JP2008208012A - ガラス成形体、ガラス基板の製造方法及び情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

ガラス成形体、ガラス基板の製造方法及び情報記録媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温状態でも良好に吸着することができ、かつ、積層しても容易に分離することができるガラス成形体を提供し、更に、かかるガラス成形体を用いて、情報記録媒体等に用いられるガラス基板及び情報記録媒体を効率よく製造するための製造方法を提供する。
【解決手段】溶融ガラスを成形金型でプレス成形することによって製造され、表裏の成形転写面を有するガラス成形体において、成形転写面の少なくとも一方は、表面粗さ(Ra)が0.01μm〜0.1μmの平滑領域と、表面粗さ(Ra)が0.15μm〜5μmの粗面領域とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、表裏の成形転写面を有するガラス成形体、該ガラス成形体を用いたガラス基板の製造方法及び情報記録媒体の製造方法に関する。
磁気、光、光磁気等の性質を利用した記録層を有する情報記録媒体のなかで、代表的なものとして磁気ディスクがある。磁気ディスク用基板として、従来アルミニウム基板が広く用いられていた。しかし、近年、記録密度向上のための磁気ヘッド浮上量の低減の要請に伴い、アルミニウム基板よりも表面の平滑性に優れ、しかも表面欠陥が少ないことから磁気ヘッド浮上量の低減を図ることができるガラス基板を磁気ディスク用基板として用いる割合が増えてきている。
このような磁気ディスク等に用いられるガラス基板は、ブランク材と呼ばれる円板状ガラスに研磨加工等を施すことによって製造される。このようなブランク材は、プレス成形によって製造する方法や、フロート法等によって作製された板ガラスを切断して製造する方法等が知られている。中でも特に高い生産性が期待できる方法として、溶融ガラスを直接プレス成形して製造されたガラス成形体をブランク材として用いる方法が注目されている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開平10−236831号公報
溶融ガラスをプレス成形して製造されたガラス成形体は、研削・研磨工程など情報記録媒体等に用いられるガラス基板を製造するための次工程に移送される。この際、ガラス成形体の成形転写面に吸着パッドを当接させ、真空吸着によりガラス成形体を移送するのが一般的である。しかし、生産効率を上げるため、プレス成形後短時間のうちにガラス成形体を移送する場合には、ガラス成形体がまだ十分に冷却されず高温であるため、成形転写面に当接させる吸着パッドには耐熱性の高い素材を用いる必要がある。耐熱性の高い素材として、各種金属やセラミックス等が挙げられるが、これらは比較的硬く変形しにくいため、成形転写面の表面状態によってはうまく真空状態を作ることができずに吸着に失敗して、製造ラインを停止させてしまうという問題があった。
また、次工程への移送のために回収されたガラス成形体は、多数積層した状態で保持、保管されるのが一般的である。しかし、ガラス成形体の成形転写面の表面状態によっては、成形転写面同士が張り付いて分離が困難になってしまう場合があった。張り付きを防止するために、スペーサを介してガラス成形体を積層する方法もあるが、スペーサの組み込みと除去に多大の労力が必要となり、生産効率を阻害する要因となっていた。
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、高温状態でも良好に吸着することができ、かつ、積層しても容易に分離することができるガラス成形体を提供し、更に、かかるガラス成形体を用いて、情報記録媒体等に用いられるガラス基板及び情報記録媒体を効率よく製造するための製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1. 溶融ガラスを成形金型でプレス成形することによって製造され、表裏の成形転写面を有するガラス成形体において、前記成形転写面の少なくとも一方は、表面粗さ(Ra)が0.01μm〜0.1μmの平滑領域と、表面粗さ(Ra)が0.15μm〜5μmの粗面領域とを有することを特徴とするガラス成形体。
2. 前記平滑領域と前記粗面領域とを有する前記成形転写面は、内側の前記平滑領域と、外側の前記粗面領域とによって同心状に区切られていることを特徴とする前記1に記載のガラス成形体。
3. ガラス成形体の成形転写面を研磨する工程を有するガラス基板の製造方法において、前記ガラス成形体は、前記1又は2に記載のガラス成形体であり、前記成形転写面の前記平滑領域に吸着パッドを当接し、真空吸着によって前記ガラス成形体を移送する工程と、移送された前記ガラス成形体を積層して保持する工程と、積層された前記ガラス成形体を1枚ずつに分離する工程と、分離された前記ガラス成形体の前記成形転写面を研磨する工程と、を有することを特徴とするガラス基板の製造方法。
4. 前記3に記載のガラス基板の製造方法により製造されたガラス基板に、情報を記録するための記録層を形成する工程を有することを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
本発明によれば、成形転写面のうち表面粗さ(Ra)の小さい平滑領域に吸着パッドを当てることで、硬い吸着パッドを用いる場合であっても吸着パッドと成形転写面とを十分に密着させることができ、ガラス成形体を良好に吸着することができる。また、成形転写面の一部に表面粗さ(Ra)が大きい粗面領域を有しているため、積層しても成形転写面同士の隙間に空気が入り込みやすく、容易に分離することができる。従って、かかるガラス成形体を用いることで、情報記録媒体等に用いられるガラス基板や情報記録媒体を効率よく製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について図1〜図6を参照しながら詳細に説明する。
(ガラス成形体)
図1は、本発明のガラス成形体の例を示す図である。図1(a)に示すガラス成形体10aは、溶融ガラスを成形金型でプレス成形することによって製造された円板状のガラス成形体であり、表裏の成形転写面11、12と側面13とを有している。成形転写面11、12は成形金型との接触によって形成された転写面である。側面13は、成形金型との接触によって形成された転写面であっても良いし、成形金型と接触せずに形成された自由面であっても良い。
成形転写面11は同心状に区切られた内外二つの領域を有している。このうち、内側の領域は、表面粗さ(Ra)が0.01μm〜0.1μmの平滑領域14であり、外側の領域は、表面粗さ(Ra)が0.15μm〜5μmの粗面領域15となっている。
ガラス成形体10aを吸着して回収する際、成形転写面11の平滑領域14に吸着パッドを当てることで、硬く変形しにくい吸着パッドを用いる場合であっても隙間を生じることなく密着させることができ、良好に吸着を行うことができる。この場合、使用できる吸着パッドの材質は、吸着時のガラス成形体10の温度に耐えるだけの耐熱性があれば特に制限されず、各種金属やセラミックス、耐熱性樹脂等の公知の材質の中から適宜選択することができる。
吸着パッドを当てる平滑領域14は表面粗さ(Ra)が小さい方が好ましく、表面粗さ(Ra)が大きすぎると吸着パッドを隙間なく密着させることが困難になる。通常、平滑領域14の表面粗さ(Ra)が0.1μm以下であれば良好に吸着を行うことができる。一方、平滑領域14の表面粗さ(Ra)が0.01μm未満の場合には、プレス成形の際に成形金型とガラス成形体とが張り付き、離型のための冷却に時間がかかる場合がある。このような観点から、平滑領域14の表面粗さ(Ra)を0.01μm〜0.1μmとすることにより、ガラス成形体10aの吸着を良好に行い、情報記録媒体に用いることのできるガラス基板を効率よく製造することができる。
また、ガラス成形体10aの成形転写面11は表面粗さ(Ra)の大きい粗面領域15を有しているため、複数のガラス成形体10aを積層する際にも成形転写面同士が強固に張り付くことがなく、容易に分離することができる。粗面領域15の表面粗さ(Ra)を0.15μm以上とすることで、成形転写面同士の張り付きを十分に防止することができる。一方、粗面領域15の表面粗さ(Ra)が5μm以上になると、情報記録媒体用ガラス基板を製造するための研磨工程等に必要以上に多大な時間と労力が必要になってしまう。このような観点から、粗面領域15の表面粗さ(Ra)を0.15μm〜5μmとすることで、ガラス成形体10aを積層する際の張り付きを防止すると共に、情報記録媒体に用いることのできるガラス基板を効率よく製造することができる。
ここで表面粗さ(Ra)とは、JIS B0601:2001で規定されている算術平均高さRaのことをいう。表面粗さ(Ra)は、市販の触針式表面粗さ測定機等を用いて測定することができる。
ガラス成形体10aの成形転写面11は、内側の平滑領域14と外側の粗面領域15とで同心状に区切られているが、領域の区切り方はこれに限定されるものではなく、成形転写面11が平滑領域14と粗面領域15とを有していればよい。例えば、図1(b)に示すガラス成形体10bのように、成形転写面11を径方向に複数の領域に区切って平滑領域14と粗面領域15を設けても良い。また、図1(c)に示すガラス成形体10cのように、粗面領域15の中に平滑領域14を点在させても良い。中でも、ガラス成形体10aのように成形転写面11を平滑領域14と粗面領域15とにより同心状に区切り、内側の領域を平滑領域14、外側の領域を粗面領域15とすることが特に好ましい。同心状に領域が区切られていることから、ガラス成形体を製造するための成形金型の加工が容易であり、また、プレス成形の際の温度バランスが良く製造されたガラス成形体に歪みが生じにくい。更に、外側の領域が粗面領域15であるから成形転写面同士の隙間に空気が入り込みやすく、張り付き防止効果も高い。
ガラス成形体10aのように成形転写面11を同心状に区切る場合、内側の平滑領域14と外側の粗面領域15の境界の位置は特に限定されず、必要に応じて適宜決定すればよい。通常は、平滑領域14の直径を、成形転写面11の直径の0.3倍〜0.7倍程度とすることで十分な効果が得られる。
なお、本発明においては、ガラス成形体10aの表裏の成形転写面11、12の少なくとも一方が平滑領域14と粗面領域15とを有していれば良い。従って、成形転写面11と12がいずれも平滑領域14と粗面領域15とを有していても良いし、成形転写面11のみが平滑領域14と粗面領域15とを有し、成形転写面12は全面が平滑領域、あるいは粗面領域であっても良い。
(ガラス成形体の製造方法)
本発明のガラス成形体は、溶融ガラスを成形金型でプレス成形することによって製造される。図2は、ガラス成形体10aのプレス成形に用いる成形金型の例を示す図である。成形金型20は、ガラス成形体10aの成形転写面12を形成するための成形面23を有する下型21と、ガラス成形体10aの成形転写面11を形成するための成形面24を有する上型22とを備えている。
成形面24は、成形転写面11の平滑領域14を形成するための領域25と、粗面領域15を形成するための領域26とを有している。領域25は平滑領域14に、領域26は粗面領域15にそれぞれ対応する表面粗さ(Ra)としておく。ただし、領域25と平滑領域14、あるいは、領域26と粗面領域15は、いずれも完全に等しい表面粗さ(Ra)とはならないため、平滑領域14及び粗面領域15の表面粗さ(Ra)が上記範囲となるように、成形面24の領域25、26の表面粗さ(Ra)を適宜調整する。通常は、成形金型20の成形面24の表面形状が完全に転写されずに少しなまった形状となることが多いため、領域25、26の表面粗さ(Ra)は、製造するガラス成形体の平滑領域14及び粗面領域15の表面粗さ(Ra)よりもそれぞれすこし大きくしておく。
下型21、上型22の材質は、各種の耐熱性ステンレス鋼、炭化タングステンを主成分とする超硬材料、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、カーボンやこれらの複合材料など、ガラス基板のプレス成形に用いる成形金型の材質として公知の材料の中から適宜選択して用いることができる。また、耐熱性、耐酸化性等の向上のため、これらの材料の表面に各種金属やセラミックス、カーボンなどの保護膜を形成したものを用いることもできる。下型21と上型22とを同一の材料で構成しても良いし、それぞれ別の材料で構成しても良い。
成形面24の領域25、26の表面粗さ(Ra)を調整するためには、これらの面を仕上げる際の研磨加工や研削加工の条件を適宜設定すれば良い。また、一旦両方の成形面の表面粗さ(Ra)を小さく仕上げた後、領域26を、ブラスト処理やエッチング処理によって粗面化しても良い。粗面化は、大気中での加熱による酸化処理によって行うこともできる。また、成形面24に保護膜が形成されている場合、先ず下地面を粗面化し、その上に保護膜を形成しても良いし、先に保護膜を形成してから、形成された保護膜を粗面化しても良い。
プレス成形は、先ず下型21の成形面23に溶融ガラスを供給し、その後下型21の成形面23と上型22の成形面24とで溶融ガラスを加圧することにより行う。図3は、溶融ガラスを供給する工程における下型21と溶融ガラス30等を示す模式図である。始めに、流出ノズル31から溶融ガラス30を流出して、所定温度に加熱された下型21の成形面23に供給する(図3(a))。次に、ブレード32によって溶融ガラス30を切断し、所定量の溶融ガラス30を分離する(図3(b))。
ガラス材料に特に制限はなく、用途に応じて適宜選択することができる。情報記録媒体用ガラス基板として用いる場合には、耐衝撃性や耐振動性に優れる化学強化ガラスや結晶化ガラスが特に好ましい。化学強化が可能なガラス材料としては、例えば、SiO2、Na2O、CaOを主成分としたソーダライムガラス;SiO2、Al23、R2O(R=K、Na、Li)を主成分としたアルミノシリケートガラス;ボロシリケートガラス;Li2O−SiO2系ガラス;Li2O−Al23−SiO2系ガラス;R’O−Al23−SiO2系ガラス(R’=Mg、Ca、Sr、Ba)などが挙げられる。
また、下型21の温度に特に制限はなく、ガラスの種類やガラス成形体のサイズ等によって適宜決定すればよい。下型21の温度が低すぎるとガラス基板の平面度が悪化したり、転写面へのしわの発生等の問題が起こる。逆に、必要以上に温度を高くしすぎると、ガラスとの融着が発生したり、金型の劣化が著しくなることから好ましくない。通常は、成形するガラスのTg(ガラス転移点)−200℃からTg+100℃程度の温度範囲とすることが好ましい。
下型21の加熱手段にも特に制限はなく、公知の加熱手段の中から適宜選択して用いることができる。例えば、下型21の内部に埋め込んで使用するカートリッジヒーターや、下型21の外側に接触させて使用するシート状のヒーターなどを用いることができる。また、赤外線加熱装置や、高周波誘導加熱装置を用いて加熱することもできる。
図4は、溶融ガラスを加圧する工程における成形金型20と溶融ガラス30とを示す模式図である。溶融ガラス30が供給された下型21は、上型22と対向する位置まで移動する。その後、下型21の成形面23と、上型22の成形面24とで溶融ガラス30を加圧する。溶融ガラス30は、成形面23及び成形面24との接触面から放熱することによって冷却・固化し、ガラス成形体10aとなる。
なお、上型22は、下型21と同様に所定温度に加熱されている。加熱温度や加熱手段については上述の下型21の場合と同様である。加熱温度は下型21と同じであっても良いし異なっていても良い。
下型21と上型22に荷重を負荷するための加圧手段は、公知の加圧手段を適宜選択して用いることができる。例えば、エアシリンダ、油圧シリンダ、サーボモータを用いた電動シリンダ等が挙げられる。
(ガラス基板の製造方法)
図5は、本発明のガラス基板の製造方法によって製造した情報記録媒体用ガラス基板の例を示す図である。図5(a)は情報記録媒体用ガラス基板40の斜視図、図5(b)は断面図である。情報記録媒体用ガラス基板40は中心穴43が形成された円板状のガラス基板であって、表裏の主表面41、外周端面44、内周端面45を有している。外周端面44と内周端面45には、それぞれ面取り部46、47が形成されている。
図6は、本発明のガラス基板の製造方法の例を示すフローチャートである。図6のフローチャートに示したガラス基板の製造方法は、プレス成形によって製造されたガラス成形体10aを用いて情報記録媒体等に用いられるガラス基板を製造する方法であり、ガラス成形体を真空吸着によって移送する工程(S1)、移送されたガラス成形体を積層して保持する工程(S2)、積層されたガラス成形体を1枚ずつに分離する工程(S3)、分離されたガラス成形体の成形転写面11、12を研磨する工程(S4)を有している。
ガラス成形体を移送する工程(S1)では、表面粗さ(Ra)の小さい平滑領域14に吸着パッドを当接し真空吸着によってガラス成形体10aを移送する。そのため、硬く変形しにくい吸着パッドを用いる場合であっても吸着パッドを十分に密着させることができ、ガラス成形体10aを良好に吸着できるため、ガラス基板を効率よく製造することができる。
移送されたガラス成形体10aを積層して保持する工程(S2)によって、複数のガラス成形体10aを積層した状態で保持することで、まとめて保管や搬送ができるだけでなく、積層した状態で後述の中心孔の穿孔加工、あるいは内外周端面の研削加工等の加工を行うこともできる。成形転写面の一部に表面粗さ(Ra)の大きい粗面領域15を有しているため、成形転写面同士の張り付きを十分に防止することができ、ガラス基板を効率よく製造することができる。
積層されたガラス成形体を1枚ずつに分離する工程(S3)の後、分離されたガラス成形体の成形転写面11、12を研磨する工程(S4)によって、主表面41を、最終的に情報記録媒体用ガラス基板として要求される平滑性に仕上げる。研磨の方法は、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法として用いられる公知の方法をそのまま用いることができる。例えば、対向配置した2つの回転可能な定盤の対向する面にパッドを貼り付け、2つのパッド間にガラス成形体を配置し、成形転写面にパッドを接触させながら回転させると同時に研磨剤を供給する方法で行うことができる。また、研磨剤の粒度やパッドの種類を変えて、粗研磨工程、精密研磨工程といったように複数の工程に分けて研磨を行うことも好ましい。
研磨剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、コロイダルシリカ、ダイヤモンドなどが挙げられる。この中でも、ガラスとの反応性が高く、短時間で平滑な研磨面が得られる酸化セリウムを用いることが好ましい。
パッドは硬質パッドと軟質パッドとに分けられるが、必要に応じて適宜選択して用いることができる。硬質パッドとしては、硬質ベロア、ウレタン発泡、ピッチ含有スウェード等を素材とするパッドが挙げられ、軟質パッドとしては、スウェードやベロア等を素材とするパッドが挙げられる。
また、本発明のガラス基板の製造方法においては、ガラス成形体の成形転写面を研磨する研磨工程の他、内外周加工工程やラッピング工程を行うことが好ましい。内外周加工工程は、中心孔の穿孔加工、外周端面や内周端面の形状や寸法精度確保のための研削加工、内外周端面の研磨加工等を行う工程であり、ラッピング工程は、記録層が形成される面の平面度、厚み、平行度等を満足させるため、研磨工程の前にラッピング加工を行う工程である。更に、ガラス基板の材料として化学強化ガラスや結晶化ガラスを用いる場合には、加熱された化学強化処理液にガラス基板を浸漬してイオン交換を行う化学強化工程や、熱処理によって結晶化を行う結晶化工程等を必要に応じて適宜行うことができる。これらの内外周加工工程、ラッピング工程、化学強化工程、結晶化工程等の各工程は、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法として通常用いられている方法により行うことができる。
なお、本発明のガラス基板の製造方法においては、上記以外の種々の工程を有していても良い。例えば、ガラス基板の内部歪みを緩和するための熱処理を行うアニール工程、ガラス基板の強度の信頼性確認のためのヒートショック工程、ガラス基板の表面に残った研磨剤や化学強化処理液等の異物を除去する洗浄工程、種々の検査・評価工程等を有していても良い。
ガラス基板の大きさに特に制限はない。例えば、外径が2.5インチ、1.8インチ、1インチ、0.8インチ等種々の大きさのガラス基板を製造することができる。また、ガラス基板の厚みにも制限はない。例えば、1mm、0.64mm、0.4mm等種々の厚みのガラス基板を製造することができる。
(情報記録媒体の製造方法)
上述の方法により製造された情報記録媒体用ガラス基板40の主表面41の上に、情報を記録するための記録層を形成することで情報記録媒体を製造することができる。記録層は特に限定されず、磁気、光、光磁気等の性質を利用した種々の記録層を用いることができるが、特に磁性層を記録層として用いた情報記録媒体(磁気ディスク)の製造に好適である。
磁性層に用いる磁性材料としては、特に制限はなく公知の材料を適宜選択して用いることができる。例えば、Coを主成分とするCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrTa、CoPtCr、CoNiPt、CoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrPtTa、CoCrPtSiOなどが挙げられる。また、磁性層を非磁性膜(例えば、Cr、CrMo、CrVなど)で分割してノイズの低減を図った多層構成としてもよい。
磁性層として、上記のCo系材料の他、フェライト系や鉄−希土類系の材料や、SiO2、BNなどからなる非磁性膜中にFe、Co、CoFe、CoNiPt等の磁性粒子が分散された構造のグラニュラーなどを用いることもできる。磁性層は、面内型、垂直型の何れであっても良い。
磁性膜の形成方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、スパッタリング法、無電解メッキ法、スピンコート法などが挙げられる。
磁気ディスクには、更に必要により下地層、保護層、潤滑層等を設けても良い。これらの層はいずれも公知の材料を適宜選択して用いることができる。下地層の材料としては、例えば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Al、Niなどが挙げられる。保護層の材料としては、例えば、Cr、Cr合金、C、ZrO2、SiO2などが挙げられる。また、潤滑層としては、例えば、パーフロロポリエーテル(PFPE)等からなる液体潤滑剤を塗布し、必要に応じ加熱処理を行ったものなどが挙げられる。
(実施例1〜3)
成形金型20の上型22として、成形面24の内側の領域25の表面粗さ(Ra)を0.013μm(実施例1)、0.1μm(実施例2)、0.13μm(実施例3)とし、外側の領域26の表面粗さ(Ra)を0.2μmとしたものを用いた。また、下型21として、成形面23の表面粗さ(Ra)を全面にわたり0.1μmとしたものを用いた。表面粗さ(Ra)の調整は、研削加工の砥石の砥粒度を調整することにより行った。上型及び下型の材質にはSUS310Sを用いた。
下型21と上型22を共に400℃に加熱し、溶融ガラスを下型21の成形面23に供給した後、上型22の成形面24との間でプレス成形を行った。ガラス材料はボロシリケートガラスを用いた。上下の金型で5秒間加圧した後、型開きを行って加圧を解除した。
ガラス成形体が300℃まで冷却された時点で吸着によりガラス成形体を回収し、上型22の成形面24によって形成された成形転写面11の平滑領域14と粗面領域15の表面粗さ(Ra)を測定した。成形転写面11は、直径35mmの円を境界として、内側の平滑領域14と外側の粗面領域15とによって同心円状に区切られていた。平滑領域14の表面粗さ(Ra)は、0.01μm(実施例1)、0.07μm(実施例2)、0.1μm(実施例3)であり、粗面領域15の表面粗さ(Ra)はいずれも0.15μmであった。それぞれ50枚のガラス成形体を作製し、吸着ミスの発生回数を調査した。ガラス成形体の外径は70mm、ガラス基板の厚みは1mmであった。吸着パッドは、パッド径が25mmのアルミニウム製であり、平面領域14の中心部に当てて使用した。
更に、回収したガラス成形体を、成形転写面11を上に向けて20枚積層した。最も上に積層されたガラス基板の平滑領域14に吸着パッドを当てて吸着し、1枚のガラス基板を水平に滑らせるように移動して分離した。同様に上から順に20枚のガラス基板を全て分離して、分離の可否を判断した。
結果を表1に示す。実施例1〜3は、いずれも吸着ミスは発生せず、積層後の分離も良好であった。
Figure 2008208012
(比較例1)
上型22として成形面24の表面粗さ(Ra)を全面にわたって0.2μmとしたものを用いた。その他は実施例1〜3と同様にしてガラス成形体を作製し、吸着ミスの評価を行った。
結果を表1に併せて示す。成形転写面の表面粗さ(Ra)は0.15μmであった。本比較例1では、吸着ミスが50回中6回発生し、その都度装置を停止させなければならなかった。吸着を良好に行えないため、積層後の分離の評価は行うことができなかった。
(実施例4、5)
上型22として、成形面24の内側の領域25の表面粗さ(Ra)を0.13μmとし、外側の領域26の表面粗さ(Ra)を1.35μm(実施例4)、6.8μm(実施例5)としたものを用いた。その他は実施例1〜3と同様にしてガラス成形体の作製と評価を行った。
結果を表1に併せて示す。平滑領域14の表面粗さ(Ra)は、いずれも0.1μmであり、粗面領域15の表面粗さ(Ra)は1μm(実施例4)、5μm(実施例5)であった。実施例4、5は、いずれも吸着ミスは発生せず、積層後の分離も良好であった。
(比較例2)
上型22として成形面24の表面粗さ(Ra)を全面にわたって0.13μmとしたものを用いた。その他は実施例1〜3と同様にしてガラス成形体の作製と評価を行った。
結果を表1に併せて示す。成形転写面11、12の表面粗さ(Ra)は0.1μmであった。50枚のガラス成形体を回収する際の吸着ミスは発生しなかった。しかし、回収したガラス成形体を積層すると、積層されたガラス成形体の成形転写面同士が張り付き、再度1枚ずつに分離することができなかった。
本発明のガラス成形体の例を示す図である。 ガラス成形体10aのプレス成形に用いる成形金型の例を示す図である。 溶融ガラスを供給する工程における下型21と溶融ガラス30等を示す模式図である。 溶融ガラスを加圧する工程における成形金型20と溶融ガラス30とを示す模式図である。 本発明のガラス基板の製造方法によって製造した情報記録媒体用ガラス基板の例を示す図である。 本発明のガラス基板の製造方法の例を示すフローチャートである。
符号の説明
10a、10b、10c ガラス成形体
11、12 成形転写面
13 側面
14 平滑領域
15 粗面領域
20 成形金型
21 下型
22 上型
23、24 成形面
30 溶融ガラス
40 情報記録媒体用ガラス基板

Claims (4)

  1. 溶融ガラスを成形金型でプレス成形することによって製造され、表裏の成形転写面を有するガラス成形体において、
    前記成形転写面の少なくとも一方は、表面粗さ(Ra)が0.01μm〜0.1μmの平滑領域と、表面粗さ(Ra)が0.15μm〜5μmの粗面領域とを有することを特徴とするガラス成形体。
  2. 前記平滑領域と前記粗面領域とを有する前記成形転写面は、内側の前記平滑領域と、外側の前記粗面領域とによって同心状に区切られていることを特徴とする請求項1に記載のガラス成形体。
  3. ガラス成形体の成形転写面を研磨する工程を有するガラス基板の製造方法において、
    前記ガラス成形体は、請求項1又は2に記載のガラス成形体であり、
    前記成形転写面の前記平滑領域に吸着パッドを当接し、真空吸着によって前記ガラス成形体を移送する工程と、
    移送された前記ガラス成形体を積層して保持する工程と、
    積層された前記ガラス成形体を1枚ずつに分離する工程と、
    分離された前記ガラス成形体の前記成形転写面を研磨する工程と、を有することを特徴とするガラス基板の製造方法。
  4. 請求項3に記載のガラス基板の製造方法により製造されたガラス基板に、情報を記録するための記録層を形成する工程を有することを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
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