JP2006174610A - 漏洩電流抑制回路を備えた電力変換装置、空調機用漏洩電流抑制装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の漏洩電流抑制回路は、インバータ回路の動作によって発生する漏洩電流に対しては有効であるが、スイッチング素子をハーフブリッジ型に構成したコンバータ回路によって発生する漏洩電流を抑制することができないという問題点があった。
【解決手段】 この発明は、電圧変換を可能とするリアクトルと、交流電源の交流を直流に変換するスイッチング手段と、変換された直流電圧を出力する平滑コンデンサとより成り電圧増幅を行うコンバータ回路と、前記コンバータ回路の出力をスイッチング手段により直流を三相交流へと変換するインバータ回路及びこのインバータ回路の出力により駆動される電動機と、前記電動機の漏洩インピーダンスと等価であるインピーダンス部を設けた漏洩電流抑制回路とを備え、前記ンピーダンス部の出力端をアース部に接続した構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 この発明は、電圧変換を可能とするリアクトルと、交流電源の交流を直流に変換するスイッチング手段と、変換された直流電圧を出力する平滑コンデンサとより成り電圧増幅を行うコンバータ回路と、前記コンバータ回路の出力をスイッチング手段により直流を三相交流へと変換するインバータ回路及びこのインバータ回路の出力により駆動される電動機と、前記電動機の漏洩インピーダンスと等価であるインピーダンス部を設けた漏洩電流抑制回路とを備え、前記ンピーダンス部の出力端をアース部に接続した構成とする。
【選択図】 図1
Description
この発明は、空調機に係り、特に、スイッチング動作によって発生する漏洩電流を打ち消す漏洩電流抑制回路を備えた電力変換装置に関する。
一般に圧縮機を搭載する空気調和機、冷凍機、冷蔵庫等の冷凍サイクル装置は、圧縮機駆動用の電力変換装置を用いている。該電力変換装置は交流を直流へ変換し、電圧増幅を行うコンバータ回路、およびこのコンバータ回路の出力である直流電圧を任意周波数の3相交流へと変換するインバータ回路によって構成されている。これらインバータ回路およびコンバータ回路はスイッチング素子を有する。このインバータ回路の出力が圧縮機の電動機へと供給されている。
近年、電力用半導体素子の性能向上、圧縮機高効率駆動に対する要望が高まることから、コンバータ回路,インバータ回路においてスイッチング周波数(すなわちキャリア周波数)の高周波化が進められている。同時にスイッチングの高周波化により、電流、電圧の急激な変化により、伝導性および放射性の電磁妨害(EMI)や、圧縮機の浮遊容量を介して、大地へと数MHzの高周波漏れ電流が生じる。
このように高周波漏れ電流および放射性の電磁妨害等は、商用電源へと誘電的に伝わり、他の家電製品や通信に対して様々な誤作動を誘発する可能性がある。
交流電源電圧を整流するコンバータ回路と、その出力を任意の周波数へと変換するインバータ回路の動作によって発生する高周波漏れ電流を低減する為、例えば、ノイズ除去用フィルタに設けられた、電流検出用コイルにより、検出されたコモン電流をもとに漏洩電流と逆位相である電流をアース線より供給することによって漏洩電流を低減している。(例えば、特許文献1参照)
また、従来は圧縮機に印加される対地電圧と逆位相の電圧を発生するスイッチング回路、漏洩インピーダンスと等価なインピーダンス部、スイッチング回路を駆動するドライブ回路によって構成され、漏洩電流抑制装置のスイッチング回路の電源は、本体のコンバータ回路の出力を用いている。また、スイッチング回路を駆動するドライブ回路は本体のインバータ回路のスイッチングパターンと逆になるように動作している。スイッチングの手段によってインバータ回路のスイッチング動作によって生じる各相の対地間電圧と逆位相の電圧を漏洩インピーダンスと等価であるインピーダンスに印加させ、本体の電力変換機のスイッチングによって発生する漏洩電流を打ち消している。(例えば、特許文献2参照)
従来の電力変換装置は、インバータ回路の動作によって発生する漏洩電流に対しては有効であるが、スイッチング素子をハーフブリッジ型に構成したコンバータ回路(以下ハーフブリッジ型コンバータ回路と称す)によって発生する漏洩電流を抑制することができなかった。そのため、ハーフブリッジ型コンバータ回路を含む電力変換装置において漏洩電流を抑制できないという問題点があった。
また、他の従来例においては本体のハーフブリッジ型コンバータ回路のスイッチングと漏洩電流抑制回路のスイッチングが同期する必要があり、スイッチングが遅れる事によって、十分に効果が発揮できない可能性があった。
この発明は、上記のよう課題を解決するためになされたもので、ハーフブリッジ型コンバータ回路のスイッチングによって大地へと流れる漏洩電流を打ち消すことができる漏洩電流抑制装置を備えた電力変換装置を提供することを目的とする。
また、この発明は少ない部品構成で漏洩電流を抑制することができる漏洩電流の抑制を提供することを目的とする。
この発明の漏洩電流抑制回路を備えた電力変換装置は、電動機を制御する電力変換装置において、電圧増幅用リアクトルと、交流電源の交流を直流に変換するスイッチング手段と、変換された直流電圧を出力する平滑コンデンサとより成り電圧増幅を行うコンバータ回路と、前記コンバータ回路の出力をスイッチング手段により直流を三相交流へと変換するインバータ回路及びこのインバータ回路の出力により駆動される電動機と、前記電動機の漏洩インピーダンスと等価であるインピーダンス部を設けた漏洩電流抑制回路であって、前記インピーダンス部の出力端をアース部に接続したものである。
この発明の漏洩電流抑制回路を備えた電力変換装置は、電動機を制御する電力変換装置において、電圧増幅用のリアクトルと、交流電源の交流を直流に変換するスイッチング手段と、変換された直流電圧を出力する平滑コンデンサとより成り電圧増幅を行うコンバータ回路と、前記コンバータ回路の出力をスイッチング手段により直流を三相交流へと変換するインバータ回路及びこのインバータ回路の出力により駆動される電動機と、前記電動機の漏洩インピーダンスと等価であるインピーダンス部を設けた漏洩電流抑制回路であって、前記インピーダンス部の出力端をアース部に接続した構成としたので、ハーフブリッジ型コンバータ回路のスイッチングと漏洩電流抑制回路のスイッチングを同期することができると共に、電圧増幅回路の動作によって発生し、大地へと流れ出る漏洩電流を打ち消すことができる効果を有する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による空調機の漏洩電流抑制装置を示す全体構成図、図2は図1の各部における電圧電流波形図、図3は図1の漏洩電流抑制装置のコンバータ回路スイッチング素子の対地間電圧の発生メカニズムを示す説明図、図4は図1の漏洩電流抑制装置におけるインバータ回路部の対グランド電圧発生のメカニズムを示す説明図、図5は圧縮機電動機に発生する漏洩電流発生のメカニズムを示す説明図、図6は漏洩電流抑制回路のメカニズムを示す説明図である。
図1はこの発明の実施の形態1による空調機の漏洩電流抑制装置を示す全体構成図、図2は図1の各部における電圧電流波形図、図3は図1の漏洩電流抑制装置のコンバータ回路スイッチング素子の対地間電圧の発生メカニズムを示す説明図、図4は図1の漏洩電流抑制装置におけるインバータ回路部の対グランド電圧発生のメカニズムを示す説明図、図5は圧縮機電動機に発生する漏洩電流発生のメカニズムを示す説明図、図6は漏洩電流抑制回路のメカニズムを示す説明図である。
図において、コンバータ回路3は商用交流電源1より供給された交流を、電圧増幅用のリアクトル(以下ACLと呼ぶ)2を介してハーフブリッジ型コンバータ回路と電圧平滑用コンデンサが接続された回路により、商用交流電源1を直流に変換し、ハーフブリッジ型スイッチング手段である第1スイッチング素子3aおよび第2スイッチング素子3bの動作により、その供給された電圧を上昇させ平滑用コンデンサ4にて平滑された直流電圧を出力させる。
また、PWMインバータ回路5においては、前記コンバータ回路3にて出力された直流電圧を第3スイッチング素子5a、第4スイッチング素子5b、第5スイッチング素子5c、第6スイッチング素子5d、第7スイッチング素子5eおよび第8スイッチング素子5fをPWMスイッチング手法によってスイッチング素子を動作させることによって、直流電圧を任意の周波数をもつ、3相交流へと変換させる。
圧縮機電動機6においては、前記PWMインバータ回路5より発生させた任意の周波数である3相交流へと変換された電源により駆動される。該圧縮機電動機6は金属製の圧縮機外枠6a内に密封され、前記圧縮機電動機6内の電動機用コンデンサ6cは電動機のコイル6bと圧縮機外枠6aとの間に存在する漏洩電流インピーダンスを示し、前記コンデンサ6cは、圧縮機外枠6aから空調機本体7を経由してアース部7aへと接続されて大地に降りている。
図1に示す漏洩電流抑制回路8は前記商用交流電源1のゼロクロス検出するように、前記コンバータ回路3と商用交流電源1との間に接続されたゼロクロス検出回路9と、前記ACL2を介して前記商用交流電源1に接続された第9スイッチング素子11a、第10スイッチング素子11bから成るスイッチング素子ドライブ回路11と、漏洩電流インピーダンスと等価になるように前記スイッチング素子ドライブ回路11に接続して設けた抵抗R12aとコンデンサC12bより成るインピーダンス部12および該インピーダンス部出力端12cによって構成される。このインピーダンス出力端12は前記空調機本体7を経由してアース部7aへと接続されて大地に降りている。
次に、この発明の実施の形態1による空調機の漏洩電流の発生のメカニズムについて説明する。図2に図1における各部の波形を示す。図2(A)はアースとコンバータ回路の出力部のグランドとの対地電圧Vg−eを示す。図2(B)はグランドとインバータ回路出力(圧縮機入力)の電位差Vu−gを示す。図2(C)はアースと圧縮機入力部の電位差Vu−eを示す。図2(D)は圧縮機より流れでる漏洩電流iaを示す。横軸は時間軸である。
まず、図2(A)の対地電圧Vg−eについて説明する。コンバータ回路3(ハーフブリッジ型コンバータ部)はACL、第1スイッチング素子3a、第2スイッチング素子3b、1対のダイオード3cと電圧を平滑するコンデンサ4によって構成されている。これら構成する物のうち、第1スイッチング素子3a、第2スイッチング素子3bが動作することによって、対地電圧は発生する。図3にスイッチング素子の動作による電流経路をパターン化したもの(a)(b)(c)(d)を示す。
(a)モード1の各電圧は
Vg−a=VL=Vs/2 …(1)
Vr−a=Vs−a=Vg−a=Vs/2 …(2)
Vg−a:アースとグランドの電位差
VL:ACL2の両端の電位差
Vg−a=VL=Vs/2 …(1)
Vr−a=Vs−a=Vg−a=Vs/2 …(2)
Vg−a:アースとグランドの電位差
VL:ACL2の両端の電位差
(b)モード2の各電圧は
{Vg−e=VL,Vs/2=2VL+Vd}
⇒Vg−a=Vs/2−Vd/2 …(3)
Vr−a=Vg−a+Vd=Vs/2+Vd/2 …(4)
Vs−a=Vg−a=Vs/2−Vd/2 …(5)
{Vg−e=VL,Vs/2=2VL+Vd}
⇒Vg−a=Vs/2−Vd/2 …(3)
Vr−a=Vg−a+Vd=Vs/2+Vd/2 …(4)
Vs−a=Vg−a=Vs/2−Vd/2 …(5)
(c)モード3の対地電圧は
Vg−a=VL=Vs/2 …(6)
Vr−a=Vs−a=Vg−a=Vs/2 …(7)
Vg−a=VL=Vs/2 …(6)
Vr−a=Vs−a=Vg−a=Vs/2 …(7)
(d)モード4の各電圧は
{Vg−a=VL,Vs=2VL+Vd}
⇒Vg−a=Vs/2−Vd/2 …(8)
Vr−a=Vg−a+Vd=Vs/2−Vd/2 …(9)
Vs−a=Vg−a=Vs/2+Vd/2 …(10)
{Vg−a=VL,Vs=2VL+Vd}
⇒Vg−a=Vs/2−Vd/2 …(8)
Vr−a=Vg−a+Vd=Vs/2−Vd/2 …(9)
Vs−a=Vg−a=Vs/2+Vd/2 …(10)
以上の各(a)(b)(c)(d)のモードにおける対地電圧式(1)、(3)、(6)、(8)より、二通りの電圧が発生し、スイッチング素子の動作によりVd/2の振幅を持つ方形波状の電圧が生じる。
即ち、(a)モード1のように第1スイッチング素子3a、第2スイッチング素子3bをスイッチONすると、矢印で示すようにACL2を介して短絡電流が流れる。ACL電流はほぼ直線的に増加し、ACLにエネルギーを蓄える。
また、(b)モード2のように第1スイッチング素子3a、第2スイッチング素子3bをスイッチOFFするとACL電流は前モードの最終電流を初期値としてほぼ直線的に減少し、矢印で示すようにACLに蓄えられていたエネルギーを平滑コンデンサ4に移す。
また、(c)モード3、(d)モード4はそれぞれ前記(a)モード1、(b)モード2と逆電圧のときを示し、電流の流れの矢印で示すように逆に流れている。このように、ハーフブリッジ型コンバータは、他の一石型コンバータ(図示されていない)と同じ特性をもち、かつ一石型コンバータに比べて電流が流れる経路に存在するスイッチング素子数が少ないため、スイッチング素子による損失が減少し。コンバータの効率が向上する。
次に、図2(B)グランド−U相の電位差Vu−gについて説明する。PWMインバータ回路5は6個の第2スイッチング素子5a、第3スイッチング素子5b、第4スイッチング素子5c、第5スイッチング素子5d、第6スイッチング素子5e、第7スイッチング素子5fによって構成され、上下のスイッチング素子が交互にON/OFF状態になる。
図4にPWMインバータ回路動作の各モードの電流経路を動作を分かりやすくなるように1相のみ表記して示す。図より、第3スイッチング素子5aがON状態である(a)モード1の電位差Vu−gは、
Vu−g=Vd …(11)
また、第4スイッチング素子5bがON状態である(b)モード2の電位差Vu−gは、
Vu−g=0 …(12)
となるように、PWMインバータ回路5の各スイッチング素子の動作によってVu−gはVdの振幅を持った方形波状の電圧が生じる。
Vu−g=Vd …(11)
また、第4スイッチング素子5bがON状態である(b)モード2の電位差Vu−gは、
Vu−g=0 …(12)
となるように、PWMインバータ回路5の各スイッチング素子の動作によってVu−gはVdの振幅を持った方形波状の電圧が生じる。
次に、図2(C)アース−U相の電位差は、電圧増幅回路によって発生したVg−eとPWMインバータ回路の動作によって発生したVu−gを足し合わせた波形となり、インバータ回路部のスイッチング周波数に比べ電圧増幅回路のスイッチング周波数のほうが大きい為、図2(C)アース−U相の波形となる。また、圧縮機電動機6に印加される対地電圧は、電圧増幅回路のスイッチング素子動作による2パターンの対地電圧、PWMインバータ回路のスイッチング動作による2パターンのU相−グランド電圧により、4レベルの電圧を持つ。
例えば、a:第1スイッチング素子3a、第2スイッチング素子3b、第3スイッチング素子5aがON、第4スイッチング素子5bがOFFのパターンでは、式(1)+式(11)となり、
Vu−a=Vs/2+Vd …(13)
b:第1スイッチング素子3a、第2スイッチング素子3b、第4スイッチング素子5bがOFF、第3スイッチング素子5aがONのパターンでは、式(3)+式(11)となり、
Vu−a=Vs/2−Vd/2+Vd=Vs/2+Vd/2…(14)
c:第1スイッチング素子3a、第2スイッチング素子3b、第4スイッチング素子5bがON、第3スイッチング素子5aがOFFのパターンでは、式(1)+式(12)となり、
Vu−a=Vs/2 …(15)
d:第1スイッチング素子3a、第2スイッチング素子3b、第3スイッチング素子5aがOFF、第4スイッチング素子5bがONのパターンでは、式(3)+式(12)となり、
Vu−a=Vs/2−Vd/2 …(16)
となる。
Vu−a=Vs/2+Vd …(13)
b:第1スイッチング素子3a、第2スイッチング素子3b、第4スイッチング素子5bがOFF、第3スイッチング素子5aがONのパターンでは、式(3)+式(11)となり、
Vu−a=Vs/2−Vd/2+Vd=Vs/2+Vd/2…(14)
c:第1スイッチング素子3a、第2スイッチング素子3b、第4スイッチング素子5bがON、第3スイッチング素子5aがOFFのパターンでは、式(1)+式(12)となり、
Vu−a=Vs/2 …(15)
d:第1スイッチング素子3a、第2スイッチング素子3b、第3スイッチング素子5aがOFF、第4スイッチング素子5bがONのパターンでは、式(3)+式(12)となり、
Vu−a=Vs/2−Vd/2 …(16)
となる。
この実施の形態1の圧縮機電動機6において、コイル部6bと圧縮機電動機6の圧縮機外枠6aの間には、図5に示す空調機の漏洩電流抑制装置の圧縮機電動機のコイル部と圧縮機外枠との間に存在するインピーダンスを示す説明図および図6の漏洩電流インピーダンスの簡易等価回路に示すように、コイル部6bと圧縮機の外枠6aの間には、冷媒13およびコイル部6bのエナメル絶縁層が存在する為、電気的にはコンデンサ6cによってカップリングしているものとみなすことができる。実際はコイル部のエナメル等の絶縁材料、圧縮機内のオイルや冷媒の誘電率、温度の変化等によって漏洩電流インピーダンスが異なる。
本来、空調機から流れる漏洩電流は主に圧縮機からの漏洩電流である。図1、図5および図6に示す図において、圧縮機6は外枠6aの中に電動機コイル部6bを有し、このコイル部6bの各相にはエナメル等の絶縁材料で表面が覆われている。又前記コイル部6bは、冷媒13中に浸っていることにより、冷媒13がコンデンサの絶縁層に相当しておりコイル部6b外枠6aとの間にはキャパシタ状態を保った状態となる。このため、コイル部6bと外枠6a間に高周波電圧が印加だれると電流が流れる。この流れる電流自体が漏洩電流となる。図6に示す漏洩電流インピーダンスの簡易等価回路は、図5に示す空気調和機の漏洩電流抑制装置の圧縮機電動機のコイル部と圧縮機外枠との間にキャパシタが分布定数回路上に存在する、これを簡単な等価回路に変換した電気回路図で示したものである。
圧縮機の入力と圧縮機の外枠6aは漏洩電流インピーダンスによってカップリングされているため、対地電圧が印加されることによって図2(C)の電流が図1に示す圧縮機6からアース7aへ流れる漏洩電流ia+漏洩電流抑制回路8からアース7aへと流れる漏洩電流ibの経路を通り、空調機から大地へと流れる漏洩電流icとしてアース7aへと流れる。
この発明の実施形態1の構成は、図1の空調機7に供給される商用交流電源1のゼロクロス情報と検知する部分と、その情報を基に第9スイッチング素子11a、第10スイッチング素子11bを動作させるスイッチング素子ドライブ回路11と、前記第9スイッチング素子11a、第10スイッチング素子11bと等価なインピーダンスとなる抵抗R12a、コンデンサC12bおよびインピーダンス出力端12cによって構成されている漏洩電流インピーダンス12よりなる制御部10を構成している。
漏洩電流抑制回路8の動作原理は、図1に示すように空調機本体7へ供給する商用交流電源1のゼロクロス情報のみで動作する特徴を持ため、前記漏洩電流抑制回路8は電圧増幅回路の出力である母線電圧Vdを2つの第9スイッチング素子11a、第10スイッチング素子11bを交互にON/OFF状態にさせることによって漏洩電流を抑制する。
次に、この漏洩電流抑制回路8の詳細な動作について説明する。図6に漏洩電流抑制回路の各部の電圧電流を示す。前記式(2)、式(4)、式(7)、式(9)よりr側の対地電圧は図6(A)波形となる。また、式(2)、式(5)、式(7)、式(10)よりs側の対地電圧は図6(B)波形となる。前記第9スイッチング素子11a、第10スイッチング素子11bを図6のスイッチングパターンのように、商用交流電源のゼロクロスで切り替える事によって図6(C)漏洩電流抑制回路の出力電圧波形が生じる。
また、漏洩電流抑制回路8にて発生させた対地電圧は、抵抗R12a、コンデンサC12bのインピーダンス部12に接続することによって、図2(F)に示す漏洩電流ibが図1に示す漏洩電流抑制回路8からアースへと流れる漏洩電流ibとなる。
したがって、空調機から大地へと流れる漏洩電流icは圧縮機からアースへ流れる漏洩電流iaと前記漏洩電流抑制回路からアースへと流れる漏洩電流ibを足し合わせたものなので、図2(G)に示す漏洩電流icの波形となる。
以上のように、電圧増幅器のスイッチング素子の動作によって発生する漏洩電流を、商用交流電源よりゼロクロスの情報を基に、スイッチング素子を制御することによって、発生する制御電圧を圧縮機のコイル部と圧縮機外枠に存在するインピーダンスと等価な抵抗RとコンデンサCによって構成された回路に印加することによって、ハーフブリッジ型コンバータ回路部のスイッチング動作によって発生する漏洩電流を抑制することができる。
また、トランスなど重量物を使用しない為、小型化が可能であり、なおかつ、低速なスイッチングによって漏洩電流を抑制している為、制御が安易にすることができる。
1 商用電源、2 電圧増幅用リアクトル(ACL)、3 コンバータ回路、3a 第1スイッチング素子、3b 第2スイッチング素子、4 電圧平滑用コンデンサ、5 インバータ回路、5a 第3スイッチング素子、5b 第4スイッチング素子、5c 第5スイッチング素子、5d 第6スイッチング素子、5e 第7スイッチング素子、5f 第8スイッチング素子、6 圧縮機電動機、6a 圧縮機外枠、6b コイル部、6c、7 空調機本体、8 漏洩電流抑制回路、9 ゼロクロス検出回路、10 制御部、11 スイッチング素子ドライブ回路、11a 第9スイッチング素子、11b 第10スイッチング素子、12 インピーダンス部、12a 抵抗R、12b コンデンサC、12c インピーダンス出力端、13 冷媒。
Claims (6)
- 電動機を制御する電力変換装置において、電圧増幅用のリアクトルと、交流電源の交流を直流に変換するスイッチング手段と、変換された直流電圧を出力する平滑コンデンサとより成り電圧増幅を行うコンバータ回路と、前記コンバータ回路の出力をスイッチング手段により直流を三相交流へと変換するインバータ回路及びこのインバータ回路の出力により駆動される電動機と、前記電動機の漏洩インピーダンスと等価であるインピーダンス部を設けた漏洩電流抑制回路であって、前記インピーダンス部の出力端をにアース部に接続したことを特徴とする漏洩電流抑制回路を備えた電力変換装置。
- 前記コンバータ回路に交流を直流へ変換し電圧変換を行うようにしたハーフブリッジ型のスイッチング手段を設けたことを特徴する請求項1記載の漏洩電流抑制回路を備えた電力変換装置。
- 前記リアクトルは商用交流電源側に接続されていることを特徴とする請求項1記載の漏洩電流抑制回路を備えた電力変換装置。
- 電圧増幅用リアクトルの出力をスイッチング素子によって切り替えることで、コンバータ回路の動作によって生じる対地間電圧とは逆位相の電位を出力し、その出力を漏洩インピーダンスへ接続することを特徴とする請求項1記載の漏洩電流抑制回路を備えた電力変換装置。
- 漏洩電流抑制回路は商用交流電源側に接続され、該商用交流電源のゼロクロス検出するゼロクロス検出回路9と、複数のスイッチング素子を駆動するスイッチング素子ドライブ回路と、漏洩電流インピーダンスと等価になるインピーダンス部とより成ることを特徴とする請求項1記載の漏洩電流抑制回路を備えた電力変換装置。
- 前記電力変換装置は空気調和機の圧縮機の駆動用として設けたことを特徴とする空調機用漏洩電流抑制装置。
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CN102055355B (zh) * | 2009-10-28 | 2014-12-10 | 富士电机株式会社 | 功率转换装置 |
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