JP6313391B2 - ガラス基板、電子機器用カバーガラス、及びガラス基板の製造方法 - Google Patents

ガラス基板、電子機器用カバーガラス、及びガラス基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば携帯電話機、携帯型ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルスティルカメラ、ビデオカメラ、またはスレートPC(Personal Computer)等の携帯機器の表示画面等のカバーとなる携帯機器用カバーガラス、タッチセンサのカバーとなるタッチセンサ用カバーガラス、PCの操作パネルに用いられるトラックパッド用カバーガラス等を含む電子機器用カバーガラスのガラス基板及び電子機器用カバーガラス、並びに電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法に関するものである。
従来、携帯電話機等の携帯機器(電子機器)では、その表示画面に、透明性に優れ且つ軽量なアクリル樹脂板が一般に用いられていたが、近年、従来のアクリル樹脂板に替わって、薄くても高い強度を有し、従来のアクリル樹脂板と比べると表面平滑性、保護性(耐候性、防汚性)、見栄え・高級感などの点で優位であるガラス材料からなるカバーガラスが多く使用されるようになってきている。
ところで、近年、タッチパネル方式の電子機器が主流を占めるようになってきている。タッチパネル方式では、主に、表示画面の所定部位(例えば画面に表示されているアイコンなど)を押圧することによって電子機器の操作を行うが、頻繁に、繰り返し押圧されるため、このタッチパネル機能対応のための表示画面の強度向上が求められている。また、電子機器の軽量化およびデザイン性の観点から薄型化の取り組みも続けられている。そのためには薄型、軽量、大画面(大面積)であっても充分な強度を持つカバーガラスが求められている。
このような電子機器用カバーガラスに対する要求を満たすようにするため、カバーガラスには、その強度を向上させるための化学強化処理を施している。この化学強化処理は、化学強化塩を加熱溶融した化学強化処理液にガラス基板を浸漬させることにより行われるが、例えば化学強化処理液の加熱温度を上げたり、処理時間を長くすることで、ガラス基板の表層に形成される圧縮応力層の厚さ(深さ)を厚くする程、圧縮応力値が高まり、ガラス基板の強度(破壊強度、耐傷性など)は向上すると考えられているが、一方で強化特性に優れた化学強化ガラスでは、化学強化を強く入れすぎると遅れ破壊や脆さが増すことも知られている。
たとえば特許文献1には、それを超えるとガラスが脆弱性を示す限界値より低い中央張力を有する強化ガラス物品が開示されており、中央張力CTと圧縮応力、応力層深さ、ガラス板厚との関係で脆性を示さない化学強化条件について開示している。
特表2011−530470号公報
しかし、本発明者の検討によれば、特許文献1に開示された化学強化条件により化学強化を施したガラス基板においても、たとえばカバーガラスの組立工程での治具との接触等によってガラス基板の端面にクラック、傷等が生じ、それを起点とする欠け、割れ等が多く発生することが判明した。
また、例えば図1(a)〜(c)に示すような頂部14〜16を有する端面形状を持つガラス基板は、曲面あるいは平坦面に比べて構造上欠け、あるいは欠けを起点とした割れが発生し易い。更には、後述するように、このような頂部では化学強化が想定以上に深く入り、圧縮応力の低下があるため、化学強化を施しても割れ易いことも判明した。従って、電子機器用カバーガラスに用いられるガラス基板では、特に端面の強度向上が望まれる。
そこで、本発明の目的は、特に頂部を有する端面の強度を向上させた電子機器用カバーガラスのガラス基板、及びこのガラス基板を備える電子機器用カバーガラス、並びに電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法を提供することである。
上記特許文献1では、ガラス物品の主面の化学強化については上記のとおり検討されているが、ガラス物品の端面の化学強化に関しては何も検討されていない。本発明者は、上記課題を解決すべく、特にガラス基板の端面形状と化学強化との関係について鋭意検討した結果、得られた知見に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
一対の主表面を有するガラス基板であって、該一対の主表面と隣合う端面を有し、該端面は、断面視において頂部が配置されており、前記ガラス基板は、イオン交換による化学強化が施されたことによる圧縮応力層を表層に有し、前記主表面の最大圧縮応力値が600MPa以上、且つ圧縮応力層の深さが60μm以下であり、前記頂部の頂点と、該頂点から半径10μmの円を描いたときにその円とガラス基板の輪郭線との接点とをそれぞれ結ぶ2つの仮想線のなす角を頂部の頂角θ[度]とすると、前記頂部の頂角θは30度以上135度以下であり、前記主表面の最大圧縮応力値をCS[MPa]、前記主表面の圧縮応力層の深さをd[μm]とすると、前記頂部において、
600MPa≦A×{(d/sin(θ/2))−d}+CS
(ここで、圧縮応力層の深さの変化量に対する圧縮応力値の変化量の比をA[MPa/μm]とする。)
の関係を満たし、前記主表面の少なくとも一方には一層以上の加飾層が設けられていることを特徴とするガラス基板である。
(構成2)
前記加飾層は、反射防止コート、アンチグレアコート、ハーフミラーコート、偏光膜、透明導電膜、印刷層およびそれらの積層またはパターニング加工されてなる層からなる群より選ばれる少なくとも1つの層からなることを特徴とする構成1に記載のガラス基板である。
(構成3)
前記Aは、−10MPa/μm以上、−0.5MPa/μm以下の範囲内の値であることを特徴とする構成1又は2に記載のガラス基板である。
(構成4)
前記ガラス基板の厚さは、0.1mm〜1.5mmの範囲であることを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載のガラス基板である。
(構成5)
構成1乃至4のいずれかに記載のガラス基板を備えることを特徴とする電子機器用カバーガラスである。
(構成6)
一対の主表面を有するガラス基板の製造方法であって、該製造方法は、板ガラスから所定の外形形状を切り抜き前記ガラス基板の外形を加工する外形加工工程と、前記外形加工したガラス基板に対して、イオン交換による化学強化処理を施す化学強化工程と、前記主表面の少なくとも一方に一層以上の加飾層を設ける工程とを含み、前記外形加工工程では、一対の主表面と、該一対の主表面と隣合う端面を有し、該端面は、断面視において頂部が配置されている形状を有するガラス基板を形成し、前記頂部の頂点と、該頂点から半径10μmの円を描いたときにその円とガラス基板の輪郭線との接点とをそれぞれ結ぶ2つの仮想線のなす角を頂部の頂角θ[度]とすると、前記化学強化工程では、前記頂部の頂角θは30度以上135度以下であり、化学強化が施されたことによる前記主表面の最大圧縮応力値をCS[MPa]、化学強化が施されたことにより形成される前記主表面の圧縮応力層の深さをd[μm]とすると、前記頂部において、
600MPa≦A×{(d/sin(θ/2))−d}+CS
(ここで、圧縮応力層の深さの変化量に対する圧縮応力値の変化量の比をA[MPa/μm]とする。)
の関係を満たすように化学強化処理を施すことを特徴とするガラス基板の製造方法である。
(構成7)
前記加飾層は、反射防止コート、アンチグレアコート、ハーフミラーコート、偏光膜、透明導電膜、印刷層およびそれらの積層またはパターニング加工されてなる層からなる群より選ばれる少なくとも1つの層からなることを特徴とする構成6に記載のガラス基板の製造方法である。
(構成8)
前記Aは、−10MPa/μm以上、−0.5MPa/μm以下の範囲内の値であることを特徴とする構成6又は7に記載のガラス基板の製造方法である。
本発明によれば、特に頂部を有する端面の強度を向上させ、従来の構造上、あるいは想定以上の深さの化学強化が入ることによる圧縮応力の低下等、頂部を有する端面の脆性に起因する欠けや割れ等の発生を低減できる電子機器用カバーガラスのガラス基板、及びこのガラス基板を備える電子機器用カバーガラス、並びに電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法を提供することができる。
(a)と(b)と(c)はいずれも本発明に関わるガラス基板の端面形状例を示す断面図である。 (a)〜(c)はそれぞれ本発明における端面頂部の頂角閘の定義を説明するための参考図である。 頂角と頂部での圧縮応力層深さとの関係を示す図である。 化学強化条件と、圧縮応力層深さ、最大圧縮応力値との関係を示す図である。 頂部での最大圧縮応力値が600MPa以上となる場合の、圧縮応力層深さd、頂角θ、表面での最大圧縮応力値CSとの関係を示す図である。 (a)と(b)はいずれもガラス基板のエッジ落下テスト方法を説明するための参考図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳述する。
本発明に係る電子機器用カバーガラスは、例えば携帯電話機の表示画面に携帯機器用カバーガラスとして組み込まれる。本発明における電子機器用カバーガラスは、例えば携帯電話機、携帯型ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルスティルカメラ、ビデオカメラ、またはスレートPC(Personal Computer)等の携帯機器の表示画面等のカバーとなる携帯機器用カバーガラス、タッチセンサのカバーとなるタッチセンサ用カバーガラス、PCの操作パネルに用いられるトラックパッド用カバーガラス等を含む。
例えば、上記携帯機器用カバーガラスは、外部からの衝撃によって表示画面が破損しないように保護する必要があるため強度が要求されている。特に、タッチパネルの場合、表示画面の所定部位(例えば画面に表示されているアイコンなど)を押圧することによって携帯電話機の操作を行うが、頻繁に、繰り返し押圧されるため、このタッチパネル機能対応のためには薄型、軽量、大画面(大面積)であっても充分な強度を持つカバーガラスが要求される。
本発明に係る電子機器用カバーガラスは、以下に説明するようなプロセスで製造される。ここでは、一例として携帯電話機等の携帯機器用カバーガラスの場合を説明する。
まず、シート状に成形されたガラス素材(大判の板ガラス)をエッチングにより所定の大きさにカッティング(小片化)し、カバーガラス用ガラス基板を作製する。
ダウンドロー法やフロート法等で製造された厚さが例えば0.5mm程度のシート状ガラス素材(板ガラス)をエッチングにより所定の大きさの小片に切断する。小片の大きさは、製品のカバーガラスの大きさに外周形状加工に必要なマージンを加えた大きさを考慮して決定すればよい。
なお、上記カバーガラス用ガラス基板の厚さは、最近の携帯機器の薄型化・軽量化のマーケットニーズに応える観点から例えば0.1mm〜1.5mm程度の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.3mm〜0.7mm程度の範囲である。
本発明においては、カバーガラス用ガラス基板を構成するガラスは、イオン交換による化学強化可能なガラス組成であることが好適であり、例えばアモルファスのアルミノシリケートガラスとすることが好ましい。このようなアルミノシリケートガラスからなるガラス基板は、化学強化後の強度が高く良好である。このようなアルミノシリケートガラスとしては、例えば、SiO2が50〜70重量%、Al23が5〜20重量%、Na2Oが6〜20重量%、K2Oが0〜10重量%、MgOが0〜10重量%、CaOが0〜10重量%を主成分として含有するアルミノシリケートガラスを用いることができる。
上記板ガラスを小片化する場合、エッチング法を適用すると、所望の形状、特に複雑な外形形状であっても切り抜くことが可能であり、ガラス基板の外周の形成と同時に外形形状加工及び孔明け加工も行うことができる。すなわち、上記板ガラスの表面にレジスト(感光性有機材料)を塗布し、所定の露光、現像を行って、カッティングラインのパターンを有するレジストパターン(カッティングライン上にはレジストが存在していないパターン)を形成する。そして、このようなレジストパターンを形成したガラス素材を溶解可能なエッチング液(例えばフッ酸を主成分とする酸性溶液など)を用いてウェットエッチングすることにより、所定の大きさの小片に切断する。残ったレジストパターンを剥離し、洗浄する。
図1の(a)と(b)は、板ガラスをエッチングにより、外形を例えば矩形状に切り抜いて得られたガラス基板の端面形状例を示す断面図である。
図1に示すガラス基板1は、対向する一対の主表面11,12と、該一対の主表面11,12と隣合う端面13とを有する。ガラス基板(切り抜く前の板ガラス)の主表面11,12にそれぞれ形成された図示しないレジストパターンをマスクとして、上記ガラス基板をエッチングすると、エッチングがガラス基板の対向する両主表面11,12からそれぞれ等方的に進行するために、主表面11側から進行するエッチングと、主表面12側から進行するエッチングとにより端面13に頂部16が形成される。このエッチングにおいては、断面視において、主表面11側及び主表面12側からガラス基板内部に向かってそれぞれ略円弧を描くようにエッチングが進行するので、ガラス基板1が切り抜かれる際には、基板内部に向かって略円弧を描くような2つの凹面が基板の厚さ方向の中央付近で交差した端面形状となる(図1(a)参照)。その結果、基板の厚さ方向の中央に上記頂部16が形成され、端面13と両主表面11,12とのエッジ部分には頂部14,15が形成される。すなわち、得られたガラス基板1の端面は、その端面における厚さ方向中心部と、端面における厚さ方向主表面側とのそれぞれに前記頂部14,15,16が配置されている。
また、図1(b)は、上記エッチング後に、主表面11,12側の頂部14,15を研削加工により曲面あるいは面取り加工することで頂部形状を改善した例を示している。以上は、板ガラスをエッチング法により小片化する場合を説明したが、本発明はこれに限らず、例えば大きなサイズの板ガラスを機械(カッター)加工により所定の大きさにカッティング(小片化)し、加工面を砥石等で研磨してカバーガラス用のガラス基板1を作製することもできる。例えば、ダウンドロー法やフロート法等で製造された厚さが例えば0.5mm程度の板ガラスを多数枚(例えば数十枚程度)積層(ラミネート)し、例えばガラス用カッターを用いて所定の大きさの小片に切断する。このように、積層状態のものを一度に切断加工すると、次の形状加工工程においても積層状態の小片を一度に形状加工できるので、生産上有利である。そして、機械加工により必要な形状加工を施した後、主に加工面のマイクロクラック等のダメージ層を除去するためのウェットエッチングによる加工を施す。
こうして得られたガラス基板においても、図1(c)に示されるように、端面13と両主表面11,12とのエッジ部分には頂部14,15が形成される。すなわち、機械加工とウェットエッチングを併用して外形加工することにより得られたガラス基板1の端面は、その端面における厚さ方向中心部が湾曲し、端面における厚さ方向主表面側に前記頂部14,15が配置されている。
ここで、上記板ガラスからエッチングあるいは機械加工によって切り抜かれたガラス基板1の端面13に形成される上記頂部の頂角θを本発明においては次のように定義する。
図2を参照して説明する。ガラス基板1の厚さ方向の中央に形成される上記頂部16については、その頂点(最も突出する点)と、頂点から半径10μmの円を描いたときにその円(図2中の破線で描かれた円)とガラス基板1の輪郭線との接点とをそれぞれ結ぶ2つの仮想線L1,L2のなす角を頂角θとする(図2(a)参照)。
また、端面における厚さ方向主表面側に形成される上記頂部15についても、その頂点(最も突出する点)と、頂点から半径10μmの円を描いたときにその円(図2中の破線で描かれた円)とガラス基板1の輪郭線との接点とをそれぞれ結ぶ2つの仮想線L1,L2のなす角を頂角θとする(図2(b)参照)。この場合は、一方の仮想線(例えば仮想線L2)は主表面12上に位置する。なお、上記頂部14の頂角についても同様に定義される。
また、図1(b)に示すような曲面あるいは面取り加工した上記頂部15、図1(c)に示すような機械加工とウェットエッチングを併用して外形加工することにより得られたガラス基板1の端面における厚さ方向主表面側の上記頂部15についても、その頂点(最も突出する点)と、頂点から半径10μmの円を描いたときにその円(図2中の破線で描かれた円)とガラス基板1の輪郭線との接点とをそれぞれ結ぶ2つの仮想線L1,L2のなす角を頂角θとする(図2(c)参照)。なお、上記頂部14の頂角についても同様に定義される。
次に、エッチングあるいは機械加工により小片化された上記ガラス基板に対して、強度を向上させるため化学強化処理を行う。
化学強化処理の方法としては、例えば、ガラス転移点の温度を超えない温度領域、例えば摂氏300度以上600度以下の温度で、イオン交換を行う低温型イオン交換法などが好ましい。化学強化処理とは、溶融させた化学強化塩とガラス基板とを接触させることにより、化学強化塩中の相対的に大きな原子半径のアルカリ金属元素と、ガラス基板中の相対的に小さな原子半径のアルカリ金属元素とをイオン交換し、ガラス基板の表層に該イオン半径の大きなアルカリ金属元素を浸透させ、ガラス基板の表面に圧縮応力を生じさせる処理のことである。
化学強化塩としては、硝酸カリウムや硝酸ナトリウムなどのアルカリ金属硝酸塩を好ましく用いることができる。化学強化処理されたガラス基板は強度が向上し耐衝撃性に優れているので、衝撃、押圧が加わり高い強度が必要な携帯機器に用いられるカバーガラスには好適である。
かかる化学強化処理工程をさらに詳しく説明すると、例えば矩形状のガラス基板を、化学強化塩を加熱溶融した化学強化処理液に浸漬させることにより、該ガラス基板の化学強化を行う化学強化工程と、該化学強化工程を行った後、前記ガラス基板を前記化学強化処理液から取り出し、前記ガラス基板の温度を下げる冷却工程とを含む。
本発明者は、前記課題を解決すべく、ガラス基板の端面形状、特に図1に示されるような頂部を有する端面形状と化学強化との関係について鋭意検討した。
化学強化によって端面の頂部に生成する圧縮応力層は、頂部に対してその両側の二方向からのイオン交換が進行するため、端面における頂部以外の領域面や主表面に生成する圧縮応力層とは深さ(厚さ)が深くなると推測され、これに伴い、頂部における圧縮応力値が主表面における圧縮応力値に比べて小さくなると考えられる。端面における頂部以外の領域面や主表面の垂線方向に測定される圧縮応力層の深さ(厚さ)をdとした場合、端面の頂部では、その頂角θの二等分線方向に測定される頂部の圧縮応力層の深さd’は、d/sin(θ/2)になると理論上算出可能である。
ここで、d/sin(θ/2)の関係式を用いて、頂部の頂角と、その頂部での圧縮応力層深さ(主表面等での圧縮応力層深さを100とした場合の%比率)との関係を求めた結果を図3に示す。図3に示すように、端面の頂部での圧縮応力層の深さは、頂角が90度未満、つまり鋭角になる程深くなることを見出した。
また、図4は、化学強化条件と、主表面の圧縮応力層深さ及び最大圧縮応力値との関係を示す図である。
化学強化されたガラス基板の破壊強度や耐傷性は、基板表面の最大圧縮応力値に相関し、圧縮応力値が大きいほど外部からの衝撃に強いと考えられる。図4は、化学強化条件として、化学強化処理液の加熱温度を440℃〜500℃、処理時間(浸漬時間)を2〜9時間の範囲内でそれぞれ変更したときの、圧縮応力層深さと最大圧縮応力値との関係を示す。
図4によると、端面(頂部以外の領域面)や主表面の垂線方向に測定される圧縮応力層は、その深さが深くなるに従い、最大圧縮応力値が低下することが示されている。つまり、ガラス基板に対して化学強化を深く入れすぎると最大圧縮応力値がかえって低下することになる。
このことを端面の頂部について検討すると、頂部(特に頂角が鋭角である場合)はぶつかった際に応力集中しやすく割れ易いため、より高い強度を持つことが望まれる。しかし、頂部では、前記のとおり想定以上のイオン交換が進行し、その化学強化条件によって主表面等で生成される圧縮応力層よりも深い圧縮応力層が形成され、その結果、想定されるよりも低い圧縮応力しか得られない。そのため頂部では、外部からの衝撃に対して余計にクラックや傷等が発生し易く、それを起点とする欠け、割れが発生し易くなっているものと考えられる。
本発明者は、以上の知見に基づき、端面頂部での衝撃に対する十分な強度が得られるための条件について検討を行った。
一部はすでに記載したことと重複するが、端面(頂部以外の領域面)や主表面の垂線方向に測定される圧縮応力層の深さをd[μm](実測値)、頂部におけるその頂角の二等分線方向に測定される圧縮応力層の深さの理論値をd'[μm]、頂部の頂角をθ[度]、端面(頂部以外の域面)や主表面での最大圧縮応力値をCS[MPa](実測値)、頂部での最大圧縮応力値の理論値をCS'[MPa]とする。
前記のとおり、d'=d/sin(θ/2)となる。
また、CS'=A×(d'−d)+CS=A×{(d/sin(θ/2))−d}+CS
・・・(1)式
との関係式が成り立つ。
ここで、Aは圧縮応力層の深さの変化量に対する圧縮応力値の変化量の比であり、−10MPa/μm以上−0.5MPa/μm以下の範囲内の値を選択することができる。Aが−0.5MPa/μmよりも大きい場合には、圧縮応力層の深さの変化量に対する圧縮応力値の変化量(低下)が小さいので、上記の関係式を適用して頂部での化学強化の入り方を検討する必要性に乏しい。一方、Aが−10MPa/μmよりも小さい場合には、圧縮応力層の深さの変化量に対する圧縮応力値の変化量(低下)が大きいガラス素材であるため、そのようなガラス基板は電子機器用カバーガラスとして適さない。
ここで、頂部を有する端面の脆性に起因する欠けや割れ等の発生を抑えるためには、頂部の圧縮応力値の理論値CS'を600MPa以上とすることが好ましいことが、種々の実験により発明者によって確認された。CS'≧600MPaとなる場合の、圧縮応力層深さd、頂角θ、表面での最大圧縮応力値CSを以下の関係式によって求め、その結果を図5に示す。
600MPa≦A×{(d/sin(θ/2))−d}+CS
ここで、Aの値、即ち圧縮応力層の深さの変化量に対する圧縮応力値の変化量の比は、ガラス組成がSiO2:60.2重量%、Al23:13.2重量%、Na2O:13.9重量%、K2O:3.3重量%、MgO:2.2重量%、CaO:3.2重量%、ZrO:4.0重量%の場合には、図4で示すような実用強化条件での実験結果から計算できる。
この強化条件の一例としては、硝酸カリウム100%の溶融塩を用いて、一般的な化学強化温度域であるTg(そのガラスのガラス転移温度)−150℃の化学強化処理液の加熱温度にて、dが例えば20μm及び40μmとなる強化条件での測定値から、圧縮応力層の深さの変化量に対する圧縮応力値の変化量の比を求め、その比をAとして使用することができる。
なお、ここでAは、図4の結果から、−3.5MPa/μmとした。
ここで、本発明に適用される化学強化可能なアルミノシリケートガラスであって、SiO2が50〜70重量%、Al23が5〜20重量%、Na2Oが6〜20重量%、K2Oが0〜10重量%、MgOが0〜10重量%、CaOが0〜10重量%を主成分として含有するガラス組成のアルミノシリケートガラスについては、圧縮応力層の深さの変化量に対する圧縮応力値の変化量が図4に示す実験結果と実質的に同等であることが確認された。従って、この組成範囲であれば、Aの値として−3.5MPa/μmを用いて、頂部の圧縮応力値の理論値CS'を求めることができる。
頂角θは、本発明においては通常30度以上135度以下であることを想定する。頂角が135度以下である場合、想定以上の深さの化学強化が入ることによる圧縮応力の低下が顕著であり、本発明が好ましく適用され、さらに好ましくは30度以上120度以下の範囲である。なお、頂角が30度未満である場合は、化学強化の有無に関わらず構造上欠け易いので、予め面取り加工等が必要である。また、頂角が135度を超える場合には、図5に示すように、CSとCS'との差が極めて小さいため、想定以上の深さの化学強化が入ることによる圧縮応力の低下が生じにくい。
ここでは、例えば30〜135度を想定すると、CS'≧600MPaであるためには、例えばθは30度、dは60μmを超えると、CS≧1400MPaとなり実現が難しいため、dは60μm以下、CSは600MPa以上であることが適当である。
以上のことから、本発明に係る電子機器用カバーガラスに用いられるガラス基板は、一対の主表面と、該一対の主表面と隣合う端面を有し、該端面は、断面視において頂部を有する形状を持ち、前記ガラス基板は、イオン交換による化学強化が施されたことによる圧縮応力層を表層に有し、前記主表面の最大圧縮応力値が600MPa以上、且つ圧縮応力層の深さが60μm以下であり、前記頂部の頂角をθ[度]、前記主表面の最大圧縮応力値をCS[MPa]、前記主表面の圧縮応力層の深さをd[μm]とすると、
600MPa≦A×{(d/sin(θ/2))−d}+CS
(ここで、Aは圧縮応力層の深さの変化量に対する圧縮応力値の変化量の比であり、−10MPa/μm以上−0.5MPa/μm以下の範囲内の値である。)の関係を満たすことを特徴とするものである。このようなガラス基板を得るためには、たとえば前述の化学強化条件を適宜調節することが好ましい。
ここで、SiO2が50〜70重量%、Al23が5〜20重量%、Na2Oが6〜20重量%、K2Oが0〜10重量%、MgOが0〜10重量%、CaOが0〜10重量%を含有するガラス組成の場合には、Aとして−3.5MPa/μmを用いると、圧縮応力に関する関係式は以下のようになる。
600MPa≦−3.5×{(d/sin(θ/2))−d}+CS
本発明の電子機器用カバーガラスのガラス基板によれば、特に頂部を有する端面の強度を向上させ、例えば頂部での最大圧縮応力値が600MPa以上となり、従来の構造上、あるいは想定以上の深さの化学強化が入ることによる圧縮応力の低下等、頂部を有する端面の脆性に起因する欠けや割れ等の発生を低減することができる。
なお、前述の図1に示されるように、ガラス基板1の端面13に頂部14,15,16を有する形状である場合、特に頂角が鋭角である頂部の強度をより向上させることが望ましく、その観点から前述の化学強化条件を適宜調節することが好ましい。
以上説明した化学強化処理を終えたガラス基板を用いて電子機器用カバーガラスが作製される。
上記ガラス基板そのものを電子機器用カバーガラスとしてもよい。あるいは、電子機器の用途に応じて、上記ガラス基板の一方の主表面に対して、一層以上の加飾層を設けてもよい。加飾層としては、反射防止コート、アンチグレアコート、ハーフミラーコート、偏光膜などの光学的機能を有する層、ITO(Indium Tin Oxide)膜に代表される透明導電膜などの電気的機能を有する層、印刷層などの審美性を向上させる機能を有する層などが挙げられる。また、複数の加飾層を積層、パターニング加工することで、タッチパネルなどの各種デバイスをカバーガラスに形成することもできる。これら加飾層の形成手段としては、蒸着法、スパッタ法等の成膜法、スクリーン印刷等の印刷法などが挙げられる。
なお、以上の化学強化処理を行ったガラス基板の表面に所望の防汚コーティングを施してもよい。利用者がタッチパネル方式の携帯機器を使用する場合、その表示画面を指で直接触れて操作するため、表示画面を保護するカバーガラスに指紋等の汚れが付着しやすい。従って、カバーガラスに指紋等の汚れが付着するのを防止ないしは抑制し、あるいは指紋等の汚れが付着しても容易に拭き取れるようにすることが望ましい。そのため、カバーガラスの表面には例えばフッ素系樹脂材料を用いた防汚コーティング処理が施されることが好適である。
以上のように、化学強化されたガラス基板に対して、前述の加飾層や防汚コート層を任意に形成することにより、最終的な電子機器用カバーガラスが作製される。
以上説明したように、本発明に係るガラス基板及びこのガラス基板を備える電子機器用カバーガラス、並びにこのガラス基板の製造方法によれば、特に頂部を有する端面の強度を向上させることができ、構造上、あるいは想定以上の深さの化学強化が入ることによる圧縮応力の低下等に起因するガラス基板あるいは製品の電子機器用カバーガラスの欠けや割れ等の発生を低減することができる。
以下に、電子機器用カバーガラスを携帯機器用カバーガラスとした場合について、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例、比較例)
以下の(1)ガラス基板加工工程、(2)化学強化工程、を経て携帯機器用カバーガラスに用いられるガラス基板を作製した。
(1)ガラス基板加工工程
まず、ダウンドロー法やフロート法で製造されたアルミノシリゲートガラスからなる厚さ0.5mmの板ガラスからエッチング法により所定の形状(矩形状)、大きさ(100mm×50mm)に切り出し、上記エッチング後に、主表面側の頂部を研削加工により曲面あるいは面取り加工することで頂部形状を改善したカバーガラス用ガラス基板を作製した。このアルミノシリケートガラスとしては、SiO2:60.2重量%、Al23:13.2重量%、Na2O:13.9重量%、K2O:3.3重量%、MgO:2.2重量%、CaO:3.2重量%、ZrO:4.0重量%を含有する化学強化用ガラスを使用した。
作製したガラス基板をガラスカッターでスクライブ切断した後、切断面を顕微鏡により観察した結果、図1(b)と同様の頂部を有する形状であった。
(2)化学強化工程
次に、上記ガラス基板に化学強化を施した。化学強化は硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合した化学強化処理液(混合比は表1参照)を用意した。この化学強化処理溶液を所定温度に加熱し、上記ガラス基板を所定時間浸漬させて化学強化を行なった。
ここで、上記化学強化処理液の加熱温度を440℃〜500℃、処理時間(浸漬時間)を2〜9時間の範囲内でそれぞれ変更し(表1参照)、表1に示す実施例1〜4および比較例1、2とした。
また、上記ガラス基板加工工程において、機械加工によりガラス基板の外形を形成してガラス基板の端面をエッチング処理し、化学強化を行い、表1に示す実施例5および比較例とした。作製したガラス基板をガラスカッターでスクライブ切断した後、切断面を顕微鏡により観察した結果、図1(c)と同様の頂部を有する形状であった。
こうして化学強化を行った後、ガラス基板を化学強化処理液から取り出し、冷却後、ガラス基板の付着物を取り除くために、ガラス基板を中性洗剤、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
こうして実施例1〜5および比較例1〜のカバーガラス用ガラス基板を作製した。
各ガラス基板の端面頂部の頂角θは、前述の図2を用いて説明した定義に従って、端面の厚さ方向の中央付近に形成された頂部16または厚さ方向の主表面側に形成された頂部15(又は14)の頂角を求めた。
また、各ガラス基板の主表面の圧縮応力値CSおよび圧縮応力層深さ(厚み)dは、ウェブガイド法による表面応力測定装置を使用して測定した。
こうして得られた各ガラス基板の端面頂部の頂角θ、各ガラス基板の主表面の圧縮応力値CSおよび圧縮応力層深さ(厚み)dの値を用いて、前述の(1)式(CS'=A×{(d/sin(θ/2))−d}+CS)により、各ガラス基板の頂部での最大圧縮応力値の理論値CS'[MPa]を求め、表1に示した。なお、図4の結果から、A=−3.5MPa/μmとした。
また、各ガラス基板について、エッジ落下テストを行った。このテストは、図6(a)に示すとおり、図示していない台上に水平に置いた焼入れ鋼のピン2(φ1mm、幅(長さ)20mm)に向かって、上方(15cm)からガラス基板1を垂直に落下させ、ガラス基板の割れや、端面の中央の頂部の欠けの有無を評価した。
なお、実施例4,5および比較例2、3のガラス基板については、図6(b)に示すとおり、上記ピン2を水平から45度に傾け、このピンに向かって、上方(15cm)からガラス基板1を垂直に落下させ、ガラス基板の割れや、端面の中央ではなく主表面側の頂部の欠けの有無を評価した。
上記エッジ落下テストにおけるガラス基板のエッジ打撃場所は、表1中に、図1(b)の頂部16の場合を「1(b)-16」、図1(b)の頂部15(又は14)の場合を「1(b)-15」、図1(c)の頂部15(又は14)の場合を「1(c)-15」とそれぞれ表記した。
なお、表1では、割れ、欠けのないものを「○」とした。
以上の結果を纏めて下記表1に示した。
Figure 0006313391
表1の結果から、本発明実施例のガラス基板は、前述の関係式を満たすように化学強化が施されることにより、端面頂部での圧縮応力値の理論値が高くなる(600MPa以上)。この結果、前述の関係式を満たすように化学強化が施されることにより、上記のエッジ落下テストにおいて、ガラス基板の端面(特に頂部)の強度が向上していることが確認できた。
一方、比較例のガラス基板は、上記のエッジ落下テストで欠けが発生した。この比較例のガラス基板においては、化学強化による前述の関係式が満たされておらず、端面頂部での圧縮応力値は600MPa未満であり、化学強化による端面の強度向上が達成されていない。
なお、本発明は以上の実施例に限定されるものではない。例えば、電子機器用カバーガラスを、タッチセンサ用カバーガラスまたはトラックパッド用カバーガラスとしてもよい。
1 ガラス基板
11,12 ガラス基板の主表面
13 ガラス基板の端面
14,15,16 頂部

Claims (10)

  1. 一対の主表面を有するガラス基板であって、該一対の主表面と隣合う端面を有し、該端面は、断面視において頂部が配置されており、
    前記ガラス基板は、イオン交換による化学強化が施されたことによる圧縮応力層を表層に有し、前記主表面の最大圧縮応力値が600MPa以上、且つ圧縮応力層の深さが60μm以下であり、
    前記頂部の頂点と、該頂点から半径10μmの円を描いたときにその円とガラス基板の輪郭線との接点とをそれぞれ結ぶ2つの仮想線のなす角を頂部の頂角θ[度]とすると、
    前記頂部の頂角θは30度以上135度以下であり、
    前記頂部が圧縮応力層を有し、
    前記主表面の最大圧縮応力値をCS[MPa]、前記主表面の圧縮応力層の深さをd[μm]とすると、前記頂部において、
    600MPa≦A×{(d/sin(θ/2))−d}+CS
    (ここで、圧縮応力層の深さの変化量に対する圧縮応力値の変化量の比をA[MPa/μm]とする。)
    の関係を満たし、
    前記主表面の少なくとも一方には一層以上の加飾層が設けられている
    ことを特徴とするガラス基板。
  2. 前記加飾層は、反射防止コート、アンチグレアコート、ハーフミラーコート、偏光膜、透明導電膜、印刷層およびそれらの積層またはパターニング加工されてなる層からなる群より選ばれる少なくとも1つの層からなることを特徴とする請求項1に記載のガラス基板。
  3. 前記Aは、−10MPa/μm以上、−0.5MPa/μm以下の範囲内の値であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス基板。
  4. 前記ガラス基板の端面は、断面視において基板内部に向かって略円弧を描くような2つの凹面が基板の厚さ方向の中央付近で交差した形状を有し、前記ガラス基板の端面における厚さ方向中央付近と、端面における厚さ方向主表面側とのそれぞれに前記頂部が配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガラス基板。
  5. 前記ガラス基板の端面は、その端面における厚さ方向中心部が湾曲し、端面における厚さ方向主表面側に前記頂部が配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガラス基板。
  6. 前記ガラス基板の厚さは、0.1mm〜1.5mmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のガラス基板。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載のガラス基板を備えることを特徴とする電子機器用カバーガラス。
  8. 一対の主表面を有するガラス基板の製造方法であって、
    該製造方法は、板ガラスから所定の外形形状を切り抜き前記ガラス基板の外形を加工する外形加工工程と、前記外形加工したガラス基板に対して、イオン交換による化学強化処理を施す化学強化工程と、前記主表面の少なくとも一方に一層以上の加飾層を設ける工程とを含み、
    前記外形加工工程では、一対の主表面と、該一対の主表面と隣合う端面を有し、該端面は、断面視において頂部が配置されている形状を有するガラス基板を形成し、
    前記頂部の頂点と、該頂点から半径10μmの円を描いたときにその円とガラス基板の輪郭線との接点とをそれぞれ結ぶ2つの仮想線のなす角を頂部の頂角θ[度]とすると、
    前記化学強化工程では、
    前記頂部の頂角θは30度以上135度以下であり、
    化学強化が施されたことによる前記主表面の最大圧縮応力値をCS[MPa]、化学強化が施されたことにより形成される前記主表面の圧縮応力層の深さをd[μm]とすると、前記頂部において、
    600MPa≦A×{(d/sin(θ/2))−d}+CS
    (ここで、圧縮応力層の深さの変化量に対する圧縮応力値の変化量の比をA[MPa/μm]とする。)
    の関係を満たすように化学強化処理を施すことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  9. 前記加飾層は、反射防止コート、アンチグレアコート、ハーフミラーコート、偏光膜、透明導電膜、印刷層およびそれらの積層またはパターニング加工されてなる層からなる群より選ばれる少なくとも1つの層からなることを特徴とする請求項に記載のガラス基板の製造方法。
  10. 前記Aは、−10MPa/μm以上、−0.5MPa/μm以下の範囲内の値であることを特徴とする請求項又はに記載のガラス基板の製造方法。
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