JP2013006745A - 携帯機器用カバーガラスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】化学強化されたカバーガラス用ガラス基板の表面に直接印刷を施すことが可能で、しかも印刷時のガラス基板の傷発生を防止することが可能な携帯機器用カバーガラスの製造方法を提供する。
【解決手段】携帯機器に用いられるカバーガラスの製造方法であって、カバーガラス用ガラス基板の表面に印刷を施す印刷工程を含む。この印刷工程の前に、上記ガラス基板1の印刷面1Aを除く領域に保護膜2を形成する。たとえば印刷工程に使用する印刷機における位置決め部材と接触するガラス基板の領域に少なくとも保護膜2を形成する。そして印刷工程では、この保護膜2を形成した状態のガラス基板1の印刷面1Aに対して印刷を施す。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯機器の表示画面の保護に用いられる携帯機器用カバーガラスの製造方法に関するものである。
従来、携帯電話やPDA等の携帯機器の表示画面を保護するために、透明性に優れ且つ軽量なアクリル樹脂板が一般に用いられていた。近年、タッチパネル方式の携帯機器が主流を占めるようになり、このタッチパネル機能対応のため表示画面の強度向上が求められており、従来のアクリル樹脂材料に替わって、薄くても高い強度を有するガラス材料が多く使用されるようになってきている。さらに、ガラス材料は、従来のアクリル樹脂材料と比べると、機械的強度(耐加傷性、耐衝撃性)、表面平滑性、保護性(耐候性、防汚性)見栄え・高級感、価格など、いずれの点でも優位である。
このようなガラス材料からなるカバーガラスは、概ね次のようなプロセスで製造されている。
シート状に成形されたガラス素材を機械加工(カッティング)あるいはエッチング加工等で所定の大きさに小片化し、カバーガラス用ガラス基板を作製する。
次に、このガラス基板に対して機械加工あるいはエッチング加工により、必要な孔明け加工や外周形状加工などを行う。
次に、形状加工を終えたガラス基板に化学強化処理を行う。この化学強化処理とは、ガラス中のナトリウムNaをイオン半径の大きいカリウムKと交換させ、ガラス表面に圧縮応力層を形成する処理法である。カバーガラスは、衝撃、押圧が加わるため高い強度が必要である。
次いで、以上の化学強化処理を行ったガラス基板の表面に所望の印刷を施す。
こうして出来上がったカバーガラスは、携帯機器に組み込まれる。
特開2003−140558号公報 米国特許出願公開2009/197048号公報
上記のように、カバーガラス用ガラス基板は、その強度を向上させるため化学強化処理を行っている。ところで、カバーガラスの強度を阻害する要因の一つは傷である。カバーガラスの表面や端面に傷があるとそれが成長し、比較的弱い衝撃でもカバーガラスが破壊する要因となる。
上述のカバーガラスの製造プロセスでは、カバーガラス用ガラス基板に対して化学強化処理を行った後、印刷工程を行っている。カバーガラスの印刷方式は一般的にはスクリーン印刷である。通常、スクリーン印刷機に付属した位置決め治具に上記ガラス基板を1枚づつ装填して、順次印刷層を塗り重ねていく。例えば最初に、印刷層Aのスクリーンが装着された印刷機に付属した位置決め治具にガラス基板を装填して、印刷層Aを印刷した後に、ガラス基板を治具から取り外し、熱硬化インキであれば60〜100℃程度の温度で加熱し、UV硬化インキであれば指定積算エネルギーの紫外線(UV)を照射して印刷層Aを予備乾燥する。次に、印刷層Bのスクリーンが装着された印刷機に付属した位置決め治具に上記印刷層Aを印刷したガラス基板を装填して、印刷層Bの印刷を行い、再度ガラス基板を治具から取り外した後に印刷層Bを予備乾燥するといった作業を繰り返す。
従って、印刷工程において、このようなガラス基板の印刷機の位置決め治具への装填、治具からの取り外しの作業を繰り返すことに伴って、ガラス基板の表面や端面が治具と何度も接触することによる傷が発生する恐れがある。例えば携帯電話のカバーガラスの例を挙げると、社名や製品名のロゴ、タッチパネル等のアイコン、各種センサー窓、画面周りの縁取り、裏面の押さえ印刷など、少なくとも2層、多いものでは例えば8層構成といった多色多層印刷を必要とする製品もあり、特に最近では印刷層の積層数が増える傾向にある。このように印刷回数が多くなるほど傷発生の可能性が高くなる。
特許文献1には、強化ガラス板にスクリーン印刷等の方法によって直接インキ像を形成するかわりに、強化ガラス板の一方の面に文字または模様の印刷を施したフィルムを貼付し、あるいは文字または模様の焼付け塗装を施し、他方の面にはフィルム状の飛散防止皮膜を貼付した携帯型表示装置用保護板が開示されている。この飛散防止皮膜は、強化ガラス板が破損した場合に破片が散らばるのを防止するためのものである。
また、特許文献2には、ガラス板の表面にフッ素系保護膜を施すことが記載されており、このフッ素系保護膜の成膜方法の一例としてディップ法が記載されている。
上記特許文献1、特許文献2には、化学強化工程の後に実施する印刷工程で、化学強化されたガラス基板の表面や端面に傷が発生する恐れがあることは記載されておらず、これら特許文献に開示された先行技術では、上述の印刷工程でガラス基板に傷が発生することを防止することはできない。また、特許文献2に開示されているようにディップ法によってガラス板の表面にフッ素系保護膜を形成すると、スクリーン印刷等によって直接印刷層を形成すること自体が困難になってしまう。
本発明はこのような従来の課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、化学強化されたカバーガラス用ガラス基板の表面に直接印刷を施すことが可能で、しかも印刷時のガラス基板の傷発生を防止することが可能な携帯機器用カバーガラスの製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成を有する発明によれば上記課題を解決できることを見い出した。
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
携帯機器に用いられるカバーガラスの製造方法であって、該製造方法は、カバーガラス用ガラス基板の表面に印刷を施す印刷工程を含み、前記印刷工程の前に、前記印刷工程に使用する印刷機における位置決め部材と接触する前記ガラス基板の領域に少なくとも前記保護膜を形成し、前記印刷工程では、前記保護膜を形成した状態のガラス基板に対して前記印刷を施すことを特徴とする携帯機器用カバーガラスの製造方法である。
(構成2)
前記ガラス基板における対向する2つの主表面のうちの一方の主表面及び該主表面と連続する端面に前記保護膜を形成することを特徴とする構成1に記載の携帯機器用カバーガラスの製造方法である。
(構成3)
前記カバーガラス用ガラス基板は、化学強化されたアルミノシリケートガラスからなることを特徴とする構成1又は2に記載の携帯機器用カバーガラスの製造方法である。
(構成4)
前記保護膜は、防汚性を有する材料からなることを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載の携帯機器用カバーガラスの製造方法である。
(構成5)
前記保護膜は、フッ素系樹脂材料又はシリコン系樹脂材料からなることを特徴とする構成4に記載の携帯機器用カバーガラスの製造方法である。
(構成6)
前記カバーガラス用ガラス基板の厚さは、0.3mm〜1.5mmであることを特徴とする構成1乃至5のいずれかに記載の携帯機器用カバーガラスの製造方法である。
本発明によれば、化学強化されたカバーガラス用ガラス基板の表面に直接印刷を施すことが可能で、しかも印刷時のガラス基板の傷発生を防止することが可能な携帯機器用カバーガラスの製造方法を提供することができる。
本発明に係る携帯機器用カバーガラスの製造方法の一実施の形態を説明するための概略断面図である。 カバーガラス用ガラス基板の形状の一例を示す平面図である。 (a)、(b)、(c)はガラス基板用の位置決め治具の具体例を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
本発明に係るガラス材料からなる携帯機器用カバーガラスは、以下に説明するようなプロセスで製造される。
まず、シート状に成形されたガラス素材を機械加工等により所定の大きさにカッティング(小片化)し、カバーガラス用ガラス基板を作製する。
ダウンドロー法やフロート法等で製造された厚さが例えば0.5mm程度のシート状ガラス素材(板ガラス)を多数枚(例えば数十枚程度)積層(ラミネート)し、ガラス用カッターを用いて所定の大きさの小片に切断する。勿論、シート状ガラス素材を1枚づつ加工してもよいが、積層状態のものを一度に切断加工すると、次の形状加工工程においても積層状態の小片を一度に形状加工できるので、生産上有利である。
小片の大きさは、製品のカバーガラスの大きさに外周形状加工に必要なマージンを加えた大きさを考慮して決定すればよい。
なお、上記カバーガラス用ガラス基板の厚さは、最近の携帯機器の薄型化・軽量化のマーケットニーズに応える観点から例えば0.3mm〜1.5mm程度の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.5mm〜0.7mm程度の範囲である。
本発明においては、カバーガラス用ガラス基板を構成するガラスは、アモルファスのアルミノシリケートガラスとすることが好ましい。このようなアルミノシリケートガラスからなるガラス基板は、化学強化後の強度が高く良好である。このようなアルミノシリケートガラスとしては、SiO2が58〜75重量%、Al23が0〜20重量%、Li2Oが0〜10重量%、Na2Oが4〜20重量%を主成分として含有するアルミノシリケートガラスを用いることができる。
なお、上述の機械加工以外の手段としては、エッチング法を適用することもできる。すなわち、上記シート状ガラス素材の表面に感光性レジスト(感光性材料)を塗布し、所定の露光、現像を行って、カッティングラインのパターンを有するレジストパターン(カッティングライン上にはレジストが存在していないパターン)を形成する。そして、このようなレジストパターンを形成したガラス素材を溶解可能なエッチング液(例えばフッ酸を主成分とする酸性溶液など)を用いてウェットエッチングすることにより、所定の大きさの小片に切断する。残ったレジストパターンを剥離し、洗浄する。
次に、この所定の大きさの小片に加工されたカバーガラス用ガラス基板に対して機械加工あるいはエッチング加工により、必要な孔明け加工や外周形状加工などを行う。
図2はカバーガラス用ガラス基板の形状の一例を示す平面図である。図2に示す例では、カバーガラス用ガラス基板1は、外形抜き1a、切り欠き1b、耳孔1c、およびキー操作孔1dが形成されている。このような孔明け加工および外周形状加工をサンドブラスト等で機械加工してもよいし、あるいはエッチング加工により、これら孔明け加工および外周形状加工を一括処理することもできる。特に複雑な形状加工にはエッチング加工が有利である。なお、エッチング加工の方法は、上述の切断加工におけるエッチング加工法と同様である。また、加工形状に応じて機械加工とエッチング加工を併用してもよい。
次に、形状加工を終えたガラス基板に対して化学強化処理を行う。なお、ここまでガラス基板を積層状態のまま加工を行っていた場合には、化学強化の前に1枚づつ剥離(分離)しておく。
化学強化処理の方法としては、例えば、ガラス転移点の温度を超えない温度領域、例えば摂氏300度以上500度以下の温度で、イオン交換を行う低温型イオン交換法などが好ましい。化学強化処理とは、溶融させた化学強化塩とガラス基板とを接触させることにより、化学強化塩中の相対的に大きな原子半径のアルカリ金属元素と、ガラス基板中の相対的に小さな原子半径のアルカリ金属元素とをイオン交換し、ガラス基板の表層に該イオン半径の大きなアルカリ金属元素を浸透させ、ガラス基板の表面に圧縮応力を生じさせる処理のことである。化学強化塩としては、硝酸カリウムや硝酸ナトリウムなどのアルカリ金属硝酸を好ましく用いることができる。化学強化処理されたガラス基板は強度が向上し耐衝撃性に優れているので、衝撃、押圧が加わり高い強度が必要な携帯機器に用いられるカバーガラスには好適である。
次に、以上の化学強化処理を行ったガラス基板の表面に所望の印刷を施す。
本発明の携帯機器用カバーガラスの製造方法は、カバーガラス用ガラス基板の表面に印刷を施す印刷工程を含み、前記印刷工程の前に、印刷工程に使用する印刷機における位置決め部材と接触する前記ガラス基板の領域に少なくとも保護膜を形成し、前記印刷工程では、前記保護膜を形成した状態のガラス基板の印刷面に対して前記印刷を施すことを特徴とするものである。
以下、図1を参照して説明する。
図1は、本発明に係る携帯機器用カバーガラスの製造方法の一実施の形態を説明するための概略断面図である。
まず、図1(a)は、印刷工程に供されるカバーガラス用ガラス基板1であり、このカバーガラス用ガラス基板1は、上述の化学強化処理を行ったガラス基板である。このカバーガラス用ガラス基板1は、その対向する2つの主表面のうちの印刷を施す側の主表面、すなわち印刷面1Aと、その裏面、つまり印刷面と反対側の主表面1Bと、印刷面1Aとその反対側の面1Bとの間の端面1Cとを備えている。
次に、図1(b)に示すように、印刷工程の前に、上記ガラス基板1の印刷面1Aを除く領域、つまり主表面1Bおよび端面1Cの領域に保護膜2を形成する。
上記保護膜2は、印刷工程での位置決めの際に、このようなガラス基板1を印刷機の位置決め治具へ装填し、また位置決め治具から取り外すといった作業を繰り返すことに伴って、ガラス基板1の主表面1Bや端面1Cが位置決め治具と何度も接触することによるガラス基板1の傷の発生を防止(ないしは抑制)するためのものである。
なお、被印刷物(ガラス基板)用の位置決め治具は種々の形態のものがある。たとえば図3はガラス基板用の位置決め治具の具体例をいくつか示すものであるが、ガラス基板の外形が比較的単純な矩形状であれば、(a)に示すようなガラス基板1の隣り合う2辺を固定するピン状の突き当て治具4や、(b)に示すような基準面を設けた突き当て治具5等が用いられることが多い。また、近年の携帯機器はその意匠性向上のため様々な形状の基板が用いられるため、(c)に示すようなそのガラス基板の外周形状の一部を縁取った治具6も用いられている。
本発明においては、上記保護膜2は、本発明の効果をよりいっそう発揮させるためには、印刷工程で使用される印刷機に備えられた位置決め治具と接触するガラス基板1の領域に少なくとも上記保護膜2を形成することが好ましい。
また、上記保護膜2の具体的な形成手段ないしは保護膜形成の容易さ等を考慮した場合、あるいは上記のように位置決め治具には種々の形態が存在しており、いずれの形態にも柔軟に対応できるようにする点を考慮した場合は、印刷機の位置決め治具と接触するガラス基板1の領域を含む領域、例えば上記図1(b)に示すように、ガラス基板1の印刷面1Aを除く領域の全面に上記保護膜2を形成することがより好適である。具体的には、ガラス基板1の印刷面と反対側の主表面1Bおよび端面1Cの全面に上記保護膜2を形成することが好ましい。
従って、上記保護膜2の材質としては、例えば一般の有機ポリマー化合物を含有する材料を用いることが好適である。
なお、上記保護膜2を形成したガラス基板1に所望の印刷層を形成し、出来上がったカバーガラスを携帯機器の表示画面部に組み込むと、カバーガラスの主表面1B側(印刷面1Aとは反対側の面)に形成されている保護膜2が表に露出することになる。利用者がタッチパネル方式の携帯機器を使用する場合、その表示画面を指で直接触れて操作するため、表示画面に指紋等の汚れが付着しやすい。従って、表示画面に指紋等の汚れが付着するのを防止ないしは抑制し、あるいは指紋等の汚れが付着しても容易に拭き取れるようにすることが望ましい。そのためには、上記保護膜2の材質として、指で直接触れても(押しても)指紋等の汚れが付着するのを防止ないしは抑制し、あるいは指紋等の汚れが付着しても拭き取り易くする防汚性を有する材料を選択することがより好適である。また、透明性に優れていることも重要である。
本発明においては、印刷工程におけるガラス基板1の傷発生を防止ないしは抑制し、且つ防汚性を有し、さらには透明性にも優れている材料としては、たとえばフッ素系樹脂材料(例えばパーフルオロポリエーテル化合物など)又はシリコン系樹脂材料(例えばシリコーン樹脂など)などの表面エネルギーを低下させる材料が好ましく挙げられる。
上記の有機ポリマー化合物材料を用いた保護膜2は、例えば、ハーフディップコート法を利用して塗布形成することができる。すなわち、適当な溶媒中に例えば上記フッ素系樹脂又はシリコン系樹脂を主成分として含有する塗布液を調整し、ガラス基板1を水平にして、その一方の主表面及び端面のみを塗布液に浸漬させ、ガラス基板1の一方の主表面及び端面(上記主表面1B及び端面1C)のみを塗布する方法である。この場合、塗布しない主表面(1A)に塗布液が回り込まないように、ガラス基板を塗布液に浸漬させた際のガラス基板または塗布液面の高さ調整を行うことが重要である。
また、コート塗布法によって塗布形成することもできる。コート塗布法とは、適当な溶媒中に例えば上記フッ素系樹脂又はシリコン系樹脂を主成分として含有する塗料を調整し、一般的なコーターを使用して塗布する方法である。なお、携帯機器に用いられるカバーガラス用ガラス基板は、0.3mm〜1.5mmと薄板厚のものが好適に用いられるため、ガラス基板1の印刷面と反対側の面1Bに保護膜2をコート塗布した場合、ガラス基板1の端面1Cにも回り込むように保護膜2を塗布形成することが可能である。
また、上記保護膜2の材質として、例えばケイ素酸化物(SiOなど)やカーボンなどの無機系材料を用いることも可能である。このような無機系材料の保護膜2は、例えばCVD(Chemical Vaper Deposition)法やスパッタ法によって成膜形成することができる。またこの場合、成膜時に、ガラス基板に対して適当なバイアスを印加することにより、ガラス基板1の印刷面と反対側の面1Bだけでなく、端面1C上にも保護膜2を成膜形成することが可能である。
上記保護膜2の膜厚は、本発明において特に制約される必要はないが、例えば0.5nm〜3000nmの範囲であることが好適である。膜厚が0.5nm未満であると、印刷工程での保護膜機能が十分に発揮されない恐れがある。一方、膜厚が3000nmを超えると、保護膜材料にもよるが、透明性が低下するので携帯機器の保護膜要請に沿わなくなる。
次いで、図1(c)に示すように、印刷工程を実施する。すなわち、印刷工程では、上記保護膜2を形成した状態のガラス基板1の印刷面1Aに対して所望の印刷層(インキ層)3を形成する。ガラス基板1の印刷面1Aには上記保護膜2は形成されていないため、ガラス基板1の表面に直接、スクリーン印刷等によって所望の印刷を施すことができる。前にも説明したように、この印刷工程においては、ガラス基板1を印刷機の位置決め治具へ装填し、また治具から取り外すといった作業を印刷回数(印刷層数)に応じて繰り返すことになるが、本実施の形態では、少なくとも印刷機の位置決め治具と接触するガラス基板1の領域(たとえば印刷面と反対側の面1Bおよび端面1C)には予め保護膜2が形成されているため、ガラス基板1の裏面や端面が上記治具と何度も接触することによるガラス基板1の傷の発生を有効に防止(ないしは抑制)することができる。
なお、本発明においては、ガラス基板1の印刷面1Aには保護膜2が形成されていないが、印刷面は例えばスクリーン印刷版と接触するだけで、印刷機の位置決め治具とは直接接触しないため、印刷面側においてガラス基板の強度に影響を及ぼすような傷が発生する可能性は極めて低い。
こうして出来上がったカバーガラスは、携帯機器に組み込まれる。
以上説明したように、本実施の形態の携帯機器用カバーガラスの製造方法によれば、化学強化されたカバーガラス用ガラス基板の印刷面に対して所望の印刷を施す印刷工程において、ガラス基板の印刷面を除く領域に形成されている保護膜によって印刷工程時のガラス基板の傷発生を防止(ないしは抑制)することができる。
以下に具体的実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
以下の(1)ガラス基板加工工程、(2)形状加工工程、(3)化学強化工程、(4)保護膜形成工程、(5)印刷工程、を経て本実施例のカバーガラスを製造した。
(1)ガラス基板加工工程
まず、ダウンドロー法やフロート法で製造されたアルミノシリゲートガラスからなる厚さ0.5mmの板ガラスから所定の大きさに切り出してカバーガラス用ガラス基板を作製した。このアルミノシリケートガラスとしては、SiO:58〜75重量%、Al:5〜23重量%、LiO:3〜10重量%、NaO:4〜13重量%を含有する化学強化用ガラスを使用した。
(2)形状加工工程
次に、砥石等を用いて上記ガラス基板に孔を空けると共に、例えば前述の図3に示すような外周端面の形状加工を施した。
(3)化学強化工程
次に、上記形状加工を終えたガラス基板に化学強化を施した。化学強化は硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合した化学強化液を用意し、この化学強化溶液を380℃に加熱し、上記形状加工後の洗浄・乾燥済みのガラス基板を約4時間浸漬して化学強化処理を行なった。化学強化を終えたガラス基板を硫酸、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
(4)保護膜形成工程
フッ素系樹脂(スリーエム社製 EGC-1720)を溶剤で適当な濃度に調整した塗布液(液温25℃)を用いて、前述のハーフディップコート法により、上記化学強化を終えたガラス基板の一方の主表面および端面に上記フッ素系樹脂からなる保護膜を塗布し、100℃で熱風乾燥した。保護膜の塗布膜厚は10nmとした。
(5)印刷工程
上記保護膜を形成した状態のガラス基板の印刷面に対して印刷工程を実施した。
すなわち、上記ガラス基板の印刷面(保護膜は形成されていない)に、スクリーン印刷によって所定の印刷層(インキ層)を形成した。本実施例では、全部で8層の印刷層を形成した。なお、熱硬化インキを使用し、各印刷層の印刷後に60〜100℃程度の温度で熱風乾燥した。また、各印刷層の印刷の度に保護膜付きガラス基板を印刷機の位置決め治具へ装填し、また該治具から取り外すといった作業を印刷回数(8回)だけ繰り返した。
本実施例では、上記保護膜の形成されていないガラス基板の印刷面に対して所望の印刷を施すことができた。また、印刷品質(熟練者の目視評価による)は、製品としてまったく問題のないレベルであった。
こうして本実施例のカバーガラスを製造した。
また、この製造したカバーガラスの保護膜を除去し、光学顕微鏡を用いて、保護膜が形成されていたガラス基板の主表面及び端面を詳細に検査したところ、ガラス基板に傷の発生は検出されなかった。つまり、使用した印刷機の位置決め治具と接触したガラス基板の裏面(印刷面と反対側の面)及び端面には印刷工程の前に予め保護膜が形成されていたため、印刷工程で位置決め治具と何度も接触することによるガラス基板の傷の発生を有効に防止することができた。
(比較例)
実施例1と同様に化学強化工程まで行ったガラス基板に対して、上記保護膜形成を行わずに、実施例1と同様の印刷工程を行った。
こうして得られた本比較例のカバーガラスにおいては、化学強化したガラス基板の印刷面に、印刷品質の良好な印刷を施すことができた。しかし、光学顕微鏡を用いて、ガラス基板の主表面及び端面を詳細に検査したところ、特に印刷機の位置決め治具と直接接触したガラス基板の上記裏面及び端面には多数の傷が発見された。つまり、本比較例によるカバーガラスにおいては、印刷工程の前にガラス基板に保護膜が一切形成されていないため、印刷工程での印刷機の位置決め治具と何度も接触することによるガラス基板の傷の発生を防止することができない。
つまり、上述の比較例では、印刷品質の良好な印刷ができること、印刷工程でのガラス基板の傷の発生を防止できることの両方の課題を同時に解決することはできない。
1 カバーガラス用ガラス基板
1A 印刷面
1B 印刷面と反対側の主表面
1C 端面
2 保護膜
3 印刷層(インキ層)
4、5、6 位置決め治具

Claims (6)

  1. 携帯機器に用いられるカバーガラスの製造方法であって、
    該製造方法は、カバーガラス用ガラス基板の表面に印刷を施す印刷工程を含み、
    前記印刷工程の前に、前記印刷工程に使用する印刷機における位置決め部材と接触する前記ガラス基板の領域に少なくとも前記保護膜を形成し、
    前記印刷工程では、前記保護膜を形成した状態のガラス基板に対して前記印刷を施すことを特徴とする携帯機器用カバーガラスの製造方法。
  2. 前記ガラス基板における対向する2つの主表面のうちの一方の主表面及び該主表面と連続する端面に前記保護膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の携帯機器用カバーガラスの製造方法。
  3. 前記カバーガラス用ガラス基板は、化学強化されたアルミノシリケートガラスからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯機器用カバーガラスの製造方法。
  4. 前記保護膜は、防汚性を有する材料からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の携帯機器用カバーガラスの製造方法。
  5. 前記保護膜は、フッ素系樹脂材料又はシリコン系樹脂材料からなることを特徴とする請求項4に記載の携帯機器用カバーガラスの製造方法。
  6. 前記カバーガラス用ガラス基板の厚さは、0.3mm〜1.5mmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の携帯機器用カバーガラスの製造方法。
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