JP2005200821A - 緑液の清澄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】緑液中の不純物を凝固・凝集化させて分離し、清澄化された緑液中の鉄濃度を抑えることで、緑液の清澄度を向上させるばかりではなく、緑液清澄工程以降の苛性化工程の操業安定化を導くことができる緑液の清澄化方法を提供する。
【解決手段】クラフトパルプ製造における緑液の清澄化方法において、緑液中にアニオン系高分子凝集剤及びカチオン系高分子凝集剤を別々に添加し、緑液中に含有される不溶性不純物を凝固・凝集化させて分離することを特徴とする緑液の清澄化方法。緑液に対し、アニオン系高分子凝集剤の添加量が1〜6mg/l、カチオン系高分子凝集剤の添加量が2〜40mg/lであることや、不溶性不純物を凝固・凝集化させて分離した後の清澄緑液中の鉄濃度が10ppm以下とすることや、緑液中にアニオン系高分子凝集剤を添加した後、カチオン系高分子凝集剤を添加することが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、緑液の清澄化方法に関し、さらに詳しくは緑液中の不純物を凝固・凝集化させて分離し、清澄化された緑液中の鉄濃度を抑えることで、緑液清澄化工程以降の苛性化工程の操業安定化をもたらすことができる緑液の清澄化方法に関するものである。
クラフトパルプ製造工程においては、蒸解工程でチップをアルカリ(白液)で蒸煮してパルプを得ると共に、パルプ廃液(黒液)から蒸解薬品と熱エネルギーの回収を行う。具体的には、蒸解工程、パルプ洗浄工程、黒液濃縮工程、黒液燃焼工程、緑液製造工程、白液製造工程、石灰焼成工程の各段からなる回収工程によって薬液の回収が行われている。
緑液製造工程では、黒液を燃焼して得られるスメルトと呼ばれる無機溶融物を白液製造工程の廃液である弱液を用いて溶解して緑液を製造する。緑液製造工程に続く白液製造工程は、緑液中の炭酸ナトリウムを蒸解に必要な苛性ソーダに変える工程であり、苛性化工程と称される。
緑液製造工程で製造された緑液は次の苛性化工程へと送液されるが、緑液中にはドレッグスと呼ばれる不溶性不純物が含有されている。ドレッグスが白液中に混入すると、白液の品質を低下させるばかりでなく、白液製造工程中の白液清澄化での石灰泥の沈降性、ろ過性を悪化させることになる。また、石灰泥中にドレッグスが混入すると、キルンの能力低下や焼成石灰の品質低下を招き、生産性が悪化するばかりではなく、品質低下防止のために使用する補充石灰量を増加させなければならなくなる。このように、ドレッグスの後工程への持ち込みは操業上大きな損失を来すため、緑液を清澄化する際にドレッグスをできる限り除去することが必要である。
一般的に行われている緑液の清澄化方法としては、クラリファイヤーを用いる方法がある。また、近年では緑液を加圧条件下にて強制的にろ過することによりドレッグスを緑液から分離する方法も採用されている。
ここで緑液清澄化方法の一つである緑液クラリファイヤーを用いた緑液の清澄化方法の概略について説明する。緑液クラリファイヤーの型式として、現在は上部にストレージを持つ一段式の沈降槽が多数採用されている。ドレッグスを含んだ未処理の緑液は、緑液クラリファイヤーの中央の深い位置にフィードウェルを介して供給される。これはフィードウェル内におけるドレッグスの凝集効果を大きくすると共に、ドレッグスの緑液クラリファイヤー内の清澄層へのショートパスを防止する目的がある。
ドレッグスの凝集、沈降を早め、緑液の清澄化を促進させる目的で、従来から緑液中にアニオン系高分子凝集剤を添加する方法が採用されている。一般的に、アニオン系高分子凝集剤は緑液がフィードウェルに送られる手前に添加口が設けられ、この添加口より緑液中へ添加される。アニオン系高分子凝集剤が緑液中に十分に拡散した後、フィードウェルを経て緑液クラリファイヤー内へ送られる。
また、アニオン系高分子凝集剤に代わって、苛性化工程で必要な生石灰量のうち特定割合を事前に緑液クラリファイヤーに添加し、ドレッグスを緑液から除去する方法を採用している例もある(例えば、特許文献1参照)。
従来の方法において、比較的粒子の粗いドレッグスは緑液クラリファイヤーをはじめとする緑液の清澄化工程にて除去することが可能である。しかし、微細なドレッグスはコロイド粒子としてブラウン運動をしているため、アニオン系高分子凝集剤など単一の沈降助剤だけで効果的に凝集、沈殿させることが困難であり、緑液中から十分に除去されずに後工程へ持ち込まれていた。コロイド粒子状の微細なドレッグスが苛性化工程へ持ち込まれてしまうと、苛性化工程の操業に深刻な影響を与えることとなる。
特に、ドレッグスの緑液からの除去を阻害しているものの一つが緑液中に微量に含まれる鉄分である。緑液中の鉄分が何らかの原因により増加すると、従来の緑液の清澄化方法では緑液からドレッグスを効果的に除去できなくなる。このようにコロイド粒子状の微細なドレッグスを緑液から効果的に除去する方法が、苛性化工程全体ひいてはクラフトパルプ製造工程全体の安定した操業維持の観点から重要な技術上の課題となっていた。
特表平1−502207号公報
本発明の目的は、緑液中の不純物を凝固・凝集化させて分離し、殊に清澄化された緑液中の鉄濃度を抑えることで緑液の清澄度を向上させ、緑液清澄化工程以降の苛性化工程の操業安定化をもたらすことができる緑液の清澄化方法を提供するものである。
本発明は、緑液製造工程へ送液される緑液からドレッグスを効果的に分離除去する方法について鋭意検討を重ねた結果、アニオン系高分子凝集剤及びカチオン系高分子凝集剤をそれぞれ別々に緑液に添加し、ドレッグスを凝固・凝集化させて分離することによって、十分な緑液の清澄化が可能であることを見出し、本発明に至った。
本発明において、アニオン系高分子凝集剤の添加量が1〜6mg/l、カチオン系高分子凝集剤の添加量が2〜40mg/l(それぞれ対緑液処理量)であることが好ましい。
また、ドレッグスを凝固・凝集化させて分離した後の清澄緑液中の鉄濃度が10ppm以下になるようにアニオン系高分子凝集剤及びカチオン系高分子凝集剤を緑液に添加することが好ましい。
さらに、緑液中へのアニオン系高分子凝集剤及びカチオン系高分子凝集剤の添加は、アニオン系高分子凝集剤を添加した後、カチオン系高分子凝集剤を添加することが好ましい。
本発明の緑液の清澄化方法により、緑液中の不純物を凝固・凝集化させて分離し、清澄化された緑液中の鉄成分を低濃度に抑え、もって緑液清澄化工程以降の苛性化工程の操業安定化をもたらすことができる。
本発明は、クラフトパルプ製造における木材チップの蒸解に用いる薬液の回収及び製造を行う工程の1つである緑液製造工程へ送液される緑液からドレッグスを効果的に分離除去するクラフトパルプ製造における緑液の清澄化方法を提供するものであり、アニオン系高分子凝集剤とカチオン系高分子凝集剤の極性の異なる薬剤を用いることにより、従来方法では除去の難しかった粒子の細かいドレッグスの緑液からの効果的な除去を可能とするものである。
比較的粗い粒子のドレッグスは、その表面は通常正極に帯電しているため、アニオン系高分子凝集剤によって凝集、沈澱させることができる。しかし、比較的粒子の細かいコロイド粒子状のドレッグスは、表面が二重荷電を帯びていると考えられるため、見掛け上負極に帯電している状態にある。そのため、コロイド粒子状のドレッグスはアニオン系高分子凝集剤とは反発しあい、凝集、沈殿せずに緑液中に浮遊し、残存してしまう。そこで、粒子の細かいコロイド粒子状のドレッグスに対してはカチオン系高分子凝集剤を使用して凝固(凝結)させ、緑液クラリファイヤー等での沈降性を高め、もって清澄性の高い緑液を得るものである。
上記の方法は、清澄緑液中に残存する鉄濃度を10ppm以下に抑えることにも有効である。上述したように、ドレッグスの緑液からの除去を阻害しているものの一つが緑液中に微量に含まれる鉄分であり、緑液中の鉄分濃度が高いと、従来の緑液の清澄化方法ではドレッグスを効果的に除去できないが、アニオン系高分子凝集剤とカチオン系高分子凝集剤の極性の異なる薬剤を用いることにより、従来の方法では除去が難しかったコロイド粒子状の鉄分を緑液から効果的に除去することが可能となる。
本発明にかかるアニオン系高分子凝集剤としては、例えばポリ(メタ)アクリル酸塩系、アニオン性ポリ(メタ)アクリルアミド系、(メタ)アクリルアミド・(メタ)アクリル酸塩共重合体系などが挙げられる。商品名としては、アコフロック(三井化学アクアポリマー社製)、アサヒフロック(朝日化学工業社製)、クリファーム(栗田工業社製)、ハクトロ ン(伯東社製)などが挙げられる。
また、本発明にかかるカチオン系高分子凝集剤としては、例えばポリ(メタ)アクリル酸エステル系、特殊変性ポリ(メタ)アクリルアミド系、ポリアミン系、ポリエチレンイミン系、ジメチルアミノエチルメタクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを含む重合物などが挙げられる。商品名としてはアコフロック(三井化学アクアポリマー社製)、アサヒフロック(朝日化学工業社製)、ハイホルダー(栗田工業社製)、ハクトロン(伯東社製)などが挙げられる。
本発明において、アニオン系高分子凝集剤の添加量は、緑液に含まれるドレッグスの量やその粒子径、またアニオン系高分子凝集剤のイオン性の強さによって適宜決定すれば良いが、一般的には緑液処理量に対して1〜6mg/lが好ましい。また、カチオン系高分子凝集剤の添加量についても、緑液に含まれるドレッグスの量や特に微粒子の比率、またカチオン系高分子凝集剤のイオン性の強さによって適宜決定すれば良いが、一般的には緑液処理量に対して2〜40mg/lが好ましい。
いずれの高分子凝集剤も添加量を最適化すれば、ドレッグスのフロック形成を十分に行え、緑液からのドレッグスの分離を十分に行うことができるし、先に添加した高分子凝集剤のドレッグスとの反応余剰分が後に添加する高分子凝集剤と反応して、後添加の高分子凝集剤の効果を減殺することがない。
本発明において、アニオン系高分子凝集剤及びカチオン系高分子凝集剤は、清澄化工程においてそれぞれ別々に緑液に添加するが、好ましくは緑液クラリファイヤーに送液される緑液中に添加する。さらに好ましくは、添加方法としては最初にアニオン系高分子凝集剤を添加し、その後にカチオン系高分子凝集剤を添加することである。これにより、特に清澄緑液中の鉄濃度を10ppm以下に抑えることができる。
上述したように、アニオン系高分子凝集剤を最初に添加すると、緑液中の粒子の粗いドレッグスを中心としてフロックの形成が行われる。一方、鉄などの水酸化物を含む凝集性の劣る微細なコロイド粒子状のドレッグスはアニオン系高分子凝集剤で凝集させることが困難であり、ここにカチオン系高分子凝集剤使用の効果が発揮され、コロイド粒子状のドレッグスがカチオン系高分子凝集剤によって凝結する。そして、緑液中の凝集、凝結されたドレッグスが緑液クラリファイヤーなどの緑液清澄化工程において緑液から分離除去される。
本発明において、緑液清澄化に用いられる方法としては、重力沈降方式や強制ろ過方式が挙げられる。中でも重力沈降方式の代表的な緑液クラリファイヤーが望ましい。
本発明において、用いられる緑液クラリファイヤーとしては、例えば、多段クラリファイヤー、ユニットクラリファイヤー、貯槽兼用型クラリファイヤー、沈降濃縮式クラリファイヤーなどが挙げられ、中でも貯槽兼用型クラリファイヤーが望ましい。
以下に本発明の実施例を挙げて比較例とともに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
クラフトパルプ製造の蒸解工程でチップを白液で蒸解し、パルプを得ると共にパルプ廃液(黒液)から蒸解薬品と熱エネルギーを回収するが、回収工程に回された黒液を濃縮し、回収ボイラーで黒液を燃焼し、生成された無機溶融物(スメルト)をデゾルビングタンクにて溶解された緑液が緑液クラリファイヤーに送液される前に、最初に緑液処理量に対して中アニオン性のポリアクリルアミド系のアニオン系高分子凝集剤(栗田工業社製、商品名クリファームPA−813)を1mg/lの割合で添加し、その後、強カチオン性のポリメタアクリル酸エステル系のカチオン系高分子凝集剤(三井化学アクアポリマー社製、商品名C492Hアコフロック)を同様に緑液処理量に対して5mg/lの割合で添加し、緑液クラリファイヤーからオーバーフローする清澄緑液中に含まれる固形分の濃度とFeの濃度を下記の測定方法により測定した結果と緑液クラリファイヤーに送液される緑液中のそれと比較した結果を表1に示した。
実施例2〜5
実施例1によるアニオン系高分子凝集剤を表1に示す添加量にした以外は実施例1と同様にして緑液を処理した。
比較例1
実施例1によるアニオン系高分子凝集剤を添加しないこと以外は実施例1と同様にして緑液を処理した。
実施例6
クラフトパルプ製造の蒸解工程でチップを白液で蒸解し、パルプを得ると共にパルプ廃液(黒液)から蒸解薬品と熱エネルギーを回収するが、回収工程に回された黒液を濃縮し、回収ボイラーで黒液を燃焼し、生成された無機溶融物(スメルト)をデゾルビングタンクにて溶解された緑液が緑液クラリファイヤーに送液される前に、最初に緑液処理量に対して中アニオン性のポリアクリルアミド系のアニオン系高分子凝集剤(栗田工業社製、商品名クリファームPA−813)を3mg/lの割合で添加し、その後、強カチオン性のポリメタアクリル酸エステル系のカチオン系高分子凝集剤(三井化学アクアポリマー社製、商品名C492Hアコフロック)を同様に緑液処理量に対して2mg/lの割合で添加し、緑液クラリファイヤーからオーバーフローする清澄緑液中に含まれる固形分の濃度とFeの濃度を下記の測定方法により測定した結果と緑液クラリファイヤーに送液される緑液中のそれと比較した結果を表1に示した。
実施例7〜10
実施例6によるカチオン系高分子凝集剤を表1に示す添加量にした以外は実施例6と同様にして緑液を処理した。
比較例2
実施例6によるカチオン系高分子凝集剤を添加しないこと以外は実施例6と同様にして緑液を処理した。
実施例11
クラフトパルプ製造の蒸解工程でチップを白液で蒸解し、パルプを得ると共にパルプ廃液(黒液)から蒸解薬品と熱エネルギーを回収するが、回収工程に回された黒液を濃縮し、回収ボイラーで黒液を燃焼し、生成された無機溶融物(スメルト)をデゾルビングタンクにて溶解された緑液が緑液クラリファイヤーに送液される前に、最初に緑液処理量に対して強カチオン性のポリメタアクリル酸エステル系のカチオン系高分子凝集剤(三井化学アクアポリマー社製、商品名C492Hアコフロック)を5mg/lの割合で添加し、その後、中アニオン性のポリアクリルアミド系のアニオン系高分子凝集剤(栗田工業社製、商品名クリファームPA−813)を同様に緑液処理量に対して4mg/lの割合で添加し、緑液クラリファイヤーからオーバーフローする清澄緑液中に含まれる固形分の濃度とFeの濃度を下記の測定方法により測定した結果と緑液クラリファイヤーに送液される緑液中のそれと比較した結果を表1に示した。
実施例12〜15
実施例11によるカチオン系高分子凝集剤を表1に示す添加量にした以外は実施例11と同様にして緑液を処理した。
比較例3
実施例11によるカチオン系高分子凝集剤を添加しないこと以外は実施例11と同様にして緑液を処理した。
比較例4
クラフトパルプ製造の蒸解工程でチップを白液で蒸解し、パルプを得るとともにパルプ廃液(黒液)から蒸解薬品と熱エネルギーを回収するが、回収工程に回された黒液を濃縮し、回収ボイラーで黒液を燃焼し、生成された無機溶融物(スメルト)をデゾルビングタンクにて溶解された緑液が緑液クラリファイヤーに送液される前に、最初に緑液処理量に対して中アニオン性のポリアクリルアミド系のアニオン系高分子凝集剤(栗田工業社製、商品名クリファームPA−813)を3mg/lの割合で添加し、強カチオン性のポリメタアクリル酸エステル系のカチオン系高分子凝集剤(三井化学アクアポリマー社製、商品名C492Hアコフロック)を同様に緑液処理量に対して10mg/lの割合で同時に添加し、緑液クラリファイヤーからオーバーフローする清澄緑液中に含まれる固形分の濃度とFeの濃度を下記の測定方法により測定した結果と緑液クラリファイヤーに送液される緑液中のそれと比較した結果を表1に示した。
上記実施例及び比較例について、下記の各種測定方法により測定し、その結果を表1に示した。
<清澄緑液中の固形分濃度>
緑液クラリファイヤーからオーバーする緑液1000mlをガラス繊維ろ紙を用いてろ過し、ろ紙上に捕集されたSSを乾燥後、重量を測定し、清澄緑液1l中の固形分濃度を求めた。なお、固形分濃度は20mg/l以下であれば良好な清澄度といえる。
<清澄緑液中のFe濃度>
清澄緑液中のFe濃度は清澄緑液を10ml取り、2倍に希釈して得られたサンプルを原子吸光度計にて測定し、各緑液1l中に含まれるFeの重量として算出した。なお、清澄緑液中のFe濃度が10ppm以下のとき良好にFeの除去が行われているといえる。
<固形分除去率>
固形分除去率とは、各高分子凝集剤添加による緑液クラリファイヤーで固形分が取り除かれた割合を表し、以下の式により算出した。
固形分除去率(%)=(粗緑液中固形分濃度−清澄緑液中固形分濃度)÷粗緑液中固形分濃度×100
ここで、粗緑液中固形分濃度とは、デゾルビングタンク後緑液クラリファイヤーに揚液される前の緑液中に含まれている固形分の濃度であり、測定方法は粗緑液200mlをガラス繊維ろ紙を用いてろ過し、ろ紙上に捕集されたSSを乾燥後、重量を測定し清澄緑液1l中の固形分濃度を求めた。なお、固形分除去率が97%以上であれば良好な固形分の除去が行われているといえる。
<Fe除去率>
Fe除去率とは、各高分子凝集剤添加による緑液クラリファイヤーで鉄成分が取り除かれた割合を表し、以下の式により算出した。
Fe除去率(%)=(粗緑液中Fe濃度−清澄緑液中Fe濃度)÷粗緑液中Fe濃度×100
ここで、粗緑液、清澄緑液それぞれのFe濃度はそれぞれの緑液を10ml取り、粗緑液は10倍、清澄緑液は2倍に希釈して得られたサンプルを原子吸光度計にて測定し、各緑液1l中に含まれるFeの重量として算出した。なお、Fe除去率が77%以上のとき良好にFeの除去が行われているといえる。
Figure 2005200821
評価:
アニオン系高分子凝集剤添加した後カチオン系高分子凝集剤を添加したときのアニオン系高分子凝集剤の添加率を見極める目的で、比較例1と実施例1〜5を行い、その結果を上記表1中の比較例1と実施例1〜5に示した。比較例1のカチオン系高分子凝集剤単独の処理では、固形分濃度、固形分除去率、Fe除去率すべて実施例1〜5に劣っており、清澄度の優れた緑液が得ることができないことがわかる。一方、カチオン系高分子凝集剤の添加率を5mg/lに固定し、アニオン系高分子凝集剤の添加率を実施例1〜5のように振ったとき、アニオン系高分子凝集剤の添加率が1mg/lでも無添加に比して劇的効果を有するが、実施例2乃至4で特に良好な結果が得られた。アニオン系高分子凝集剤が添加されたことにより、比較的粒子の粗いドレッグスが初めにフロックを形成し、次にアニオン系高分子凝集剤で捕まえられなかった粒子の細かいドレッグスをカチオン系高分子凝集剤によって凝固、沈降せしめたためと考えられる。なお、アニオン系高分子凝集剤の添加率が5mg/l以上では悪化傾向にあるので、それ以上の添加は不必要であると判断できる。
次に、カチオン系高分子凝集剤の添加率を見極める目的で、アニオン系高分子凝集剤の添加率を3mg/lで固定し、比較例2と実施例6〜10を実施した。その結果、カチオン系高分子凝集剤の添加率を増加させると、緑液クラリファイヤーから得られる清澄緑液の清澄性が向上している様子が見られる。カチオン系高分子凝集剤の添加量の増加と共に、それと反応して凝結、沈降する細かい粒子のドレッグスが増えるため、カチオン系高分子凝集剤の添加率の増加に伴って清澄緑液の処理状況も改善されたと考えられる。ただし、カチオン系高分子凝集剤の添加率が6mg/l以上では緑液の処理能力に殆ど差はないため、カチオン系高分子凝集剤を6mg/l以上添加しても効果に差はないと言える。なお、比較例2から判るように、カチオン系高分子凝集剤を添加しなくても固形分濃度は大幅に改善されるが、Fe濃度は好ましい範囲にまで改善されなかった。
さらに、高分子凝集剤の添加順序を入れ替え、カチオン系高分子凝集剤を添加した後にアニオン系高分子凝集剤を添加するときの添加率の見極めを目的に、比較例3と実施例11〜15を実施した。カチオン系高分子凝集剤を先に添加する場合は、その添加率が5mg/lから効果があらわれるものの、35mg/lを超えて40mg/l添加すると、逆に余剰のカチオン系高分子凝集剤がアニオン系高分子凝集剤と反応して凝集能力を失うためか、カチオン系高分子凝集剤を5mg/l添加したとき並になった。
最後に、アニオン系高分子凝集剤とカチオン系高分子凝集剤を同時に添加したときの状況は比較例4のとおりとなり、処理状態が非常に悪いことがわかる。アニオン、カチオンそれぞれの高分子凝集剤がドレックスと反応する前に接触することによって高分子凝集剤同士がお互いに反応し、凝集能力を失うためと考えられる。したがって、アニオン系高分子凝集剤とカチオン系高分子凝集剤を併用して緑液を処理するときは、添加場所の実状に合わせて両者を別々に添加するべきであることが示された。
さらにそれぞれの高分子凝集剤の添加順序について比較してみると、アニオン系高分子凝集剤を添加した後、カチオン系高分子凝集剤を添加したときは、アニオン系高分子凝集剤を3mg/lで一定としたときカチオン系高分子凝集剤の添加率は1〜6mg/lでその効果を確認することができる。一方、カチオン系高分子凝集剤を先に添加し、その後アニオン系高分子凝集剤を添加する方法では、アニオン系高分子凝集剤の添加量を4mg/lで一定にしたとき、カチオン系高分子凝集剤は5mg/l〜40mg/lの添加率でその効果が認められた。アニオン系高分子凝集剤を先に添加すると、比較的粒子の粗いドレッグスを集めてフロックを形成する過程で細かい粒子のドレッグスの一部もそのフロックに吸着されるため、緑液中に浮遊している細かいドレッグス量がアニオン系高分子凝集剤が添加される前よりも少なくなっている。その結果、その後に添加するカチオン系高分子凝集剤の添加率がカチオン系高分子凝集剤を先に添加するときに比べて少なくなると考えられる。
本発明は、クラフトパルプ製造における緑液製造工程において清澄度の優れた緑液を得ることを可能にし、苛性化工程の安定操業をもたらす。

Claims (4)

  1. クラフトパルプ製造における緑液の清澄化方法において、該緑液中にアニオン系高分子凝集剤及びカチオン系高分子凝集剤を別々に添加し、該緑液中に含有される不溶性不純物を凝固・凝集化させて分離することを特徴とする緑液の清澄化方法。
  2. 緑液に対し、アニオン系高分子凝集剤の添加量が1〜6mg/l、カチオン系高分子凝集剤の添加量が2〜40mg/lであることを特徴とする請求項1記載の緑液の清澄化方法。
  3. 不溶性不純物を凝固・凝集化させて分離した後の清澄緑液中の鉄濃度が10ppm以下とすることを特徴とする請求項1または2記載の緑液の清澄化方法。
  4. 緑液中にアニオン系高分子凝集剤を添加した後、カチオン系高分子凝集剤を添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の緑液の清澄化方法。
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