JP2007189780A - スイッチング電源回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】力率改善機能を有し、電力変換効率の向上、回路構成部品の削減を図るスイッチング電源回路を提供する。
【解決手段】交流電源ACから整流平滑電圧Eiを生成し、チョークコイルに一次巻線の一端が接続されたコンバータトランスPITと、このコンバータトランスPITの他端に接続されるスイッチング素子Q1と、を有する電圧・電流共振コンバータに入力して、二次側直流出力電圧Eoを得る。また、電圧クランプ用コンデンサC3と、電圧・電流共振コンバータのスイッチング素子Q1と相補的にオンとされる補助スイッチング素子Q2との直列接続回路で構成されるアクティブクランプ回路と、力率改善用第1ダイオードD1と、力率改善用インダクタLoと、力率改善用第2ダイオードD2と、を具備し、昇圧コンバータとして動作させ、一次側整流素子Diの導通角を拡大して力率の改善を図った。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種電子機器の電源として備えられるスイッチング電源回路に関する。
近年、商用電源を整流して所望の直流電圧を得る電源回路としては、大部分がスイッチング方式の電源回路になっている。スイッチング電源回路はスイッチング周波数を高くすることによりトランスその他のデバイスを小型にすると共に、大電力のDC−DCコンバータとして各種の電子機器の電源として使用される。
ところで、商用電源は正弦波の交流電圧であるが、商用電源を整流素子と平滑コンデンサとを用いる平滑・整流回路において整流及び平滑を行う場合には、平滑・整流回路のピークホールド作用のために、商用電源からスイッチング電源回路には、交流電圧のピーク電圧付近の短時間だけ電流が流れ込むこととなり、正弦波とは大きく異なる歪み波形になってしまう。そして、電源の利用効率を示す力率が損なわれるという問題が生じる。又、このような歪み電流波形となることによって発生する商用電源周期の高調波を抑圧するための対策が必要とされてしまう。これらの問題を解決するために、従来において力率改善を図る技術として、いわゆるアクティブフィルタを用いる手法が知られている(例えば特許文献1参照)。
図14にこのようなアクティブフィルタの基本構成を示す。図14においては、商用の交流電源ACにブリッジ整流器として構成される一次側整流素子Diを接続している。この一次側整流素子Diの正極/負極ラインに対してはステップアップ型のコンバータが接続され、その出力には並列に平滑コンデンサCoutが接続され、その両端電圧として直流電圧Voutが得られる。この直流電圧Voutは、例えば後段のDC−DCコンバータなどの負荷110に入力電圧として供給される。
そして、力率改善のための構成としては、インダクタL、高速リカバリ型の高速スイッチングダイオードD、スイッチング素子Qからなるステップアップ型のコンバータ、及び乗算器111を主なる構成要素とするステップアップ型のコンバータの制御部と、を備える。インダクタL、高速スイッチングダイオードDは、一次側整流素子Diの正極出力端子と、平滑コンデンサCoutの正極端子との間に、直列に接続されて挿入される。抵抗Riは、一次側整流素子Diの負極出力端子(一次側アース)と平滑コンデンサCoutの負極端子との間に挿入される。又、スイッチング素子Qは、例えば、MOS−FETとされ、インダクタLと高速スイッチングダイオードDの接続点と、一次側アース間に挿入される。
乗算器111に対しては、電流検出ラインLI及び波形入力ラインLWが接続され、さらに電圧検出ラインLVが接続される。そして、乗算器111は、電流検出ラインLIから入力される、一次側整流素子Diの負極出力端子に流れる整流電流Iinに応じた信号を抵抗Riの両端から検出する。又、波形入力ラインLWから入力される、一次側整流素子Diの正極出力端子の整流電圧Vinに応じた信号を検出する。この整流電圧Vinは、商用の交流電源ACからの交流入力電圧VACの波形を絶対値化したものである。さらに、電圧検出ラインLVから入力される、平滑コンデンサCoutの直流電圧Voutに基づいて、直流入力電圧の変動差分(所定の基準電圧と直流電圧Voutとの差分を増幅した信号を変動差分と称して以下においても同様に用いる)を検出する。そして、乗算器111からは、スイッチング素子Qを駆動するためのドライブ信号が出力される。
乗算器111(ステップアップ型のコンバータの制御部)、ステップアップ型のコンバータ、では、電流検出ラインLIから検出した整流電流Iinに応じた信号と、上記電圧検出ラインLVから検出した直流入力電圧の変動差分とを乗算し、この乗算結果と、波形入力ラインLWから検出した整流電圧Vinに応じた信号との誤差を検出する。そしてこの誤差信号を増幅した後に、PWM(Pulse Width Modulation)変換を行い、ハイレベルとローレベルとの2値信号によって、スイッチング素子Qを制御する。このようにして、2入力フィードバック系が構成され、直流電圧Voutの値が所定の値とされるとともに、整流電圧Vinに対して整流電流Iinを相似形の波形とする。この結果、商用の交流電源ACから一次側整流素子Diに印加される交流電圧と、一次側整流素子Diに流れ込む交流電流の波形も相似形となって、力率がほぼ1に近付くようにして力率改善が図られることになる。
図15(a)は、図14に示したアクティブフィルタ回路が適切に動作する場合における整流電圧Vinと整流電流Iinとを示すものである。又、図15(b)は、平滑コンデンサCoutに入出力するエネルギー(電力)変化Pchgを示す。破線で示すラインは入出力するエネルギー(電力)平均値Pinを示すものである。すなわち、平滑コンデンサCoutは、整流電圧Vinが高いときにエネルギーを蓄え、整流電圧Vinが低いときにエネルギーを放出して、出力電力の流れを維持する。図15(c)は、上記平滑コンデンサCoutに対する充放電電流Ichgの波形を示している。又、図15(d)には、平滑コンデンサCoutの両端の電圧である直流電圧Voutを示す。直流電圧Voutは整流電圧Vinの周期の第2高調波成分を主とするリップル電圧が直流電圧(例えば、375Vの直流電圧)に重畳している。
図16は、図14に示した構成に基づくアクティブフィルタの後段に対して電流共振形コンバータを接続して成る電源回路の構成例を示している。この図に示す電源回路は、交流入力電圧VACの値が85Vから264Vの範囲において、負荷電力Poが300Wから0Wの範囲に対応可能な構成を採っている。又、電流共振形コンバータとしては、他励式のハーフブリッジ結合方式による構成を採る。
この図16に示す電源回路を交流入力側から順に説明する。2個のラインフィルタトランスLFTと3個のアクロスコンデンサCLによるコモンモードノイズフィルタが設けられ、この後段に一次側整流素子Diが接続される。又、一次側整流素子Diの整流出力ラインには、インダクタLNと、フィルタコンデンサ(フィルムコンデンサ)CNとから成るパイ型構成のノーマルモードノイズフィルタ125が接続される。
一次側整流素子Diの正極出力端子は、上記インダクタLNとチョークコイルPCC(インダクタLpcとして機能する)と高速リカバリ型の高速スイッチングダイオードD20の直列接続とを介して、平滑コンデンサCiの正極端子と接続される。この平滑コンデンサCiは、図14における平滑コンデンサCoutと同様の機能を有するものである。又、チョークコイルPCCのインダクタLpcと、高速スイッチングダイオードD20は、それぞれ、図14に示したインダクタLと高速スイッチングダイオードDと同様の機能を有するものである。又、この図における高速スイッチングダイオードD20には、コンデンサCsn、抵抗Rsnの直列接続から成るRCスナバ回路が並列に接続される。
スイッチング素子Q103は、図14におけるスイッチング素子Qに相当する。力率・出力電圧制御用IC120は、この場合には力率を1に近づけるように力率改善を行うアクティブフィルタの動作を制御する集積回路(IC)とされており、乗算器、除算器、誤差電圧増幅器、PWM制御回路、及びスイッチング素子Q103を駆動するためのドライブ信号を出力するドライブ回路等を備えて構成される。そして、平滑コンデンサCiの両端電圧(整流平滑電圧Ei)を分圧抵抗R5、分圧抵抗R6により分圧した電圧を、力率・出力電圧制御用IC120の端子T1に入力するようにして整流平滑電圧Eiを所定の値とする第1のフィードバック制御回路が形成される。
又、一次側整流素子Diの正極出力端子と一次側アース間に対して、分圧抵抗R101と分圧抵抗R102の直列接続を設け、この分圧抵抗R101と分圧抵抗R102との接続点を端子T5と接続するようにしている。これにより、端子T5には、一次側整流素子Diの整流電圧が分圧されて入力されることになる。又、端子T2には抵抗103の電圧、すなわち、スイッチング素子Q103のソース電流に応じた電圧が入力されている。ここで、スイッチング素子Q103のソース電流は、チョークコイルPCCに流れる電流I1のうち、磁気エネルギーを蓄えることに寄与する電流である。そして、力率・出力電圧制御用IC120の端子T5に入力される整流電圧に応じた信号と端子T2に入力される電圧の包絡線(すなわち電流I1の包絡線)に応じた信号とを相似形とする第2のフィードバック制御回路が形成される。
又、端子T4には、力率・出力電圧制御用IC120の動作電源が供給される。この端子T4には、チョークコイルPCCにおける、インダクタLpcとトランス結合された巻線N5に励起された交番電圧が、図示する整流ダイオードD11及び直列共振コンデンサC11とから成る半波整流回路により低圧直流電圧に変換されて供給される。又、端子T4は、起動抵抗Rsを介して、一次側整流素子Diの正極出力端子と接続される。商用の交流電源ACが投入された後、巻線N5に電圧が励起されるまでの立ち上がり時間においては、一次側整流素子Diの正極出力端子にて得られる整流出力が起動抵抗Rsを介して端子T4に供給される。力率・出力電圧制御用IC120は、このようにして供給される整流電圧を起動用電源として、動作を開始する。
又、端子T3からは、スイッチング素子を駆動するためのドライブ信号(ゲート電圧)がスイッチング素子Q103のゲートに対して出力される。すなわち、上述した分圧抵抗R5及び分圧抵抗R6により分圧した電圧値を所定の値とする第1のフィードバック制御回路と、整流平滑電圧Eiに対して電流I1の包絡線を相似形とする第2のフィードバック制御回路との二つのフィードバック制御回路を動作させるドライブ信号がスイッチング素子Q103のゲートに対して出力される。これによって、商用の交流電源ACから流入する交流入力電流IACの波形が、交流入力電圧VACの波形とほぼ同じとなり、力率がほぼ1となるように制御されることになる。つまり、力率改善が図られる。
ここで、図16に示すアクティブフィルタの力率改善動作について、各部の波形を図17及び図18により示す。先ず、図17においては、負荷変動に応じたスイッチング素子Q103のスイッチング動作(オン:導通とオフ:切断の動作)、チョークコイルPCCのインダクタLpcに流れる電流I1が示される。図17(a)は、軽負荷時の動作を示し、図17(b)は中間負荷時の動作を示し、図17(c)は重負荷時の動作を示す。図17(a)、図17(b)、図17(c)を比較して分かるように、スイッチング素子Q103は、スイッチング周期が一定とされたうえで、重負荷の傾向となるのにしたがってオン期間が長くなっていく。このようにして負荷条件に応じて、インダクタLpcを介して平滑コンデンサCiに流入する電流I1を調整することで、交流入力電圧VACの電圧変動と負荷変動とに対する整流平滑電圧Eiの安定化が図られる。例えば、交流入力電圧VACの値が85Vから264Vの範囲に対して、整流平滑電圧Eiの値は380Vで定電圧化するようにされる。整流平滑電圧Eiは、平滑コンデンサCiの両端電圧であり、後段の電流共振形コンバータに対する直流入力電圧となる。
又、図18に、交流入力電流IAC及び整流平滑電圧Eiの波形を、交流入力電圧VACとの対比により示す。なお、この図においては、交流入力電圧VACの値が100V時の実験結果を示している。この図に示されるように、交流入力電圧VACの波形と交流入力電流IACの波形とは時間の経過に対してほぼ相似形の波形となっている。つまり、力率の改善が図られている。又、このような力率の改善と共に、整流平滑電圧Eiは、380Vの平均値で安定化されることが示されている。又、図示するように、380Vに対して10Vp−pのリップル変動を有している。
再び図16に戻って、アクティブフィルタの後段の電流共振形コンバータについて説明する。電流共振形コンバータは、整流平滑電圧Eiを入力して電力変換のためのスイッチング動作を行うもので、スイッチング素子Q101、Q102によるハーフブリッジ接続したスイッチング回路を備える電流共振形コンバータを形成している。この場合の電流共振形コンバータは他励式とされ、スイッチング素子Q101、スイッチング素子Q102には、MOS−FETが用いられている。これらのMOS−FETには、それぞれ並列にボディダイオードDD101、ボディダイオードDD102が接続されている。スイッチング素子Q101、スイッチング素子Q102は、発振・ドライブ回路102によって、交互にオン/オフとなるタイミングによって所要のスイッチング周波数によりスイッチング駆動される。又、発振・ドライブ回路2は、制御回路1からの信号で制御され、制御回路1は、二次側直流出力電圧Eoのレベルに応じて、スイッチング周波数を可変制御するように動作し、これにより、二次側直流出力電圧Eoの安定化を図るようにされる。
コンバータトランスPITは、スイッチング素子Q101、スイッチング素子Q102のスイッチング出力を一次側から二次側に伝送するために設けられる。コンバータトランスPITの一次巻線N1の一方の端部は、スイッチング素子Q101、スイッチング素子Q102の接続点(スイッチング出力点)に一次側直列共振コンデンサC101を介して接続され、一次巻線N1の他方の端部は接地される。ここで、一次側直列共振コンデンサC101と一次側の漏れインダクタンスL1とによって直列共振回路を形成する。この直列共振回路は、スイッチング素子Q101、スイッチング素子Q102によって、スイッチング出力が供給されることで共振動作を生じる。
コンバータトランスPITの二次側には二次巻線N2が巻装される。この場合の二次巻線N2は、図示するようにしてセンタータップを施した二次巻線部N2Aと二次巻線部N2Bとを有し、このセンタータップを二次側アースに接続した上で、二次巻線部N2Aと二次巻線部N2Bの各々を整流ダイオードDo1、整流ダイオードDo2の各々のアノードに接続し、整流ダイオードDo1、整流ダイオードDo2の各々のカソードを平滑コンデンサCoに接続することで両波整流回路を形成している。これにより、平滑コンデンサCoの両端電圧として二次側直流出力電圧Eoが得られる。この二次側直流出力電圧Eoは、図示しない負荷側に供給されるとともに、上述した制御回路1に入力される。
図19は、負荷変動に対するAC電力からDC電力への電力変換効率ηAC→DC(総合効率)、力率PF、及び整流平滑電圧Eiの各特性を示している。この図では、交流入力電圧VACの値が100Vにおける負荷電力Poの値が300Wから0Wの変動に対する特性が示されている。又、図20は、交流入力電圧VACの変動に対する電力変換効率ηAC→DC(総合効率)、力率PF、及び整流平滑電圧Eiの各特性を示している。この図では、負荷電力Poの値が300Wで一定の負荷条件の下での、交流入力電圧VACの値が85Vから264Vの変動に対する特性が示される。
先ず、電力変換効率(総合効率)は、図19に示すようにして、負荷電力Poが重負荷の条件となるのにしたがって低下していく。又、交流入力電圧VACの変動に対しては、同じ負荷条件の下では、図20に示されるように、交流入力電圧VACのレベルが高くなっていくのに応じて高くなっていく傾向となっている。例えば、負荷電力Poが300Wの負荷条件で、交流入力電圧VACが100V時には、電力変換効率(総合効率)は、83.0%程度となり、交流入力電圧VACが230V時には電力変換効率(総合効率)は、89.0%程度となり、さらに、交流入力電圧VACが85V時には電力変換効率(総合効率)は、80.0%程度となる結果が得られている。
又、力率PFについては、図19に示すように、負荷電力Poの変動に対してほぼ一定となる特性が得られている。又、交流入力電圧VACの変動に対する力率PFの変動特性も、図20に示すように、交流入力電圧VACの上昇に応じて低下する傾向ではあるものの、ほぼ一定とみてよい特性となっていることが分かる。例えば、負荷電力Poが300Wの負荷条件で、交流入力電圧VACが100V時には力率PFの値は、0.96程度、交流入力電圧VACが230V時には力率PFの値は、0.94程度が得られる。
又、整流平滑電圧Eiについては、図19、図20に示されるように、負荷電力Po、交流入力電圧VACの変動に対してほぼ一定となる結果が得られている。
特開平6−327246号公報
これまでの説明から分かるように、図16に示した電源回路は、従来から知られている図14に示したアクティブフィルタを実装して構成され、このような構成を採ることによって、力率改善を図っている。
しかしながら、図16に示した構成による電源回路では、次のような問題を有している。先ず、図16に示す電源回路における電力変換効率としては、前段のアクティブフィルタに対応するAC電力からDC電力への変換効率と、後段の電流共振形コンバータのDC電力からDC電力への変換効率とを総合したものとなる。つまり、図16に示される回路の総合的な電力変換効率(総合効率)としては、これらの電力変換効率の値を乗算した値となるものであり、各々1以下となる数の積であるので、総合効率は低下してしまう。
又、アクティブフィルタ回路はハードスイッチング動作であることから、ノイズの発生が大きいため、厳重なノイズ抑制対策が必要となる。このため、図16に示した回路では、商用の交流電源ACのラインに対して、2個のラインフィルタトランスと、3個のアクロスコンデンサによるノイズフィルタを形成している。又、整流出力ラインに対しては、1個のインダクタLNと、2個のフィルタコンデンサCNから成るノーマルモードノイズフィルタを設けている。さらに、整流用の高速リカバリ型の高速スイッチングダイオードD20に対しては、RCスナバ回路を設けている。このようにして、多くの部品点数によるノイズ対策が必要であり、コストアップ及び電源回路基板の実装面積の大型化を招いている。
さらに、汎用ICとしての力率・出力電圧制御用IC120によって動作するスイッチング素子Q103のスイッチング周波数は60kHzで固定であるのに対して、後段の電流共振形コンバータのスイッチング周波数は80kHz〜200kHzの範囲で可変する。このようにして両者のスイッチングタイミング(クロック)は別個独立であるので、各々のクロックを基準に働く両者のスイッチング動作により、アース電位は干渉しあって不安定になり、例えば異常発振が生じやすくなる。これにより、例えば回路設計が難しいものとなったり、信頼性を劣化させたりするなどの問題も招くことになる。
又、さらに、交流入力電圧の範囲を広くする場合には、スイッチング素子の耐圧が高くなり、素子の選定が困難となる場合も生じた。
本発明のスイッチング電源回路は、交流電源からの入力交流電力を直流電力に変換するコンバータ部と、力率を改善する力率改善部と、を備えるスイッチング電源回路であって、上記コンバータ部は、交流電源からの入力交流電力を入力して整流する一次側整流素子と平滑コンデンサとを有して形成され、直流電力を生成する一次側整流平滑回路と、上記平滑コンデンサに一端が接続されるチョークコイルと、上記チョークコイルの他端が一次巻線の一端に接続される、上記一次巻線と二次巻線とが疎結合に結合して巻回されるコンバータトランスと、上記一次巻線の他端から直流電力を供給されて、上記コンバータトランスに交流電力を供給するスイッチング素子と、上記一次巻線に発生する漏れインダクタンス及び上記チョークコイルの有するインダクタンスと、上記一次巻線と直列に接続される一次側直列共振コンデンサの容量とによって共振周波数が支配を受ける一次側直列共振回路と、上記一次巻線に発生する漏れインダクタンス及び上記チョークコイルの有するインダクタンスと上記スイッチング素子に並列に接続される一次側並列列共振コンデンサとによって共振周波数が支配を受ける一次側並列共振回路と、上記スイッチング素子をオン・オフ駆動する発振・ドライブ回路と、上記コンバータトランス二次巻線に接続される二次側整流回路によって出力される二次側直流出力電圧の値を所定の値とするような制御信号を上記発振・ドライブ回路に供給する制御回路と、を具備し、上記力率改善回路は、チョークコイルと並列に接続される電圧クランプ用コンデンサと上記スイッチング素子と相補的にオンとされる補助スイッチング素子との直列接続回路で構成されるアクティブクランプ回路と、上記一次側整流素子の出力端に接続される力率改善用第1ダイオードと、上記力率改善用第1ダイオードと一端を直列に接続され、他端が上記スイッチング素子に接続される力率改善用インダクタと、上記力率改善用第1ダイオードと上記力率改善用インダクタとの接続点に、上記力率改善用第1ダイオードとは異なる極性の一方の端子を接続し、他方の端子を上記電圧クランプ用コンデンサと上記補助スイッチング素子との接続点に接続する力率改善用第2ダイオードと、を具備する。
このスイッチング電源回路は、コンバータ部と、力率改善部と、を備える。コンバータ部は、直流電力を生成する一次側整流平滑回路と、平滑コンデンサに一端が接続されるチョークコイルと、チョークコイルの他端が一次巻線の一端に接続される、一次巻線と二次巻線とが疎結合に結合して巻回されるコンバータトランスと、一次巻線の他端から直流電力を供給されて、コンバータトランスに交流電力を供給するスイッチング素子と、一次巻線に発生する漏れインダクタンス及びチョークコイルの有するインダクタンスと一次巻線と直列に接続される一次側直列共振コンデンサの容量とによって共振周波数が支配を受ける一次側直列共振回路と、一次巻線に発生する漏れインダクタンス及びチョークコイルの有するインダクタンスとスイッチング素子に並列に接続される一次側並列列共振コンデンサとによって共振周波数が支配を受ける一次側並列共振回路と、を備え、一次側は電圧・電流共振コンバータを構成する。また、スイッチング素子をオン・オフ駆動する発振・ドライブ回路と、コンバータトランス二次巻線に接続される二次側整流回路によって出力される二次側直流出力電圧の値を所定の値とするような制御信号を上記発振・ドライブ回路に供給する制御回路と、を備えて所定値の直流電力を発生する。
また、上記力率改善回路は、チョークコイルと並列に接続される電圧クランプ用コンデンサとスイッチング素子と相補的にオンとされる補助スイッチング素子との直列接続回路で構成されるアクティブクランプ回路と、一次側整流素子の出力端に接続される力率改善用第1ダイオードと、力率改善用第1ダイオードと一端を直列に接続され、他端がスイッチング素子に接続される力率改善用インダクタと、力率改善用第1ダイオードと力率改善用インダクタとの接続点に、力率改善用第1ダイオードとは異なる極性の一方の端子を接続し、他方の端子を電圧クランプ用コンデンサと補助スイッチング素子との接続点に接続する力率改善用第2ダイオードと、を具備する。このようにして、力率改善用インダクタを昇圧インダクタ、補助スイッチング素子を整流素子とする昇圧コンバータとして機能し、一次側整流素子の導通角を拡大して力率の改善を図る。
本発明のスイッチング電源回路によれば、アクティブフィルタを省略して力率改善機能を備えることができる。アクティブフィルタが省略されることで、スイッチング電源回路の電力変換効率特性が向上する。そして、放熱板などの省略、縮小ができる。又、アクティブフィルタを備える構成と比較すると部品点数も大幅に削減されることとなり、回路の小型軽量化、及び低コスト化が図られる。又、アクティブフィルタはハードスイッチング動作であるのに対して、本発明のスイッチングコンバータは、共振形コンバータを基としていることで、ソフトスイッチング動作となる。これによっては、スイッチングノイズが大幅に低減されるから、ノイズフィルタの小型軽量化及び低コスト化に寄与することになる。さらに、異なる周波数の複数クロックが存在することはないために、複数のクロック周波数による相互干渉の問題も発生せず、信頼性も向上し、又、回路基板のパターン設計なども容易となる。さらに、スイッチング素子の耐圧も低いものとできる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について説明するのに先立ち、まず、E級共振形によりスイッチング動作するスイッチングコンバータ(以下、E級スイッチングコンバータともいう)の基本構成について、図12及び図13を参照して説明しておく。
図12は、E級スイッチングコンバータとしての基本構成を示している。この図に示すE級スイッチングコンバータは、E級共振形で動作するDC−ACインバータとしての構成を採る。
この図に示すE級スイッチングコンバータは、スイッチング素子Q1を備える。この場合のスイッチング素子Q1は、例えば、MOS−FETである。このMOS−FETとしてのスイッチング素子Q1には、ボディダイオードDDが、ドレイン−ソース間に対して並列接続されるようにして形成される。又、同じくスイッチング素子Q1のドレイン−ソース間に対しては、一次側並列共振コンデンサCrが並列に接続される。
スイッチング素子Q1のドレインは、チョークコイルL10の直列接続を介して、直流入力電圧Einの正極と接続される。スイッチング素子Q1のソースは、直流入力電圧Einの負極と接続される。又、スイッチング素子Q1のドレインに対しては、チョークコイルL11の一端が接続され、他端には直列共振コンデンサC11が直列に接続される。直列共振コンデンサC11と直流入力電圧Einの負極との間には、負荷となるインピーダンスZが挿入される。ここでのインピーダンスZは、二次側の負荷を一次側に換算したものである。
このような構成のE級スイッチングコンバータは、チョークコイルL10のインダクタンスと一次側並列共振コンデンサCrの容量(キャパシタンス)とにより形成される並列共振回路と、チョークコイルL11のインダクタンスと直列共振コンデンサC11の容量とにより形成される直列共振回路とを備える複合共振形コンバータの一形態であるとみることができる。又、スイッチング素子を1つのみ備えて形成される点では、シングルエンド方式の電圧共振形コンバータと同じであるといえる。
図13は、図12に示した構成のE級スイッチングコンバータについての要部の動作を示している。
スイッチング電圧V1は、スイッチング素子Q1の両端に得られる電圧であり、スイッチング素子Q1がオンとなる期間TONにおいて0レベルで、オフとなる期間TOFFにおいて正弦波状のパルスとなる波形である。このスイッチングパルス波形は、上記並列共振回路の共振動作(電圧共振動作)により得られる。
スイッチング電流IQ1は、スイッチング素子Q1(及びボディダイオードDD)に流れる電流であり、期間TOFFでは0レベルで、期間TONにおいては、先ず開始時点から一定期間において、ボディダイオードDDを流れることで負極性となり、この後に反転して正極性となって、スイッチング素子Q1のドレインからソースに流れる。
又、E級スイッチングコンバータの出力として、上記直列共振回路に流れるとされる電流I2は、スイッチング素子Q1(及びボディダイオードDD)に流れるスイッチング電流IQ1と、一次側並列共振コンデンサCrに流れる電流とを合成したものとなり、正弦波成分を含む波形となる。
又、上記スイッチング電流IQ1とスイッチング電圧V1との関係によっては、スイッチング素子Q1のターンオフタイミングにおいてZVS動作が得られており、ターンオンタイミングにおいてZVS及びZCS動作が得られていることも示される。
又、直流入力電圧Einの正極端子からチョークコイルL10を流れるようにしてE級スイッチングコンバータに流入する電流I1は、チョークコイルL10,L11のインダクタンスについて、L10>L11の関係を設定していることで、図示するようにして所定の平均レベルをとる脈流波形となる。このような脈流波形は、近似的な直流としてみることができる。
(第1実施形態)
本実施の形態としては、上述したE級スイッチングコンバータを変形して、電源回路に適用する。図1の回路図に示す、第1実施形態のスイッチング電源回路の概要を以下に述べる。
一次側は、E級スイッチング動作の電圧・電流共振コンバータとしての構成を有するが、図12に示すE級スイッチングコンバータとは、異なる接続を有している。すなわち、図12に示すE級スイッチングコンバータにおいては、チョークコイルL10とチョークコイルL11との接続点からスイッチング素子Q1に直流電力が供給されていたが、本実施形態のコンバータでは、チョークコイルL10に対応するチョークコイルPCCとチョークコイルL11に対応する一次巻線に生じる漏れインダクタとの直列接続回路からスイッチング素子Q1に直流電力が供給されている。また、二次側は、電流共振回路を有して、全体として、多重共振形コンバータを構成する。
より具体的には、この多重共振コンバータは、交流電源からの入力交流電力を入力して整流する一次側整流素子と平滑コンデンサとを有して形成され、直流電力を生成する一次側整流平滑回路を具備する。また、平滑コンデンサに一端が接続されるチョークコイルと、チョークコイルの他端が一次巻線の一端に接続される、一次巻線と二次巻線とが疎結合に結合して巻回されるコンバータトランスとを具備している。また、スイッチング素子によってコンバータトランスに交流電力を供給する。そして、一次巻線に発生する漏れインダクタンス及びチョークコイルの有するインダクタンスと一次巻線と直列に接続される一次側直列共振コンデンサの容量とによって共振周波数が支配を受ける一次側直列共振回路と、一次巻線に発生する漏れインダクタンス及びチョークコイルの有するインダクタンスとスイッチング素子に並列に接続される一次側並列列共振コンデンサとによって共振周波数が支配を受ける一次側並列共振回路と、を具備する。
また、スイッチング素子をオン・オフ駆動する発振・ドライブ回路と、コンバータトランス二次巻線に接続される二次側整流回路によって出力される二次側直流出力電圧の値を所定の値とするような制御信号を上記発振・ドライブ回路に供給する制御回路と、を具備しており、コンバータトランス二次巻線に接続される二次側整流回路は、二次側直列共振コンデンサを有して二次側直列共振回路を形成している。
さらに、力率改善回路を備え、力率改善回路は、チョークコイルと並列に接続される電圧クランプ用コンデンサとスイッチング素子と相補的にオンとされる補助スイッチング素子との直列接続回路で構成されるアクティブクランプ回路と、一次側整流素子の出力端に接続される力率改善用第1ダイオードと、力率改善用第1ダイオードと一端を直列に接続され、他端がスイッチング素子に接続される力率改善用インダクタと、力率改善用第1ダイオードと力率改善用インダクタとの接続点に、力率改善用第1ダイオードとは異なる極性の一方の端子を接続し、他方の端子を電圧クランプ用コンデンサと補助スイッチング素子との接続点に接続する力率改善用第2ダイオードと、を具備するものである。
図1に示す実施形態のスイッチング電源回路について、商用の交流電源AC側から、順に以下に説明する。商用の交流電源ACの2相の入力ラインは、コモンモードチョークコイルCMCと2個のアクロスコンデンサCLとからなるコモンモードノイズフィルタを介して整流素子の一種である一次側整流素子Diに接続される。ここで、コモンモードノイズフィルタは、商用の交流電源ACのラインとスイッチング電源回路の二次側との間に発生するコモンモードノイズを除去する機能を有している。
交流電力は、4本の低速型の整流素子(ダイオード)をブリッジ接続して形成した一次側整流素子Diにより整流され、脈流電圧を発生させ、その脈流電圧は、スイッチング速度の速い力率改善用第1ダイオードD1及び力率改善用インダクタLoを介してスイッチング素子Q1に印加されるように一次側整流素子Diとスイッチング素子Q1との間に力率改善用第1ダイオードD1と力率改善用インダクタLoとの直列接続回路が接続されている。ここで、フィルタコンデンサCNと平滑コンデンサCiとの直列回路に供給されており、力率改善用第1ダイオードD1を流れる高周波電流によって発生するスイッチング電圧はフィルタコンデンサCNで平滑され、交流電源AC側にノイズが漏れないようになされている。また、力率改善用第1ダイオードD1と力率改善用インダクタLoとの直列接続回路に、平滑コンデンサCiとの間にチョークコイルPCCが接続され、平滑コンデンサCiの両端は脈流電圧のピーク値付近の電圧値の直流電圧である整流平滑電圧Eiを維持するようになされている。
ここで、整流平滑電圧Eiは、交流入力電圧VACの等倍に対応したレベルとなる。この整流平滑電圧Eiが、後段のE級スイッチングコンバータのための直流入力電圧となる。
E級スイッチングコンバータは、チョークコイルPCC、コンバータトランスPIT、一次側直列共振コンデンサC2、一次側並列共振コンデンサCr及びスイッチング素子Q1を主要部として形成される。図12を引用して原理説明をしたE級スイッチングコンバータの各部と図1における各部との対応関係を以下に示す。チョークコイルL10がチョークコイルPCCに、チョークコイルL11がコンバータトランスPITの一次巻線N1に生じる漏れインダクタンスL1に、一次側直列共振コンデンサC11が一次側直列共振コンデンサC2に、一次側並列共振コンデンサCrが一次側並列共振コンデンサCrに、スイッチング素子Q1がスイッチング素子Q1に、負荷となるインピーダンスZが二次側のインピーダンスを一次側に換算したインピーダンスに、各々、相当するものである。
すなわち、図1に示す第1実施形態においては、以下のようにしてE級スイッチングコンバータを構成する。平滑コンデンサCiの一端にチョークコイルPCCの一方の端子(一端)が接続され、チョークコイルPCCの他方の端子(他端)がコンバータトランスPITの一次巻線N1の一端及びスイッチング素子Q1の一端に接続される。そして、コンバータトランスPITの一次巻線N1の他端とスイッチング素子Q1の他端との間に一次側直列共振コンデンサC2が接続される。また、スイッチング素子Q1の他端と平滑コンデンサCiの他端とが接続される。また、一次側並列共振コンデンサCrがスイッチング素子Q1に並列に接続される。
コンバータトランスPITの一次巻線N1と二次巻線N2とは、結合係数が0.8以下の疎結合とされているので、一次巻線N1は漏れインダクタンスL1を有し、漏れインダクタンスL1及びチョークコイルPCCのインダクタンスL3と一次側直列共振コンデンサC2の容量とによって一次側直列共振周波数が支配を受ける一次側直列共振回路が形成される。また、漏れインダクタンスL1及びチョークコイルPCCのインダクタンスL3と一次側並列共振コンデンサCrの容量とによって一次側並列共振周波数が支配を受ける一次側並列共振回路が形成される。
ここで、共振周波数が「支配を受ける」とは、主としてこれらの要素によって共振周波数が定まることを言うものである。例えば、一次側直列共振周波数、一次側並列共振周波数は、力率改善用インダクタLoのインダクタンス成分、平滑コンデンサCi等によっても影響されるが、これらが一次側直列共振周波数、一次側並列共振周波数に与える影響は少ないものである。
また、コンバータトランスの二次巻線N2が二次側直列共振コンデンサC4と接続され、二次側の漏れインダクタンス成分(図1において、インダクタンスL2で表す)と二次側直列共振コンデンサC4の容量とによって共振周波数が支配を受ける二次側直列共振回路を形成する。そして、二次側直列共振回路から二次側整流回路(整流ダイオードDo1及び整流ダイオードDo2で構成される倍電圧半波整流回路と平滑コンデンサCoで形成される)によって出力される二次側直流出力電圧Eoの値を所定の値とするような制御信号を発振・ドライブ回路2に供給する制御回路1を備えている。
そして、一次側直列共振回路及び一次側並列共振回路に交流電力を供給するスイッチング素子Q1が一次巻線N1の一方の端子に接続される。ここで、発振・ドライブ回路2がスイッチング素子Q1を駆動するようになされている。このようにして、一次側は、E級スイッチング動作の電圧・電流共振コンバータとしての構成を有し、また、二次側は、電流共振回路を有して、全体として、二次側直流出力電圧Eoの値を一定とする多重共振形コンバータを構成する。
次に、力率改善回路について説明する。力率改善用第1ダイオードD1及び力率改善用インダクタLoの直列接続回路がスイッチング素子Q1に接続されることによって、力率改善用第1ダイオードD1は、交流入力電圧VACの周期の電流を流すのみではなく、E級スイッチングコンバータによって生じる共振周波数の周期の電流を整流して一方向に流す。これによって、交流入力電流IACが流れている時間を拡大して、力率の改善を図る。
また、力率改善用第1ダイオードD1と力率改善用インダクタLoの接続点には、力率改善用第2ダイオードD2の一端、すなわち、力率改善用第1ダイオードD1とは異なる極性端が接続され、力率改善用第2ダイオードD2の他端は、補助スイッチング素子Q2とクランプ用コンデンサC3との接続点に接続されている。このように接続することによって、スイッチング素子Q1のON(オン)/OFF(オフ)によって、整流平滑電圧Eiとクランプ用コンデンサC3の両端の電圧の和を出力する、力率改善用インダクタLoを昇圧インダクタとし補助スイッチング素子Q2を整流素子とする昇圧コンバータを構成する力率改善回路として作用して、一次側整流素子Diの導通角を大幅に広げ、力率改善効果を良好なるものとすることができる。なお、フィルタコンデンサCNは、このような力率改善作用において流れる高周波電流を平滑し、ノーマルノイズを抑制する作用を有するものである。ここで、クランプ用コンデンサC3の値は0.1μF(マイクロファラッド)とし、フィルタコンデンサCNの値は1μFとした。
ここで、力率改善用第1ダイオードD1に流れる電流、すなわち、一次側整流素子Diを流れる電流は、力率改善用インダクタLoに流れる電流I1と力率改善用第2ダイオードD2に流れる電流の和と等しいものである。力率改善用インダクタLoに流れる電流は、力率改善用インダクタLoのインダクタンス値が大きくなると、力率改善用インダクタLoに流れる電流が零となることがない、いわゆる、連続電流モードとなる。一方、力率改善用インダクタLoのインダクタンス値が小さくなると、力率改善用インダクタLoに流れる電流がスイッチング周期毎に零となる時間を生じる、いわゆる、不連続電流モードとなる。連続電流モードで動作するか、不連続電流モードで動作するかの境界点は、力率改善用インダクタLoのインダクタンス値が、一次巻線N1に生じる漏れインダクタンスL1と略等しくなる点である。すなわち、力率改善用インダクタLoのインダクタンス値が、一次巻線N1に生じる漏れインダクタンスL1の値よりも小さい領域では、不連続電流モードで動作することとなる。
力率に視点を移すならば、力率PFが1であるということは、交流入力電圧VACと交流入力電流IACとが完全に相似形となることを意味している。ここで、交流入力電圧VACは、0Vを中心として正負に振幅を有するので、交流入力電流IACも0Vを中心として正負に振幅を有するものでなければならない、すなわち、力率改善用インダクタLoに流れる電流I1の大きさが零となる不連続電流モードで動作するように力率改善用インダクタLoのインダクタンス値を選択しなければ、力率PFを1とすることができないこととなる。よって、本実施形態においては、力率改善用インダクタLoの値を不連続電流モードが生じる程度に小さくした。
補助スイッチング素子Q2は、MOS―FETで形成され、コンバータトランスPITに巻装された制御巻線Ngによってゲートが駆動される。このときに、制御巻線Ngの巻方向を定めることによって、スイッチング素子Q1と補助スイッチング素子Q2とが同時にオンとならない相補的な動作をさせることができる。抵抗Rg1の値は100Ω(オーム)、抵抗Rg2の値は220Ωとした。抵抗Rg1と抵抗Rg2との比率を適宜定めることによって、スイッチング素子Q1と補助スイッチング素子Q2とを相補的な動作をさせながら、補助スイッチング素子Q2のオンとなる時間の長さを制御できる。
このような、クランプ用コンデンサC3と補助スイッチング素子Q2とを有するアクティブクランプ回路は、力率改善回路の一部を構成するとともに、チョークコイルPCCの巻線の両端に並列に挿入されるために、スイッチング素子Q1がオフ時に印加される電圧をクランプして、スイッチング素子Q1の耐電圧を低下させる効果も有する。
このような、力率改善回路を付加したために、スイッチング素子Q1と補助スイッチング素子Q2には、共振による鋸歯状電流である電流I1と、共振による電流I2とが重畳して流れるので、スイッチング動作におけるスイッチング損失は増加し、電力変換効率ηAC→DCが低下する傾向がある。この点から、本実施形態は、交流入力電圧VACの範囲が広範囲で、比較的に出力が小さい場合、例えば、交流入力電圧VACが100Vから230Vの範囲で、出力直流電力が150W程度において使用するのが、好適である。
力率改善用第2ダイオードD2の作用について説明する。力率改善用第2ダイオードD2がない場合には、力率改善用第1ダイオードD1のオフ時においては、力率改善用第1ダイオードD1の寄生容量と力率改善用インダクタLoのインダクタンスとによって電圧共振が生じ、電圧V2に共振電圧が生じる。ここで、力率改善用第2ダイオードD2がある場合には、補助スイッチング素子Q2のオン時、電流I1が零となる場合には、力率改善用第2ダイオードD2と補助スイッチング素子Q2とによって力率改善用インダクタLoは短絡されて、このような共振電圧は発生しないこととなる。この結果、力率改善用第1ダイオードD1に印加される逆方向電圧の大きさは、力率改善用第2ダイオードD2と補助スイッチング素子Q2で短絡しない場合の1/2に低下させることができる。これによって、結果的に、力率改善用第1ダイオードD1のスイッチング損失を低減することができ、電力変換効率ηAC→DCの向上が図れることとなる。
具体的な、力率改善用第1ダイオードD1の仕様は3A/800Vとし、力率改善用第2ダイオードD2の仕様は1A/800Vとし、スイッチング素子Q1の仕様は10A/900Vとし、補助スイッチング素子Q2の仕様は5A/900Vとした。
以下に、図1に示す実施形態のスイッチング電源回路の細部の構成についてより詳細に説明をする。
まず、コンバータトランスPITの詳細について説明する。コンバータトランスPITは、一次側と二次側とを絶縁するとともに電圧の変換を行う機能を有するが、さらに、E級スイッチングコンバータを機能させるための共振回路の一部を構成するインダクタンスL1としても機能する。ここで、インダクタンスL1は、コンバータトランスPITによって形成される漏れインダクタンス成分である。図2に示すコンバータトランスPITの断面図に沿って、具体的な構造を説明する。
コンバータトランスPITは、フェライト材によるE型コアCR1とE型コアCR2とを互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コア(EE字形コア)を備える。そして、一次側と二次側の巻装部については、相互に独立するようにして分割し、例えば樹脂などによって形成されるボビンBが備えられる。そして、一次巻線N1及び二次巻線N2が巻装されたボビンBをEE字形コアに取り付けることで、一次巻線N1と制御巻線Ngとが同一の巻装領域に、二次巻線N2が異なる巻装領域に分離され、EE字形コアの中央磁脚に巻装される状態となる。このようにしてコンバータトランスPIT全体としての構造が得られる。
このEE字形コアの中央磁脚に対しては、1.6mmのギャップGを形成する。これによって、一次側と二次側との結合係数kの値としては、0.8以下を得ている。このようにして、大きなインダクタンス値の漏れインダクタンスL1を得るようにしている。なお、ギャップGは、E型コアCR1及びE型コアCR2の中央磁脚を、2本の外磁脚よりも短くすることで形成している。又、一次巻線N1の巻数は70T(ターン)、二次巻線N2の巻数は30T(ターン)、制御巻線Ngは1T(ターン)とし、コア材は、EER―35(コア材名称)とした。このときの、一次巻線N1に生じる漏れインダクタンスの値は575μH(マイクロ・ヘンリー)、二次巻線N2に生じる漏れインダクタンスの値は142μH(マイクロ・ヘンリー)であった。
チョークコイルPCCはチョークコイル巻線がコアに巻装されて形成されるものであり、コンバータトランスPITと略同様の構成を採用することができる。また、力率改善用インダクタLoも同様な構成によることができ、力率改善用インダクタLoのインダクタンス値は525μHとした。
コンバータトランスPITの二次側では、一次巻線N1により誘起された交番電圧に相似した電圧波形が二次巻線N2に発生する。この二次巻線N2に対しては、二次側直列共振コンデンサC4を直列に接続している。これにより、二次巻線N2側から見た漏れインダクタンスL2と二次側直列共振コンデンサC4とによって二次側直列共振回路を形成する。この二次側直列共振回路の共振周波数は、上述した一次側直列共振コンデンサC2と漏れインダクタンスL1及びチョークコイルPCCのインダクタンスL3とによって支配を受ける一次側直列共振周波数の周波数とほぼ等しくなるように本実施形態では設定されているが、二次側直列共振回路の共振周波数は、一次側直列共振周波数との関係では適宜、定め得るものである。又、二次側直列共振回路を設けることなく、部分電圧共振回路を二次側に設けるものとしても良いものである。
スイッチング素子Q1は、上述したようにMOS−FETが選定され、ソース−ドレイン間に並列にボディダイオードDD1を内蔵する。又、一次側直列共振コンデンサC2の値は0.056μF(マイクロ・ファラッド)とし、一次側並列共振コンデンサCrの値は、1000pF(ピコ・ファラッド)とした。
又、二次側整流回路は、二次側直列共振コンデンサC4が直列接続された二次巻線N2に対して、高速で働く、整流ダイオードDo1及び整流ダイオードDo2と平滑コンデンサCoとを接続することで、倍電圧半波整流回路として形成される。この倍電圧半波整流回路は、整流ダイオードDo1の一端及び整流ダイオードDo2の他端を、二次側直列共振コンデンサC4を介して二次巻線N2の一端に接続し、整流ダイオードDo1の一端及び平滑コンデンサCoの他端を二次巻線N2の他端に接続する。ここで、二次側直列共振コンデンサC4の値は0.015μFとした。
制御回路1は、入力された二次側直流出力電圧Eoと所定の値の基準電圧値との差に応じた検出出力を発振・ドライブ回路2に供給する。発振・ドライブ回路2では、入力された制御回路1の検出出力に応じて主としてはスイッチング周波数を可変するようにして、スイッチング素子Q1を駆動する。又、スイッチング周波数とともに一周期におけるスイッチング素子Q1のオンとなる時間の比率である時比率を変化させるようにしても良い。
このようにしてスイッチング素子Q1のスイッチング周波数が可変制御されることにより、電源回路における一次側、二次側の共振インピーダンスが変化し、コンバータトランスPITの一次巻線N1から二次巻線N2側に伝送される電力量、又、二次側整流回路から負荷に供給すべき電力量が変化することになる。これにより、二次側直流出力電圧Eoの大きさを基準電圧と一致させる動作が得られることになる。つまり、二次側直流出力電圧Eoの安定化が図られる。ここで、二次側直流出力電圧Eoの値は175Vとしている。
(第1実施形態の要部の動作波形と測定データ)
以上、本実施形態のスイッチング電源回路の構成及び作用の説明をおこなって来たが、図1に示す実施形態のスイッチング電源回路の要部の動作波形を図3に示し、測定データを図4に示す。
図3の(A)は、交流入力電圧100V、最大負荷電力の150Wにおける回路の主要部の動作波形をスイッチング周期により示している。図3の上段より下段に向かって、電圧V1(図1を参照)、電流IQ1(図1を参照)、電流IQ2(図1を参照)、電圧V2(図1を参照)、電流I1(図1を参照)、電流I2(図1を参照)、電流I3(図1を参照)の各々を示す。
また、図3の(B)は、交流入力電圧100V、最大負荷電力の150Wにおける力率改善回路の主要部の動作波形を商用の交流電源周期により示している。図3の(B)の各々について、上段より下段に向かって、交流入力電圧VAC(図1を参照)、交流入力電流IAC(図1を参照)、電圧V3(図1を参照)、電圧V2(図1を参照)、電流I1(図1を参照)、電流I2(図1を参照)、電流IQ1(図1を参照)、電流IQ2(図1を参照)の各々を示す。図3の(B)の電圧V2、電流I1、電流I2、電流IQ1及び電流IQ2の斜線を施した部分の各々は、スイッチング素子Q1のスイッチング波形と同じ周期でスイッチングしていることを示すものである。ここで、上述したように力率改善用インダクタLoの値を不連続電流モードが生じる程度に小さくして、電圧V3が0Vとなるときには、電流I1も0Aとして力率を良好なものとしている。
図4は、交流入力電圧VACの値が100V及び230Vの入力電圧条件下において負荷電力Poの値が、0W(無負荷)から150Wの範囲での負荷変動に対する整流平滑電圧Ei、力率PF、及び交流入力電力に対する直流出力電力の電力変換効率ηAC→DC及びスイッチング素子Q1のオン期間TONとオフ期間TOFFとの比TON/TOFFを示している。図4における、実線は交流入力電圧VACの値が100Vの場合を示し、破線は交流入力電圧VACの値が230Vの場合を示すものである。
図3、図4から読み取れる代表特性の一部を紹介すると、例えば、交流入力電圧VACが100V、負荷電力Poが150Wのときの力率PFの値は0.995、交流入力電圧VACが230V、負荷電力Poが150Wのときの力率PFの値は0.953の高力率となっている。
また、E級スイッチング電源回路にアクティブクランプ回路を接続することによって交流入力電圧が広範囲に変化しても、電力変換効率ηAC→DC、スイッチング素子Q1の耐電圧の面等から見て対応可能とする、いわゆる、ワイドレンジ化が図れることが分かる。
また、直流出力電圧Eoに発生する商用電源周期のリップル電圧も小さいものとでき、このリップルに関しては、本実施形態の力率改善回路を付加しない場合との差異は生じない。
また、力率改善用第2ダイオードD2を設けることによって、力率改善用第2ダイオードD2がない場合には、負荷電力Poが150W、交流入力電圧100Vのときの電力変換効率ηAC→DCの値が87.0%であったものが、88%に向上した。同様に、負荷電力Poが150W、交流入力電圧230Vのときの電力変換効率ηAC→DCの値が91.5%であったものが、92.6%に向上した。
このような実施形態のスイッチング電源回路では、図16に背景技術として示すスイッチング電源回路の場合よりも電力変換効率ηAC→DCが向上している。又、実施形態のスイッチング電源回路では、アクティブフィルタを不要としたことで、回路構成部品の点数削減が図られる。つまりアクティブフィルタは、図16を参照した説明からも分かるように、スイッチング素子Q103と、これらを駆動するための力率・出力電圧制御用IC120等を始め、多くの部品により構成される。これに対し、実施形態のスイッチング電源回路においては、力率改善のために必要な追加部品として、フィルタコンデンサCN、力率改善用第1ダイオードD1、力率改善用第2ダイオードD2、力率改善用インダクタLo及びアクティブクランプ回路を備えればよく、アクティブフィルタと比較すれば非常に少ない部品点数とすることができる。これにより、力率改善機能を有する電源回路として、図16に示す回路よりもはるかに低コストとすることができる。又、部品点数が大幅に削減されることで、回路基板についても有効に小型軽量化を図ることができる。
又、実施形態のスイッチング電源回路では、E級スイッチングコンバータ部(E級スイッチングコンバータ回路)及び力率改善回路部(力率改善回路)の動作はいわゆるソフトスイッチング動作であるから、図16に示したアクティブフィルタを用いる回路と比較すればスイッチングノイズのレベルは大幅に低減される。特に、E級スイッチングコンバータに入力される電流を直流電流にちかづけることができるのでスイッチングノイズのレベルは非常に小さなものとできる。
さらに加えて、実施形態のスイッチング回路においては、一次側の直列共振回路及び一次側の並列共振回路とともに二次側の直列共振回路を備えるので極めて僅かな周波数の変化によって二次側直流出力電圧Eoを所定電圧に維持することができ、ノイズフィルタの設計も容易なものとできる。このような理由から、1個のコモンモードチョークコイルCMCと2個のアクロスコンデンサCLから成る1段のノイズフィルタを備えれば、電源妨害規格をクリアすることが充分に可能とされる。又、整流出力ラインのノーマルモードノイズについては、1個のフィルタコンデンサCNのみにより十分な対策が可能である。
又、スイッチング素子Q1と二次側の整流ダイオードDo1及び整流ダイオードDo2、さらに、力率改善用ダイオードD1などもスイッチング素子Q1に同期して動作するものである。したがって、アース電位としては、図16の電源回路のように、アクティブフィルタ側と、その後段のスイッチングコンバータとの間で干渉することが無く、スイッチング周波数の変化に関わらず安定させることができる。
(第2実施形態)
図5に示す第2実施形態は、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略するが、第1実施形態におけると同様の構成を採用するものである。第1実施形態と異なる点は、一次側直列共振コンデンサC2を接地することなく平滑コンデンサCiに接続するものである。このような接続回路によっても、平滑コンデンサCiの容量の大きさが非常に大きく高周波的には接地と同様にみなせるので、第1実施形態と略同様の作用と効果を奏することができるものである。
(第3実施形態)
図6に示す第2実施形態は、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略するが、第1実施形態におけると同様の構成を採用するものである。第1実施形態と異なる点は、補助スイッチング素子の制御回路として、第1実施形態では単に抵抗Rg1を用いたのに替えて、整流平滑電圧Eiの値を検出して動作するシャントレギュレータQ3とホトカプラPCとを組み合わせたエラーアンプを採用するものである。これによって、補助スイッチング素子Q2のゲートの電圧を制御して、整流平滑電圧Eiが所定の電圧から増加するにともない、補助スイッチング素子Q2のオンとなる時間を減少させるものである。これによって、負荷電力Poの大きさが小さい場合においても良好なる電力変換効率ηAC→DCを得ることができる。
分圧抵抗R2、分圧抵抗R3は、整流平滑電圧Eiを分圧するものであり、この分圧電圧が所定の電圧となるようにホトカプラPCの発光ダイオードに電流を流す。すなわち、このホトカプラPCの発光ダイオードの電流の大きさに応じて、ホトカプラPCの受光素子の抵抗Rg3を負荷電力の減少にともなって増加するようにする。これによって、補助スイッチング素子Q2のオン期間が短くなり、整流平滑電圧Eiの値を一定に保つことができる。そして、負荷電力Poの値が小さい場合に電力変換効率ηAC→DC及び力率PFを向上させることができる。ここで、抵抗Rg2の値は100Ωとし、受光素子の抵抗Rg3の値は整流平滑電圧Eiの電圧と予め定める所定電圧との差に応じて発光出力を変化させる発光素子からの光量に応じて受光素子の抵抗値が変化するものであるが、例えば、220Ω程度である。このようにして、受光素子の抵抗値の変化量に応じて、スイッチング素子Q1と相補的にオンとされる上記補助スイッチング素子Q2のオン期間を制御する。
第3実施形態における各部の電圧、電流の波形は図3に示すものと略同様であるので、図示は省略し、図7に、交流入力電圧VACの値が100V及び230Vの入力電圧条件下において負荷電力Poの値が、0W(無負荷)から150Wの範囲での負荷変動に対する整流平滑電圧Ei、力率PF、及び交流入力電力に対する直流出力電力の電力変換効率ηAC→DC及びスイッチング素子Q1のオン期間TONとオフ期間TOFFとの比TON/TOFFを示している。図4における、実線は交流入力電圧VACの値が100Vの場合を示し、破線は交流入力電圧VACの値が230Vの場合を示すものである。
第3実施形態のスイッチング電源回路では、第1実施形態における作用と効果を奏するとともに、さらに、シャントレギュレータQ3とホトカプラPCとを組み合わせたエラーアンプを有する発光側と、負荷電力Poに応じて、抵抗Rg3の値が変化する受光側との組み合わせによって、負荷電力Poが小さい場合にも電力変換効率ηAC→DC及び力率PFを向上させることができる。例えば、ホトカプラPCを用いない第1実施形態においては、負荷電力Poの値が25W、交流入力電圧VACが100Vのとき電力変換効率ηAC→DCの値が72%であったものが、第3実施形態では80%に向上し、ホトカプラPCを用いない第1実施形態においては、負荷電力Poの値が25W、交流入力電圧VACが100Vのとき力率が0.68であったものが、第3実施形態では0.96に向上する。
さらに、ホトカプラPCを用いない第1実施形態においては、負荷電力Poが0Wから150Wまでの変動に対して、交流入力電圧VACが100Vのとき整流平滑電圧Eiの値が145Vから193Vの範囲で48Vも変動したのに対して、第3実施形態では整流平滑電圧Eiの値が145Vから146.3Vの範囲で1.3Vの変動に収まる。交流入力電圧VACが230Vのとき整流平滑電圧Eiの値は、328Vから331Vの範囲で3Vの変動範囲に収まる。すなわち、負荷電力Poの変動に対して、スイッチング素子Q1のオフ期間(TOFF)及び補助スイッチング素子Q2のオン期間とは一定である場合には、負荷電力Poの減少にともなって、整流平滑電圧Eiの値は増加するものであるが、この傾向が抑圧されている。
(第4実施形態)
図8に示す第4実施形態は、第3実施形態と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略するが、第3実施形態におけると同様の構成を採用するものである。第3実施形態と異なる点は、一次側直列共振コンデンサC2を接地することなく平滑コンデンサCiに接続するものである。このような接続回路によっても、第3実施形態と略同様の作用と効果を奏することができるものである。
(二次側回路の変形例)
第1実施形態ないし第4実施形態において置き換え可能な二次側回路の変形例を図9ないし図11に示す。
図9に示す二次側整流回路は、倍電圧全波整流回路を構成する。すなわち、二次巻線についてセンタータップを施すことで、このセンタータップを境界にして二次巻線部N2A、二次巻線部N2Bに2分割する。二次巻線部N2A、二次巻線部N2Bには、同じ巻数(ターン数)が設定される。二次巻線N2のセンタータップは、二次側アースに接続される。又、二次巻線N2における二次巻線部N2A側の端部に対しては二次側直列共振コンデンサC4を直列に接続し、二次巻線N2における二次巻線部N2B側の端部に対しても同一容量の二次側直列共振コンデンサC4を直列に接続する。これにより、二次巻線部N2Aの漏れインダクタンス成分と二次側直列共振コンデンサC4の容量から成る第1の二次側直列共振回路と、二次巻線部N2Bの漏れインダクタンス成分と二次側直列共振コンデンサC4の容量から成る第1の二次側直列共振回路と略等しい共振周波数を有する第2の二次側直列共振回路とが形成される。
そして、二次巻線N2における二次巻線部N2A側の端部を、二次側直列共振コンデンサC4の直列接続を介して整流ダイオードDo1のアノードと整流ダイオードDo2のカソードとの接続点に対して接続する。又、二次巻線N2における二次巻線部N2B側の端部を、二次側直列共振コンデンサC4の直列接続を介して、整流ダイオードDo3のアノードと整流ダイオードDo4のカソードとの接続点に対して接続する。そして、整流ダイオードDo1、整流ダイオードDo3の各カソードは、平滑コンデンサCoの正極端子に接続する。平滑コンデンサCoの負極端子は二次側アースに接続される。又、整流ダイオードDo2、整流ダイオードDo4の各アノードの接続点は二次側アースに接続する。
このようにして、二次巻線部N2A,二次側直列共振コンデンサC4、整流ダイオードDo1、整流ダイオードDo2、及び平滑コンデンサCoから成る、第1の二次側直列共振回路を備える第1の倍電圧半波整流回路と、二次巻線部N2B,二次側直列共振コンデンサC4、整流ダイオードDo1、整流ダイオードDo2、及び平滑コンデンサCoから成る、第2の二次側直列共振回路を備える第2の倍電圧半波整流回路とが形成されることになる。このようにして平滑コンデンサCoに対しては、二次巻線N2の交番電圧の、一方の極性の半周期では、二次巻線部N2Bの誘起電圧と二次側直列共振コンデンサC4の両端電圧の重畳電位による整流電流の充電が行われ、他方の極性の半周期では、二次巻線部N2Aの誘起電圧と二次側直列共振コンデンサC4の両端電圧の重畳電位による整流電流の充電が行われることとなる。これにより、平滑コンデンサCoの両端電圧である二次側直流出力電圧Eoとしては、二次巻線部N2A、二次巻線部N2Bの誘起電圧レベルの2倍に対応するレベルが得られることになる。つまり、倍電圧全波整流回路が得られる。
図10に示す二次側整流回路は、倍電圧半波整流回路を構成する。すなわち、二次巻線N2の漏れインダクタンス成分と二次側直列共振コンデンサC4の容量から成る二次側直列共振回路とが形成される。そして、二次巻線N2に発生される一方の極性の電圧は、整流ダイオードDo2を介して二次側直列共振コンデンサC4を充電し、他方の極性の電圧は、整流ダイオードDo1を介してコンデンサCoを充電する。二次側直列共振コンデンサC4に充電された電圧とコンデンサCoに充電された電圧とは加算されるので、二次巻線N2の誘起電圧レベルの2倍に対応するレベルが得られることになる。つまり、倍電圧全波整流回路が得られる。
図11に示す二次側整流回路は、部分電圧共振コンデンサC5と二次巻線部N2A及び二次巻線部N2Bの漏れインダクタンス成分で部分電圧共振回路を形成するとともに、整流ダイオードDo1及び整流ダイオードDo2で構成されるセンタータップ両波整流回路である。
なお、これまでに説明した実施形態の電源回路の具体的設計例は、交流入力電圧VACは、100Vの商用の交流電源が入力されることを前提としているのであるが、本発明は、交流入力電圧VACの値として、特に限定があるものではない、例えば、200Vの商用の交流電源入力に対応した設計として場合にも、本願発明に基づいた構成とすることで同様の効果が得られる。又、例えば、一次側電圧共振形コンバータの細部の回路形態や、二次側直列共振回路を含んで形成する二次側整流回路の構成などは他にも考えられるものである。又、スイッチング素子については、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、バイポーラトランジスタなど、MOS−FET以外の素子を選定することも考えられる。又、上記各実施形態では、他励式のスイッチングコンバータを挙げているが、自励式として構成した場合にも本発明は適用できる。
実施形態のスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。 実施形態のコンバータトランスの構造例である。 実施形態の電源回路における要部の動作をスイッチング周期及び交流入力電圧周期により示す波形図である。 実施形態の電源回路についての、交流入力電圧変動に対する整流平滑電圧、力率、電力変換効率及びTON/TOFFの特性を示す図である。 実施形態のスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。 実施形態のスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。 実施形態の電源回路についての、交流入力電圧変動に対する整流平滑電圧、力率、電力変換効率及びTON/TOFFの特性を示す図である。 実施形態のスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。 実施形態の二次側回路の変形例である。 実施形態の二次側回路の変形例である。 実施形態の二次側回路の変形例である。 実施形態のE級スイッチングコンバータの基本原理を示す図である。 実施形態のE級スイッチングコンバータの動作原理に基づく波形図である。 背景技術に示すアクティブフィルタの構成図である。 背景技術に示すアクティブフィルタの動作を説明する波形図である。 背景技術に示すスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。 背景技術に示すアクティブフィルタの動作を説明する波形図である。 背景技術に示すアクティブフィルタを実装した電源回路における交流入力電圧、交入力電流及び平滑電圧を商用の交流電源周期により示す波形図である。 背景技術に示すアクティブフィルタを実装した電源回路の負荷変動に対する電力変換効率、力率、整流平滑電圧の各特性について示した特性図である。 背景技術に示すアクティブフィルタを実装した電源回路の交流入力電圧変動に対する電力変換効率、力率、整流平滑電圧の各特性について示した特性図である。
符号の説明
1 制御回路、2 発振・ドライブ回路、AC 商用の交流電源、Cr 一次側並列共振コンデンサ、C2 一次側直列共振コンデンサ、C3 電圧クランプ用コンデンサ、C4 二次側直列共振コンデンサ、C5 部分共振コンデンサ、CL アクロスコンデンサ、CMC コモンモードチョークコイル、CN フィルタコンデンサ、Ci、Co 平滑コンデンサ、CR1、CR2 コア、D1 力率改善用第1ダイオード、D2 力率改善用第2ダイオード、Do1、Do2、Do3,Do4 整流ダイオード、DD、DD1、DD2 ボディダイオード、Di 一次側整流素子、Do 二次側整流素子、Ei 整流平滑電圧、Eo 二次側直流出力電圧、G、 ギャップ、IAC 交流入力電流、PCC チョークコイル、LFT ラインフィルタトランス、Lo 力率改善用インダクタ、N1 一次巻線(コンバータトランス一次巻線)、N2 二次巻線(コンバータトランス二次巻線)、N2A、N2B 二次巻線部、Ng 制御巻線、PIT コンバータトランス、PCC チョークコイル、Q1 スイッチング素子、Q2 補助スイッチング素子、Rg1、Rg2、Rg3、R2、R3 抵抗

Claims (4)

  1. 交流電源からの入力交流電力を直流電力に変換するコンバータ部と、力率を改善する力率改善部と、を備えるスイッチング電源回路であって、
    上記コンバータ部は、
    交流電源からの入力交流電力を入力して整流する一次側整流素子と平滑コンデンサとを有して形成され、直流電力を生成する一次側整流平滑回路と、
    上記平滑コンデンサに一端が接続されるチョークコイルと、
    上記チョークコイルの他端が一次巻線の一端に接続される、上記一次巻線と二次巻線とが疎結合に結合して巻回されるコンバータトランスと、
    上記一次巻線の他端から直流電力を供給されて、上記コンバータトランスに交流電力を供給するスイッチング素子と、
    上記一次巻線に発生する漏れインダクタンス及び上記チョークコイルの有するインダクタンスと上記一次巻線と直列に接続される一次側直列共振コンデンサの容量とによって共振周波数が支配を受ける一次側直列共振回路と、
    上記一次巻線に発生する漏れインダクタンス及び上記チョークコイルの有するインダクタンスと上記スイッチング素子に並列に接続される一次側並列列共振コンデンサとによって共振周波数が支配を受ける一次側並列共振回路と、
    上記スイッチング素子をオン・オフ駆動する発振・ドライブ回路と、
    上記コンバータトランス二次巻線に接続される二次側整流回路によって出力される二次側直流出力電圧の値を所定の値とするような制御信号を上記発振・ドライブ回路に供給する制御回路と、を具備し、
    上記力率改善部は、
    チョークコイルと並列に接続される電圧クランプ用コンデンサと上記スイッチング素子と相補的にオンとされる補助スイッチング素子との直列接続回路で構成されるアクティブクランプ回路と、
    上記一次側整流素子の出力端に接続される力率改善用第1ダイオードと、
    上記力率改善用第1ダイオードと一端を直列に接続され、他端が上記スイッチング素子に接続される力率改善用インダクタと、
    上記力率改善用第1ダイオードと上記力率改善用インダクタとの接続点に、上記力率改善用第1ダイオードとは異なる極性の一方の端子を接続し、他方の端子を上記電圧クランプ用コンデンサと上記補助スイッチング素子との接続点に接続する力率改善用第2ダイオードと、を具備するスイッチング電源回路。
  2. 上記力率改善部は、さらに、一次側整流平滑回路に発生する電圧と予め定める所定電圧との差に応じて発光出力を変化させる発光素子と、発光出力に応じて抵抗値が変化する受光素子と、を有するホトカプラを具備し、上記受光素子の抵抗値の変化量に応じて、スイッチング素子と相補的にオンとされる上記補助スイッチング素子のオン期間を制御することを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  3. 上記コンバータトランス二次巻線に接続される二次側整流回路は、二次側直列共振コンデンサを有して二次側直列共振回路を形成する請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  4. 上記コンバータトランス二次巻線に接続される二次側整流回路は、部分電圧共振コンデンサを有して二次側部分電圧共振回路を形成する請求項1に記載のスイッチング電源回路。

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CN111740608A (zh) * 2020-07-03 2020-10-02 海信(山东)冰箱有限公司 双级升压高频电源拓扑、臭氧发生装置及洗衣机集成电路

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