JP2008193878A - スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源回路 Download PDF

Info

Publication number
JP2008193878A
JP2008193878A JP2007028838A JP2007028838A JP2008193878A JP 2008193878 A JP2008193878 A JP 2008193878A JP 2007028838 A JP2007028838 A JP 2007028838A JP 2007028838 A JP2007028838 A JP 2007028838A JP 2008193878 A JP2008193878 A JP 2008193878A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
voltage
primary
winding
capacitor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007028838A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Yasumura
昌之 安村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2007028838A priority Critical patent/JP2008193878A/ja
Publication of JP2008193878A publication Critical patent/JP2008193878A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rectifiers (AREA)
  • Dc-Dc Converters (AREA)

Abstract

【課題】簡単な回路構成によって、出力直流電圧のスパイク電圧の大きさを小さくし、ワイドレンジ対応とするスイッチング電源回路を提供する。
【解決手段】1次巻線N1と2次巻線N2とが磁気的に0.7程度の疎結合とされるコンバータトランスPITと、1次側回路と定電圧の出力直流電圧Eoを供給する2次側回路と、を備える。1次側回路は、1次側並列共振コンデンサC1を有する1次側並列共振回路と、力率改善回路と、スイッチング素子Q1がオフ状態のときにオン状態とされる補助スイッチング素子Q2を有するアクテイブクランプ回路とを具備し、2次側回路は2次側並列共振コンデンサC2と2次側直列共振コンデンサC3とを有する2次側並列共振回路と2次側直列共振回路と、高速ダイオードDoとインダクタLoと2次側平滑コンデンサCoとで構成される降圧コンバータとを具備した。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種電子機器の電源として備えられるスイッチング電源回路に関する。
近年、商用電源を整流して所望の直流電圧を得る電源回路としては、大部分がスイッチング方式の電源回路とされている。スイッチング電源回路はスイッチング周波数を高くすることによりトランスその他のデバイスを小型にすると共に、大電力のDC−DCコンバータとして各種の電子機器の電源として使用されている。
DC−DCコンバータの方式としては、種々の方式、例えば、スイッチング素子を2個とするハーフブリッジ方式、スイッチング素子を4個とするフルブリッジ方式、スイッチング素子を2個とするプッシュプル方式のDC−DCコンバータが用いられ、さらには、スイッチング素子を1個とする方式も用いられている。
スイッチング素子を1個とする方式のスイッチング電源回路の回路例としては、例えば、1次側に電圧共振形コンバータ(特許文献1を参照)を備え、2次側には直列共振回路を備えた複合共振コンバータが知られている。図21に示す回路は、このような1個のスイッチング素子を用い、1次側に電圧共振回路を備え、2次側には電流共振回路を備え、高速ダイオードDo1、高速ダイオードDo2による倍電圧整流を備えた、多重共振形コンバータとして構成されるスイッチング電源回路の回路例である。
コンバータトランスPITは、1次巻線N1と2次巻線N2とを巻回して形成されている。ここで、1次巻線N1と2次巻線N2とは磁気的に疎結合とされ、結合係数は、0.8以下である。このために、1次巻線N1にはリーケージインダクタL1が生じ、2次巻線N2にはリーケージインダクタL2が生じることとなる。
この多重共振コンバータは、交流電源ACからの電力を、コモンモードフィルタを形成するフィルタコンデンサCL1、コモンモードチョークコイルCMCおよびフィルタコンデンサCL2を介して、1次側整流素子Diに供給する。1次側整流素子Diは、ダイオードDi1、ダイオードDi2、ダイオードDi3およびダイオードDi4から構成されるブリッジ接続回路とされており、このブリッジ接続回路の出力側には、1次側平滑コンデンサCiが接続され、1次側平滑コンデンサCiの両端から直流電力が得られるようになされている。
スイッチング素子Q1は直流電力を断続して交流に変換して1次巻線N1に供給して、さらに、交流電力を2次巻線N2に供給する。1次側並列共振コンデンサC1は、リーケージインダクタL1とともに1次側並列共振回路を形成する。2次巻線N2には2次側直列共振コンデンサC3が直列に接続され、リーケージインダクタL2とともに2次側直列共振回路を構成する。また、2次側は高速ダイオードDo1、高速ダイオードDo2を有する倍電圧整流回路を構成するものとされており、2次側平滑コンデンサCoの両端には出力直流電圧Eoが得られる。
この出力直流電圧Eoは、制御回路1に入力され、制御回路1に接続される発振・ドライブ回路2は、スイッチング素子Q1を制御して、出力直流電圧Eoを定電圧となるように制御する。ここで、スイッチング素子Q1は、MOS−FETであり、発振・ドライブ回路2はMOS−FETのゲートを制御する。ボディダイオードDD1はMOS−FETに内蔵されるダイオードである。
図22はこのスイッチング電源回路の要部の波形を示すものである。図22の上段から下段に向かい、電圧V1(図21を参照)、電流I21(図21を参照)、電流I22(図21を参照)、出力直流電圧Eoに含まれる交流電圧成分ΔEoの各々を、スイッチング素子Q1のスイッチング周期で示すものである。このときの入力交流電圧VACは100V、負荷電力は300W、出力直流電圧Eoは175Vとした。
図22から見て取れるように、高速ダイオードDo1に流れる電流I21、高速ダイオードDo2に流れる電流I22のいずれもが、正弦波状の滑らかな電流波形を有している。しかしながら、高速ダイオードDo1、高速ダイオードDo2は、導通状態から切断状態へ変化するターンオフ時において、逆回復時間(trr)を有するので、この逆回復時間の影響によって、2次側平滑コンデンサCoの両端から得られる出力直流電圧Eoには、スパイク電圧が発生する。このスパイク電圧は、スイッチング素子Q1がスイッチングする周期であるスイッチング周期毎に発生するもので、図22に示す交流電圧成分ΔEoに示すように、略2.5Vの電圧である。
このスパイク電圧は、出力直流電圧Eoが供給される図示しない負荷に悪影響を与える。すなわち、負荷が電子回路である場合には回路における誤動作を引き起こす場合もあり、このスパイク電圧によって処理特性の劣化等の悪影響を引き起こす場合もある。
図23に示す回路は、別の多重共振形コンバータとして構成されるスイッチング電源回路の回路例であり、この回路の2次側は出力直流電圧Eoに含まれるスパイク電圧の影響を軽減するように、図21に示す回路における2次側平滑コンデンサCoのみを有する回路に替えて、インダクタLo、2次側平滑コンデンサCo1、2次側平滑コンデンサCo2、を有して形成されるLCフィルタの回路が採用され、2次側の平滑回路は、全体としてはパイ(π)型のフィルタを構成している。この結果として、2次側平滑コンデンサCo1から得られる出力直流電圧Eoに含まれるスパイク電圧の大きさは略0.1V程度と小さなものとなっている。
また、図23に示す多重共振形コンバータの回路では、入力交流電圧VACの範囲が、例えば、実効値として85V(ボルト)から264Vの範囲である。所謂、ワイドレンジ対応とされている。この場合においては、スイッチング素子Q1の耐圧を例えば900V以下とするために、補助スイッチング素子Q2と電圧クランプ用コンデンサC4によるアクテイブクランプ回路を用いている。
ここで、補助スイッチング素子Q2の耐圧は、例えば、耐圧900Vであり、補助スイッチング素子Q2はボディダイオードDD2を内蔵するMOS−FETとされている。この補助スイッチング素子Q2のオンとオフとの制御はコンバータトランスPITに補助巻線Ngを設けておこなっている。すなわち、この補助巻線Ngに発生する電圧を抵抗Rg1と抵抗Rg2とで分圧して補助スイッチング素子Q2のゲートに電圧Vgsとして加えて、スイッチング素子Q1がオフとなるときに補助スイッチング素子Q2をオンとなるようにしている。ここで、補助巻線Ngは、例えば1T(ターン)の巻数とされ、アクテイブクランプ回路を構成する補助スイッチング素子Q2は補助巻線Ngからの電圧によってオンとオフとを繰り返す自励ドライブ方式とされている。
図24にこのアクテイブクランプ回路に関係する各部の動作波形を、スイッチング素子Q1のスイッチング周期について示す。図24の上段から、電圧V1(図23を参照)、電圧Vgs(図23を参照)、電圧V2(図23を参照)、電流Ic1(図23を参照)、電流IQ2(図23を参照)の各々を示すものである。
また、図23に示す多重共振形コンバータの回路では、電源高調波歪規制に対応するために、コンデンサCN、高速ダイオードD1、インダクタLiから構成される電圧帰還方式力率改善回路を有している。ここで、コンデンサCNはノーマルモードノイズ抑制のためのコンデンサとしても機能する。
このような力率改善回路を備えることによって、入力交流電圧VACの値が100V系である場合には日本国の規制値、入力交流電圧VACの値が200V系である場合には欧州の規制値の各々をクリアするようにインダクタLiのインダクタンスの値を設定している。
図25は、図23に示す多重共振形コンバータの回路における入力交流電圧VAC(図23を参照)と入力交流電流IAC(図23を参照)とを入力交流電圧VACの周期について示すものである。図25から見て取れるように入力交流電流IACの流通角は拡大して、力率が改善されている。図25に示す例では力率(PF)は0.9程度に向上している。
特開2006−271172号公報 特開2006−271162号公報
上述したスイッチング電源回路では、出力直流電圧Eoに含まれるスパイク電圧の大きさは小さなものとなり、入力交流電圧VACの範囲が広いワイドレンジ対応となるものであるが、スパイク電圧の大きさを小さなものとするために、2次側の平滑回路はパイ型の構成とされ、ワイドレンジ対応とするアクテイブクランプ回路は、補助巻線Ngと抵抗Rg1および抵抗Rg2とを用いる構成となっており、回路を構成する部品点数は多いものであった。
本発明は、上述した課題を解決して、簡単な回路構成によって、出力直流電圧Eoに含まれるスパイク電圧の大きさを小さくし、入力交流電圧VACの範囲はワイドレンジ対応とするスイッチング電源回路を提供することを目的とする。
本発明のスイッチング電源回路は、交流電力を直流電力に変換する1次側整流素子と1次側平滑コンデンサとを有して形成される1次側整流回路で得られた直流電力を入力して交流電力を発生する1次側回路と、前記1次側回路で発生した交流電力を伝送するための1次巻線と2次巻線とが磁気的に疎結合とされて形成されるコンバータトランスと、前記2次巻線から負荷に定電圧の出力直流電圧を供給する2次側回路と、を備えるスイッチング電源回路であって、前記1次側回路は、前記出力直流電圧を定電圧とするように制御され前記1次巻線に交流電力を供給するスイッチング素子と、前記コンバータトランスの1次巻線に生じるリーケージインダクタンスと、前記スイッチング素子に並列接続される1次側並列共振コンデンサのキャパシタンスとで1次側並列共振周波数が支配されるようにして形成される1次側並列共振回路と、前記1次側整流回路と前記1次側回路との間に介在して力率を改善する力率改善回路と、前記スイッチング素子がオフ状態のときにオン状態とされる補助スイッチング素子と電圧クランプ用コンデンサとの直列接続回路によって形成され、前記スイッチング素子の両端の電圧をクランプするアクテイブクランプ回路と、を具備し、前記2次側回路は、前記コンバータトランスの2次巻線に生じるリーケージインダクタンスと、前記2次巻線に直接または交流的に並列接続される2次側並列共振コンデンサのキャパシタンスとで2次側並列共振周波数が支配されるようにして形成される2次側並列共振回路と、前記コンバータトランスの2次巻線に生じるリーケージインダクタンスと、前記2次巻線に直接または交流的に直列接続される2次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとで2次側直列共振周波数が支配されるようにして形成される2次側直列共振回路と、前記2次巻線に得られる交流電力を直流電力に変換して出力直流電圧を得る2次側直流出力電圧生成手段と、を具備し、前記2次側直流出力電圧生成手段は、前記2次側直列共振コンデンサと前記2次巻線との直列接続回路に並列に接続されるダイオードと、前記ダイオードに一端が接続されるインダクタと、前記インダクタの他端に接続される2次側平滑コンデンサと、を有して、前記2次巻線に生ずる電圧を降圧するように形成される。
このスイッチング電源回路では、1次側整流回路で交流電力を直流電力に変換し、1次側整流回路で得られた直流電力を入力して交流電力を発生する1次側回路を備える。また、交流電力を2次巻線に伝送する1次巻線と2次巻線とが磁気的に疎結合とされて形成されるコンバータトランスを備える。また、2次巻線から負荷に定電圧の出力直流電圧を供給する2次側回路を備える。1次側回路は、スイッチング素子と、1次側並列共振回路と、力率改善回路と、アクテイブクランプ回路と、を具備する。また、2次側回路は、2次側並列共振回路と、2次側直列共振回路と、2次側直流出力電圧生成手段と、を具備する。このような構成を有するので、このスイッチング電源回路は、1次側並列共振回路、2次側並列共振回路および2次側直列共振回路の作用によってソフトスイッチング動作をし、力率改善回路の作用によって良好な力率特性を有し、アクテイブクランプ回路の作用によってスイッチング素子の耐電圧を低いものとしワイドレンジ対応とできる。そして、2次側直流出力電圧生成手段は、ダイオードと、インダクタと、2次側平滑コンデンサと、を有して、降圧コンバータとして構成されているので、この降圧コンバータによって定電圧の出力直流電圧を得るとともに、このインダクタンスと2次側平滑コンデンサとで形成されるローパスフィルタの作用で出力直流電圧に含まれるスパイク電圧を含む交流電圧成分を減衰させることができる。
本発明によれば、簡単な回路構成によって、スパイク電圧の大きさを小さなものとし、入力交流電圧VACの範囲はワイドレンジ対応とするスイッチング電源回路を提供することができる。
以下、図面に沿って発明を実施するための最良の形態である実施形態について説明をする。まず図1に沿って、基本となる実施形態のスイッチング電源回路の説明をした後、種々の変形例の実施形態について説明をする。
図1に示すスイッチング電源回路の概要を説明する。図1に示すスイッチング電源回路は、1次側整流素子Diと1次側平滑コンデンサCiとを有して形成される1次側整流回路で交流電源ACからの交流電力を直流電力に変換する。この直流電力は1次側回路において交流電力に再び変換される。ここで、変換される交流電力の周波数は交流電源ACから得られる交流電力の周波数に較べて、例えば、1000倍以上高い周波数とされている。また、1次側回路で発生した交流電力を伝送するための1次巻線N1と2次巻線N2とが磁気的に疎結合とされて形成されるコンバータトランスPITを備えている。ここで、疎結合とは磁気的な結合係数が0.8以下であることをいうものである。また、2次巻線N2に発生する交流電力を直流電力に変換して、図示しない負荷に定電圧の出力直流電圧Eoを供給する2次側回路を備える。
ここで、1次側回路は、出力直流電圧Eoを定電圧とするように制御され1次巻線N1に交流電力を供給するスイッチング素子Q1を具備する。また、リーケージインダクタL1として機能するコンバータトランスPITの1次巻線N1に生じるリーケージインダクタンスと、スイッチング素子Q1に並列接続される1次側並列共振コンデンサC1のキャパシタンスとで1次側並列共振周波数が支配されるようにして形成される1次側並列共振回路を具備する。また、1次側整流回路とこの1次側回路との間に介在して力率を改善する力率改善回路を具備する。また、スイッチング素子Q1がオフ状態のときにオン状態とされる補助スイッチング素子Q2と電圧クランプ用コンデンサC4との直列接続回路によって形成され、スイッチング素子Q1の両端の電圧をクランプするアクテイブクランプ回路を具備する。
2次側回路は、リーケージインダクタL2として機能するコンバータトランスPITの2次巻線N2に生じるリーケージインダクタンスと、2次巻線N2に直接または交流的に並列接続される2次側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとで2次側並列共振周波数が支配されるようにして形成される2次側並列共振回路を具備する。また、2次巻線N2に生じるリーケージインダクタンスと、2次巻線N2に直接または交流的に直列接続される2次側直列共振コンデンサC3のキャパシタンスとで2次側直列共振周波数が支配されるようにして形成される2次側直列共振回路を具備する。また、2次巻線N2に得られる交流電力を直流電力に変換して出力直流電圧Eoを得る2次側直流出力電圧生成手段を具備する。この2次側直流出力電圧生成手段は、2次側直列共振コンデンサC3と2次巻線N1との直列接続回路に並列に接続される高速ダイオードDoと、高速ダイオードDoに一端が接続されるインダクタLoと、インダクタLoの他端に接続される2次側平滑コンデンサCoとを有して構成されており、所謂、降圧コンバータと同様な回路である。
図1に示すスイッチング電源回路について、入力側から出力側に至る電力経路についてより、詳細に順に説明する。まず、商用の交流電源ACに対しては、フィルタコンデンサCL1およびフィルタコンデンサCL2とコモンモードチョークコイルCMCとによるコモンモードノイズフィルタが形成されている。
そして、コモンモードノイズフィルタの出力側には、ダイオードDi1、ダイオードDi2、ダイオードDi3およびダイオードDi4をブリッジ接続として形成される1次側整流素子Diと、1次側平滑コンデンサCiと、から成る全波整流回路が1次側整流平滑回路として接続されている。この全波整流回路の入力側である、ダイオードDi3のカソードとダイオードDi1のアノードとの接続点と、ダイオードDi4のカソードとダイオードDi2のアノードとの接続点との各々に、商用の交流電源ACからの交流電力を入力して、ダイオードDi1のカソードとダイオードDi3のカソードとの接続点と、ダイオードDi4のアノードとダイオードDi3のアノードとの接続点との各々から整流された電力が得られるようになされている。
図1に示す回路では、力率改善回路が1次側整流素子Diと1次側平滑コンデンサCiとの間に接続されており、直接に1次側整流素子Diと1次側平滑コンデンサCiとは接続されてはいない。力率改善回路は、図1においては、破線内で示す回路であり、力率改善回路については後述する。上述したように1次側整流素子Diが全波整流動作を行うことによって、1次側平滑コンデンサCiの両端には整流平滑された直流電圧が得られる。この場合の直流の電圧Eiの値は、入力交流電圧VACの波高値と略等しいレベルとなる。すなわち、1次側整流素子Diと1次側平滑コンデンサCiとは、交流電力を整流し平滑して直流電力を発生する1次側整流回路として機能することとなる。
1次側平滑コンデンサCiの両端に得られた電力は、力率改善回路を介して、コンバ−タ部に供給される。コンバ−タ部は、多重共振コンバ−タとアクテイブクランプ回路とを具備して構成されている。多重共振コンバ−タは、1次側に電圧共振回路(1次側並列共振回路)を有し、2次側には電圧共振回路(2次側並列共振回路)と電流共振(2次側直列共振回路)とを有して構成されており、アクテイブクランプ回路は、1次側のスイッチング素子に発生する電圧をクランプするようになされている。このように多重共振コンバ−タは、1次側回路と2次側回路とから形成されており、コンバータトランスPITを介して、1次側回路と2次側回路とを分離するようになされている。以下、1次側回路、2次側回路、アクテイブクランプ回路の順に説明をする。
多重共振コンバ−タの1次側回路は、以下のように構成されている。力率改善回路を形成するインダクタLiと高速ダイオードD1との接続点にコンバータトランスPITの1次巻線N1の一端とが接続され、1次巻線N1の他端にはスイッチング素子Q1が接続され、直流の電圧Eiは、1次巻線N1を介して1次巻線N1の他端に接続されるスイッチング素子Q1に供給されるようになされている。スイッチング素子Q1は、MOS−FETとされており、そのドレイン−ソース間に対しては、ボディダイオードDD1が並列に接続されている。ボディダイオードDD1のアノードはスイッチング素子Q1のソース、ボディダイオードDD1のカソードはスイッチング素子Q1のドレインと接続されている。ボディダイオードDD1は、MOS−FETの製造プロセス上、付随して形成される素子である。
また、スイッチング素子Q1をスイッチング駆動するために、発振・ドライブ回路2が設けられる。この発振・ドライブ回路2は、発振回路、駆動(ドライブ)回路を有しており、例えばこの場合には、汎用のICを用いることができる。発振・ドライブ回路2の発振回路は、所要周波数の発振信号を発生させ、駆動回路は、スイッチング素子Q1としてのMOS−FETをスイッチング駆動するためのゲート電圧であるスイッチング駆動信号を生成して、ゲートに印加するようにされる。これにより、スイッチング素子Q1は、スイッチング駆動信号の周期(スイッチング周波数の逆数)で、連続的にスイッチング動作を行う。
制御回路1は、出力直流電圧Eoをスイッチング周波数制御方式により安定化するために設けられる。この場合の制御回路1は、検出入力である出力直流電圧Eoと、安定化するべき基準の電圧との差として得られる誤差電圧のレベル変化に応じた検出出力を発振・ドライブ回路2に供給する。発振・ドライブ回路2では、入力された制御回路1の検出出力に応じてスイッチング周波数が可変されるようにしてスイッチング素子Q1を駆動する。このためには、発振・ドライブ回路2の内部の発振回路により生成する発振信号の周波数を可変することになる。スイッチング素子Q1のスイッチング周波数が可変されることで、1次側並列共振回路の共振インピーダンスが変化し、コンバータトランスPITの1次巻線N1から2次巻線N2側に伝送される電力量が変化するが、これにより出力直流電圧Eoのレベルを安定化させるように動作する。なお、1次側回路と2次側回路とを絶縁分離するために、制御回路1にはフォトカプラ等を用いることもできる。
コンバータトランスPITは、直流電力をスイッチング素子Q1でスイッチングすることによって、再び交流にされた電力を2次側回路に伝送するために設けられる。ここで、再び交流電力とされたスイッチング出力の周波数は、例えば、商用の交流電源ACの周波数の1000倍以上に選ばれるので、コンバータトランスPITのサイズは小さなものとできる。このコンバータトランスPITは、図2に断面図を示す構造を有して構成されている。コンバータトランスPITは、フェライトを材料とするE字形状コア(図2に示す断面方向およびこれと直交する断面のいずれもが矩形であるコア、または、図2に示す断面方向は矩形であり、これと直交する断面は円形であるコア)を有している。コンバータトランスPITは、このように、フェライト材によるE字形状コアであるコアCR1およびコアCR2を組合せたEE型コア(コア断面のいずれもが矩形である上述したコアを組み合わせたコア)またはEER型コア(コア断面の一方が円形である上述したコアを組み合わせたコア)を備え、1次側と2次側とで巻装部位を分割したうえで、1次巻線N1と、2次巻線N2を、EE型コアまたはEER型コアの中央磁脚を覆うボビンBの上に巻装している。
ここで、1次巻線N1と2次巻線N2とは、磁気的に疎結合とされている。磁気的に疎結合とは、1次巻線N1に鎖交する磁束と2次巻線N2に鎖交する磁束とのすべてが共通するものではなく、1次巻線N1または2次巻線N2のいずれかにのみ鎖交する磁束が存在することをいうものである。このように、疎結合とすることによって、1次巻線N1はリーケージインダクタL1として機能し、2次巻線N2はリーケージインダクタL2として機能することとなる。ここで、1次巻線N1と2次巻線N2との磁気的な結合を疎結合とするためのコンバータトランスPITは、図2に示すコアCR1、コアCR2の内磁脚を、2本の外磁脚よりも短くすることで実現することができる。
実施形態では、コンバータトランスPITのフェライトコアとしては、EER型コアを用い、EER型コアのコアサイズとしてはEER−40(コアの型番)を用いた。EER型コアの内磁脚のギャップとしては、ギャップ長1.4mmに設定し、これによって1次巻線N1と2次巻線N2との磁気的な結合係数kの値としては、0.7の疎結合の状態を得るようにしている。コンバータトランスPITは、このような構造によって1次巻線N1に所定のインダクタンス値のリーケージインダクタL1を生じさせ、2次巻線N2に所定のインダクタンス値のリーケージインダクタL2を生じさせる。また、1次巻線N1と2次巻線N2とは加極性接続とされている(図1の巻線端に付与された黒丸を参照)。
そして、リーケージインダクタL1と1次側並列共振コンデンサC1とによって1次側並列共振周波数が支配される1次側並列共振回路を形成する。1次側並列共振周波数が支配されるとは、リーケージインダクタL1と1次側並列共振コンデンサC1とによって1次側並列共振周波数が略定められることをいうものであり、例えば、この共振回路に含まれる1次側平滑コンデンサCoは、共振周波数に影響を与えないことをいうものである。その理由はスイッチング素子Q1がスイッチングするスイッチング周波数においては、1次側平滑コンデンサCoは短絡とみなせるので、スイッチング素子Q1と並列に接続される1次側並列共振コンデンサC1は、交流的には1次巻線N1と並列に接続されていることとなり、1次巻線N1のリーケージインダクタL1と1次側並列共振コンデンサC1のキャパシタンスとで1次側並列共振回路が形成されることになるからである。ここで、1次巻線N1の巻数は55T(ターン)とした。また、1次側並列共振コンデンサC1のキャパシタンスの値は2200pF(ピコ・ファラッド)とした。このようにして、図1に示す実施形態のスイッチング電源回路の1次側は、1次巻線N1に発生するリーケージインダクタL1と1次側並列共振コンデンサC1とで1次側並列共振回路が形成される。
次に、2次側回路について説明をする。コンバータトランスPITの2次巻線N2には、並列に2次側並列共振コンデンサC2が接続され、リーケージインダクタL2と2次側並列共振コンデンサC2とで電圧共振回路が形成される。2次巻線N2の巻き数は45Tとされている。また、2次側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスの値は0.022μFとされている。
また、スイッチング電源回路の2次側には、電流共振回路として作用する2次側直列共振回路が設けられており、この2次側直列共振回路は、リーケージインダクタL2のインダクタンスの値と2次側直列共振コンデンサC3のキャパシタンスの値とで略2次側直列共振周波数が支配されるようにして形成される。2次側直列共振コンデンサC3のキャパシタンスの値は0.012μFとしている。
また、スイッチング電源回路の2次側には、高速ダイオードDoとローパスフィルタとして機能するインダクタLoおよび2次側平滑コンデンサCoを備える。インダクタLoのインダクタンスの値は、400μHとし、2次側平滑コンデンサCoのキャパシタンスの値は1000μFとした。インダクタLoは、例えば、図2に示すコンバータトランスと同様の構造を有し、巻線としては、1の巻線のみがボビンBに巻装されている構造を採用することができる。ここで、高速ダイオードDo、インダクタLoおよび2次側平滑コンデンサCoは、周知技術である降圧コンバータと同様な構成を有しており、電圧を降圧する機能を有する。
ここで、インダクタLoのインダクタンスの値をリーケージインダクタL2のインダクタンスの値よりも大きく選定すると、インダクタLoに流れる電流の波形を電流連続モードの正弦波形状とすることができる。このような電流波形とすることによって、2次側平滑コンデンサCoの両端の出力直流電圧Eoに生じる交流電圧成分ΔEoに含まれるリップル電圧の大きさを減少させることができる。また、このような電流波形とすることによって、高速ダイオードDoの逆回復時間(trr)の影響によって生じるスパイク電圧の大きさも大幅に減少させることができる。
次に、アクテイブクランプ回路について説明をする。このアクテイブクランプ回路は、スイッチング素子Q1がオフとなる場合に生じるスイッチング素子Q1の両端の電圧をクランプしてスイッチング素子Q1の耐電圧を低いものとする効果を有している。アクテイブクランプ回路は、補助スイッチング素子Q2と電圧クランプ用コンデンサC4とを直列接続した直列接続回路を主要な構成部品として形成されている。さらに、アクテイブクランプ回路は、MOS−FETで形成される補助スイッチング素子Q2のゲートとソースとの間に接続される抵抗Rgを有している。
図3は、一般的なMOS−FETの等価回路である。このようなMOS―FETは、本実施形態では、スイッチング素子Q1、補助スイッチング素子Q2として用いられている。図3は、ドレインとソース間で形成されるスイッチング素子部QとボディダイオードDDと各部に生じるコンデンサと等価な機能を有する容量とを示している。MOS−FETでは、ゲート(g)、ソース(s)、ドレイン(d)の各々の電極の相互間に、ゲート・ドレイン間の容量Cgd、ゲート・ソース間の容量Cgs、ドレイン・ソース間の容量Cdsの各々の静電容量を有するものである。そして、入力容量として、容量Cgsと容量Cgdとの和で表される容量Ciiを有し、出力容量として、容量Cdsと容量Cgdとの和で表される容量Cossとを有し、帰還容量として容量Cgdと等しい値の容量Crssを有する。ここで、容量Cgsと容量Cgdとの各々は、チップサイズとシリコンゲート酸化膜の厚さとで決定され容量Cii>容量Coss>容量Crssの関係が通常は成立する。
すなわち、本実施形態のアクテイブクランプ回路は、MOS―FETによって補助スイッチング素子Q2が形成され、電圧クランプ用コンデンサC4の電荷を、MOS―FETのゲート・ドレイン間容量を介してゲート・ソース間に接続される抵抗Rgに流し、ゲート・ソース間に電圧Vgsを発生させて、スイッチング素子Q1のオフ状態において、補助スイッチング素子Q2をオン状態とするものである。
図4はアクテイブクランプ回路の各部の動作波形を示す図である。図4に示す波形は、上段から下段に向かい、電圧V1(図1を参照)、電流IQ1(図1を参照)、電圧Vgs(図1を参照)、電流Ig(図1を参照)、電流IQ2(図1を参照)、電流Ic1(図1を参照)、電圧Vds(図1を参照)、電圧V2(図1を参照)の各々を示すものである。ここで、図4に示す各部の波形は、負荷電力が300W、入力交流電圧VACが100Vにおけるものである。
図3に示す等価回路、図4に示す各部の動作波形を引用して、アクテイブクランプ回路の動作を説明する。
スイッチング素子Q1がターンオフ(切断)すると、インダクタLiとリーケージインダクタL1とに流れていた電流は、1次側並列共振コンデンサC1と1次側平滑コンデンサCoとに短時間流れ(図4の電流Ic1を参照)、電圧V1が上昇して、インダクタLi、リーケージインダクタL1、ボディダイオードDD2、電圧クランプ用コンデンサC4の経路に電流が流れ(図4の電流IQ2を参照)、同時に抵抗Rg、容量Cgd、電圧クランプ用コンデンサC4の経路に電流が流れる(図4の電流Igを参照)。このようにして、インダクタLiとリーケージインダクタL1に蓄えられた磁気エネルギーとに基づく電流が、電圧クランプ用コンデンサC4の充電を完了する(図4の電流IQ2を参照)。そして、電圧クランプ用コンデンサC4に充電された電荷は、容量Cgd、抵抗Rgを介して流れ(図4の電流Igを参照)、電圧Vgsが上昇する(図4の電圧Vgsを参照)。ここで、電圧Vgsは補助スイッチング素子Q2のゲート(g)とソース(s)間の電圧である。
補助スイッチング素子Q2がオン(導通)となるゲート(g)とソース(s)との間の電圧である閾値電圧Vthを、電圧Vgsが越える場合には、補助スイッチング素子Q2はオンとなる(図4の電流IQ2を参照)。また、閾値電圧Vthを電圧Vgsが下回る場合には、補助スイッチング素子Q2はオフとなる(図4の電流IQ2を参照)。補助スイッチング素子Q2がオンとなる場合には、電流は、電圧クランプ用コンデンサC4、補助スイッチング素子Q2、リーケージインダクタL1、インダクタLiの経路で流れ(図4の電流IQ2を参照)、補助スイッチング素子Q2がオフとなる場合には、電流は、1次側並列共振コンデンサC1を流れる(図4の電流Ic1を参照)。
かくして、図4に示すように、スイッチング素子Q1に印加される電圧V1(図1を参照)のピ−ク電圧は略400Vに抑えられ、補助スイッチング素子Q2に印加される電圧V2(図1を参照)のピ−ク電圧は略400Vに抑えられる。ここで、電圧クランプ用コンデンサC4のキャパシタンスの値は0.1μFとし、抵抗Rgの値は100Ω(オ−ム)とした。ここで、抵抗Rgの値を大きくするとスイッチング素子Q1のオフ期間は拡大して、アクテイブクランプ電圧を低下させることができる。
次に力率改善回路について説明をする。力率改善回路は、高速ダイオードD1、インダクタLi、コンデンサCNとから形成されている。この力率改善回路は、1次側回路に流れる共振電流を1次側整流素子Diに対して一方向に流すために、1次側整流素子Diと1次巻線N1とに各々の端子であるカソードとアノードとが接続される高速ダイオードD1と、1次側回路に流れる共振電流を1次側平滑コンデンサCiに対して一方向に流すために、1次巻線N1と1次側平滑コンデンサCiとに各々の端子が接続されるインダクタLiと、を有するものである。ここで、インダクタLiは53μH(マイクロヘンリ)とし、コンデンサCNのキャパシタンスは1μFとした。
図5は力率改善回路の動作を説明するための各部の波形を示す図である。図5に示す波形は、上段から下段に向かい、入力交流電圧VAC(図1を参照)、入力交流電流IAC(図1を参照)、電圧V1(図1を参照)、電流I1(図1を参照)、電圧V3(図1を参照)、出力直流電圧Eoに含まれる交流電圧成分ΔEoの各々を示すものである。ここで、図4に示す各部の波形は、負荷電力が300W、入力交流電圧VACが100Vにおけるものである。
図5を参照して、力率改善回路の動作を説明する。1次側に流れる共振電流は、高速ダイオードD1で整流され、電流I1として高速ダイオードD1を流れる。この電流I1はスイッチング周期でオン、オフされており、スイッチング周期の高周波成分を含んでいる。この高周波成分はコンデンサCNで除去され、電流I1の包絡線と略等しい電流が1次側整流素子Diに流れる。この1次側整流素子Diに流れる電流は、1次側整流素子Diの流通角を拡大して、入力交流電流IACが流れる時間を拡大して力率を改善する。インダクタLiは、入力交流電流IACを1次側平滑コンデンサCiに流すために設けられている。このようにして、共振電流に応じた電圧を1次側平滑コンデンサCiに帰還する電圧帰還方式の力率改善回路によって力率の改善はなされる。
図6は、図1に示す実施形態のスイッチング電源回路の、負荷電力Poを横軸にして、負荷電力Poの値が0Wから300Wまでの範囲における、1次側平滑コンデンサCiの両端の電圧Ei、電力変換効率ηAC→DC、スイッチング素子Q1のドレインとソースとがオン(導通)となる期間である期間TON、スイッチング素子Q1のドレインとソースとがオフ(切断)となる期間である期間TOFF、力率PFの各々を示している。図6において点線で示す各々のグラフは入力交流電圧が230Vにおける場合であり、実線で示す各々のグラフは入力交流電圧が100Vにおける場合である。この場合の出力直流電圧Eoの値は175Vとした。
図5に示す、実験結果から得られた事実から以下のことが分かる。図5と図21とに示す各々の回路におけるリップル電圧の値を比較する。図21に示す回路においては、電圧Eo1を出力直流電圧とする場合には、図22に示す電圧Eo1から見て取れるようにリップル電圧の値は0.5V程度である。一方、図1に示す回路においては、図5に示す交流電圧成分ΔEoから見て取れるようにリップル電圧の値は0.1V程度と小さなものとなっている。またスパイク電圧の大きさは、図22に示す電圧Eo1から見て取れるように2.5V程度であるが、図5に示す交流電圧成分ΔEoから見て取れるように、スパイク電圧の大きさは、ほとんど検知することができない程小さなものとなっている。このことは、図23に示すようなパイ型(π型)のフィルタを用いなくても、図1に示すスイッチング電源回路においては良好なるリップル特性とスパイク特性とが得られることを示している。すなわち、インダクタLoと2次側平滑コンデンサCoとによって形成される実施形態のフィルタは、部品点数が少なく、良好なる交流電圧成分ΔEoの減衰特性を呈することを示している。
実施形態として図1に示すスイッチング電源回路では、1次側は、電圧共振シングルエンデッドコンバータ、2次側は、電圧共振回路と電流共振回路とを組み合わせ、1次側と2次側とで、多重共振コンバータを構成し、さらに、降圧形コンバータとして構成している。このように構成することによって、交流電圧成分ΔEoに含まれるスイッチング周期のリップル電圧の大きさを小さくできる。また、出力直流電圧Eoに含まれるスパイク電圧の大きさも小さくできる。したがって、背景技術におけるようなパイ型のフィルタの構成は不要とできる。
また、実施形態として示すスイッチング電源回路では、スイッチング素子がオフのときに発生する電圧をクランプするアクテイブクランプ回路を備え、このアクテイブクランプ回路の作用によって低耐圧のスイッチング素子を用いて、広範囲な入力交流電圧VACに対応が可能となり、ワイドレンジ化が可能となった。このときに、アクテイブクランプ回路を形成する補助スイッチング素子のドライブ回路については、セルフターンオン方式の自励ドライブ回路を用いているので、1個の抵抗、補助スイッチング素子および電圧クランプ用コンデンサを備えるものとすれば良いものであり、背景技術として図23に示すような、補助スイッチング素子を制御するための特別な巻線である補助巻線を必要とせず、また、電圧分圧用の2個の抵抗を必要とすることがなく、回路の簡略化が図れる。
また、実施形態として図1に示すスイッチング電源回路では、電圧帰還方式の力率改善回路を備え、簡単な回路構成を採用して、入力交流電圧の範囲が広範囲に変化する場合においても、良好なる力率改善の効果が得られ、力率の観点からも、ワイドレンジ化を図ることができる。すなわち、交流電源ACが100V系である場合、200V系である場合のいずれの場合においても良好な力率を有するものとできる。
このように、実施形態として図1に示すスイッチング電源回路では、電圧帰還方式の力率改善回路によって、力率改善を図り、アクテイブクランプ回路によってスイッチング素子の耐電圧を低いものとすることができ、2次側を降圧コンバータと等価な回路構成として平滑インダクタを電流連続領域で作動することによって、上述した、力率の改善、ワイドレンジ対応、出力直流電圧に含まれるリップル電圧およびスパイク電圧の抑制の各々を達成することができるのみならず、1種類のスイッチング周波数のみで、すべての回路を働かせることができるものである。このために、複数の周波数でスイッチング動作をする場合のようなビートが発生するという問題も生じない。また、各部がソフトスイッチング動作をすることによって、高調波の発生量も少なく電源高調波歪規制に対する対策も容易である。
また、上述したスイッチング電源回路では、1次側整流素子Diおよび1次側平滑コンデンサCiから成る全波整流回路を備え、交流電源ACからの電力を直流電力に変換する構成を採用したが、このような全波整流回路および力率改善回路を備えることなく、例えば、蓄電池、太陽電池等の直流電力を発生する直流電力供給手段からの直流電力をコンバータトランスPITの1次巻線N1に直接、供給することによっても、上述したアクテイブクランプはスイッチング素子の耐圧を低いものとする効果を生じ、降圧コンバータとして機能する多重共振コンバータの2次側回路は、リップル電圧およびスパイク電圧を小さくする効果を生じさせることができるものである。
例えば、図1に示す回路において、蓄電池を用い、力率改善回路を採用しない場合においては、高速ダイオードD1、インダクタLi、コンデンサCNの各々を接続線に置き換え、1次側整流素子Diとこの接続線とを切り離し、1次側平滑コンデンサCiに替えて蓄電池を配置することになる。
「実施形態の変形例」
以下において、実施形態のスイッチング電源回路の種々の変形例を示す。以下の説明における各部について、図1に示すと同様の部分には図1と同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示す回路は、図1に示す回路の変形例のスイッチング電源回路である。図7では、コンバータトランスPITの1次巻線N1と2次巻線N2との極性の関係が、図1におけるものとは、異なっている。すなわち、図1においては、1次巻線N1と2次巻線N2との極性の関係は加極性とされたが、図7においては、1次巻線N1と2次巻線N2との極性の関係は減極性とされている(1次巻線N1および2次巻線N2に付された黒丸を参照)。また、図7に示す回路においては、力率改善回路に共振電流を付与するための3次巻線N3をコンバータトランスPITに設けている。さらに、アクテイブクランプ回路を駆動するための補助巻線Ngを設けている。
また、本実施形態の力率改善回路は、1次側回路に流れる共振電流を1次側整流素子Diに対して一方向に流すために、1次側整流素子Diとコンバータトランスに巻回される3次巻線N3の一方の巻端との間にインダクタLiと高速ダイオードD1との直列接続回路が接続され、1次側回路に流れる共振電流を1次側平滑コンデンサCiに対して一方向に流すために、コンバータトランスPITに巻回される3次巻線N3の他方の巻端に1次側平滑コンデンサCiが接続されている。
図7に示す回路は図1に示すものに較べて、3次巻線N3、補助巻線Ngおよび分圧抵抗である抵抗Rg1と抵抗Rg2とを備える点において、より複雑なものとなっている。しかしながら、図1に示す回路の有する、力率改善の作用、アクテイブクランプの作用、2次側の降圧コンバータとしての作用のすべてを有するものである。
図8に示す回路は、図1に示す回路の変形例のスイッチング電源回路である。図8では、2次側並列共振コンデンサC2の配置される位置が図1における位置とは異なり、2次側直列共振コンデンサC3を介して2次巻線N2と並列に接続されている。また、力率改善回路に採用されるインダクタLiに替えて、力率改善トランスVFTを用いている。力率改善トランスVFTは1次巻線LT1と2次巻線LT2とを有し、図2に示すコンバータトランスPITと同様の構造を有している。このように、1次巻線LT1と2次巻線LT2とを有することによって、力率改善回路の設計の自由度をさらに向上させている。
すなわち、本実施形態の力率改善回路は、1次側回路に流れる共振電流を1次側整流素子Diに対して一方向に流すために、力率改善トランスVFTの1次巻線LT1に接続される高速ダイオードD1と、1次側回路に流れる共振電流を1次側平滑コンデンサCiに対して一方向に流すために、コンバータトランスPITの1次巻線N1と1次側平滑コンデンサCiとの間に力率改善トランスVFTの2次巻線LT2が接続されている。
図9に示すスイッチング電源回路は、1次側の接続態様については、図1に示す回路と同様であり、2次側の接続態様が図1に示す回路とは異なるものである。
図9に示す回路では、コンバータトランスPITはセンタータップによって各々の巻線が接続される2次巻線N2(第1の2次巻線N2)と2次巻線N2’(第2の2次巻線N2’)とを有して形成されている。この2次巻線N2および2次巻線N2’の各々は、1次巻線N1と疎結合とされており、この結果として、2次側回路は、2次巻線N2に生じるリーケージインダクタL2および2次巻線N2’生じるリーケージインダクタL2’を有するものとなされる。
2次側回路は、上述した、2次巻線N2と2次巻線N2’の直列接続の両端に接続される2次側並列共振コンデンサC2とで2次側並列共振周波数が支配されるようにして形成される2次側並列共振回路を具備する。ここで、2次側並列共振回路を形成するインダクタンスの値は、リーケージインダクタL2およびリーケージインダクタL2’に加えて、2次巻線N2と2次巻線N2’によって生じる相互インダクタンスが加算されるものとなり、2次巻線N2と2次巻線N2’との接続点がセンタータップとして形成されることによって、2次巻線N2と2次巻線N2’とは加極性接続とされる。すなわち、上述した相互インダクタンスの値は正の値となる。
また、2次側回路は、リーケージインダクタL2(第1の2次側リーケージインダクタ)と2次巻線N2(第1の2次巻線)に直列に接続される2次側直列共振コンデンサC3(第1の2次側直列共振コンデンサ)とで2次側直列共振周波数(第1の2次側直列共振周波数)が支配されるようにして形成される2次側直列共振回路(第1の2次側直列共振回路)を具備し、リーケージインダクタL2’(第2の2次側リーケージインダクタ)と2次巻線N2’(第2の2次巻線)に直列に接続される2次側直列共振コンデンサC3’(第2の2次側直列共振コンデンサ)とで2次側直列共振周波数(第2の2次側直列共振周波数)が支配されるようにして形成される2次側直列共振回路(第2の2次側直列共振回路)を具備する。本実施形態では、リーケージインダクタL2とリーケージインダクタL2’との各々のインダクタンスの値を等しく設定し、2次側直列共振コンデンサC3と2次側直列共振コンデンサC3’との各々のキャパシタンスの値を等しく設定し、第1の2次側直列共振周波数と第2の2次側直列共振回路との各々の共振周波数を等しく設定している。
また、2次側回路は、降圧コンバータ(第1の降圧コンバータ)として機能させるための高速ダイオードDo(第1の高速ダイオード)とインダクタLo(第1のインダクタ)と2次側平滑コンデンサCoとを具備している。また、2次側回路は、降圧コンバータ(第2の降圧コンバータ)として機能させるための高速ダイオードDo’(第2の高速ダイオード)とインダクタLo’(第2のインダクタ)と上述した2次側平滑コンデンサCoとを具備している。ここで、2次側平滑コンデンサCoを2つの降圧コンバータ(第1の降圧コンバータと第2の降圧コンバータ)で共用しているので、各々の降圧コンバータは並列接続されていることと等価な作用をする。
このようにして、図9に示すスイッチング電源回路は、1次側は、電圧共振形シングルエンデッドコンバータとして形成され、2次側は、センタータップによって直列接続される2つの2次巻線の両端に2次側並列共振コンデンサC2を接続し、各々の2次巻線と直列に2次側直列共振コンデンサC3および2次側直列共振コンデンサC3’を接続して、多重共振形コンバータとして構成されている。また、この多重共振形コンバータは、2次側には、高速ダイオードDoとインダクタLoと2次側平滑コンデンサCoと、高速ダイオードDo’とインダクタLo’と2次側平滑コンデンサCoとから構成される降圧形コンバータを有して形成されている。
この2次側回路の作用を説明する。2次巻線N2に生じる電圧が負であるときには、2次巻線N2から高速ダイオードDo、2次側直列共振コンデンサC3に対して電流が流れるとともに、2次巻線N2’に生じる電圧が正となって2次巻線N2から2次巻線N2’、2次側並列共振コンデンサC2に電流が流れ、さらに、2次巻線N2’から2次側直列共振コンデンサC3’、インダクタLo’、2次側平滑コンデンサCoに対して電流I4が流れる。
また、2次巻線N2’に生じる電圧が負であるときには、2次巻線N2’から高速ダイオードDo’、2次側直列共振コンデンサC3’に対して、電流が流れるとともに、2次巻線N2’から2次巻線N2、2次側並列共振コンデンサC2に電流が流れ、さらに、2次巻線N2から2次側直列共振コンデンサC3、インダクタLo、2次側平滑コンデンサCoに対して電流が流れる。
2次側回路の各部については、2次巻線N2の巻き数は30T、2次巻線N2’の巻き数は30Tとされている。また、2次側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスの値は0.015μFとしている。また、2次側直列共振コンデンサC3のキャパシタンスおよび2次側直列共振コンデンサC3’の各々のキャパシタンスの値は0.033μFである。また、インダクタLoおよびインダクタLo’の各々のインダクタンスの値は400μH、2次側平滑コンデンサCoのキャパシタンスの値は1000μFとした。
ここで、インダクタLoおよびインダクタLo’の各々のインダクタンスの値をリーケージインダクタL2およびリーケージインダクタL2’の各々のインダクタンスの値よりも大きく選定すると、インダクタLoおよびインダクタLo’に流れる電流の波形を電流連続モードの正弦波形状とすることができる。このような電流波形とすることによって、2次側平滑コンデンサCoの両端の交流電圧成分ΔEoに含まれるリップル電圧の大きさを減少させることができる。また、このような電流波形とすることによって、高速ダイオードDoおよび高速ダイオードDo’の逆回復時間(trr)の影響によって生じるスパイク電圧の値も大幅に減少させることができる。
1次側回路については、図1に示す回路と同様の接続態様を有し、その作用についても同様であるので作用の説明を省略し、具体的な諸定数について説明する。
図9に示すスイッチング電源回路では、コンバータトランスPITのフェライトコアとしては、EER型コアを用い、EER型コアのコアサイズとしてはEER−40(コアの型番)を用いた。EER型コアの内磁脚のギャップとしては、ギャップ長1.4mmに設定し、これによって1次巻線N1と2次巻線N2との磁気的な結合係数kの値、1次巻線N1と2次巻線N2’との磁気的な結合係数kの値は、各々、0.7の疎結合の状態を得るようにしている。コンバータトランスPITは、このような構造によって1次巻線N1に所定のリーケージインダクタL1を生じさせ、2次巻線N2に所定のリーケージインダクタL2を生じさせ、2次巻線N2’に所定のリーケージインダクタL2’を生じさせる。
ここで、1次巻線N1の巻数は43Tとした。また、1次側並列共振コンデンサC1のキャパシタンスの値は2200pFとした。また、コンデンサCNのキャパシタンスの値は1μF、電圧クランプ用コンデンサC4のキャパシタンスの値は0.1μF、抵抗Rgの値は100Ω、インダクタLiのインダクタンスの値は33μHとした。
図10、図11は、図9に示した電源回路の各部の動作波形を示している。これらの図において、最大の負荷電力である負荷電力Po=300Wにおける動作波形を示している。なお、これらの図では、入力交流電圧VAC=100Vとした場合の実験結果を示している。図10はスイッチング周期における主要部の波形であり、図11は交流電源の周期における主要部の波形である。
図10では上段から下段に向かい以下の各々の波形を示している。電圧V1(図9を参照)は、スイッチング素子Q1の両端電圧である。電流IQ1(図9を参照)はスイッチング素子Q1の電流である。電圧Vgs(図9を参照)は、補助スイッチング素子Q2のゲートとソース間の電圧である。電流Ig(図9を参照)は抵抗Rgに流れる電流である。電流IQ2(図9を参照)は補助スイッチング素子Q2の電流である。電流Ic1は1次側並列共振コンデンサC1に流れる電流である。電圧Vdsは補助スイッチング素子Q2のドレインとソース間の電圧である。電圧V2は補助スイッチング素子Q2のドレインの電圧である。
図11では上段から下段に向かい以下の各々の波形を示している。最上段は入力交流電圧VAC(図9を参照)を示すものである。次段は入力交流電流IAC(図9を参照)を示すものである。さらに、以下順に、電圧V4(図9を参照)は1次側整流素子Diの出力側の電圧である。電流I1(図9を参照)は高速ダイオードD1に流れる電流である。電圧V3(図9を参照)は1次巻線N1と力率改善回路との接続点の電圧である。交流電圧成分ΔEoは、出力直流電圧Eo(図9を参照)に含まれる交流電圧成分である。
図12は、図9に示すスイッチング電源回路の、負荷電力Poを横軸にして、負荷電力Poの値が0Wから300Wまでの範囲における、1次側平滑コンデンサCiの両端の電圧Ei、電力変換効率ηAC→DC、スイッチング素子Q1のドレインとソースとがオン(導通)となる期間である期間TON、スイッチング素子Q1のドレインとソースとがオフ(切断)となる期間である期間TOFF、力率PFの各々を示している。ここで、出力直流電圧Eoは175Vとした。図12における実線で示すグラフは、入力交流電圧が100Vにおける場合を示し、図12における点線で示すグラフは、入力交流電圧が230Vにおける場合を示すものである。
図10ないし図12に示す、実験結果から得られた事実から見て取れるように、リップル電圧、スパイク電圧の大きさは、図21に示す回路におけるものよりも小さなものとなっている。このことは、図23に示すようなパイ型(π型)のフィルタを用いなくても、良好なるリップル特性とスパイク特性とが得られることを示している。
図13に示すのは、図9の回路図に示す回路の変形例であり、多重コンバータとしての1次側回路は図7に示すと同様であり、2次側回路は図9に示す回路と同様である。
図14に示すのは、図9の回路図に示す回路の変形例であり、図9に示す回路の一部を置き換える回路である。図14では、インダクタLoとインダクタLo’と個別の部品として構成することなく、複合チョークコイルとして同一コアに第1の巻線と第2の巻線とを施し、第1の巻線と第2の巻線とを磁気的に疎結合としてインダクタLoおよびインダクタLo’として機能させるものである。また、1次側回路については、力率改善回路はインダクタLiに替えて、1次巻線LT1と2次巻線LT2とを有する力率改善トランスVFTを具備するものとした。
図15に示すスイッチング電源回路は、図1に示すスイッチング電源回路の変形例である。図15に示す回路では、1次側の接続態様については、図1のスイッチング電源回路と同様であり、2次並列共振回路についての変形例である。図15に示す回路では、2次側並列共振コンデンサC2と直列に抵抗R2を接続し、2次側並列共振コンデンサC2と直列に抵抗R2との直列接続回路は、2次側回路に生じるスパイク電圧を吸収するスナバー回路としても機能するものである。ここで、抵抗R2の抵抗値は、スナバー回路として機能するに十分低い抵抗値とされており、2次側共振回路の機能に影響を与えることがないように設定されている。また、1次巻線N1と2次巻線N2とのまき方向の関係は、図1に示す回路では加極性であったが、図15に示す回路では1次巻線N1と2次巻線N2とのまき方向の関係が、減極性となる関係とされている。
図15に示す回路における、具体的な諸定数について説明する。
コンバータトランスPITのフェライトコアとしては、EER型コアを用い、EER型コアのコアサイズとしてはEER−40(コアの型番)を用いた。EER型コアの内磁脚のギャップとしては、ギャップ長1.4mmに設定し、これによって1次巻線N1と2次巻線N2との磁気的な結合係数kの値としては、0.7の疎結合の状態を得るようにしている。1次巻線N1の巻数は43Tとし、1次側並列共振コンデンサC1のキャパシタンスの値は2200pF、電圧クランプ用コンデンサC4のキャパシタンスの値は0.1μFとし、抵抗Rgの抵抗値は100Ωとし、インダクタLiのインダクタンスの値は33μHとし、コンデンサCNのキャパシタンスの値は1μFとした。
2次巻線N2の巻き数は60Tとされ、2次側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスの値は2200pFとし、抵抗R2の抵抗値は1kΩ(キロオーム)とし、2次側直列共振コンデンサC3のキャパシタンスの値は0.012μFとし、2次側平滑コンデンサCoのキャパシタンスの値は1000μFとした。
ここで、スナバー回路に流れる電流について説明する。この電流の大きさは、2次巻線N2に生じる電圧の正負に関わらず、小さなものである。このようなスナバー回路を採用することによって、高速ダイオードDoの逆回復時間(trr)の影響によって生じるスパイク電圧の発生を防止することができる。
図16、図17は、図15に示した電源回路の各部の動作波形を示している。これらの図においては、最大の負荷電力である負荷電力Po=250Wにおける動作波形を示している。なお、これらの図では、入力交流電圧VAC=100Vとした場合の実験結果を示している。
図16はスイッチング周期における主要部の波形を示すものである。図16の上段から下段に向かって、電圧V1(図15を参照)、電流IQ1(図15を参照)、電圧Vgs(図9を参照)、電流Ig(図15を参照)、電流IQ2(図15を参照)、電流Ic1(図15を参照)、電圧Vds(図15を参照)の各々を示すものである。
図17は入力交流電圧VACの周期における主要部の波形を示すものである。図17の上段から下段に向かって、入力交流電圧VAC(図15を参照)、入力交流電流IAC(図15を参照)、電圧V4(図15を参照)、電流I1(図15を参照)、電圧V3(図15を参照)、交流電圧成分ΔEoの各々を示すものである。
図18は、図15に示すスイッチング電源回路の、負荷電力Poを横軸にして、負荷電力Poの値が0Wから250Wまでの範囲における、1次側平滑コンデンサCiの両端の電圧Ei、電力変換効率ηAC→DC、スイッチング素子Q1のドレインとソースとがオン(導通)となる期間である期間TON、スイッチング素子Q1のドレインとソースとがオフ(切断)となる期間である期間TOFF、力率PFの各々を示している。ここで、出力直流電圧Eoは175Vとした。図18における実線で示すグラフは、入力交流電圧が100Vにおける場合を示し、図18における点線で示すグラフは、入力交流電圧が230Vにおける場合を示すものである。
図15に示すスイッチング電源回路では、スナバー回路を有するので、スパイク電圧の発生を抑制することができる。
図19に示すのは、スイッチング電源回路の変形例であり、図15の回路図に示す2次側回路と、図13に示す1次側回路とを組み合わせた回路である。
図20に示すのは、スイッチング電源回路の変形例であり、図15の回路図に示す2次側回路と、図14に示す1次側回路とを組み合わせた回路である。
実施形態として例を挙げた上述の種々のスイッチング電源回路は、多重コンバータ回路と、力率改善回路と、この多重コンバータに付加されるアクテイブクランプ回路を含むものとして、説明し、また、多重コンバータ回路の1次側回路、多重コンバータ回路の2次側回路についても種々な回路例を例として挙げたが、これらの回路を種々に組み合わせることが可能である。
また、上述した実施形態の説明においては、1次側整流素子Diおよび1次側平滑コンデンサCiから成る全波整流回路を備え、力率改善回路を備え、降圧コンバータとして機能する2次側回路を備え、アクテイブクランプ回路を備えるものとして説明をしてきたが、これらのすべての回路部分を備えることなく、その一部の回路部分を備える構成も可能であり、その一部を備える回路構成に応じた効果を得ることができるものである。
例えば、上述したスイッチング電源回路では、1次側整流素子Diおよび1次側平滑コンデンサCiから成る全波整流回路を備え、交流電源ACからの電力を直流電力に変換する構成を採用したが、このような全波整流回路および力率改善回路を備えることなく、例えば、蓄電池、太陽電池等の直流電力を発生する直流電力供給手段からの直流電力をコンバータトランスPITの1次巻線N1に直接、供給することによっても、上述したアクテイブクランプはスイッチング素子の耐圧を低いものとする効果を生じ、降圧コンバータとして機能する多重共振コンバータの2次側回路は、リップル電圧およびスパイク電圧を小さくする効果を生じさせることができるものである。
さらに、図1、図8、図9、図14、図15、図20に示すアクテイブクランプ回路を採用する場合には、全波整流回路を備えるか蓄電池を備えるか否か、多重共振コンバータの2次側回路を降圧コンバータとして機能させるか否かに拘わらず、アクテイブクランプ回路を簡略化できるという効果を生じさせることができるものである。
また、本発明としては、上記各実施形態として示した構成に限定されるものではない。例えば、メインスイッチング素子(および補助スイッチング素子)については、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transisitor)、バイポーラトランジスタなど、MOS−FET以外の素子を選定することも考えられる。
実施形態のスイッチング電源回路の構成を示す図である。 実施形態の電源回路に用いられるコンバータトランスの断面図を示す図である。 MOS−FETの等価回路を示す図である。 実施形態の各部の動作波形を示す図である。 実施形態の力率改善回路の各部の波形を示す図である。 実施形態の電源回路の負荷電力に対する、1次側平滑コンデンサの電圧、電力変換効率、スイッチング素子がオンとなる期間、オフとなる期間、力率の各々を示す図である。 実施形態のスイッチング電源回路の構成を示す図である。 実施形態のスイッチング電源回路の構成を示す図である。 実施形態のスイッチング電源回路の構成を示す図である。 実施形態の電源回路の各部の動作波形を示す図である。 実施形態の電源回路の各部の動作波形を示す図である。 実施形態の電源回路の負荷電力に対する、1次側平滑コンデンサの電圧、電力変換効率、スイッチング素子がオンとなる期間、オフとなる期間、力率の各々を示す図である。 実施形態のスイッチング電源回路の構成を示す図である。 実施形態のスイッチング電源回路の構成を示す図である。 実施形態のスイッチング電源回路の構成を示す図である。 実施形態の電源回路の各部の動作波形を示す図である。 実施形態の電源回路の各部の動作波形を示す図である。 実施形態の電源回路の負荷電力に対する、1次側平滑コンデンサの電圧、電力変換効率、スイッチング素子がオンとなる期間、オフとなる期間、力率の各々を示す図である。 実施形態のスイッチング電源回路の構成を示す図である。 実施形態のスイッチング電源回路の構成を示す図である。 背景技術のスイッチング電源回路の構成を示す図である。 背景技術の電源回路の各部の動作波形を示す図である。 背景技術のスイッチング電源回路の構成を示す図である。 背景技術の各部の動作波形を示す図である。 背景技術の各部の動作波形を示す図である。
符号の説明
1 制御回路、2 発振・ドライブ回路、AC 交流電源、B ボビン、C1 1次側並列共振コンデンサ、C2 2次側並列共振コンデンサ、C3 2次側直列共振コンデンサ、C4 電圧クランプ用コンデンサ、Cds、Cgd、Cgs、Cii、Coss 容量、Ci 1次側平滑コンデンサ、CL1、CL2 フィルタコンデンサ、CMC コモンモードチョークコイル、CN コンデンサ、Co、Co1、Co2 2次側平滑コンデンサ、CR1、CR2 コア、D1 高速ダイオード、DD1、DD2 ボディダイオード、Di 1次側整流素子、Di1、Di2、Di3、Di4 ダイオード、Do、Do1、Do2 高速ダイオード、Eo 出力直流電圧、IAC 入力交流電流、
L1、L2 リーケージインダクタ、Li、Lo インダクタ、LT1 (VFTの)1次巻線、LT2 (VFTの)2次巻線、N1 (PITの)1次巻線、N2 (PITの)2次巻線、N3 (PITの)3次巻線、Ng (PITの)補助巻線、PIT コンバータトランス、Q1 スイッチング素子、Q2 補助スイッチング素子、R2、Rg、Rg1、Rg2 抵抗、VAC 入力交流電圧、VFT 力率改善トランス

Claims (8)

  1. 交流電力を直流電力に変換する1次側整流素子と1次側平滑コンデンサとを有して形成される1次側整流回路で得られた直流電力を入力して交流電力を発生する1次側回路と、
    前記1次側回路で発生した交流電力を伝送するための1次巻線と2次巻線とが磁気的に疎結合とされて形成されるコンバータトランスと、
    前記2次巻線から負荷に定電圧の出力直流電圧を供給する2次側回路と、を備えるスイッチング電源回路であって、
    前記1次側回路は、
    前記出力直流電圧を定電圧とするように制御され前記1次巻線に交流電力を供給するスイッチング素子と、
    前記コンバータトランスの1次巻線に生じるリーケージインダクタンスと、前記スイッチング素子に並列接続される1次側並列共振コンデンサのキャパシタンスとで1次側並列共振周波数が支配されるようにして形成される1次側並列共振回路と、
    前記1次側整流回路と前記1次側回路との間に介在して力率を改善する力率改善回路と、
    前記スイッチング素子がオフ状態のときにオン状態とされる補助スイッチング素子と電圧クランプ用コンデンサとの直列接続回路によって形成され、前記スイッチング素子の両端の電圧をクランプするアクテイブクランプ回路と、を具備し、
    前記2次側回路は、
    前記コンバータトランスの2次巻線に生じるリーケージインダクタンスと、前記2次巻線に直接または交流的に並列接続される2次側並列共振コンデンサのキャパシタンスとで2次側並列共振周波数が支配されるようにして形成される2次側並列共振回路と、
    前記コンバータトランスの2次巻線に生じるリーケージインダクタンスと、前記2次巻線に直接または交流的に直列接続される2次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとで2次側直列共振周波数が支配されるようにして形成される2次側直列共振回路と、
    前記2次巻線に得られる交流電力を直流電力に変換して出力直流電圧を得る2次側直流出力電圧生成手段と、を具備し、
    前記2次側直流出力電圧生成手段は、
    前記2次側直列共振コンデンサと前記2次巻線との直列接続回路に並列に接続されるダイオードと、前記ダイオードに一端が接続されるインダクタと、前記インダクタの他端に接続される2次側平滑コンデンサと、を有して、前記2次巻線に生ずる電圧を降圧するように形成されることを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 前記アクテイブクランプ回路は、
    MOS―FETによって補助スイッチング素子が形成され、
    前記電圧クランプ用コンデンサの電荷を、ゲート・ドレイン間容量を介してゲート・ソース間に接続される抵抗に流し、
    ゲート・ソース間に電圧を発生させて、前記スイッチング素子のオフ状態において、前記補助スイッチング素子をオン状態とすることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  3. 前記アクテイブクランプ回路は、
    MOS―FETによって補助スイッチング素子が形成され、
    前記コンバータトランスに巻回される補助巻線に発生する電圧を前記MOS―FETのゲート・ソース間に印加して、
    前記スイッチング素子のオフ状態において、前記補助スイッチング素子をオン状態とすることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  4. 前記2次側直流出力電圧生成手段は、
    第1の降圧コンバータとして機能させるための第1の高速ダイオードと第1のインダクタと2次側平滑コンデンサCoとを具備し、
    第2の降圧コンバータとして機能させるための第2の高速ダイオード第2のインダクタと前記2次側平滑コンデンサとを具備することを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  5. 前記力率改善回路は、
    前記1次側回路に流れる共振電流を前記1次側整流素子に対して一方向に流すために、前記1次側整流素子と前記1次巻線とに各々の端子が接続される高速ダイオードと、
    前記1次側回路に流れる共振電流を前記1次側平滑コンデンサに対して一方向に流すために、前記1次巻線と前記1次側平滑コンデンサとに各々の端子が接続されるインダクタと、を有することを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  6. 前記力率改善回路は、
    前記1次側回路に流れる共振電流を前記1次側整流素子に対して一方向に流すために、前記1次側整流素子と前記コンバータトランスに巻回される3次巻線の一方の巻端との間にインダクタと高速ダイオードの直列接続回路が接続され、
    前記1次側回路に流れる共振電流を前記1次側平滑コンデンサに対して一方向に流すために、前記コンバータトランスに巻回される前記3次巻線の他方の巻端に前記1次側平滑コンデンサが接続されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  7. 前記力率改善回路は、
    前記1次側回路に流れる共振電流を前記1次側整流素子に対して一方向に流すために、力率改善トランスの1次巻線に接続される高速ダイオードと、
    前記1次側回路に流れる共振電流を前記1次側平滑コンデンサに対して一方向に流すために、前記コンバータトランスの前記1次巻線と前記1次側平滑コンデンサとの間に前記力率改善トランスの2次巻線が接続されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  8. 前記2次側並列共振回路は、
    前記2次側並列共振コンデンサにさらに抵抗を直列接続して形成されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
JP2007028838A 2007-02-08 2007-02-08 スイッチング電源回路 Pending JP2008193878A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007028838A JP2008193878A (ja) 2007-02-08 2007-02-08 スイッチング電源回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007028838A JP2008193878A (ja) 2007-02-08 2007-02-08 スイッチング電源回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008193878A true JP2008193878A (ja) 2008-08-21

Family

ID=39753425

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007028838A Pending JP2008193878A (ja) 2007-02-08 2007-02-08 スイッチング電源回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008193878A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016502837A (ja) * 2012-12-06 2016-01-28 東林科技股▲分▼有限公司Hep Tech Co., Ltd 隔離式電源転換装置及びその電源転換方法
JP2019115186A (ja) * 2017-12-25 2019-07-11 Tdk株式会社 電力変換装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016502837A (ja) * 2012-12-06 2016-01-28 東林科技股▲分▼有限公司Hep Tech Co., Ltd 隔離式電源転換装置及びその電源転換方法
JP2019115186A (ja) * 2017-12-25 2019-07-11 Tdk株式会社 電力変換装置
JP7003636B2 (ja) 2017-12-25 2022-01-20 Tdk株式会社 電力変換装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4525617B2 (ja) スイッチング電源回路
JP2005151796A (ja) スイッチング電源回路
JP4353164B2 (ja) スイッチング電源回路
EP1772950A2 (en) Switching power supply circuit
JP2007236010A (ja) スイッチング電源回路
KR20070037384A (ko) 스위칭 전원 회로
JP2005168276A (ja) スイッチング電源回路
JP2005261181A (ja) スイッチング電源回路
JP2009017714A (ja) スイッチング電源回路
JP2007104880A (ja) スイッチング電源回路
JP2008193878A (ja) スイッチング電源回路
JP2008172894A (ja) スイッチング電源回路
JP2008245365A (ja) スイッチング電源回路
JP2007189780A (ja) スイッチング電源回路
JP2008043060A (ja) スイッチング電源回路
JP4501224B2 (ja) スイッチング電源回路
JP2007166806A (ja) スイッチング電源回路
JP4240606B2 (ja) 電圧共振形スイッチング電源回路
JP2008043122A (ja) スイッチング電源回路
JP2007185075A (ja) スイッチング電源回路
JP2005057925A (ja) スイッチング電源回路
JP2006311742A (ja) スイッチング電源回路
JP2005287140A (ja) スイッチング電源回路
JP2006325291A (ja) スイッチング電源回路
JP3646711B2 (ja) スイッチング電源回路