JP2003220338A - Mfi型ゼオライト系触媒の製造方法 - Google Patents
Mfi型ゼオライト系触媒の製造方法Info
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Abstract
提供。 【解決手段】本製法は、パラフィン系炭化水素中、ノニ
オン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤とカチオ
ン系界面活性剤との好適な組合せの存在下で、MFI型
ゼオライト系材料をシリカゾルに入れた分散液を乳化
し、固化させることからなる。製造された微小球の形態
を有するMFI型ゼオライト触媒は耐摩耗性に優れ、流
動床および移動床反応器中で気相での使用に好適であ
る。
Description
に関する。より詳しくは、本発明は、オキシムからアミ
ドへの転位反応に活性であり、流動床および移動床反応
器中の気相での使用に好適な、MFI型ゼオライト系触
媒の製造方法に関する。また、本発明は、上記の製法を
使用して得られる触媒、およびその触媒の使用方法にも
関する。
FI型ゼオライト(米国特許第4,359,421号)
および、より一般的には、3価の異種元素の含有量が低
いMFI型ゼオライト(ヨーロッパ特許第242,96
0号)は、多くの反応、特にオキシムからアミドへの転
位反応に使用できる触媒を製造するための基礎材料とし
て文献中で公知であり、これらの反応の中で、気相中で
行われる反応が特に重要である。例えば、ヨーロッパ特
許第234,088号には、シクロヘキサノン−オキシ
ムを、物理化学的特性が良く知られた顆粒(24〜48
メッシュ)の形態に予め形成された結晶性アルミノケイ
酸塩と気相中で接触させることにより、ε−カプロラク
タムを製造する方法が開示されている(特許文献1参
照)。
は、工業的な反応器においては、限られた使用しか許さ
れない。実際、流動床または移動床反応器を接触工程に
使用する場合、当該触媒は、平均直径が30〜100μ
mで、粒子間摩滅および反応器の壁による摩滅に対する
耐性が高いことを特徴とする微小球形態を有することが
好ましく、他方、固定床反応器を使用する場合には、当
該技術に典型的な形態(球、錠剤、等)を有し、寸法が
数ミリメートルのオーダーにあり、良好な装填耐性(l
oading resistance)を有する必要があ
る。
の凝集性は、一般的に乏しく、そのため、通常、形成段
階でゼオライト系材料を無機性質の化合物(配位子)と
組み合わせることにより、摩滅および装填に対する耐性
を得ている。
好適な、上記の特徴を備えたゼオライト系触媒は、公知
技術に広く開示されており、接触分解製法に主として使
用されている(FCC、流動接触分解触媒)。
触媒の形成において、直径100μm未満の微小球を必
要とする場合、コロイド状態にあるシリカおよび酸化ア
ルミニウムまたはシリコ−アルミネートを使用すること
により、微小球に高い耐摩滅性を与えることができる。
の球形化工程でこれらの配位子を使用すると、当該配位
子は上記の反応で完全に不活性である訳ではなく、用途
によっては、それらの触媒性能を損なうことがある。
る反応では、配位子の存在により、ゼオライト系触媒の
選択性を著しく損ない、有機ピッチの形成によって、触
媒性能を低下させることが知られている([Catalysis L
etters 17 (1993), 139-140;Catalysis Today 38 (199
7), 249-253])。
特許第576,295号には、例えば、配位子を全く加
えずに噴霧乾燥させることにより、球形のゼオライト系
材料を予備形成し、その後に続く工程で、微小球を水中
で熱処理し、それらの硬度を増加させることが提案され
ている(特許文献2参照)。
1,002,577号)では、ケイ素アルコキシドの酸
加水分解により合成された場合に、オキシムからアミド
への転位反応で実質的に不活性であるシリカ配位子の使
用が提案されている(特許文献3参照)。当該配位子を
有し、エマルジョンを経由する形成工程により得られ
る、シリカの配位子含有量は、SiO2として表して、
30重量%以上であり、流動床または移動床反応器にお
ける転位反応を行うのに好適な耐摩滅特性を有する微小
球形態の触媒が得られる。
これらの触媒中のSiO2の含有量が高いために、活性
相の触媒性能が損なわれる傾向がある。さらに、上記の
形成方法は、複雑で、経費がかかり、技術的に重要な規
模で展開するのが困難であることが判明している。
おいて、MFI型のゼオライト系化合物を基材とする微
小球形態を有し、シリカ配位子の含有量(SiO2とし
て表して)が15〜20重量%であり、現状技術の公知
組成物の含有量(SiO230%以上)よりも著しく低
いことを特徴とする触媒が得られる製法が開発された。
度が低下することにより、これらの材料の触媒性能が改
良され、オキシムからアミドへの転位反応における選択
性が、小球に形成されていないゼオライト系活性相の特
性値に近い値にまで増加し、これが、微小球の耐摩滅性
を低下させることなく行われ、この耐摩滅性が、Daviso
n Attrition Index (D.I.)法[「Advances in Flu
id Catalytic Cracking」 Catalytica, Mountain View,
Calif., Part 1, 1987, 355頁]により表して、流動床
または移動床反応器中における気相反応に通常必要とさ
れるレベル(D.I.≦6)に維持される。
連したもう一つの優位性は、触媒の生産能力[Kg・
(m3h)−1]に関連するものであり、これは、触媒
(または接触床)の単位体積(m3)あたり、毎時
(h)転化されるオキシムの量(Kg)として表され、
現状技術(ヨーロッパ特許第1,002,577号:特
許文献3)における公知組成物の能力に対して少なくと
も10%増加する。
く、生産性が高く、かつ従来使用されている高級アルコ
ールよりも経済的であり、反応混合物から容易に回収で
きる炭化水素を有機媒体として使用するという優位性も
ある。
応)、水性液相(ハイブリッドゾルの水性溶剤の残留物
に対応)、および有機液相(エマルジョンに使用する炭
化水素に対応)が触媒の製造反応器中に存在する。これ
らの相は反応器中で自然に層形成するので、容易に分離
することができ、従って、炭化水素は精製することなく
再使用することができる。
2,577号(特許文献3)に記載されている方法にお
いて採用されている有機媒体(デカノール)では、出発
混合物(シクロヘキシルアミンおよびエタノール)を構
成する有機系と混合物とを形成するので、再使用するに
は予め精製する必要がある。
剤の好適な組合せの存在下で、適切に調整したpHを有
するシリカゾル中に入れたゼオライト系材料の粒子の分
散液を乳化させ、固化させる(ゼラチン化する)ことか
らなる。
形成方法は、 a)水溶性媒体中、酸性条件下において、ケイ素アルコ
キシドを加水分解することにより、シリカゾルを製造す
る工程、 b)前記シリカゾルをMFI型ゼオライト粒子の水溶性
分散液と、混合する工程、 c)前記(b)の混合ゾル(ハイブリッドゾル)を、p
H6.0以下の値になるまで、塩基性化処理する工程、 d)前記混合ゾル(ハイブリッドゾル)を、パラフィン
系、シクロパラフィン系、または芳香族炭化水素中にお
いて、ノニオン系界面活性剤、またはノニオン系界面活
性剤とカチオン系界面活性剤の好適な組合せの存在下
で、エマルジョン化/ゲル化させる工程、を含んでな
る。
明の製造方法の工程(a)および(b)は、従来技術
(例えばヨーロッパ特許第1,002,577号)と異
なるものではないが、工程(c)および(d)は、形態
的な粒形上の特性や耐摩滅性を損なわずに、触媒組成物
中のシリカ配位子の量を明らかに減少させるものであ
り、本発明の目的である製造方法の革新的な特徴を表し
ている。
ては、有機媒体中で乳化されたハイブリッドゾル(b)
の微小滴を固化させる操作(ゲル化)は、pH(工程
c)とカチオン系界面活性剤との組み合わせ作用により
制御される。すなわち、ハイブリッドゾルのpHは、そ
のゲル化速度を調整し、乳化媒体中にカチオン系界面活
性剤が存在することにより、ゾル−ゲル転移が制御され
るため、本発明の製造方法のこの段階においては、材料
形態に悪影響を及ぼす強い粒子間凝集現象が起こるのが
阻止される。
乳化/ゲル化する製造方法においては、HLB(親水−
親油平衡)値が9未満であることを特徴とするノニオン
系乳化剤(界面活性剤)の存在下で操作する必要がある
ことは公知であり、ノニオン系界面活性剤の中でも、ソ
ルビタンモノオレエート(HLB=4.3)が現状技術
で最も良く知られている物質の一つである[Nat. Academ
y Press, 「Using OilSpill Dispersants on the Sea」 C
hap. 2 - Chemistry and Physics of Dispersants and
Dispersed Oil 28-80頁(1989)]。
かる物理化学的特性を有する界面活性剤の使用が、材料
形態を調整するのに十分であるとは言えない。すなわ
ち、乳化媒体中に分散させた混合ゾル(ハイブリッドゾ
ル)の微小滴を固化させる際に生じるフロキュレーショ
ン/凝集現象が起こるからである。かかる場合、この問
題点は、ノニオン系乳化剤と組み合わせて、[NR1R
2R3R4]+X−(式中、XはCl、Brであり、R
1、R2、R3、R4は、 同一もしくは異なる、Cn
H2n+1のアルキル基であり、1≦n≦18である)
型のカチオン系界面活性剤(第4級アンモニウム塩)を
使用することにより解決することができる。
マイド(またはセチルトリメチルアンモニウムブロマイ
ド、R1、R2、R3=CH3、R4=C16H33、
X=Br)を、HLB=4.3であることを特徴とする
ノニオン系界面活性剤のソルビタンモノオレアート(S
pan 80、商品名)と組み合わせて使用するのが、
特に好ましい態様であることが判明した。
の含有量が15〜20重量%(SiO2として表して)
であるMFI型ゼオライト系触媒組成物を球形化し、現
在公知の他の技術を用いて、例えば30重量%を超え
る、多量の配位子の存在下で得られる耐摩滅性と同等、
またはそれ以上の耐摩滅性をも維持することができる。
特に、これらの触媒組成物は、平均直径が30〜200
μmである微小球からなり、耐摩滅性が、D.I.(D
avison Index)で表して6.0未満であるこ
とを特徴とする。かかる特徴は、流動床または移動床反
応器における、オキシムからアミドへの気相転位反応に
極めて好適である。
02,577号に記載されている様な、現在公知の技術
で製造されるハイブリッドゾル(シリカゾル中に分散し
たMFI型ゼオライトの粒子)を使用することに基づく
ものである。
の製造では、例えばテトラエチルオルトシリケート(T
EOS)等のケイ素アルコキシドを、シリカ前駆物質と
して使用する。シリカオリゴマーの物理化学的特徴に起
因する加水分解条件の影響とともに、酸による触媒作用
により水溶性媒体中で当該化合物を加水分解すること
は、公知技術に広く開示されている[C.J. Brinker, G.
W. Sherer 「Sol-Gel Science. The Physic and Chemist
ry of sol-gel processing」, Academic Press Inc., 19
90]。
は、好ましくは水溶性媒体中、例えばHClおよびHN
O3等の無機酸の存在下で、H2O/TEOSのモル比
を10〜25に、pHを1.5〜3.0に調節して、T
EOSを加水分解することにより得られる。
水溶液)を、通常20〜40℃で、1〜3時間機械的に
攪拌しながら行われる。最終的な反応混合物中のアルコ
ール(特にTEOSの加水分解に由来するエタノール)
の濃度は、その後に続く操作で適切に調節できる。
30℃未満で減圧蒸留することにより、脱アルコール処
理し、濃縮することができる。
イト系化合物は、シリカライト−1、または、アルミニ
ウムならびに、例えばIII族の原子(B、Ga、In)
またはTi等の他の3価または4価の異種原子を含むゼ
オライトから選択することができる。
好適なMFI型のゼオライト系化合物は、シリカライト
−1、またはアルミニウムの含有量が低い(Si/Al
のモル比が1000を超える)、もしくは他の異種原子
の含有量が低い(Si/異原子のモル比が1000を超
える)ゼオライトから選択することができる。公知技術
として開示されている様に、当該材料は、高純度シリカ
前駆物質(例えばTEOS)、水、アルコール、有機ア
ミンまたはゼオライト系材料の結晶化抑制剤(テンプレ
ート剤)としてテトラアルキルアンモニウム(R
nN+)の陽イオンを含んでなる試薬の混合物からの水
熱合成により得られる。
子からなる反応生成物は、一般的に母液から遠心分離に
より分離し、繰り返し水洗し、過剰のテンプレート剤を
除去し、最後に乾燥させ、か焼するか、あるいは、反応
生成物を噴霧乾燥させることができる。
ては、遠心分離し、所望により水洗したゼオライト系中
間体が好適に使用される。
たは超音波装置も使用してゼオライト系材料を水溶性媒
体中に分散させ、分散条件として、材料寸法が個々の粒
子寸法程度(通常1μ未満)になるように調整する。本
発明の目的である製法では、濃縮した生成物の形態にあ
る、遠心分離し、所望により水洗したゼオライト系中間
体を使用するのが有利であり、好ましい。乾燥させたゼ
オライト系中間体では、特に、500℃以上で熱処理さ
れたゼオライト系材料である場合には、水溶性媒体中の
当該ゼオライト系材料の分散度の調製が重要になる。
イト系中間体を使用するのが好ましい条件であり、かか
る条件下では、テンプレート剤の除去が不完全であるた
めに、得られる水溶液のpHは、通常、アルカリ性であ
る。その後に続く混合操作で酸性シリカオリゴマーが重
合し、またはゲル化現象を起こすのは好ましくなく、し
たがって、かかる重合やゲル化を防ぐためには、上記の
分散液をpH5.0以下に酸性化する。
いて行うことができ、より好ましい条件としては、シリ
カ配位子の製造に使用した種類の酸、例えばHClやH
NO 3を用いて行うことができる。酸の量は、得られる
配位子/ゼオライト混合物(ハイブリッドゾル、工程
b)のpHが、好ましくは4.0未満、より好ましくは
2.0〜3.0になるように調節する。
ライト系化合物とシリカ配位子(両方共SiO2で表し
て)の重量比は5.5の値まで広げることができ、それ
によって、シリカ配位子の最小含有量が約15重量%で
ある触媒組成物が得られ、好ましいくは、シリカ配位子
の含有量が約20重量%〜約15重量%である。
オライトの濃度は、通常15〜25重量%である。
は、続いて工程(c)において、特定のpH値になる様
に塩基処理される。
させた微小滴を固化させる(ゲル化させる)速度を制御
することである。好ましい形態的な粒形上の特徴を有す
る材料を得るためには、ハイブリッドゾルのpHを6.
0以下の値、好ましくは5.2〜5.8の値にまで引き
上げる。好ましいpH条件下で操作することにより、ゲ
ル化時間は通常15〜60分間となる。
温で、無機または有機塩基の水溶液、好ましくは水酸化
アンモニウムの、例えば1M水溶液を加えることにより
行う。
化操作(工程d))は、パラフィン系または芳香族炭化
水素中で、ノニオン系界面活性剤とカチオン系界面活性
剤との両方の存在下で行う。
系炭化水素の中で、nが6〜16の値を有する化合物、
例えばn−ヘキサン、n−デカン、n−ヘキサデカンも
しくはそれらの異性体、入手が容易で経済的な炭化水素
の混合物(例えば沸点60〜100℃のリグロインまた
は燈油)、または、シクロパラフィン系化合物(例えば
シクロヘキサン)を一般的に使用する。パラフィン系炭
化水素がより好ましいが、芳香族炭化水素の中で、例え
ばトルエンおよびキシレンを使用することもできる。
る界面活性剤をノニオン系の乳化剤として通常使用し、
好ましくは、HLBが4〜7であるソルビタンモノエス
テル、特にソルビタンモノオレアート(商品名Span
80、HLB=4.3)を使用する。
2R3R4]+X−(式中、XはCl、Brであり、R
1、R2、R3、R4は、 同一であるか、または異な
った、CnH2n+1のアルキル基であり、1≦n≦1
8である)型の第4級アンモニウム塩を使用する。
マイド(またはセチルトリメチルアンモニウムブロマイ
ド、R1、R2、R3=CH3、R4=C16H33、
X=Br)を、ノニオン系界面活性剤のソルビタンモノ
オレアートと組み合わせて使用するのが、本発明の製造
方法に特に好適である。有機乳化媒体中のソルビタンモ
ノオレアートの濃度は、通常5〜15g/リットルであ
るのに対し、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド
(CTMABr)の濃度は、通常0.3g/リットル以
上であり、重量比でSpan 80/CTMABrが、
10〜40、好ましくは15〜25になるように調整す
る。
化操作では、連続相(炭化水素)と分散相(ハイブリッ
ドゾル)との体積比は、通常2.5以上、好ましくは
3.0〜5.0である。
化の温度は、一般的に20〜25℃であり、乳化媒体の
化学的性質に応じて広範囲に変動し得る。例えば、デカ
ン中では、本操作を15〜50℃の温度で行うことがで
き、この温度での限界条件下ではハイブリッドゾルの固
化(ゲル化)が急速すぎないように(おおよそ50
℃)、または、遅すぎないように(おおよそ15℃)す
るため、ゲル化時間が15分間以上または1時間未満に
なるように、ハイブリッドゾルのpHを適切に修正しな
ければならない。公知技術として知られているように、
微小球のサイズは、乳化反応器の攪拌機の回転速度およ
び/または乳化媒体の粘度を変えることにより、例えば
30〜200μmに調整することができる。
固化を完了させるために、乳化媒体中に微小球を分散さ
せた溶液を、少なくとも0.5時間、一般的には3時間
攪拌する。次いで、公知の操作および手順に従って材料
を分離する。例えば、濾過後、触媒を有機溶剤(例えば
エタノール、プロパノールおよびイソプロパノール等の
アルコール、または、例えばアセトン等のケトン)で洗
浄し、続いて乾燥させ(例えば室温または110℃以下
で)、最後に酸化性雰囲気(空気)中で、450℃を超
える温度でか焼する。通常は、ゼオライト系材料に典型
的な温度範囲内(500〜550℃)において、毎時5
0℃程度の昇温速度で、1〜10時間、好ましくは4〜
8時間、か焼する。
オライト混合物の乳化条件に応じて材料寸法が30〜2
00μmで変動し得る微小球からなる。これらの材料
は、上記の形態的な粒形上の特徴や物理化学的な特徴に
より、オキシムの気相中接触転位によるアミド製造に効
果的に使用できる。
するアミドの中でも、ε−カプロラクタムが、ポリアミ
ド樹脂や合成繊維の製造に特に重要である。
ヘキサノン−オキシムの蒸気を触媒と接触させることか
らなる、シクロヘキサノン−オキシムからε−カプロラ
クタムへの転位反応に効果的に、使用することができ
る。
577号)に従い、この反応は、例えば、0.05〜1
0barの圧力で、かつ、250〜500℃、好ましく
は300〜450℃の温度により行うことができる。
以上の溶剤と、所望により、非凝縮性ガスとが存在する
条件下で、シクロヘキサノン−オキシムを気相で供給す
る。
オキシムを、以下に記載する溶剤混合物中に、5〜25
重量%、好ましくは6〜15重量%の濃度で溶解させ、
次いで、このようにして得た溶液を蒸発させ、反応器に
供給する。
であり、ここでR1はC1〜C4のアルキル鎖であり、
R2は、水素原子、またはR1と等しいか、もしくはR
1より低い数の炭素原子を含むアルキル鎖でよい。
が特に好ましい。これらの溶剤は単独で、または互いに
混合して、もしくは、例えばベンゼンまたはトルエン等
の芳香族炭化水素と組み合わせて使用することができ
る。
は、WHSV(重量毎時空間速度)値が、シクロヘキサ
ノン−オキシムのkg/(触媒kg・h)で表して、
0.1〜50h−1、好ましくは0.5〜20h−1に
なるように制御する。
る、活性相中で高含有量(≧80%)であることをを特
徴とする触媒は、同じ物理化学的性質を有するシリカ配
位子(ヨーロッパ特許第1,002,577号)を用い
て合成された公知の材料(最高で活性相の70%)より
も高い触媒性能を有する。特に、(触媒中の活性成分の
重量に関して)同等のWHSV条件下で反応を行った場
合、活性相の濃度が高い組成物は、ε−カプロラクタム
への反応に好ましい影響を及ぼす。
しく説明するものであるが、本発明を制限するものでは
ない。
る。
AOH)の20%水溶液632gを3リットルのパイレ
ックス(登録商標)反応器に入れ、窒素で掃気する。攪
拌および窒素掃気しながら、テトラエチルオルトシリケ
ート(TEOS)555gを約5時間かけて滴下して加
える。次の日、内側がテフロン(登録商標)容器である
5リットルのオートクレーブ中に上記の溶液を入れて密
閉する。約10気圧の窒素で3回洗浄する。次いで、8
0回転/分で攪拌しながら、水熱合を140℃×24時
間行う。
乾燥させて固体を分離する。合成工程を経て得られるゼ
オライト含有懸濁液を、噴霧乾燥機に1.5リットル/
時間の割合で、入口温度230℃にして供給する。回収
された固体は、それ以上処理せずに、乾燥保存する。
体生成物を分離し、これを蒸留水で、洗浄水がpH約7
に達するまで洗浄する。得られた生成物を湿った状態に
保持し、下記の例に記載するようにして球形化する。
させ、550℃で4時間、か焼し、続いて42〜80メ
ッシュのサイズで篩にかけ、触媒活性試験(実施例6)
に使用する。
成物がMFI型ゼオライトであることが確認された。
により、低含有量(30ppm未満)のNa、K、A
l、Feが確認される。
吸収等温線)を使用して行った材料の形態分析により、
下記の結果、すなわちA.S.E.=55.1m2/
g、微細孔容積=0.183cm3/g、中細孔容積=
0.264cm3/gが得られる。
した触媒のかさ密度は0.63g/cm3である。
程にかけ、流動床または移動床反応器で使用するのに必
要な特徴とされる、球形状、機械的耐性を付与しなけれ
ばならない。
製造 シリカライト−1 80重量%を含む複合材料を製造す
るための中間体である、シリカライト−1とシリカゾル
とのハイブリッドゾルの製造を説明する。
イオン水285g、および1NのHCl 3.0gを、
機械的攪拌機、温度計および外部冷却浴を備えた100
0cm3の円筒形反応器の中に投入する。試薬を25〜
30℃で、透明な溶液となるまで攪拌し(35分間)、
次いで攪拌をさらに120分間続行する。こうして得ら
れた酸性シリカゾル(pH=2.5、力価SiO2=1
1.97%)を、使用する時まで、冷蔵庫中に5℃で保
存する。
た中間体生成物(シリカライト−1の力価 75.6
%)をシリカライト前駆物質として使用する。当該前駆
物質19.9g(シリカライト−1 15.04gに等
しい)を、脱イオン水50cm3 中に投入し、テフロ
ン(登録商標)アンカー磁気攪拌機を使用して120分
間、続いて、超音波プローブ(Sonifier, Cell Disrupto
r B15; Branson)でさらに15分間分散させる。
のHClの溶液を用いて、pH約10.5からpH2.
5に酸性化し、次いで、磁気攪拌機を使用してAのシリ
カゾル31.2gと約3分間混合する。
ることにより、Bで製造したハイブリッドゾルをpH
5.7の値に調節し、当該ハイブリッドゾルの小部分
(3〜4cm3)を試験管中に保存し、ゲル化時間を測
定する。
製造 実施例2のハイブリッドゾルを使用する、シリカライト
−1 80重量%含有のシリカライト−1/シリカ複合
材料の製造を説明する。
a)10g/リットルと、ヘキサデシルトリメチルアン
モニウムブロマイド(Aldrich)1g/リットルと
をn−デカン(Fluka、力価98%)に加えた溶液
400cm3と、ハイブリッドゾル(約100cm3)
とを、23℃で予め装填した円筒形反応器(内径100
mm、容積1000cm3)に投入し、次いで6枚の放
射状ブレードを備えた機械的攪拌機のスイッチを入れ、
その速度を500回転/分に調節する。約20分後、ハ
イブリッドゾルが固化し、速度を350回転/分に調整
して攪拌をさらに60分間続行し、次いで約60分間放
置することにより固体を沈殿させる。固化した生成物を
濾過し、アセトンで洗浄し、室温で乾燥した後、当該材
料を酸化性雰囲気(空気)中で、昇温速度50℃/hで
加熱し、550℃で4時間、か焼する。
カライト−1を80重量%を含むものである。Coul
ter LS130装置で測定した、微小球の直径中央
値(D50)は100μmである。
vison Attrition Index (D.I.)法[「Advances in
Fluid Catalytic Cracking」 Catalytica, Mountain Vi
ew,Calif., Part 1, 1987, 355頁]により測定し、FC
C反応器における使用規格に従う新しい触媒の値と一致
していることが判明した(D.I.<6)。
製造 実施例2のハイブリッドゾルを用いた実施例3に記載の
材料の他の態様として、シリカライト−1を80重量%
を含むシリカライト−1/シリカ複合材料の製造を説明
する。
デシルトリメチルアンモニウムブロマイド0.75g/
リットルとをn−デカンに加えた溶液を使用した以外
は、実施例3と同様の手順により行った。
カライト−1を80重量%を含む者であった。微小球の
直径中央値(D50)は90μmである。実施例4の触
媒の耐摩滅性を測定し、D.I.<6であることが判明
した。
製造 実施例2のハイブリッドゾルを用いた実施例3に記載の
材料の他の態様として、シリカライト−1を80重量%
を含むシリカライト−1/シリカ複合材料の製造を説明
する。
により行った。本実施例では、ソルビタンモノオレアー
ト8.5g/リットルを含むn−ヘキサン(Fluk
a、力価98%)400gを使用した。
カライト−1を80重量%を含むものである。実施例5
で得られた触媒の耐摩滅性を測定したところ、D.I.
<6であることが判明した。
する操作を説明する。
シュサイズで篩掛けしたもの)を、長さ200mm、直
径11.5mmの固定床管状反応器中で試験を行った。
Φe xt.が4mmである熱電対シースを、反応器の内
側に配置した。石英で希釈した0.5グラムの触媒を、
体積が2cm3になるまで反応器中に装填し、2層の石
英間である反応器の中央部分に配置した。
を、トルエン、メタノールおよび水の溶液中に供給す
る。反応器に投入する前に、CEOX溶液を予備加熱し
て蒸発させ、反応器中で触媒と接触する前に窒素と直接
混合する。
度に加熱し、乾燥させ、次いで触媒を溶剤混合物のみで
処理してから、反応に使用する。当該試験は、CEOX
溶液を触媒上に送ることにより開始する。
せ、試料を採集し、触媒性能を試験する。試料をガスク
ロマトグラフィーにより分析し、CEOXの転化および
ε−カプロラクタム(CPL)に対する選択性を計算す
ることにより触媒性能を評価する。
PLへの転位反応における試験の1時間後と20時間後
の触媒性能を示す。
触媒活性試験 シリカライト−1とシリカとの複合材料による触媒活性
試験を説明する。
6に記載したのと同様の方法により試験した。同じWH
SVを考慮して、触媒装填量および接触時間を変化させ
ることにより、種々の試験を行った。
間後の触媒性能を示すものである。
る手順よる、シリカライト−1とシリカとからなる微小
球状触媒の製造 シリカライト−1を70重量%を含むシリカライト−1
/シリカ複合材料の製造を説明する。
脱イオン水285gと1NのHCl3.0gとを、機械
的攪拌機、温度計および外部冷却浴を備えた1000c
m3の円筒形反応器の中に投入する。当該試薬を25〜
30℃で、透明な溶液となるまで攪拌し(約35分
間)、次いで攪拌をさらに60分間続行する。このよう
にして得られた酸性シリカゾル(pH=2.5、力価S
iO2=11.98%)を、使用する時まで、冷蔵庫中
に5℃で保存する。
成物(シリカライト−1の力価=75.6%)を、シリ
カライト前駆物質として使用する。前駆物質15.9g
(シリカライト−1 12.0gに等しい)を脱イオン
水60cm3中に投入し、テフロン(登録商標)アンカ
ー磁気攪拌機を使用して60分間、続いて、超音波プロ
ーブ(Sonifier, Cell Disruptor B15; Branson)でさら
に15分間分散させ、エタノール60cm3で希釈した
後、超音波処理をさらに10分間続行する。
el N4, 5D)の粒子からなるシリカライト−1の水−アル
コール懸濁液を、1NのHCl溶液を用いてpHが約1
0.5から2.5になるまで酸性化し、磁気攪拌機を使
用してAのシリカゾル43gと約3分間混合する。
1−デカノール(Fluka、力価98%)500cm
3を予め装填した円筒形反応器(内径100mm、容積
1000cm3)に加え、次いで6枚の放射状ブレード
を備えた機械的攪拌機のスイッチを入れ、その速度を8
00回転/分に調節する。10分後、エマルジョンを迅
速に反応器の底部から排出し、下部にある、シクロヘキ
シルアミン(Aldrich、力価99%)を10体積
%含む1−デカノール溶液300cm3が入った容器中
に、室温で攪拌しながら加える。攪拌をさらに60分間
続行し、次いで固体を約60分間放置して沈殿させ、続
いて濾過し、エタノールで繰り返し洗浄する。室温で乾
燥後、複合材料を酸化性雰囲気(空気)中、50℃/h
の昇温速度で加熱し、550℃で4時間、か焼する。
カライト−1を70重量%を含むものであった。Cou
lter LS130装置で測定した微小球の直径中央
値(D50)は、50μmである。比較例1で得られた
触媒の耐摩滅性は、Davison Attritio
n Index (D.I.)法により測定し、FCC反
応器における使用規格に従う新しい触媒の値と一致して
いることが判明した(D.I.<6)。
−1を70重量%を含む微小球状触媒の触媒活性試験 比較例1で得られた触媒を実施例6に記載したのと同様
の方法により試験を行った。同じWHSVを考慮して、
触媒装填量および接触時間を変化させて試験を行った。
表5は、試験の1時間後と20時間後の触媒性能を示す
ものである。
Claims (23)
- 【請求項1】エマルジョン/ゲル化によりMFI型ゼオ
ライト系触媒を製造する方法であって、 a)水溶性媒体中、酸性条件下において、ケイ素アルコ
キシドを加水分解することにより、シリカゾルを製造す
る工程、 b)前記シリカゾルをMFI型ゼオライト粒子の水溶性
分散液と、混合する工程、 c)前記の混合ゾル(b)を、pH6.0以下の値にな
るまで、塩基性化処理する工程、 d)前記の混合ゾルを、パラフィン系、シクロパラフィ
ン系、または芳香族炭化水素中において、ノニオン系界
面活性剤、またはノニオン系界面活性剤とカチオン系界
面活性剤の好適な組合せの存在下で、エマルジョン化/
ゲル化させる工程、 を含んでなる、ゼオライト系触媒の製造方法。 - 【請求項2】前記カチオン系界面活性剤が、式 [NR1R2R3R4]+X− (式中、XはCl、Brであり、R1、R2、R3、R
4は、 同一もしくは異なる、CnH2n+1のアルキ
ル基であり、1≦n≦18である。)の第4級アンモニ
ウム塩である、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】前記カチオン系界面活性剤が、ヘキサデシ
ルトリメチルアンモニウムブロマイド、または、セチル
トリメチルアンモニウムブロマイド(CTMABr)で
ある、請求項2に記載の方法。 - 【請求項4】前記の混合ゾルのエマルジョン化/ゲル化
を、親水−親油平衡(HLB)値が9未満であることを
特徴とするノニオン型界面活性剤を用いて行う、請求項
1に記載の方法。 - 【請求項5】前記ノニオン系界面活性剤が、HLB値4
〜7であるソルビタンモノ−エステルから選択される、
請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】前記ノニオン系界面活性剤が、ソルビタン
モノオレアートである、請求項5に記載の方法。 - 【請求項7】前記カチオン系界面活性剤が、セチルトリ
メチルアンモニウムブロマイド(CTMABr)であ
り、かつ、前記ノニオン系界面活性剤が、ソルビタンモ
ノオレアートである、請求項1〜6のいずれか1項に記
載の方法。 - 【請求項8】前記セチルトリメチルアンモニウムブロマ
イド(CTMABr)の濃度が、0.3g/リットル以
上であり、ソルビタンモノオレアート/CTMABrの
重量比が、10〜40になる様に調整され、ソルビタン
モノオレアートの濃度が、5〜15g/リットルであ
る、請求項7に記載の方法。 - 【請求項9】前記ソルビタンモノオレアート/CTMA
Brの重量比が、15〜25である、請求項8に記載の
方法。 - 【請求項10】前記シリカゾルが、テトラエチルオルト
シリケートの酸加水分解により得られる、請求項1に記
載の方法。 - 【請求項11】前記MFI型ゼオライト系化合物が、シ
リカライト−1、または、アルミニウム、もしくは、II
I族の原子またはTiのような、他の3価または4価の
異原子を含むゼオライトから選択される、請求項1に記
載の方法。 - 【請求項12】前記MFI型のゼオライト系化合物が、
シリカライト−1、または、Si/Al、もしくはSi
/(3価または4価の異原子)のモル比が1000を超
えるゼオライトから選択される、請求項11に記載の方
法。 - 【請求項13】前記混合物(b)中のMFI型ゼオライ
ト系化合物と、シリカ配位子(両方共SiO2で表し
て)との重量比が、5.5の値に調節されたものであ
る、請求項1に記載の方法。 - 【請求項14】前記混合物(b)中のMFI型ゼオライ
ト濃度が、15〜25重量%である、請求項1に記載の
方法。 - 【請求項15】前記の混合ゾル(b)の塩基処理を、p
H値5.2〜5.8になるまで行う、請求項1に記載の
方法。 - 【請求項16】前記の混合ゾル(b)の塩基処理を、無
機または有機塩基の水溶液を加えることにより行う、請
求項1に記載の方法。 - 【請求項17】前記の混合ゾルのエマルジョン化/ゲル
化を、式CnH2n+2(nは6〜16である)を有す
るパラフィン系炭化水素中で行う、請求項1に記載の方
法。 - 【請求項18】前記炭化水素と前記の混合ゾルとの体積
比が、前記のエマルジョン化/ゲル化の操作中、2.5
以上である、請求項1に記載の方法。 - 【請求項19】前記炭化水素と前記混合ゾルとの体積比
が、3.0〜5.0である、請求項18に記載の方法。 - 【請求項20】前記のエマルジョン化/ゲル化の操作
を、20℃〜25℃で行う、請求項1に記載の方法。 - 【請求項21】請求項1に記載の製造方法により得られ
る触媒組成物であって、平均直径が、30〜200μm
である微小球の形態を有し、シリカ配位子の含有量が、
15〜20重量%であり、耐摩滅性が、Davison
Indexで表して6.0未満であることを特徴とす
る、MFI型ゼオライト系触媒組成物。 - 【請求項22】請求項21に記載の触媒組成物の存在
下、気相中のオキシム接触転位によりアミドを製造する
方法。 - 【請求項23】前記アミドが、ε−カプロラクタムであ
り、前記オキシムが、シクロヘキサノン−オキシムであ
る、請求項22に記載の方法。
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