JP2005261181A - スイッチング電源回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】力率改善のための構成を含むスイッチング電源回路として、リップル増加の問題を解消し、かつ、高電力変換効率も得られるようにする。
【解決手段】ハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータに対して部分共振電圧回路を組み合わせた複合共振形コンバータにおいて、力率改善は、一次側直列共振回路に得られる一次側直列共振電流を電力として回生して平滑コンデンサCiに帰還する構成(電力回生方式)の力率改善回路11により行う。この構成の下で、絶縁コンバータトランスPITの磁束密度を所定以下に設定することで、負荷変動に関わらず二次側両波整流回路の整流動作電流が連続モードとなるようにして、これにより、電力回生に起因する二次側直流出力電圧のリップル電圧の増加を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、力率改善回路を備えたスイッチング電源回路に関するものである。
先に本出願人は、一次側に共振形コンバータを備えた電源回路を各種提案している。また、共振形コンバータに対して力率改善を図るための力率改善回路を備えて構成した電源回路も各種提案している。
図25、図26はそれぞれ、先に本出願人により出願された発明に基づいて構成されるスイッチング電源回路の一例を示す回路図である。
先ず、図25の電源回路は、自励式による電流共振形のスイッチングコンバータに対して力率改善回路20を備えた構成である。この電源回路におけるスイッチングコンバータは、ハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータと、半導体スイッチ(スイッチング素子)のターンオフ時にのみ電圧共振する部分電圧共振回路を組み合わせたスイッチングコンバータとされている。
この図25に示す電源回路においては、商用交流電源ACを全波整流するブリッジ整流回路Diが備えられている。この場合、ブリッジ整流回路Diにより整流された整流出力は、力率改善回路20を介して平滑コンデンサCiに充電され、平滑コンデンサCiの両端には、交流入力電圧VACの等倍のレベルに対応する整流平滑電圧Eiが得られることになる。
力率改善回路20については後述する。
また、この電源回路には、平滑コンデンサCiの両端電圧である整流平滑電圧Eiを動作電源とする自励式の電流共振形コンバータが備えられる。
この電流共振形コンバータにおいては、図のように2つのバイポーラトランジスタによるスイッチング素子Q1 ,Q2 をハーフブリッジ結合したうえで、平滑コンデンサCiの正極側と一次側アース間に対して挿入するようにして接続されている。
これらスイッチング素子Q1 、Q2 の各コレクタ−ベース間には、それぞれ起動抵抗RS1、RS2が挿入されている。また、スイッチング素子Q1 、Q2 の各ベースに対して接続される抵抗RB1、RB2は、スイッチング素子Q1 、Q2 のベース電流(ドライブ電流)を設定する。
また、スイッチング素子Q1 、Q2 の各ベース−エミッタ間にはそれぞれクランプダイオードDD1,DD2が挿入される。クランプダイオードDD1,DD2は、それぞれスイッチング素子Q1,Q2がオフとされる期間に、ベース−エミッタを介して流れるクランプ電流の電流経路を形成する。
そして、共振用コンデンサCB1,CB2は次に説明するドライブトランスPRTの駆動巻線NB1、NB2と共に、自励発振用の直列共振回路(自励発振駆動回路)を形成しており、スイッチング素子Q1 、Q2 のスイッチング周波数を決定する。
この場合のドライブトランスPRT (Power Regulating Transformer)は、スイッチング素子Q1 、Q2 を駆動すると共に、スイッチング周波数を可変制御することにより定電圧制御を行うために設けられる。この図の場合のドライブトランスPRTは、駆動巻線NB1、NB2が巻回され、更にこれらの各巻線に対して制御巻線NC が直交する方向に巻回された直交型の可飽和リアクタとされている。
このドライブトランスPRTの駆動巻線NB1の一端は、抵抗RB1−共振用コンデンサCB1の直列接続を介してスイッチング素子Q1 のベースに接続される。駆動巻線NB1の他端側は、共振電流検出巻線NDの端部との接続点となるタップ点とされているが、この駆動巻線NB1の他端(タップ点)はスイッチング素子Q1 のエミッタに接続される。
また、駆動巻線NB2の一端はアースに接地されると共に、他端は抵抗RB2−共振用コンデンサCB2の直列接続を介してスイッチング素子Q2 のベースと接続されている。
駆動巻線NB1と駆動巻線NB2は互いに逆極性の電圧が発生するように巻装されている。
絶縁コンバータトランスPIT (Power Isolation Transformer)は、スイッチング素子Q1 、Q2 のスイッチング出力を二次側に伝送する。
この絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1 の一端は、共振電流検出巻線NDを介してスイッチング素子Q1 のエミッタとスイッチング素子Q2 のコレクタの接点(スイッチング出力点)に接続されることで、スイッチング出力が得られるようにされる。
また、一次巻線N1 の他端は、直列共振コンデンサC1 を介するようにして、力率改善回路20内の高速リカバリ型ダイオードD1 のカソードに対して接続されている。
この場合、直列共振コンデンサC1 及び一次巻線N1 は直列に接続されているが、この直列共振コンデンサC1 のキャパシタンス、及び一次巻線N1 (直列共振巻線)を含む絶縁コンバータトランスPITのリーケージインダクタンス(漏洩インダクタンス)成分L1により、スイッチングコンバータの動作を電流共振形とするための一次側電流共振回路を形成している。
また、スイッチング素子Q2 のコレクタ−エミッタ間に対して並列に並列共振コンデンサCpが接続されている。
この並列共振コンデンサCpが接続されることにより、並列共振コンデンサCpのキャパシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンス成分L1によってスイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時にのみ電圧共振動作が得られることになる。つまり、部分電圧共振回路が形成される。
この図における絶縁コンバータトランスPITの二次側では、二次巻線N2に対してセンタータップを設けた上で、整流ダイオードDO1,DO2,DO3,DO4及び平滑コンデンサCO1,CO2を図のように接続することで、[整流ダイオードDO1,DO2,平滑コンデンサCO1]の組と、[整流ダイオードDO3,DO4,平滑コンデンサCO2]の組とによる、2組の両波整流回路が設けられる。[整流ダイオードDO1,DO2,平滑コンデンサCO1]から成る両波整流回路は直流出力電圧EO1を生成し、[整流ダイオードDO3,DO4,平滑コンデンサCO2]から成る両波整流回路は直流出力電圧EO2を生成する。
なお、この場合には、直流出力電圧EO1及び直流出力電圧EO2は制御回路1に対しても分岐して入力される。制御回路1においては、直流出力電圧EO1を検出電圧として利用し、直流出力電圧EO2を動作電源として利用する。
なお、整流ダイオードDO1,DO2、及び整流ダイオードDO3,DO4には、スイッチング周期に応じた高速のスイッチング動作(整流動作)を行うのに対応して、例えばショットキーダイオードが選定される。
制御回路1は、例えば二次側の直流出力電圧EO1のレベルに応じてそのレベルが可変される直流電流を、制御電流としてドライブトランスPRTの制御巻線NC に供給することにより定電圧制御を行う。
上記構成による電源回路のスイッチング動作としては、先ず商用交流電源が投入されると、例えば起動抵抗RS1,RS2を介してスイッチング素子Q1,Q2 のベースに起動電流が供給されることになるが、例えばスイッチング素子Q1 が先にオンとなったとすれば、スイッチング素子Q2 はオフとなるように制御される。そしてスイッチング素子Q1 の出力として、共振電流検出巻線ND →一次巻線N1 →直列共振コンデンサC1 に共振電流が流れるが、この共振電流が0となる近傍でスイッチング素子Q2 がオン、スイッチング素子Q1 がオフとなるように制御される。そして、スイッチング素子Q2 を介して先とは逆方向の共振電流が流れる。以降、スイッチング素子Q1 、Q2 が交互にオンとなる自励式のスイッチング動作が開始される。
このように、平滑コンデンサCiの端子電圧を動作電源としてスイッチング素子Q1 、Q2 が交互に開閉を繰り返すことによって、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1 に共振電流波形に近いドライブ電流を供給し、二次巻線N2 に交番出力を得る。
上記のように制御回路1は、例えば二次側の直流出力電圧EO1のレベルに応じてそのレベルが可変される直流電流を、制御電流としてドライブトランスPRTの制御巻線NC に供給することにより定電圧制御を行う。
即ち、直流電圧出力EO1のレベルに応じた制御電流を制御巻線NC に流すことで、駆動巻線NB1,NB2のインダクタンスを変化させ、これにより自励発振回路を形成するインダクタンス値を可変するようにされる。このようにしてインダクタンス値が可変されれば、自励発振回路の発振周波数が変化することとなって、結果的に、スイッチング周波数が可変制御される。このように、直流出力電圧EO1のレベルに応じてスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数が可変制御されることで、一次側直列共振回路の一次巻線N1 に供給されるドライブ電流が制御されて、二次側に伝送されるエネルギーが制御されることにより、二次側直流出力電圧の定電圧制御が図られることになる。
なお、以降は上記のような方法による定電圧制御方式を「スイッチング周波数制御方式」ということにする。
続いて、力率改善回路20の構成について説明する。
この力率改善回路20は磁気結合形による電力回生方式としての構成を採る。
力率改善回路20においては、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子と平滑コンデンサCiの正極端子間に対して、フィルタチョークコイルLN −高速リカバリ型ダイオードD1 −高周波インダクタL10が直列接続されて挿入される。
フィルタコンデンサCN は高速リカバリ型ダイオードD1 のアノード側と平滑コンデンサCiの正極端子間に対して挿入されることで、フィルタチョークコイルLN と共にノーマルモードのローパスフィルタを形成している。
また並列共振コンデンサC20が高周波インダクタL10に対して並列に設けられることで、並列共振コンデンサC20と高周波インダクタL10で並列共振回路を構成する。これにより、負荷が軽くなったときの整流平滑電圧Eiの上昇を抑制する作用を有する。
また、力率改善回路20に対しては、高速リカバリ型ダイオードD1 のカソードとチョークコイルLSの接続点に対して、上述した一次側の電流共振回路(N1,C1)が接続されて、この電流共振回路に得られるスイッチング出力による電流/電圧が帰還されるようにしている。
このような力率改善回路20においては、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力に応じて、一次側直列共振回路(C1−N1(L1))に流れる一次側直列共振電流を電力として回生して、インダクタンスL10//コンデンサC20の並列接続を介するようにして平滑コンデンサCiに帰還することによって、交流入力電圧VACの正負の絶対値が1/2以上のときに高速リカバリ型ダイオードD1をスイッチングさせるように動作することになる。
これにより、整流出力電圧レベルが平滑コンデンサCiの両端電圧よりも低いとされる期間にも平滑コンデンサCiへの充電電流が流れるようにされる。
この結果、交流入力電流の平均的な波形が交流入力電圧の波形に近付くようにされて交流入力電流の導通角が拡大される結果、力率改善が図られることになる。
続いて、図26に、先に本出願人により出願された発明に基づいて構成されるスイッチング電源回路の他の構成例を示す。
この図26に示す電源回路においても、2本のスイッチング素子がハーフブリッジ結合された電流共振形コンバータが備えられるが、その駆動方式については他励式とされている。また、この場合にも力率改善を図るための力率改善回路21が備えられた構成とされている。
なお、図25と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
この図に示す一次側の電流共振形コンバータにおいて、ハーフブリッジ結合方式により接続される2石のスイッチング素子Q1,Q2には、例えばMOS−FETが選定されている。
ここでは、スイッチング素子Q1のドレインを整流平滑電圧Eiのラインと接続し、スイッチング素子Q1のソースとスイッチング素子Q2のドレインを接続し、スイッチング素子Q2のソースを一次側アースに接続することで、他励式に対応したハーフブリッジ結合としている。
これらスイッチング素子Q1,Q2は、発振ドライブ回路2によって交互にオン/オフ動作が繰り返されるようにスイッチング駆動されて、整流平滑電圧Eiを断続してスイッチング出力とする。
また、この場合には、各スイッチング素子Q1,Q2のドレイン−ソース間に対して、図に示す方向によって接続されるクランプダイオードDD1、DD2が設けられる。
また、この場合には、スイッチング素子Q1,Q2のソース−ドレインの接続点(スイッチング出力点)に対して、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1 の一端を接続することで、一次巻線N1 に対してスイッチング出力を供給するようにされる。一次巻線N1 の他端は、直列共振コンデンサC1を介して、力率改善回路21の高速リカバリ型ダイオードD1のアノードに対して接続される。
この場合にも、直列共振コンデンサC1 のキャパシタンス及び一次巻線N1 を含む絶縁コンバータトランスPITのリーケージインダクタンス成分L1により、スイッチング電源回路を電流共振形とする電流共振回路を形成している。
また、スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に対して並列接続された部分共振コンデンサCpと、一次巻線N1 のリーケージインダクタンス成分L1により部分電圧共振回路が形成される。
この場合の制御回路1は、例えば直流出力電圧EO1 の変動に対応したレベルの制御信号を発振ドライブ回路2に出力する。発振ドライブ回路2では制御回路1から供給された制御信号に基づいて、発振ドライブ回路2からスイッチング素子Q1,Q2の各ゲートに供給するスイッチング駆動信号の周波数を変化させて、スイッチング周波数を可変するようにしている。これにより、図25の場合と同様に定電圧制御が行われる。
起動回路3は、電源投入直後に整流平滑ラインに得られる電圧あるいは電流を検出して、発振ドライブ回路2を起動させるために設けられるもので、絶縁コンバータトランスPITに追加的に巻装した巻線N4を、整流ダイオードD30及び平滑コンデンサC30により整流して得られる低レベルの直流電圧を動作電源としている。
この図に示す力率改善回路21では、静電結合形による電力回生方式としての力率改善回路の構成を採る。
力率改善回路21においては、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子と平滑コンデンサCiの正極端子間に対して、高周波インダクタL10 −高速リカバリ型ダイオードD1 が直列接続されて挿入される。ここで、フィルタコンデンサCN は高周波インダクタL10−高速リカバリ型ダイオードD1 の直列接続回路に対して並列に設けられる。そして、このような接続形態によっても、フィルタコンデンサCN はフィルタ高周波インダクタL10と共にノーマルモードのローパスフィルタを形成している。
また、共振コンデンサC20は、高速リカバリ型ダイオードD1 に対して並列に設けられる。
また、この力率改善回路21に対しては、高周波インダクタL10と高速リカバリ型ダイオードD1 のアノードとの接続点に対して電流共振回路(N1,C1)が接続される。
このようにして形成される力率改善回路21においても、一次側直列共振電流を電力として回生して、コンデンサC20を介するようにして平滑コンデンサCiに帰還することにより、高速リカバリ型ダイオードD1を、交流入力電圧VACの正負の絶対値が1/2以上の時にスイッチング動作させることになる。
これにより、整流出力電圧レベルが平滑コンデンサCiの両端電圧よりも低いとされる期間にも平滑コンデンサCiへの充電電流が流れるようにされ、交流入力電流の平均的な波形が交流入力電圧の波形に近付くようにされて交流入力電流の導通角が拡大される結果、力率改善が図られることになる。
また、上記図25及び図26に示す電源回路の構成を基として、AC100V系の商用交流電源入力の条件で比較的重負荷に対応すべきものとした場合には、図27及び図28に示す構成を採るようにすることが知られている。
図27は、図25の構成を基としたうえで、商用交流電源AC(交流入力電圧VAC)から整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を生成する整流回路系について倍電圧整流回路とした構成であり、図28は、図26の構成を基としたうえで、商用交流電源AC(交流入力電圧VAC)から整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を生成する整流回路系について、全波整流回路から倍電圧整流平滑回路とした構成である。
先ず、図27に示す電源回路から説明する。なお、この図において、図25及び図26と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
この図27に示す電源回路では、商用交流電源ACに対し、フィルタコンデンサCL、及びコモンモードチョークコイルCMCによるコモンモードノイズフィルタが形成されている。
そして、商用交流電源ACから整流平滑電圧Eiを生成する倍電圧整流平滑回路としては、2本の整流ダイオードD1、D2と、平滑コンデンサCi1−平滑コンデンサCi2の直列接続回路とを備えて成る。この場合、平滑コンデンサCi1,Ci2は同じキャパシタンスを有する。
この整流平滑回路において、上記整流ダイオードD1,D2は、それぞれ交流入力電圧VACの各半周期に形成される整流電流経路に対して挿入されるようにして設けられており、例えば交流入力電圧VACが正極性となる半周期では、整流ダイオードD1による整流出力が平滑コンデンサCi1に対して充電される。また、交流入力電圧VACが負極性となる半周期では、整流ダイオードD2の整流出力が平滑コンデンサCi2に対して充電される。
これにより交流入力電圧VACの1周期において、平滑コンデンサCi1−Ci2の両端には、上記のように商用交流電源のレベルの2倍に対応するレベルの直流入力電圧Eiが得られることになる。なお、この場合の上記整流ダイオードD1、D2としては、高速リカバリ型ダイオードが選定される。
また、この図に示す力率改善回路22は、上記しているように磁気結合形による電力回生方式を採るものであり、例えば図示するようにして、先に説明した整流ダイオードD1と整流ダイオードD2との接続点に対して、高周波インダクタL10を接続している。この場合、高周波インダクタL10は、上記整流ダイオードD1,D2との接続点と、商用交流電源ACの正極ラインにおけるコモンモードチョークコイルCMCとフィルタコンデンサCNとの接続点との間に直列に挿入される。
フィルタコンデンサCN は、上記整流ダイオードD1 と高周波インダクタL10による直列接続回路、及び上記整流ダイオードD2と高周波インダクタL10による直列接続回路の双方に対して、並列の関係となるようにして商用交流電源ACのラインに対して挿入される。これによりフィルタコンデンサCNは、整流電流経路に発生するノーマルモードノイズを抑制するようにされる。
そして、上記整流ダイオードD1のアノードと、上記整流ダイオードD2のカソードと、上記高周波インダクタL10の一端との接続点に対して、上述した一次側の直列共振回路(C1−N1(L1))を接続している。これによって、この直列共振回路に得られるスイッチング出力による電流/電圧が帰還されるようにしている。
このようにして形成される力率改善回路22においては、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力に応じて、一次側直列共振回路(C1−N1(L1))に流れる一次側直列共振電流を電力として回生して、高周波インダクタL10のインダクタンスを介するようにして平滑コンデンサCiに帰還する。これによって、例えば交流入力電圧VACの正負の絶対値が1/2以上のときに高速リカバリ型による整流ダイオードD1、D2をスイッチングさせるように動作することになる。
これにより、整流出力電圧レベルが平滑コンデンサCiの両端電圧よりも低いとされる期間にも平滑コンデンサCiへの充電電流が流れるようにされる。
この結果、交流入力電流の平均的な波形が交流入力電圧の波形に近付くようにされて交流入力電流の導通角が拡大される結果、力率改善が図られることになる。
続いて、図28に示す電源回路について説明する。なお、この図において、図25〜図27と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
この図に示す力率改善回路23は、図26の電源回路と同様に静電結合形による電力回生方式としての力率改善回路23の構成を採る。そして、その構成としては、上記図27に示した力率改善回路22の構成に加えて、整流ダイオードD1、D2の各々に対して並列に、図のように力率改善用直列共振コンデンサC20A、C20Bを接続するようにされる。その上で、この場合としても整流ダイオードD1と、整流ダイオードD2と、高周波インダクタL10との接続点に対して、直列共振回路(C1−N1(L1))を接続する。
このようにして形成される力率改善回路23においても、一次側直列共振電流を電力として回生して、平滑コンデンサCiに帰還することにより、高速リカバリ型ダイオードである整流ダイオードD1及び整流ダイオードD2を、交流入力電圧VACの正負の絶対値が1/2以上のときにもスイッチング動作させることになる。
これにより、整流出力電圧レベルが平滑コンデンサCiの両端電圧よりも低いとされる期間にも平滑コンデンサCiへの充電電流が流れるようにされ、交流入力電流の平均的な波形が交流入力電圧の波形に近付くようにされて、交流入力電流の導通角が拡大される。そしてこの結果、力率改善が図られることになる。
ここで、上記図25〜図28に示す電源回路に備えられる絶縁コンバータトランスPITとしては、例えば次のような構造を採る。先ず、コアとしては、フェライト材によるE型コアを組み合わせたEE型コアを備える。そして、一次側と二次側とで巻装部位を分割したうえで、一次巻線N1と、二次巻線を、EE型コアの中央磁脚に対して巻装している。
そのうえで、絶縁コンバータトランスPITのEE型コアの中央磁脚に対しては1.0mm程度のギャップを形成するようにしており、さらに、二次側巻線(N2)の1T(ターン)あたりの誘起電圧レベルが5V(5V/T)となるようして、二次側巻線(N2)及び一次側巻線(N1)のターン数を設定することとしている。
これによって、一次側巻線(N1)と二次側巻線(N2)との間で、0.80〜0.85程度の結合係数を得るようにしており、所要値のリーケージインダクタンス(L1)が得られるようにしている。
また、上記図25〜図28に示した以外に力率改善を図る技術としては、例えば図29及び図30に示すように、商用交流電源ラインに対してパワーチョークコイルPCHを挿入する構成も知られている。図29は、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を生成する整流回路系が全波ブリッジ整流回路である場合に対応する構成を示し、図30は、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を生成する整流回路系が倍電圧整流回路である場合に対応する構成を示している。このようにして、商用交流電源ラインに対してパワーチョークコイルPCHを挿入することで、そのインダクタンスが有するインピーダンスにより交流入力電流の導通を抑制するようにし、これによる交流入力電流の導通角の拡大により力率改善を図るようにされる。このようなパワーチョークコイルによる力率改善は、チョークインプット方式ともいわれる。
図31、図32は、それぞれ、上記図29、図30に示すようにして、商用交流電源ラインにパワーチョークコイルPCHを挿入して構成した電源回路についての、負荷電力Poの変動に対する特性として、AC→DC電力変換効率(ηAC→DC)、整流平滑電圧Eiレベル、及び力率PFの各特性を示している。また、これらの図では、比較としてパワーチョークコイルPCHを挿入しない(力率改善を行わない)構成の電源回路の特性も示している。なお、この場合において、図29、図30に示す電源回路の後段は、例えば図25〜図28の電源回路から、それぞれ力率改善回路20〜23を省略した回路構成を採るものとすればよい。
図29、図30に示すパワーチョークコイルPCHの実際としては、それぞれ図31、図32の実線で示す力率特性のように、負荷電力Poとして最大負荷電力時(この場合はPo=125W時)に力率PFが0.75以上となるように、そのインダクタンスLcの値を設定するようにされる。これにより、例えば現状の家電・汎用電子機器の高調波歪規制クラスDの規制値を満足することができる。なお、実際のインダクタンスLcの値としては、図29の場合には10mHを選定し、図30の場合には7.2mHを選定した。
特開2003−189614号公報(図6、図7、図11)
ところが、上記図25〜図28に示したようにして、力率改善回路を備える構成の電源回路では、次のような問題がある。
これらの図に示す電源回路では、力率改善回路20〜23による電力帰還(回生)の方式として、磁気結合形又は静電結合形の何れかの形式を採るが、いずれの形式においても、一次側直列共振回路に流れる一次側直列共振電流を平滑コンデンサCiに電力回生して帰還させるようにしている。これは、帰還経路の形成のために、商用交流電源の整流電流経路と、スイッチング出力が供給される一次側直列共振回路とが接続されているということを意味する。このために、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に流れる一次側直列共振電流には、商用交流電流周期の電流が重畳する。
これにより、二次側の直流出力電圧E01、E02の商用電源周期のリップル電圧が力率改善前よりも増加する。例えば図25、図26において力率改善回路20,21の回路部分を設けない回路構成とする場合には力率PF=0.55程度となり、図27、図28において力率改善回路22,23の回路部分を設けない回路構成とする場合には力率PF=0.54程度となるが、図25〜図28の回路として力率PF=0.8程度が得られるように構成した場合に、リップル電圧は5〜6倍に増加する。
この対策としては、直流出力電圧平滑用の平滑コンデンサC01、C02の静電容量を5〜6倍に増加させなければならない。即ち、制御回路1のゲインを可能な限り向上しても、力率改善前の回路と同等とするには、平滑コンデンサC01、C02のキャパシタンスを5〜6倍増加することが必要となり、大幅なコストアップとなり、実用化は現実的ではないものとなる。このような対策が現実的でないことから、図25〜図28のような回路は、例えばリップル電圧を一定以下とすることが厳しく要求されるような機器に採用することが難しい。
そこで、先に図29、図30に示したようにして、チョークインプット方式により力率を改善する構成とすれば、上記したリップルの問題は解消される。しかしながら、チョークインプット方式による構成の場合にも、次のような問題がある。
まず、チョークインプット方式で必要となるパワーチョークコイルPCHは鉄損と銅損が存在し、電力損失が増加し、また直流入力電圧も低下するため、AC→DC電力変換効率ηAC→DCが低下するという問題がある。
図31に示した特性によると、最大負荷電力Po=125Wでは、力率PF=0.76となる。AC→DC電力変換効率(ηAC→DC)は、パワーチョークコイルPCHを挿入しない場合(破線)と比較して、パワーチョークコイルPCHを挿入した場合には、1.6%低下している。また、これに伴って交流入力電力は2.5W増加する。また。直流入力電圧Eiは、パワーチョークコイルPCHを挿入しない場合と比較して15.7V低下している。
また、図32に示す特性によれば、最大負荷電力Po=150Wで力率PF=0.76となっている。AC→DC電力変換効率(ηAC→DC)は、パワーチョークコイルPCHを挿入しない場合(破線)と比較して、パワーチョークコイルPCHを挿入した場合には、0.9%低下している。また、これに伴って交流入力電力は1.4W増加する。また、直流入力電圧Eiは、パワーチョークコイルPCHを挿入しない場合と比較して25.0V低下している。
上記図31、図32に示されるAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)の低下、及び交流入力電力の増加は、パワーチョークコイルPCHそのものによる電力損失と、例えばパワーチョークコイルPCHの抵抗分により直流入力電圧Eiが低下することが主たる原因となっている。
なお、図31、図32に示す特性は、パワーチョークコイルPCHのインダクタンスLcについて、先に述べたように、それぞれ、10mH、7.2mHを設定して計測したものである。
また、パワーチョークコイルPCHとしては、負荷電力の増大に伴って大型化し、重量、サイズ、コストが増大する。
さらに、パワーチョークコイルPCHの配置位置として漏洩磁束の影響がない場所を選定しなければならない。或いは漏洩磁束の影響を受けないようにする対策が必要となるので、基板上の配置設計の困難化や、また、シールド部材が必要となって基板サイズ、重量が増加することなどの問題が生ずる。
つまり、現状においては、力率改善技術として、電力回生方式ではリップル増加が問題となるが、チョークインプット方式では、電力変換効率の低下が問題となってくるという事情をかかえる。このことから、リップル増加の問題を解消し、かつ、高電力変換効率も得られる力率改善のための構成が求められているということがいえる。
そこで、本発明は上記した課題を考慮して、スイッチング電源回路として次のように構成する。
つまり、商用交流電源を入力して整流平滑電圧を生成する整流平滑手段と、整流平滑電圧を直流入力電圧として入力してスイッチングを行うスイッチング素子を備えて形成したスイッチング手段と、スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段とを備える。
また、少なくとも、スイッチング手段のスイッチング動作により得られるスイッチング出力が供給される一次巻線と、この一次巻線に得られたスイッチング出力により交番電圧が励起される二次巻線とを巻装して形成される絶縁コンバータトランスを備える。
また、少なくとも、絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分と、一次巻線に直列接続された一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、スイッチング手段の動作を電流共振形とする一次側直列共振回路を備える。
また、絶縁コンバータトランスの二次巻線に励起される交番電圧を入力して整流動作を行って、二次側直流出力電圧を生成するように構成された二次側直流出力電圧生成手段と、二次側直流出力電圧のレベルに応じてスイッチング駆動手段を制御して、スイッチング手段のスイッチング周波数を可変することで、二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成された定電圧制御手段を備える。
また、スイッチング手段のスイッチング動作により一次側直列共振回路に得られる一次側直列共振電流を電力として回生するようにして、整流平滑手段を形成する平滑コンデンサに帰還するようにされており、この帰還された電力に応じて、整流平滑手段による整流動作によって得られる整流電流を断続するようにしてスイッチングする力率改善用スイッチング素子とを備えて構成される力率改善手段とを備える。
また、上記絶縁コンバータトランスの磁束密度を、二次側直流出力電圧の変動にかかわらず、二次側整流電流が連続モードとなるようにして、所定以下となるように設定することとした。
上記構成による本発明のスイッチング電源回路は、一次側スイッチングコンバータとして、電流共振形コンバータを備えていることになる。また、力率改善は、電力回生方式により行う構成を採ることとしている。
その上で、上記のようにして絶縁コンバータトランスの磁束密度が所定以下となるようにしていることで、二次側直流出力電圧の変動、つまり、負荷変動や商用交流電源(交流入力電圧)のレベル変動にかかわらず、二次側整流動作としては、常に、二次側整流電流が不連続となる期間を生じない連続モードとなるようにしている。二次側整流動作が連続モードとなることによっては、電力回生方式により力率改善を行う場合において、一次側直列共振回路に重畳される商用交流電源周期のリップルが低減するが、これは、二次側直流出力電圧に重畳する商用交流電源周期のリップル電圧が抑制されることにつながる。
このようにして本発明のスイッチング電源回路としては、電力回生方式による力率改善のための構成を採りながらも、二次側直流出力電圧のリップル電圧が抑制されることとなるので、例えば二次側直流出力電圧を生成するための二次側整流平滑コンデンサのキャパシタンスとしては、実用範囲に収めることができる。つまり、電力回生方式による力率改善構成を備える電源回路の実用化をこれまでよりも容易に実現して推し進めることが可能になる。
また、これにより、代替の力率改善技術としてチョークインプット方式を採る必要も無くなるが、このことは、力率改善機能を有する電源回路として、大幅な電力変換効率の向上と、大幅な回路基板サイズの小型軽量化が図られたという効果が得られたことを意味する。
図1は、本発明を実施するための第1の最良の形態(以下、実施の形態ともいう)としてのスイッチング電源回路の構成例を示した回路図である。この図に示す電源回路は、一次側の基本構成として、他励式によるハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータに対して部分電圧共振回路が組み合わされた構成を採る。
この図1に示す電源回路においては、先ず、商用交流電源ACに対し、フィルタコンデンサCL、CL、及びコモンモードチョークコイルCMCによるノイズフィルタが形成されている。
そして、上記ノイズフィルタの後段となる商用交流電源ACに対しては、ブリッジ整流回路Di及び1本の平滑コンデンサCiから成る全波整流平滑回路が接続される。ただし、本実施の形態においては、ブリッジ整流回路Diの正極出力ラインと、平滑コンデンサCiの正極端子間には、力率改善回路11が介在するようにして設けられる。この力率改善回路11の構成及びその動作については後述する。
この全波整流平滑回路が商用交流電源ACを入力して全波整流動作を行うことによって、平滑コンデンサCiの両端には整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)が得られる。この場合の整流平滑電圧Eiは、交流入力電圧VACの等倍に対応したレベルとなる。また、この場合においては、ブリッジ整流回路Diを形成する4本の整流ダイオードには、低速リカバリ型を選定している。
上記直流入力電圧を入力してスイッチング(断続)する電流共振形コンバータとしては、図示するようにして、MOS−FETによる2本のスイッチング素子Q1,Q2をハーフブリッジ結合により接続したスイッチング回路を備える。スイッチング素子Q1,Q2の各ドレイン−ソース間に対しては、ダンパーダイオードDD1,DD2が並列に接続される。ダンパーダイオードDD1のアノード、カソードは、それぞれスイッチング素子Q1のソース、ドレインと接続される。同様にして、ダンパーダイオードDD2のアノード、カソードは、それぞれスイッチング素子Q2のソース、ドレインと接続される。ダンパーダイオードDD1,DD2は、それぞれスイッチング素子Q1,Q2が備えるボディダイオードとされる。
また、スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に対しては、部分共振コンデンサCpが並列に接続される。この部分共振コンデンサCpのキャパシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンスL1によっては並列共振回路(部分電圧共振回路)を形成する。そして、スイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時にのみ電圧共振する、部分電圧共振動作が得られるようになっている。
この電源回路においては、スイッチング素子Q1,Q2をスイッチング駆動するために、発振・ドライブ回路2が設けられる。この発振・ドライブ回路2は、発振回路、駆動回路を有しており、例えば汎用のICを用いることができる。そして、この発振・ドライブ回路2内の発振回路及び駆動回路によって、所要の周波数によるドライブ信号(ゲート電圧)をスイッチング素子Q1,Q2の各ゲートに対して印加する。これにより、スイッチング素子Q1,Q2は、所要のスイッチング周波数により交互にオン/オフするようにしてスイッチング動作を行う。
絶縁コンバータトランスPITは、スイッチング素子Q1 、Q2のスイッチング出力を二次側に伝送するために設けられる。
この絶縁トランスPITの一次巻線N1の一方の端部は、一次側直列共振コンデンサC1の直列接続を介して、力率改善回路11における高周波インダクタL10と、高速型(高速リカバリ型)のスイッチングダイオードD1のアノードと、コンデンサC20との接続点に対して接続される。また、一次巻線N1の他方の端部は、スイッチング素子Q1のソースとスイッチング素子Q2のドレインとの接続点(スイッチング出力点)に接続されることで、スイッチング出力が伝達されるようになっている。
ここで、絶縁コンバータトランスPITは、後述する構造により、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に所要のリーケージ(漏洩)インダクタンスL1を生じさせる。そして、一次側直列共振コンデンサC1のキャパシタンスと、上記リーケージインダクタンスL1によっては一次側直列共振回路を形成する。上記した接続態様によればスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力は、この一次側直列共振回路に伝達されることとなる。この一次側直列共振回路が、伝達されたスイッチング出力により共振動作を行うことで、一次側スイッチングコンバータの動作を電流共振形とする。
上記説明によると、この図に示す一次側スイッチングコンバータとしては、一次側直列共振回路(L1−C1)による電流共振形としての動作と、前述した部分電圧共振回路(Cp//L1)とによる部分電圧共振動作とが得られることになる。
つまり、この図に示す電源回路は、一次側スイッチングコンバータを共振形とするための共振回路に対して、他の共振回路とが組み合わされた、複合共振形コンバータとしての構成を採っている。
絶縁コンバータトランスPITの二次巻線には一次巻線N1に伝達されたスイッチング出力に応じた交番電圧が励起される。そして、この場合の二次巻線N2としては、センタータップが施されたことで2つに分割された二次巻線N2A,N2Bが設けられる。この場合、二次巻線N2A,N2Bは同じ所定のターン数を有する。
そして、これら二次巻線N2A,N2Bに対しては、図示するように整流用素子としてNチャネルのMOS−FETQ3,Q4,Q5,Q6を備える、両波整流による同期整流回路が備えられる。
これらMOS−FETQ3〜Q6は、例えば低耐圧のトレンチ構造のものを選定することで、低オン抵抗を得るようにされる。
絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2のセンタータップ出力は、図示するようにインダクタLdの直列接続を介して、平滑コンデンサCoの正極端子の接続点と接続される。
そして、上記二次巻線N2の一方の端部(二次巻線N2B側の端部)は、MOS−FETQ3のドレインとMOS−FETQ5のドレインとの接続点に対して接続される。そして、これらMOS−FETQ3、Q5の各ソースの接続点が、二次側アースに接続される。
同様に、二次巻線N2の他方の端部(二次巻線N2A側の端部)は、MOS−FETQ4のドレインとMOS−FETQ6のドレインとの接続点に対して接続され、これらMOS−FETQ4、Q6の各ソースの接続点が二次側アースに接続されている。
なお、MOS−FETQ3,Q4、Q5、Q6のドレイン−ソースに対しては、それぞれ、ボディダイオードDD3,DD4、DD5、DD6が並列に接続される。
このような接続形態によれば、二次巻線N2Bを含む整流電流経路においては、整流素子であるMOS−FETQ3//MOS−FETQ5の並列接続回路が直列に挿入されることになる。また、二次巻線N2Aを含む整流電流経路においては、同じく整流素子であるMOS−FETQ4//MOS−FETQ6の並列接続回路が直列に挿入された構成となっている。
また、この図に示される同期整流回路において、MOS−FETQ3とMOS−FETQ5を駆動する駆動回路は、二次巻線N2Aのセンタータップしていない側の端部とMOS−FETQ3、Q5のゲートとの間に共通に挿入されるようにして、ゲート抵抗Rg1を接続して形成される。
同様に、MOS−FETQ4、Q6を駆動する駆動回路は、二次巻線N2Bのセンタータップしていない端部とMOS−FETQ4、Q6のゲートとの間に共通となるようにして挿入された、ゲート抵抗Rg2を備えて形成される。
つまりこの場合、上記MOS−FETQ3,Q5は、上記二次巻線N2Aに励起される交番電圧が上記ゲート抵抗Rg1により検出されることで、同じタイミングでオン(導通)/オフ(非導通)するようにされ、MOS−FETQ4,Q6も、二次巻線N2Bに励起される交番電圧が上記ゲート抵抗Rg2により検出されることで、同じタイミングでオン(導通)/オフ(非導通)するようにされているものである。
また、MOS−FETQ3,Q5の組が、二次巻線N2Aのセンタータップされていない端部の電圧に応じてオン/オフし、MOS−FETQ4,Q6の組が二次巻線N2Bのセンタータップされていない端部の電圧に応じてオン/オフするということは、互いのMOS−FETの組が、逆極性となる交番電圧に応じてオン/オフするということになる。つまり、MOS−FETQ3,Q5の組と、MOS−FETQ4,Q6の組とでは、二次巻線N2に励起される交番電圧が反転するタイミングに応じて、交互にオン/オフするようにして整流動作(スイッチング動作)を行う。
ここで、MOS−FETは、ゲートにオン電圧を印加すると、ドレイン−ソース間は単なる抵抗体と等価となるので、電流は双方向に流れる。これを二次側の整流素子として機能させようとすれば、二次側平滑コンデンサ(平滑コンデンサCo1〜Co4)の正極端子に充電する方向のみに電流を流さなければならない。これとは逆方向に電流が流れると、二次側平滑コンデンサから絶縁コンバータトランスPIT側に放電電流が流れて、負荷側に有効に電力を伝達することができなくなる。また、逆電流によるMOS−FETの発熱、ノイズなどが生じて、一次側におけるスイッチング損失も招く。
上記した駆動回路は、二次巻線の電圧を検出することに基づいて、二次側平滑コンデンサの正極端子に充電する方向(つまり、この場合ではソース→ドレイン方向)の電流のみが流れるように、MOS−FETQ3〜Q6をスイッチング駆動するための回路である。つまり、この場合における同期整流回路の回路構成としては、巻線電圧検出方式により、整流電流に同期させてMOS−FETをオン/オフ駆動する構成を採っているものである。
なお、この場合、MOS−FETQ3,Q5の組の駆動回路系を形成するとされるゲート抵抗Rg1と、MOS−FETQ4,Q6の組の駆動回路系を形成するとされるゲート抵抗Rg2に対しては、それぞれ並列にショットキーダイオードDg1、ショットキーダイオードDg2を図示する方向により接続するようにしている。このようにしてショットキーダイオードDg1,Dg2を挿入することによっては、それぞれMOS−FETQ3,Q5,Q4,Q6のゲート入力容量の蓄積電荷を、これらのターンオフ時に対応して、ショットキーダイオードDg1、ショットキーダイオードDg2を経由して放電するための経路が形成される。そして、これによってこれらMOS−FETを確実にターンオフさせて、良好なスイッチング特性を得るようにしているものである。
また、上述もしたように、この図1に示す電源回路では、二次巻線N2のセンタータップと二次側平滑コンデンサとの間に、インダクタLdを直列に挿入している。すなわちこの場合、インダクタLdを二次側の整流電流経路において、二次側交番電圧が正/負の各期間で共通に整流電流が流れるラインに対して挿入しているものである。
このようにしてインダクタLdを挿入することによっては、二次側直流出力電圧Eoに発生するとされていたノイズの抑制を図ることができる。
二次側の整流回路として、MOS−FETによる同期整流回路を備えた場合、これらMOS−FETによるスイッチングノイズ等の影響により二次側直流出力電圧Eoには高周波ノイズが重畳し易くなる。そこで、このように整流電流経路に対してインダクタLdを挿入することで、高周波のノイズ成分について、そのインピーダンス成分によって平滑化することで抑制するようにしている。
また、このように整流電流経路に挿入されたインダクタLdによっては、二次側整流電流に生じるとされる逆方向電流の発生を抑制する作用も得られる。
これまでに説明した回路構成による同期整流回路によっては、二次側平滑コンデンサに対して両波整流により整流して得られる整流電流を充電する動作が得られる。
すなわち、二次側に励起される交番電圧の一方の半周期には、二次巻線N2Bから流れる電流が、MOS−FETQ3//Q5の並列接続回路をソース→ドレイン方向に導通し、平滑コンデンサCoに対して充電される。また、交番電圧の他方の半周期には、二次巻線N2Aに流れる電流がMOS−FETQ3//Q5の並列接続回路をソース→ドレイン方向に導通し、平滑コンデンサCoに対して充電される。これによって、上記交番電圧が正/負の期間で平滑コンデンサCoに充電する両波整流動作が得られるものである。
そして、このような平滑コンデンサの両端電圧として、図のような二次側直流出力電圧Eoが得られる。この二次側直流出力電圧Eoは、図示しない負荷側に供給されるとともに、次に説明する制御回路1のための検出電圧としても分岐して入力される。
なお、本実施の形態において、上記同期整流回路について、上記のようにして、整流素子としてのMOS−FETを並列に接続しているのは、次のような理由による。
ここでの例として、本実施の形態の電源回路が実際に対応すべき負荷条件としては、二次側直流出力電圧Eo=5Vに対して、負荷電流が30A〜0Aで変動するものとしている。これは、いわゆる低電圧/大電流といわれる、実質的には相当に変動幅が広範囲となる負荷条件であり、従って、負荷が重くなる傾向では、二次側整流回路にも相当に大きな電流が流れる。そこで、整流素子であるMOS−FETについて、複数本を並列接続した構成とすることで、大電流が流れるときの素子への負担を軽減して、高い信頼性を確保することとしているものである。
制御回路1は、二次側直流出力電圧Eoのレベル変化に応じた検出出力を発振・ドライブ回路2に供給する。発振・ドライブ回路2では、入力された制御回路1の検出出力に応じてスイッチング周波数が可変されるようにして、スイッチング素子Q1,Q2を駆動する。スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数が可変されることで、一次側直列共振回路の共振インピーダンスが変化し、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1から二次巻線N2(N2A,N2B)側に伝送される電力量も変化するが、これにより二次側直流出力電圧Eoのレベルを安定化させるように動作する。
例えば重負荷の傾向となって二次側直流出力電圧Eoが低下するのに応じては、上記スイッチング周波数を低くするように制御するが、これは共振インピーダンスを小さくすることとなり、このために二次側直流出力電圧Eoを上昇させる。これに対して、軽負荷の傾向となって二次側直流出力電圧Eoが上昇するのに応じては、上記スイッチング周波数を高くするように制御することで、共振インピーダンスを大きくし、二次側直流出力電圧Eoを低下させる。
続いて、力率改善回路11の構成について説明する。
前述もしたように、この力率改善回路11は、商用交流電源ACから直流入力電圧(Ei)を得るための整流平滑回路における整流電流経路に対して挿入されるようにして設けられるもので、電力回生方式として静電結合形による力率改善回路の構成を採る。
力率改善回路11においては、先ず、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子に対して、高周波インダクタL10の一端が接続されている。高周波インダクタL10の他端は、高速リカバリ型であるスイッチングダイオードD1のアノードが接続され、スイッチングダイオードD1のカソードは、平滑コンデンサCiの正極端子に対して接続される。つまり、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子と平滑コンデンサCiの正極端子間に対して、高周波インダクタL10−スイッチングダイオードD1(アノード→カソード)の直列接続回路が挿入される。
また、上記高周波インダクタL10−スイッチングダイオードD1の直列接続回路に対しては、フィルタコンデンサCNを並列に接続している。フィルタコンデンサCNは、ノーマルモードノイズを抑制するために設けられる。
さらに、スイッチングダイオードD1に対して、力率改善用直列共振コンデンサC20が並列に接続される。この場合、力率改善用直列共振コンデンサC20は、高周波インダクタL10に対しては直列に接続されることとなるが、これにより、力率改善用直列共振コンデンサC20のキャパシタンスと、高周波インダクタL10のインダクタンスとにより、力率改善回路11内(商用交流電源の整流電流経路内)において直列共振回路を形成する。
そして、前述もしたように、高周波インダクタL10と、スイッチングダイオードD1のアノードと、力率改善用直列共振コンデンサC20との接続点に対して、一次側直列共振回路(L1−C1)が接続される。
このような力率改善回路11の回路構成によると、一次側直列共振回路に得られるスイッチング出力(一次側直列共振電流)を電力として回生して、スイッチングダイオードD1//力率改善用直列共振コンデンサC20の並列接続を介するようにして平滑コンデンサCiに帰還する動作が得られることになる。この場合、平滑コンデンサCiと一次側直列共振回路との間には、力率改善用直列共振コンデンサC20のキャパシタンス(静電容量)が介在することから、電力回生は、静電結合により行われるものとみることができる。
図3の波形図は、力率改善回路11の動作を、商用交流電源周期により示している。
ここで、図示するようにして50Hzで325Vpとなる、AC200V系の交流入力電圧VACが入力されていることを前提として、上記のようにして力率改善回路11側に対して、一次側直列共振回路から電力回生が行われることになる。これに応じて、一次側直列共振コンデンサC1と力率改善回路11側との接続点と一次側アース間の電圧V1は、図示するようにして、商用交流電源周期のリップル成分が重畳している整流平滑電圧Eiに対して、スイッチング周期による交番電圧成分(V1A)がさらに重畳した波形として得られる。
この場合、整流平滑電圧Eiのピークレベルは、リップルが最大となる時点で325Vとなり、交流入力電圧VACのピークレベルに対応する。また、この整流出力電圧に交番電圧成分が重畳した電圧V1のピークレベルとしては、図示するようにして、例えば400Vで一定となる。高速リカバリ型のスイッチングダイオードD1は、この電圧V1における交番電圧成分の印加により、例えば交流入力電圧VACの正/負の絶対値が、そのピーク値の約1/2以上のときにスイッチング動作を行い、整流電流を断続する。
そして、このようにしてスイッチングダイオードD1が整流電流を断続するようにしてスイッチングすることで、高周波インダクタL10から、スイッチングダイオードD1//力率改善用直列共振コンデンサC20の並列接続を流れて平滑コンデンサCiに流入しようとする整流出力電流I1は、図示するようにしてピーク近傍が略M字状のエンベロープとなる交番波形として得られる。この場合において、交流入力電圧VACがピークとなる時点に対応する整流出力電流I1のレベルは、4Aとなる。
このような波形により流れる整流出力電流I1の導通期間は、ブリッジ整流回路Diから出力される整流出力電圧レベルが平滑コンデンサCiの両端電圧よりも低いとされる期間にも流れるものとなっており、同じ図3に示す交流入力電流IACの導通期間も、この整流出力電流I1の導通期間にほぼ一致したものとなる。つまり、交流入力電流IACの導通角は、力率改善回路を備えない場合よりも拡大されているものであり、交流入力電流IACの波形としては、交流入力電圧VACの波形に近付くものとなっている。つまり、力率改善が図られていることになる。なお、交流入力電流IACのピークレベルは、この場合2Aとなっている。
ところで、先に図25〜図28に示す電源回路におけるようなスイッチングコンバータの構成では、一次側のスイッチング素子のスイッチング周波数の可変制御により、二次側直流出力電圧の安定化を図るようにされている。このような構成を採る場合において、例えば軽負荷の傾向となっている状態では、スイッチング周波数を高くするように制御して安定化を図ることになる。この状態では、二次側の整流回路において、二次側整流電流が二次側平滑コンデンサに流れる期間が連続し、休止する期間が存在しない、いわゆる連続モードの動作となる。
これに対して、重負荷とって二次側直流出力電圧が低下するのに応じて一次側のスイッチング周波数を低くするように制御していくと、二次側平滑コンデンサに対して二次側整流電流が連続して流れなくなって電流不連続期間が生じる、いわゆる不連続モードに移行する。つまり、二次側の両波整流動作として、負荷変動に応じて不連続モードとなる状態が存在する。
なお、二次側直流出力電圧は、商用交流電源AC(交流入力電圧VAC)に応じても変動し、これに応じた定電圧制御動作も行われるから、交流入力電圧VACのレベルに応じても不連続モードとなる状態が存在することになる。
図25〜図28に示した電源回路のようにして、電力回生方式(磁気結合方式、静電結合形)により力率改善を行う構成では、一次側直列共振電流に商用交流電源周期のリップルが重畳することにより、二次側直流出力電圧に重畳される商用交流電源周期のリップル電圧が、力率改善回路を備えない構成とした場合よりも大幅に増加することを述べた。
これは、上記のようにして、例えば負荷変動、交流入力電圧VACの変動により、二次側整流動作が不連続モードとなることが主たる原因となっている。このことは、換言すれば、負荷変動、交流入力電圧VACの変動にかかわらず、二次側整流動作として連続モードが維持されるようにすれば、その原因が無くなるのであるから、上記した二次側直流出力電圧に重畳する商用交流電源周期のリップル電圧の増加を有効に抑制できるということを意味する。
そのために本実施の形態としては、図1に示す電源回路において次のような構成を採ることとしている。
図2は、図1の電源回路が備える絶縁コンバータトランスPITの構造例を示す断面図である。
この図に示すように、絶縁コンバータトランスPITは、フェライト材によるE型コアCR1、CR2を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コア(EE字形コア)を備える。
そして、一次側と二次側の巻装部について相互に独立するようにして分割した形状により、例えば樹脂などによって形成される、ボビンBが備えられる。このボビンBの一方の巻装部に対して一次巻線N1を巻装する。また、他方の巻装部に対して二次巻線N2(N2A,N2B)を巻装する。このようにして一次側巻線及び二次側巻線が巻装されたボビンBを上記EE型コア(CR1,CR2)に取り付けることで、一次側巻線及び二次側巻線とがそれぞれ異なる巻装領域により、EE型コアの中央磁脚に巻装される状態となる。このようにして絶縁コンバータトランスPIT全体としての構造が得られる。なお、この場合のEE型コアの実際としては、後述するような負荷条件、及び交流入力電圧の定格レベルの条件に対応することを前提として、例えばEER−40を選定している。
そのうえで、EE型コアの中央磁脚に対しては、図のようにして、例えばギャップ長1.4mm程度のギャップGを形成する。これによって、結合係数kとしては、例えばk=0.8以下による疎結合の状態を得るようにしている。つまり、従来例として図25〜図28に示した電源回路の絶縁コンバータトランスPITよりも、さらに疎結合の状態としているものである。なお、実際の結合係数kとしては、k=0.75を設定した。また、ギャップGは、E型コアCR1,CR2の中央磁脚を、2本の外磁脚よりも短くすることで形成することが出来る。
さらに、二次側巻線の1T(ターン)あたりの誘起電圧レベルとしても、図25〜図28に示した電源回路よりも低くなるように、一次巻線N1と二次巻線N2A,N2Bの巻線数(ターン数)を設定する。例えば、一次巻線N1=60T、二次巻線N2A=N2B=2Tとすることで、二次側巻線の1T(ターン)あたりの誘起電圧レベルを、2.5V/T以下としている。
このような絶縁コンバータトランスPITの構造、及び一次巻線N1、二次巻線(N2A,N2B)の巻線数設定とすることで、この場合の絶縁コンバータトランスPITのコアにおける磁束密度は低下して、図25〜図28に示した電源回路よりも、絶縁コンバータトランスPITにおけるリーケージインダクタンスは増加する。
上記のような構成による絶縁コンバータトランスPITを備えた、図1に示す回路の動作について、図4の波形図により説明する。
図4の波形図は、力率改善回路11内における、スイッチングダイオードD1//力率改善用直列共振コンデンサC20の並列接続回路の端部と、高周波インダクタL10と、一次側直列共振コンデンサC1との接続点と、一次側アースとの間の電位である電圧V1Aと、二次側において、二次巻線N2のセンタータップからインダクタLdを経由して、平滑コンデンサCoに流れる整流電流Ioを示している。この整流電流Ioが示されるラインは、二次側整流電流経路において、二次巻線N2に励起される交番電圧が正極/負極の両期間において、整流電流が流れるラインとなる。
ここで、図1に示す電源回路が対応すべき負荷条件として、二次側直流出力電圧Eo=5Vで、負荷に流れる電流は30A〜0Aの範囲で変動するものとする。つまり、負荷条件としては、最大負荷電力(Po=150W)〜最小負荷電力(Po=0W)の範囲で対応するものとされる。また、交流入力電圧VACについては、いわゆるAC200V系といわれる、180V〜288Vの範囲を保証するものとしている。
前述もしたように、図1に示す電源回路ではスイッチング周波数制御方式により安定化を図るが、重負荷の条件となって二次側直流出力電圧Eoが低下するのに応じて、スイッチング周波数を低くするように制御する。図4の波形図としては、負荷状態として、ほぼ最大負荷電力の状態であるPo=150W時の動作を示している。つまり、スイッチング周波数としては、制御範囲においてほぼ最低となっているものである。
図4に示す電圧V1は鋸歯状波となっている。この鋸歯状波は、一次側直列共振回路から回生されるスイッチング出力により得られるもので、スイッチングダイオードD1のスイッチング(オン/オフ)タイミングに対応している。従って、電圧V1の周期は、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周期にも対応しているということになる。そして、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周期に対応しているということは、二次巻線N2に励起される交番電圧の周期にも対応しているということになる。なお、この図では、半周期が8μsとされており、制御範囲における最低スイッチング周波数としては、約62.5KHzであることが分かる。
また、二次側の整流電流Ioの波形は、上記した電圧V1の周期タイミングに応じて、正極性側の半波の正弦波が続く波形となっている。このような波形は、例えば二次巻線N2に励起される交番電圧の半周期で、MOS−FETQ3//Q5の並列接続回路により整流された整流電流が正極性で流れ、次の半周期でMOS−FETQ4//Q6の並列接続回路により整流された整流電流が正極性で流れる、という動作が繰り返されることで得られる。
そして、この場合において、上記のようにして流れる整流電流Ioとしては、隣り合う半波の正弦波の間に、0レベルが継続する電流不連続期間を生じていないことが分かる。つまり、整流電流Ioは連続的に流れている状態となっている。
このようにして、本実施の形態としては、例えば重負荷、もしくは交流入力電圧VACの低下に応じて二次側直流出力電圧Eoが低下したことで、スイッチング周波数が低くなるようにして制御されているときにも、二次側整流電流としては連続モードが得られていることになる。
このようにして、重負荷(及び低交流入力電圧)の条件でも連続モードが得られているのは、これまでの説明から理解されるように、ギャップ長の設定により絶縁コンバータトランスPITの結合係数を所要値にまで低下させてより疎結合の状態とし、また、例えば二次巻線の1ターンあたりの誘起電圧レベルも所要以下となるようにして一次巻線N1と二次巻線N2A,N2Bの巻数(ターン数)設定を行い、これにより、絶縁コンバータトランスPITのコアに生じる磁束密度を所要以下にまで低下させたことによるものである。
そして、このようにして、重負荷、低交流入力電圧の状態においても連続モードが得られているということは、負荷変動、交流入力電圧変動等による二次側直流出力電圧Eoの変動にかかわらず、常に連続モードで二次側の整流動作が行われるということになる。これにより、本実施の形態のようにして、電力回生方式による力率改善回路を備える構成を採る場合において、一次側直列共振電流に重畳される商用交流電源周期のリップルの増加は、大幅に抑制されることになる。この結果、二次側直流出力電圧に重畳される商用交流電源周期のリップル電圧のレベルも低下することとなって、二次側の平滑コンデンサのキャパシタンスを従来と同等にまで増加させる必要もなくなる。つまり、電力回生方式による力率改善回路を備えるスイッチング電源回路の実用化を容易に実現できることになる。例えば図25〜図28に示す電源回路では、力率改善回路を備えない場合と比較して、上記リップル電圧は、5倍〜6倍の増加となっていたが、本実施の形態では、2倍程度に抑えられる。
また、このようにしてスイッチング電源回路において、電力回生方式による力率改善回路を採用することが実現化されることで、力率改善のための手段として、商用交流電源ラインにパワーチョークコイルを挿入する必要が無くなるが、これは、先ず、電力変換効率の低下の問題が解消されることにつながる。また、パワーチョークコイルは、電源回路部品のなかでも相当に大型であり、かつ、漏洩磁束の影響も無視できなかったことから、電源回路基板の大型化、重量増加の問題、基板上の配置設計の問題等も解消される。
具体例として、例えば図25、図26に示したスイッチングコンバータの構成を基として、力率改善回路20、21に代えて、パワーチョークコイルPCHを挿入する構成(図29のようにして、全波整流回路(Di,Ci)の整流経路に挿入する構成)とした場合、パワーチョークコイルPCHの重量は153g程度であり、占有体積は32.4立方センチメートル、プリント基板への実装面積は10.8平方センチメートル程度となる。
これに対して本実施の形態では、力率改善回路11を構成する部品の具体例として、高周波インダクタL10には、例えばEER−19の小型フェライトコアを用いている。また、フィルタコンデンサCN、及び力率改善用直列共振コンデンサC20は、共に200Vの耐圧品でよい。そして、上記高周波インダクタL10と、スイッチングダイオードD1とを合計した重量は20g程度であり、実装面積は8平方センチメートルとなる。このようにして、図1に示す電源回路の場合、力率改善回路11を形成する各部品は、何れも小型、軽量であり、力率改善回路11全体でも、上記したパワーチョークコイルPCHの重量、占有体積、実装面積を大きく下回る。
また、高周波インダクタL10に用いられる上記EER−19のフェライトコアは、閉磁路であり、従ってパワーチョークコイルPCHのように漏洩磁束の影響を考慮して基板上の配置設計をする必要もなく、また、磁気シールドなどを施す必要もない。これによっても電源回路基板の小型軽量化が促進できる。
また、本実施の形態では、二次側の整流回路として低オン抵抗のMOS−FETを整流素子として用いた同期整流回路を備えているが、これは、上記したようにして、負荷変動、交流入力電圧VACのレベル変動にかかわらず二次側の両波整流動作を連続モードとしたことと密接に関連している。この点について説明する。
ここでは先ず、図25〜図28に示した電源回路から説明を始める。
前述もしたように、図25〜図28に示した構成に基づいてスイッチング周波数制御方式を採る電源回路では、例えば重負荷の傾向となったり、あるいは、交流入力電圧VACが低下傾向にあるときに、二次側の両波整流回路に流れる二次側整流電流が連続して流れない不連続モードとなる。
このような不連続モードの状態は、二次側整流電流が、一次側直列共振電流の流れる期間よりも短い期間で流れるような状態であるといえる。そして、このように整流電流が短期間で流れることで、このときの整流電流のピークレベルは比較的高いものとなり、これに伴って二次側の各整流ダイオードの導通損が比較的大きなものとなってしまう。
先の図25〜図28に示した回路では、このような不連続モードとされることによる整流ダイオードの導通損により、二次側においても相応の電力損失が生じていたものである。
そこで、このような整流ダイオードの導通損による二次側の電力損失を低減するための技術の1つとして、二次側両波整流回路について、低オン抵抗のMOS−FETを整流素子とする同期整流回路とすることが知られている。例えば、図25〜図26に示した電源回路の二次側整流ダイオードには、ショットキーダイオードを選定しているが、例えばトレンチ構造によるMOS−FETなどのほうが、オン抵抗ははるかに小さい。従って、二次側整流回路を同期整流回路とすることで、整流素子における導通損を低減し、二次側の電力損失を低減することが可能となる。
このような同期整流回路としては、例えば絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2(二次巻線N2A、N2B)に得られる交番電圧を検出する抵抗素子等を設け、その検出電圧により整流素子としてのMOS−FETをオン/オフ駆動するようにされる。これは、巻線電圧検出方式ともいわれる。
しかしながら、不連続モードの状態では、平滑コンデンサに対する充電電流が0レベルとなった以降も、その不連続期間で一次巻線N1に同極性による一次側直列共振電流が流れていることから、二次巻線N2の誘起電圧としてもその極性が反転することはなく、この期間ではMOS−FETは完全にオフにならずにオン状態を維持する。
そして、このように平滑コンデンサに対する充電電流が0レベルとなった以降もMOS−FETがオン状態とされることにより、この期間では整流電流として逆方向の電流が流れて、この逆方向電流による無効電力が生じてしまう。
このことから、巻線電圧検出方式を採る同期整流回路の場合、整流素子における導通損は低減されるものの、このような逆方向電流による無効電力の発生によって、全体として電力変換効率の有効な向上を図ることは難しい。
そこで、上記したような逆方向の整流電流による無効電力の発生の問題を解消する技術としては、整流電流検出方式による同期整流回路が知られている。この整流電流検出方式は、二次側の平滑コンデンサCoに充電される整流電流が0レベルになる前にMOS−FETをオフさせる技術である。
このための回路構成としては、例えば二次巻線N2に流れる電流(整流電流)をカレントトランスなどにより検出するようにされる。カレントトランスにより検出された電流は、電圧(検出電圧)として出力されるが、この検出電圧を、コンパレータにより所定の基準電圧と比較するようにされる。
ここで、平滑コンデンサCoへ充電するようにして整流電流が流れ始めると、この整流電流がカレントトランスにより検出されて、この整流電流レベルに応じた検出電圧がコンパレータに入力される。コンパレータでは、基準電圧と検出電圧とを比較して、例えば検出電圧が基準電圧を越えるとHレベルを出力する。このHレベルの出力がバッファからオン電圧として、整流素子であるMOS−FETのゲートに対して印加され、MOS−FETをオンさせる。これにより、整流電流がMOS−FETのソース→ドレイン方向により流れることになる。
そして時間経過に応じて整流電流のレベルが低下し、これに応じて、カレントトランスの出力である検出電圧が基準電圧よりも低くなると、コンパレータは出力を反転させる。この反転出力がバッファを介して出力されることで、整流素子であるMOS−FETのゲート容量を放電させて、そのMOS−FETをオフとする。
このような動作とされることで、整流素子であるMOS−FETは、整流電流が0レベルとなる前のタイミングでオフされることになる。これにより、巻線電圧検出方式による同期整流回路のようにして、整流電流が不連続となる期間において、MOS−FETに逆方向電流が流れることが無くなって無効電力が生じなくなり、その分の電力変換効率は高くなる。
しかし、上記した整流電流検出方式の同期整流回路では、上記説明からも分かるように、1つのMOS−FETに対応して、少なくとも1組のカレントトランスと、このカレントトランスの出力によりMOS−FETを駆動するための比較的複雑な駆動回路系が必要となる。これにより、回路構成が複雑になり、これが製造能率の低下、コストアップ、回路基板サイズの拡大などにつながるという不都合が生じる。
特に、例えば図25及び図26に示した電源回路のように、電流共振形のスイッチングコンバータの構成を基本としている場合、同期整流回路としても両波整流回路とする必要がある。従って、上記したカレントトランス及び駆動回路系は、半波の期間ごとに対応して2組必要とされることになり、上記した問題がさらに大きくなる。
このようにして、二次側整流動作として不連続モードとなる状態があることを前提として、同期整流回路を採用することを考えると、巻線電圧検出方式と整流電流検出方式とでは、そのメリットがトレードオフの関係にならざるを得ない。つまり、巻線電圧検出方式のほうが、電力変換効率の面で不利ではあるが、回路構成は簡略となる。これに対して、整流電流検出方式のほうは、無効電力が生じないので電力変換効率の面では有利であるが、回路構成が複雑になる。換言すれば、二次側整流動作として不連続モードとなる条件が存在する以上、例えば電力変換効率のことを考慮して同期整流回路を採用しようとしても、整流電流検出方式を採らざるを得ないために、回路構成が複雑化するという問題を抱えることになってしまう。
しかしながら、本実施の形態としては、先に説明した絶縁コンバータトランスPITの構成とすることで、負荷変動及び交流入力電圧の変動等にかかわらず、二次側の両波整流動作を連続モードとしている。
前述したように、図1に示す電源回路に備えられる同期整流回路は巻線電圧検出方式を採っているが、上記のようにして常に連続モードが得られていることで、電流不連続期間の無効電力が生じることはない。つまり、本実施の形態としては、巻線電圧検出方式の同期整流回路を備えることで、簡単な回路構成として回路規模の拡大を抑制し、さらにコストアップを避けるようにしていながら、なおかつ、電流不連続期間の無効電力に起因する電力変換効率の低下の問題を有効に解消しているものである。
以上のことをまとめると、本実施の形態の電源回路としては、先ずは、電力回生方式による力率改善回路を備えた場合におけるリップル増加の問題について、二次側両波整流動作を不連続モードとすることで解決しており、また、チョークインプット方式と比較した場合には高い電力変換効率を得ているということがいえる。
そしてさらに、二次側両波整流動作を不連続モードとしたことで、二次側整流回路において電流不連続期間の無効電力が生じなくなることに着眼し、二次側には巻線電圧検出方式による同期整流回路を備えることしている。これにより、小数の部品追加で、二次側整流回路における電力損失の低減を有効に図り、電源回路全体としての電力変換効率をさらに促進させているものである。
なお、本実施の形態においては、二次側の整流電流経路にインダクタLdを挿入しているが、そのインダクタンス値を適正に設定することで、インダクタLdのインピーダンス成分により整流電流に生じるとされる逆方向電流の成分を抑制する動作が得られる。つまり、インダクタLdの挿入により、電流不連続期間の逆方向電流の抑制は、さらに強化される。
参考として、図1に示した電源回路について実際に実験を行って得られた結果として、負荷変動に対するAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)、力率PF、及び整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)の変化特性を、図5に示す。なお、この図5においては、比較として、図1に示したままの力率改善回路(PFC:Power Factor Corrector)を備える回路構成(PFC有り)の電源回路と、図1に示す回路構成から力率改善回路を省略した電源回路(PFC無し)との特性を示している。PFC有りの電源回路の特性を実線により示し、PFC無しの特性を破線により示す。
また、この図5に示す実験結果を得るのにあたっては、交流入力電圧VACについては230Vとし、負荷電力Poについては150W(Eo=5V×30A)〜0Wの範囲で変動する条件とした。また、図1に示すPFC有りの電源回路としての要部については、次のようにして部品を選定した。
・絶縁コンバータトランスPIT:EER−40フェライトコア、ギャップG=1.4mm、一次巻線N1=60T、二次巻線N2A,N2B=2T、結合係数k=0.75
・一次側直列共振コンデンサC1=0.027μF
・力率改善用直列共振コンデンサC20=0.082μF
・高周波インダクタL10=120μH、
・スイッチングダイオードD1=3A/600V
・フィルタコンデンサCN=1μF/200V、

これに対して、図1の構成を基にPFC無しの電源回路とした場合には、
・一次巻線N1=70T
・一次側直列共振コンデンサC1=0.015μF、
のようにして定数を変更した。
図1に示すままのPFC有りの電源回路の特性として、先ず、力率PFについては、PFC無しの場合と比較して大幅に高くなっていることが示される。負荷変動に対しては、重負荷の傾向となるのに従って力率PFの値が高くなる特性となっており、最大負荷電力Po=150W時においては、力率PF=0.84にまで向上されている。なお、PFC無しの場合には、力率PF=0.42となっている。
また、図1に示すままのPFC有りの電源回路のAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)としては、最大負荷電力Po=150W時においてηAC→DC=90.7%が得られた。ちなみにPFC無しの場合には、ηAC→DC=90.6%が計測された。そして、図5を参照して分かるように、本実施の形態のAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)としては、PFC無しの構成よりも低下しているということはなく、ほぼ同等の特性が維持されている。
また、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)については、PFC無しの場合が重負荷となるのに対応して若干の低下傾向となっているのに対して、図1に示すままのPFC有りの場合では増加傾向となってはいるが、負荷変動に対する変化幅としてはほぼ同等である。この結果は、本実施の形態と同じく全波整流回路(Di、Ci)を備える図25及び図26の電源回路と比較した場合には、負荷変動に対する整流平滑電圧Eiの変動幅は大幅に縮小されたものとなっている。これは、力率改善回路11により回生される電力量が負荷変動に応じて可変であることに依る。また、例えば、図31に示した、全波整流回路(Di、Ci)の整流電流経路にチョークインプットを挿入する構成を採る場合の整流平滑電圧Eiの変動特性と比較してみた場合にも、その変動幅は大幅に縮小されていることが分かる。
なお、図1に示すままのPFC有りの電源回路において、最大負荷電力Po=150W時での整流平滑電圧Eiのリップル電圧レベル(ΔEi)は、ΔEi=1.5Vが計測された。また、二次側直流出力電圧Eoのリップル電圧レベル(ΔEo)は、ΔEo=40mVが計測された。これに対して、PFC無しの電源回路では、同じ最大負荷電力Po=150W時での整流平滑電圧Eiのリップル電圧レベル(ΔEi)は、ΔEi=6Vと計測され、二次側直流出力電圧Eoのリップル電圧レベル(ΔEo)は、ΔEo=20mVと計測された。この、PFC有りの場合とPFC無しの場合とでのΔEoの値を比較して分かるように、先にも述べたとおり、本実施の形態における二次側直流出力電圧のリップル増加量は、力率改善回路を備えない場合の2倍程度に抑制されている。
図6は、本発明の第2の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示している。なお、この図において、図1と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
図6に示す電源回路においては、電力回生方式の力率改善回路として、静電結合形による力率改善回路11に代えて、磁気結合形による力率改善回路12が備えられる。
この磁気結合形の力率改善回路12も、商用交流電源ACから整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を生成するブリッジ整流回路Diと平滑コンデンサCiとの間の整流電流経路に挿入されるようにして設けられており、フィルタコンデンサCN、高周波インダクタL10、及び高速リカバリ型のスイッチングダイオードD1とから成る。この点を図1に示した力率改善回路11と比較した場合には、力率改善用直列共振コンデンサC20が省略されて、その分、部品点数としては削減が図られたこととなる。
力率改善回路12において、先ず、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子に対しては、スイッチングダイオードD1のアノードが接続され、そのカソードは高周波インダクタL10の直列接続を介して、平滑コンデンサCiの正極端子に接続される。この場合には、スイッチングダイオードD1(アノード→カソード)−高周波インダクタL10の直列接続回路が、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子と平滑コンデンサCiの正極端子間に対して挿入されていることになる。そして、このスイッチングダイオードD1−高周波インダクタL10の直列接続回路に対して、フィルタコンデンサCNが並列に接続される。この場合のフィルタコンデンサCNも、ノーマルモードノイズを抑制するためのものとなる。
そして、この場合には、一次側直列共振回路(L1−C1)は、スイッチングダイオードD1のカソードと高周波インダクタL10との接続点に対して接続するようにしており、これにより、一次側直列共振回路に得られるスイッチング出力(一次側直列共振電流)を電力として回生して、磁気結合(即ち高周波インダクタL10)を介するようにして平滑コンデンサCiに帰還するようにされる。
上記構成による力率改善回路12を備える、図6の電源回路における力率改善動作は図7に示される。この図7においても、図3と同様にして、交流入力電圧VAC、交流入力電流IAC、整流出力電流I1、電圧V1が示されている。図6の回路の場合、整流出力電流I1は、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子から、スイッチングダイオードD1のアノードに流れようとする部位の電流となり、また、電圧V1は、スイッチングダイオードD1と高周波インダクタL10と、一次側直列共振コンデンサC1の接続点と一次側アース間の電位となる。交流入力電圧VACとしては、50Hzで325Vp(AC200V系)であり、図3の場合と同じ条件である。
力率改善回路12においても、上記したように一次側直列共振回路から電力回生が行われる。これにより、電圧V1は、図示するようにして、商用交流電源周期のリップル成分が重畳している整流平滑電圧Eiに対して、スイッチング周期による交番電圧成分(V1A)がさらに重畳した波形として得られる。但し、図6に示す力率改善回路12の構成では、略M字状となるピーク近傍のエンベロープは、整流出力電流I1ではなく、この電圧V1に現れる。
なお、図7に示される電圧V1によると、図6に示す電源回路としても、整流平滑電圧Eiのピークレベルは、リップルが最大となる時点で325Vとなり、交流入力電圧VACのピークレベルに対応する。また、この整流出力電圧に交番電圧成分が重畳した電圧V1の包絡線レベルとして、略M字状のピークを生じない期間は400Vで一定となり、略M字状の波形部分のピークレベルは500Vとなる。
この場合にも、高速リカバリ型のスイッチングダイオードD1は、この電圧V1における交番電圧成分の印加により、例えば交流入力電圧VACの正/負の絶対値が、そのピーク値の約1/2以上のときにスイッチング動作を行い、整流電流を断続することとなる。
このようにして整流電流が断続されることで、この場合においても、整流出力電流I1としては、図示するようにして交番波形となる。なお、この場合の整流出力電流I1には、略M字状のエンベロープは現れておらず、ほぼ半波の正弦波状となっている。なお、交流入力電圧VACがピークとなる時点に対応する整流出力電流I1のレベルについては、この場合も4Aとなる。
このような波形により流れる整流出力電流I1の導通期間としても、ブリッジ整流回路Diから出力される整流出力電圧レベルが平滑コンデンサCiの両端電圧よりも低いとされる期間にも流れるものとなっており、交流入力電流IACの導通期間も、この整流出力電流I1の導通期間にほぼ一致する。つまり、この場合においても、交流入力電流IACの導通角が、力率改善回路を備えない場合よりも拡大されており、従って、力率改善が図られていることになる。なお、この場合の交流入力電流IACのピークレベルは2Aである。
そして、このような回路構成を採る第2の実施の形態の電源回路においても、絶縁コンバータトランスPITとしては、先に説明した第1の実施の形態と同様の構造を採ることで、例えば、結合係数kについて、例えばk=0.75程度にまで低下させており、負荷変動、交流入力電圧の変動等にかかわらず、二次側整流動作として常に連続モードが得られるようにしている。
これにより、先の第1の実施の形態の電源回路と同様にして、二次側直流出力電圧Eoに重畳するリップル電圧の増加が抑制されることになり、電力回生方式として磁気結合形の構成を採るとした場合にも、その実用化が容易に実現される。また、チョークインプット方式と比較して高電力変換効率が得られることも同様である。
さらに、図6に示す電源回路としても、二次側整流動作として常に連続モードが得られたことを前提として、二次側両波整流回路を、巻線電圧検出方式による同期整流回路としていることで、最小限の回路構成で二次側における電力損失低減を有効に図っている。
図8は、図6に示した第2の実施の形態としての電源回路について実際に実験を行って得られた結果として、負荷変動に対するAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)、力率PF、及び整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)の変化特性を示している。
なお、この図8においても、比較として、図6に示したままの力率改善回路(PFC:Power Factor Corrector)11を備える回路構成(PFC有り)の電源回路と、図6に示す回路構成から力率改善回路を省略した電源回路(PFC無し)との特性を示しており、PFC有りの電源回路の特性は実線、PFC無しの特性が破線により示される。なお、図6を基としてPFC無しとした電源回路は、図1の回路構成を基としてPFC無しとした電源回路と同じ構成となる。
また、この図8に示す実験結果を得るのにあたっても、交流入力電圧VAC=230Vとし、負荷電力Poは150W(Eo=5V×30A)〜0Wの範囲で変動する条件とした。また、図6に示すPFC有りとしての電源回路の要部については、次のようにして部品を選定した。
・絶縁コンバータトランスPIT:EER−40フェライトコア、ギャップG=1.4mm、一次巻線N1=60T、二次巻線N2A,N2B=2T、結合係数k=0.75、
・一次側直列共振コンデンサC1=0.018μF/800V
・高周波インダクタL10=120μH
・スイッチングダイオードD1=3A/600V
・フィルタコンデンサCN=1μF/200V、
この場合にも、図6に示すままのPFC有りの電源回路の力率PFの特性としては、負荷変動に対しては、重負荷となるのに従って力率PFの値が高くなる傾向を有した上で、PFC無しの場合と比較して大幅に高くなっている。そして、最大負荷電力Po=150W時の力率PFとして、この場合にもPF=0.84が得られている。
また、図6に示すままのPFC有りの電源回路のAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)としては、最大負荷電力Po=150W時においてηAC→DC=90.5%が得られており、第1の実施の形態とほぼ同等の特性となっている。また、この場合においても、PFC無しの構成における場合とほぼ同等のAC→DC電力変換効率の特性が維持されていることが分かる。
また、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)については、負荷変動に対して全体的にPFC無しの場合よりもレベルが高くなっているが、負荷変動に対するレベル変動は、負荷電力Poが約25W以上となるあたりからほぼ一定となる特性が得られる。つまり、第2の実施の形態としても、負荷変動に対する直流入力電圧の変動は少なくなっているということがいえる。
なお、図6に示すPFC有りの電源回路において、最大負荷電力Po=150W時での整流平滑電圧Eiのリップル電圧レベル(ΔEi)は、ΔEi=14Vが計測された。二次側直流出力電圧Eoのリップル電圧レベル(ΔEo)については、ΔEo=40mVと同等の結果が得られた。
図9は、第3の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示している。なお、この図において、図1及び図6と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
この図9に示す電源回路としては、例えば図6に示した第2の実施の形態の電源回路の構成を基としたうえで、図6に示された力率改善回路12におけるスイッチングダイオードD1と高周波インダクタL10による直列接続回路の接続パターンを入れ替えるようにして、力率改善回路13を形成している。
つまり、力率改善回路13としても、フィルタコンデンサCN、高周波インダクタL10、及び高速リカバリ型のスイッチングダイオードD1を備える。
そして、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子に対しては、先ず、高周波インダクタL10の一端を接続し、その他端を、スイッチングダイオードD1のアノードに接続する。スイッチングダイオードD1のカソードが平滑コンデンサCiの正極端子に接続される。ノーマルモードノイズ抑制のためのフィルタコンデンサCNは、この高周波インダクタL10−スイッチングダイオードD1の直列接続回路に対して並列に接続することになる。
一次側直列共振回路(C1,N1(L1))は、高周波インダクタL10とスイッチングダイオードD1のアノードとの接続点に対して接続する。
このような構成では、一次側直列共振回路に得られるスイッチング出力(一次側直列共振電流)を、スイッチングダイオードを介して平滑コンデンサCiに帰還するような電力回生の動作となる。ここでは、このような電力回生の動作をダイオード結合形ということにする。
このようなダイオード結合形による力率改善回路13を備えた場合にも、回生された電力によりスイッチングダイオードD1が整流電流をスイッチングして断続するようにされる。この結果、静電結合形、及び磁気結合形の力率改善回路11,12と同様にして、交流入力電流IACの導通角は拡大されて力率改善が図られることになる。
そして、この第3の実施の形態としても、第1及び第2の実施の形態と同様の絶縁コンバータトランスPITの構造等を採ることで、二次側両波整流回路の動作は負荷変動等にかかわらず連続モードとされているものであり、第1及び第2の実施の形態と同様の作用、効果が得られることになる。また、二次側整流回路を巻線電圧検出方式による同期整流回路としたことによる電力損失低下の効果も同様にして得られているものである。
図10の回路図は、第4の実施の形態としての電源回路の構成例を示している。なお、この図において、図1、図6及び図9の回路図と同一とされる部位については同一符号を付して、ここでの説明は省略する。
この図に示す電源回路は、先の各実施の形態と同様にして、一次側の基本構成として、他励式のハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータに対して部分電圧共振回路が組み合わされた構成を採る。また、絶縁コンバータトランスPITとしては、先の各実施の形態と同様の構造を採ることで、例えば、結合係数k=0.75程度としており、これにより、負荷変動、交流入力電圧の変動等にかかわらず、二次側整流動作として常に連続モードが得られるようにしている。また、二次側整流回路としても、先の各実施の形態と同様にして巻線電圧検出方式による同期整流回路としている。
そのうえで、第4の実施の形態としては、力率改善回路14を備える。この力率改善回路14は、商用交流電源ACから整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を生成する整流平滑回路系について倍電圧整流回路としたうえで、この倍電圧整流回路に対して、静電結合形の電力回生方式による力率改善回路の構成を組み合わせて形成される。
先ず、この図10に示す電源回路としても、商用交流電源ACに対し、フィルタコンデンサCL、及びコモンモードチョークコイルCMCによるノイズフィルタが形成されている。
そして、商用交流電源ACから整流平滑電圧Eiを生成する倍電圧整流回路としては、2本の整流ダイオードD1、D2と、2本の平滑コンデンサCi1−平滑コンデンサCi2の直列接続回路とを備えて形成される。これら平滑コンデンサCi1,Ci2は同じキャパシタンスを有するものとされる。
整流ダイオードD1のアノードは、後述する力率改善回路14内の高周波インダクタL10の直列接続を介して商用交流電源ACの正極ライン側と接続されている。カソードは、上記平滑コンデンサCi1の正極端子に対して接続される。
また、整流ダイオードD2のカソードは、上記高周波インダクタL10の直列接続を介して商用交流電源ACの正極ライン側と接続され、アノードが一次側アースに接続される。
また、平滑コンデンサCi1の負極端子は、平滑コンデンサCi2の正極端子と接続され、平滑コンデンサCi2の負極端子は一次側アースに接続される。その上で、これら平滑コンデンサCi1とCi2との接続点が、商用交流電源ACの負極ライン側と接続される。
上記接続形態により、交流入力電圧VACが正極性となる半周期では、正方向とされる交流入力電流IACを基とする整流電流が、商用交流電源AC(正極)→(コモンモードチョークコイルCMCの正極ライン側の巻線)→高周波インダクタL10→整流ダイオードD1→平滑コンデンサCi1→(コモンモードチョークコイルCMCの巻線)→商用交流電源AC(負極)による整流電流経路を流れる。つまり、整流ダイオードD1の整流出力により平滑コンデンサCi1を充電する動作が得られる。
また、交流入力電圧VACが負極性となる半周期では、負方向とされる交流入力電流IACを基とする整流電流が、商用交流電源AC(負極)→(コモンモードチョークコイルCMCの負極ライン側の巻線)→平滑コンデンサCi2→整流ダイオードD2→高周波インダクタL10→(コモンモードチョークコイルCMCの正極ライン側の巻線)→商用交流電源AC(正極)による整流電流経路を流れる。これにより、整流ダイオードD2の整流出力により平滑コンデンサCi2を充電する動作が得られる。
これにより、交流入力電圧VACの1周期において上記平滑コンデンサCi1−Ci2の両端に得られる直流入力電圧Eiとしては、商用交流電源の略2倍のレベルが得られることになる。すなわち、商用交流電源ACのレベルの2倍に対応するレベルの整流平滑電圧(直流入力電圧Ei)を生成する、倍電圧整流平滑動作が得られるものである。
なお、本実施の形態の場合、力率改善回路14の動作としては、上記した整流ダイオードD1、整流ダイオードD2が力率改善用スイッチング素子として機能し、後述するようにして、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周期によりスイッチング動作を行うようにして整流電流を断続する。このために、整流ダイオードD1、整流ダイオードD2としては、高速リカバリ型のダイオード素子が選定される。
本実施の形態における力率改善回路14は、上記しているように、倍電圧整流回路の整流ダイオードD1,D2を力率改善用スイッチング素子として共用した、静電結合形の電力回生方式による力率改善回路とされる。この力率改善回路14としても、商用交流電源ACから直流入力電圧(Ei)を得るための整流平滑回路(倍電圧整流回路)における整流電流経路に対して挿入されるようにして設けられる形態としてみることができる。
先ず、力率改善回路14においては、先に説明したようにして整流ダイオードD1と整流ダイオードD2との接続点に対して、高周波インダクタL10の一端を接続している。そして、高周波インダクタL10の他端は、商用交流電源ACの正極ライン側に接続している。
これにより、整流ダイオードD1は、商用交流電源ACが正極性となる半波の期間に対応して形成される倍電圧整流回路の整流電流経路において、高周波インダクタL10と直列に接続される関係が得られる。また、整流ダイオードD2は、商用交流電源ACが負極性となる半波の期間に対応して形成される倍電圧整流回路の整流電流経路において、高周波インダクタL10と直列に接続される関係が得られる。また、整流ダイオードD1,D2は、商用交流電源ACに対しては、相互に並列に接続されている関係となる。
また、力率改善回路14においては、商用交流電源ACのラインにフィルタコンデンサCNを挿入する。このフィルタコンデンサCNとしては、高周波インダクタL10と商用交流電源ACの正極ライン側のコモンモードチョークコイルCMCとの接続点と、平滑コンデンサCi1−Ci2の接続点との間に挿入されるように接続する。このような接続形態によれば、上記フィルタコンデンサCNは、平滑コンデンサCi1については高周波的には省略されてよい程度の大きなキャパシタンスを有していることを考えれば、整流ダイオードD1と高周波インダクタL10とにより形成される直列接続回路と、整流ダイオードD2と高周波インダクタL10とにより形成される直列接続回路とに対して並列に設けられるとみてよい。このようにして設けられるフィルタコンデンサCNは、商用交流電源ACが正/負となる各期間において形成される整流電流経路に生じるノーマルモードノイズを抑制するようにされる。
また、力率改善回路14においては、整流ダイオードD1、整流ダイオードD2に対して、それぞれ図示するように力率改善用直列共振コンデンサC20A、力率改善用直列共振コンデンサC20Bを並列に接続している。この場合、力率改善用直列共振コンデンサC20A、C20Bの各々は、高周波インダクタL10に対しては直列の関係となるが、これにより、力率改善用直列共振コンデンサC20A、C20Bのキャパシタンスと、高周波インダクタL10のインダクタンスとにより、力率改善回路14内(倍電圧整流回路の整流電流経路内)において直列共振回路を形成する。
そのうえで、整流ダイオードD1のアノードと、整流ダイオードD2のカソードと、高周波インダクタL10との接続点に対しては、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の一端を、一次側直列共振コンデンサC1の直列接続を介するようにして接続している。つまり、一次側直列共振回路(L1−C1)を接続している。
このような力率改善回路14の構成によると、一次側直列共振回路に得られるスイッチング出力(一次側直列共振電流)を電力として回生して、整流ダイオードD1//力率改善用直列共振コンデンサC20A、及び整流ダイオードD1//力率改善用直列共振コンデンサC20Bの並列接続を介するようにして、平滑コンデンサCi(Ci1、Ci2)に帰還する動作が得られることになる。この場合、平滑コンデンサCiと一次側直列共振回路との間には、力率改善用直列共振コンデンサC20のキャパシタンス(静電容量)が介在することから、電力回生は、静電結合により行われるものとみることができる。
図11の波形図は、上記構成による力率改善回路14の動作を商用交流電源周期により示している。
ここで、図示するようにして50Hzによる交流入力電圧VACが入力されていることを前提として、上記のように力率改善回路14側に対して、一次側直列共振回路から電力回生が行われることになる。なお、この場合においては、例えばAC100V系に対応する交流入力電圧VAC=100Vが入力されている。
これに応じて、整流ダイオードD2の両端電圧である整流出力電圧V2としては、図示するようにして商用交流電源周期による交流入力電圧成分に対して、一次側スイッチングコンバータのスイッチング周期による交番電圧成分が重畳された波形として得られる。この場合、電圧V2のピークレベルは、図示するように300Vが得られる。
そして、図示は省略しているが、整流ダイオードD1の整流出力電圧電圧としても、この電圧V2の位相が180°シフトした波形として得られる。つまり、高速リカバリ型とされる整流ダイオードD1及び整流ダイオードD2のそれぞれは、交流入力電圧成分に対して上記した交番電圧成分が重畳された電圧に応じて、スイッチング動作を行っていることがわかる。
そしてこの場合、整流ダイオードD1、D2のそれぞれは、上記のように交番電圧成分が重畳された電圧の印加により、交流入力電圧VACの正/負の絶対値として、例えばそのピーク値の約1/2以上のときに比較的高速にスイッチング動作を行って整流電流を断続するようにされている。
このようにして、整流ダイオードD1と整流ダイオードD2とが整流電流を断続するようにしてスイッチングすることに応じて、整流出力電流I1が流れる。この整流出力電流I1としては、図示するようにしてピーク近傍が略W字状となる交番波形として得られる。この場合において、交流入力電圧VACがピークとなる時点に対応する整流出力電流I1のレベルは、5Aとなる。
このような波形により流れる整流出力電流I1の導通期間は、単に交流入力電圧成分の印加分のみに基づく場合の整流ダイオードD1、D2の導通期間よりも長い期間が得られる。すなわち、上記のようにして整流ダイオードD1、D2が、交流入力電圧VACの正/負のピーク値の約1/2以上のときに上記交番電圧成分に応じたスイッチング動作を行うようにされていることで、本来は整流出力電圧レベルが平滑コンデンサCi1、Ci2の両端電圧レベルよりも低いとされる期間にも、整流ダイオードD1、D2が導通して整流出力電流I1の導通角の拡大が図られる。
そして、同じ図11に示す交流入力電流IACの導通期間も、この整流出力電流I1の導通期間にほぼ一致したものとなっており、従って交流入力電流IACの導通角は、力率改善回路を備えない場合よりも拡大されることになる。これにより、交流入力電流IACの波形としては、交流入力電圧VACの波形により近付くものとなって、力率の改善が図られる。なお、交流入力電流IACのピークレベルは、この場合5Aとなっている。
先に説明した第1〜第3の実施の形態の電源回路は、例えば負荷電力については、最大負荷電力Po=150W(Eo=5V×30A)から最小負荷電力Pomin=0Wの条件に対応している。このような負荷条件は、先にも説明したように、低電圧/大電流といわれる比較的重負荷の条件とされる。また、商用交流電源入力としては、AC200V系とされている。
このような負荷条件と商用交流電源入力の条件とに基づいて、第1〜第3の実施の形態の電源回路としては、商用交流電源ACから整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を生成する整流回路系について、全波整流回路(Di、Ci)を備えて交流入力電圧の等倍レベルの整流平滑電圧Eiを生成するようにしている。
しかしながら、上記と同様の比較的重負荷とされる負荷条件のもとで、商用交流電源入力についてはAC200V系からAC100V系とした場合、この商用交流電源入力の低下分に応じて電源回路に流れる電流レベルが増加することとなる。このために、例えばスイッチング素子などにおけるスイッチング損失などをはじめとして、回路内における電力損失が増加して、総合的な電力変換効率の低下を招く。
この第4の実施の形態において、商用交流電源から整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を生成する整流回路系を倍電圧整流回路としているのは、例えば上記と同程度の負荷条件で、かつ、AC100V系の商用交流電源入力とされる条件に対応するのにあたり、上記した電力損失低下の問題を解消することを目的としているものである。
つまり、倍電圧整流回路により生成される整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)としては、AC100V系の交流入力電圧VACの2倍に対応するレベルが得られることになる。つまり、AC200V系の交流入力電圧VACを入力する全波整流回路により得られる整流平滑電圧Eiと同等レベルが得られることになる。これにより、電源回路内に流れる電流レベルとしても、AC200V系の入力に対して全波整流回路を備える第1〜第3の実施の形態の電源回路とほぼ同等とすることが可能になる。例えば、最大負荷電力Pomax=150W時において得られる整流出力電流I1のピークレベルは、第1の実施の形態では4A(図3)、第4の実施の形態では5A(図11)であり、ほぼ同等とみてよいレベルにまで低減されていることが分かる。この結果、上記した電力変換効率の低下の問題が解消される。
そして、この第4の実施の形態としても、力率改善のための手段として、商用交流電源ラインにパワーチョークコイルを挿入する必要が無くなるわけであり、これによる電力変換効率の向上、電源回路基板の小型軽量化、基板の配置設計の自由度の向上などの効果も得られることになる。
例えば、倍電圧整流回路を備える図27及び図28に示したスイッチングコンバータの構成を基として、力率改善回路22,23に代えて、パワーチョークコイルPCHを挿入する構成とした場合、パワーチョークコイルPCHの重量は153g程度であり、占有体積は32.4立方センチメートル、プリント基板への実装面積は10.8平方センチメートルとなる。
これに対して、本実施の形態の力率改善回路14としても、高周波インダクタL10には、例えばEER−19の小型フェライトコアを用いた閉磁路型となっている。また、フィルタコンデンサCN、及び力率改善用直列共振コンデンサC20A、C20Bは、共に200Vの耐圧品でよい。また、上記高周波インダクタL10と、整流ダイオードD1、D2とを合計した重量は約20g程度であり、実装面積は8平方センチメートルとなる。このようにして、図10に示す第4の実施の形態の電源回路としても、力率改善回路14を形成する各部品は、何れも小型、軽量であり、力率改善回路14全体でも、上記したパワーチョークコイルPCHの重量、占有体積、実装面積を大きく下回る。
参考として、図10に示した第4の実施の形態の電源回路について実際に実験を行って得られた結果として、負荷変動に対するAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)、力率PF、及び整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)の変化特性を、図12に示す。
なお、この図12においては、比較として、図10に示したままの力率改善回路(PFC:Power Factor Corrector)を備える回路構成(PFC有り)の電源回路と、図10に示す回路構成から力率改善回路を省略し且つ二次側に同期整流回路ではなくダイオード素子による整流回路を備えた場合の電源回路(PFC無し)との特性を示している。この場合、上記PFC無しの回路が備える絶縁コンバータトランスPITとしては、実施の形態のように疎結合とはされず且つ誘起電圧としても例えば2.5V/T以上に設定したものとする。
図12においては、PFC有りの電源回路の特性を実線により示し、PFC無しの特性を破線により示す。
また、この図12に示す実験結果を得るのにあたっては、交流入力電圧VACについては100Vとし、負荷電力Poについては最大負荷電力Pomax=150W(Eo=5V×30A)〜最小負荷電力Pomin=0Wの範囲で変動する条件とした。また、交流入力電圧VACについては、いわゆる100V系といわれる、85V〜144V程度の範囲を保証するものとしている。
また、図10に示すPFC有りの電源回路としての要部については、次のようにして部品を選定した。
・絶縁コンバータトランスPIT:EER−40フェライトコア、ギャップG=1.4mm、一次巻線N1=60T、二次巻線N2A,N2B=2T、結合係数k=0.75、
・一次側直列共振コンデンサC1=0.022μF、
・力率改善用直列共振コンデンサC20A=C20B=0.022μF、
・高周波インダクタL10=56μH、
・整流ダイオードD1=D2=3A/600V、
・フィルタコンデンサCN=1μF/200V、

これに対して、図10の構成を基にPFC無しの電源回路とした場合には、
・一次巻線N1=65T、
・一次側直列共振コンデンサC1=0.018μF、
のようにして定数を変更した。
図10に示すままのPFC有りの電源回路の特性として、先ず、力率PFについては、PFC無しの場合と比較して大幅に高くなっていることが示される。負荷変動に対しては、重負荷の傾向となるのに従って力率PFの値が高くなる特性となっており、最大負荷電力Po=150W時においては、力率PF=0.80にまで向上されている。なお、PFC無しの場合には、力率PF=0.54となっている。
また、図10に示すままのPFC有りの電源回路のAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)としては、最大負荷電力Po=150W時においてηAC→DC=91.2%が得られた。ちなみにPFC無しの場合には、ηAC→DC=90.1%が計測された。そして、図12を参照して分かるように、本実施の形態の負荷変動に伴うAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)としては、PFC無しの構成よりも高効率が得られることになる。
また、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)については、PFC無しの場合と有りの場合とで、負荷電力Po=150W〜50W付近までの変動に対しては、ほぼ同等の変化幅で推移する。また、例えば、図32に示した、倍電圧整流回路との組み合わせによりチョークインプット方式を採る場合の整流平滑電圧Eiの変動特性と比較してみた場合にも、PFC有りとされた場合の変動幅は大幅に縮小されていることが分かる。
実験によれば、PFC無しの場合の直流入力電圧Eiの変動幅(ΔEi)は、ΔEi=14V、PFC有りの場合はΔEi=33Vとなる結果が得られた。
なお、図10に示すままのPFC有りの電源回路において、最大負荷電力Po=150W時での二次側直流出力電圧Eoのリップル電圧レベル(ΔEo)は、ΔEo=40mVが計測された。これに対して、PFC無しの電源回路では、同じ最大負荷電力Po=150W時での二次側直流出力電圧Eoのリップル電圧レベル(ΔEo)は、ΔEo=20mVと計測された。この、PFC有りの場合とPFC無しの場合とでのΔEoの値を比較して分かるように、本実施の形態における二次側直流出力電圧のリップル増加量は、先にも述べたとおり力率改善回路を備えない場合の2倍程度に抑制されている。
図13は、本発明の第5の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示している。なお、この図において、図1、図6、図9、及び図10と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
図13に示す電源回路においては、電力回生方式の力率改善回路として、静電結合形による力率改善回路14に代えて、磁気結合形による力率改善回路15が備えられる。
この磁気結合形の力率改善回路15も、商用交流電源ACから整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を生成する整流平滑回路における、整流電流経路に挿入されるようにして設けられており、フィルタコンデンサCN、高周波インダクタL10、及び高速リカバリ型の整流ダイオードD1と整流ダイオードD2とから成る。
つまり、回路構成としては、図10に示した力率改善回路14から、力率改善用直列共振コンデンサC20A、C20Bを省略したものとなる。この点では、図13に示す力率改善回路15の方が部品点数の削減が図られたこととなる。
このような力率改善回路15を備える、図13の電源回路における力率改善動作は図14に示される。この図14においても、図11と同様にして、交流入力電圧VAC、交流入力電流IAC、整流出力電流I1、電圧V2が示されている。この場合としても、図示する交流入力電圧VACとしては、AC100V系に対応するVAC=100Vであり、1周期が50Hzとされる。
図13に示した力率改善回路15においても、一次側直列共振回路から電力回生が行われる。これにより、整流ダイオードD2による整流出力電圧V2は、図示するようにしてこの場合もスイッチング周期による交番電圧成分が重畳した波形として得られる。なお、図14に示される電圧V2によると、図13に示す電源回路としても、ピークレベルは300Vとなる。
このような電圧V2の波形が得られることによっても、図13の回路では、高速リカバリ型の整流ダイオードD2及び整流ダイオードD1が、帰還される一次側直列共振電流に基づく交番電圧成分の印加に応じてスイッチングを行っていることが理解できる。そして、この場合としても、整流ダイオードD1、D2の各々は、このような交番電圧成分に応じて、例えば交流入力電圧VACの正/負のピーク値の約1/2以上のときにスイッチング動作を行って整流電流を断続するようにされている。
このようにして整流電流が断続されることで、この場合の整流出力電流I1としても、図示するようにして交番波形となる。なお、この場合の整流出力電流I1には、その絶対値のピークレベル付近に略W字状の波形は現れておらず、ほぼ半波の正弦波状となっている。なお、交流入力電圧VACがピークとなる時点に対応する整流出力電流I1のレベルについては、この場合も5Aとなる。
そして、このような波形により流れる整流出力電流I1の導通期間としても、先の図10の回路の場合と同様に、本来は整流出力電圧レベルが平滑コンデンサCi1、Ci2の両端電圧レベルよりも低いとされる期間にも整流ダイオードD1、D2が導通することで拡大し、交流入力電流IACの導通期間としても、この整流出力電流I1の導通期間にほぼ一致するようにして拡大される。つまり、この場合においても、交流入力電流IACの導通角が、力率改善回路を備えない場合よりも拡大されており、従って、力率の改善が図られていることになる。なお、この場合の交流入力電流IACのピークレベルは5Aである。
そして、このような回路構成を採る第5の実施の形態の電源回路においても、絶縁コンバータトランスPITとしては、先の各実施の形態と同様の構造を採ることで、例えば、結合係数kについて、例えばk=0.75程度にまで低下させており、負荷変動、交流入力電圧の変動等にかかわらず、二次側整流動作として常に連続モードが得られるようにしている。
これにより、先の実施の形態の電源回路と同様にして、二次側直流出力電圧Eoに重畳するリップル電圧の増加が抑制されることになり、電力回生方式として磁気結合形の構成を採るとした場合にも、その実用化が容易に実現される。また、チョークインプット方式と比較して高電力変換効率が得られることも同様である。
さらに、図13に示す電源回路としても、二次側整流動作として常に連続モードが得られたことを前提として、二次側両波整流回路を、巻線電圧検出方式による同期整流回路としていることで、最小限の回路構成で二次側における電力損失低減を有効に図っている。
図15は、図13に示した第2の実施の形態としての電源回路について実際に実験を行って得られた結果として、負荷変動に対するAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)、力率PF、及び整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)の変化特性を示している。
なお、この図15においても、比較として、図13に示したままの力率改善回路(PFC:Power Factor Corrector)11を備える回路構成(PFC有り)の電源回路と、図13に示す回路構成から力率改善回路を省略し且つ二次側に同期整流回路ではなくダイオード素子による整流回路を備えた場合の電源回路(PFC無し)との特性を示している。この場合もPFC無しの回路が備える絶縁コンバータトランスPITとしては、実施の形態のように疎結合とはされず且つ誘起電圧としても例えば2.5V/T以上に設定したものとする。
そして、PFC有りの電源回路の特性は実線、PFC無しの特性は破線により示す。
確認のために述べておくと、図13を基としてPFC無しとした電源回路は、図10の回路構成を基としてPFC無しとした電源回路と同じ構成となる。
また、この図15に示す実験結果を得るのにあたっても、交流入力電圧VAC=100Vとし、負荷電力Poは150W(Eo=5V×30A)〜0Wの範囲で変動する条件とした。また、図13に示すPFC有りとしての電源回路の要部については、次のようにして部品を選定した。
・絶縁コンバータトランスPIT:EER−40フェライトコア、ギャップG=1.4mm、一次巻線N1=65T、二次巻線N2A,N2B=2T、結合係数k=0.75、
・一次側直列共振コンデンサC1=0.018μF/800V、
・高周波インダクタL10=120μH、
・整流ダイオードD1=D2=3A/600V、
・フィルタコンデンサCN=1μF/200V
この場合にも、図13に示すままのPFC有りの電源回路の力率PFの特性としては、負荷変動に対しては、重負荷となるのに従って力率PFの値が高くなる傾向を有した上で、PFC無しの場合と比較して大幅に高くなっている。そして、最大負荷電力Po=150W時の力率PFとして、この場合はPF=0.84が得られている。
また、図13に示すままのPFC有りの電源回路のAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)としては、最大負荷電力Po=150W時においてηAC→DC=91.4%が得られており、例えば第4の実施の形態とほぼ同等の特性となっている。また、この場合においても、PFC無しの構成における場合よりも高効率が維持されていることが図15から分かる。
また、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)については、負荷変動に対して全体的にPFC無しの場合よりもレベルが高くなっているが、負荷変動に対するレベル変動は、負荷電力Poが150Wから50W付近となるまではほぼ一定となる特性が得られる。つまり、第2の実施の形態としても、負荷変動に対する直流入力電圧の変動は少なくなっているということがいえる。
なお、図13に示すPFC有りの電源回路において、負荷電力Po=150W〜0Wの変動に対する整流平滑電圧Eiの変動幅(ΔEi)は、ΔEi=48Vが計測された。二次側直流出力電圧Eoのリップル電圧レベル(ΔEo)については、ΔEo=40mVと同等の結果が得られた。
図16の回路図は、本発明の第6の実施の形態としての電源回路の構成例を示している。なお、この図において、図1、図6、図9、図10及び図13と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
この図に示す電源回路の基本構成としては、例えば、第4及び第5の実施の形態と同様にして、倍電圧整流回路に対して電力回生方式の力率改善回路16を組み合わせると共に、他励式のハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータに対して部分電圧共振回路が組み合わされた一次側の構成を採る。また、力率改善回路16の電力回生方式としては、第5の実施の形態と同様の磁気結合形としている。
また、絶縁コンバータトランスPITとしては、先の各実施の形態と同様の構造を採ることで、例えば、結合係数k=0.75程度としており、これにより、負荷変動、交流入力電圧の変動等にかかわらず、二次側整流動作として常に連続モードが得られるようにしている。また、二次側整流回路としても、先の各実施の形態と同様にして巻線電圧検出方式による同期整流回路としている。
この図に示される力率改善回路16も、商用交流電源ACから直流入力電圧(Ei)を得るための整流平滑回路における整流電流経路に対して挿入されるようにして設けられるものとされ、図示するようにして、1組の高周波インダクタL10と、力率改善用スイッチング素子として機能するもので、倍電圧整流回路を成す2本の整流ダイオードD1,D2と、フィルタコンデンサCNとを備えて形成される。
この場合、高周波インダクタL10の巻線の巻始め端部は、商用交流電源ACの正極ライン側のフィルタコンデンサCNとの接続点に対して接続される。高周波インダクタL10の巻終わり端部は、一次側直列共振コンデンサC1の直列接続を介して一次巻線N1の端部と接続される。
さらに、この場合における高周波インダクタL10には、所定の巻線位置に対してタップが設けられており、これにより、高周波インダクタL10は、高周波巻線部L10A(第1インダクタ、第1巻線部)と、高周波巻線部L10B(第2インダクタ、第2巻線部)とに分割されることになる。高周波巻線部L10Aは、この場合には、商用交流電源ACの正極ラインと、上記タップとの間に挿入される。つまり、商用交流電源ACの正極ラインに対して接続されるものとなる。高周波巻線部L10Bは、上記タップと一次側直列共振コンデンサC1との間に挿入されて、一次側直列共振回路に対して接続されるものとなる。
そして、上記高周波インダクタL10のタップは、倍電圧整流回路系を形成する整流ダイオード(整流素子)D1のアノードと整流ダイオード(整流素子)D2のカソードとの接続点に対して接続される。
これにより、商用交流電源ACから整流平滑電圧Eiを生成する倍電圧整流回路において、商用交流電源ACが正極性となる半周期に形成される整流電流経路では、高周波巻線部L10Aが整流ダイオードD1と直列に接続され、商用交流電源ACが負極性となる半周期に形成される整流電流経路では、高周波巻線部L10Aが整流ダイオードD2と直列に接続される回路形態が得られることになる。
また、一次側直列共振回路を形成するとされる一次側直列共振コンデンサC1と一次巻線N1の直列接続回路は、さらに高周波巻線部L10Bの直列接続を介して、倍電圧整流回路における整流ダイオードD1,D2の接続点に対して接続されるものとなる。これは、スイッチング出力の帰還を受ける力率改善回路16からみた場合、一次側直列共振回路としては、一次側直列共振コンデンサC1のキャパシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンスに加え、高周波巻線部L10Bのインダクタンスも含んで形成されるものとなる。
また、力率改善回路16においては、商用交流電源ACの正極ラインと負極ラインとの間に対してフィルタコンデンサCNを挿入する。このフィルタコンデンサCNは、これまでの実施の形態と同様にして、整流電流経路に生じるノーマルモードノイズを抑制するようにされる。
このような力率改善回路16の回路構成では、一次側直列共振回路に得られるスイッチング出力(一次側直列共振電流)を電力として回生して、整流ダイオードD1,D2の整流動作を介させるようにして、平滑コンデンサCi(Ci1、Ci2)に帰還する動作が得られることになる。この場合、一次側直列共振電流を電力回生して帰還するのにあたっては、上述のようにして挿入される高周波インダクタL10が介在しているものと見ることができる。つまり、電力回生は、高周波インダクタL10における磁気結合により行われるものとみることができる。
そして、このようにして帰還されるスイッチング出力により、整流ダイオードD1,D2が整流電流をスイッチング(断続)する動作が得られるが、このスイッチング動作が行われる結果、力率改善が図られることになる。このことから、図16に示す回路では、倍電圧整流回路を形成する整流ダイオードD1,D2を、力率改善のために整流電流をスイッチングするスイッチング素子としても共用しているということがいえる。これにより、例えば整流用の素子と力率改善用のスイッチング素子とをそれぞれ個別に備える場合よりも、回路の部品点数が削減されることになる。
なお、本実施の形態において留意すべきことは、高周波インダクタL10にタップを設けて、このタップと整流ダイオードD1,D2の接続点を接続していることで、一次側直列共振電流は、高周波インダクタL10における高周波巻線部L10Bを経由して倍電圧整流回路系(ダイオードD1,D2の接続点)に帰還されるような回路形態となっていることである。
例えば、先の第5の実施の形態などに示される磁気結合形の力率改善回路の構成においては、図13に示したように、高周波インダクタL10にはタップが設けられておらず、高周波インダクタL10の巻始めから巻終わりまでの全ての巻線が整流電流経路側に在るようにされ、一次側直列共振回路と、整流ダイオードD1,D2の接続点との間には高周波インダクタL10の巻線部は挿入されない。
図17の波形図は、上記構成による力率改善回路16の動作を商用交流電源周期により示している。
ここで、図示するようにして50Hz(1周期=20ms)によるAC100V系の交流入力電圧(例えばVAC=100V)が入力されていることを前提として、上記のように力率改善回路16側に対して、一次側直列共振回路から電力回生が行われることになる。
これに応じて、整流ダイオードD2の両端電圧V2としては、図示するようにして商用交流電源周期による交流入力電圧成分に対して、一次側スイッチングコンバータのスイッチング周期による交番電圧成分が重畳された波形として得られる。この場合、電圧V2は、
整流ダイオードD2がスイッチングを行って整流電流を導通させる期間に対応しては0レベルとなり、整流ダイオードD1が導通するとされる期間に対応しては、280Vpでクランプされる波形となる。この280Vpのクランプレベルは、平滑コンデンサCi1−Ci2の直列接続の両端電圧(Ei)のレベルに対応する。
この電圧V2の波形から、整流ダイオードD1、D2に対しては、スイッチング周期による交番電圧が整流電圧に重畳されるようにして印加されているということがいえる。この結果、交流入力電圧VACの正/負の絶対値として、例えばそのピーク値の約1/2以上のときに比較的高速にスイッチング動作を行って整流電流を断続するようにされる。
このようにして、整流ダイオードD1,D2が整流電流を断続するようにしてスイッチングすることに応じて得られる、高周波インダクタL10と、整流ダイオードD1,D2の接続点との間のラインに流れるとされる整流電流I1としては、図示するようにして、整流ダイオードD1,D2がスイッチングを行うとされる期間に応じて、半波の正弦波状となる交番波形として得られる。この場合において、交流入力電圧VACがピークとなる時点に対応する整流電流I1のピークレベルは、9Apとなる。
ちなみに、このようにして生じる整流電流I1の交番波形として高周波成分は、力率改善回路16内に挿入されるフィルタコンデンサCNに流れるようにされる。つまり、整流電流I1が正極性となる期間においては、フィルタコンデンサCN→高周波巻線部L10A→整流ダイオードD1→平滑コンデンサCi1→フィルタコンデンサCNの経路で流れる。また、整流電流I1が負極性となる期間においては、フィルタコンデンサCN→平滑コンデンサCi2→整流ダイオードD2→高周波巻線部L10A→フィルタコンデンサCNの経路で流れる。
ここで、上記のようにして整流ダイオードD1、D2が、交流入力電圧VACの正/負のピーク値の約1/2以上のときに上記交番電圧成分に応じたスイッチング動作を行うようになっていることからも分かるように、整流電流I1の導通期間は、単に交流入力電圧成分の印加分のみに基づく場合の整流ダイオードD1、D2の導通期間よりも長い期間が得られている。これは、交流入力電圧レベルが平滑コンデンサCi1、Ci2の両端電圧レベルよりも低いとされる期間にも整流ダイオードD1、D2が導通して整流動作を行っており、その導通角を拡大させるようにして整流電流I1を流しているということである。 そして、同じ図17に示す交流入力電流IACの導通期間も、この整流電流I1の導通期間にほぼ一致したものとなっており、従って交流入力電流IACの導通角は、力率改善回路を備えない場合よりも拡大されることになる。これにより、交流入力電流IACの波形としては、交流入力電圧VACの波形により近付くものとなって、力率の改善が図られる。なお、この場合の交流入力電流IACのピークレベルは、5Apとなっている。
ここで、先にも述べたように、図16に示す電源回路における力率改善回路16では、高周波インダクタL10についてタップを形成して、高周波巻線部L10A,L10Bに分割している。そして、高周波巻線部L10Aは、商用交流電源ACの正極側ラインにおいて、整流ダイオードD1,D2の各々と直列接続される関係となる位置に挿入され、高周波巻線部L10Bは、一次側直列共振回路(C1−L1)と、整流ダイオードD1,D2の接続点との間に挿入される。
このような接続態様に依れば、高周波インダクタL10においては、高周波巻線部L10B側にて、一次側直列共振回路のスイッチング出力が入力される動作と、高周波巻線部L10A側にて、電力回生されたスイッチング出力に商用交流電源が重畳される動作とが複合的に得られることになる。高周波巻線部L10A,L10Bは、本来は同じインダクタにタップを形成することで分割されたものであるから、高周波巻線部L10A,L10Bは相互に密結合である。つまり、上記した高周波巻線部L10A,L10Bの動作は、これら高周波巻線部L10A,L10Bが密結合となっている状態下で行われるものとなる。
このような動作が得られる結果として、高周波インダクタL10を含む力率改善回路16にて流れるとされる整流電流I1は、図17により説明したようにしてほぼ完全な半波の正弦波形状となることが実験で確認された。そして、このようにして整流電流I1が正弦波状となるのに応じて、交流入力電流IACとしても、同様にしてほぼ完全な正弦波状が得られることとなる。
例えば、整流平滑電圧Eiを生成する整流回路として、本実施の形態と同じ倍電圧整流回路を備える第4及び第5の実施の形態の電源回路と比較してみると分かるように、高周波インダクタL10についてタップを施さずに、そのまま整流電流経路に挿入している形態では、整流ダイオードD1,D2を流れるとされる整流電流は、エンベロープが略M字状の波形となる。従って、交流入力電流IACの波形も同様にして略M字状となる(図11、図14参照)。
このようにして略M字状の波形となる交流入力電流IACの実際としては、例えば9次、11次、13次などの、高次、かつ、奇数次の歪みレベルが多くなる。このような歪みは、例えば具体的には、電源高調波歪み規制が規定する規制値に対するマージンが少なくなるという不都合を生じる可能性がある。
これに対して、本実施の形態としては、交流入力電流IACの波形が正弦波状となるために、結果として高次、かつ、奇数次の歪みレベルは抑制され、上記しているような電源高調波歪み規制が規定する規制値に対するマージンを充分に得ることが可能となる。そして、このような効果を得るのにあたっては、力率改善のための構成として特に部品素子を追加することなく、高周波インダクタL10についてタップを設けたうえで、図16により説明したように両端部及びタップの接続を行なうのみとしているものである。
また、この第6の実施の形態としても、商用交流電源ラインに対するパワーチョークコイルの挿入の必要性が無くなったことによるメリットが得られることになる。
この点についての比較として、例えば、倍電圧整流回路を備える図27及び図28に示したスイッチングコンバータの構成を基として、力率改善回路22,23に代えて、パワーチョークコイルPCHを挿入する構成とした場合、パワーチョークコイルPCHの重量は153g程度であり、占有体積は32.4立方センチメートル、プリント基板への実装面積は10.8平方センチメートルとなる。
これに対して本実施の形態では、力率改善回路16を構成する部品の具体例として、高周波インダクタL10には、例えばEER−19の小型フェライトコアを用いている。また、フィルタコンデンサCNは、250Vの耐圧品でよい。そして、上記高周波インダクタL10と、フィルタコンデンサCNとを合計した重量は約20g程度であり、実装面積は8平方センチメートルとなる。このようにして、図16に示す電源回路の場合、力率改善回路16を形成する各部品は、何れも小型、軽量であり、力率改善回路16全体でも、上記したパワーチョークコイルPCHの重量、占有体積、実装面積を大きく下回る。
また、高周波インダクタL10に用いられる上記EER−19のフェライトコアは、閉磁路であり、従ってパワーチョークコイルPCHのように漏洩磁束の影響を考慮して基板上の配置設計をする必要もなく、また、磁気シールドなどを施す必要もない。これによっても電源回路基板の小型軽量化が促進できる。
さらに、商用交流電源周期に対応するために、パワーチョークコイルPCHに必要なインダクタンスが例えば7.2mH程度であったことと比較すれば、高周波インダクタL10としてはスイッチング周期の高周波電流に対応することになるので、そのインダクタンスは、例えば、高周波巻線部L10A=45μH、高周波巻線部L10B=10μHであり、相当の低インダクタンス値を設定することができる。これにより、高周波インダクタL10とパワーチョークコイルPCHのそれぞれに必要な巻数について比較した場合には、高周波インダクタL10のほうが大幅に巻数が少なくて済むことになるが、この巻数の削減によりコイル部分における電力損失は低下することになる。このことも、パワーチョークコイルPCHにより力率改善を図る場合よりも高い電力変換効率が得られることの要因となっている。
参考として、図16に示した電源回路について実際に実験を行って得られた結果として、負荷変動に対するAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)、力率PF、及び整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)の変化特性を、図18に示す。
なお、この図18においては、比較として、図16に示したままの力率改善回路(PFC:Power Factor Corrector)を備える回路構成(PFC有り)の電源回路と、図16に示す回路構成から力率改善回路を省略し且つ二次側に同期整流回路ではなくダイオード素子による整流回路を備えた場合の電源回路(PFC無し)との特性を示している。この場合、上記PFC無しの回路が備える絶縁コンバータトランスPITとしては、実施の形態よりも高い結合係数(例えば0.8以上)とし、かつ、誘起電圧としても例えば2.5V/T以上に設定したものとする。
図18においては、PFC有りの電源回路の特性を実線により示し、PFC無しの特性を破線により示す。
また、この図18に示す実験結果を得るのにあたっては、交流入力電圧VACについては100Vとし、負荷電力Poについては150W(Eo=5V×30A)〜0Wの範囲で変動する条件とした。また、図16に示すPFC有りの電源回路としての要部については、次のようにして部品を選定した。
・絶縁コンバータトランスPIT:EER−40フェライトコア、ギャップG=1.4mm、一次巻線N1=65T、二次巻線N2A,N2B=2T、結合係数k=0.75
・一次側直列共振コンデンサC1=0.018μF
・高周波インダクタL10:L10A=45μH、L10B=10μH
・整流ダイオードD1=D2=3A/600V
・フィルタコンデンサCN=1μF/250V、
図16に示すままのPFC有りの電源回路の特性として、先ず、力率PFについては、PFC無しの場合と比較して大幅に高くなっていることが示される。負荷変動に対しては、重負荷の傾向となるのに従って力率PFの値が高くなる特性となっており、最大負荷電力Po=150W時においては、力率PF=0.84にまで向上されている。なお、PFC無しの場合には、力率PF=0.54となっている。
また、図16に示すままのPFC有りの電源回路のAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)としては、最大負荷電力Po=150W時においてηAC→DC=91.4%が得られた。ちなみにPFC無しの場合には、ηAC→DC=90.1%が計測されており、本実施の形態では、1.3%の向上が図られていることになる。また、これに伴って交流入力電力は1.5W低減した。そして、図18を参照して分かるように、本実施の形態の負荷変動に伴うAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)としては、PFC無しの構成よりも高効率が得られることになる。
また、負荷変動に対する整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)の特性としては、PFC有りの場合のほうが、PFC無しの場合よりも定常的にレベルが低くなっているが、負荷電力Po=150W〜0Wの変動に対する変化幅は、PFC有りの場合のほうが小さく安定している。特に負荷電力Po=0W〜50W程度での軽負荷の条件においては、PFC無しの場合では非常に変化率が大きくなっているのに対して、PFC無しの場合では同程度の変化率による安定的な推移となっている。
また、例えば、図32に示した、倍電圧整流回路との組み合わせによりチョークインプット方式を採る場合の整流平滑電圧Eiの変動特性と比較してみた場合にも、PFC有りとされた場合の変動幅は大幅に縮小されていることが分かる。
実験によれば、PFC無しの場合の直流入力電圧Eiの変動幅(ΔEi)は、ΔEi=14V、PFC有りの場合はΔEi=33Vとなる結果が得られた。
なお、図16に示すままのPFC有りの電源回路において、最大負荷電力Po=150W時での二次側直流出力電圧Eoのリップル電圧レベル(ΔEo)は、ΔEo=20mVが計測された。対するPFC無しの電源回路では、同じ最大負荷電力Po=150W時での二次側直流出力電圧Eoのリップル電圧レベル(ΔEo)は、ΔEo=20mVと計測された。このPFC有りの場合とPFC無しの場合とでのΔEoの値を比較して分かるように、本実施の形態における二次側直流出力電圧のリップル増加量は、力率改善回路を備えない場合と同等にまで抑制されるという、良好な結果が得られている。
上記第6の実施の形態の電源回路は、商用交流電源ACから整流平滑電圧Eiを生成する整流回路が倍電圧整流回路とされている場合において、電力回生方式の力率改善回路について、交流入力電流IACの略M字波形を補正してより良好な力率改善特性を得るための構成を示しているということがいえる。
しかしながら、このような交流入力電流IACの略M字波形補正のための構成としては、上記整流回路が、倍電圧整流回路とされる場合のみでなく、例えば、通常の全波整流回路とされる場合にも適用できるものである。これにより、全波整流回路に対して電力回生方式の力率改善回路を備えた構成においても、交流入力電流IACについてのM字波形傾向は緩和されて、より完全な正弦波形に近づくこととなって、上記第6の実施の形態と同様にして、交流入力電流IACの波形についての高次/奇数次の歪みが低減されることになる。
そこで、次に説明する第7及び第8の実施の形態としては、商用交流電源ACから整流平滑電圧Eiを生成する整流回路が通常の全波整流回路とされる場合に対応して、交流入力電流IACの略M字波形を補正する、電力回生方式の力率改善回路の構成を示すこととする。
図19は、第7の実施の形態としての電源回路の構成を示している。なお、この図において、図1、図6、図9、図10、図13、図16と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
この図に示す電源回路としては、先の各実施の形態と同様にして、一次側の基本構成として、他励式のハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータに対して部分電圧共振回路が組み合わされた構成を採る。また、整流平滑電圧Eiを生成する整流回路としては、第1〜第3の実施の形態と同様に、全波整流回路(Di、Ci)とされている。また、絶縁コンバータトランスPITとしては、先の各実施の形態と同様の構造を採ることで、例えば、結合係数k=0.75程度としており、これにより、負荷変動、交流入力電圧の変動等にかかわらず、二次側整流動作として常に連続モードが得られるようにしている。また、二次側整流回路としても、先の各実施の形態と同様にして巻線電圧検出方式による同期整流回路としている。
この図に示される力率改善回路17は、商用交流電源ACから直流入力電圧(Ei)を得るための整流平滑回路における整流電流経路に対して挿入されるようにして設けられるもので、電力回生方式として磁気結合形による力率改善回路の構成を採る。
力率改善回路17は、高周波インダクタL10、スイッチングダイオードD1(力率改善用スイッチング素子)、フィルタコンデンサCNを備える。
この場合の高周波インダクタL10には、所定の巻線位置に対してタップが設けられており、これにより、高周波インダクタL10は、高周波巻線部L10A(第1インダクタ:第1巻線部)と、高周波巻線部L10B(第2インダクタ:第2巻線部)とに分割される。この場合、高周波インダクタL10としての巻線全体の巻始め端部は高周波巻線部L10A側の巻始め端部となり、従って、高周波巻線部L10Aの巻終わり端部と、高周波巻線部L10Bの巻始め端部が、タップ位置となる。高周波巻線部L10B側の巻終わり端部が、高周波インダクタL10としての巻線全体の巻終わり端部となる。
そして、高周波インダクタL10において、高周波巻線部L10Aの巻始めとなる側の端部は、スイッチングダイオードD1のカソードに接続される。スイッチングダイオードD1のアノードはブリッジ整流回路Diの正極出力端子と接続される。また、高周波インダクタL10において、高周波巻線部L10Bの巻終わりとなる側の端部は、一次側直列共振コンデンサC1の直列接続を介して一次巻線N1の端部と接続される。また、高周波インダクタL10のタップは、平滑コンデンサCiの正極端子と接続される。
上記した接続形態では、商用交流電源ACから直流入力電圧Eiを生成する整流回路系において、商用交流電源ACが正極性/負極性となる半周期ごとに形成される整流電流経路において、高周波巻線部L10AがスイッチングダイオードD1と直列に接続される回路形態が得られることになる。
また、一次側直列共振回路を形成するとされる一次側直列共振コンデンサC1と一次巻線N1の直列接続回路は、さらに高周波巻線部L10Bの直列接続を介して、高周波巻線部L10Aと平滑コンデンサCiの正極端子との接続点に対して接続されることになる。つまり、商用交流電源ACから直流入力電圧Eiを生成するための全波整流回路の整流電流経路に対して接続されるものとなる。このことを、一次側直列共振回路経由でスイッチング出力の帰還を受ける力率改善回路17からみた場合、一次側直列共振回路としては、一次側直列共振コンデンサC1のキャパシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンスに加え、高周波巻線部L10Bのインダクタンスも含んで形成されるものとして扱うことができる。
また、この場合のフィルタコンデンサCNは、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子と、平滑コンデンサCiの正極端子との間に挿入される。この挿入形態では、フィルタコンデンサCNは、スイッチングダイオードD1−高周波巻線部L10Aの直列接続回路に対して並列に接続されていることになる。このフィルタコンデンサCNは、整流電流経路に生じるノーマルモードノイズを抑制する。
このような力率改善回路17の回路構成によると、整流電流経路において、高周波巻線部L10Aとしてのインダクタンス成分と、スイッチングダイオードD1としての電流をスイッチング(断続)する素子とが直列接続されて挿入されていることになる。そして、この直列接続回路に対して、一次側直列共振回路に得られるスイッチング出力(一次側直列共振電流)が(高周波巻線部L10Bを介して)印加されることで、これにより得られる交番電圧に応じてスイッチングダイオードD1が整流電流I1を断続するようにしてスイッチング動作を行って、この整流電流I1を平滑コンデンサCiに流すようにされる。つまり、力率改善回路17においては、一次側直列共振回路に得られる一次側直列共振電流を電力として回生して、整流電流経路を経由して平滑コンデンサに対して帰還している動作が得られていることになる。
この場合にも、一次側直列共振電流を電力回生して帰還するのにあたっては、上述のようにして挿入される高周波インダクタL10が介在しているものと見ることができる。つまり、電力回生は、高周波インダクタL10における磁気結合により行われるものとみることができる。
なお、この第7の実施の形態としても、高周波インダクタL10にタップを設けて、図19に示す接続形態としていることで、一次側直列共振電流は、高周波インダクタL10における高周波巻線部L10Bを経由して電力回生(帰還)されるような回路形態となっているということがいえる。
例えば比較として、先の第2の実施の形態などに示される磁気結合形の力率改善回路の構成であれば、図6に示したように、高周波インダクタL10にはタップが設けられておらず、高周波インダクタL10の巻始めから巻終わりまでの全ての巻線が整流電流経路側に在るようにされ、一次側直列共振回路と整流電流経路との間には、高周波インダクタL10の巻線部は挿入されない。
図20の波形図は、力率改善回路17の動作を、商用交流電源周期により示している。なお、ここでの商用交流電源ACとしては、AC200V系に対応する交流入力電流VAC=230Vが入力されているものとする。
上記のようにして商用交流電源ACが入力されている状態の下でスイッチング動作が行われたとすると、このスイッチング動作に応じて、一次側直列共振回路から力率改善回路17側に対して、電力回生としての動作によりスイッチング出力が帰還されることになる。これにより、一次側直列共振回路において、一次側直列共振コンデンサC1と、高周波巻線部L10Aと平滑コンデンサCiの正極端子との接続点(整流電流経路)との間に介在するとされる高周波巻線部L10Bの両端電圧V2は、図示する波形により正極性と負極性とでピークが生じるエンベロープのスイッチング周期に応じた交番波形となる。この高周波巻線部L10Bの両端電圧V2の波形において、0レベル基準の正極性のピークは約200Vとなる。また、負極性側のエンベロープは、整流電流I1の導通期間以外は約200Vでほぼ一定であり、整流電流I1の導通期間に対応して略凹字状に突出したエンベロープとなる波形が得られる。この略凹字状のエンベロープ波形において、交流入力電圧VACのピーク(整流電流I1のピーク)に対応する時点のレベルは約300V程度となる。
また、整流電流経路側に挿入されているとされる高周波巻線部L10Aの両端電圧V1は、図示するようにして、上記電圧V2がほぼ反転したような波形となる。この電圧V1の正極性側のエンベロープは、整流電流I1の導通期間以外は約120Vでほぼ一定で、整流電流I1の導通期間に対応して略凹字状に突出したエンベロープとなる波形が得られる。この略凹字状のエンベロープ波形において、交流入力電圧VACのピーク(整流電流I1のピーク)に対応する時点のレベルは約200V程度となる。この負極性のエンベロープ波形は、例えば整流平滑電圧Eiの波形に対応したものであるが、0レベル基準のピークレベルは約120Vとなる。
例えば、上記した高周波巻線部L10Aの両端電圧V1が交番波形となっていることからもわかるように、一次側直列共振回路から電力回生により帰還されるスイッチング出力(一次側直列共振電流)により、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を生成するための整流電流経路には、スイッチング周期による交番電圧が重畳されていることが分かる。高速リカバリ型のスイッチングダイオードD1は、この電圧V1における交番電圧成分の印加により、例えば交流入力電圧VACの正/負の絶対値が、そのピーク値の約1/2以上のときにスイッチング動作を行い、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子から流れてくるとされる整流電流I1を断続する。
そして、このようにして整流電流I1が断続されることで、スイッチングダイオードD1を流れる整流電流I1は、図示するようにして導通期間において、正弦波状による正極性の半波のエンベロープとなる交番波形として得られる。なお、この場合において、交流入力電圧VACがピークとなる時点に対応する整流電流I1のレベルは10Apとなる。
また、高周波巻線部L10Aと平滑コンデンサCiの正極端子との間のラインに流れる電流、つまり、高周波巻線部L10Aから平滑コンデンサCiに流入しようとする整流電流I2は、図示するようにして、例えば正極性/負極性のピークが約5Aとなる一次側直列共振電流に対して上記整流電流I1が重畳したような波形として得られる。
上記した波形により流れる整流電流I1の導通期間は、ブリッジ整流回路Diから出力される整流出力電圧レベルが平滑コンデンサCiの両端電圧よりも低いとされる期間にも流れるものとなっており、同じ図20に示す交流入力電流IACの導通期間も、この整流電流I1の導通期間にほぼ一致したものとなる。つまり、交流入力電流IACの導通角は、力率改善回路を備えない場合よりも拡大されているものであり、交流入力電流IACの波形としては、交流入力電圧VACの波形に近付くものとなっている。つまり、力率改善が図られていることになる。なお、交流入力電流IACのピークレベルは、この場合5Apとなっている。
ここで、先にも述べたように、図19に示す電源回路における力率改善回路17では、高周波インダクタL10についてタップを形成して、高周波巻線部L10A,L10Bに分割している。なお、高周波巻線部L10A,L10Bについては、相互に直列となる接続関係にある。そして、高周波巻線部L10Aは、商用交流電源ACを入力して全波整流を行なう整流回路の整流出力ラインとしての整流電流経路において、スイッチングダイオードD1と直列接続される関係となる位置に挿入され、高周波巻線部L10Bは、一次側直列共振回路(C1−L1)と直列接続されて、この一次側直列共振回路のインダクタンス成分の一部として機能するようにされたうえで、上記整流電流経路として、高周波巻線部L10Aと平滑コンデンサCiの正極出力端子との間のラインに対して接続される。
このような接続態様に、高周波インダクタL10においては、高周波巻線部L10B側にて、一次側直列共振回路のスイッチング出力が入力される動作と、高周波巻線部L10A側にて、電力回生されたスイッチング出力に商用交流電源が重畳される動作とが複合的に得られることになる。高周波巻線部L10A,L10Bは、本来は同じインダクタにタップを形成することで分割されたものであるから、高周波巻線部L10A,L10Bは直列接続の関係にあって、相互に密結合である。従って、上記した高周波巻線部L10A,L10Bの動作は、これら高周波巻線部L10A,L10Bが密結合となっている状態下で行われるものとなる。
このような動作が得られる結果として、高周波インダクタL10を含む力率改善回路17にて流れるとされる整流電流I1は、図20により説明したようにしてほぼ完全な正弦波形状となることが実験で確認された。そして、このようにして整流電流I1が正弦波状となるのに応じて、交流入力電流IACとしても、同様にしてほぼ完全な正弦波状が得られることとなる。
例えば、商用交流電源ACから整流平滑電圧Eiを生成する整流回路が全波整流回路とされる場合においても、電力回生方式(磁気結合形、静電結合形)の力率改善回路として、高周波インダクタL10が分割されずに商用交流電源AC側のラインに挿入される構成を採る場合、整流ダイオードD1,D2を流れるとされる整流電流の実際としては、そのエンベロープが略M字状の波形となる傾向を有する。従って、交流入力電流IACの波形も同様にして略M字状の傾向となる。
これに対して、本実施の形態としては、上記もしているように、交流入力電流IACの実際として、その波形が正弦波状となるために、上記しているような電源高調波歪み規制が規定する規制値に対するマージンを充分に得ることが可能となる。そして、この場合にも、上記効果を得るのにあたっては、力率改善のための構成として特に部品素子を追加することなく、高周波インダクタL10についてタップを設けたうえで、図19により説明したように両端部及びタップの接続を行なうのみでよい。
本実施の形態との比較として、例えば図25及び図26に示したスイッチングコンバータの構成を基として、力率改善回路20,21に代えて、パワーチョークコイルPCHを挿入する構成とした場合、パワーチョークコイルPCHの重量は153g程度であり、占有体積は32.4立方センチメートル、プリント基板への実装面積は10.8平方センチメートルとなる。
これに対して本実施の形態では、力率改善回路17を構成する部品の具体例として、高周波インダクタL10には、例えばEER−19の小型フェライトコアを用いている。また、フィルタコンデンサCNは、200Vの耐圧品でよい。そして、上記高周波インダクタL10と、フィルタコンデンサCNとを合計した重量は約20g程度であり、実装面積は8平方センチメートルとなる。また、スイッチングダイオードD1は、3A/600Vのものを選定した。このようにして、図19に示す電源回路の場合、力率改善回路17を形成する各部品は、何れも小型、軽量であり、力率改善回路17全体でも、上記したパワーチョークコイルPCHの重量、占有体積、実装面積を大きく下回る。
また、この場合においても、高周波インダクタL10に用いられる上記EER−19のフェライトコアは、閉磁路であり、従ってパワーチョークコイルPCHのように漏洩磁束の影響を考慮して基板上の配置設計をする必要もなく、また、磁気シールドなどを施す必要もない。これによっても電源回路基板の小型軽量化が促進できる。
さらに、商用交流電源周期に対応するために、パワーチョークコイルPCHに必要なインダクタンスが例えば4.2mH程度であったことと比較すれば、高周波インダクタL10としてはスイッチング周期の高周波電流に対応することになるので、そのインダクタンスは、例えば、高周波巻線部L10A=45μH、高周波巻線部L10B=85μHであり、相当の低インダクタンス値を設定することができる。これにより、高周波インダクタL10とパワーチョークコイルPCHのそれぞれに必要な巻数について比較した場合には、高周波インダクタL10のほうが大幅に巻数が少なくて済むことになるが、この巻数の削減によりコイル部分における電力損失は低下することになる。このことも、パワーチョークコイルPCHにより力率改善を図る場合よりも高い電力変換効率が得られることの要因となっている。
また、高周波インダクタL10に用いられる上記EER−19のフェライトコアは、閉磁路であり、従ってパワーチョークコイルPCHのように漏洩磁束の影響を考慮して基板上の配置設計をする必要もなく、また、磁気シールドなどを施す必要もない。これによっても電源回路基板の小型軽量化が促進できる。
上記図19に示した電源回路について実際に実験を行って得られた結果として、負荷変動に対するAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)、力率PF、及び整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)の変化特性を、図21に示す。なお、この図21においては、比較として、図19に示したままの力率改善回路17を備える回路構成(PFC有り)の電源回路と、図19において力率改善回路17から、高周波巻線部L10Bを省略した回路構成となる電源回路との特性を示している。力率改善回路17(L10B有り)を備える電源回路の特性を実線により示し、高周波巻線部L10Bを省略した電源回路の特性を破線により示す。
また、この図21に示す実験結果を得るのにあたっては、交流入力電圧VACについては230Vとし、負荷電力Poについては150W(Eo=5V×30A)〜0Wの範囲で変動する条件とした。なお、交流入力電圧VACの入力条件としては、いわゆる200V系といわれる、180V〜288Vの範囲を保証するものとしている。また、図19に示すPFC有りの電源回路としての要部については、次のようにして部品を選定した。
・絶縁コンバータトランスPIT:EER−40フェライトコア、ギャップG=1.4mm、一次巻線N1=60T、二次巻線N2A,N2B=2T、結合係数k=0.75
・一次側直列共振コンデンサC1=0.018μF/800V
・高周波インダクタL10:L10A=45μH、L10B=85μH
・スイッチングダイオードD1=3A/600V
・フィルタコンデンサCN=1μF/200V、

また、力率改善回路として高周波巻線部L10Bを省略した構成を採る場合の、高周波巻線部L10Aのインダクタンスとしては120μHを設定することとした。また、以降の説明においては、例えば図19に示す電源回路から力率改善回路17そのものを省略した電源回路との特性の比較も述べるが、この力率改善回路を備えない電源回路では、一次巻線N1=65T、一次側直列共振コンデンサC1=0.018μFを選定することとした。
図19に示すままの力率改善回路17を備える電源回路の特性(実線)として、先ず、力率PFについては、高周波巻線部L10Bが省略された力率改善回路を備える場合(破線)と比較すると、負荷変動範囲全体において若干低くなってはいるものの、ほぼ同等としてみてよい、実用上充分な値となる特性が得られている。なお、この場合の負荷変動に対する力率PFの変化としては、力率改善回路17を備える電源回路の場合と、高周波巻線部L10Bが省略された電源回路の場合とで共に、重負荷の傾向となるのに従って高くなる特性となっている。力率改善回路17を備える電源回路については、最大負荷電力Po=150W時においては、力率PF=0.80が得られている。
なお、力率改善回路17を備えない構成では、力率PF=0.54となる。
そして、この図の特性としては示されないが、前述もしたように、交流入力電流IACの波形は、高周波巻線部L10Bが省略された力率改善回路を備える電源回路では略M字状の傾向となるのに対して、力率改善回路17を備える電源回路では、正弦波状となる。従って、例えば9次、11次、13次などの奇数高調波の歪みレベルの抑制という点を含めて、総合的な力率改善結果としては、力率改善回路17を備える電源回路のほうが有利であるといえる。
また、力率改善回路17を備える電源回路のAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)としては、最大負荷電力Po=150W時においてηAC→DC=92.0%が得られた。そして、図21によると、高周波巻線部L10Bが省略された力率改善回路を備える場合よりも、負荷電力Po=50W〜150Wの広い負荷変動範囲で、より高い電力変換効率が得られていることが分かる。つまり、図19に示すようにして、高周波インダクタL10にタップを設けて高周波巻線部L10A,L10Bに分割して、図示する接続形態とする構成としたほうが、高い電力変換効率が得られる結果となっている。
ちなみに、力率改善回路を備えない電源回路では、電力変換効率ηAC→DC=90.1%が計測されており、これと比較した場合、図19に示す電源回路としては、1.9%向上しているということになる。また、これに伴って、交流入力電力は3.5W低減することになる。
また、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)については、力率改善回路17を備える電源回路では、負荷電力Poが重負荷の傾向となるのに従って増加傾向となってはいるが、負荷変動に対する変化としては全体的ほぼ一定であると見ることができる。この特性は、図9及び図10に示す電源回路と比較した場合には、負荷変動に対する整流平滑電圧Eiの変動幅は大幅に縮小されたものとなっている。これは、力率改善回路17により回生される電力量が負荷変動に応じて可変であることに依る。また、例えば、図12に示したチョークインプット方式を採る場合の整流平滑電圧Eiの変動特性と比較してみた場合にも、その変動幅は大幅に縮小されていることが分かる。
また、力率改善回路17を備える電源回路の場合の整流平滑電圧Eiの特性を、高周波巻線部L10Bを省略した回路構成の場合の特性と比較した場合には、負荷電力Poが50W未満から150Wまでの広い範囲で、より高いレベルが得られていることも分かる。このようにして整流平滑電圧Eiのレベルが上昇することも、図19に示す実施の形態の回路についての電力変換効率が向上される要因となっている。
なお、力率改善回路17を備える電源回路において、最大負荷電力Po=150W時での整流平滑電圧Eiのリップル電圧レベル(ΔEi)は、ΔEi=5.5Vが計測された。また、二次側直流出力電圧Eoのリップル電圧レベル(ΔEo)は、ΔEo=20mVが計測された。
また、高周波巻線部L10Aを省略した力率改善回路を備える電源回路では、整流平滑電圧Eiのリップル電圧レベル(ΔEi)は、最大負荷電力Po=150W時においては22.5Vが計測された。
また、力率改善回路を備えない構成の電源回路では、同じ最大負荷電力Po=150W時での整流平滑電圧Eiのリップル電圧レベル(ΔEi)は、ΔEi=14Vと計測され、二次側直流出力電圧Eoのリップル電圧レベル(ΔEo)は、ΔEo=10mVと計測された。
このことから、先ず、力率改善回路17を備える電源回路を、高周波巻線部L10Aを省略した力率改善回路を備える電源回路と比較した場合には、整流平滑電圧Eiのリップル電圧レベル(ΔEi)は、ΔEi=5.5Vに対してΔEi=22.5Vであるから、ほぼ1/4程度と大幅に抑制されていることが分かる。このようにして、整流平滑電圧Eiのリップル電圧レベル(ΔEi)が抑制されているということは、二次側直流出力電圧Eoに重畳する商用交流電源周期のリップルも大幅に抑制されるということを意味している。つまり、このリップル電圧レベルΔEiに関する結果は、図19に示す実施の形態の電源回路が、従来の電力回生方式による力率改善回路を備える電源回路よりも、二次側直流出力電圧のリップルが大幅に抑制されるということを示すものとなる。
また、二次側直流出力電圧Eoのリップル電圧レベル(ΔEo)について比較すると、力率改善回路17を備える電源回路ではΔEo=20mVであるのに対して、力率改善回路を備えない電源回路ではΔEo=10mVとなっている。つまり、先にも述べたとおり、本実施の形態における二次側直流出力電圧のリップル増加量は、力率改善回路を備えない場合の2倍程度に抑制されているものである。
図22は、本発明の第8の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示している。なお、この図において、これまで説明してきた各第1〜第7の実施の形態を示す回路図としての図面(図1、図6、図9、図10、図13、図16、図19)と同一部分については、同一符号を付して説明を省略する。
図22に示す電源回路は、第7の実施の形態の電源回路の構成において備えられる力率改善回路17に代えて、力率改善回路18が備えられる。この力率改善回路18としても、磁気結合形による電力回生方式を採る。
この力率改善回路18も、商用交流電源ACから整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を生成するブリッジ整流回路Diと平滑コンデンサCiとの間の整流電流経路に挿入されるようにして設けられており、フィルタコンデンサCN、高周波インダクタL10(第1インダクタ)、及び高速リカバリ型のスイッチングダイオードD1を備える。
ただし、この場合において、高周波インダクタL10にはタップは設けられていない。これに代わり、図22に示す回路では、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1における所定の巻線位置に対してタップを設けることとしており、これにより、一次巻線N1を一次巻線部N1A,N1Bの2つの巻線部に分割することとしている。そして、後述するようにして、一次巻線部N1A,N1Bのうち、一次巻線部N1Bが、力率改善回路18を形成するインダクタの1つ(第2インダクタ)として含められることになる。
なお、この場合においては、一次巻線N1において、一次巻線部N1A側の端部を巻始めとしており、この巻始め端部を一次側直列共振コンデンサC1の直列接続を介して、スイッチング素子Q1のソースとスイッチング素子Q2のドレインとの接続点(スイッチング出力点)に接続することとしている。この場合には、一次側直列共振コンデンサC1の挿入位置としては、スイッチング出力点側とされることになるが、一次巻線N1と一次側直列共振コンデンサC1とは直列接続された関係にあり、従って、一次側直列共振コンデンサC1のキャパシタンスと一次巻線N1(N1A+N1B)のリーケージインダクタンスL1とによって、スイッチングコンバータの動作を電流共振形とするための一次側直列共振回路が形成されることと、この一次側直列共振回路に対してスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力が伝達されることに変わりはない。
また、上記のようにして一次巻線N1全体としての巻始め端部が一次巻線部N1A側の端部とされることで、一次巻線N1Aの巻始め端部は一次巻線N1の巻始め端部と同じとなり、巻終わり端部は一次巻線N1のタップ位置となる。また、一次巻線部N1Bの巻始め端部はタップ位置となり、巻終わり端部は、一次巻線N1全体としての巻終わり端部と同じとなる。
そして、上記のようにして、フィルタコンデンサCN、高周波インダクタL10、スイッチングダイオードD1、及び一次巻線部N1Bを備える力率改善回路18は、次のような接続態様によって形成される。
先ず、スイッチングダイオードD1のアノードは、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子と接続される。スイッチングダイオードD1のカソードは、一次巻線N1のタップと接続される。このことは、力率改善回路18においては、スイッチングダイオードD1のカソードが一次巻線部N1Bの巻始め端部と接続されることを意味する。
一次巻線部N1Bの巻終わり端部(一次巻線N1の巻終わり端部)は、高周波インダクタL10を介して平滑コンデンサCiの正極端子と接続される。従って、力率改善回路18内では、高周波インダクタL10と一次巻線部N1Bは直列となる接続関係にある。
ノーマルモードノイズを抑制するためのフィルタコンデンサCNは、スイッチングダイオードD1のアノードと、平滑コンデンサCiの正極端子との間に挿入される。このようにして挿入されるフィルタコンデンサCNは、スイッチングダイオードD1−一次巻線部N1B−高周波インダクタL10の直列接続回路に対して並列に接続されているものと見ることができる。
このような接続態様による力率改善回路18が挿入された場合において、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子から出力される整流電流は、スイッチングダイオードD1→一次巻線部N1B→高周波インダクタL10の経路で平滑コンデンサCiに流入することになる。つまり、商用交流電源ACから整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を生成するための全波整流回路の整流電流経路において、上記[スイッチングダイオードD1−一次巻線部N1B−高周波インダクタL10]から成る直列接続回路が挿入されている形態をとる。
そして、この場合には、上記のようにして一次巻線N1の一次巻線部N1Bが、整流電流経路に含まれるようになっていることで、一次側直列共振回路に得られるスイッチング出力(一次側直列共振電流)を電力として回生して、磁気結合(高周波インダクタL10及び一次巻線部N1B)を介するようにして平滑コンデンサCiに帰還していることになる。
例えば図19に示した力率改善回路17の場合、高周波インダクタL10にタップを施して形成される高周波巻線部L10A,L10Bのうち、高周波巻線部L10Bは、整流電流経路内には挿入されてはいないものの、一次巻線N1と直列共振コンデンサC1を介して直列接続される関係にある。従って、一次側直列共振回路を形成するインダクタンス成分として機能するものとされていた。そして、高周波巻線部L10Bは、密結合の関係にあるとされる高周波巻線部L10Aに対して、一次側直列共振回路のスイッチング出力を伝達するようにしており、これにより、力率改善回路17内で、スイッチング出力に商用交流電源を重畳させる電力回生動作を得ていたものである。
図22に示す力率改善回路18においても、一次巻線部N1Bは、一次側直列共振回路を形成するインダクタンス成分を有するものであり、高周波インダクタL10と直列接続されていることで、高周波インダクタL10に対してほぼ密結合とすることができる。そして、このような関係が得られているもとで、一次巻線部N1Bから高周波インダクタL10に対してスイッチング出力を伝達することで、上記図19の力率改善回路17と同様の電力回生動作を得るようにしている。
このような動作からすれば、先に図19に示した力率改善回路17における高周波巻線部L10Aと、高周波巻線部L10Bとの関係は、この図22に示される力率改善回路18における高周波インダクタL10(第1インダクタ)と一次巻線部N1B(第2インダクタ)の関係と等価であるということがいえる。
上記構成による力率改善回路18を備える、図22の電源回路における力率改善動作は図23に示される。この図23においても、図20と同様にして、交流入力電圧VAC、交流入力電流IAC、整流電流I1,I2、電圧V1,V2が示されている。
図22の回路の場合、整流電流I1は、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子からスイッチングダイオードD1を流れる電流となり、整流電流I2は、高周波インダクタL10と平滑コンデンサCiの正極端子との間のラインに流れる電流となる。また、電圧V1は、スイッチングダイオードD1のアノードと一次巻線N1のタップとの接続点と、一次側アースとの間の電位となる。電圧V2は、高周波インダクタL10と一次巻線部N1Bとの端部の接続点と、一次側アースとの間の電位となる。交流入力電圧VACとしては、50Hzで230Vであり、図20の場合と同じ条件である。
力率改善回路18においても、上記したように一次側直列共振回路からの電力回生の動作によりスイッチング出力が帰還される。このとき、高周波インダクタL10と一次巻線部N1Bとの端部の電位である電圧V2は、図示するようにして、商用交流電源周期のリップル成分が重畳している整流平滑電圧Eiに対して、スイッチング周期による交番電圧成分がさらに重畳した波形として得られる。この電圧V2としても、整流電流I1の導通期間に対応して略凹字状に突出したエンベロープとなる波形が得られる。また、この場合にも、ここで、電圧V2のエンベロープ波形について、商用交流電源AC(整流電流I1)のピークに対応する時点での最大レベルは570V、最小レベルは320Vとなる。
また、スイッチングダイオードD1のアノードと一次巻線N1のタップとの接続点と、一次側アースとの間の電位となる電圧V1は、上記電圧V2とほぼ同様の波形が得られる。ただし、一次巻線部N1Bが介在しない分、商用交流電源AC(整流電流I1)のピークに対応する時点での最大レベルは550V、最小レベルは300Vとされていることからも分かるように、全体として、20V低下するようにしてシフトしたものとなる。
上記電圧V1,V2が交番波形となっていることからも分かるように、図22に示す力率改善回路18においても、一次側直列共振回路から電力回生により帰還されるスイッチング出力(一次側直列共振電流)により、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を生成するための整流電流経路には、スイッチング周期による交番電圧が重畳される。そして、この場合にも、スイッチングダイオードD1は、この電圧V1における交番電圧成分の印加により、例えば交流入力電圧VACの正/負の絶対値が、そのピーク値の約1/2以上のときにスイッチング動作を行い、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子から流れてくるとされる整流電流I1を断続する。従って、この場合においても、整流電流I1は、その導通期間において正弦波状による正極性の半波のエンベロープを有する交番波形となる。なお、この場合においても、交流入力電圧VACがピークとなる時点に対応する整流電流I1のレベルは10Apとなる。
また、高周波巻線部L10Aから平滑コンデンサCiに流入しようとする整流電流I2は、図示するようにして、例えばこの場合にも、正極性/負極性のピークが約5Aとなる一次側直列共振電流に対して上記整流電流I1が重畳したような波形として得られる。
このような波形により流れる整流電流I1の導通期間としても、ブリッジ整流回路Diから出力される整流出力電圧レベルが平滑コンデンサCiの両端電圧よりも低いとされる期間にも流れるものとなっており、交流入力電流IACの導通期間も、この整流電流I1の導通期間にほぼ一致する。つまり、この場合においても、交流入力電流IACの導通角が、力率改善回路を備えない場合よりも拡大されており、従って、力率改善が図られていることになる。なお、この場合の交流入力電流IACのピークレベルは5Apである。
ここで、先に図22を参照して説明したように、力率改善回路18における高周波インダクタL10、一次巻線部N1Bの動作、機能としては、それぞれ、第7の実施の形態として図19に示した力率改善回路17における高周波巻線部L10A、高周波巻線部L10Bと等価となるものである。前述もしたように、力率改善回路17における高周波巻線部L10A、高周波巻線部L10Bの動作によっては整流電流I1は正弦波状となるものであり、これに応じて交流入力電流IACも正弦波状となる。従って、図22に示す力率改善回路18の力率改善結果としても、図23に示されるようにして、整流電流I1及び交流入力電流IACは、正弦波状となる。
つまり、図22に示す第8の実施の形態の電源回路としても、奇数高調波の歪みがレベルが抑制されることとなって、例えば電源高調波歪み規制が規定する規制値に対するマージンを充分に得ることが可能となる。また、第8の実施の形態においても、このような効果を得るのにあたっては、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に対してタップを設けたうえで、図22に示した回路が形成されるように接続を行うのみでよく、特に部品素子を追加する必要はない。
そして、このような回路構成を採る第8の実施の形態の電源回路においても、絶縁コンバータトランスPITとしては、先に説明した第7の実施の形態と同様の構造を採ることで、例えば、結合係数kについて、例えばk=0.75程度にまで低下させており、負荷変動、交流入力電圧の変動等にかかわらず、二次側整流動作として常に連続モードが得られるようにしている。
これにより、先の第7の実施の形態の電源回路と同様にして、二次側直流出力電圧Eoに重畳するリップル電圧の増加が抑制されることになり、電力回生方式として磁気結合形の構成を採るとした場合にも、その実用化が容易に実現される。また、チョークインプット方式と比較して高電力変換効率が得られることも同様である。
さらに、図22に示す電源回路としても、二次側整流動作として常に連続モードが得られたことを前提として、二次側両波整流回路を、巻線電圧検出方式による同期整流回路としていることで、最小限の回路構成で二次側における電力損失低減を有効に図っている。
また、この場合にも高周波インダクタL10は、チョークインプット方式による力率改善のためのパワーチョークコイルPCHと比較して遥かに低位インダクタンスであり、その分の電力損失の低減効果も得られる。
図24は、図22に示した第8の実施の形態としての電源回路について実際に実験を行って得られた結果として、負荷変動に対するAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)、力率PF、及び整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)の変化特性を示している。
また、この図24に示す実験結果を得るのにあたっても、交流入力電圧VAC=230Vとし、負荷電力Poは150W(Eo=5V×30A)〜0Wの範囲で変動する条件とした。また、図22に示す電源回路の要部については、次のようにして部品を選定した。
・絶縁コンバータトランスPIT:EER−40フェライトコア、ギャップG=1.4mm、一次巻線N1(一次巻線部N1A=60T、一次巻線部N1B=4T)二次巻線N2A=N2B=2T、結合係数k=0.75
・一次側直列共振コンデンサC1=0.018μF/800V
・高周波インダクタL10=75μH(EER−19型コア)
・スイッチングダイオードD1=3A/600V
・フィルタコンデンサCN=1μF/200V
図22に示す電源回路の力率PFの特性としては、負荷変動に対しては、重負荷となるのに従って力率PFの値が高くなる傾向を有するものとなっている。最大負荷電力Po=150W時の力率PFとしては、PF=0.81が得られている。
また、図22に示す電源回路のAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)としては、最大負荷電力Po=150W時においてηAC→DC=92.0%が得られており、第7の実施の形態とほぼ同等の特性となっている。
また、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)としては、この場合にも、力率改善回路を備えない電源回路(PFC無しの電源回路)と比較してレベルが高くなっている。また、負荷変動に対するレベル変動としても、先の第7の実施の形態と同様にして、負荷電力Poが重負荷の傾向となるのに従って増加傾向となってはいるが、負荷変動に対する変化は全体としてほぼ一定と見ることのできる特性を得ている。つまり、第8の実施の形態としても、負荷変動に対する直流入力電圧の変動は少なくなっている。
また、図22に示す電源回路について、二次側直流出力電圧Eoのリップル電圧レベル(ΔEo)は、ΔEo=20mVとされ、先の第7の実施の形態の電源回路と同等の結果が得られた。さらに、最大負荷電力Po=150W時での整流平滑電圧Eiのリップル電圧レベル(ΔEi)は、ほぼ0レベルにまで抑制されていることが計測された。
なお、本発明としては、これまでに説明した電源回路の構成に限定されるものではない。
先ず、絶縁コンバータトランスPITについてであるが、例えばコア形式などをはじめとして、その構造については、所要以下の磁束密度となるようにされていれば、適宜変更されて構わない。
また、例えば、上記各実施の形態としてのスイッチングコンバータは、他励式による電流共振形コンバータをその基礎としているが、自励式による電流共振形コンバータを備えて構成することも可能とされる。この場合には、スイッチング素子として例えばバイポーラトランジスタを選定することができる。さらには、4石のスイッチング素子をフルブリッジ結合した電流共振形コンバータにも適用できる。また、例えばスイッチングコンバータの一次側のスイッチング素子(Q1,Q2)としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)など、他励式に使用可能な素子であれば、MOS−FET以外の素子が採用されて構わない。また、先に説明した各部品素子の定数なども、実際の条件等に応じて変更されて構わない。
また、二次側両波整流回路である、巻線電圧検出方式の同期整流回路の細部の構成についても適宜変更されてよい。
さらには、力率改善回路としても実施の形態として示したものに限定されるものではなく、これまでに本出願人が提案してきた各種の電力回生(帰還)方式による回路形態を基とした構成を採用することも可能である。
本発明の第1の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。 本実施の形態の電源回路に備えられる絶縁コンバータトランスの構造例を示す図である。 第1の実施の形態の電源回路の力率改善動作に対応する要部の動作を示す波形図である。 本実施の形態の電源回路における、重負荷時の二次側両波整流回路の整流動作を示す波形図である。 第1の実施の形態の電源回路における、負荷変動に対するAC→DC電力変換効率、力率、及び整流平滑電圧(直流入力電圧)の特性を示す図である。 第2の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。 第2の実施の形態の電源回路の力率改善動作に対応する要部の動作を示す波形図である。 第2の実施の形態の電源回路における、負荷変動に対するAC→DC電力変換効率、力率、及び整流平滑電圧(直流入力電圧)の特性を示す図である。 第3の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。 第4の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。 第4の実施の形態の電源回路の力率改善動作に対応する要部の動作を示す波形図である。 第4の実施の形態の電源回路における、負荷変動に対するAC→DC電力変換効率、力率、及び整流平滑電圧(直流入力電圧)の特性を示す図である。 第5の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。 第5の実施の形態の電源回路の力率改善動作に対応する要部の動作を示す波形図である。 第5の実施の形態の電源回路における、負荷変動に対するAC→DC電力変換効率、力率、及び整流平滑電圧(直流入力電圧)の特性を示す図である。 第6の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。 第6の実施の形態の電源回路の力率改善動作に対応する要部の動作を示す波形図である。 第6の実施の形態の電源回路における、負荷変動に対するAC→DC電力変換効率、力率、及び整流平滑電圧(直流入力電圧)の特性を示す図である。 第7の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。 第7の実施の形態の電源回路の力率改善動作に対応する要部の動作を示す波形図である。 第7の実施の形態の電源回路における、負荷変動に対するAC→DC電力変換効率、力率、及び整流平滑電圧(直流入力電圧)の特性を示す図である。 第8の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。 第8の実施の形態の電源回路の力率改善動作に対応する要部の動作を示す波形図である。 第8の実施の形態の電源回路における、負荷変動に対するAC→DC電力変換効率、力率、及び整流平滑電圧(直流入力電圧)の特性を示す図である。 従来としてのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。 従来としてのスイッチング電源回路の他の構成例を示す回路図である。 従来としてのスイッチング電源回路の他の構成例を示す回路図である。 従来としてのスイッチング電源回路の他の構成例を示す回路図である。 従来の力率改善技術として、チョークインプット方式による構成例を示す回路図である。 従来の力率改善技術として、チョークインプット方式による他の構成例を示す回路図である。 チョークインプット方式を採るスイッチング電源回路(図29に対応)における、負荷変動に対するAC→DC電力変換効率、力率、及び整流平滑電圧(直流入力電圧)の特性を示す図である。 チョークインプット方式を採るスイッチング電源回路(図30に対応)における、負荷変動に対するAC→DC電力変換効率、力率、及び整流平滑電圧(直流入力電圧)の特性を示す図である。
符号の説明
1 制御回路、2 発振・ドライブ回路、11〜18 力率改善回路、Di ブリッジ整流回路、Ci,Ci1,Ci2 平滑コンデンサ、Q1,Q2 スイッチング素子、PIT 絶縁コンバータトランス、C1 一次側直列共振コンデンサ、Cp 部分共振コンデンサ、N1 一次巻線、N2(N2A,N2B) 二次巻線、CN フィルタコンデンサ、L10 高周波インダクタ、D1 スイッチングダイオード/整流ダイオード、D2 整流ダイオード、C20 力率改善用直列共振コンデンサ、Q3〜Q6 MOS−FET、Rg1、Rg2 ゲート抵抗、Dg1,Dg2 ショットキーダイオード、Ld インダクタ、Co (二次側)平滑コンデンサ、L10A,L10B 高周波巻線部、N1A,N1B 一次巻線部

Claims (9)

  1. 商用交流電源を入力して整流平滑電圧を生成する整流平滑手段と、
    上記整流平滑電圧を直流入力電圧として入力してスイッチングを行うスイッチング素子を備えて形成したスイッチング手段と、
    上記スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段と、
    少なくとも、上記スイッチング手段のスイッチング動作により得られるスイッチング出力が供給される一次巻線と、該一次巻線に得られたスイッチング出力により交番電圧が励起される二次巻線とを巻装して形成される絶縁コンバータトランスと、
    少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分と、上記一次巻線に直列接続された一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、上記スイッチング手段の動作を電流共振形とする一次側直列共振回路と、
    上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に励起される交番電圧を入力して整流動作を行って、二次側直流出力電圧を生成するように構成された二次側直流出力電圧生成手段と、
    上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて上記スイッチング駆動手段を制御して、上記スイッチング手段のスイッチング周波数を可変することで、二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成された定電圧制御手段と、
    上記スイッチング手段のスイッチング動作により一次側直列共振回路に得られる一次側直列共振電流を電力として回生するようにして、上記整流平滑手段を形成する平滑コンデンサに帰還するようにされており、この帰還された電力に応じて、上記整流平滑手段による整流動作によって得られる整流電流を断続するようにしてスイッチングする力率改善用スイッチング素子とを備えて構成される力率改善手段とを備えると共に、
    上記絶縁コンバータトランスの磁束密度を、上記二次側直流出力電圧の変動にかかわらず、二次側整流電流が連続モードとなるようにして、所定以下となるように設定した、
    ことを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 上記力率改善手段は、
    全波整流回路とされる上記整流平滑手段において商用交流電源を整流する整流回路の整流出力端子と平滑コンデンサの正極端子間に対して直列に挿入される、高周波インダクタと、上記力率改善用スイッチング素子とされるダイオード素子とを直列に接続した直列接続回路と、
    上記ダイオード素子に対して並列に接続され、上記高周波インダクタと共に直列共振回路を形成する力率改善用直列共振コンデンサと、
    上記直列接続回路に対して並列に接続されるフィルタコンデンサと、を備えると共に、
    上記直列接続回路における高周波インダクタとダイオード素子との接続点に対して、上記一次側直列共振回路を接続して形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  3. 上記力率改善手段は、
    全波整流回路とされる上記整流平滑手段において商用交流電源を整流する整流回路の整流出力端子と平滑コンデンサの正極端子間に対して直列に挿入される、高周波インダクタと、上記力率改善用スイッチング素子とされるダイオード素子とを直列に接続した直列接続回路と、
    上記直列接続回路に対して並列に接続されるフィルタコンデンサと、を備えると共に、
    上記直列接続回路における高周波インダクタとダイオード素子との接続点に対して、上記一次側直列共振回路を接続して形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  4. 上記整流平滑手段は、倍電圧整流回路として形成され、上記商用交流電源の一方の半周期に形成される整流電流経路に対して挿入される第1の整流素子と、上記商用交流電源の他方の半周期に形成される整流電流経路に対して挿入される第2の整流素子とを備え、
    上記力率改善手段は、
    上記第1の整流素子及び第2の整流素子を上記力率改善用スイッチング素子として備え、
    上記商用交流電源の一方の半周期に形成される整流電流経路においては上記第1の整流素子と直列に接続され、上記商用交流電源の他方の半周期に形成される整流電流経路においては上記第2の整流素子と直列に接続されるようにして挿入される高周波インダクタと、
    上記第1の整流素子及び上記第2の整流素子のそれぞれに対して並列に接続されるようにして設けられ、上記高周波インダクタと共に直列共振回路を形成する力率改善用直列共振コンデンサと、
    上記第1の整流素子と上記高周波インダクタによって形成される直列接続回路、及び上記第2の整流素子と上記高周波インダクタによって形成される直列接続回路のそれぞれに対して並列となるようにして設けられるフィルタコンデンサと、を備えると共に、
    上記第1の整流素子と、上記第2の整流素子と、上記高周波インダクタとの接続点に対して、上記一次側直列共振回路を接続して形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  5. 上記整流平滑手段は、倍電圧整流回路として形成され、上記商用交流電源の一方の半周期に形成される整流電流経路に対して挿入される第1の整流素子と、上記商用交流電源の他方の半周期に形成される整流電流経路に対して挿入される第2の整流素子とを備え、
    上記力率改善手段は、
    上記商用交流電源の一方の半周期に形成される整流電流経路においては上記第1の整流素子と直列に接続され、上記商用交流電源の他方の半周期に形成される整流電流経路においては上記第2の整流素子と直列に接続されるようにして挿入される高周波インダクタと、
    上記第1の整流素子と上記高周波インダクタによって形成される直列接続回路、及び上記第2の整流素子と上記高周波インダクタによって形成される直列接続回路のそれぞれに対して並列となるようにして設けられるフィルタコンデンサと、を備えると共に、
    上記第1の整流素子と、上記第2の整流素子の接続点と、上記高周波インダクタとの接続点に対して、上記一次側直列共振回路を接続して形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  6. 上記力率改善手段は、
    全波整流回路又は倍電圧整流回路を形成する上記整流平滑手段において商用交流電源が正/負となる半周期の期間ごとに形成される整流電流経路に備えられ、上記帰還された電力に応じてスイッチング動作を行うことで上記整流電流を断続する力率改善用スイッチング素子と、
    上記整流電流経路において、上記力率改善用スイッチング素子と直列接続されるようにして挿入される第1インダクタと、
    この第1インダクタとは直列に接続される接続関係を有すると共に、上記一次側直列共振回路を形成するためのインダクタンス成分に含まれるようにして挿入される第2インダクタと、
    ノーマルモードノイズを抑制するようにして挿入されるフィルタコンデンサと、を少なくとも備えて形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  7. 上記力率改善手段の第1インダクタ及び第2インダクタは、それぞれ、1つの高周波インダクタの巻線についてタップを設けたことで、このタップにより上記高周波インダクタの巻線を分割するようにして形成される第1巻線部と第2巻線部である、
    ことを特徴とする請求項6に記載のスイッチング電源回路。
  8. 上記力率改善手段の第1インダクタは、1つの高周波インダクタとして備えられると共に、
    上記力率改善手段の第2インダクタは、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線についてタップを設けたことで、このタップにより上記一次巻線を分割するようにして形成される巻線部の1つである、
    ことを特徴とする請求項6に記載のスイッチング電源回路。
  9. 上記二次側直流出力電圧生成手段を形成する整流回路として、巻線電圧検出方式による同期整流回路を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
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