WO2013081119A1 - 電子機器用カバーガラスブランク及びその製造方法、並びに電子機器用カバーガラス及びその製造方法 - Google Patents

電子機器用カバーガラスブランク及びその製造方法、並びに電子機器用カバーガラス及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

 電子機器用カバーガラスの基材となる電子機器用カバーガラスブランクGは、一対の主表面1A,1Bと、前記一対の主表面1A,1Bに隣り合う端面とを有する。前記一対の主表面は、厚さ方向に対して互いに非対称となる形状である。また、前記一対の主表面1a,1Bは、いずれもダイレクトプレスによるプレス成型面である。 このカバーガラスブランクを製造する方法は、溶融ガラス供給部から供給された溶融ガラスの塊を一対の金型を用いてプレス成型する成型工程を含む。ここで、前記一対の金型のうち少なくとも一方の金型のプレス面は、前記主表面及び前記介在面の両方を形成するための形状を有しているものを用いる。

Description

電子機器用カバーガラスブランク及びその製造方法、並びに電子機器用カバーガラス及びその製造方法
 本発明は、例えば携帯電話機、携帯型ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルスティルカメラ、ビデオカメラ、またはスレートPC(Personal Computer)等の携帯機器の表示画面等のカバーの基材となる携帯機器用カバーガラスブランクと、タッチセンサのカバーの基材となるタッチセンサ用カバーガラスブランクとを含む電子機器用カバーガラスブランク及びその製造方法、並びに電子機器用カバーガラス及びその製造方法に関するものである。
 従来、携帯電話機やPDAなどの携帯機器においては、表示画面に衝撃や外力が加わることを防止するために、樹脂製の保護板(カバー部材)、例えば透明性の高いアクリル樹脂製の保護板が表示画面の外側に一定の間隔をおいて配設されている(例えば特許文献1)。
 しかしながら、アクリル樹脂製の保護板は、外力によって撓み易いので、保護板と表示画面との間隔を、その撓みを吸収できる程度に広く設定する必要がある。そこで、携帯機器の薄型化を実現するために、撓みを抑えつつしかも薄板であっても強度のある化学強化ガラスを使った保護板が提案されている(例えば特許文献2)。また、このガラス材の保護板は、従来のアクリル樹脂板と比べると表面平滑性、保護性(耐候性、防汚性)、見栄え・高級感などの点でも優位である。
 ところで、従来の電子機器としての携帯機器用カバーガラスは、その外形形状は全体として平坦な形状のものがほとんどであった。しかし、最近では、例えば特許文献3に示すような立体的形状(三次元形状)をもつ携帯機器のカバー部材が要望されるようになってきている。このような立体的形状のカバー部材は、従来のアクリル樹脂等の樹脂材料で製造することは容易であるが、ガラス材料で製造することは困難であるため、立体的形状のカバー部材としては従来はもっぱらアクリル樹脂製のものが用いられていた。
 また、従来の一般的な電子機器用カバーガラスでは、対向する一対の主表面と、該一対の主表面間に存在する端面とがなす角部の応力集中を避けて機械的強度を高めるために、上記一対の主表面と端面との間に介在する面取り面が形成されている。
 従来では、このような面取り面を形成する方法として、機械加工方式やエッチング加工法が採用されていた。特許文献4には、ブラシ研磨により面取り面を形成する方法が開示されており、特許文献5には、エッチングによるカバーガラスの外形加工の際に、レジストの重合度を調整してエッチングを行い、端面を所定形状にする方法が開示されている。
 また、このカバーガラスには、通常、例えば社名や製品名のロゴ、操作ボタンのマークなどの文字や図形等のパターンを印刷法により形成している。
特開2004-299199号公報 特開2007-99557号公報 特開2002-6293号公報 特開2010-269389号公報 特開2009-208983号公報 特開2006-27023号公報
 従来、立体的形状の携帯機器のカバー部材をガラス材料で製造することが困難であったのは次のような理由による。
 上記のようなガラス材からなる携帯機器用カバーガラスは、従来は、大判のガラス素材板が小片(製品サイズ)に切断され、小片のガラス板に外形加工が施されて製造されている。従って、素材板が平面的な形状であるため、この平坦なガラス板材を元に立体的形状をもつカバーガラスを製造するには、例えばガラス板材を軟化成型(リヒート処理、リモールディングとも呼ばれる)する方法が考えられる。
 しかしながら、この製法では、平坦なガラス板材を部分的に変形させているため、変形箇所と非変形箇所とで主表面の表面粗さが均一とはならず、外観品質が低下するという問題がある。また、例えば曲げ加工の場合、変形箇所では、一方の主表面は伸ばされ、他方の主表面は弛みが生じるので、変形箇所に歪が生じることはどうしても避けられない。また、この製法では、平坦な板材を元に加工する以上、形成できる立体的形状には限界がある。つまり、デザインの制約が大きい(デザインの自由度が小さい)。
 さらに、板材を軟化成型するためには、素材板を切断(小片化)した上で、従来の外形加工工程に加えて、再加熱工程、曲げプレス工程等が必要となるため、生産効率が低下することが想定される。
 また、従来、電子機器用カバーガラスは、大判サイズの板ガラスを製品サイズのガラス基板に切断した後、外形加工を行うことで製造されていた。上記特許文献4に開示されているような機械加工方式においては、上記面取り面を形成するためにブラシ研磨などの工程が外形加工の一環として新たに必要となる。また、他の機械加工方式においては、面取り面を形成するために、専用の回転砥石を用いた研削加工や、研削加工によるダメージ層(マイクロクラック)の除去を目的としたブラシ研磨などの工程が外形加工の一環として新たに必要となる。このように、面取り面の形成に伴って、製造工程の増加、製造コストの増加を招いていた。
 また、上記特許文献5に開示されているようなエッチング加工法においては、上記面取り面を含む基板端面の形状が適切な形状となるためには、基板主表面に対するレジストの重合度の調整を高精度に行う必要があり、その調整作業に熟練を要し且つ煩雑であった。このことに加えて、使用するレジストが高価であり、製造コストが増加していた。
 このように、従来、基板端面の面取り面を加工するためには、製造工程の増加、煩雑作業の追加、製造コストの増加などを招くという問題があった。
 また、最近、従来の印刷法に代わって、カバーガラスに文字や図形等のパターンを直接彫り込むことで形成する方法が要望されている。カバーガラスに文字や図形等のパターンを直接彫り込むことにより、携帯機器の表示画面を表側から見たときに、これら文字、図形等のパターンに奥行きのある立体感を持たせることができ、意匠性の高い装飾を施すことが可能になる。また、携帯型ゲーム機などでは、ユーザーが操作ボタンを指先の触覚だけで認識できることも要求されるようになってきている。
 上記特許文献6には、全体または一部が実質的に透明な第1の板状体と、この第1の板状体の一方の面に形成された溝と、該溝内に着色剤を入れて着色した着色部とで構成された第1の装飾部と、上記第1の板状体の一方の面側に接合され、全体または一部が実質的に透明な第2の板状体と、この第2の板状体の上記第1の板状体と反対側の面に装飾を施した第2の装飾部とを備え、上記第1の装飾部と第2の装飾部とは、上記第1の板状体の他方の面側から見ると、たとえば少なくとも一部が重なり合って視認される装飾品について開示されている。また、この装飾品をカバーガラスとして用いた時計や、この装飾品を携帯電話、ポケットベル、電卓などの電子機器の液晶表示部のカバー部材として用いることについても記載されている。
 ところで、近年、タッチパネル方式の携帯機器が主流を占めるようになってきている。タッチパネル方式では、主に、表示画面の所定部位(例えば画面に表示されているアイコンなど)を押圧することによって携帯機器の操作を行うが、頻繁に、繰り返し押圧されるため、このタッチパネル機能対応のための表示画面の強度向上が求められており、そのためには薄型、軽量、大画面(大面積)であっても充分な強度を持つカバーガラスが求められている。
 カバーガラスは、その強度を向上させるため化学強化処理を行っているが、カバーガラスの強度を阻害する要因の一つは傷である。カバーガラスの表面や端面に傷があるとそれが成長し、比較的弱い衝撃でもカバーガラスが破壊する要因となる。たとえば、カバーガラスを化学強化処理した後、機械加工で文字や図形等のパターンを直接彫り込む方法を実施した場合、微小な傷やクラックが発生し易く、カバーガラスの強度が著しく低下する。場合によっては、機械加工時にカバーガラスの割れが発生する恐れもある。とりわけ、カバーガラスの端に文字、図形等を彫り込む場合や、カバーガラスの板厚が例えば1.5mm以下と薄い場合には、上述の問題が顕著に発生し易くなる。
 なお、上記特許文献6には、全体または一部が実質的に透明な第1の板状体の一方の面に溝を形成し、この溝内に着色剤を入れて着色してなる第1の装飾部の構成が記載されているが、特許文献6の装飾品は、上記第1の板状体と第2の板状体との接合構成を前提としており、第1の板状体に施された上記第1の装飾部と上記第2の板状体に施された第2の装飾部との重ね合わせによって装飾性を担持させている。従って、このような装飾品の構成を例えば携帯電話のカバー部材に適用したとしても、特に近年の主流であるタッチパネル式の携帯機器に用いられるカバーガラスに要求されている薄型、軽量、大画面(大面積)であっても充分な強度を有するという課題を解決することは到底できない。
 また、上記のとおり、上記カバーガラスは、通常、シート状に成形された大サイズの板状ガラスを所定の大きさ(製品サイズ)に切断(小片化)して作製される。カバーガラスは、この製品サイズへの切断工程を含め、多くの工程を経て製造される。工程が多くなると、製造コストにも影響し、また工程間の搬送等による傷等の発生も多くなることが予想される。従って、出来るだけ工程を短縮し、コスト、傷発生の抑制などの点で有利なカバーガラスの製造方法が望まれる。
 本発明はこのような従来の課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、第1に、従来製造が困難であった立体的形状を有する電子機器用カバーガラスブランク及びその製造方法を提供することである。第2に、所望の立体的形状を実現でき、デザインの自由度が大きく、また成型に伴う歪の発生が生じ難く、外観品質が良好で、生産効率を向上でき、特に少量多品種生産に好適な電子機器用カバーガラスブランク及びその製造方法を提供することである。
 また、第3に、カバーガラスブランクのプレス成型の際に、主表面とともに面取り面などの介在面を同時に成型することによって、全体の製造工程数を削減できるとともに、製造コストも低減できる電子機器用カバーガラスブランク及びその製造方法を提供することである。
 また、第4に、カバーガラスブランクの主表面と、該主表面に配置され文字又は図形を含むシンボルを利用者に認識させるためのシンボル領域との両方をプレス成型により形成することによって、全体の製造工程数を削減できるとともに、製造コストも低減できる電子機器用カバーガラスブランク及びその製造方法を提供することである。
 また、第5に、上記電子機器用カバーガラスブランクを用いた高品質の電子機器用カバーガラス及びその製造方法を提供することである。
 本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成を有する発明によれば上記課題を解決できることを見い出した。
 すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
 一対の主表面と、該一対の主表面に隣り合う端面とを有する携帯機器用カバーガラスブランクであって、前記一対の主表面は、互いに非対称となる形状であり、前記一対の主表面は、いずれもプレス成型面であることを特徴とする携帯機器用カバーガラスブランクである。
(構成2)
 前記カバーガラスブランクの前記主表面全面で表面粗さが均一となるように形成されていることを特徴とする構成1に記載の携帯機器用カバーガラスブランクである。
(構成3)
 前記カバーガラスブランクの前記主表面側の表層におけるアルカリ金属元素濃度が中心部よりも小さいことを特徴とする構成1又は2に記載の携帯機器用カバーガラスブランクである。
(構成4)
 前記カバーガラスブランクには、圧縮応力層が形成されており、前記カバーガラスブランクの応力の分布を表す曲線が放物線状であることを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載の携帯機器用カバーガラスブランクである。
(構成5)
 前記プレス成型面は、空中を移動中の溶融ガラスの塊を、その移動方向に対して直交する方向に対向配置された一対の金型を用いて捕らえてプレス成型するプレス法によるプレス成型面であることを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載の携帯機器用カバーガラスブランクである。
(構成6)
 前記一対の主表面のうちの少なくとも一方の主表面には、湾曲部が形成されていることを特徴とする構成1乃至5のいずれかに記載の携帯機器用カバーガラスブランクである。
(構成7)
 前記一対の主表面のうちの少なくとも一方の主表面の端部には、傾斜部が形成されていることを特徴とする構成1乃至6のいずれかに記載の携帯機器用カバーガラスブランクである。
(構成8)
 前記カバーガラスブランクには開口が形成されており、前記開口の内壁面は前記プレス成型面であることを特徴とする構成1乃至7のいずれかに記載の携帯機器用カバーガラスブランクである。
(構成9)
 前記カバーガラスブランクは、イオン交換による化学強化可能なガラス組成であることを特徴とする構成1乃至8のいずれかに記載の携帯機器用カバーガラスブランクである。
(構成10)
 構成1乃至9のいずれかに記載の携帯機器用カバーガラスブランクから得られるガラス基材を備えることを特徴とする携帯機器用カバーガラスである。
(構成11)
 一対の主表面と、該一対の主表面に隣り合う端面とを有する携帯機器用カバーガラスブランクの製造方法であって、空中を移動中の溶融ガラスの塊を、その移動方向に対して直交する方向に対向配置された一対の金型を用いて捕らえてプレス成型する成型工程を含み、前記一対の金型のプレス面の形状は、成型により得られる前記カバーガラスブランクの前記一対の主表面が互いに非対称な形状となるように、互いに異なる形状であることを特徴とする携帯機器用カバーガラスブランクの製造方法である。
(構成12)
 前記溶融ガラスの成型時の粘度が、10dPa・s以下であることを特徴とする構成11に記載の携帯機器用カバーガラスブランクの製造方法である。
(構成13)
 構成11又は12に記載の携帯機器用カバーガラスブランクの製造方法によって得られたカバーガラスブランクを用いて携帯機器用カバーガラスを製造することを特徴とする携帯機器用カバーガラスの製造方法。
(構成14)
 対向する一対の主表面と、該一対の主表面間に存在する端面と、前記一対の主表面うち少なくともいずれか一方の主表面と前記端面との間に配置された介在面とを有する電子機器用カバーガラスの基材となる電子機器用カバーガラスブランクの製造方法であって、溶融ガラスの塊を一対の金型を用いてプレス成型する成型工程を含み、前記一対の金型のうち少なくとも一方の金型のプレス面は、前記主表面及び前記介在面の両方を形成するための形状を有していることを特徴とする電子機器用カバーガラスブランクの製造方法である。
(構成15)
 前記一対の金型のうち少なくとも一方の金型は、前記主表面を形成するための金型プレス面と、該金型プレス面からプレス方向へ突出し、前記介在面を形成するための突出部とが設けられていることを特徴とする構成14に記載の電子機器用カバーガラスブランクの製造方法である。
(構成16)
 前記溶融ガラスの粘度が、10dPa・s以下であることを特徴とする構成14又は15に記載の電子機器用カバーガラスブランクの製造方法である。
(構成17)
 構成14乃至16のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクの製造方法によって得られたカバーガラスブランクを用いて電子機器用カバーガラスを製造することを特徴とする電子機器用カバーガラスの製造方法である。
(構成18)
 対向する一対の主表面を有し、電子機器用カバーガラスの外形を区画するように溝が設けられており、前記一対の主表面及び前記溝の内壁面は、いずれもプレス成型面であることを特徴とする電子機器用カバーガラスブランクである。
(構成19)
 前記カバーガラスブランクの前記主表面全面で表面粗さが均一となるように形成されていることを特徴とする構成18に記載の電子機器用カバーガラスブランクである。
(構成20)
 前記カバーガラスブランクの前記主表面側の表層におけるアルカリ金属元素濃度が中心部よりも小さいことを特徴とする構成18又は19に記載の電子機器用カバーガラスブランクである。
(構成21)
 前記カバーガラスブランクには、圧縮応力層が形成されており、前記カバーガラスブランクの応力の分布を表す曲線が放物線状であることを特徴とする構成18乃至20のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクである。
(構成22)
 前記プレス成型面は、空中を移動中の溶融ガラスの塊を、その移動方向に対して直交する方向に対向配置された一対の金型を用いて捕らえてプレス成型するプレス法によるプレス成型面であることを特徴とする構成18乃至21のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクである。
(構成23)
 前記一対の主表面のうちの少なくとも一方の主表面には、湾曲部が形成されていることを特徴とする構成18乃至22のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクである。
(構成24)
 前記一対の主表面のうちの少なくとも一方の主表面の端部には、傾斜部が形成されていることを特徴とする構成18乃至23のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクである。
(構成25)
 前記カバーガラスブランクには開口が形成されており、前記開口の内壁面は前記プレス成型面であることを特徴とする構成18乃至24のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクである。
(構成26)
 前記開口の内壁面と前記一対の主表面との間には、プレス成型面の介在面が設けられていることを特徴とする構成25に記載の電子機器用カバーガラスブランクである。
(構成27)
 前記カバーガラスブランクは、イオン交換による化学強化可能なガラス組成であることを特徴とする構成18乃至26のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクである。
(構成28)
 構成18乃至27のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクから得られるガラス基材を備えることを特徴とする電子機器用カバーガラスである。
(構成29)
 対向する一対の主表面と、該一対の主表面間に存在する端面と、前記一対の主表面うち少なくとも一方の主表面と前記端面との間に配置された介在面とを有するガラス基材を備える電子機器用カバーガラスであって、前記一対の主表面及び前記介在面は、いずれもプレス成型面であることを特徴とする電子機器用カバーガラスである。
(構成30)
 対向する一対の主表面と、該一対の主表面間に存在する端面とを有する電子機器用カバーガラスの基材となる電子機器用カバーガラスブランクの製造方法であって、溶融ガラスの塊を一対の金型を用いてプレス成型する成型工程を含み、前記一対の金型のうち少なくとも一方の金型のプレス面は、前記主表面と、該主表面に配置され文字又は図形を含むシンボルを利用者に認識させるためのシンボル領域との両方を形成するための形状を有していることを特徴とする電子機器用カバーガラスブランクの製造方法である。
(構成31)
 前記一対の金型のうち少なくとも一方の金型には、前記主表面を形成するための主プレス面と、該主プレス面からプレス方向へ突出し前記シンボル領域を形成するための突出部、及び該主プレス面から反プレス方向へ窪み前記シンボル領域を形成するための窪み部の少なくともいずれか一方とが設けられていることを特徴とする構成30に記載の電子機器用カバーガラスブランクの製造方法である。
(構成32)
 前記一対の金型のうち少なくとも一方の金型には、前記主表面を形成するための主プレス面と、該主プレス面よりも表面粗さが粗く前記シンボル領域を形成するための粗面部とが設けられていることを特徴とする構成30又は31に記載の電子機器用カバーガラスブランクの製造方法である。
(構成33)
 前記一対の金型には、前記主プレス面からプレス方向へ突出し前記電子機器用カバーガラスブランクに開口を形成するための凸部が設けられていることを特徴とする構成30乃至32のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクの製造方法である。
(構成34)
 前記成型工程では、空中を移動中の溶融ガラスの塊を、その移動方向に対して直交する方向に対向配置された一対の金型を用いて捕らえてプレス成型することを特徴とする構成30乃至33のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクの製造方法である。
(構成35)
 前記溶融ガラスの粘度が、10dPa・s以下であることを特徴とする構成30乃至34のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクの製造方法である。
(構成36)
 構成30乃至35のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクの製造方法によって得られたカバーガラスブランクを用いて電子機器用カバーガラスを製造することを特徴とする電子機器用カバーガラスの製造方法である。
(構成37)
 対向する一対の主表面を有し、文字又は図形を含むシンボルを利用者に認識させるためのシンボル領域が前記一対の主表面のうちの少なくとも一方に設けられ、前記一対の主表面及び前記シンボル領域は、いずれもプレス成型面であることを特徴とする電子機器用カバーガラスブランクである。
(構成38)
 前記カバーガラスブランクの前記主表面側の表層におけるアルカリ金属元素濃度が中心部よりも小さいことを特徴とする構成37に記載の電子機器用カバーガラスブランクである。
(構成39)
 前記プレス成型面は、空中を移動中の溶融ガラスの塊を、その移動方向に対して直交する方向に対向配置された一対の金型を用いて捕らえてプレス成型するプレス法によるプレス成型面であることを特徴とする構成37又は38に記載の電子機器用カバーガラスブランクである。
(構成40)
 前記一対の主表面のうちの少なくとも一方の主表面には、湾曲部が形成されていることを特徴とする構成37乃至39のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクである。
(構成41)
 前記一対の主表面のうちの少なくとも一方の主表面の端部には、傾斜部が形成されていることを特徴とする構成37乃至40のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクである。
(構成42)
 前記カバーガラスブランクには開口が形成されており、前記開口の内壁面は前記プレス成型面であることを特徴とする構成37乃至41のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクである。
(構成43)
 前記カバーガラスブランクは、イオン交換による化学強化可能なガラス組成であることを特徴とする構成37乃至42のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクである。
(構成44)
 構成37乃至43のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクから得られるガラス基材を備えることを特徴とする電子機器用カバーガラスである。
 本発明の電子機器用カバーガラスブランク及びその製造方法によれば、従来製造が困難であった立体的形状を有する電子機器用カバーガラスブランクを得ることができる。また、本発明の電子機器用カバーガラスブランク及びその製造方法によれば、所望の立体的形状を実現でき、デザインの自由度が大きく、また成型に伴う歪の発生が生じ難く、外観品質が良好で、生産効率を向上でき、特に少量多品種生産に好適な電子機器用カバーガラスブランクを得ることができる。
 また、本発明の電子機器用カバーガラスブランク及びその製造方法によれば、カバーガラスブランクのプレス成型の際に、主表面とともに面取り面などの介在面を同時に成型することによって、全体の製造工程数を削減できるとともに、製造コストも低減できる電子機器用カバーガラスブランクを得ることができる。
 また、本発明の電子機器用カバーガラスブランク及びその製造方法によれば、カバーガラスブランクの主表面と、該主表面に配置され文字又は図形を含むシンボルを利用者に認識させるためのシンボル領域との両方をプレス成型により同時に形成することによって、全体の製造工程数を削減できるとともに、製造コストも低減できる電子機器用カバーガラスブランクを得ることができる。
 また、本発明の電子機器用カバーガラス及びその製造方法によれば、上記電子機器用カバーガラスブランクを用いた高品質の電子機器用カバーガラスを得ることができる。
本発明に係る携帯機器用カバーガラスブランクの外形形状の一例を示す(a)側面図及び(b)全体斜視図である。 (a)~(j)はそれぞれ本発明に係る携帯機器用カバーガラスブランクの外形形状の他の例を示す側面図及び全体斜視図である。 プレス成型において用いられる装置の平面図である。 本発明に係る携帯機器用カバーガラスブランクの製造方法の一実施の形態を示す構成図である。 図4に示す製造方法の変形例を示す構成図である。 図4に示す製造方法の他の変形例を示す構成図である。 図4に示す製造方法の他の変形例を示す構成図である。 本発明に係る電子機器用カバーガラスブランクの外形形状の一例を示す(a)全体斜視図及び(b)側断面図である。 本発明に係る電子機器用カバーガラスブランクの外形形状の他の例を示す全体斜視図である。 本発明に係る電子機器用カバーガラスブランクの製造方法の一実施の形態を示す構成図である。 プレス成型において用いられる金型のプレス面形状の一例を示す側面図である。 プレス成型によって得られるカバーガラスブランクの側断面図である。 図10に示す製造方法の変形例を示す構成図である。 本発明に係る電子機器用カバーガラスブランクの開口付きの変形例を示す(a)全体斜視図及び(b)側断面図である。 本発明に係る電子機器用カバーガラスブランクの開口付き変形例の他の例を示す全体斜視図である。 (a)はプレス成型において用いられる金型のプレス面形状の一例を示す側面図、(b)は開口形成用の金型のプレス面形状の一例を示す側面図である。 プレス成型によって得られる開口付きのカバーガラスブランクの側断面図である。 本発明に関わる電子機器の一例を示す全体斜視図である。 (a)~(d)はそれぞれ本発明に係る電子機器用カバーガラスの外形形状の例を示す平面図である。 カバーガラスの主表面に文字として認識しうる凹部を形成した例を示す平面図である。 (a)と(b)はそれぞれカバーガラスの主表面に形成される図形として認識しうる凹部の例を示す図である。 本発明に係る電子機器用カバーガラスの断面図である。 (a)と(b)はそれぞれ凹部の好ましい断面形状を示す図である。 本発明に係る電子機器用カバーガラスブランクの製造方法の一実施の形態を示す構成図である。 (a)と(b)はそれぞれプレス成型において用いられる金型のプレス面形状の一例を示す側面図である。 プレス成型によって得られるカバーガラスブランクの側断面図である。 本発明に係る電子機器用カバーガラスブランクの開口付きの変形例を示す全体斜視図である。 本発明に係る電子機器用カバーガラスブランクの開口付き変形例の他の例を示す全体斜視図である。 開口形成用の金型のプレス面形状の一例を示す側面図である。 プレス成型によって得られる開口付きのカバーガラスブランクの側断面図である。
 以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳述する。なお、電子機器用カバーガラスブランク及び電子機器用カバーガラスの実施の形態として、それぞれ携帯機器用カバーガラスブランク及び携帯機器用カバーガラスとした場合を挙げて説明する。
[第1の実施の形態]
 本発明に係る電子機器用カバーガラスは、例えば携帯電話機の表示画面に携帯機器用カバーガラスとして組み込まれる。より詳細には、表示画面を保護するようにカバーガラスが組み込まれており、携帯電話機の表面にカバーガラスが配置されている。
 上記カバーガラスは、外部からの衝撃によって表示画面が破損しないように保護する必要があるため強度が要求されている。特に、タッチパネルの場合、表示画面の所定部位(例えば画面に表示されているアイコンなど)を押圧することによって携帯電話機の操作を行うが、頻繁に、繰り返し押圧されるため、このタッチパネル機能対応のためには薄型、軽量、大画面(大面積)であっても充分な強度を持つカバーガラスが要求される。
 このような携帯機器用カバーガラスは、カバーガラスブランクに加工を施すことにより作製される。本発明に係る電子機器用カバーガラスブランクは、一対の主表面と、該一対の主表面に隣り合う端面とを有する電子機器用カバーガラスブランクであって、前記一対の主表面は、厚さ方向に対して互いに非対称となる形状であり、前記一対の主表面は、いずれもダイレクトプレスによるプレス成型面であることを特徴とするものである。
 図1は、本発明に係る携帯機器用カバーガラスブランクの一実施の形態を示すものであり、同図(a)は側面図、同図(b)は全体斜視図である。
 図1に示すとおり、本発明の一実施の形態に係る携帯機器用カバーガラスブランクGは、一対の主表面1A,1Bと、該一対の主表面1A,1Bに隣り合う端面1C,1Cとを有している。そして、この一対の主表面1A,1Bは、互いに非対称となる形状である。ここで、「非対称」となる形状とは、カバーガラスブランクGの平面視におけるほぼ中心部において一方の主表面と他方の主表面との間を通りガラスブランクの面方向側の(面方向に沿う)平坦な基準面を想定し、この基準面に対して一方の主表面と他方の主表面とが、厚さ方向に対して互いに非対称となる形状であることを意味する。
 また、上記一対の主表面1A,1Bは、いずれもプレス成型面である。つまり、本実施の形態の一対の主表面1A,1Bは、いずれも一対の金型を用いてプレス成型するダイレクトプレス法によって成型された面である。カバーガラスブランクの一対の主表面がこのようなダイレクトプレス法によるプレス成型面であることにより、カバーガラスブランクの外形形状が、従来は製造が困難であった所望の立体的形状(例えば三次元形状など)を有している。
 本発明においては、上記プレス成型面が、溶融ガラス供給部から供給され空中を移動中の溶融ガラスの塊を、その移動方向に対して直交する方向に配置された一対の金型を用いて捕らえてプレス成型するプレス法(水平ダイレクトプレス法とも呼ばれる。)によるプレス成型面であることが好ましい。たとえば従来の平坦な板材を軟化成型することにより得られるカバーガラスブランクに比べて、デザインの自由度が大きく、様々な立体形状をもつカバーガラスブランクを実現することができる。また、一対の金型間の温度差をたとえば小さくするように調節することが容易であり、このため、形成されるカバーガラスブランクの特に平坦部の形状精度(平坦度など)を向上させることができる。なお、上記水平ダイレクトプレス法の詳細は後述する。
 また、上記カバーガラスブランクGの表層には、圧縮応力層が形成されている。これは、溶融ガラスの塊が一対の金型によってプレスされた際に、溶融ガラスから金型へ熱が伝わって溶融ガラスの表層側が中心側よりも先に冷え固まり、溶融ガラスにおける中心側が表層側から遅れて冷え固まることによる収縮差によって形成される(即ち物理強化による圧縮応力層に相当する)。なお、カバーガラスブランクGの応力分布を表す曲線は、カバーガラスブランクGの厚さ方向中心部が頂点となるように放物線状に湾曲している。
 なお、カバーガラスブランクGに外形加工を施す際に、プレスによって形成された圧縮応力層によって円滑な加工が妨げられる場合がある。このような場合には、プレス後のカバーガラスブランクGにアニール処理(徐冷処理)を施して、カバーガラスブランクGに形成された圧縮応力層を除去しても良い。
 また、上記カバーガラスブランクGは、その主表面1A,1B側の表層におけるアルカリ金属元素濃度が中心部よりも小さい。このアルカリ金属はガラス成分に含まれる例えばNa、Kなどのアルカリ金属である。これにより、ガラス成分のアルカリ金属イオンと大気中の水分とのイオン交換によるガラス成分の溶出を抑制することができ、ガラス表面の変質(やけ)を抑えることができる。この結果、ヘイズ値の経時変化を比較的小さくすることができる。これに加えて、カバーガラスブランクGを切断処理してなる切断面は、アルカリ金属イオンが主表面に比べて多く存在していることから、カバーガラスブランクGの切断面を携帯機器用カバーガラスの端面とした場合に、携帯機器用カバーガラスの端面の機械的強度をその主表面よりも高めることができる。
 また、上記カバーガラスブランクGは、その主表面1A,1Bの全面で、表面粗さがほぼ均一(±2.5nmの範囲内)に形成されている。そのため、カバーガラスブランクGが湾曲部を有する場合、その湾曲部周辺で弛み等の凹凸の発生がなく、外観品質が良好なものとなる。
 また、上記カバーガラスブランクGは、その一方の主表面1Aの両端部側に、厚さ方向に湾曲している湾曲部2,2が形成されている。
 図2は、本発明に係る携帯機器用カバーガラスブランクの外形形状の他の例を示す側面図及び全体斜視図である。同図中、(a)と(b)、(c)と(d)、(e)と(f)、(g)と(h)、(i)と(j)は、それぞれ同じ立体形状の側面図と全体斜視図を示している。
 例えば図2の(c)と(d)に示すカバーガラスブランクにおいては、その一方の主表面の端部には、厚さ方向に対して傾斜する傾斜部が形成されている。
 本発明によれば、ガラス材料を用いた従来製法では製造が困難であった、以上のような湾曲部や傾斜部が主表面に形成されているような立体形状を実現することができる。
 また、本発明によれば、その立体形状に由来して、その板厚が全面で均一ではなく、例えば薄いところでは0.3mm程度、厚いところでは1.5mm程度のカバーガラスブランクについてもその機械的強度を損うことなく得ることができる。
 なお、カバーガラスブランクの外形形状は、それが組み込まれる携帯機器の形状、構造等に由来するものであり、図1、図2に示す例はほんの一例に過ぎない。本発明のカバーガラスブランクにおいても、図1、図2に示す例に限定する趣旨ではないことは勿論である。
 また、例えば、レシーバーホール等のガラスの表面に開口が形成されているものも本発明に係るカバーカラスブランクに含まれる。従来製法では、機械加工等により板材に開口を開けていたが、本発明によれば、カバーガラスブランクに開口が形成されているような形状のカバーガラスブランクについてもプレス成型によって、外形形状と一緒に開口を形成することができる。従って、形成された開口の内壁面の少なくとも一部は前記プレス成型面である。
 上記カバーガラスブランクGは、イオン交換による化学強化可能なガラス組成であることが好適である。後述するように、カバーガラスブランクGから得られるガラス基材に対して化学強化処理することにより、その主表面に圧縮応力層が形成される。
 本発明においては、カバーガラスブランクを構成するガラスは、アモルファスのアルミノシリケートガラスとすることが好ましい。このようなアルミノシリケートガラスからなるカバーガラスブランクは、化学強化後の強度が高く良好である。このようなアルミノシリケートガラスとしては、例えばSiO2が58~75重量%、Al23が4~20重量%、Li2Oが0~10重量%、Na2Oが4~20重量%を主成分として含有する組成からなるアルミノシリケートガラスを用いることができる。
 以上説明した携帯機器用カバーガラスブランクを用いて携帯機器用カバーガラスが得られる。
 上記カバーガラスブランクGそのものを携帯機器用カバーガラスのガラス基材としてもよい。あるいは、必要に応じて研磨や切断やエッチング処理などの加工をカバーガラスブランクGに施すことにより、例えばカバーガラスブランクGから携帯機器用カバーガラス領域を抜き出したり、鏡面化等の表面状態を変化させたりして、携帯機器用カバーガラスのガラス基材としてもよい。さらには、携帯機器用途に応じて、上記ガラス基材の一方の主表面に対して、一層以上の加飾層を設けてもよい。加飾層としては、反射防止コート、アンチグレアコート、ハーフミラーコート、偏光膜などの光学的機能を有する層、ITO(Indium Tin Oxide)膜に代表される透明導電膜などの電気的機能を有する層、印刷層などの審美性を向上させる機能を有する層などが挙げられる。また、複数の加飾層を積層、パターニング加工することで、タッチパネルなどの各種デバイスをカバーガラスブランクに形成することもできる。これら加飾層の形成手段としては、蒸着法、スパッタ法等の成膜法、スクリーン印刷等の印刷法などが挙げられる。
 次に、以上説明したカバーガラスブランクの製造方法について説明する。
 本発明は、一対の主表面と、該一対の主表面に隣り合う端面とを有する携帯機器用カバーガラスブランクの製造方法であって、溶融ガラス供給部から供給され空中を移動中(落下中)の溶融ガラスの塊を、その移動方向に対して直交する方向に配置された一対の金型を用いて捕らえてプレス成型する成型工程を含み、前記一対の金型のプレス面の形状は、成型により得られる前記カバーガラスブランクの前記一対の主表面が互いに非対称な形状となるように、互いに異なる形状であることを特徴とするものである。
 先ず図3を参照して、本発明におけるプレス成型工程について説明する。図3は、プレス成型工程において用いられる装置の平面図である。図3に示されるように、装置10は、4組のプレスユニット20,30,40,50と、切断ユニット60を備える。切断ユニット60は、溶融ガラス流出口11から流出する溶融ガラスの経路上に設けられている。装置10は、切断ユニット60によって切断されてできる溶融ガラスの塊(以下、適宜「ゴブ」とも呼ぶ。)を落下させ、そのとき、塊の落下経路(空中の移動経路)の両側から、互いに対向する一対の金型の面で挟み込むことにより、ゴブを捕らえてプレスすることによって、カバーガラスブランクを成型する。
 具体的には、図3に示されるように、装置10は、溶融ガラス流出口11を中心として、4組のプレスユニット20,30,40及び50が90度おきに設けられている。
 プレスユニット20,30,40及び50の各々は、図示しない移動機構によって駆動されて、溶融ガラス流出口11に対して進退可能となっている。すなわち、溶融ガラス流出口11の真下に位置するキャッチ位置(図3においてプレスユニット40が実線で描かれている位置)と、溶融ガラス流出口11から離れた退避位置(図3において、プレスユニット20,30及び50が実線で描かれている位置、及びプレスユニット40が破線で描かれている位置)との間で移動可能となっている。
 切断ユニット60は、キャッチ位置(プレスユニットによるゴブの捕獲位置)と溶融ガラス流出口11との間の溶融ガラスの経路上に設けられ、溶融ガラス流出口11から流出される溶融ガラスを適量に切り出して溶融ガラスの塊を形成する。切断ユニット60は、一対の切断刃61及び62を有する。切断刃61及び62は、一定のタイミングで溶融ガラスの経路上で交差するように駆動され、切断刃61及び62が交差したとき、溶融ガラスが切り出されてゴブが得られる。得られたゴブは、キャッチ位置に向かって落下する。
 プレスユニット20は、第1の金型21、第2の金型22、第1駆動部23及び第2駆動部24を有する。第1の金型21と第2の金型22の各々は、ゴブをプレス成型するための面を有するプレート状の部材である。この2つの面の法線方向が略水平方向となり、この2つの面が互いに平行に対向するよう配置されている。第1駆動部23は、第1の金型21を第2の金型22に対して進退させる。一方、第2駆動部24は、第2の金型22を第1の金型21に対して進退させる。第1駆動部23及び第2駆動部24は、例えばエアシリンダやソレノイドとコイルバネを組み合わせた機構など、第1の金型21と第2の金型22とを急速に近接させる機構を有する。
 なお、プレスユニット30,40及び50の構造は、プレスユニット20と同様であるため、説明は省略する。
 プレスユニットの各々は、キャッチ位置に移動した後、第1駆動部と第2駆動部の駆動により、落下するゴブを第1の金型と第2の金型の間に挟み込んで成型するとともに急速冷却し、所定の形状のカバーガラスブランクGを作製する。次に、プレスユニットは退避位置に移動した後、第1の金型と第2の金型を引き離し、成型されたカバーガラスブランクGを落下させる。プレスユニット20,30,40及び50の退避位置の下には、第1コンベア71、第2コンベア72、第3コンベア73及び第4コンベア74が設けられている。第1~第4コンベア71~74の各々は、対応する各プレスユニットから落下するカバーガラスブランクGを受け止めて図示しない次工程の装置にカバーガラスブランクGを搬送する。
 装置10では、プレスユニット20,30,40及び50が、順番にキャッチ位置に移動して、ゴブを挟み込んで退避位置に移動するよう構成されているため、各プレスユニットでのカバーガラスブランクGの冷却を待たずに、連続的にカバーガラスブランクGの成型を行うことができる。
 図4(a)~(c)は、装置10を用いたプレス成型工程をより具体的に示すものである。図4(a)は、ゴブを作る以前の状態を示す図であり、同図(b)は、切断ユニット60によってゴブが作られた状態を示す図であり、同図(c)は、ゴブをプレスすることによりカバーガラスブランクGが成型された状態を示す図である。
 図4(a)に示されるように、溶融ガラス流出口11から、溶融ガラス材料Lgが連続的に流出される。このとき、所定のタイミングで切断ユニット60を駆動し、切断刃61及び62によって溶融ガラス材料Lgを切断する。これにより、図4(b)に示すように、切断された溶融ガラスは、その表面張力によって、略球状のゴブGgとなる。溶融ガラス材料Lgの時間当たりの流出量及び切断ユニット60の駆動間隔の調整は、目標とするカバーガラスブランクGの大きさ、板厚などから定まる体積に応じて適宜行われればよい。また、溶融ガラス材料Lgの成型時の粘度についても適宜設定されればよいが、通常、ゴブ形成性、プレス成型性、脱型性などの観点からは、溶融ガラスの成型時の粘度が、10dPa・s以下であることが好適である。
 作られたゴブGgは、プレスユニット20の第1の金型21と第2の金型22の隙間に向かって落下する。このとき、ゴブGgが第1の金型21と第2の金型22の隙間に入るタイミングで、第1の金型21と第2の金型22が互いに近づくように、第1駆動部23及び第2駆動部24が駆動される。これにより、図4(c)に示すように、第1の金型21と第2の金型22の間にゴブGgがキャッチされる。さらに、第1の金型21のプレス面21aと第2の金型22のプレス面22aとが微小な間隔にて近接した状態になり、第1の金型21のプレス面21aと第2の金型22のプレス面22aの間に挟み込まれたゴブGgが、所定の立体形状に成型される。なお、このときの第1の金型21のプレス面21aと第2の金型22のプレス面22aの間隔を一定に維持するために、第1の金型21のプレス面21a及び第2の金型22のプレス面22aにはそれぞれ、当接部21b及び22bが設けられている。すなわち、これら当接部21bと22bが当接することによって、第1の金型21のプレス面21aと第2の金型22のプレス面22aの間隔は一定に保たれた空間が作られる。
 第1の金型21のプレス面21a及び第2の金型22のプレス面22aの各々の形状は、成型により得られる前記カバーガラスブランクの前記一対の主表面が互いに非対称な形状となるように、互いに異なる形状となっている。図4では、一例として前述の図1に示す立体形状のカバーガラスブランクGを形成する場合について示している。
 また、第1の金型21及び第2の金型22には、温度調節機構(図示せず)が設けられおり、第1の金型21及び第2の金型22の温度は、溶融ガラスLgのガラス転移温度(Tg)よりも十分に低い温度に保持されている。
 さらに、第1の金型21及び第2の金型22には、例えばヒートシンクや冷媒配管等、ゴブのプレス成形中におけるゴブGgの冷却速度を高めるための冷却手段(図示せず)が設けられている。また、冷却手段は、第1及び第2の金型21,22のプレス成形面の裏全面に接するように配置されている。さらに、冷却手段は、第1及び第2の金型21,22よりも高い熱伝導率を有する部材から構成されていることが好ましい。例えば、第1及び第2の金型21,22が超硬合金(例えばVM40)から構成されている場合には、冷却手段は、銅、銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金等から構成されてよい。このように、冷却手段が、第1及び第2の金型21,22より高い熱伝導率を有することにより、ゴブGgから第1及び第2の金型21,22に伝わる熱を効率良く外部に排出することが可能になる。
 また、超硬合金(VM40)の熱伝導率は71(W/m・K)であり、銅の熱伝導率は400(W/m・K)である。冷却手段を構成する部材は、第1及び第2の金型21,22を構成する金属の熱伝導率、硬度、厚み寸法等に応じて適宜選択されてよい。また、第1及び第2の金型21,22は、プレスに耐えうる強度が必要であるため、冷却手段と一体化せずに形成されることが好ましい。なお、プレスユニット30,40及び50の構造は、プレスユニット20と同様であるため、説明は省略する。
 この冷却手段によって、ゴブGgから金型21,22への熱交換が促進され、ゴブGgのプレス成形の際に、ガラスブランクGの一対の主表面に圧縮応力層(物理強化による圧縮応力層)が形成される。ここで、カバーガラスブランクGの応力分布を表す曲線は、カバーガラスブランクGの厚さ方向中心部が頂点となるように放物線状に湾曲している。
 なお、ゴブGgをプレス成型する際の第1の金型21のプレス面21aと第2の金型22のプレス面22aの対向位置における温度差と、プレス成型後に得られるカバーガラスブランクの平坦度との間には相関関係が存在する。つまり、第1の金型21のプレス面21aと第2の金型のプレス面22aの対向位置における温度差が小さいほど、プレス成型後に得られるカバーガラスブランクの平坦度は良好なものとなる。これは、一対の金型の間の温度がより近い場合には、高温のゴブが金型のプレス面に接触して急激に冷却するときに熱的平衡が実現されるため、冷却段階での一対の金型間での微小な熱変形度合いの差に起因して生じ得るカバーガラスブランクの平坦度の低下をより抑制することができるためである。
 そこで、この相関関係を予め求めておくことにより、所望の平坦度を実現するための一対の金型間の温度差の最大値が分かる。そこで、一対の金型間の温度差をその最大値以下となるように制御することで、所望の平坦度を実現することができる。本発明においては、所望の立体形状を有するカバーガラスブランクを形成することができるが、平坦部を有する形状で、その平坦部の平坦度が所定値以下であることが要求される場合には、上述の一対の金型間の温度差の制御が有効である。
 また、装置10では、ゴブGgが第1の金型21のプレス面21a又は第2の金型22のプレス面22aに接触してから、第1の金型21と第2の金型22とがゴブGgを完全に閉じ込める状態になるまでの時間は極めて短い。このため、ゴブGgは極めて短時間のうちに第1の金型21のプレス面21a及び第2の金型22のプレス面22aに沿って広がって成型され、さらに急激に冷却されて非晶質のガラスとして固化する。これによってカバーガラスブランクGが作製される。
 また、本実施形態のプレス成型法では、第1の金型21のプレス面21a及び第2の金型22のプレス面22aの形状が転写された形でカバーガラスブランクGが形成されるため、一対の金型のプレス面の平滑性は、目標とするカバーガラスブランクのそれと同等なものとしておくことが好ましい。この場合、プレス成型後にカバーガラスブランクGに対する研磨等の表面加工工程を省くことができる。従って、本発明においては、成型されるカバーガラスブランクGは、最終的に得られるカバーガラスの目標板厚と同一の板厚とすることができる。
 以上のように第1の金型21と第2の金型22が閉じられた後、プレスユニット20は速やかに退避位置に移動し、代わって、他のプレスユニット30がキャッチ位置に移動し、このプレスユニット30によってゴブGgのプレス成型が行われる。
 なお、上述の実施の形態では、切断刃61及び62を用いて、流出する溶融ガラスを切断することによって略球状のゴブが形成される。しかし、溶融ガラス材料Lgの粘度が、切り出そうとするゴブの体積に対して小さいと、溶融ガラス材料を切断するのみでは切断されたガラスが略球状とはならず、略球状のゴブを形成させるのが困難な場合がある。
 この場合、図5に示すようなゴブ成型型80を用いる方法が適用できる。
 すなわち、図5(a)に示すように、ブロック81,82をガラス流出口11から流出する溶融ガラス材料Lgの経路上で閉じることにより溶融ガラスの経路が塞がれ、ブロック81,82で作られる凹部80cで、切断ユニット60で切断された溶融ガラスLgの塊が受け止められる。この後、同図(b)に示すように、ブロック81,82が離間することにより、凹部80c内のゴブGgがプレスユニット20に向けて落下する。この落下時、ゴブGgは、溶融ガラスの表面張力により略球状となる。略球状のゴブGgは、同図(c)に示すように、第1の金型21と第2の金型22とに挟み込まれてプレス成型され、カバーガラスブランクGが作製される。
 あるいは、図6に示すように、上記切断ユニット60を用いずに、上記ゴブ成型型80を溶融ガラス材料Lgの経路に沿って上流側あるいは下流側方向に移動させる移動機構を用いてもよい。
 図6(a)に示すように、ブロック81,82によって作られる凹部80cが流出口11から流出する溶融ガラス材料Lgを受け止め、同図(b)に示すように、所定のタイミングでブロック81,82を溶融ガラスの流れの下流側に素早く移動させる。これにより、溶融ガラスLgが切断される。この後、所定のタイミングで、同図(c)に示すように、ブロック81,82が離間することによって、凹部80c内のゴブGgがプレスユニット20に向けて落下する。この落下時、ゴブGgは、溶融ガラスの表面張力により略球状となる。略球状のゴブGgは、同図(d)に示すように、第1の金型21と第2の金型22とに挟み込まれてプレス成型され、カバーガラスブランクGが作製される。
 また、上記切断ユニット60を用いた場合、切断刃61,62による切断によって、得られたカバーガラスブランクGに切断痕が残留することがある。このような切断痕が生じないようにするためには、例えば図7に示すような方法を適用できる。
 すなわち、第1の金型21と第2の金型22の上端において水平方向に進退可能に駆動される切断刃65を設け、プレスユニット20からはみ出した状態で溶融あるいは軟化したガラスを切断するようにする。図7(a),(b)は前述の図4(a),(b)と同じである。
 この後、形成されたゴブGgのうち少なくとも切断痕Tを含む一部がはみ出すタイミングで、第1駆動部23と第2駆動部24によって第1の金型21と第2の金型22を駆動する。これにより、図7(c)に示すように、第1の金型21と第2の金型22の間にゴブGgのうち切断痕Tを含まない部分がキャッチされてプレス成型され、切断痕Tを含む部分がプレスユニット20の上端からはみ出した状態となる。次に、同図(d)に示すように、切断刃65が、プレスユニット20からはみ出した溶融あるいは軟化したガラスを除去し、カバーガラスブランクGが作製される。
 以上のようにして得られたカバーガラスブランクGそのものを携帯機器用カバーガラスのガラス基材としてもよい。あるいは、必要に応じて研磨や切断やエッチング処理などの加工をカバーガラスブランクGに施すことにより、例えばカバーガラスブランクGから携帯機器用カバーガラス領域を抜き出したり、鏡面化等の表面状態を変化させたりして、携帯機器用カバーガラスのガラス基材としてもよい。
 また、携帯機器用カバーガラスのガラス基材においては、強度を向上させるため、化学強化処理を行うことが好ましい。化学強化処理の方法としては、例えば、ガラス転移点の温度を超えない温度領域、例えば摂氏300度以上500度以下の温度で、イオン交換を行う低温型イオン交換法などが好ましい。化学強化処理とは、溶融させた化学強化塩とガラス基材とを接触させることにより、化学強化塩中の相対的に大きな原子半径のアルカリ金属元素と、ガラス基材中の相対的に小さな原子半径のアルカリ金属元素とをイオン交換し、ガラス基材の表層に該イオン半径の大きなアルカリ金属元素を浸透させ、ガラス基材の表面に圧縮応力を生じさせる処理のことである。
 化学強化塩としては、硝酸カリウムや硝酸ナトリウムなどのアルカリ金属の硝酸塩を好ましく用いることができる。化学強化処理されたガラス基材は強度が向上し耐衝撃性に優れているので、衝撃、押圧が加わり高い強度が必要な携帯機器に用いられるカバーガラスには好適である。
 ここで、プレスによる圧縮応力層がガラス基材に形成されている場合には、プレスによる圧縮応力層の圧縮応力に、化学強化による圧縮応力が加わるため、ガラス基材の機械的強度をより高めることができる。なお、化学強化方法では、形成される圧縮応力層の厚さが、上記プレス成型方法によって形成される圧縮応力層の深さよりも小さい。例えば、上記プレス成型方法によって形成される圧縮応力層の深さは、ガラス基材の板厚や熱膨張係数によって異なるが、約100~300μmであるのに対し、化学強化方法によって形成される圧縮応力層の深さは約10~100μmである。
 また、例えば、上記プレス成型方法によって形成される圧縮応力層に生じる圧縮応力の大きさは、ガラス基材の板厚や熱膨張係数によって異なるが、約0.5~10kg/mmである。これに対して、化学強化方法によって形成される圧縮応力層に生じる圧縮応力は、温度、強化塩、処理時間等の強化条件を変化させることによって、プレス成型方法によって形成される圧縮応力層に生じる圧縮応力と同等又はそれ以上の大きさとすることができる。したがって、化学強化方法のみを用いた場合と比較して、厚さが大きく、且つ、圧縮応力が大きい圧縮応力層を主表面に有するガラス基材を、化学強化方法と上記プレス成型方法とを組み合わせることにより形成することができる。
 そして、化学強化された携帯機器用カバーガラスのガラス基材に対して、前述の加飾層を任意に形成することにより、最終的な携帯機器用カバーガラスが作製される。
 以上説明したように、本実施の形態の電子機器用カバーガラスブランク及びその製造方法によれば、従来のガラス板材を用いた製法では製造が困難であった立体的形状を有する電子機器用カバーガラスブランクを得ることができる。とりわけ、本発明によれば、デザインの制約が少なく、所望の立体的形状を実現でき、また成型に伴う歪の発生が生じ難く、しかも表面粗さ等の外観品質が良好なカバーガラスブランクを得ることができる。また、本実施の形態の製造方法によれば、生産効率を向上でき、特に少量多品種生産に好適な携帯機器用カバーガラスブランクを得ることができる。
 さらに、本発明により得られる上記電子機器用カバーガラスブランクを用いることによって、所望の立体的形状を有する高品質の電子機器用カバーガラスを得ることができる。
[第2の実施の形態]
 本実施の形態に係る電子機器用カバーガラスブランクは、対向する一対の主表面と、該一対の主表面間に存在する端面と、前記一対の主表面うち少なくとも一方の主表面と前記端面との間に配置された介在面とを有する電子機器用カバーガラスブランクであって、前記一対の主表面及び前記介在面は、いずれもダイレクトプレスによるプレス成型面であることを特徴とするものである。
 図8は、本実施の形態に係る電子機器用カバーガラスの基材となる電子機器用カバーガラスブランクの一実施の形態を示すものであり、同図(a)は全体斜視図、同図(b)は側断面図である。
 図8に示すとおり、本発明の一実施の形態に係る電子機器用カバーガラスブランクGは、対向する一対の主表面1A,1Bと、該一対の主表面1A,1B間に存在する端面1Dと、該一対の主表面1A,1Bと前記端面1Dとの間に配置された介在面1C,1Cとを有している。
 また、上記一対の主表面1A,1B及び上記介在面1Cは、いずれもプレス成型面である。つまり、本実施の形態の一対の主表面1A,1B及び介在面1Cは、いずれも一対の金型を用いてプレス成型するダイレクトプレス法によるプレス成型面である。つまり、本発明では、ダイレクトプレス法により、カバーガラスブランクGの主表面とともに介在面を同時に成型することができる。従って、従来のような面取り面を形成するための別工程などを必要としない。また、主表面と介在面とが同時に成型されているので、端部での形状精度を向上させることができる。なお、図8(b)には、上記介在面1Cは平坦な面取り面である場合を示しているが、本発明はこれに限らず、たとえば湾曲面とすることもできる。
 本実施の形態においては、上記プレス成型面が、溶融ガラス供給部から供給され空中を移動中の溶融ガラスの塊を、その移動方向に対して直交する方向に配置された一対の金型を用いて捕らえてプレス成型するプレス法(水平ダイレクトプレス法とも呼ばれる。)によるプレス成型面であることが好ましい。たとえば従来の平坦な板材を軟化成型することにより得られるカバーガラスブランクに比べて、デザインの自由度が大きく、様々な立体形状をもつカバーガラスブランクを実現することができる。また、一対の金型間の温度差をたとえば小さくするように調節することが容易であり、このため、形成されるカバーガラスブランクの特に平坦部の形状精度(平坦度など)を向上させることができる。なお、上記水平ダイレクトプレス法の詳細は前述の第1の実施の形態において説明したとおりである。
 また、上記カバーガラスブランクGは、前述したとおり、その主表面1A,1B側の表層におけるアルカリ金属元素濃度が中心部よりも小さい。このアルカリ金属はガラス成分に含まれる例えばNa、Kなどのアルカリ金属である。これにより、ガラス成分のアルカリ金属イオンと大気中の水分とのイオン交換によるガラス成分の溶出を抑制することができ、ガラス表面の変質(やけ)を抑えることができる。
 また、上記カバーガラスブランクGは、その主表面1A,1Bの全面で、表面粗さがほぼ均一(±2.5nmの範囲内)に形成されている。そのため、カバーガラスブランクGが湾曲部を有する場合、その湾曲部周辺で弛み等の凹凸の発生がなく、外観品質が良好なものとなる。
 また、上記カバーガラスブランクGは、上述の図8に示すような全体が平坦な形状である場合に限られる必要はなく、その主表面に湾曲部や傾斜部が形成されているような形状であってもよい。
 図9は、本発明に係る電子機器用カバーガラスブランクの外形形状の他の例を示す全体斜視図である。この場合、主表面の両端部が傾斜ないしは湾曲した形状を有している。本発明によれば、上述の効果に加えて、以上のような湾曲部や傾斜部が主表面に形成されているような様々な立体形状を形成することも可能であるという効果も有する。
 また、本発明によれば、その立体形状に由来して、その板厚が全面で均一ではなく、例えば薄いところでは0.3mm程度、厚いところでは1.5mm程度のカバーガラスブランクについてもその機械的強度を損うことなく得ることができる。
 なお、カバーガラスブランクの外形形状は、それが組み込まれる携帯機器の形状、構造等に由来するものであり、図8、図9に示す例はほんの一例に過ぎない。本発明のカバーガラスブランクにおいても、図8、図9に示す例に限定する趣旨ではないことは勿論である。
 また、例えば、携帯機器のマイク・スピーカー等の音声入出力用の開口がガラスの表面に形成されているものも本発明に係るカバーカラスブランクに含まれる。図14は、このような電子機器用カバーガラスブランクの開口付きの変形例を示す(a)全体斜視図及び(b)側断面図である。図14に示す例では、長孔状の開口3が形成されている。
 従来製法では、機械加工等により板材に開口を開けていたが、本発明によれば、カバーガラスブランクに開口が形成されているような形状のカバーガラスブランクについてもプレス成型によって、外形形状と一緒に開口を形成することができる。従って、形成された開口の内壁面の少なくとも一部は前記プレス成型面である。
 また、図15は、電子機器用カバーガラスブランクの開口付き変形例の他の例を示す全体斜視図である。図15では、主表面の両端部が傾斜ないしは湾曲した形状を有しているカバーガラスブランクに上記と同様の長孔状の開口3が形成されている例を示している。
 上記カバーガラスブランクGは、イオン交換による化学強化可能なガラス組成であることが好適である。後述するように、カバーガラスブランクGから得られるガラス基材に対して化学強化処理することにより、その主表面に圧縮応力層が形成される。
 本実施の形態においても、カバーガラスブランクを構成するガラスは、前述の第1の実施の形態と同様、アモルファスのアルミノシリケートガラスとすることが好ましい。
 以上説明した電子機器用カバーガラスブランクを用いて電子機器用カバーガラスが得られる。
 次に、以上説明したカバーガラスブランクの製造方法について説明する。
 本実施の形態は、対向する一対の主表面と、該一対の主表面間に存在する端面と、前記一対の主表面うち少なくともいずれか一方の主表面と前記端面との間に配置された介在面とを有する電子機器用カバーガラスの基材となる電子機器用カバーガラスブランクの製造方法であって、溶融ガラス供給部から供給された溶融ガラスの塊を一対の金型を用いてプレス成型する成型工程を含み、前記一対の金型のうち少なくとも一方の金型のプレス面は、前記主表面及び前記介在面の両方を形成するための形状を有していることを特徴とするものである。特に、溶融ガラス供給部から供給され空中を移動中(落下中)の溶融ガラスの塊を、その移動方向に対して直交する方向に配置された一対の金型を用いて捕らえてプレス成型する成型工程が好ましく適用される。
 先ず、本実施の形態におけるプレス成型工程について説明する。プレス成型工程において用いられるプレス装置の全体的な構成については前述の図3と同様であるため、ここでは重複説明は省略する。
 図10(a)~(c)は、本実施の形態におけるプレス成型工程をより具体的に示すものである。図10(a)は、ゴブを作る以前の状態を示す図であり、同図(b)は、切断ユニット60によってゴブが作られた状態を示す図であり、同図(c)は、ゴブをプレスすることによりカバーガラスブランクGが成型された状態を示す図である。
 図10(a)に示されるように、溶融ガラス流出口11から、溶融ガラス材料Lgが連続的に流出される。このとき、所定のタイミングで切断ユニット60を駆動し、切断刃61及び62によって溶融ガラス材料Lgを切断する。これにより、図10(b)に示すように、切断された溶融ガラスは、その表面張力によって、略球状のゴブGgとなる。溶融ガラス材料Lgの時間当たりの流出量及び切断ユニット60の駆動間隔の調整は、目標とするカバーガラスブランクGの大きさ、板厚などから定まる体積に応じて適宜行われればよい。
 作られたゴブGgは、プレスユニット20の第1の金型21と第2の金型22の隙間に向かって落下する。このとき、ゴブGgが第1の金型21と第2の金型22の隙間に入るタイミングで、第1の金型21と第2の金型22が互いに近づくように、第1駆動部23及び第2駆動部24が駆動される。これにより、図10(c)に示すように、第1の金型21と第2の金型22の間にゴブGgがキャッチされる。さらに、第1の金型21のプレス面21aと第2の金型22のプレス面22aとが微小な間隔にて近接した状態になり、第1の金型21のプレス面21aと第2の金型22のプレス面22aの間に挟み込まれたゴブGgが、所定の立体形状に成型される。なお、このときの第1の金型21のプレス面21aと第2の金型22のプレス面22aの間隔を一定に維持するために、第1の金型21のプレス面21a及び第2の金型22のプレス面22aにはそれぞれ、当接部21b及び22bが設けられている。すなわち、これら当接部21bと22bが当接することによって、第1の金型21のプレス面21aと第2の金型22のプレス面22aの間隔は一定に保たれた空間が作られる。
 本実施の形態においては、第1の金型21のプレス面及び第2の金型22のプレス面の各々の形状は、いずれもカバーガラスブランクGの前記主表面及び前記介在面の両方を形成するための形状を有している。図10では、一例として、第1の金型21においては、カバーガラスブランクの前記主表面1Aまたは1Bを形成するための金型プレス面(主プレス面)21aと、当該金型プレス面からプレス方向へ突出し、前記介在面1Cを形成するための突出部21c,21dとが設けられている。また、第2の金型22においても同様に、カバーガラスブランクの前記主表面1Aまたは1Bを形成するための金型プレス面22aと、当該金型プレス面からプレス方向へ突出し、前記介在面1Cを形成するための突出部22c,22dとが設けられている。
 図11は、上記第1の金型21の突出部21c近傍の形状を示す側断面図である。金型プレス面21aと突出部21cの傾斜面との成す角度(鋭角)αは、30度~60度の範囲とすることが好ましく、更に好ましくは45度~50度の範囲である。金型21の突出部21cの傾斜面は、プレス成型によって得られるカバーガラスブランクの上記介在面の形状を決定するものであるため、上記αが30度よりも小さい、または60度よりも大きい場合は、いずれも、カバーガラスブランクの端部に介在面を設けることによる応力集中の抑制効果が充分に得られない。また、突出部21cの傾斜面形状はプレス成型後の脱型のしやすさも考慮する必要がある。
 なお、第1の金型21の突出部21cについて説明したが、第1の金型21の突出部21d、第2の金型22の突出部22c、22dについても同様の構成とすることが好適である。
 図12は、上述の図10(c)に示すプレス成型によって直接得られるカバーガラスブランクGの側断面図である。
 図12に示されるとおり、カバーガラスブランクGは、上記金型のプレス成型面21a,22aによって形成された対向する一対の主表面を有し、上記金型の突出部21c,21d、22c,22dによって形成された電子機器用カバーガラスの外形を区画するように溝2が設けられている。これら一対の主表面及び溝2の内壁面は、いずれもプレス成型面である。
 こうして得られたカバーガラスブランクGに対して、カバーガラスの外形を形成するため、上記溝2より外周側の領域を切断線c1,c2に沿って切断する後加工を行う。この後加工は、エッチング処理や機械加工等を任意に適用することができる。この後加工によって、前述の図8(b)に示されるカバーガラスブランクの端面1Dが形成される。
 なお、本発明においては、上述のプレス成型によって得られるガラス基材(図12)、或いは上述の後加工によって得られるガラス基材(図8)のいずれも、電子機器用カバーガラスの基材となる「電子機器用カバーガラスブランク」と呼ぶものとする。
 また、前述の図14、図15に示すような開口付きのカバーガラスブランクをプレス成型によって製造する場合、図16に示されるように、例えば第1の金型21においては、カバーガラスブランクの前記主表面1Aまたは1Bを形成するための金型プレス面21aと、前記介在面1Cを形成するための突出部21c,21dと、前記開口3を形成するための突出部21fとが設けられている。図16(a)は、上記第1の金型21の突出部21c近傍の形状を示す側断面図であり、同図(b)は、上記開口形成用の金型のプレス面形状の一例を示す側断面図である。図16(b)に示した例では、前記開口3の内壁面と前記一対の主表面との間に設けられる介在面を形成するための傾斜部21gが、金型プレス面21aと上記突出部21fとの間に設けられている。この場合、金型プレス面21aと傾斜部21gの外面である傾斜面との成す角度(鋭角)αに関しても、30度~60度の範囲とすることが好ましく、更に好ましくは45度~50度の範囲である。
 なお、上記開口3を形成する場合の第1の金型21のプレス面形状について説明したが、第2の金型22のプレス面形状についても同様の構成とすることが好適である。
 図17は、上述の図16に示すプレス面形状の金型を用いたプレス成型によって得られるカバーガラスブランクGの側断面図である。
 図17に示されるとおり、カバーガラスブランクGは、電子機器用カバーガラスの外形を区画する溝2および開口3が設けられている。これら溝2および開口3の内壁面は、いずれもプレス成型面である。
 こうして得られたカバーガラスブランクGに対して、前述したとおり、カバーガラスの外形を形成するため、上記溝2より外周側の領域を切断線c1,c2に沿って切断する後加工を行う。
 なお、図16、図17には、上述のプレス成型によってカバーガラスブランクGの前記開口3の内壁面と主表面との間にも介在面を形成する場合の例を示したが、前記開口3の内壁面と主表面との間に介在面を形成しない場合には、上記金型プレス面21aと上記突出部21fとの間に上記傾斜部21gを設けなくてもよい。
 また、第1の金型21及び第2の金型22に設けられている温度調節機構(図示せず)や、ゴブのプレス成形中におけるゴブGgの冷却速度を高めるための冷却手段(図示せず)については前述の第1の実施の形態において説明したとおりであり、ここでは説明を省略する。
 なお、本実施の形態においても、ゴブGgをプレス成型する際の第1の金型21のプレス面21aと第2の金型22のプレス面22aの対向位置における温度差と、プレス成型後に得られるカバーガラスブランクの平坦度との間には相関関係が存在し、第1の金型21のプレス面21aと第2の金型のプレス面22aの対向位置における温度差が小さいほど、プレス成型後に得られるカバーガラスブランクの平坦度は良好なものとなる。
 勿論、本実施の形態によれば、特許文献4,5に示すような従来の面取り面などの介在面を形成するための形状加工は不要である。
 また、本実施形態のプレス成型法では、第1の金型21のプレス面21a、21c,21d及び第2の金型22のプレス面22a、22c,22dの形状が転写された形でカバーガラスブランクGが形成されるため、一対の金型のプレス面の平滑性は、目標とするカバーガラスブランクのそれと同等なものとしておくことが好ましい。この場合、プレス成型後にカバーガラスブランクGに対する研磨等の表面加工工程を省くことができる。従って、本発明においては、成型されるカバーガラスブランクGは、最終的に得られるカバーガラスの目標板厚と同一の板厚とすることができる。
 以上のように第1の金型21と第2の金型22が閉じられた後、プレスユニット20は速やかに退避位置に移動し、代わって、他のプレスユニット30がキャッチ位置に移動し、このプレスユニット30によってゴブGgのプレス成型が行われる。
 なお、溶融ガラス材料Lgの粘度が、切り出そうとするゴブの体積に対して小さく、溶融ガラス材料を切断するのみでは切断されたガラスが略球状とはならず、略球状のゴブを形成させるのが困難な場合には、図13に示すようなゴブ成型型80を用いる方法が適用できる。
 すなわち、図13(a)に示すように、ブロック81,82をガラス流出口11から流出する溶融ガラス材料Lgの経路上で閉じることにより溶融ガラスの経路が塞がれ、ブロック81,82で作られる凹部80cで、切断ユニット60で切断された溶融ガラスLgの塊が受け止められる。この後、同図(b)に示すように、ブロック81,82が離間することにより、凹部80c内のゴブGgがプレスユニット20に向けて落下する。この落下時、ゴブGgは、溶融ガラスの表面張力により略球状となる。略球状のゴブGgは、同図(c)に示すように、第1の金型21と第2の金型22とに挟み込まれてプレス成型され、カバーガラスブランクGが作製される。
 また、上記切断ユニット60を用いずに、上記ゴブ成型型80を溶融ガラス材料Lgの経路に沿って上流側あるいは下流側方向に移動させる移動機構を用いてもよい。
 また、本実施の形態においても、電子機器用カバーガラスのガラス基材(カバーガラスブランク)においては、強度を向上させるため、化学強化処理を行うことが好ましい。化学強化処理の方法としては、前述の第1の実施の形態の場合と同様である。
 以上説明したように、本実施の形態の電子機器用カバーガラスブランク及びその製造方法によれば、カバーガラスブランクのプレス成型の際に、主表面とともに面取り面などの介在面を同時に成型することによって、全体の製造工程数を削減できるとともに、製造コストも低減できる電子機器用カバーガラスブランクを得ることができる。
 また、本実施の形態によれば、デザインの制約が少なく、また成型に伴う歪の発生が生じ難く、しかも表面粗さ等の外観品質が良好なカバーガラスブランクを得ることができる。とりわけ、本実施の形態の製造方法によれば、生産効率を向上でき、特に少量多品種生産に好適な電子機器用カバーガラスブランクを得ることができる。
 さらに、本実施の形態により得られる上記電子機器用カバーガラスブランクを用いることによって、所望の介在面を形成した高品質の電子機器用カバーガラスを得ることができる。
[第3の実施の形態]
 本実施の形態に係る電子機器用カバーガラスは、例えば携帯電話機の表示画面に携帯機器用カバーガラスとして組み込まれる。
 図18は、携帯機器の一例を示す全体斜視図であり、携帯機器の一例として、操作を主にタッチパネルにおいて行う携帯電話機100の場合を示している。この携帯電話機100は、筐体部101と表面側の表示画面102とを備えており、この表示画面102にはカバーガラスが組み込まれている。
 図19の(a)~(d)は、それぞれ本実施の形態に係る電子機器用カバーガラスとしての携帯機器用カバーガラスの外形形状の例を示す平面図である。
 この図19の(a)~(d)はいずれもカバーガラスの外形形状が矩形状の例を示しており、(a)は単純矩形のカバーガラス200A、(b)、(c)はそれぞれ各コーナーに丸み(アール)を付けた矩形状のカバーガラス200B、200C、(d)は各コーナーに丸み(アール)を付けるとともに一部を切り欠いた矩形状のカバーガラス200Dの例を示している。カバーガラスの外形形状は、それが組み込まれる携帯機器の形状、構造等に由来するものであり、図19に示す例はほんの一例に過ぎない。本発明のカバーガラスにおいても、図19に示す例に限定する趣旨ではないことは勿論である。また、例えば、レシーバーホール等のガラスの表面に開口が形成されているものも本発明に係るカバーカラスに含まれる。
 本実施の形態に係る携帯機器用カバーガラスにおいては、文字又は図形を含むシンボルを利用者に認識させるシンボル領域が、対向する主表面の少なくとも一方の表面に形成されている。文字又は図形を含むシンボルを利用者に認識させるシンボル領域とは、たとえば利用者が携帯機器の表側から見たときに文字または図形を含むシンボルとして認識しうる、或いは携帯機器の表側から例えば指先で触れたときに文字または図形を含むシンボルとして認識しうる領域である。これら文字または図形は、例えば社名や製品名のロゴ、操作ボタンのマークなどのパターンである。この文字または図形を含むシンボルを利用者に認識させるシンボル領域は、カバーガラスの主表面に凹部(凹構造)として形成してもよいし、凸部(凸構造)として形成してもよい。また、表面粗さ(ヘーズ値)を局所的に変化させた構造、例えばカバーガラスの主表面よりも表面粗さの粗い(大きい)領域として形成してもよい。
 図20は、カバーガラスの主表面に文字として認識しうる凹部を形成した例を示す平面図であり、図21の(a)と(b)は、それぞれカバーガラスの主表面に形成される図形として認識しうる凹部の例を示す図である。
 図20では、カバーガラス200の裏面側(図20における裏面側)の主表面に、表側から見たときに例えば「ABC」の文字として認識しうる凹部が形成されている。文字に限らず、例えば図21の(a)のような四角形や、(b)のような三角形などの図形も挙げられる。
 従来の印刷法に代わって、カバーガラスに文字や図形等のシンボルを例えば凹構造として形成することにより、携帯機器の表示画面を表側から見たときに、これら文字、図形等のシンボルに奥行きのある立体感を持たせることができ、意匠性の高い装飾を施すことが可能になる。また、このような凹構造あるいは凸構造は、視覚で確認しなくても、指先で触れたときの触覚だけで、操作ボタン(操作キー)の種類、つまり何の操作ボタンであるのかを認識することができる。例えば、携帯ゲーム機では、ユーザーはゲーム中、画面だけを見て、操作ボタンの方は殆ど見ないため、このような携帯ゲーム機の操作ボタンに適用すると好ましい。なお、本発明に係るカバーガラスには、上記シンボル領域が形成されており、かつ、表面に印刷が施されているものも含まれる。
 また、図22は、本実施の形態に係る電子機器用カバーガラスとしての携帯機器用カバーガラスの断面図である。
 図22に示す実施形態のカバーガラスにおいては、携帯機器の表側から見たときに文字または図形等のシンボルとして認識しうる、或いは携帯機器の表側から触れたときに文字または図形等のシンボルとして認識しうるシンボル領域5,6が、カバーガラス200の対向する表裏の主表面201,202の両方の表面にそれぞれ形成されている。本実施の形態においては、シンボル領域5は凹構造、シンボル領域6は凸構造として形成されている。なお、云うまでもないが、主に携帯機器の表側から触れたときに認識しうることを目的としたシンボル領域は、カバーガラス200の対向する主表面201,202のいずれか一方の面、換言すると、携帯機器に搭載された際の表側の表面に形成される。
 要するに、携帯機器の表側のカバーガラス表面に形成されたシンボル領域は視覚または触覚で認識することができ、カバーガラスの上記と反対側の表面に形成されたシンボル領域は視覚で認識することができる。
 また、上記凹構造のシンボル領域5の断面形状としては、より好ましくは、たとえば図23の(a)に示すように、カバーガラス200を断面視したとき、当該カバーガラス200の主表面平坦部と、凹構造のシンボル領域5の内表面(壁面)5aとの境界のエッジ部5bが丸み(アール)を付けた形状であることが望ましい。本発明が適用される携帯機器の場合、タッチパネル領域内の各操作ボタンは、ユーザーがタッチする指先よりも小さめであることが多く、指先が凹部の内表面5aだけでなく上記エッジ部5bも押圧して負荷がかかることになる。上記のとおり、エッジ部5bが丸みを付けた形状であることにより、エッジ部5bにも繰り返し押圧による負荷がかかった場合の応力集中を低減できるので、凹構造のシンボル領域5の機械的強度が低下することを抑制できる。また、上記エッジ部5bが丸みを帯びていることで、指先で凹部2を繰り返し押圧しても指先が痛くならないという効果も有する。また、図23の(b)に示すように、当該カバーガラス200の主表面平坦部と、凹構造のシンボル領域5の内表面(壁面)5aとの境界のエッジ部5bを面取り面形状とすることも好ましく、上記と同様の効果を有する。
 また、図23に示すように、本発明においては、カバーガラス200を断面視したとき、凹構造のシンボル領域5の底面部と壁面である内表面5aとの境界についても丸みを帯びた形状であることがより好ましい。さらに、底面部全体が丸みを帯びた形状とすることがさらに好ましい。換言すると、カバーガラス200を断面視したときに、凹構造自体および凹構造と上記主表面平坦部との境界に鋭利な角が形成されていないことがより好ましい。上記の構成とすることにより、携帯機器100の利用者が凹構造のシンボル領域5を押圧した場合に応力集中を起こさないためにカバーガラス200が破損することをより一層防止することができる。
 本実施の形態に係るカバーガラス(カバーガラスブランクにおいても同様)の構成においては、上記一対の主表面及び上記シンボル領域はいずれもダイレクトプレスによるプレス成型面である。図22に示す実施形態のカバーガラス200においては、その対向する一対の主表面201,202、凹構造のシンボル領域5の内表面5a、凸構造のシンボル領域6の外表面6aはいずれもダイレクトプレスにより形成されるプレス成型面である。
 また、上記のとおり、本発明においては、シンボル領域は、表面粗さ(ヘーズ値)を局所的に変化させた構造、例えばカバーガラスの主表面よりも表面粗さの粗い(大きい)領域として形成することができる。このヘーズ値とは、曇り度とも呼ばれているものであり、日本工業規格(JIS)K7136に従って測定することができる特性値である。
 シンボル領域の表面粗さ(ヘーズ値)が主表面平坦部の表面粗さ(ヘーズ値)よりも大きいことにより、シンボル領域は主表面平坦部よりも曇り度合が大きくなり、シンボル領域をたとえば視覚で認識し易くなる。そのため、例えばヘーズ値が主表面平端部と同等な凹部と比べて視認性を向上させることができる。ヘーズ値が主表面平端部と同等な凹部では、その深さを大きくしないと視認性を向上させることは困難であるが、ヘーズ値が主表面平坦部よりも大きな凹部では、その深さを大きくしなくても視認性を向上させることが可能である。つまり、視認性を向上させる場合、ヘーズ値が主表面平端部と同等な凹部と比較して、ヘーズ値が主表面平坦部よりも大きい凹部はその深さを小さくできるので、例えば凹構造のシンボル領域5の形成部分での残り板厚が小さくならずに、カバーガラスの強度を充分に確保することができる。このことは、カバーガラスの軽量化の観点から板厚を薄くする必要がある場合に、特に有効である。また、凸構造のシンボル領域6においても、その表面粗さ(ヘーズ値)が主表面平坦部の表面粗さ(ヘーズ値)よりも大きいことにより、シンボル領域をたとえば視覚で認識し易くなり、また凸部の高さを小さくできる。
 本発明においては、JIS K7136に従って測定した上記シンボル領域のヘーズ値が10%以上であることが好ましい。ヘーズ値が10%未満であると、凹部の深さあるいは凸部の高さを小さくして視認性を向上させることが難しい。また、上記シンボル領域のヘーズ値があまり大きいと、文字又は図形等のシンボルが目立ち過ぎて携帯機器の外観意匠性が損なわれる場合があるので、上記ヘーズ値は70%以下であることが好ましい。
 上記シンボル領域のヘーズ値をカバーガラスの主表面平坦部のヘーズ値よりも大きくするためには、シンボル領域(たとえば上記凹構造のシンボル領域5の内表面5a、凸構造のシンボル領域6の外表面6a)を粗面化することが有効である。シンボル領域の表面の粗面化によって、視認した際の外光の散乱によりヘーズ値が大きくなる。本発明において、上記シンボル領域はプレス成型面であるが、後述するように、一対の金型のうち少なくとも一方の金型に、主表面を形成するための主プレス面よりも表面粗さが粗く上記シンボル領域を形成するための粗面部を設けることにより、粗面化されたプレス成型面に仕上げることができる。
 従って、上記シンボル領域の表面粗さ(Ra)が主表面平坦部の表面粗さ(Ra)よりも大きいことが好ましい。ここで、シンボル領域の表面粗さとは、具体的には上記凹構造のシンボル領域5の内表面5a、あるいは凸構造のシンボル領域6の外表面6aの表面粗さである。
 上記シンボル領域の表面粗さが主表面平坦部の表面粗さよりも大きいことにより、利用者が携帯機器の表示画面を表側から指先で触れたときに、シンボル領域と主表面平坦部の手触りの差によりシンボル領域を認識させる触覚性が向上する。上述したように、視認性を向上させるためにシンボル領域の凹部の深さまたは凸部の高さを小さくできるので、シンボル領域を指先で押した際に、凹部または凸部の縁(主表面平端部と凹部または凸部の表面との境界のエッジ部)だけでなく、凹部または凸部の表面にも指先が触れることになる。そのため、上記シンボル領域の凹部の深さまたは凸部の高さが小さい場合には、特に、シンボル領域の表面粗さが主表面平坦部の表面粗さよりも大きいことによる触覚性を向上させる効果が大きい。
 本発明においては、上記シンボル領域の表面粗さ(Ra)が2nm以上であることが好ましく、3nm以上であることがより好ましい。シンボル領域の表面粗さ(Ra)が2nm未満であると、シンボル領域と主表面平坦部の手触りの差によりシンボル領域を認識させる触覚性を向上させることが難しい。また、シンボル領域の表面粗さがあまり大きいと、手触り感や、ヘーズ値が大きくなり過ぎて携帯機器の外観意匠性が損なわれる場合があるので、シンボル領域の表面粗さ(Ra)は20nm以下であることが好ましい。
 なお、上記表面粗さは、JIS B0601:2001により規定される算術平均粗さRaであり、例えば、原子間力顕微鏡で計測し、JIS R1683:2007で規定される方法で算出できる。本発明においては、例えば、1μm×1μm角の測定エリアにおいて、512×128ピクセルの解像度で測定したときの算術平均粗さRaを用いることができる。
 このような電子機器用カバーガラスは、その基材となるカバーガラスブランクを備えている。本実施の形態に係る電子機器用カバーガラスブランクは、対向する一対の主表面を有し、文字又は図形を含むシンボルを利用者に認識させるためのシンボル領域が前記一対の主表面のうちの少なくとも一方に設けられ、前記一対の主表面及び前記シンボル領域は、いずれもダイレクトプレスによるプレス成型面であることを特徴とするものである。
 本実施の形態に係る電子機器用カバーガラスブランクGは、前述の図8と同様に、対向する一対の主表面1A,1Bと、該一対の主表面1A,1B間に存在する端面1Dと、該一対の主表面1A,1Bと前記端面1Dとの間に配置された介在面1C,1Cとを有している。また、上記のとおり、文字又は図形を含むシンボルを利用者に認識させるためのシンボル領域が前記一対の主表面のうちの少なくとも一方に設けられている。
 本実施形態のカバーガラスブランクにおいては、上記一対の主表面1A,1B及び上記介在面1C、並びにシンボル領域は、いずれも一対の金型を用いてプレス成型するダイレクトプレスによるプレス成型面である。つまり、本実施形態では、ダイレクトプレスにより、カバーガラスブランクGの主表面とともに該主表面に配置されるシンボル領域を同時に成型することができる。なお、図8(b)には、上記介在面1Cは平坦な面取り面である場合を示しているが、本実施の形態はこれに限らず、たとえば湾曲面とすることもできる。また、このような介在面を設けなくてもよい。
 本実施の形態においては、上記プレス成型面が、溶融ガラス供給部から供給され空中を移動中の溶融ガラスの塊を、その移動方向に対して直交する方向に配置された一対の金型を用いて捕らえてプレス成型するプレス法(水平ダイレクトプレス法とも呼ばれる。)によるプレス成型面であることが好ましい。たとえば従来の平坦な板材を軟化成型することにより得られるカバーガラスブランクに比べて、デザインの自由度が大きく、様々な立体形状をもつカバーガラスブランクを実現することができる。また、一対の金型間の温度差をたとえば小さくするように調節することが容易であり、このため、形成されるカバーガラスブランクの特に平坦部の形状精度(平坦度など)を向上させることができる。なお、上記水平ダイレクトプレス法の詳細は前述の第1の実施の形態で説明したとおりである。
 また、上記カバーガラスブランクGは、全体が平坦な形状である場合に限られる必要はなく、前述の図9に示されるように、その主表面に湾曲部や傾斜部が形成されているような形状であってもよい。
 また、例えば、携帯機器のマイク・スピーカー等の音声入出力用の開口がガラスの表面に形成されているものも本実施の形態に係るカバーカラスブランクに含まれる。図27は、このような電子機器用カバーガラスブランクの開口付きの変形例を示す全体斜視図である。図27に示す例では、長孔状の開口3が形成されている。
 本実施の形態によれば、カバーガラスブランクに開口が形成されているような形状のカバーガラスブランクについてもプレス成型によって、外形形状と一緒に開口を形成することができる。従って、形成された開口の内壁面の少なくとも一部は前記プレス成型面である。
 また、図28は、電子機器用カバーガラスブランクの開口付き変形例の他の例を示す全体斜視図である。図28では、主表面の両端部が傾斜ないしは湾曲した形状を有しているカバーガラスブランクに上記と同様の長孔状の開口3が形成されている例を示している。
 本実施の形態においても、上記カバーガラスブランクGは、イオン交換による化学強化可能なガラス組成であることが好適である。カバーガラスブランクGから得られるガラス基材に対して化学強化処理することにより、その主表面に圧縮応力層が形成される。カバーガラスブランクを構成するガラスは、アモルファスのアルミノシリケートガラスとすることが好ましい。このようなアルミノシリケートガラスからなるカバーガラスブランクは、化学強化後の強度が高く良好である。
 以上説明した電子機器用カバーガラスブランクを用いて電子機器用カバーガラスが得られる。
 次に、以上説明したカバーガラスブランクの製造方法について説明する。
 本実施の形態では、対向する一対の主表面と、該一対の主表面間に存在する端面とを有する電子機器用カバーガラスの基材となる電子機器用カバーガラスブランクの製造方法であって、溶融ガラス供給部から供給される溶融ガラスの塊を一対の金型を用いてプレス成型する成型工程を含み、前記一対の金型のうち少なくとも一方の金型のプレス面は、前記主表面と、該主表面に配置され文字又は図形を含むシンボルを利用者に認識させるためのシンボル領域との両方を形成するための形状を有していることを特徴とするものである。
 次に、プレス成型工程について説明する。プレス成型工程において用いられる装置の全体的な構成は前述の図3と同様であるので、ここでは重複説明は省略する。
 図24(a)~(c)は、本実施形態におけるプレス成型工程をより具体的に示すものである。図24(a)は、ゴブを作る以前の状態を示す図であり、同図(b)は、切断ユニット60によってゴブが作られた状態を示す図であり、同図(c)は、ゴブをプレスすることによりカバーガラスブランクGが成型された状態を示す図である。
 図24(a)に示されるように、溶融ガラス流出口11から、溶融ガラス材料Lgが連続的に流出される。このとき、所定のタイミングで切断ユニット60を駆動し、切断刃61及び62によって溶融ガラス材料Lgを切断する。これにより、図24(b)に示すように、切断された溶融ガラスは、その表面張力によって、略球状のゴブGgとなる。溶融ガラス材料Lgの時間当たりの流出量及び切断ユニット60の駆動間隔の調整は、前述のとおり、目標とするカバーガラスブランクGの大きさ、板厚などから定まる体積に応じて適宜行われればよい。また、溶融ガラス材料Lgの成型時の粘度についても適宜設定されればよい。
 作られたゴブGgは、プレスユニット20の第1の金型21と第2の金型22の隙間に向かって落下する。このとき、ゴブGgが第1の金型21と第2の金型22の隙間に入るタイミングで、第1の金型21と第2の金型22が互いに近づくように、第1駆動部23及び第2駆動部24が駆動される。これにより、図24(c)に示すように、第1の金型21と第2の金型22の間にゴブGgがキャッチされる。さらに、第1の金型21のプレス面と第2の金型22のプレス面とが微小な間隔にて近接した状態になり、第1の金型21のプレス面と第2の金型22のプレス面の間に挟み込まれたゴブGgが、所定の立体形状に成型される。
 本実施の形態においては、第1の金型21のプレス面及び第2の金型22のプレス面の各々の形状は、いずれもカバーガラスブランクGの前記主表面と前記介在面、及び前記シンボル領域の両方を形成するための形状を有している。図24では、一例として、第1の金型21においては、カバーガラスブランクの前記主表面1Aまたは1Bを形成するための主プレス面21aと、当該主プレス面からプレス方向へ突出し、前記介在面1Cを形成するための突出部21c,21dと、当該主プレス面からプレス方向へ突出し、前記凹構造のシンボル領域を形成するための突出部21eとが設けられている。また、第2の金型22においても同様に、カバーガラスブランクの前記主表面1Aまたは1Bを形成するための主プレス面22aと、当該主プレス面からプレス方向へ突出し、前記介在面1Cを形成するための突出部22c,22dと、前記凹構造のシンボル領域を形成するための突出部22eとが設けられている。
 図25は、上記第1の金型21の突出部21e近傍の形状を示す側断面図(a)と、突出部21c近傍の形状を示す側断面図(b)である。上記突出部21eは、プレス成型によってカバーガラスブランクの主表面に形成する凹構造のシンボル領域の形状に対応する形状に形成されている。また、主プレス面21aと突出部21cの傾斜面との成す角度(鋭角)αは、30度~60度の範囲とすることが好ましく、更に好ましくは45度~50度の範囲である。金型21の突出部21cの傾斜面は、プレス成型によって得られるカバーガラスブランクの上記介在面の形状を決定するものであるため、上記αが30度よりも小さい、または60度よりも大きい場合は、いずれも、カバーガラスブランクの端部に介在面を設けることによる応力集中の抑制効果が充分に得られない。また、突出部21cの傾斜面形状はプレス成型後の脱型のしやすさも考慮する必要がある。
 なお、以上は第1の金型21の突出部21e、21cについて説明したが、第1の金型21の突出部21d、第2の金型22の突出部22c、22d、22eについても同様の構成とすることができる。また、上記シンボル領域をカバーガラスブランクのいずれかの主表面にのみ形成する場合には、それに対応する金型に上記シンボル領域を形成するための突出部を設ければよい。
 図26は、上述の図24(c)に示すプレス成型によって直接得られるカバーガラスブランクGの側断面図である。
 図26に示されるとおり、カバーガラスブランクGは、上記金型の主プレス面21a,22aによって形成された対向する一対の主表面を有し、上記金型の突出部21e、22eによって形成された凹構造のシンボル領域5と、上記金型の突出部21c,21d、22c,22dによって形成された電子機器用カバーガラスの外形を区画するように溝2が設けられている。これら一対の主表面、シンボル領域5及び溝2の内壁面は、いずれもプレス成型面である。
 こうして得られたカバーガラスブランクGに対して、カバーガラスの外形を形成するため、上記溝2より外周側の領域を切断線c1,c2に沿って切断する後加工を行う。この後加工は、エッチング処理や機械加工等を任意に適用することができる。この後加工によって、前述の図8(b)に示されるカバーガラスブランクの端面1Dが形成される。
 なお、本実施の形態においては、上述のプレス成型によって得られるガラス基材(図26)、或いは上述の後加工によって得られるガラス基材のいずれも、電子機器用カバーガラスの基材となる「電子機器用カバーガラスブランク」と呼ぶものとする。
 また、前述の図27、図28に示すような開口付きのカバーガラスブランクをプレス成型によって製造する場合、例えば第1の金型21においては、カバーガラスブランクの前記主表面1Aまたは1Bを形成するための主プレス面21aと、前記シンボル領域5を形成するための突出部21eと、前記介在面1Cを形成するための突出部21c,21dに加えて、前記開口3を形成するための突出部21fとが設けられている。図29は、上記開口形成用の金型のプレス面形状の一例を示す側断面図である。図29に示した例では、前記開口3の内壁面と前記一対の主表面との間に設けられる介在面を形成するための傾斜部21gが、主プレス面21aと上記突出部21fとの間に設けられている。この場合、主プレス面21aと傾斜部21gの外面である傾斜面との成す角度(鋭角)αに関しても、30度~60度の範囲とすることが好ましく、更に好ましくは45度~50度の範囲である。
 なお、上記開口3を形成する場合の第1の金型21のプレス面形状について説明したが、第2の金型22のプレス面形状についても同様の構成とすることが好適である。
 図30は、上述の図29等に示すプレス面形状の金型を用いたプレス成型によって得られるカバーガラスブランクGの側断面図である。
 図30に示されるとおり、カバーガラスブランクGは、上記凹構造のシンボル領域5、電子機器用カバーガラスの外形を区画する溝2および開口3が設けられている。これらシンボル領域5、溝2および開口3の内壁面は、いずれもプレス成型面である。
 こうして得られたカバーガラスブランクGに対して、前述したとおり、カバーガラスの外形を形成するため、上記溝2より外周側の領域を切断線c1,c2に沿って切断する後加工を行う。
 なお、図29、図30には、上述のプレス成型によってカバーガラスブランクGの前記開口3の内壁面と主表面との間にも介在面を形成する場合の例を示したが、前記開口3の内壁面と主表面との間に介在面を形成しない場合には、上記金型21の主プレス面21aと上記突出部21fとの間に上記傾斜部21gを設けなくてもよい。
 また、プレス成型によって得られるカバーガラスブランクの主表面に前記凸構造のシンボル領域6(図22参照)を形成する場合には、主プレス面から反プレス方向へ窪む窪み部が設けられている例えば金型21を用いてプレス成型すればよい。
 また、一対の金型のうち少なくとも一方の金型に、主表面を形成するための主プレス面よりも表面粗さの粗い上記シンボル領域を形成するための粗面部を設けることにより、上記シンボル領域を粗面化されたプレス成型面に仕上げることができる。
 また、第1の金型21及び第2の金型22には、前述の温度調節機構や冷却手段が設けられていることが好適である。
 なお、ゴブGgをプレス成型する際の第1の金型21のプレス面と第2の金型22のプレス面の対向位置における温度差と、プレス成型後に得られるカバーガラスブランクの主表面平坦部の平坦度との間の相関関係を予め求めておくことにより、所望の平坦度を実現することができる。
 また、本実施形態のプレス成型法では、第1の金型21の主プレス面21a及び第2の金型22の主プレス面22aの形状が転写された形でカバーガラスブランクGの主表面が形成されるため、一対の金型のプレス面の平滑性は、目標とするカバーガラスブランクのそれと同等なものとしておくことが好ましい。この場合、プレス成型後にカバーガラスブランクGの主表面に対する研磨等の表面加工工程を省くことができる。
 また、本実施の形態においても、電子機器用カバーガラスのガラス基材(カバーガラスブランク)においては、強度を向上させるため、化学強化処理を行うことが好ましい。化学強化処理の方法は前述したとおりである。
 そして、化学強化された電子機器用カバーガラスのガラス基材に対して、所望の加飾層を任意に形成することにより、最終的な電子機器用カバーガラスが作製される。
 以上説明したように、本実施の形態の電子機器用カバーガラスブランク及びその製造方法によれば、カバーガラスブランクの主表面と、該主表面に配置され文字又は図形を含むシンボルを利用者に認識させるためのシンボル領域との両方をプレス成型により同時に形成することによって、全体の製造工程数を削減できるとともに、製造コストも低減できる電子機器用カバーガラスブランクを得ることができる。
 また、デザインの制約が少なく、また成型に伴う歪の発生が生じ難く、しかも表面粗さ等の外観品質が良好なカバーガラスブランクを得ることができる。とりわけ、生産効率を向上でき、特に少量多品種生産に好適な電子機器用カバーガラスブランクを得ることができる。
 さらに、上記電子機器用カバーガラスブランクを用いることによって、所望のシンボル領域を形成した高品質の電子機器用カバーガラスを得ることができる。
 以下に、電子機器用カバーガラスブランク及び電子機器用カバーガラスを、それぞれ携帯機器用カバーガラスブランク及び携帯機器用カバーガラスとした場合について、具体的実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。例えば、電子機器用カバーガラスブランク及び電子機器用カバーガラスを、それぞれタッチセンサ用カバーガラスブランク及びタッチセンサ用カバーガラスとしてもよい。
(実施例1)
 本実施例では、以下のプレス成型工程を経て本実施例のカバーガラスブランクを作製し、次いでカバーガラスブランクからガラス基材を作製し、そのガラス基材に対して化学強化を施して、携帯機器用カバーガラスのガラス基材を製造した。
[プレス成型工程]
 ガラス組成として、SiO:62.5~64.5重量%、Al:13~15重量%、LiO:5~7重量%、NaO:9.5~11.5重量%、ZrO:5~7重量%を含有する溶融ガラス材料を準備し、前述の図3、図4の装置を用いた方法により、前述の図1に示す立体形状を有するカバーガラスブランクを作製した。
 なお、溶融ガラス流出口から流出される溶融ガラス材料の温度は1300℃、粘度は10dPa・s以下となるように調節した。また、第1の金型及び第2の金型の各々のプレス面の表面粗さは、算術平均粗さRaで0.02μmとした。また、第1の金型及び第2の金型の各々のプレス面の温度は400℃~500℃とし、各金型間の温度差は10℃以内となるように制御した。また、プレス時の荷重は、3000kgfで、ガラスの温度がガラス転移温度(Tg)以下となるまで約3秒プレスした。
 こうして本実施例の携帯機器用カバーガラスブランクを作製した。
 次に、得られたカバーガラスブランクについて、アルカリ金属元素濃度を測定した。その結果、主表面側の深さ100nm以下の表層では、主表面側の深さ100nmよりも深い中心部よりも、Naイオンの量が少なく、カバーガラスブランク主表面側の表層におけるアルカリ金属元素濃度が中心部よりも小さいことが確認できた。なお、このアルカリ金属元素濃度については、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)によって測定することができる。
 さらに、得られたカバーガラスブランクについて、主表面の表面粗さを測定した。その結果、表面粗さRaは、10nmであった。なお、表面粗さRaは、JIS B0601:2001により規定される算術平均粗さRaで表され、例えば、日本Veeco社製走査型プローブ顕微鏡(原子間力顕微鏡;AFM)ナノスコープで計測し、JIS R1683:2007で規定される方法で算出できる。本実施例においては、1μm×1μm角の測定エリアにおいて、512×128ピクセルの解像度で測定したときの算術平均粗さRaを用いることができる。
 その結果、本実施例の立体形状を有するカバーガラスブランクについては、その主表面の全面で表面粗さがほぼ均一(±2.5nmの範囲内)に形成されていることが確認でき、外観品質の良好なカバーガラスブランクが得られた。
 なお、本実施例では、一例として前述の図1に示す立体形状のカバーガラスブランクを作製したが、本発明によれば、第1の金型及び第2の金型のプレス面の形状が互いに異なる一対の金型を用いることによって、図1の形状に限らず、例えば前述の図2に示すような種々の立体形状を有するカバーガラスブランクを作製することができ、そのカバーガラスブランクそのものから、あるいはカバーガラスブランクに所定の加工を施すことにより、携帯機器用カバーガラスのガラス基材を得ることができる。
(比較例)
 本比較例では、大判の板ガラスを製品サイズに切断して得られた平坦な板材を軟化成型することにより、カバーガラスブランクを作製した。但し、この製法では、実施例1と同様の図1に示すような立体形状を形成することが困難であるため、図2の(e)及び(f)に示す形状のカバーガラスブランクを作製した。
 なお、ガラス組成は、実施例1と同様とした。また、板材を軟化成型するための再加熱工程、曲げプレス工程における各条件は適宜設定して行った。
 こうして本比較例により得られたカバーガラスブランクについて、実施例1と同様に、主表面の表面粗さを測定した。その結果、本比較例によるカバーガラスブランクは、変形箇所(曲げプレス加工部)と非変形箇所(平坦部)とで表面粗さが均一とはならなかった。そのため、例えば視覚による透明性が部分的に異なるように見えてしまい、外観品質上の問題が生じた。また、曲げプレス加工による変形箇所では、一方の面に弛みによる凹凸が生じており、この点でも外観品質の問題が生じた。
 要するに、従来の平坦な板材を軟化成型する製法では、作製できる立体形状が限られ、デザインの制約が大きいという問題に加えて、外観品質が低下するという問題がある。
 ここで、本実施例と比較例の方法で、図2(e)に示す形状の平坦部及び傾斜部の板厚が0.7mmのカバーガラスブランクを作製し、両者を比較した。本実施例のカバーガラスブランクでは、平坦部と傾斜部との間の湾曲部分について、互いに間隔をおいて10点測定したところ、いずれも0.7mmに対して±25μm以内の範囲に収まっていった(板厚偏差50μm以下)。これに対して、比較例のカバーガラスブランクでは、平坦部と傾斜部との間の湾曲部分について、互いに間隔をおいて10点測定したところ、0.7mmに対して±100μm程度のばらつきが生じていた(板厚偏差200μm程度)。
 また、比較例のカバーガラスブランクでは、湾曲部分の板厚のばらつきを目視により確認可能であり、外観品質上問題があった。これに対して、本実施例のカバーガラスブランクでは、湾曲部分の板厚のばらつきを目視により確認できず、外観品質の良好な立体形状が得られた。
(実施例2)
 本実施例では、以下のプレス成型工程を経て本実施例のカバーガラスブランクを作製し、次いでカバーガラスブランクからガラス基材を作製し、そのガラス基材に対して化学強化を施して、携帯機器用カバーガラスのガラス基材を作製した。
[プレス成型工程]
 ガラス組成として、SiO:62.5~64.5重量%、Al:13~15重量%、LiO:5~7重量%、NaO:9.5~11.5重量%、ZrO:5~7重量%を含有する溶融ガラス材料を準備し、前述の図3、図10の装置を用いた方法により、前述の図12に示す立体形状を有するカバーガラスブランクを作製した。
 なお、溶融ガラス流出口から流出される溶融ガラス材料の温度は1300℃、粘度は10dPa・s以下となるように調節した。また、第1の金型及び第2の金型の各々のプレス面の表面粗さは、算術平均粗さRaで0.02μmとした。また、第1の金型及び第2の金型の各々のプレス面の温度は400℃~500℃とし、各金型間の温度差は10℃以内となるように制御した。また、プレス時の荷重は、3000kgfで、ガラスの温度がガラス転移温度(Tg)以下となるまで約3秒プレスした。
 こうして本実施例の携帯機器用カバーガラスブランクを作製した。
 次に、こうして得られたカバーガラスブランクに対して、カバーガラスの外形を形成するため、前述の溝2より外周側の領域を切断線c1,c2に沿って切断する後加工を行った。この後加工は、エッチング処理を適用して行った。この後加工によって、前述の図8(b)に示されるカバーガラスブランクの端面1Dが形成されたカバーガラスブランクを得た。
 次に、得られたカバーガラスブランクについて、アルカリ金属元素濃度を測定した。その結果、主表面側の深さ100nm以下の表層では、主表面側の深さ100nmよりも深い中心部よりも、Naイオンの量が少なく、カバーガラスブランク主表面側の表層におけるアルカリ金属元素濃度が中心部よりも小さいことが確認できた。なお、このアルカリ金属元素濃度については、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)によって測定することができる。
 さらに、得られたカバーガラスブランクについて、主表面の表面粗さを測定した。その結果、表面粗さRaは、10nmであった。なお、表面粗さRaは、JIS B0601:2001により規定される算術平均粗さRaで表され、例えば、日本Veeco社製走査型プローブ顕微鏡(原子間力顕微鏡;AFM)ナノスコープで計測し、JIS R1683:2007で規定される方法で算出できる。本実施例においては、1μm×1μm角の測定エリアにおいて、512×128ピクセルの解像度で測定したときの算術平均粗さRaを用いることができる。
 その結果、本実施例のカバーガラスブランクについては、介在面の形状精度も良好で、その主表面の全面で表面粗さがほぼ均一(±2.5nmの範囲内)に形成されていることが確認でき、外観品質の良好なカバーガラスブランクが得られた。
 なお、本実施例では、一例として前述の図8に示す平板状のカバーガラスブランクを作製したが、本発明によれば、第1の金型及び第2の金型のプレス面の形状が互いに異なる一対の金型を用いることによって、図8の形状に限らず、例えば前述の図9に示すような種々の立体形状を有するカバーガラスブランクを作製することができる。また、そのカバーガラスブランクそのものから、あるいはカバーガラスブランクに所定の加工を施すことにより、電子機器用カバーガラスのガラス基材を得ることができる。
(実施例3)
 本実施例では、以下のプレス成型工程を経て本実施例のカバーガラスブランクを作製し、次いでカバーガラスブランクからガラス基材を作製し、そのガラス基材に対して化学強化を施して、携帯機器用カバーガラスのガラス基材を作製した。
 ガラス組成として、SiO:62.5~64.5重量%、Al:13~15重量%、LiO:5~7重量%、NaO:9.5~11.5重量%、ZrO:5~7重量%を含有する溶融ガラス材料を準備し、前述の図3、図24の装置を用いた方法により、前述の図26に示す立体形状を有するカバーガラスブランクを作製した。
 なお、溶融ガラス流出口から流出される溶融ガラス材料の温度は1300℃、粘度は10dPa・sとなるように調節した。また、第1の金型及び第2の金型の各々の主プレス面の表面粗さは、算術平均粗さRaで0.005μmとし、凹構造のシンボル領域を形成するための突出部の表面の表面粗さは、上記主プレス面よりも粗く算術平均粗さRaで0.1μmとした。また、第1の金型及び第2の金型の各々のプレス面の温度は400℃~500℃とし、各金型間の温度差は10℃以内となるように制御した。また、プレス時の荷重は、3000kgfで、ガラスの温度がガラス転移温度(Tg)以下となるまで約3秒プレスした。
 こうして本実施例の携帯機器用カバーガラスブランクを作製した。
 次に、こうして得られたカバーガラスブランクに対して、カバーガラスの外形を形成するため、前述の溝2より外周側の領域を切断線c1,c2に沿って切断する後加工を行った。この後加工は、エッチング処理を適用して行った。この後加工によって、前述の図8に示すようなカバーガラスブランクを得た。
 次に、得られたカバーガラスブランクについて、アルカリ金属元素濃度を測定した。その結果、主表面側の深さ100nm以下の表層では、主表面側の深さ100nmよりも深い中心部よりも、Naイオンの量が少なく、カバーガラスブランク主表面側の表層におけるアルカリ金属元素濃度が中心部よりも小さいことが確認できた。なお、このアルカリ金属元素濃度については、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)によって測定することができる。
 さらに、得られたカバーガラスブランクについて、主表面の表面粗さを測定した結果、表面粗さRaは、4nmであった。また、上記凹構造のシンボル領域の内表面の表面粗さRaは50nmであった。なお、表面粗さRaは、JIS B0601:2001により規定される算術平均粗さRaで表され、例えば、日本Veeco社製走査型プローブ顕微鏡(原子間力顕微鏡;AFM)ナノスコープで計測し、JIS R1683:2007で規定される方法で算出できる。本実施例においては、1μm×1μm角の測定エリアにおいて、512×128ピクセルの解像度で測定したときの算術平均粗さRaを用いることができる。
 また、上記凹構造のシンボル領域のヘーズ値を測定した。すなわち、(有)東京電色製、オートマーキングヘーズメータTC-HIIIDPK/IIで計測し、JIS K7136に従って測定した結果、25%であった。
 なお、本実施例では、一例として前述の図8に示すような平板状のカバーガラスブランクを作製したが、本発明によれば、第1の金型及び第2の金型のプレス面の形状が互いに異なる一対の金型を用いることによって、図8の形状に限らず、例えば前述の図9に示すような種々の立体形状を有するカバーガラスブランクを作製することができる。また、そのカバーガラスブランクそのものから、あるいはカバーガラスブランクに所定の加工を施すことにより、電子機器用カバーガラスのガラス基材を得ることができる。
1A,1B カバーガラスブランクの一対の主表面
1C カバーガラスブランクの端面(介在面)
1D カバーガラスブランクの端面
2 溝
3 開口
5,6 シンボル領域
10 装置
20,30,40,50 プレスユニット
21 第1の金型
22 第2の金型
21a、22a 金型プレス面(主プレス面)
60 切断ユニット
100 電子機器
200 電子機器用カバーガラス
G カバーガラスブランク

Claims (21)

  1.  一対の主表面と、該一対の主表面に隣り合う端面とを有する電子機器用カバーガラスブランクであって、
     前記一対の主表面は、厚さ方向に対して互いに非対称となる形状であり、
     前記一対の主表面は、いずれもダイレクトプレスによるプレス成型面であることを特徴とする電子機器用カバーガラスブランク。
  2.  対向する一対の主表面を有し、電子機器用カバーガラスの外形を区画するように溝が設けられており、
     前記一対の主表面及び前記溝の内壁面の少なくとも一部は、いずれもダイレクトプレスによるプレス成型面であることを特徴とする電子機器用カバーガラスブランク。
  3.  対向する一対の主表面を有し、
     文字又は図形を含むシンボルを利用者に認識させるためのシンボル領域が前記一対の主表面のうちの少なくとも一方に設けられ、
     前記一対の主表面及び前記シンボル領域は、いずれもダイレクトプレスによるプレス成型面であることを特徴とする電子機器用カバーガラスブランク。
  4.  前記カバーガラスブランクの前記主表面全面で表面粗さが均一となるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランク。
  5.  前記一対の主表面のうちの少なくとも一方の主表面は、厚さ方向に湾曲部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランク。
  6.  前記カバーガラスブランクには、平坦部と、前記平坦部に対して厚さ方向に湾曲する湾曲部とが形成されており、
     前記湾曲部の板厚が前記平坦部の板厚に対して±25μmの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランク。
  7.  前記一対の主表面のうちの少なくとも一方の主表面の端部には、厚さ方向に対して傾斜する傾斜部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランク。
  8.  前記カバーガラスブランクには開口が形成されており、前記開口の内壁面の少なくとも一部は前記プレス成型面であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランク。
  9.  前記開口の内壁面と前記一対の主表面との間には、ダイレクトプレスによるプレス成型面の介在面が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の電子機器用カバーガラスブランク。
  10.  前記カバーガラスブランクは、イオン交換による化学強化可能なガラス組成であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランク。
  11.  一対の主表面と、該一対の主表面に隣り合う端面とを有する電子機器用カバーガラスブランクの製造方法であって、
     溶融ガラス供給部から供給された溶融ガラスの塊を、一対の金型を用いて捕らえてプレス成型する成型工程を含み、
     前記一対の金型のプレス面の形状は、成型により得られる前記カバーガラスブランクの前記一対の主表面が互いに非対称な形状となるように、互いに異なる形状であることを特徴とする電子機器用カバーガラスブランクの製造方法。
  12.  対向する一対の主表面と、該一対の主表面間に存在する端面と、前記一対の主表面うち少なくともいずれか一方の主表面と前記端面との間に配置された介在面とを有する電子機器用カバーガラスの基材となる電子機器用カバーガラスブランクの製造方法であって、
     溶融ガラス供給部から供給された溶融ガラスの塊を一対の金型を用いてプレス成型する成型工程を含み、
     前記一対の金型のうち少なくとも一方の金型のプレス面は、前記主表面及び前記介在面の両方を形成するための形状を有していることを特徴とする電子機器用カバーガラスブランクの製造方法。
  13.  前記一対の金型のうち少なくとも一方の金型は、前記主表面を形成するための金型プレス面と、該金型プレス面からプレス方向へ突出し、前記介在面を形成するための突出部とが設けられていることを特徴とする請求項12に記載の電子機器用カバーガラスブランクの製造方法。
  14.  対向する一対の主表面と、該一対の主表面間に存在する端面とを有する電子機器用カバーガラスの基材となる電子機器用カバーガラスブランクの製造方法であって、
     溶融ガラス供給部から供給された溶融ガラスの塊を一対の金型を用いてプレス成型する成型工程を含み、
     前記一対の金型のうち少なくとも一方の金型のプレス面は、前記主表面と、該主表面に配置され文字又は図形を含むシンボルを利用者に認識させるためのシンボル領域との両方を形成するための形状を有していることを特徴とする電子機器用カバーガラスブランクの製造方法。
  15.  前記一対の金型のうち少なくとも一方の金型には、前記主表面を形成するための主プレス面と、該主プレス面からプレス方向へ突出し前記シンボル領域を形成するための突出部、及び該主プレス面から反プレス方向へ窪み前記シンボル領域を形成するための窪み部の少なくともいずれか一方とが設けられていることを特徴とする請求項14に記載の電子機器用カバーガラスブランクの製造方法。
  16.  前記一対の金型のうち少なくとも一方の金型には、前記主表面を形成するための主プレス面と、該主プレス面よりも表面粗さが粗く前記シンボル領域を形成するための粗面部とが設けられていることを特徴とする請求項14又は15に記載の電子機器用カバーガラスブランクの製造方法。
  17.  前記成型工程では、前記溶融ガラス供給部から供給され空中を移動中の溶融ガラスの塊を、その移動方向に対して直交方向に配置された一対の金型を用いて捕らえてプレス成型することを特徴とする請求項11乃至16のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクの製造方法。
  18.  前記溶融ガラスの成型時の粘度が、10dPa・s以下であることを特徴とする請求項11乃至17のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクの製造方法。
  19.  前記一対の金型には、前記主プレス面からプレス方向へ突出し前記電子機器用カバーガラスブランクに開口を形成するための凸部が設けられていることを特徴とする請求項11乃至18のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクの製造方法。
  20.  請求項11乃至19のいずれかに記載の電子機器用カバーガラスブランクの製造方法によって得られたカバーガラスブランクを用いて電子機器用カバーガラスを製造することを特徴とする電子機器用カバーガラスの製造方法。
  21.  対向する一対の主表面と、該一対の主表面間に存在する端面と、前記一対の主表面うち少なくとも一方の主表面と前記端面との間に配置された介在面とを有するガラス基材を備える電子機器用カバーガラスであって、
     前記一対の主表面及び前記介在面は、いずれもダイレクトプレスによるプレス成型面であることを特徴とする電子機器用カバーガラス。
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