JP5493902B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
この図8に示す電力変換装置は、単相の交流電源101と、この交流電源101の交流出力電力を直流電力に変換する整流回路102と、この整流回路102の正極側ラインLp及び負極側ラインLnから出力される直流電力を平滑化する平滑用コンデンサ103と、正極側ラインLp及び負極側ラインLn間に接続された直流負荷104とを備えている。
また、交流電源101の出力側とリアクトル109a及び109bとを結ぶ電源ラインLa及びLb間に、ノイズフィルタを構成する接地コンデンサ110a及び110bの直列回路が接続され、これら接地コンデンサ110a及び110bの接続点が大地電位Gに接続されている。
これらの機能を実現するための動作を以下に説明する。
例えば交流入力電圧Vinが正極性の場合、MOSFET106aをオン状態とすると、交流電源101から電源ラインLa、リアクトル109a、MOSFET106a、MOSFET106b、リアクトル109b、電源ラインLbを介して交流電源101に戻る経路で電流が流れる。このため、交流電源101の電圧がリアクトル109a及び109bに1/2ずつかかり交流入力電流Iinは増加する。
ところで、図8に示す従来例にあっては、各点と装置のフレームFG間には意図しない寄生キャパシタンス111〜114が存在する。フレームFGは安全上の理由により接地されるため、寄生キャパシタンス111〜114は対地キャパシタンスとして作用する。上述の電位変動により各々の寄生キャパシタンスに電流が流れ、これらが接地コンデンサ110a及び110bを介して図8に示す電流Ieが回路内を循環する。この際、接地コンデンサ110a及び110bには高周波の電圧、所謂雑音端子電圧が発生する。
また、上記特許文献2に記載された従来例にあっては、装置全体の外部との接続状態に応じて対地キャパシタンスを変えて、装置の電位変動と漏洩電流の大小を調整するものであって、装置全体の外部との接続状態が一定である場合には適用することができず、さらにノイズ源となる装置が動作している際の漏洩電流を減らすことができないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上述した従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、体積的な課題とコスト的な課題を同時に解消しつつ雑音端子電圧を低減することができる電力変換装置を提供することを目的としている。
また、本発明の他の形態に係る電力変換装置は、前記スイッチ手段は、順方向電流のオン・オフ制御が可能で、且つ逆方向電流に対しては常に導通状態となる補助半導体スイッチング素子で構成されていることを特徴としている。
また、本発明の他の形態に係る電力変換装置は、上記補助半導体スイッチング素子は、前記各スイッチングアームへの接続点を、オン・オフ制御の基準電位とし、オン・オフ制御端子を、コンデンサを介して前記直流電力の正極側及び負極側の何れか一方に接続したことを特徴としている。
図1は本発明の第1の実施形態の電力変換装置を示す回路図であり、図中、10は直流負荷を駆動する電力変換装置である。この電力変換装置10は、例えば単相の交流電源11と、この交流電源11の交流出力電力を直流電力に変換する整流回路12と、この整流回路12の正極側ラインLp及び負極側ラインLnから出力される直流電力を平滑化する平滑用コンデンサ13と、正極側ラインLp及び負極側ラインLn間に接続された直流負荷14とを備えている。
そして、各直列回路17及び18のダイオード15a及び15bとMOSFET16a及び16bとの接続点でなる交流入力点Pia及びPibがそれぞれリアクトル19a及び19bを介して交流電源11に接続されている。
以上の構成は前述した従来例の構成と同様であるが、本発明では、整流回路12における直列回路17及び18の交流入力点Pia及びPibと大地電位Gとの間にそれぞれスイッチ手段としてのスイッチ回路21及び22とコンデンサ23及び24とで構成されるノイズ抑制直列回路25及び26が接続されている。
そして、MOSFET16a及び16bとスイッチ回路21及び22とが制御装置40によってオン・オフ制御される。
例えば交流入力電圧Vinが、図2(a)の区間T1で示すように、正極性の場合、MOSFET16aをオン状態とすると、交流電源11から電源ラインLa、リアクトル19a、MOSFET16a、MOSFET16b、リアクトル19b、電源ラインLbを介して交流電源11に戻る経路で電流が流れる。このため、交流電源11の電圧がリアクトル19a及び19bに1/2ずつかかり交流入力電流Iinは増加する。
交流入力電圧Vinが負でMOSFET16bがオフしたタイミングでは同様の動作により、Pib点の電位が+Ed/2変動し、Pia点、P点及びN点の電位は−Ed/2変動する。また、MOSFET16a及び16bが再びオン状態となると、逆向きの電位変動が発生する。
しかも、電力変換装置10内で電位変動の極性が異なる部分があることを積極的に利用して、漏洩電流の抑制を図ることができる。
この第2の実施形態では、電力変換装置の耐圧試験を行う際に、スイッチ回路が損傷することを防止するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態においては、図3に示すように、スイッチ回路21及び22と並列に抵抗41及び42が接続されていることを除いては前述した第1の実施形態における図1と同様の構成を有し、図1との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
50Hzにおけるコンデンサ23及び24のキャパシタンスは
1/(2π×50×1000p)=3.18MΩ
のインピーダンスとなり、
100kHzにおけるコンデンサ23及び24のキャパシタンスは、
1/(2π×100k×1000p)=1.59kΩ
のインピーダンスとなるので、この場合には抵抗41及び42の抵抗値を100kΩ程度に選定する。
このため、スイッチ回路21及び22として、耐圧試験時の試験電圧に耐える構成とした場合には、適用部品が大形化する問題を生じるが、本実施形態では、スイッチ回路21及び22と並列に抵抗41及び42を接続するだけで、スイッチ回路21及び22を高耐圧化する必要がなく、構成部品が大形化することを防止することができる。
この第3の実施形態は、前述した第1の実施形態におけるスイッチ回路21及び22と直列に接続するコンデンサを共通化したものである。
すなわち、第3の実施形態では、図4に示すように、スイッチ回路21及び22を共通のコンデンサ51を介して大地電位Gに接続したことを除いては前述した第1の実施形態における図1と同様の構成を有し、図1との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
この第4の実施形態では、整流回路をインバータとしての動作が可能となるようにしたものである。
すなわち、第4の実施形態では、図5に示すように、前述した第1の実施形態における整流回路12のダイオード15a及び15bを省略し、これらに代えてMOSFET16a及び16bと同様の構成を有するMOSFET61a及び61bを適用したことを除いては第1の実施形態の図1と同様の構成を有し、図1との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
また、直流負荷14が発電制動を行う電動機やバッテリを含む場合に、必要に応じて直流電力を交流電源11側に回生する場合には、上述したように、制御装置40によって交流電源11の電圧の極性によってMOSFET16a,16b及び61a,61bのオン・オフ制御することにより、インバータとして動作させて、直流電力を交流電力に変換して交流電源11に回生させることができる。
また、上記第4の実施形態においては、インバータ機能を有する整流回路12の構成とした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、直流負荷14を直流電源に置換し、交流電源11を交流負荷に置換して、通常時に直流電源の直流電力を交流電力に変換するインバータとすることもできる。この場合でも、上述したと同様の作用効果を得ることができる。
また、上記第1〜第4の実施形態においては、スイッチング素子16a,16b、61a,61b及びスイッチ回路21,22としてMOSFETを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、使用電力に応じて、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)、静電誘導型トランジスタ(SIT)等の任意のスイッチング素子を適用することができる。
第1のスイッチ部71は、交流入力点Piaにソースが接続された補助スイッチング素子としてのnチャネル型の補助MOSFET71aと、この補助MOSFET71aのドレインにカソードが接続され、アノードがコンデンサ23に接続されたダイオード71bとの直列回路を備えている。
そして、補助MOSFET71aのオン・オフ制御端子となるゲートには、ダイオード71eのカソードが接続され、このダイオード71eのアノードがコンデンサ73を介して負極側ラインLnに接続されている。
ここで、補助MOSFET72aは内部に寄生ダイオードを持つため逆方向電流に対してはゲート電圧にかかわらず常に導通状態となる。また、補助MOSFET72aには、ゲート及びソース間に寄生キャパシタンス72cが存在し、この寄生キャパシタンス72cと並列に放電用抵抗72dが接続されている。
なお、第1及び第2のスイッチ部71及び72の放電用抵抗71d及び72dの放電時定数はMOSFET16aのスイッチング周期より大きく設定されている。
次に、上記構成を有するスイッチ回路70の動作を説明する。前述した第1の実施形態のように、交流入力電圧Vinが、図2(a)の区間T1で示すように、正極性であるときには、主回路素子としてのMOSFET16aを高周波でオン・オフ動作させる高周波スイッチング状態となる。
その後、MOSFET16aがオフ状態からオン状態となると、交流入力点Piaに供給される入力電流IinがMOSFET16aを通じて負極側ラインLnに流れることになり、交流入力点Piaの電位が負極電位となる。このため、第2のスイッチ部72の寄生キャパシタンス72cに蓄積された電荷が放電用抵抗72dを通じて徐々に放電される。
このとき、コンデンサ73の電荷が寄生キャパシタンス71cに移行することにより、寄生キャパシタンス71cの端子電圧が上昇し、補助MOSFET71aがオン状態となる。このため、コンデンサ23がダイオード71b及び補助MOSFET71aを通じて交流入力点Piaに接続される。
そして、放電用抵抗71d及び72dの放電時定数がMOSFET16aのスイッチング周期より長く設定されているので、MOSFET16aが高周波スイッチング状態となっている期間すなわち前述した図2(a)の区間T1の間で、第1のスイッチ部71の補助MOSFET71aと第2のスイッチ部72の補助MOSFET72aとが共にオン状態を継続することになり、コンデンサ23が第1のスイッチ部71及び第2のスイッチ部72を通じて交流入力点Piaに接続されることになる。
しかしながら、前述した図2(b)に示したように、交流入力点Piaの電位変動のピーク値は略一定である。したがって、コンデンサ23は一旦充電されたら放電されないと再充電が行われない。この特性を利用して、充電又は放電の何れか一方の電流を遮断するだけでコンデンサ23に電流を殆ど流さなくすることができる。すなわち、実質上コンデンサ23を回路から除くことができる。
なお、図7の構成では、図6の構成における第2のスイッチ部72を省略した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、第1のスイッチ部71を省略しても図6と同等の作用効果を得ることができる。
さらに、上記第1〜第4の実施形態においては、インダクタンス素子としてリアクトル19a,19bを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、配線のインダクタンスを適用したり、他のインダクタを適用したりすることができる。
Claims (5)
- 交流電源と、該交流電源から入力される交流電力を直流電力に変換する整流回路とを有し、前記整流回路は、整流素子と半導体スイッチング素子とを直列に接続した直列回路を正極側ライン及び負極側ライン間に入力交流の相数分並列に接続した構成を有し、各直列回路の前記整流素子及び半導体スイッチング素子の接続点でなる交流入力点に前記交流電源がインダクタンス素子を介して接続された電力変換装置であって、
前記各直列回路の前記交流入力点のそれぞれと、大地電位となる点との間をスイッチ手段及びコンデンサを直列に接続したノイズ抑制直列回路を介して接続し、
前記ノイズ抑制直列回路は、前記スイッチ手段と並列に接続された抵抗を有し、該抵抗の抵抗値を、前記コンデンサが前記交流入力点の交流入力電力の周波数に対して示すインピーダンスよりも十分小さく、且つ前記半導体スイッチング素子のスイッチング周波数に対して示すインピーダンスよりも十分大きくなるように設定し、
前記半導体スイッチング素子が高周波でスイッチングするタイミングで、当該半導体スイッチング素子に接続された前記ノイズ抑制直列回路の前記スイッチ手段をオン状態に制御し、他のタイミングで当該スイッチ手段をオフ状態に制御することを特徴とする電力変換装置。 - 前記スイッチ手段は、前記各直列回路への接続点をオン・オフ制御の基準電位とした補助半導体スイッチング素子を備え、該補助半導体スイッチング素子のオン・オフ制御端子を、コンデンサを介して前記直流電力の正極側及び負極側の何れか一方に接続したことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
- 直流電力を交流電力に変換するインバータ回路を有し、前記インバータ回路は、複数の半導体スイッチング素子を直列に接続したスイッチングアームを正極側ライン及び負極側ライン間に出力する交流電力の相数分並列に接続した構成を有し、前記各スイッチングアームの交流出力点がインダクタンス素子を介して交流出力端に接続された電力変換装置であって、
前記各スイッチングアームの交流出力点のそれぞれと、大地電位となる点との間をスイッチ手段及びコンデンサを直列に接続したノイズ抑制直列回路を介して接続し、
前記ノイズ抑制直列回路は、前記スイッチ手段と並列に接続された抵抗を有し、該抵抗の抵抗値を、前記コンデンサが前記交流出力点の交流出力電力の周波数に対して示すインピーダンスよりも十分小さく、且つ前記半導体スイッチング素子のスイッチング周波数に対して示すインピーダンスよりも十分大きくなるように設定し、
前記半導体スイッチング素子が高周波でスイッチングするタイミングで、当該半導体スイッチング素子に接続された前記ノイズ抑制直列回路の前記スイッチ手段をオン状態に制御し、他のタイミングで当該スイッチ手段をオフ状態に制御することを特徴とする電力変換装置。 - 前記スイッチ手段は、前記各スイッチングアームへの接続点をオン・オフ制御の基準電位とした補助半導体スイッチング素子を備え、該補助半導体スイッチング素子のオン・オフ制御端子を、コンデンサを介して前記直流電力の正極側及び負極側の何れか一方に接続したことを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
- 前記スイッチ手段は、順方向電流のオン・オフ制御が可能で、且つ逆方向電流に対しては常に導通状態となる補助半導体スイッチング素子で構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電力変換装置。
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