガラス基板の強度の信頼性確認のためのヒートショック工程、ガラス基板の表面に残った研磨剤や化学強化処理液等の異物を除去する洗浄工程、種々の検査・評価工程等を有していても良い。
ガラス基板の材料に特に制限はなく、情報記録媒体用ガラス基板の材料として用いられる材料を適宜選択して用いることができる。中でも、化学強化ガラスや結晶化ガラスは、耐衝撃性や耐振動性に優れるため好ましい。化学強化が可能なガラス材料としては、例えば、SiO2、Na2O、CaOを主成分としたソーダライムガラス;SiO2、Al23、R2O(R=K、Na、Li)を主成分としたアルミノシリケートガラス;ボロシリケートガラス;Li2O−SiO2系ガラス;Li2O−Al23−SiO2系ガラス;R’O−Al23−SiO2系ガラス(R’=Mg、Ca、Sr、Ba)などが挙げられる。
ガラス基板の大きさにも特に制限はない。例えば、外径が2.5インチ、1.8インチ、1インチ、0.8インチ等種々の大きさのガラス基板を用いることができる。また、ガラス基板の厚みにも制限はない。例えば、1mm、0.64mm、0.4mm等種々の厚みのガラス基板を用いることができる。
(情報記録媒体の製造方法)
本発明の情報記録媒体用ガラス基板に、少なくとも記録層を形成することで情報記録媒体を製造することができる。記録層は特に限定されず、磁気、光、光磁気等の性質を利用した種々の記録層を用いることができるが、特に磁性層を記録層として用いた情報記録媒体(磁気ディスク)の製造に好適である。
磁性層に用いる磁性材料としては、特に制限はなく公知の材料を適宜選択して用いることができる。例えば、Coを主成分とするCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrTa、CoPtCr、CoNiPt、CoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrPtTa、CoCrPtSiOなどが挙げられる。また、磁性層を非磁性膜(例えば、Cr、CrMo、CrVなど)で分割してノイズの低減を図った多層構成としてもよい。
磁性層として、上記のCo系材料の他、フェライト系や鉄−希土類系の材料や、SiO2、BNなどからなる非磁性膜中にFe、Co、CoFe、CoNiPt等の磁性粒子が分散された構造のグラニュラーなどを用いることもできる。磁性層は、面内型、垂直型の何れであっても良い。
磁性膜の形成方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、スパッタリング法、無電解メッキ法、スピンコート法などが挙げられる。
磁気ディスクには、更に必要により下地層、保護層、潤滑層等を設けても良い。これらの層はいずれも公知の材料を適宜選択して用いることができる。下地層の材料としては、例えば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Al、Niなどが挙げられる。保護層の材料としては、例えば、Cr、Cr合金、C、ZrO2、SiO2などが挙げられる。また、潤滑層としては、例えば、パーフロロポリエーテル(PFPE)等からなる液体潤滑剤を塗布し、必要に応じ加熱処理を行ったものなどが挙げられる。
(実施例1〜6)
ガラス基板成形用金型として、上型の第2の成形面の表面粗さRaを0.11μm(実施例1)、0.8μm(実施例2)、1μm(実施例3)、2μm(実施例4)、4μm(実施例5)、5μm(実施例6)としたものを用意した。下型の第1の成形面の表面粗さRaは0.05μmとした。表面粗さRaの調整は、研削加工の砥石の砥粒度を調整することにより行った。上型及び下型の材質としてSUS310Sを用いた。
下型と上型を共に400℃に加熱し、溶融ガラスを下型の第1の成形面に供給した後、上型の第2の成形面との間でプレス成形を行った。ガラス材料はボロシリケートガラスを用いた。上下の金型で3秒間加圧した後、型開きを行ってガラス基板を回収した。これをそれぞれの金型について1000回ずつ繰り返し、得られたガラス基板の割れの発生の有無を目視検査により確認した。ここでは、割れの発生が1000枚中10枚未満の場合を良好(判定:○)、10枚以上の場合を問題有り(判定:×)とした。なお、ガラス基板の外径は約70mm、ガラス基板の厚みは約1mmとした。
また、1000枚のガラス基板の内、最後に得られた5枚のガラス基板について平面度を測定し、5枚の平均値を算出した。平面度は干渉計で測定し、理想平面からのずれ量のPV値で表した。平面度は、20μm以下であれば良好(判定:○)であるが、20μmを超えると情報記録媒体用ガラス基板を製造するためのラッピング工程に多大の時間と労力が必要になるため問題となる(判定:×)。
結果を表1に示す。総合判定の欄は、割れの発生及び平面度の判定がいずれも○の場合を良好(○)、何れかの判定が×の場合を問題有り(×)とした。
Figure 2008174400
表面粗さRaが0.11μmの上型を用いた場合(実施例1)に1000枚中3枚、0.8μmの上型を用いた場合(実施例2)に1000枚中1枚、5μmの上型を用いた場合(実施例6)に1000枚中2枚の割れが確認された他は、実施例3〜5の何れの場合もガラス基板の割れは確認されなかった。また、平面度は何れの場合も20μm以下で良好であった。
(比較例1、2)
上型の第2の成形面の表面粗さRaを0.05μm(比較例1)、0.1μm(比較例2)とした以外は実施例1〜5と同様にガラス基板の成形と評価を行った。結果を表1に併せて示す。
比較例1の場合は、成形開始から10枚目の成形まで全てのガラス基板で割れが発生したため、実験をそこで中止せざるを得なかった。比較例2の場合は、1000枚のガラス基板中35枚で割れが確認された。
(比較例3、4)
上型の第2の成形面の表面粗さRaを5.5μm(比較例3)、8μm(比較例4)とした以外は実施例1〜5と同様にガラス基板の成形と評価を行った。結果を表1に併せて示す。
比較例3、4共、1000枚中10枚以上の割れが確認されたばかりでなく、平面度がいずれも20μmを超えてしまい、良好なガラス基板を得ることができなかった。
本発明のガラス基板成形用金型の例を示す図である。 溶融ガラス供給工程における下型と溶融ガラス等を示す模式図である。 加圧工程におけるガラス基板成形用金型とガラス基板を示す模式図である。 型開き後のガラス基板成形用金型とガラス基板を示す模式図である。 本発明の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって製造した情報記録媒体用ガラス基板の1例を示す図である。
符号の説明
10 ガラス基板成形用金型
11 下型
12 上型
13 第1の成形面
14 第2の成形面
23 溶融ガラス
24 ガラス基板
30 情報記録媒体用ガラス基板

Claims (5)

  1. 溶融ガラスをプレス成形してガラス基板を製造するためのガラス基板成形用金型において、
    前記溶融ガラスが供給され、供給された該溶融ガラスを加圧するための第1の成形面を備える下型と、
    前記第1の成形面との間で前記溶融ガラスを加圧するための第2の成形面を備える上型と、を有し、
    前記第1の成形面及び前記第2の成形面の少なくとも一方は、表面粗さRaが0.11μm以上5μm以下であることを特徴とするガラス基板成形用金型。
  2. 溶融ガラスをプレス成形してガラス基板を製造するガラス基板の製造方法において、
    下型に形成された第1の成形面に溶融ガラスを供給する溶融ガラス供給工程と、
    前記第1の成形面、及び上型に形成された第2の成形面で、前記第1の成形面に供給された前記溶融ガラスを加圧しながら冷却してガラス基板を得る加圧工程と、
    前記加圧工程の後、前記ガラス基板への加圧を解除して型開きを行う離型工程と、を有し、
    前記第1の成形面及び前記第2の成形面の少なくとも一方は、表面粗さRaが0.11μm以上5μm以下であることを特徴とするガラス基板の製造方法。
  3. 前記ガラス基板は、情報記録媒体用ガラス基板を製造するためのガラス基板であることを特徴とする請求項2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 請求項3に記載のガラス基板の製造方法により製造されたガラス基板を研磨する工程を有することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  5. 請求項4に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法により製造された情報記録媒体用ガラス基板に記録層を形成する工程を有することを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
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