JP2005225682A - ナノ結晶ゼオライト粒子とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】 触媒、吸着剤、イオン交換剤、光学材料、膜形成等で有用な平均粒子径付近に粒径の揃ったナノサイズのゼオライト粒子を提供する。
【解決手段】 界面活性剤と有機溶媒の混合溶液に、Si、又は、Si及びAlのゼオライト構成成分と4級アルキルアミン水酸化物から成る複合ゾルを含む水溶液を加えて、水相、油相及び界面活性剤から成るマイクロエマルション溶液又はエマルション溶液とし、50℃〜200℃の水熱処理により、結晶性シリカ、又は結晶性アルミノ珪酸塩からなる平均粒子径Dが50nmから200nmで、0.9Dから1.1Dの範囲に粒子の80%以上が分布しているゼオライト粒子を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、触媒、吸着剤、イオン交換剤、光学材料、膜形成等で有用である、粒子径が平均粒子径付近に揃った均一性の高いナノサイズのゼオライト粒子、及びその製造方法に関するものである。
ゼオライトを触媒、吸着剤、イオン交換剤、膜、光学材料、膜形成等で利用する際に、均一な粒子径のナノサイズゼオライトが有用であることは、一般的に広く知られている。また均一な粒子径のナノサイズゼオライトについても、幾つか報告例がある。
例えば、特許文献1において、平均粒径が200nm未満であり、且つ粒径分布の幾何標準偏差が1.30未満のコロイド状ゼオライトが開示されている。特許文献1の実施例において、平均粒径が100nm、粒径分布の幾何標準偏差が1.11のA型ゼオライトとY型ゼオライトの混合物等が報告されている。
また特許文献2において、平均最大寸法が100nmまたはそれ未満であり、且つ最大寸法の分散が平均最長寸法の15%未満であるモレキュラ−シ−ブが開示されている。しかしその実施例において、具体的な最大寸法の分散は報告されていない。
更に特許文献3において、平均一次粒径が0.1μm以下であり、且つ一次粒径の変動係数が60%以下であるA型ゼオライトが開示されている。その実施例において、平均一次粒径0.03μm(変動係数:15%)の粒子A型ゼオライトが報告されている。
しかし、触媒、吸着剤、イオン交換剤、膜、光学材料、膜形成等での利用において、従来のナノサイズゼオライトの粒子径の均一性ではまだ不十分であり、更なる均一性の向上が望まれていた。特に、各種性能の向上のため、平均粒子径付近に、より多くの粒子を持つ粒径の均一性の高いナノサイズゼオライトが望まれていた。
特表平8−500574号公報 特許第3417944号公報 特開2003−146649号公報
本発明が解決しようとする課題は、触媒、吸着剤、イオン交換剤、光学材料、膜形成等で有用な、平均粒子径付近に多数の粒子を持つ粒子径の揃ったナノサイズのゼオライト粒子を提供することにある。
本発明者らはナノサイズのゼオライト粒子の合成条件について鋭意検討を重ねた結果、界面活性剤と有機溶媒の混合溶液に、Si、又は、Si及びAlのゼオライト構成成分と4級アルキルアミン水酸化物から成る複合ゾルを含む水溶液を加えて、水相及び油相及び界面活性剤から成るマイクロエマルション溶液又はエマルション溶液を作製し、50℃〜200℃の水熱処理によりゼオライト粒子を形成させることにより、結晶性シリカ、又は結晶性アルミノ珪酸塩からなる平均粒子径Dが50nmから200nmで、0.9Dから1.1Dの範囲に粒子の80%以上が分布しているゼオライト粒子が製造できることを見出し、本発明に至った。
本発明のゼオライト粒子は、結晶性シリカ、もしくは結晶性アルミノ珪酸塩からなる平均粒子径Dが50nmから200nmで、0.9Dから1.1Dの範囲に粒子の80%以上が分布している粒子である。
本発明のゼオライトは、平均粒子径付近に、より多くの粒子を持つ粒径の均一性の高いナノサイズゼオライトである。
本発明方法により、平均粒子径付近に、より多くの粒子を持つ粒径の均一性の高いナノサイズゼオライトを容易に調整することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明における、ゼオライトの構造は、限定されないが、MFI,FAU,MOR,BEA,LTL,FER,LTA構造が例示できる。これらの構造の中で、触媒、吸着剤、イオン交換剤、光学材料、膜形成等で特に有用なMFI型構造が好ましい。またゼオライトのシリカ/アルミナのモル比も限定されない(シリカ/アルミナ比=2から∞(∞であれば結晶性シリカである)の範囲で適宜選択すればよい)。更にイオン種も限定されず、H,NH,Na,K,Mg,Ca,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Agなどが例示できる。
本発明における粒子径は、一次粒子径のことをいい、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡などで測定できる。ゼオライトの一次粒子が球近似可能なときは、その直径が一次粒子径であり、球近似困難なときは、長軸径と短軸径の平均を一次粒子径とする。また平均粒子径は、個数平均による平均粒子径を用いる。
本発明のゼオライトの平均粒子径Dは、50nmから200nmであることが必須である。平均粒子径Dが50nm未満であると、ゼオライト外表面の影響を強く受け、触媒、吸着剤、イオン交換剤、光学材料、膜形成等において各種性能が低くなり、またゼオライト構造の安定性も低下するため好ましくない。また平均粒子径Dが200nmを超えると、例えば、触媒においてゼオライト結晶内での拡散の影響が大きくなり、反応の選択率が低下するなど、各種性能が低下するため好ましくない。
粒子径の均一性を表す指標としては、分散、変動係数などは、粒子径分布が正規分布であることを仮定して求めた値であるため、本発明においては、より実状に即した指標として、0.9Dから1.1Dの範囲に分布している粒子の割合を用いる。粒子の割合は、個数を基準として算出する。
本発明のゼオライトにおいて、0.9Dから1.1Dの範囲に粒子の80%以上が分布していることが必須である。80%より低いときには、触媒、吸着剤、イオン交換剤、光学材料、膜形成等での利用において、各種性能が低くなる。80%以上であれば大きい方が好ましく、特に90%以上であることが好ましい。
本発明のゼオライトは、界面活性剤と有機溶媒の混合溶液に、Si、又は、Si及びAlのゼオライト構成成分と4級アルキルアミン水酸化物から成る複合ゾルを含む水溶液を混合して、水相及び油相及び界面活性剤から成るマイクロエマルション溶液又はエマルション溶液とし、50℃〜200℃の水熱処理によりゼオライト粒子を形成させることにより製造できる。
界面活性剤と有機溶媒の混合溶液において、界面活性剤の種類は限定されないが、非イオン性界面活性剤が好ましい。特にポリオキシエチレンセチルエ−テル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレンオレイルエ−テルが好ましい。更に、ポリオキシエチレン基において、そのオキシエチレンの平均付加モル数は5から30が好ましく、5から20が最も好ましい。また、有機溶媒の種類は限定されないが、非親水性の溶媒、特にシクロヘキサン、シクロヘキセン、ノルマルヘキサンなどが好ましい。有機溶媒中における界面活性剤濃度も特に限定されないが、0.1mol/lから1mol/lが好ましく、0.3mol/lから0.5mol/lが特に好ましい。
本発明のゼオライト粒子の原料にはさらにSi、又は、Si及びAlのゼオライト構成成分と4級アルキルアミン水酸化物から成る複合ゾルを含む水溶液であることが必須である。また複合ゾルを含む水溶液には、Na、K、NH、Cl、Br、NOに例示される他の成分を含んでいても良い。
Si、又は、Si及びAlのゼオライト構成成分と4級アルキルアミン水酸化物から成る複合ゾルを含む水溶液において、Si源には、ケイ素アルコキシド、ケイ酸ナトリウムなどが例示できる。更に、Alを含むゼオライトを製造する場合には、アルミナ源として、アルミニウムアルコキシド、硝酸アルミニウムなどが例示できる。水溶液中における前記Siの濃度は、0.3mol/lから2mol/lが好ましく、0.5mol/lから1mol/lが更に好ましい。またAlの濃度は、0から0.2mol/lが好ましく、0から0.1mol/lが更に好ましい。前記原料アルコキシドとしては、炭素数1から6、好ましくは1から3の低級アルキル基を有するアルコキシドを用いることができる。
4級アルキルアミン水酸化物のアルキル基鎖の炭素数が1の場合(テトラメチルアンモニウム水酸化物)にはFAU構造のゼオライト、アルキル基鎖の炭素数が2の場合(テトラエチルアンモニウム水酸化物)にはMOR構造のゼオライト、アルキル基鎖の炭素数が3の場合(テトラプロピルアンモニウム水酸化物)にはシリカライト、ZSM−5に代表されるMFI構造のゼオライトが主に製造できる。4級アルキルアンモニウム水酸化物の濃度は0.2mol/lから0.5mol/lが例示でき、好ましくは0.3mol/lから0.4mol/lである。
Si、又は、Si及びAlのゼオライト構成成分と4級アルキルアンモニウム水酸化物から成る複合ゾルは、ゼオライトの結晶核を生成させるために、両者を混合した後、結晶化する前に熟成させることが好ましい。熟成条件としては、結晶化温度より低い温度で1時間以上保持することが好ましい。
界面活性剤と有機溶媒の混合溶液に加えるSi、又は、Si及びAlのゼオライト構成成分と4級アルキルアンモニウム水酸化物から成る複合ゾルを含む水溶液量は、界面活性剤と有機溶媒の混合溶液1リットルあたり50ccから1500cc、好ましくは80ccから100ccである。
界面活性剤と有機溶媒の混合溶液と、Si、又は、Si及びAlのゼオライト構成成分と4級アルキルアミン水酸化物から成る複合ゾルを含む水溶液の混合方法は特に限定されないが、例えば界面活性剤と有機溶媒の混合溶液に、Si、又は、Si及びAlのゼオライト構成成分と4級アルキルアミン水酸化物から成る複合ゾルを含む水溶液を滴下することが好ましい。
混合により生成したマイクロエマルション溶液若しくはエマルション溶液は、さらに高速攪拌することが好ましい。また場合によっては、マイクロエマルション溶液若しくはエマルション溶液に、ゼオライトに含有させるイオンの種類及び量を制御する等の目的で塩化ナトリウムや塩化カリウムなどの塩を添加しても良い。
次にマイクロエマルション溶液若しくはエマルション溶液は、50℃から200℃、好ましくは80℃から160℃の水熱条件下で、2時間から60時間、好ましくは10時間から48時間保持することにより結晶化する。水熱条件下では、高速攪拌していることが好ましい。
ゼオライト粒子は、結晶化終了後の液中から濾別し、ついでエタノ−ルなどの有機溶媒及び/又は水で洗浄することにより得られる。また、乾燥後、窒素及び/又は空気流通下で300℃から700℃、好ましくは400℃から600℃で焼成することにより、4級アルキルアンモニウム水酸化物及び付着する界面活性剤を除去することができる。
ゼオライトは、イオン交換、イオン担持などにより化学修飾しても良く、また場合によっては粒状若しくは膜状に成型し、触媒、吸着剤、イオン交換剤、光学材料などに用いることができる。
実施例
次に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(シリカライト(MFI型ゼオライト)粒子の製造)
内容積100mlのビ−カ−に0.5mol/l界面活性剤ポリオキシエチレン(平均付加モル数15)セチルエ−テル−シクロヘキサン溶液70ccを入れて、界面活性剤と有機溶媒との混合溶液を調製した。次に、内容積100mlのビ−カ−に50ccのイオン交換水と10重量%濃度のテトラプロピルアンモニウム水酸化物水溶液を35cc加えた。前記溶液にケイ酸エチルを15g加え、室温で24時間攪拌し、Siのゼオライト構成成分であるゼオライト前駆体を熟成させ、4級アルキルアミン水酸化物であるテトラプロピルアンモニウム水酸化物との複合ゾルを生成させた。この複合ゾルを含む水溶液10ccを、前記界面活性剤と有機溶媒との混合溶液に加え、50℃下にマグネチックスタ−ラ−で攪拌して、マイクロエマルションを調製した。このマイクロエマルション溶液を1時間よく攪拌し、内容積100ccのオ−トクレ−ブに移す。その後、攪拌下で80℃、100℃、120℃、140℃、160℃の各温度において、水熱合成を行いMFI型シリカライト粒子の製造を行った。
水熱合成後、生成した沈殿を母液から直ちに回収した。得られた沈殿は、プロパノ−ルで三回洗浄して沈殿に含まれる界面活性剤や有機溶媒を十分に除去した。この沈殿を80℃で12時間乾燥してから、空気流通下500℃で5時間焼成した。この結果、MFI型シリカライト粒子が約1.0g得られた。このようにして得られた粒子を、走査型電子顕微鏡を用いて100個以上の一次粒子径(長軸径と短軸径の平均を一次粒子径とした)を求め、平均粒子径と0.9Dから1.1Dの範囲の粒子の割合を求めた。結果を表1に示す。得られた粒子は、ナノスケ−ルで均一なMFI型シリカライト粒子であった。
(シリカライト(MFI型ゼオライト)粒子の製造)
実施例1において、界面活性剤にポリオキシエチレン(平均付加モル数15)オレイルエ−テルを用いた以外は同様にして製造を行った。
この場合、得られた粒子はMFI型ゼオライト粒子であり、その粒子径がナノスケ−ルで均一なMFI型シリカライト粒子であった。これらのMFI型シリカライト粒子の特性(実施例1と同様に算出)を表2に示す。
(シリカライト(MFI型ゼオライト)粒子の製造)
実施例1において、界面活性剤にポリオキシエチレン(平均付加モル数5)ノニルフェニルエ−テルを用いた以外は同様にして実験を行った。このとき、界面活性剤/有機溶媒/ゼオライト前駆体水溶液は、白濁したエマルション状態であった。
この場合、得られた粒子はMFI型ゼオライト粒子であり、その粒子径がナノスケ−ルで均一なMFI型シリカライト粒子であった。これらのMFI型シリカライト粒子の特性(実施例1と同様に算出)を表3に、走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。
(ZSM−5(MFI型ゼオライト)粒子の製造)
内容積100mlのビ−カ−に0.5mol/l界面活性剤ポリオキシエチレン(平均付加モル数15)オレイルエ−テル−シクロヘキサン溶液70ccを入れて、界面活性剤と有機溶媒との混合溶液を調製した。次に、内容積100mlのビ−カ−に50ccのイオン交換水と10重量%濃度のテトラプロピルアンモニウム水酸化物水溶液を35cc加える。前記溶液にケイ酸エチルを10g加え、室温で1時間攪拌する。さらに前記水溶液にアルミニウムアルコキシド(アルミニウムトリイソプロポキシド)を0.6g加え、室温で24時間攪拌し、Si及びAlのゼオライト構成成分であるゼオライト前駆体を熟成させ、4級アルキルアミン水酸化物であるテトラプロピルアンモニウム水酸化物との複合ゾルを生成させた(このゼオライト前駆体のシリカ/アルミナのモル比は約60であった)。この複合ゾルを含む水溶液10ccを、前記界面活性剤と有機溶媒との混合溶液に加え、50℃下にマグネチックスタ−ラ−で攪拌して、マイクロエマルションを調製した。このマイクロエマルション溶液を1時間よく攪拌し、内容積100ccのオ−トクレ−ブに移し、その後、攪拌下で100℃、120℃、140℃、160℃の各温度において、水熱合成を行いMFI型ゼオライト粒子の製造を行った。
水熱合成後の洗浄、乾燥、焼成処理は実施例1に従った。その後、得られた粒子を1mol/lの硝酸アンモニウム水溶液に分散させ、イオン交換処理を施し、ゼオライト中のナトリウムイオンを除去し、再度80℃乾燥、500℃焼成処理を行った。
このようにして得られた粒子は、その粒子径がナノスケ−ルで均一であり、固体酸性を有するMFI型ゼオライト粒子であった。これらのMFI型ゼオライト粒子の特性(実施例1と同様に算出)を表4に示す。
(Y型ゼオライト粒子の製造)
内容積100mlのビ−カ−に0.5mol/l界面活性剤ポリオキシエチレン(平均付加モル数15)オレイルエ−テル−シクロヘキサン溶液70ccを入れて、界面活性剤と有機溶媒との混合溶液を調製した。次に、内容積100mlのビ−カ−に50ccのイオン交換水と10%濃度のテトラメチルアンモニウム水酸化物水溶液を7.0g加える。前記溶液にケイ酸エチルを10g加え、室温で1時間攪拌する。さらに前記水溶液にアルミニウムアルコキシド(アルミニウムトリイソプロポキシド)を2.0g加え、室温で24時間攪拌し、Si及びAlのゼオライト構成成分であるゼオライト前駆体を熟成させ、4級アルキルアミン水酸化物であるテトラメチルアンモニウムとの複合ゾルを生成させた(このゼオライト前駆体のシリカ/アルミナのモル比は約10である)。この複合ゾルを含む水溶液10ccを、前記界面活性剤と有機溶媒との混合溶液に加え、50℃下にマグネチックスタ−ラ−で攪拌して、マイクロエマルションを調製した。このマイクロエマルション溶液を1時間よく攪拌し、内容積100ccのオ−トクレ−ブに移し、攪拌下で100℃、120℃、140℃の各温度において、水熱合成を行いY型ゼオライト粒子の製造を行った。
水熱合成後の洗浄、乾燥、焼成処理は実施例1に従った。その後、得られた粒子を1mol/lの硝酸アンモニウム水溶液に分散させ、イオン交換処理を施し、ゼオライト中のナトリウムイオンを除去し、再度80℃乾燥、500℃焼成処理を行った。
このようにして得られた粒子は、その粒子径がナノスケ−ルで均一であり、固体酸性を有するY型ゼオライト粒子であった。これらのY型ゼオライト粒子の特性(実施例1と同様に算出)を表5に示す。
(モルデナイト型ゼオライト粒子の製造)
内容積100mlのビ−カ−に0.5mol/l界面活性剤ポリオキシエチレン(平均付加モル数15)オレイルエ−テル−シクロヘキサン溶液70ccを入れ、界面活性剤と有機溶媒との混合溶液を調製した。次に、内容積100mlのビ−カ−に50ccのイオン交換水と10%濃度のテトラエチルアンモニウム水酸化物水溶液を80cc加えた。前記溶液にケイ酸エチルを10g加え、室温で1時間攪拌した。さらに前記水溶液にアルミニウムアルコキシド(アルミニウムトリイソプロポキシド)を1.0g加え、室温で24時間攪拌し、Si及びAlのゼオライト構成物質であるゼオライト前駆体を熟成させ、4級アルキルアミン水酸化物であるテトラエチルアンモニウム水酸化物との複合ゾルを生成させた(このゼオライト前駆体のシリカ/アルミナのモル比は約20であった)。この複合ゾルを含む水溶液を10ccを、前記界面活性剤と有機溶媒との混合溶液に加え、50℃下にマグネチックスタ−ラ−で攪拌して、マイクロエマルションを調製した。このマイクロエマルション溶液を1時間よく攪拌し、内容積100ccのオ−トクレ−ブに移し、攪拌下で100℃、120℃、140℃の各温度において、水熱合成を行いモルデナイト型ゼオライト粒子の製造を行った。
水熱合成後の洗浄、乾燥、焼成処理は実施例1に従った。その後、得られた粒子を1mol/lの硝酸アンモニウム水溶液に分散させ、イオン交換処理を施し、ゼオライト中のナトリウムイオンを除去し、再度80℃乾燥、500℃焼成処理を行った。
このようにして得られた粒子は、その粒子径がナノスケ−ルで均一であり、固体酸性を有するモルデナイト型ゼオライト粒子であった。これらのY型ゼオライト粒子の特性(実施例1と同様に算出)を表6に示す。
比較例1
(シリカライト(MFI型ゼオライト)粒子の製造)
内容積100mlのビ−カ−に50ccのイオン交換水と10%濃度のテトラプロピルアンモニウム水酸化物水溶液を35cc加えた。前記溶液にケイ酸エチルを15g加え、室温で24時間攪拌し、Siのゼオライト構成成分であるゼオライト前駆体を熟成させ、4級アルキルアミン水酸化物であるテトラプロピルアンモニウム水酸化物との複合ゾルを生成させた。この複合ゾルを含む水溶液80ccを、50℃下に1時間よく攪拌し、内容積100ccのオ−トクレ−ブに移し、攪拌下で80℃、100℃、120℃、140℃、160℃の各温度において、水熱合成を行いMFI型シリカライトの製造を行った。
水熱合成後、生成した沈殿を母液から直ちに回収し、得られた沈殿は、水で三回洗浄した。この沈殿を80℃で12時間乾燥してから、空気流通下500℃で5時間焼成した。この結果、MFI型シリカライトが約1.0g得られた。このようにして得られた粒子は、その平均粒子径が約1500nm(実施例1と同様に算出)と大きく、上記実施例で得られたMFI型ゼオライトに比べ大粒径のものしか得られなかった。
本発明のゼオライトは、平均粒子径付近に、より多くの粒子を持つ粒径の均一性の高いナノサイズゼオライトであるため、触媒、吸着剤、イオン交換剤、光学材料、膜形成等として有用である。
実施例3において140℃で合成したMFI型シリカライトの走査型電子顕微鏡写真

Claims (4)

  1. 結晶性シリカ又は結晶性アルミノ珪酸塩からなる平均粒子径Dが50nmから200nmで、0.9Dから1.1Dの範囲に粒子の80%以上が分布しているナノ結晶ゼオライト粒子。
  2. 結晶構造がMFI構造である請求項1記載のナノ結晶ゼオライト粒子。
  3. 界面活性剤と有機溶媒の混合溶液に、Si、又は、Si及びAlのゼオライト構成成分と4級アルキルアミン水酸化物から成る複合ゾルを含む水溶液を加えて、水相、油相及び界面活性剤から成るマイクロエマルション溶液又はエマルション溶液とし、50℃〜200℃の水熱処理によりゼオライト粒子を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のナノ結晶ゼオライト粒子の製造方法。
  4. 界面活性剤が非イオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項3記載のナノ結晶ゼオライト粒子の製造方法。
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