JP2008123612A - 記録媒体用ガラス基板の製造方法、記録媒体用ガラス基板及び記録媒体 - Google Patents

記録媒体用ガラス基板の製造方法、記録媒体用ガラス基板及び記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】化学強化により機械的強度を高めることが可能で歩留まりの良い記録媒体用ガラス基板の製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス基板を化学強化液と接触させて前記ガラス基板の表面のアルカリ金属イオンを前記化学強化液が含む前記アルカリ金属イオンより大きなイオン径のアルカリ金属イオンと置換する化学強化工程を有する記録媒体用ガラス基板の製造方法において、前記化学強化工程で前記ガラス基板を前記化学強化液に浸漬した後に、アルカリ金属イオンを含む水に前記ガラス基板を浸漬する水浸漬工程を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、記録媒体用ガラス基板の製造方法、記録媒体用ガラス基板及び記録媒体に関する。
従来、記録媒体用基板としては、デスクトップ用コンピュータやサーバなどの据え置き型の情報機器にはアルミニウム合金が使用され、ノート型コンピュータやモバイル型コンピュータなどの携帯型の情報機器にはガラス基板が一般に使用されていた。アルミニウム合金は変形しやすく、また硬さが不十分であるため研磨後の基板表面の平滑性が十分とは言えなかった。さらに、記録用ヘッドが機械的に磁気ディスクに接触する際、磁性膜が基板から剥離しやすいという問題もあった。そこで、変形が少なく、平滑性が良好で、かつ機械的強度の大きいガラス基板が、携帯型のみならず据え置き型の情報機器やその他のテレビ等の家庭用機器にも今後広く使用されていくものと予測されている。
記録媒体用ガラス基板の機械的強度を向上させるために、化学強化処理が従来から広く行われている。この化学強化処理は、化学強化処理槽内に貯留された化学強化液中にガラス基板を浸漬させて、ガラス基板表面のアルカリ金属イオンを、そのアルカリ金属イオンよりも大きなイオン径のアルカリ金属イオンと置換することにより圧縮歪みを発生させ、機械的強度を向上させるものである。
化学強化液としては、加熱溶融した硝酸カリウムや硝酸ナトリウムなどの硝酸溶融塩が一般に用いられる。この様な化学強化液を使用して化学強化する記録媒体用ガラス基板の製造方法として、例えば以下がある。
以下の製造工程(1)、(2)を含む記録媒体用ガラス基板の製造方法がある(特許文献1参照)。
(1)加熱した化学強化処理液(化学強化液と同じ)にガラス基板を浸漬し、ガラス基板表層のイオンを化学強化処理液中のイオンでイオン交換してガラス基板を化学強化する化学強化処理工程。
(2)(1)の化学強化処理工程で熱を付与された状態にあるガラス基板を溶媒に接触させることにより、ガラス基板上に付着した塩の結晶物のイオン結合を、溶媒の極性と熱エネルギーを利用して低減あるいは分離することにより、塩の結晶物を洗浄する塩の結晶物洗浄工程。
特開平10−226539号公報
特許文献1においては、ガラス基板を溶媒として純水の水を用いて洗浄してガラス基板表面の異物となる化学強化用溶融塩の結晶を除去している。この洗浄時、水と接することでガラス基板から置換されたアルカリ金属イオンの溶出が無くはないが、その量は極めて微量としている。ガラス基板を化学強化するために置換されたアルカリ金属イオンが溶出すると化学強化されたガラス基板の強度が低下するという問題が生じることが予測できる。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、化学強化により機械的強度を高めることが可能で歩留まりの良い記録媒体用ガラス基板の製造方法、この製造方法により製造された記録媒体用ガラス基板及びこの記録媒体用ガラス基板を用いた記録媒体を提供することである。
上記の課題は、以下の構成により解決される。
1. ガラス基板を化学強化液と接触させて前記ガラス基板の表面のアルカリ金属イオンを前記化学強化液が含む前記アルカリ金属イオンより大きなイオン径のアルカリ金属イオンと置換する化学強化工程を有する記録媒体用ガラス基板の製造方法において、
前記化学強化工程で前記ガラス基板を前記化学強化液に浸漬した後に、アルカリ金属イオンを含む水に前記ガラス基板を浸漬する水浸漬工程を有することを特徴とする記録媒体用ガラス基板の製造方法。
2. 前記水浸漬工程において、前記ガラス基板を前記水へ浸漬する時間が1秒以上で、且つ、前記水が含む前記アルカリ金属イオンの量が0.1ppm以上1%未満であることを特徴とする1に記載の記録媒体用ガラス基板の製造方法。
3. 1又は2に記載の記録媒体用ガラス基板の製造方法により製造された記録媒体用ガラス基板。
4. 3に記載の記録媒体用ガラス基板の表面に磁性膜を有することを特徴とする記録媒体。
本発明によれば、ガラス基板から置換されたアルカリ金属イオンが水に溶出し難くなり、化学強化したガラス基板の強度の低下が少ない。
従って、化学強化により機械的強度を高めることが可能で歩留まりの良い記録媒体用ガラス基板の製造方法を提供することができる。また、この記録媒体用ガラス基板の製造方法により製造された記録媒体用ガラス基板、更に、この記録媒体用ガラス基板に磁性膜を設けてある記録媒体を提供することができる。
本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。
(製造工程)
記録媒体用ガラス基板の製造方法について説明する。図1に、記録媒体用ガラス基板の製造工程の例をフロー図で示す。まず、ガラス素材を溶融し(ガラス溶融工程)、溶融ガラスを下型に流し込み、上型によってプレス成形して円盤状のガラス基板前駆体を得る(プレス成形工程)。なお、円盤状のガラス基板前駆体は、プレス成形によらず、例えばダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスを研削砥石で切り出して作製してもよい。
プレス成形されたガラス基板前駆体には、必要によりコアドリル等で中心部に孔が開けられる(コアリング工程)。そして、第1ラッピング工程において、ガラス基板の両表面が研磨加工され、ガラス基板の全体形状、すなわちガラス基板の平行度、平坦度および厚みが予備調整される。
次に、ガラス基板の外周端面および内周端面が研削され面取りされて、ガラス基板の外径寸法および真円度、孔の内径寸法、並びにガラス基板と孔との同心度が微調整された後(内・外径加工工程)、ガラス基板の内周端面が研磨されて微細なキズ等が除去される(内周端面加工工程)。
次に、ガラス基板の両表面が再び研磨加工されて、ガラス基板の平行度、平坦度および厚みが微調整される(第2ラッピング工程)。そして、ガラス基板の外周端面が研磨されて微細なキズ等が除去される(外周端面加工工程)。
次に、ガラス基板が洗浄された後、後述の化学強化液にガラス基板を浸漬してガラス基板に化学強化層を形成する(化学強化工程)。この後、ガラス基板の表面を精密に仕上げる研磨加工を行う(ポリッシング工程)。そして洗浄及び検査が行われ、製品としての記録媒体用ガラス基板とされる。尚、化学強化層を形成する化学強化工程後、研磨加工を行うポリッシング工程があるが、この研磨加工前後においてのガラス基板の強度はほとんど変わらない。
上記の化学強化工程の内容を図2のフロー図に示す。洗浄されたガラス基板は、予め加熱された後、化学強化液に浸漬される(化学強化液浸漬工程)。化学強化液から取り出されたガラス基板は、水にて洗浄され(水浸漬工程)、乾燥される。
(化学強化液浸漬工程)
化学強化液浸漬工程は、化学強化剤を溶融した化学強化液にガラス基板を浸漬させて、ガラス基板表層のアルカリ金属イオンを化学強化液のアルカリ金属イオンにイオン交換する。
化学強化剤としては従来公知のものを使用でき、例えば、硝酸カリウム(KNO3)、硝酸ナトリウム(NaNO3)、炭酸カリウム(K2CO3)などが挙げられ、これらを単独又は2種以上混合して使用する。
化学強化剤は化学強化処理槽に所定量投入し、加熱することによって溶融して化学強化液となる。化学強化液の加熱温度は、イオン交換の速度やガラス基板のTg(ガラス転移温度)などの点から280℃〜660℃の範囲が好ましく、より好ましくは300℃〜450℃の範囲である。この高温側(上限値)がガラス転移温度Tgより低い300℃〜450℃の範囲とすることで、イオン交換の反応速度が遅すぎることなく、また、ガラス基板の形状に影響が生じない。
ガラス基板を化学強化液に浸漬する時間は0.1時間〜数十時間の範囲が好ましい。また、本例に示しているように、ガラス基板を化学強化液に浸漬する前に、予め加熱しておくことが好ましい。予めガラス基板を加熱すると、化学強化液に浸漬した際に化学強化液の温度が低下し過ぎることがなく化学強化が効率的に行うことができる。
強化層の厚みとしては、ガラス基板の強度向上とポリッシング工程の時間の短縮との兼ね合いから、5μm〜15μm程度の範囲が好ましい。
(水浸漬工程)
ガラス基板を化学強化液に浸漬した後、ガラス基板の表面の化学強化液をムラなく除去するためにアルカリ金属イオンを含有させた水(以下、特に断りのない限り単に水という。)に浸漬する。ガラス基板の全体を水に浸漬することで化学強化液がガラス基板上に部分的に存在することが無く、部分的に化学強化が進むことがなくなる。このため、化学強化にムラがないため、ガラス基板に一様な強度を持たせることができる。
ガラス基板の表面から化学強化液や化学強化液を成す塩の結晶物は、浸漬する水の温度を高くするほどより短時間で効率よく除去することができる。こうした水の温度は、大気圧下で、35℃から100℃が好ましい。
また、水の温度と化学強化液との温度差がある場合、水浸漬工程がヒートショックを兼ねることができる。ヒートショックは、温度差に起因する熱歪を利用してガラス基板のこれまでの製造過程で生じた微小クラックを成長させ、この段階で不良品を除去するものである。また、水の温度と化学強化液との温度差により水浸漬工程においてガラス基板のひび、割れが発生しないよう、化学強化液浸漬工程と水浸漬工程との間でガラス基板を冷却する工程を設けてもよい。
化学強化液浸漬工程で化学強化されたガラス基板はアルカリ金属イオンを含む水に浸漬すると、アルカリ金属イオンを含まない水に浸漬したときに比べて、ガラス基板の強度の低下が少ない。この理由は定かではないが、以下のように推定される。化学強化されたガラス基板から溶出するであろうアルカリ金属イオンと同じアルカリ金属イオンを水に含有させているので、アルカリ金属イオンを含有していない水と比べて化学平衡のずれが大きくならず、ガラス基板からのアルカリ金属イオンの溶出が抑えられているものと思われる。
ガラス基板が浸漬される水が含むアルカリ金属イオンの含有量(質量比)は、0.1ppm以上1%未満が好ましく、且つ、ガラス基板を水に浸漬する時間は、1秒以上が好ましい。アルカリ金属イオンの含有量をこの範囲とすることで、ガラス基板の強度が問題となる状態まで低下してしまう量のアルカリ金属イオンの溶出を抑えることができる。また、アルカリ金属イオンの含有量をこの範囲とすることで、アルカリ金属イオンが結晶となって析出することがないので、ガラス基板の表面に塩の結晶物が付着しないという利点がある。アルカリ金属イオンの例としては、リチウム(Li)イオン、ナトリウム(Na)イオン、カリウム(K)イオンが挙げられ、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム等の塩として用いる。また、ガラス基板を水に浸漬する時間を1秒以上とすることで、ガラス基板上の化学強化液を十分に除去でき、また化学強化液がガラス基板上に部分的に残ることがなく、強化ムラが生じない。水に浸漬する時間の上限は、特に制限はなく、生産性を考慮して適宜決めればよい。
(ガラス基板)
化学強化されるガラス基板としては特に限定はないが、二酸化ケイ素、酸化ナトリウム、酸化カルシウムを主成分としたソーダライムガラス;二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、R2O(R=K、Na、Li)を主成分としたアルミノシリケートガラス;ボロシリケートガラス;酸化リチウム−二酸化ケイ素系ガラス;酸化リチウム−酸化アルミニウム−二酸化ケイ素系ガラス;R’O−酸化アルミニウム−二酸化ケイ素系ガラス(R’=Mg、Ca、Sr又はBa)を使用することができ、これらガラス材料に酸化ジルコニウムや酸化チタン等を添加したものであってもよい。
またガラス基板の大きさに限定はなく2.5インチ,1.8インチ、1インチ、0.85インチあるいはそれ以下の小径ディスクにも本発明の方法を適用することができ、またその厚さが2mmや1mm、0.63mm、あるいはそれ以下といった薄型のものにも適用することができる。
化学強化工程に提供されるガラス基板において、主表面および端面部分の粗さに特に限定はないが、ガラス基板の主表面の表面粗度は、Rmax(最大高さ)が10nm以下、Ra(中心線平均粗さ)が1.0nm以下であるのが好ましい。また端面の表面粗度は、Rmaxが0.01μm〜1μmの範囲、Raが0.001μm〜0.8μmの範囲であるのが好ましい。表面研磨されたガラス基板を化学強化すると、強化層を均一に形成することができるようになる。
(強度試験方法)
図3(a)は、記録媒体用ガラス基板10の形状の例を示す模式図である。ガラス基板10は、外径φ1=65mm、内径φ2=20mm、板厚d=0.635mmのディスク状ガラス基板で、通常の2.5インチ型ハードディスクに用いられるガラス基板である。
図3(b)は、図3(a)に示した記録媒体用ガラス基板10の破壊強度を測定するための円環曲げ強度試験と呼ばれる試験に用いられる円環曲げ試験機20の模式図である。
円環曲げ試験機20は、支持台23上に記録媒体用ガラス基板10の評価用サンプルを乗せて外周8を円環状に支持し、鉄球22を記録媒体用ガラス基板10の穴部4の内周9に乗せ、鉄球22を介してロード21で記録媒体用ガラス基板10の内周9に力を加えることによって加圧−破壊試験を行う。この方法は、ハードディスク用記録媒体の強度試験として業界で一般的に用いられている方法と同じである。
支持台23は、外径φ5=70mm、内径φ6=63mm、高さh=50mmの円筒形で、円筒の上部に記録媒体用ガラス基板10を乗せ、外周8を円環状に支持する。
鉄球22は、直径φ4=28.57mmの鉄製の球で、質量は100グラム程度で、ロード21によって印加される力に比べて無視できる程度の質量である。鉄球22は、記録媒体用ガラス基板10の内周9に当接して力を加えることで、支持台23に外周8を支持された記録媒体用ガラス基板10に曲げ応力を加える。ロード21の押し下げ速度は、0.5mm/分程度である。
本発明者らの従来の経験によれば、破壊強度が100Nを境界として記録媒体用ガラス基板の割れ、欠け等の破損による歩留まりが大きく変わり良好となる。破壊強度が100N以上であると良好な強度を備えているとする。
(記録媒体)
次に、これまで説明した記録媒体用ガラス基板を用いた記録媒体について説明する。この記録媒体用ガラス基板を用いると、耐久性および高記録密度が実現される。以下、図面に基づき記録媒体について説明する。
図4は磁気ディスクの斜視図である。この磁気ディスクDは、円形の記録媒体用ガラス基板1の表面に磁性膜2を直接形成されている。磁性膜2の形成方法としては従来公知の方法を用いることができ、例えば磁性粒子を分散させた熱硬化性樹脂を基板上にスピンコートして形成する方法や、スパッタリング、無電解めっきにより形成する方法が挙げられる。スピンコート法での膜厚は約0.3μm〜1.2μm程度、スパッタリング法での膜厚は0.04μm〜0.08μm程度、無電解めっき法での膜厚は0.05μm〜0.1μm程度であり、薄膜化および高密度化の観点からはスパッタリング法および無電解めっき法による膜形成が好ましい。
磁性膜に用いる磁性材料としては、特に限定はなく従来公知のものが使用できるが、高い保持力を得るために結晶異方性の高いCoを基本とし、残留磁束密度を調整する目的でNiやCrを加えたCo系合金などが好適である。具体的には、Coを主成分とするCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrTa、CoPtCr、CoNiPtや、CoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrPtTa、CoCrPtB、CoCrPtSiOなどが挙げられる。磁性膜は、非磁性膜(例えば、Cr、CrMo、CrVなど)で分割しノイズの低減を図った多層構成(例えば、CoPtCr/CrMo/CoPtCr、CoCrPtTa/CrMo/CoCrPtTaなど)としてもよい。上記の磁性材料の他、フェライト系、鉄−希土類系や、SiO2、BNなどからなる非磁性膜中にFe、Co、FeCo、CoNiPt等の磁性粒子を分散された構造のグラニュラーなどであってもよい。また、磁性膜は、内面型および垂直型のいずれの記録形式であってもよい。
また、磁気ヘッドの滑りをよくするために磁性膜の表面に潤滑剤を薄くコーティングしてもよい。潤滑剤としては、例えば液体潤滑剤であるパーフロロポリエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶媒で希釈したものが挙げられる。
さらに必要により下地層や保護層を設けてもよい。磁気ディスクにおける下地層は磁性膜に応じて選択される。下地層の材料としては、例えば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Al、Niなどの非磁性金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料が挙げられる。Coを主成分とする磁性膜の場合には、磁気特性向上等の観点からCr単体やCr合金であることが好ましい。また、下地層は単層とは限らず、同一又は異種の層を積層した複数層構造としても構わない。例えば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、NiAl/Cr、NiAl/CrMo、NiAl/CrV等の多層下地層としてもよい。
磁性膜の摩耗や腐食を防止する保護層としては、例えば、Cr層、Cr合金層、カーボン層、水素化カーボン層、ジルコニア層、シリカ層などが挙げられる。これらの保護層は、下地層、磁性膜など共にインライン型スパッタ装置で連続して形成できる。また、これらの保護層は、単層としてもよく、あるいは、同一又は異種の層からなる多層構成としてもよい。なお、上記保護層上に、あるいは上記保護層に替えて、他の保護層を形成してもよい。例えば、上記保護層に替えて、Cr層の上にテトラアルコキシシランをアルコール系の溶媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して塗布し、さらに焼成して二酸化ケイ素(SiO2)層を形成してもよい。
以上、記録媒体の一実施態様として磁気ディスクについて説明したが、記録媒体はこれに限定されるものではなく、光磁気ディスクや光ディスクなどにも本発明のガラス基板を用いることができる。
(実験1)
化学強化を行うガラス基板として、図1の製造工程に沿っての外周端面加工後の洗浄まで行った外径φ1=65mm、内径φ2=20mm、板厚d=0.635mmのアルミノシリケートガラス基板を準備し、図2に沿って化学強化を行った。
上記のガラス基板30枚を予め350℃に加熱後、化学強化液に15分間浸漬した。化学強化液は、NaNO3とKNO3とを質量比1:9の割合とした化学強化剤を化学強化槽に投入し330℃に加熱したものとした。
化学強化液に浸漬した後、化学強化した30枚のガラス基板を60℃のアルカリ金属イオンを含む水に5分間浸漬し、その後乾燥した。水が含むアルカリ金属イオンをナトリウム(Na)イオンとして、その含有量(質量比)を以下の表1に示す通り、0から1.5%まで変化させて設定して、それぞれの場合に化学強化したガラス基板の洗浄度合、円環曲げ強度試験による強度を評価した。この結果を表1に示す。
Figure 2008123612
表1における洗浄度合、強度の欄に示す各記号は、以下を示している。
洗浄度合
◎:ガラス基板全数が、ガラス基板上に塩の結晶物の付着がルーペを用いても目視で確認できない。
○:ガラス基板全数がガラス基板上に塩の結晶物の付着が目視のみでは確認できないが、ルーペを用いて目視で確認できるものがある。
△:ガラス基板全数において、ガラス基板上に塩の結晶物の付着が目視にて確認でき、その内容易に確認できるものが15枚未満である。
×:ガラス基板全数において、ガラス基板上に塩の結晶物の付着が目視にて確認でき、その内容易に確認できるものが15枚以上ある。
強度
◎:100N以上のガラス基板数が27枚以上であった。
○:100N以上のガラス基板数が14枚以上26枚以下であった。
△:100N以上のガラス基板数が1枚以上13枚以下であった。
×:ガラス基板全数が100N未満であった。
(実験2)
次に、アルカリ金属イオンを含む水に浸漬する時間を1.1秒とした以外は、実験1と同じとした結果を表2に示す。洗浄度合、強度の各評価を表す符号は表1と同じである。
Figure 2008123612
表1、表2の結果から、ナトリウムイオンを含まない水(比較例1、比較例2)では、洗浄度合の点では問題ないが、強度の点では問題であることがわかる。また、ナトリウムイオンを0.001ppm含有していれば、強度低下の改良が認められる。更に、ナトリウムイオンの含有量が0.1ppm以上であれば、強度の点では全く問題がないことがわかる。
一方、洗浄度合の観点からは、ナトリウムイオン含有量が1%以上となると(実施例9から12、実施例21から24)、塩の結晶物の付着が目視で確認されてくる。しかしながら、強度の点では、全く問題なく、再度、アルカリ金属イオンを0.1ppm以上1%未満含有する水で洗浄することにより、強度に影響を与えずに付着した結晶物を容易に除去することができるので、大きな問題ではない。
尚、アルカリ金属イオンを含む水に浸漬する時間を0.4秒とした以外は、実験1と同じとした実験を行った結果、実験2の結果と比較して、洗浄度合、強度のいずれにおいても劣っていた。
以上を総合すると、本発明では、化学強化したガラス基板を、アルカリ金属イオンの含有量が0.1ppm以上1%未満の水に1秒以上浸漬することが最も好ましい態様であることが分かる。
記録媒体用ガラス基板の製造工程の例を示すフロー図である。 図1における化学強化処理工程の内容を示すフロー図である。 (a)は記録媒体用ガラス基板の形状の例を模式的に示す図を示し、(b)は(a)に示す記録媒体用ガラス基板の破壊強度を測定するための円環曲げ試験機の構成例を模式的に示す図である。 磁気ディスクの部分断面を含む斜視図である。
符号の説明
1、10 記録媒体用ガラス基板
2 磁性膜
4 穴部
8 外周
9 内周
20 円環曲げ試験機
21 ロード
22 鉄球
23 支持台
D 磁気ディスク

Claims (4)

  1. ガラス基板を化学強化液と接触させて前記ガラス基板の表面のアルカリ金属イオンを前記化学強化液が含む前記アルカリ金属イオンより大きなイオン径のアルカリ金属イオンと置換する化学強化工程を有する記録媒体用ガラス基板の製造方法において、
    前記化学強化工程で前記ガラス基板を前記化学強化液に浸漬した後に、アルカリ金属イオンを含む水に前記ガラス基板を浸漬する水浸漬工程を有することを特徴とする記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記水浸漬工程において、前記ガラス基板を前記水へ浸漬する時間が1秒以上で、且つ、前記水が含む前記アルカリ金属イオンの量が0.1ppm以上1%未満であることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の記録媒体用ガラス基板の製造方法により製造された記録媒体用ガラス基板。
  4. 請求項3に記載の記録媒体用ガラス基板の表面に磁性膜を有することを特徴とする記録媒体。
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