JP2010113783A - 保持治具、該保持治具を用いた記録媒体用ガラス基板の製造方法及び記録媒体の製造方法 - Google Patents

保持治具、該保持治具を用いた記録媒体用ガラス基板の製造方法及び記録媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス基板にひびや割れの生じない保持治具、該保持治具を用いた記録媒体用ガラス基板の製造方法及び記録媒体の製造方法を提供すること。
【解決手段】ガラス基板を支持する支持部材の溝部にガラス基板の外周端部を係合させて保持するように構成すると共に、支持部材のうち少なくともガラス基板と接触する部分である溝部の表面がフッ素樹脂である保持治具。
【選択図】図6

Description

本発明は、保持治具、該保持治具を用いた記録媒体用ガラス基板の製造方法及び記録媒体の製造方法に関する。
従来、記録媒体用基板としては、デスクトップ用コンピュータやサーバなどの据え置き型の情報機器にはアルミニウム合金が使用され、ノート型コンピュータやモバイル型コンピュータなどの携帯型の情報機器にはガラス基板が一般に使用されていた。アルミニウム合金は変形しやすく、また硬さが不十分であるため研磨後の基板表面の平滑性が十分とは言えなかった。さらに、記録用ヘッドが機械的に磁気ディスクに接触する際、磁性膜が基板から剥離しやすいという問題もあった。そこで、変形が少なく、平滑性が良好で、かつ機械的強度の大きいガラス基板が、携帯型のみならず据え置き型の情報機器やその他のテレビ等の家庭用機器にも今後広く使用されていくものと予測されている。
記録媒体用ガラス基板の機械的強度を向上させるために、化学強化処理が従来から広く行われている。この化学強化処理は、化学強化処理槽内に貯留された化学強化液中にガラス基板を浸漬させて、ガラス基板表面のアルカリ金属イオンを、そのアルカリ金属イオンよりも大きなイオン径のアルカリ金属イオンと置換することにより圧縮歪みを発生させ、機械的強度を向上させるものである。
この化学強化処理を行う際に記録媒体用ガラス基板を保持する保持治具として、特許文献1に記載されているものが知られている。この保持治具は、3つの穴が形成された板状の側板に、ソロバン玉状の複数の突部を有する3本の軸状体(支持部材ともいう。)が固定されたものである。これらの軸状体に形成される突部の間には、V字状の谷底部が形成され、これらの谷底部はガラス基板の外周部を支持することができる。そして、これらの軸状体はガラス基板の外周部の3箇所を支持することによってガラス基板の側面が軸状体の軸線方向と直交するように複数のガラス基板を保持できるようになっている。
このような保持治具を用いて、ガラス基板を化学強化する際には、例えば、次のような方法が用いられる。複数のガラス基板を保持した保持治具を予め加熱し、高温の化学強化処理液の入った化学強化処理槽に所定の時間浸漬する。この後、ガラス基板を保持した保持治具を化学強化処理液から取りだし、20℃の水槽に浸漬して急冷し一定時間維持することでガラス基板表面の化学強化を行うことができる。
特開2001−195728号公報
しかし、特許文献1における保持治具では、化学強化する際に金属製の支持部材を用いているため、支持部材にガラス基板があたるときの衝撃でガラス基板に割れやひび等の欠陥が発生する問題があった。
従って、本発明が解決しようとする技術課題は、ガラス基板に割れやひび等の欠陥の生じない保持治具、該保持治具を用いた記録媒体用ガラス基板の製造方法及び記録媒体の製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.
加熱溶融された化学強化液にガラス基板を浸漬して化学強化を行う化学強化液浸漬工程で用いるガラス基板を保持する保持治具において、
前記保持治具は、前記ガラス基板の外周端部を係合させて前記ガラス基板を保持する溝部を備え、該溝部の表面がフッ素樹脂であることを特徴とする保持冶具。
2.
前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体及びテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体から成る群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1に記載の保持冶具。
3.
前記1又は2の保持治具にガラス基板を保持し、化学強化を行うことを特徴とする記録媒体用ガラス基板の製造方法。
4.
前記3に記載の記録媒体用ガラス基板の製造方法により記録媒体用ガラス基板を製造し、さらに該記録媒体用ガラス基板の表面に磁性膜を形成することを特徴とする記録媒体の製造方法。
本発明によれば、支持部材の溝部の表面にフッ素樹脂を用いる構成としたので、化学強化工程において、支持部材とガラス基板を載置しても、ガラス基板に割れやひび等を発生することがない。
本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。
(製造工程)
記録媒体用ガラス基板の製造方法について説明する。図1に、記録媒体用ガラス基板の製造工程の例をフロー図で示す。まず、ガラス素材を溶融し(ガラス溶融工程)、溶融ガラスを下型に流し込み、上型によってプレス成形して円盤状のガラス基板前駆体を得る(プレス成形工程)。なお、円盤状のガラス基板前駆体は、プレス成形によらず、例えばダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスを研削砥石で切り出して作製してもよい。
プレス成形されたガラス基板前駆体には、必要によりコアドリル等で中心部に孔が開けられる(コアリング工程)。そして、第1ラッピング工程において、ガラス基板の両表面が研磨加工され、ガラス基板の全体形状、すなわちガラス基板の平行度、平坦度および厚みが予備調整される。
次に、ガラス基板の外周端面および内周端面が研削され、外周端部及び内周端部が面取りされて、ガラス基板の外径寸法および真円度、孔の内径寸法、並びにガラス基板と孔との同心度が微調整された後(内・外径加工工程)、ガラス基板の内周端面が研磨されて微細なキズ等が除去される(内周端面加工工程)。
次に、ガラス基板の両表面が再び研磨加工されて、ガラス基板の平行度、平坦度および厚みが微調整される(第2ラッピング工程)。そして、ガラス基板の外周端面が研磨されて微細なキズ等が除去される(外周端面加工工程)。
次に、ガラス基板が洗浄された後、後述の化学強化液にガラス基板を浸漬してガラス基板に化学強化層を形成する(化学強化工程)。この後、ガラス基板の表面を精密に仕上げる研磨加工を行う(ポリッシング工程)。そして洗浄及び検査が行われ、製品としての記録媒体用ガラス基板が完成する。尚、化学強化層を形成する化学強化工程後、研磨加工を行うポリッシング工程があるが、この研磨加工前後においてのガラス基板の強度はほとんど変わらない。
上記の化学強化工程の内容を図2のフロー図に示す。洗浄されたガラス基板は、予め加熱された(予熱工程)後、化学強化液に浸漬される(化学強化液浸漬工程)。化学強化液から取り出されたガラス基板は、水にて洗浄され(水浸漬工程)、乾燥(乾燥工程)される。
化学強化工程において、一連の予熱工程から乾燥工程までの各工程を実際に行う場合、例えば、以下のようにする。まず、複数枚のガラス基板を保持した保持治具を準備し、ガラス基板を保持治具とともに順次、予熱炉に投入し、化学強化液槽に浸漬し、洗浄槽に浸漬し、乾燥炉に投入することで、化学強化の一連の処理をすることができる。
複数枚のガラス基板を保持する保持治具の例を図3に示す。
図3(a)は、ガラス基板31を収納する側から保持治具30を見た図である。図3(b)は、ガラス基板31を溝部34を設けている支持部材32が保持している様子を示している。図3の保持治具30は、ガラス基板31の配列方向に等間隔で溝部34を複数個形成した2本の側部の支持部材32と1本の下部の支持部材32の3本を、一対の固定部材36で連結して構成している。この保持治具30において、複数のガラス基板は、各ガラス基板が3本の支持部材32の同一平面内にある溝部34によって3カ所を支持して保持し、支持部材32の延在する方向に複数枚配列する。
また、支持部材32の本数は3本に限定はしないが、ガラス基板31に接触する部分が少なく、且つ、安定して保持できることから3本とすることが好ましい。
各工程でガラス基板31及びこれ保持する保持治具30に加わる温度は、ガラス基板材料、化学強化液等により異なるが、例えば、おおよそ以下となる。予熱工程での予熱炉においては200℃から300℃、化学強化液浸漬工程での化学強化液槽においては250℃から330℃、水浸漬工程での洗浄槽においては35℃から100℃、乾燥炉においては100℃から150℃である。また、各工程の間では、保持治具30を上記の各炉また槽の間で室温下の空気中を移動させる必要がある。従って、ガラス基板31及び保持治具30は、上記の例から室温と330℃程度といった急激な大きな温度差に晒されることになる。
上記のような大きな温度差に晒される保持治具30は、高温の時に比べ低温になると熱収縮を起こす。固定部材36も収縮することで側部の支持部材32の2本の軸の間隔が縮まる。この時、溝部34とガラス基板31の外周端部のエッジ部分とが、接触部で熱収縮とともにスムーズに移動せず、ガラス基板31の外周端部に応力がかかり、割れやひびが発生することがあった。
また、支持部材32にガラス基板31を載置するときや、保持冶具30にガラス基板31を保持しながら予熱工程から乾燥工程まで移動する場合にも、支持部材32とガラス基板31の外周端部とが、不用意に強く当たり、割れやひびをガラス基板31に発生させることがあった。
本発明においては、このような問題を解決するために、支持部材32の少なくともガラス基板31と接触する溝部34の表面をフッ素樹脂で形成するものである。
フッ素樹脂は、化学強化工程で用いられる化学強化塩に犯されることもなく、また、耐熱性に優れ、また他の接触部材との滑り性も良い樹脂である。そのため、保持冶具30の熱収縮時にガラス基板31と溝部34とが、スムーズに移動でき、ガラス基板31の外周端部に応力がかかることがなく、割れやカケが発生しない。また、支持部材32にガラス基板31を載置するときや、保持冶具30にガラス基板31を保持しながら予熱工程から乾燥工程まで移動する場合にも、支持部材32とガラス基板31の外周端部とが、多少強くあたっても、割れやひびをガラス基板31に発生させることがない。
支持部材32は、図4(a)のように全体をフッ素樹脂で構成しても良いが、図4(b)のように金属又はセラミック等で支持部材32の基本部32aを形成し、その表面にフッ素樹脂層32bをコートするのが好ましい。金属又はセラミックで支持部材32を形成し、その表面にフッ素樹脂層32aをコートした構成にすると、各工程間の温度変化に対する支持部材32の寸法変化が小さく好ましい。
また、図4(c)のように金属又はセラミックの軸の外周に、溝部42を形成したフッ素樹脂層32bを形成したものでも良い。このような構造にすると、製造時に、金属又はセラミック等の軸32aの外周にフッ素樹脂の円筒を嵌め、その後溝部42を切削などにより加工し、フッ素樹脂層32bとすることで支持部材32を形成することができるので、製造しやすく、且つ、熱変化に対する寸法安定性にも優れていて好ましい。
また、フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)及びテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)から成る群から選ばれる少なくとも1種であることが耐熱性の点でより好ましい。
上記では保持治具30を使用する工程を化学強化工程における化学強化液浸漬工程と、その後の水浸漬工程としているが、化学強化液浸漬工程の前の洗浄工程で水に浸漬する場合に使用することもできる。
保持治具30を構成するフッ素樹脂部分以外の材料としては、例えば、金属系では、工具鋼(0.3〜2.0質量%の炭素を含む鋼材)、純鉄、純アルミニウム、純チタン、チタン合金、マグネシウム合金、ジルコニウム、インコネルHX(耐熱特殊鋼)、ニッケル、SUS304、SUS329、SUS410、SUS430等がある。また、セラミックス系では、窒化珪素(Si)、炭化珪素(SiC)、窒化アルミ、窒化ホウ素、アルミナ、ムライト(3Al・2SiO)、ジルコニア(ZrO)、コージエライト、マセライト(切削性セラミックス)等がある。更に、石英ガラスがある。これらの材料を用いて保持治具を構成する場合、保持治具を構成する各部材の熱膨張係数を考慮して保持治具の熱変形を抑えることが好ましい。
上記の保持治具30を構成する材料は、高温の化学強化液に対する耐食性が優れており、微小粉を生じない発塵性の低い材料がより好ましい。耐食性が優れていることで、保持治具30の耐久性が良好となり、腐食による微小粉の発生が抑えられる。また、発塵性が低いことで、化学強化液や洗浄水に浸漬することによるガラス基板に付着する異物の発生を抑えることができる。
(化学強化液浸漬工程)
化学強化液浸漬工程は、化学強化剤を溶融した化学強化液にガラス基板31を浸漬させて、ガラス基板表層のアルカリ金属イオンを化学強化液のアルカリ金属イオンにイオン交換する。
化学強化剤としては従来公知のものを使用でき、例えば、硝酸カリウム(KNO)、硝酸ナトリウム(NaNO)、炭酸カリウム(KCO)などが挙げられ、これらを単独又は2種以上混合して使用する。
化学強化剤は化学強化処理槽に所定量投入し、加熱することによって溶融して化学強化液となる。化学強化液の加熱温度は、イオン交換の速度やガラス基板のTg(ガラス転移温度)などの点から280℃〜330℃の範囲が好ましく、より好ましくは300℃〜320℃の範囲である。この高温側(上限値)がガラス転移温度Tgより低い300℃〜330℃の範囲とすることで、イオン交換の反応速度が遅すぎることなく、また、ガラス基板の形状に影響が生じない。
ガラス基板31を化学強化液に浸漬する時間は0.1時間〜数十時間の範囲が好ましい。また、本例に示しているように、ガラス基板31を化学強化液に浸漬する前に、予め加熱しておくことが好ましい。予めガラス基板31を加熱すると、化学強化液に浸漬した際に化学強化液の温度が低下し過ぎることがなく化学強化が効率的に行うことができる。
強化層の厚みとしては、ガラス基板31の強度向上とポリッシング工程の時間の短縮との兼ね合いから、5μm〜15μm程度の範囲が好ましい。
(水浸漬工程)
ガラス基板31を化学強化液に浸漬した後、連続してガラス基板の表面の化学強化液をムラなく除去するために水に浸漬する。ガラス基板31の全体を水に浸漬することで化学強化液がガラス基板上に部分的に存在することが無く、部分的に化学強化が進むことがなくなる。このため、化学強化にムラがないため、ガラス基板31に一様な強度を持たせることができる。
ガラス基板31の表面から化学強化液や化学強化液を成す塩の結晶物は、浸漬する水の温度を高くするほどより短時間で効率よく除去することができる。こうした水の温度は、大気圧下で、35℃から100℃が好ましい。また、ガラス基板を水に浸漬する時間は、1秒以上が好ましい。1秒未満であると、ガラス基板上の化学強化液を十分に除去できないため化学強化液がガラス基板上に残り、強化ムラが生じる。水に浸漬する時間の上限は、特に制限はなく、生産性を考慮して適宜決めればよい。
また、水の温度と化学強化液との温度差により水浸漬工程においてガラス基板のひび、割れが発生しないように温度差を緩和するために、化学強化液浸漬工程と水浸漬工程との間でガラス基板31を冷却する冷却工程を設けてもよい。
(ガラス基板)
化学強化されるガラス基板31としては特に限定はないが、二酸化ケイ素、酸化ナトリウム、酸化カルシウムを主成分としたソーダライムガラス;二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、RO(R=K、Na、Li)を主成分としたアルミノシリケートガラス;ボロシリケートガラス;酸化リチウム−二酸化ケイ素系ガラス;酸化リチウム−酸化アルミニウム−二酸化ケイ素系ガラス;R’O−酸化アルミニウム−二酸化ケイ素系ガラス(R’=Mg、Ca、Sr又はBa)を使用することができ、これらガラス材料に酸化ジルコニウムや酸化チタン等を添加したものであってもよい。
またガラス基板31の大きさに限定はなく2.5インチ,1.8インチ、1インチ、0.85インチあるいはそれ以下の小径ディスクにも本発明の方法を適用することができ、またその厚さが2mmや1mm、0.63mm、あるいはそれ以下といった薄型のものにも適用することができる。
化学強化工程に提供されるガラス基板31において、主表面および端面部分の粗さに特に限定はないが、ガラス基板31の主表面の表面粗度は、Rmax(最大高さ)が10nm以下、Ra(中心線平均粗さ)が1.0nm以下であるのが好ましい。また端面の表面粗度は、Rmaxが0.01μm〜1μmの範囲、Raが0.001μm〜0.8μmの範囲であるのが好ましい。表面研磨されたガラス基板31を化学強化すると、強化層を均一に形成することができるようになる。
(記録媒体)
次に、これまで説明した記録媒体用ガラス基板を用いた記録媒体について説明する。この記録媒体用ガラス基板を用いると、微小な割れやひびがないので、耐久性が良く、また、高記録密度が実現される。以下、図面に基づき記録媒体について説明する。
図7は磁気ディスクの斜視図である。この磁気ディスクDIは、円形の記録媒体用ガラス基板1の表面に磁性膜2を直接形成されている。磁性膜2の形成方法としては従来公知の方法を用いることができ、例えば磁性粒子を分散させた熱硬化性樹脂を基板上にスピンコートして形成する方法や、スパッタリング、無電解めっきにより形成する方法が挙げられる。スピンコート法での膜厚は約0.3μm〜1.2μm程度、スパッタリング法での膜厚は0.04μm〜0.08μm程度、無電解めっき法での膜厚は0.05μm〜0.1μm程度であり、薄膜化および高密度化の観点からはスパッタリング法および無電解めっき法による膜形成が好ましい。
磁性膜に用いる磁性材料としては、特に限定はなく従来公知のものが使用できるが、高い保持力を得るために結晶異方性の高いCoを基本とし、残留磁束密度を調整する目的でNiやCrを加えたCo系合金などが好適である。具体的には、Coを主成分とするCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrTa、CoPtCr、CoNiPtや、CoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrPtTa、CoCrPtB、CoCrPtSiOなどが挙げられる。磁性膜は、非磁性膜(例えば、Cr、CrMo、CrVなど)で分割しノイズの低減を図った多層構成(例えば、CoPtCr/CrMo/CoPtCr、CoCrPtTa/CrMo/CoCrPtTaなど)としてもよい。上記の磁性材料の他、フェライト系、鉄−希土類系や、SiO、BNなどからなる非磁性膜中にFe、Co、FeCo、CoNiPt等の磁性粒子を分散された構造のグラニュラーなどであってもよい。また、磁性膜は、内面型および垂直型のいずれの記録形式であってもよい。
また、磁気ヘッドの滑りをよくするために磁性膜の表面に潤滑剤を薄くコーティングしてもよい。潤滑剤としては、例えば液体潤滑剤であるパーフロロポリエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶媒で希釈したものが挙げられる。
さらに必要により下地層や保護層を設けてもよい。磁気ディスクにおける下地層は磁性膜に応じて選択される。下地層の材料としては、例えば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Al、Niなどの非磁性金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料が挙げられる。Coを主成分とする磁性膜の場合には、磁気特性向上等の観点からCr単体やCr合金であることが好ましい。また、下地層は単層とは限らず、同一又は異種の層を積層した複数層構造としても構わない。例えば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、NiAl/Cr、NiAl/CrMo、NiAl/CrV等の多層下地層としてもよい。
磁性膜の摩耗や腐食を防止する保護層としては、例えば、Cr層、Cr合金層、カーボン層、水素化カーボン層、ジルコニア層、シリカ層などが挙げられる。これらの保護層は、下地層、磁性膜など共にインライン型スパッタ装置で連続して形成できる。また、これらの保護層は、単層としてもよく、あるいは、同一又は異種の層からなる多層構成としてもよい。なお、上記保護層上に、あるいは上記保護層に替えて、他の保護層を形成してもよい。例えば、上記保護層に替えて、Cr層の上にテトラアルコキシシランをアルコール系の溶媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して塗布し、さらに焼成して二酸化ケイ素(SiO)層を形成してもよい。
以上、記録媒体の一実施態様として磁気ディスクについて説明したが、記録媒体はこれに限定されるものではなく、光磁気ディスクや光ディスクなどにも本発明のガラス基板を用いることができる。
(実施例1〜4)
化学強化を行うガラス基板として、外径φ1=65mm、内径φ2=20mm、板厚d=0.635mmのアルミノシリケートガラス基板を準備し、外周端部を図5に示すように加工した。端面に平坦部厚さH=0.3mmを残して、面取り角度θ=90°のものを作成した。側部及び下部の支持部材の溝部の形状として、図6に示すようなコの字状とし、平坦部厚さD1=1.5mm、深さd=2mm、各溝のピッチP=6.5mm、溝部外径D2=7mm、支持部材の外径はφ14mmとし、その表面にフッ素樹脂層32bとして、表1に示すフッ素樹脂を厚さ0.5mmコートしたものを用い、実施例1〜4の支持部材を作成した。保持治具を構成するフッ素樹脂以外の材料は、すべてSUS304を用いた。
上記のガラス基板100枚を保持治具に収納し、予め300℃に加熱後、化学強化液に15分間浸漬した。化学強化液は、NaNOとKNOとを質量比1:9の割合とした化学強化剤を化学強化槽に投入し330℃に加熱したものとした。
化学強化液に浸漬した後、化学強化した100枚のガラス基板を保持治具に収納した状態で60℃の水に5分間浸漬し、その後乾燥した。
保持治具よりガラス基板を取りだして、目視またはルーペを用いた目視にてひび、割れ、色変化の有無を確認した。100枚中5枚以上でひび又は割れの発生したものを×、100枚中1枚以上5枚未満でひび又は割れの発生したもの○、100枚すべてのガラス基板にひび又は割れのないものを◎として、評価した。
(比較例1)
比較例1としては、実施例1において、フッ素樹脂をコートしなかった他は、実施例1と同様の条件に作成し、評価した。
表1に評価結果を示す。
Figure 2010113783
以上のように、保持治具における支持部材のガラス基板の外周端部と接触する溝部の表面をフッ素樹脂にすることで、ガラス基板に割れやひびを発生させることがないことが分かる。
記録媒体用ガラス基板の製造工程の例を示すフロー図である。 図1における化学強化処理工程の内容を示すフロー図である。 (a)はガラス基板を収納し保持する一例の保持治具の上面、(b)はガラス基板を収納し保持する一例の保持治具の断面図である。 本発明に係る支持部材の断面形状を示す模式図である。 ガラス基板の外周端部の断面形状を示す模式図である。 実施例に用いた支持部材の断面形状を示す模式図である。 磁気ディスクの部分断面を含む斜視図である。
符号の説明
1 記録媒体用ガラス基板
2 磁性膜
DI 磁気ディスク
30 保持治具
31 ガラス基板
32a 基本部
32b フッ素樹脂層
34 溝部
36 固定部材

Claims (4)

  1. 加熱溶融された化学強化液にガラス基板を浸漬して化学強化を行う化学強化液浸漬工程で用いるガラス基板を保持する保持治具において、
    前記保持治具は、前記ガラス基板の外周端部を係合させて前記ガラス基板を保持する溝部を備え、該溝部の表面がフッ素樹脂であることを特徴とする保持冶具。
  2. 前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体及びテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体から成る群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の保持冶具。
  3. 請求項1又は2の保持治具にガラス基板を保持し、化学強化を行うことを特徴とする記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  4. 請求項3に記載の記録媒体用ガラス基板の製造方法により記録媒体用ガラス基板を製造し、さらに該記録媒体用ガラス基板の表面に磁性膜を形成することを特徴とする記録媒体の製造方法。
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