JP2010118090A - 保持治具、記録媒体用ガラス基板の製造方法及び記録媒体の製造方法 - Google Patents

保持治具、記録媒体用ガラス基板の製造方法及び記録媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】軽量化が図られた、作業性の良い枠体を用いた保持治具、該保持治具を用いた記録媒体用ガラス基板の製造方法及び記録媒体の製造方法を提供すること。
【解決手段】ガラス基板を保持する保持治具において、ガラス基板を支持する複数の支持部材と、該支持部材を取り付ける枠体とを有し、該枠体が網状であることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、保持治具、該保持治具を用いた記録媒体用ガラス基板の製造方法及び記録媒体の製造方法に関する。
従来、記録媒体用基板としては、デスクトップ用コンピュータやサーバなどの据え置き型の情報機器にはアルミニウム合金が使用され、ノート型コンピュータやモバイル型コンピュータなどの携帯型の情報機器にはガラス基板が一般に使用されていた。アルミニウム合金は変形しやすく、また硬さが不十分であるため研磨後の基板表面の平滑性が十分とは言えなかった。さらに、記録用ヘッドが機械的に磁気ディスクに接触する際、磁性膜が基板から剥離しやすいという問題もあった。そこで、変形が少なく、平滑性が良好で、かつ機械的強度の大きいガラス基板が、携帯型のみならず据え置き型の情報機器やその他のテレビ等の家庭用機器にも今後広く使用されていくものと予測されている。
記録媒体用ガラス基板の機械的強度を向上させるために、化学強化処理が従来から広く行われている。この化学強化処理は、化学強化処理槽内に貯留された化学強化液中にガラス基板を浸漬させて、ガラス基板表面のアルカリ金属イオンを、そのアルカリ金属イオンよりも大きなイオン径のアルカリ金属イオンと置換することにより圧縮歪みを発生させ、機械的強度を向上させるものである。
この化学強化処理を行う際に記録媒体用ガラス基板を保持する保持治具として、特許文献1に記載されているものが知られている。この保持治具は、板状の枠体に、複数の突部を有する支持部材が固定されたものである。これらの支持部材に形成される突部の間には、V字状の谷底部が形成され、これらの谷底部はガラス基板の外周部を支持することができる。そして、これらの支持部材はガラス基板の外周部の3箇所を支持することによってガラス基板の側面が支持部材の長手方向と直交するように複数のガラス基板を保持できるようになっている。
このような保持治具を用いて、ガラス基板を化学強化する際には、例えば、次のような方法が用いられる。複数のガラス基板を保持した保持治具を予め加熱し、高温の化学強化処理液の入った化学強化処理槽に所定の時間浸漬する。この後、ガラス基板を保持した保持治具を化学強化処理液から取りだし、20℃の水槽に浸漬して急冷し一定時間維持することでガラス基板表面の化学強化を行うことができる。
特開2008−105932号公報
しかし、特許文献1における保持治具では、化学強化する際に金属製でブロック状の枠体を用いているため、保持冶具が重くなり、作業性が悪く、また、保持冶具内部の化学強化液の循環が悪く、均一な化学強化ができないという問題があった。
従って、本発明が解決しようとする技術課題は、化学強化する際に用いる保持冶具であって、均一な化学強化が行え、軽量化が図られた、作業性の良い、枠体を有する保持治具、該保持治具を用いた記録媒体用ガラス基板の製造方法及び記録媒体の製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.
加熱溶融された化学強化液にガラス基板を浸漬して化学強化を行う化学強化液浸漬工程で用いるガラス基板を保持する保持治具において、
前記保持治具は、ガラス基板を支持する複数の支持部材と、該支持部材を取り付ける枠体とを有し、
前記枠体が、網状であることを特徴とする保持冶具。
2.
前記1の保持治具にガラス基板を保持し、化学強化を行うことを特徴とする記録媒体用ガラス基板の製造方法。
3.
前記2に記載の記録媒体用ガラス基板の製造方法により記録媒体用ガラス基板を製造し、該記録媒体用ガラス基板の表面に磁性膜を形成することを特徴とする記録媒体の製造方法。
本発明によれば、保持治具に用いる枠体を網状としたので、保持冶具の軽量化が図られ、作業性を改善することができ、また、化学強化液の保持冶具内部の循環が良くなり、化学強化を均一に行うことができる。
本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。
(製造工程)
記録媒体用ガラス基板の製造方法について説明する。図1に、記録媒体用ガラス基板の製造工程の例をフロー図で示す。まず、ガラス素材を溶融し(ガラス溶融工程)、溶融ガラスを下型に流し込み、上型によってプレス成形して円盤状のガラス基板前駆体を得る(プレス成形工程)。なお、円盤状のガラス基板前駆体は、プレス成形によらず、例えばダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスを研削砥石で切り出して作製してもよい。
プレス成形されたガラス基板前駆体には、必要によりコアドリル等で中心部に孔が開けられる(コアリング工程)。そして、第1ラッピング工程において、ガラス基板の両表面が研磨加工され、ガラス基板の全体形状、すなわちガラス基板の平行度、平坦度および厚みが予備調整される。
次に、ガラス基板の外周端面および内周端面が研削され、外周端部及び内周端部が面取りされて、ガラス基板の外径寸法および真円度、孔の内径寸法、並びにガラス基板と孔との同心度が微調整された後(内・外径加工工程)、ガラス基板の内周端面が研磨されて微細なキズ等が除去される(内周端面加工工程)。
次に、ガラス基板の両表面が再び研磨加工されて、ガラス基板の平行度、平坦度および厚みが微調整される(第2ラッピング工程)。そして、ガラス基板の外周端面が研磨されて微細なキズ等が除去される(外周端面加工工程)。
次に、ガラス基板が洗浄された後、後述の化学強化液にガラス基板を浸漬してガラス基板に化学強化層を形成する(化学強化工程)。この後、ガラス基板の表面を精密に仕上げる研磨加工を行う(ポリッシング工程)。そして洗浄及び検査が行われ、製品としての記録媒体用ガラス基板が完成する。尚、化学強化層を形成する化学強化工程後、研磨加工を行うポリッシング工程があるが、この研磨加工前後においてのガラス基板の強度はほとんど変わらない。
上記の化学強化工程の内容を図2のフロー図に示す。洗浄されたガラス基板は、予め加熱された(予熱工程)後、化学強化液に浸漬される(化学強化液浸漬工程)。化学強化液から取り出されたガラス基板は、水にて洗浄され(水浸漬工程)、乾燥(乾燥工程)される。
化学強化工程において、一連の予熱工程から乾燥工程までの各工程を実際に行う場合、例えば、以下のようにする。まず、複数枚のガラス基板を保持した保持治具を準備し、ガラス基板を保持治具とともに順次、予熱炉に投入し、化学強化液槽に浸漬し、洗浄槽に浸漬し、乾燥炉に投入することで、化学強化の一連の処理をすることができる。
複数枚のガラス基板を保持する保持治具の例を図3に示す。
図3は、ガラス基板31を収納する保持治具30の概略図であり、ガラス基板31を支持部材32の溝部で保持している様子を示している。保持治具30は、ガラス基板31の配列方向に等間隔で溝部を複数個形成した5本の支持部材32と、4枚の枠体36と、2つの把持部34とから構成されている。5本の支持部材32は、一対の枠体36により支持されている。この保持治具30において、複数のガラス基板31は、各ガラス基板31が3本の支持部材32の同一平面内にある溝部によって3カ所を支持して保持し、支持部材32の延在する方向に複数枚配列する。
また、1枚のガラス基板31を支持する支持部材32の本数は3本に限定はしないが、ガラス基板31に接触する部分が少なく、且つ、安定して保持できることから3本とすることが好ましい。
各工程でガラス基板31及びこれ保持する保持治具30に加わる温度は、ガラス基板材料、化学強化液等により異なるが、例えば、おおよそ以下となる。予熱工程での予熱炉においては200℃から4000℃、化学強化液浸漬工程での化学強化液槽においては250℃から400℃、水浸漬工程での洗浄槽においては35℃から100℃、乾燥炉においては100℃から150℃である。また、各工程の間では、保持治具30を上記の各炉また槽の間で室温下の空気中を移動させる必要がある。従って、保持治具30は、重量が重いと、作業性が悪くなり、生産性の低下や、また、搬送のためにモータなどを用いる場合、モータが大きくなり、コストも高く、経済性も悪くなるという問題があった。また、保持冶具の枠体が板状である場合、保持冶具内での化学強化液の循環が悪く、不均一な化学強化層が形成され、機械的強度が低下するという問題もあった。
本発明においては、このような問題を解決するために、支持部材32の枠体36を網状とするものである。
図4に枠体36に用いるのに好ましい形態を示す。図4(a)は、金網を用いた枠体36を示す。外枠37に金網36aを取り付け、枠体36としたものである。支持部材32は金網の穴を用いて取り付けることができる。金網36aの網目の条件や、線径、目開きの空間率等は、特に限定するものではなく、支持部材32を支持でき、保持部材の形状を維持できるものであれば良い。金網36aの材質も特に限定するものではないが、化学強化塩に犯されず、熱に強いものとして、ステンレス製の金網が好ましい。
図4(b)は、枠体36が、格子状の穴を開けられた板である場合を示す。また、図4(c)は、枠体36が、6角形状の穴を開けられた板である場合を示す。穴の形状、配列については、特に限定するものではない。
枠体36の材料としては、例えば、金属系では、工具鋼(0.3〜2.0質量%の炭素を含む鋼材)、純鉄、純アルミニウム、純チタン、チタン合金、マグネシウム合金、ジルコニウム、インコネルHX(耐熱特殊鋼)、ニッケル、SUS304、SUS329、SUS410、SUS430等がある。また、セラミックス系では、窒化珪素(Si)、炭化珪素(SiC)、窒化アルミ、窒化ホウ素、アルミナ、ムライト(3Al・2SiO)、ジルコニア(ZrO)、コージエライト、マセライト(切削性セラミックス)等がある。更に、石英ガラスがある。
このように枠体36を網状にすることにより、保持冶具30の重量を軽くすることができ、作業性を向上させることができる。また、保持冶具30の内部の化学強化液の循環が良くなり、均一な化学強化層が形成され、機械的強度が向上する。
また、支持部材32の材料も、枠体36と同じ材料で構成することができる。これらの材料を用いて保持冶具30を構成する場合、各部材の熱膨張係数を考慮して保持治具30全体の熱変形を抑えることが好ましい。
上記では保持治具30を使用する工程を化学強化工程における化学強化液浸漬工程と、その後の水浸漬工程としているが、化学強化液浸漬工程の前の洗浄工程で水に浸漬する場合に使用することもできる。
(化学強化液浸漬工程)
化学強化液浸漬工程は、化学強化剤を溶融した化学強化液にガラス基板31を浸漬させて、ガラス基板表層のアルカリ金属イオンを化学強化液のアルカリ金属イオンにイオン交換する。
化学強化剤としては従来公知のものを使用でき、例えば、硝酸カリウム(KNO)、硝酸ナトリウム(NaNO)、炭酸カリウム(KCO)などが挙げられ、これらを単独又は2種以上混合して使用する。
化学強化剤は化学強化処理槽に所定量投入し、加熱することによって溶融して化学強化液となる。化学強化液の加熱温度は、イオン交換の速度やガラス基板のTg(ガラス転移温度)などの点から280℃〜400℃の範囲が好ましく、より好ましくは300℃〜400℃の範囲である。この高温側(上限値)がガラス転移温度Tgより低い300℃〜400℃の範囲とすることで、イオン交換の反応速度が遅すぎることなく、また、ガラス基板の形状に影響が生じない。
ガラス基板31を化学強化液に浸漬する時間は0.1時間〜数十時間の範囲が好ましい。また、本例に示しているように、ガラス基板31を化学強化液に浸漬する前に、予め加熱しておくことが好ましい。予めガラス基板31を加熱すると、化学強化液に浸漬した際に化学強化液の温度が低下し過ぎることがなく化学強化が効率的に行うことができる。
強化層の厚みとしては、ガラス基板31の強度向上とポリッシング工程の時間の短縮との兼ね合いから、5μm〜15μm程度の範囲が好ましい。
(水浸漬工程)
ガラス基板31を化学強化液に浸漬した後、連続してガラス基板の表面の化学強化液をムラなく除去するために水に浸漬する。ガラス基板31の全体を水に浸漬することで化学強化液がガラス基板上に部分的に存在することが無く、部分的に化学強化が進むことがなくなる。このため、化学強化にムラがないため、ガラス基板31に一様な強度を持たせることができる。
ガラス基板31の表面から化学強化液や化学強化液を成す塩の結晶物は、浸漬する水の温度を高くするほどより短時間で効率よく除去することができる。こうした水の温度は、大気圧下で、35℃から100℃が好ましい。また、ガラス基板を水に浸漬する時間は、1秒以上が好ましい。1秒未満であると、ガラス基板上の化学強化液を十分に除去できないため化学強化液がガラス基板上に残り、強化ムラが生じる。水に浸漬する時間の上限は、特に制限はなく、生産性を考慮して適宜決めればよい。
また、水の温度と化学強化液との温度差により水浸漬工程においてガラス基板のひび、割れが発生しないように温度差を緩和するために、化学強化液浸漬工程と水浸漬工程との間でガラス基板31を冷却する冷却工程を設けてもよい。
(ガラス基板)
化学強化されるガラス基板31としては特に限定はないが、二酸化ケイ素、酸化ナトリウム、酸化カルシウムを主成分としたソーダライムガラス;二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、RO(R=K、Na、Li)を主成分としたアルミノシリケートガラス;ボロシリケートガラス;酸化リチウム−二酸化ケイ素系ガラス;酸化リチウム−酸化アルミニウム−二酸化ケイ素系ガラス;R’O−酸化アルミニウム−二酸化ケイ素系ガラス(R’=Mg、Ca、Sr又はBa)を使用することができ、これらガラス材料に酸化ジルコニウムや酸化チタン等を添加したものであってもよい。
またガラス基板31の大きさに限定はなく2.5インチ,1.8インチ、1インチ、0.85インチあるいはそれ以下の小径ディスクにも本発明の方法を適用することができ、またその厚さが2mmや1mm、0.63mm、あるいはそれ以下といった薄型のものにも適用することができる。
化学強化工程に提供されるガラス基板31において、主表面および端面部分の粗さに特に限定はないが、ガラス基板31の主表面の表面粗度は、Rmax(最大高さ)が10nm以下、Ra(中心線平均粗さ)が1.0nm以下であるのが好ましい。また端面の表面粗度は、Rmaxが0.01μm〜1μmの範囲、Raが0.001μm〜0.8μmの範囲であるのが好ましい。表面研磨されたガラス基板31を化学強化すると、強化層を均一に形成することができるようになる。
(記録媒体)
次に、これまで説明した記録媒体用ガラス基板を用いた記録媒体について説明する。この記録媒体用ガラス基板を用いると、耐久性および高記録密度が実現される。以下、図面に基づき記録媒体について説明する。
図5は磁気ディスクの斜視図である。この磁気ディスクDIは、円形の記録媒体用ガラス基板1の表面に磁性膜2を直接形成されている。磁性膜2の形成方法としては従来公知の方法を用いることができ、例えば磁性粒子を分散させた熱硬化性樹脂を基板上にスピンコートして形成する方法や、スパッタリング、無電解めっきにより形成する方法が挙げられる。スピンコート法での膜厚は約0.3μm〜1.2μm程度、スパッタリング法での膜厚は0.04μm〜0.08μm程度、無電解めっき法での膜厚は0.05μm〜0.1μm程度であり、薄膜化および高密度化の観点からはスパッタリング法および無電解めっき法による膜形成が好ましい。
磁性膜に用いる磁性材料としては、特に限定はなく従来公知のものが使用できるが、高い保持力を得るために結晶異方性の高いCoを基本とし、残留磁束密度を調整する目的でNiやCrを加えたCo系合金などが好適である。具体的には、Coを主成分とするCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrTa、CoPtCr、CoNiPtや、CoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrPtTa、CoCrPtB、CoCrPtSiOなどが挙げられる。磁性膜は、非磁性膜(例えば、Cr、CrMo、CrVなど)で分割しノイズの低減を図った多層構成(例えば、CoPtCr/CrMo/CoPtCr、CoCrPtTa/CrMo/CoCrPtTaなど)としてもよい。上記の磁性材料の他、フェライト系、鉄−希土類系や、SiO、BNなどからなる非磁性膜中にFe、Co、FeCo、CoNiPt等の磁性粒子を分散された構造のグラニュラーなどであってもよい。また、磁性膜は、内面型および垂直型のいずれの記録形式であってもよい。
また、磁気ヘッドの滑りをよくするために磁性膜の表面に潤滑剤を薄くコーティングしてもよい。潤滑剤としては、例えば液体潤滑剤であるパーフロロポリエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶媒で希釈したものが挙げられる。
さらに必要により下地層や保護層を設けてもよい。磁気ディスクにおける下地層は磁性膜に応じて選択される。下地層の材料としては、例えば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Al、Niなどの非磁性金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料が挙げられる。Coを主成分とする磁性膜の場合には、磁気特性向上等の観点からCr単体やCr合金であることが好ましい。また、下地層は単層とは限らず、同一又は異種の層を積層した複数層構造としても構わない。例えば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、NiAl/Cr、NiAl/CrMo、NiAl/CrV等の多層下地層としてもよい。
磁性膜の摩耗や腐食を防止する保護層としては、例えば、Cr層、Cr合金層、カーボン層、水素化カーボン層、ジルコニア層、シリカ層などが挙げられる。これらの保護層は、下地層、磁性膜など共にインライン型スパッタ装置で連続して形成できる。また、これらの保護層は、単層としてもよく、あるいは、同一又は異種の層からなる多層構成としてもよい。なお、上記保護層上に、あるいは上記保護層に替えて、他の保護層を形成してもよい。例えば、上記保護層に替えて、Cr層の上にテトラアルコキシシランをアルコール系の溶媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して塗布し、さらに焼成して二酸化ケイ素(SiO)層を形成してもよい。
以上、記録媒体の一実施態様として磁気ディスクについて説明したが、記録媒体はこれに限定されるものではなく、光磁気ディスクや光ディスクなどにも本発明のガラス基板を用いることができる。
(実施例1)
化学強化を行うガラス基板として、外径φ1=65mm、内径φ2=20mm、板厚d=0.635mmのアルミノシリケートガラス基板を準備した。保持冶具に用いた枠体36、図4(a)の金網を用いた。金網としては、ステンレススチール製の線径3mm金網を、ピッチ6mmで縦横に編んだものを用いた。支持部材32は、ステンレス製で、略コの字状の溝を複数形成したものを用いた。
上記のガラス基板100枚を保持治具に収納し、予め300℃に加熱後、化学強化液に15分間浸漬した。化学強化液は、NaNOとKNOとを質量比1:9の割合とした化学強化剤を化学強化槽に投入し330℃に加熱したものとした。
化学強化液に浸漬した後、化学強化した100枚のガラス基板を保持治具に収納した状態で60℃の水に5分間浸漬し、その後乾燥した。
(比較例1)
比較例1としては、実施例1において、枠体36に、板厚3mmのステンレス版を用いた他は、実施例1と同様の条件で作成した。
実施例1と比較例1の作業性を比較すると、実施例1は、比較例1に比べて、保持冶具が軽量で、保持冶具の工程間の移動を容易に行うことができ、良好な作業性であった。
また、ガラス基板表面の化学強化の均一性について、以下のように評価した。
測定装置を図6に示す。まず、ガラス基板31をポーラリメーター100(神港精機製、機番SFII−C)の資料台に載置し、ガラス基板31の内周部分に屈折液(ニコン顕微鏡用エマルジョンオイルオイル)を所定量滴下し、レンズ60を用いてガラス基板31の内周部分を5カ所測定し、屈折角度を算出する。この操作を実施例1及び比較例1で作製したガラス基板100枚について行い、最大値と最小値の差を算出した。その結果、実施例1では、差は5.0°となり、比較例1では、差は13.0°であった。屈折角度は、化学強化層の厚みで変化するため、この結果から、本発明の網状の枠体を用いた保持冶具により化学強化することにより、均一な化学強化層が形成されていることが分かる。
記録媒体用ガラス基板の製造工程の例を示すフロー図である。 図1における化学強化処理工程の内容を示すフロー図である。 本発明の一実施形態の保持冶具を示す概略図である。 本発明に係る枠体の形状の例を示す模式図である。 磁気ディスクの部分断面を含む斜視図である。 ガラス基板の化学強化の均一性評価装置を示す模式図である。
符号の説明
1 記録媒体用ガラス基板
2 磁性膜
DI 磁気ディスク
30 保持治具
31 ガラス基板
32 支持部材
36 枠体

Claims (3)

  1. 加熱溶融された化学強化液にガラス基板を浸漬して化学強化を行う化学強化液浸漬工程で用いるガラス基板を保持する保持治具において、
    前記保持治具は、ガラス基板を支持する複数の支持部材と、該支持部材を取り付ける枠体とを有し、
    前記枠体が、網状であることを特徴とする保持冶具。
  2. 請求項1の保持治具にガラス基板を保持し、化学強化を行うことを特徴とする記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  3. 請求項2に記載の記録媒体用ガラス基板の製造方法により記録媒体用ガラス基板を製造し、該記録媒体用ガラス基板の表面に磁性膜を形成することを特徴とする記録媒体の製造方法。
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