JP6901032B1 - 緑液処理剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 緑液をより良好に処理する技術を提供すること。【解決手段】 本発明は、エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーを有効成分とする、緑液処理剤。エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーを、粗緑液に添加する、緑液処理方法;エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーを粗緑液に添加して清澄化された緑液を用いて、炭酸カルシウムを生成する消和・苛性化工程を含む、炭酸カルシウム製造方法を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、緑液処理剤、緑液処理方法、炭酸カルシウム製造方法などに関する。
パルプは、木材チップに水酸化ナトリウムを含む処理水を加え蒸解することにより製造される。そして、蒸解工程でチップをアルカリ(白液)で蒸煮してパルプを得るとともに、パルプ廃液(黒液)から蒸解薬剤と熱エネルギーの回収を行う。具体的には、蒸解工程、パルプ洗浄工程、黒液濃縮工程、黒液燃焼工程、緑液製造工程、白液製造工程、石灰焼成工程を含む回収工程によって、薬剤の回収が行われている。
黒液を燃焼して発生するスメルトには、未燃焼カーボン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化鉄、二酸化ケイ素などの不溶性不純物(ドレッグス)が含まれている。さらに、木材チップには、この不溶性不純物のもととなる、カルシウム塩、バリウム塩、リン酸塩やセルロースやリグニンなどが豊富に含まれており、不溶性不純物が生じやすい。
このドレッグスと呼ばれる不溶性不純物は、白液製造工程における炭酸カルシウムの生成などに悪影響を及ぼす。このため、緑液製造工程において、粗緑液中のドレッグスをできるだけ除去して、緑液をより良好に清澄化することが行われている。
例えば、特許文献1では、撹拌中の未清澄の緑液に、緑液を完全に苛性化するのに必要な生石灰量の0.5〜10%、好ましくは1〜5%の生石灰を添加し、その後、固形粒子が緑液から除去されることを特徴とする、緑液の清澄方法が提案されている。
特表平1−502207公報
本発明は、緑液をより良好に処理する技術を提供することを主な目的とする。
本発明者は、緑液をより良好に処理する技術について鋭意検討した結果、エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーを使用することで、緑液をより良好に処理することができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーを含有する、緑液処理剤を提供するものである。
本発明は、エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーを粗緑液に添加する緑液処理方法を提供するものである。
本発明は、エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーを粗緑液に添加することにより清澄化された緑液を用いて、炭酸カルシウムを生成する消和・苛性化工程を含む、炭酸カルシウム製造方法を提供するものである。
本発明は、エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーを粗緑液に添加することにより緑液を清澄化する緑液清澄化工程と、
当該緑液を用い、消和反応及び苛性化反応にて、炭酸カルシウムを生成する消和・苛性化工程と、を含む、炭酸カルシウム製造方法を提供するものである。
前記カチオンポリマーが、エステル結合を有さないカチオン単量体由来の構成単位を少なくとも有する重合体であり、
当該エステル結合を有さないカチオン単量体が、エステル結合を有さないアミン単量体及び/又はエステル結合を有さない第4級アンモニウム塩単量体であってもよい。
前記カチオンポリマーが、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩及び/又はその共重合体;アクリルアミド・3−アクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウム塩共重合体、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウム塩共重合体、アルキルアミン・エピクロロヒドリン重縮合物から選択される1種又は2種以上であってもよい。
前記緑液処理が、緑液清澄化であってもよい。
本発明によれば、緑液をより良好に処理する技術を提供することができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本発明の一実施形態に係る緑液製造系を備えたパルプ製造系の概略構成図であるが、本発明はこれに限定されない。 実験例1における各薬剤処理の緑液の色調(a値及びb値)の傾向を示す図である。●は、カチオン+アニオン又はカチオン1剤の各薬剤処理後の緑液の色調変化であり、○は、アニオン・両性1剤の各試薬処理の緑液の色調変化である。 実験例2における各薬剤処理の緑液の色調(a値及びb値)の傾向を示す図である。●は、カチオン+アニオン又はカチオン1剤の各薬剤処理後の緑液の色調変化であり、○は、アニオン・両性1剤の各試薬処理後の緑液の色調変化である。 エステル結合したカチオン基を持たず第4級アンモニウム塩基を持つ架橋したカチオンポリマー添加量と清澄化緑液の色調(緑方向)の変化とを示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が限定されて解釈されることはない。なお、数値における上限値と下限値は、所望により、任意に組み合わせることができる。
本発明に係る緑液処理に関する一実施形態として、図1を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。
<1.本実施形態におけるパルプ製造系及び緑液処理系>
<1−1.パルプ製造系の概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る緑液処理系を備えたパルプ製造系1の概略構成図であり、本発明はこれに限定されない。
パルプ製造系1は、蒸解系10と、黒液処理系20と、緑液清澄化系30と、消和・苛性化系40と、を備えることができる。これら系は、図1において実線で示される管で互いに連通され、全体として循環路を構成していてもよい。
以下、各構成要素について詳細に説明する。
<1−1−1.蒸解系>
蒸解系10は、蒸解釜11を有し、この蒸解釜11の下流にはパルプ精製部が設けられていてもよい。蒸解釜11には、パルプの原料である木材チップと、水酸化ナトリウムを含有する白液とが投入され、木材チップの蒸解が行われる。
これによって生じたパルプはパルプ精製部へと移送され、漂白、抄紙工程などを順次受け、紙が製造される。一方で、廃液である黒液は、水酸化ナトリウムの回収などのため、後述するエバポレータ21へと移送される。
<1−1−2.黒液処理系>
黒液処理系20は、上流から順に、エバポレータ21と、ボイラ22と、を有してもよい。黒液は、エバポレータ21で濃縮された後、ボイラ22へと移送され、このボイラ22内で燃焼される。これにより、黒液に含有されていた無機ナトリウム塩が溶融し、ボイラ22の底部からスメルトとして排出される。排出されたスメルトは、溶解タンク31へと移送される。
なお、ボイラ22には、熱エネルギーを回収するための熱回収系が設けられていてよい。このような熱回収系としては、従来公知のものが使用できる(例えば、特開平6−212586号公報参照)。
<1−1−3.緑液清澄化系>
緑液清澄化系30は、上流から順に、溶解タンク31と、緑液クラリファイア32と、緑液タンク33と、を有してもよい。スメルトは、溶解タンク31において水に撹拌され、溶解又は分散する。これにより、水酸化ナトリウムに加え、炭酸ナトリウムを豊富に含有する緑液(「粗緑液」ともいう。)が生成される。溶解タンク31には、図示しない送液ポンプが設けられており、粗緑液はこの送液ポンプに吸引され、緑液クラリファイア32へと移送される。粗緑液は、残存する未溶解成分が、緑液クラリファイア32において除去される。その後、緑液タンク33へと移送されて貯留され、やがて苛性化系41へと移送される。
本実施形態における緑液清澄化に用いられる装置として、重力沈降方式の装置、強制ろ過方式の装置などが挙げられるが、これに特に限定されない。重力沈降方式の代表的な緑液クラリファイアが好ましい。
緑液クラリファイアとして、特に限定されないが、例えば、多段クラリファイア、ユニットクラリファイア、貯槽兼用型クラリファイア、沈降濃縮式クラリファイアなどが挙げられ、このうち、貯槽兼用型が好ましい。
<1−1−4.消和・苛性化系>
消和・苛性化系40は、苛性化系41と、白液クラリファイア42と、白液タンク43と、を有してもよい。消和・苛性化系40は、この白液クラリファイア42の下流に位置するライムマッドフィルター45、キルン44をさらに有してもよい。苛性化系41、白液クラリファイア42、白液タンク43は、互いに連通され、全体として循環路を構成する。
苛性化系41へと移送された緑液は、この苛性化系41において、キルン44から供給された酸化カルシウムと混合される。この混合に関して、より詳細に説明する。
苛性化系41は、スレーカ411と、このスレーカ411の下流に位置する複数の苛性化反応槽412とを有してもよい。スレーカ411に移送された緑液(通常、90〜100℃、pH13〜14)は、同じくスレーカ411に供給された酸化カルシウムと混合される。これにより、酸化カルシウムが水で消和されて水酸化カルシウムが生成される。その後、苛性化反応槽412へと移送されると、緑液中の炭酸ナトリウムが水酸化カルシウムと反応し、水酸化ナトリウム及び炭酸カルシウムが生成される。
このようにして得られた白液は、白液クラリファイア42へと移送される。この白液クラリファイア42において、不溶性の炭酸カルシウムが沈降され分離された後、白液は白液タンク43に貯留され、やがて蒸解釜11へと循環して再利用されることになる。一方で、分離された炭酸カルシウムは、キルン44へと回収され、焙焼されて酸化カルシウムへと戻って、苛性化系41において再利用される。
<2.本実施形態における緑液処理>
本実施形態は、エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーを有効成分とする、緑液処理剤を提供することができる。
また、本実施形態は、エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマー又は当該ポリマーを含有する緑液処理剤を、粗緑液に添加する、緑液処理方法を提供することができる。
また、本実施形態は、エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマー(以下、「本実施形態のカチオンポリマー」ともいう)を粗緑液に添加して清澄化された緑液を用いて、炭酸カルシウムを生成する消和・苛性化工程を含む、炭酸カルシウム製造方法を提供することができる。
本実施形態における「緑液処理」とは、パルプ製造における、緑液清澄化工程及び/又は消和・苛性化工程における緑液処理であり、広義の意味である。
本実施形態による緑液清澄化工程において、本実施形態のカチオンポリマーを用いることで、緑液の色調(a値:緑(−60)方向)をより良好にすることができる。この緑液清澄化により、ドレッグスを含む粗緑液(被処理水)から、ドレッグスを良好に分離し、本実施形態に関する色調に優れた緑液を製造することができる。
さらに、本実施形態に関する色調(a値:(−60)緑方向)に優れた緑液を用いることで、消和・苛性化工程において、本実施形態に関する炭酸カルシウムをより良好に安定的に製造することができる。
本発明者は、エステル結合(例えば、カルボン酸エステル(R−OOC−R’)など)を持つカチオン基を有するカチオンポリマー(例えば、カチオン部分−OOC−ポリマー)を粗緑液の清澄化処理に使用したときの挙動について検討を行った。本発明者は、高pHの粗緑液下では、エステル結合を持つカチオン基を有するカチオンポリマーは、このエステル結合部分で加水分解が起こり、カチオン基が切断されるとともにアニオン基が発生することで、アニオン基を持つポリマー(例えば、HOOC−ポリマー)が生成することに着目した。本発明者は、粗緑液にポリマーを長時間使用するほど、ポリマーのエステル結合部分が加水分解され、これによってアニオン基を有するポリマーの割合が多くなると考えた。そして、本発明者は、加水分解にて生じたアニオン基と、加水分解されていないカチオン基との間で、反応が生じ、その結果、凝集物ができ、この凝集物によって、ドレッグスフィルター詰まりなどの障害を起こしやすくなると、考えた。
また、本発明者は、粗緑液が高pH側では、エステル結合を持つカチオン基を有するポリマーのカチオン性は加水分解によってますます下がるとともに、水酸化物イオンOHが多いため、ポリマー中のカチオン基が荷電中和され、ポリマー分子内の荷電の反発がなくなり、ポリマー分子が縮こまり、ポリマー特有の効果がますます発揮されなくなると、推定した。
そこで、本発明者は、鋭意検討した結果、エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーに、優れた緑液処理能力があることを見出した。
本実施形態のカチオンポリマーは、緑液が高pH状況下でも、加水分解を起こしにくい傾向にあり、水酸化物イオンOHが多くても良好な凝結作用を持つ傾向にある。このため本実施形態のカチオンポリマーを用いることにより、緑液清澄化工程を安定化させ、色調の優れた緑液を製造することができる。
さらに、本実施形態のカチオンポリマーによって製造された緑液を用いて炭酸カルシウムを生成することで、炭酸カルシウム生成後の二次凝集により粒子径をより大きくさせることができる。
生成した炭酸カルシウムの粒子径が大きくなると、石灰泥フィルターでの洗浄・脱水が良くなり、炭酸カルシウムの含水率も低減できる。含水率が低減された炭酸カルシウムを用いることで、その後のキルンの重油量を削減でき、焼成率(CaO/(CaO+CaCO)×100(%))も向上させることができる。
よって、本実施形態に関する緑液処理によって、再利用できる酸化カルシウム(生石灰)の量をより多く確保することができるので、通常購入している生石灰の量を減らすことができる。
<2−1.本実施形態に用いるカチオンポリマー>
本実施形態に用いるカチオンポリマーは、エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーである。当該ポリマーは、特に言及しなければ、ホモポリマー、及び、アクリルアミドなどとのコポリマーを含む意味である。
本実施形態のカチオンポリマーは、エステル結合を有さないカチオン単量体由来の構成単位を少なくとも有していることが好適である。前記カチオンポリマーは、エステル結合を有さないカチオン単量体由来の構成単位を有するホモポリマーであってもよいし、エステル結合を有さないカチオン単量体由来の構成単位と、他の単量体由来の構成単位とを有するコポリマーであってもよい。なお、一般的に、共重合体として、ランダム共重合体(例えば―ABABBBA―)、交互共重合体(例えば―ABABAB―)、周期的共重合体(例えば―ABBABB―)、ブロック共重合体(例えば―AAABBBBB―)、の4種類の構造があり、また、ブロック共重合体の一種にグラフト共重合体と呼ばれるものがある。
本実施形態に用いるカチオンポリマーは、エステル結合を有さないカチオン基を含有するカチオンポリマーであれば特に限定されず、例えば、緑液清澄化に使用可能なホモポリマー又はコポリマーに、エステル結合を有さないカチオン基(好適には第4級アンモニウム塩基)を導入したカチオンポリマー;エステル結合を有さないカチオン単量体を構成単位として有するホモポリマー;エステル結合を有さないカチオン単量体と、他の単量体(オリゴマーでもよい)とを、構成単位として有するコポリマー;などであってもよい。
本実施形態における「共重合体」は、特に言及されなければ、同一又は異なる、モノマー、オリゴマー及びポリマーから選択される1種又は2種以上のものを原料として重合させた共重合体を含む広義の意味である。当該「共重合体」として、例えば、「モノマー又はオリゴマー(好適にはモノマー)と、他の架橋性モノマーとを、架橋させた共重合体」、「モノマーと、他のモノマーを重合させた共重合体」などが挙げられるが、当該共重合体は、これらに限定されない。
本実施形態に用いるカチオンポリマーのコロイド当量(meq/g)は、カチオン性であれば特に限定されないが、その好適な下限値として、好ましくは0.1meq/g以上、より好ましくは0.2meq/g以上、さらに好ましくは1meq/g以上、より好ましくは3meq/g以上、さらに好ましくは4meq/g以上、より好ましくは5meq/g以上であり、その好適な上限値は特に限定されないが、例えば、15meq/g、10meq/gや8meq/gなどが挙げられ、好ましくは8meq/g以下である。当該好適な数値範囲として、好ましくは0.1〜15meq/g、より好ましくは0.2〜8meq/gである。これにより、より良好な緑液処理(例えば、緑液の成分変動に際しても、緑色清澄を保ち、ドレッグス引抜き量を安定化、炭酸カルシウム製造を安定化、など)を行うことができる。なお、当該コロイド当量の測定方法は、後述の〔実施例〕のとおりである。
本実施形態に用いるカチオンポリマーの固有粘度([η])は、特に限定されないが、その好適な下限値として、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.01以上、さらに好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.2以上であり、また、その好適な上限値として、好ましくは50以下、より好ましくは25以下、さらに好ましくは10以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下、より好ましくは1以下である。当該好適な数値範囲として、好ましくは0.2〜5である。これにより、より良好な緑液処理(例えば、緑液の成分変動に際しても、緑色清澄を保ち、ドレッグス引抜き量を安定化、炭酸カルシウム製造を安定化、など)を行うことができる。なお、当該固有粘度の測定方法は、後述の〔実施例〕のとおりである。
前記「エステル結合を有さないカチオン基」として、特に限定されないが、例えば、エステル結合を有さない第1〜第3級アミン、エステル結合を有さない第4級アンモニウム塩などが挙げられ、これらカチオン基からなる群から選択される1種又は2種以上を使用することができる。
さらに、前記エステル結合を有さないカチオン単量体は、特に限定されないが、前記エステル結合を有さないカチオン単量体として、エステル結合を有さないアミン単量体及び/又はエステル結合を有さない第4級アンモニウム塩単量体が、少なくともカチオンポリマーの構成単位として含まれることが好ましく、これら単量体のうち、エステル結合を有さない第4級アンモニウム塩単量体が好適である。
<2−1−1.アミン単量体>
前記エステル結合を有さないアミン単量体として、特に限定されないが、例えば、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミンなどの第1級、第2級ないし第3級のアルキルアミン類;モノイソプロパノールアミン、ジメチルアミノエタノール及びジエチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミンなどのアルカノールアミン類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのジアミン類;エチレンイミン及びプロピレンイミンなどのアルキレンイミン類;ピペラジン、モルホリンなど飽和ヘテロ単環やピラジン及びピリジンなど不飽和ヘテロ単環などの飽和又は不飽和の含窒素単環系;及びこれらのオリゴマーなどが挙げられる。
上記アミン基を含有する単量体における、アルキル、アルキレン、アルカノール、単環などの炭化水素部分における炭素数は、特に限定されないが、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6である。
前記アミン単量体からなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
これらのうち、前記エステル結合を有さないアミン単量体としては、アルキルアミン類、アルカノールアミン類、ジアミン類が好ましく、より好ましくはアルキルアミン類である。
また、例えば、前記アルキルアミン類の単量体には、アルキルの炭素数が2であるエチレンアミン類などが挙げられる。当該エチレンアミン類の単量体として、例えば、エチレンジアミンなどが挙げられる。当該オリゴマーとして、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ピペラジン、N−アミノエチルピペラジンなどのポリエチレンポリアミンなどが挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。

<2−1−2.第4級アンモニウム塩単量体>
前記第4級アンモニウム塩単量体として、本実施形態の効果を発揮すれば特に限定されないが、例えば、ジ(メタ)アクリル第4級アンモニウム塩単量体、ビニルアルキルアンモニウム塩単量体などが挙げられ、これらからなる群から1種又は2種以上を使用してもよい。
前記「第4級アンモニウム塩」として、本実施形態の効果を発揮すれば特に限定されないが、例えば、ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジメタクリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジエチルアンモニウムヨージド、ジアリルメチルプロピルアンモニウムヨージドなどのN,N−ジアルキル−N,N−ジ(メタ)アクリル第4級アンモニウム塩;3−アクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウムクロリド、3−メタクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウムクロリドなどのN,N,N−トリアルキル第4級アンモニウム塩−アルキル(メタ)アクリルアミドが挙げられ、これらから1種又は2種以上を用いてもよい。なお、当該塩として、特に限定されないが、ブロマイドやクロライドなどハロゲン化物などが挙げられる。
前記第4級アンモニウム塩単量体のうち、好適には、N,N−ジアルキル−N,N−ジ(メタ)アクリル第4級アンモニウム塩が、より好適には、ジアリルジメチルアンモニウム塩が、より好ましい。
前記「N,N−ジアルキル」部分における「アルキル基」は、同一であっても異なってもよく、同一が好ましく、また、当該アルキル基の炭素数は、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは、メチル、エチル、n−プロピルなどの炭素数1〜3であることが好適である。
<2−1−3.アクリルアミド単量体>
前記アクリルアミド単量体として、特に制限されず、例えば、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N,N'−メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどが挙げられ、これらから1種又は2種以上を使用することができる。
<2−1−4.本実施形態に用いるカチオンポリマーの例>
本実施形態に用いるカチオンポリマーとして、特に限定されないが、例えば、ポリアクリルアミドの部分メチロール化部分3級アミン低級アルキル化変性物、ジアリルジメチルアンモニウム塩重合体及び/又はその共重合体、アクリルアミド・3−アクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウム塩共重合体、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウム塩共重合体、アルキルアミン・エピクロロヒドリン重縮合物から選択される1種又は2種以上であるものが好ましい。これらはエステル結合のカチオン基を持たず、加水分解を受けにくいので、本発明の効果をより良好に発揮することができる。
このうち、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド及び/又はその共重合体、アクリルアミド・3−アクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウムクロライド共重合体、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウムクロライド共重合体、アルキルアミン・エピクロロヒドリン重縮合物が好ましい。
さらに、N,N’−メチレンビスアクリルアミドで架橋した、アクリルアミド・3−アクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウムクロライド共重合体、及び/又は、N,N’−メチレンビスアクリルアミドで架橋した、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウムクロライド共重合体が好ましい。
前記ジアリルジメチルアンモニウム塩(好適な塩としてクロライド)の共重合体として、ジアリルジメチルアンモニウム塩と、当該ジアリルジメチルアンモニウム塩と共重合可能な単量体との共重合体が挙げられる。
当該ジアリルジメチルアンモニウム塩と共重合可能な単量体としては、例えば、アクリルアミド、アリルアミン、ジアリルアミン、メチルジアリルアミン、アクリル酸、エピクロルヒドリン、ジメチルアミンなどが挙げられ、これらから1種又は2種以上を使用することができる。
このうち、アクリルアミド、アリルアミン、ジアリルアミンが好ましく、さらにアクリルアミドがより好ましい。
<2−2.本実施形態に用いるカチオンポリマーの製造方法>
本実施形態に用いるカチオンポリマーの製造方法に特に制限はなく、公知のカチオンポリマーの製造方法を採用することができる。カチオンポリマーの製造方法として、特に限定されないが、例えば、ラジカル重合方法、乳化重合方法、懸濁重合方法、溶液重合方法、塊状重合方法などが挙げられる。
本実施形態におけるカチオンポリマーの製造方法として、例えば、エステル結合を有さないカチオン単量体(好適には、第4級アンモニウム塩単量体)を水に添加し混合する。必要に応じて、他の単量体(好適には架橋性単量体)をさらに水に添加する。エステル結合を有さないカチオン単量体を少なくとも含む水溶液に、水溶性の重合開始剤を添加し、雰囲気を不活性ガスで置換して加熱することにより、重合させて、エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーを得ることができる。また、本実施形態のカチオンポリマーを合成する際に、オリゴマーを単量体の原料として使用することもできる。
前記他の単量体(好適には架橋性単量体)は、「エステル結合を有さないカチオン単量体」に対して、0.05〜500ppm(重量比)を用いることが好ましい。当該他の単量体(好適には架橋性単量体)の量であれば、より良好な架橋度となり、得られる本実施形態のカチオンポリマーの緑液処理剤としての性能がより良好に発揮できる。
使用する重合開始剤に特に制限はなく、例えば、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2'−アゾビスイソブチルアミド二水和物、アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系開始剤、過硫酸塩、過酸化アルキル化合物などの過酸化物と亜硫酸塩、第一鉄塩、アミン化合物などとを組み合わせたレドックス開始剤系などを挙げることができる。
また、ベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテルなどの光増感剤の存在下に、光照射して重合させることもできる。これらのなかで、水溶性のアゾ系開始剤を好適に使用することができる。
本実施形態の製造方法により、本実施形態に用いるエステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーを製造することができる。また、前記カチオンポリマーが、エステル結合を有さないカチオン単量体由来の構成単位を少なくとも有する重合体であることが好適であり、さらに架橋した重合体がより好適である。
<2−2−1.本実施形態に用いるカチオンポリマーの製造方法の一例>
本実施形態に用いるカチオンポリマーの製造方法の一例として、ジアリルジメチルアンモニウム塩重合体、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウム塩共重合体、又はアクリルアミド・3−アクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウム塩共重合体などの製造方法について、以下に説明する。
本実施形態におけるジアリルジメチルアンモニウム塩重合体(ホモポリマー)もしくは共重合体(コポリマー)、又はアクリルアミド・3−アクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウム塩共重合体の製造方法に特に制限はない。なお、当該塩は、好適にはクロライドである。
例えば、ジアリルジメチルアンモニウム塩単量体と又は3−アクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウム塩単量体と、必要に応じて他の単量体(好適には多官能の架橋性単量体)とを水に溶解し、その溶解液に水溶性の重合開始剤を添加する。添加後に雰囲気を不活性ガスで置換して加熱することにより、架橋したジアリルジメチルアンモニウム塩重合体もしくは共重合体、又は架橋したアクリルアミド・3−アクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウム塩共重合体を得ることができる。
本実施形態に使用する他の単量体として、特に制限はなく、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、N,N'−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレエート、ジアリルアミン、エチレングリコールジアリルエーテル、トリアリルアミン、トリアリルトリメリテート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルフォスフェート、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、脂肪族多価アルコールのジ又はポリグリシジルエーテル、N−メチロールアクリルアミド、グリシジルメタアクリレートなどが挙げられ、これらからなる群から1種又は2種以上使用することができる。当該他の単量体は、多官能の架橋性単量体として使用することができる。当該多官能の架橋性単量体以外の単量体を、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、さらに使用してもよく、当該多官能の架橋性単量体以外の単量体として、例えばエステル結合したカチオン単量体が実質的に含まれないこと(例えば、重合体を構成する全単量体単位100質量%中に、1.0%以下又は0.5%以下、0.1%以下など)などが挙げられる。
これらのうち、N,N'−メチレンビス(メタ)アクリルアミドを好適に使用することができる。
前記他の単量体は、ジアリルジメチルアンモニウム塩単量体、又は3−アクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウム塩単量体に対して、0.05〜500ppm(重量比)を用いることが好ましい。当該架橋性単量体の量であれば、架橋度が低くならずまた高くなりすぎず、緑液処理剤としての性能が十分に発揮できる。
本実施形態に用いるジアリルジメチルアンモニウム塩重合体の構成単位に特に制限はない。例えば、6員環のピペリジニウム環や5員環のピロリジニウム環のような環状の構造が、含まれていてもよく、また、これらの2種類の構造が共存するポリマーでもよい。このうち、ジアリルジメチルアンモニウム塩の直鎖状又は分岐状(好適には直鎖状)を構成単位とすることが好適である。
また、ジアリルジメチルアンモニウム塩共重合体は、カチオン性構成単位のみを有するカチオンポリマーでもよく、あるいは、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、共重合によりカチオン性構成単位とアニオン性構成単位を有する両性ポリマーであってよい。
ジアリルジメチルアンモニウムクロライドの共重合体としては、例えば、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドと、当該ジアリルジメチルアンモニウムクロライドと共重合可能な単量体との共重合体などが挙げられる。ジアリルジメチルアンモニウムクロライドと共重合可能な単量体としては、例えば、アクリルアミド、アリルアミン、ジアリルアミン、メチルジアリルアミン、アクリル酸、エピクロルヒドリン、ジメチルアミンなどが挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。当該共重合体のうち、架橋した重合体がより好適である。
なかでも、アクリルアミド、アリルアミン、ジアリルアミンから選択される1種又は2種以上が好ましい。
<3.本実施形態の緑液処理剤>
本実施形態の緑液処理剤は、上述した本実施形態のカチオンポリマーを有効成分として含有する。上述の<1.>及び<2.>と重複する構成については、適宜省略する。
本実施形態の緑液処理剤は、前記エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーが水に溶解又は懸濁された状態の水溶液で使用することができるが、これに特に限定されず、例えば、スラリー状、粉末状で使用することもできる。
また、本実施形態のエステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーは、有効成分として、緑液処理を良好に行うことができる。さらに、本実施形態のエステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーを、緑液処理に用いることで、緑液をより良好に清澄化することや清澄化された緑液を使用して炭酸カルシウムをより良好に生成することができる。
よって、本実施形態の前記エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーは、緑液処理剤に含有させることができ、また、緑液処理剤を製造するために使用することができる。
また、本実施形態は、緑液処理をより良好にするための、前記エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマー、又はその使用を提供することもできる。また、本実施形態は、緑液処理方法、清澄化緑液の製造方法、炭酸カルシウムの製造方法を提供することも可能である。
<3−1.任意成分>
本実施形態の緑液処理剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分としての任意の薬剤を含有又は混合することができる。
任意の薬剤として、例えば、防食剤(腐食抑制剤)、スケール防止剤、スライムコントロール剤、水等の溶媒又は分散媒体、分散剤酵素、殺菌剤及び消泡剤、アニオンポリマー、本実施形態以外のカチオンポリマー、両性ポリマー、非イオン性ポリマーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また一般的に緑液処理に使用できる各種薬剤を使用してもよい。これらからなる群から選択される1種又は2種以上を使用することができる。
このとき、本実施形態の緑液処理剤は、本実施形態のカチオンポリマーを含む一液型薬剤としてもよいし、選択された成分との組み合わせからなる二液型や三液型など多液型(例えば、薬剤キット)として用いることも可能である。また、本実施形態のカチオンポリマーを使用するときに、他の薬剤と、被処理水に対し、選択された成分を同時期に又は別々に添加してもよく、添加の順序の先後は適宜設定することできる。また、選択された任意の薬剤を、本実施形態のカチオンポリマーの添加場所と、同じ場所に、又は、その添加場所の上流又は下流であって近似する場所に、添加することが好ましい。
本実施形態の緑液処理剤は、アニオンポリマーをさらに含むことが、緑液の処理の観点やコストの観点から、好適である。このとき、本実施形態の緑液処理剤は、本実施形態のカチオンポリマーを含む一液型薬剤としてもよいし、これら組み合わせからなる二液型(例えば、薬剤キット)などとして用いることも可能である。また、当該アニオンポリマーを使用するときに、本実施形態のカチオンポリマーと、被処理水に対し、同時期に又は別々に添加してもよい。当該アニオンポリマーの添加は、本実施形態のカチオンポリマー添加場所に近似する場所で、本実施形態のカチオンポリマーの添加後又は添加前で行うことができる。さらには添加後に行うことが、より好ましい。
前記アニオンポリマーのコロイド当量(meq/g)は、アニオン性であれば特に限定されないが、その好適な上限値として、好ましくは−1.0meq/g以下、より好ましくは−2.0meq/g以下、さらに好ましくは−2.5meq/g以下であり、その好適な下限値は、好ましくは−8.0meq/g以上、より好ましくは−5.0meq/g以上、さらに好ましくは−4.5meq/g以上である。当該好適な数値範囲として、好ましくは−8.0〜−0.5meq/g、より好ましくは−4.5〜−2.5meq/gである。本実施形態のカチオンポリマーとの併用により、より良好な緑液処理(例えば、緑液の成分変動に際しても、緑色清澄を保ち、ドレッグス引抜き量を安定化、炭酸カルシウム製造を安定化、など)を行うことができる。なお、当該コロイド当量の測定方法は、後述の〔実施例〕のとおりである。
前記アニオンポリマーの固有粘度([η])は、特に限定されないが、その好適な下限値として、好ましくは1以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上、より好ましくは15以上であり、また、その好適な上限値として、好ましくは100以下、より好ましくは80以下、さらに好ましくは50以下、より好ましくは40以下である。当該好適な数値範囲として、好ましくは5〜50、より好ましくは15〜40である。本実施形態のカチオンポリマーとの併用により、より良好な緑液処理(例えば、緑液の成分変動に際しても、緑色清澄を保ち、ドレッグス引抜き量を安定化、炭酸カルシウム製造を安定化、など)を行うことができる。なお、当該固有粘度の測定方法は、後述の〔実施例〕のとおりである。
前記アニオンポリマーとして、特に限定されないが、高分子凝集剤として使用できるものを採用することが好ましく、緑液の清澄化処理に用いられるものがより好ましい。
前記アニオンポリマーとして、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸塩系重合体又は共重合体、アニオン性ポリ(メタ)アクリルアミド系、(メタ)アクリル酸塩・(メタ)アクリルアミド共重合体などが挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を使用することができる。当該塩として、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、カリウムなど)などが挙げられるが、これらに特に限定されない。
このうち、ポリ(メタ)アクリル酸塩系の重合体又は共重合体が好ましく、より好ましくは(メタ)アクリル酸塩・(メタ)アクリルアミド共重合体である。
<4.本実施形態のカチオンポリマーによる緑液処理方法>
<4−1.本実施形態の緑液処理方法>
本実施形態のカチオンポリマー又は当該ポリマーを含有する緑液処理剤(以下、「本実施形態の薬剤」ともいう)は、緑液処理系の被処理水に添加することで、緑液を処理することができる。例えば、より良好に緑液を清澄化することができ、また当該緑液から、粒径がより大きいや含水量がより少ない炭酸カルシウムを効率よく生成することもできる。なお、上述の<1.>〜<3.>と重複する構成については、適宜省略する。
<4−1−1.被処理水>
本実施形態における緑液清澄化する被処理水として、粗緑液が挙げられる。
本実施形態における被処理水中のpH(測定時20℃)は高アルカリであるが、例えば、好ましくは9以上、さらに好ましくは10以上、より好ましくは11以上、さらに好ましくは12以上、より好ましくは13以上である。
本実施形態における被処理水中の懸濁固形物(SS)は、特に限定されないが、その好適な下限値として、好ましくは100mg/L以上、より好ましくは200mg/L以上、さらに好ましくは300mg/L以上、より好ましくは400mg/L以上であり、その好適な上限値として、好ましくは1500mg/L以下、より好ましくは1000mg/L以下、さらに好ましくは900mg/L以下、より好ましくは800mg/L以下である。
本実施形態における被処理水中の全鉄は、特に限定されないが、その好適な下限値として、好ましくは1mg/L以上、より好ましくは2mg/L以上、さらに好ましくは5mg/L以上であり、その好適な上限値として、好ましくは100mg/L以下、より好ましくは80mg/L以下、さらに好ましくは50mg/L以下である。
本実施形態における被処理水中のイオン状鉄は、特に限定されないが、その好適な下限値として、好ましくは0.01mg/L以上、より好ましくは0.05mg/L以上、さらに好ましくは0.1mg/L以上であり、その好適な上限値として、好ましくは10mg/L以下、より好ましくは5mg/L以下、さらに好ましくは3mg/L以下である。
本実施形態における被処理水中の全有機体炭素(TOC)は、特に限定されないが、その好適な下限値として、好ましくは5mg/L以上、より好ましくは10mg/L以上、さらに好ましくは50mg/L以上であり、その好適な上限値として、好ましくは2000mg/L以下、より好ましくは1500mg/L以下、さらに好ましくは1000mg/L以下である。
本実施形態における被処理水の水質は特に限定されないが、pH、SS、全鉄、イオン状鉄、TOCから選択される1種又は2種以上の水質条件を考慮することが好ましい。当該水質条件が好適な範囲内にあることで、より良好な緑液処理を行うことができ、また、当該数値範囲内に被処理水がなったとき、本実施形態のカチオンポリマーを適宜使用することが、緑液の清澄化の観点や作業効率の観点から、好適である。
<4−1−2.本実施形態の薬剤の添加場所>
本実施形態の薬剤は、緑液処理系における適宜の場所に、添加することができる。当該場所としては、特に限定されず、各処理装置、処理系、配管や流路系などが挙げられる。例えば、本実施形態の薬剤の添加は、緑液処理が求められる場所又はその上流であることが好ましい。このとき、被処理水と本実施形態の薬剤が混合しやすいように、撹拌機や混合機が、その場所又は上流に備えられていることが望ましい。
また、本実施形態において、本実施形態の薬剤が緑液処理系に導入するための薬剤添加装置や、本実施形態の薬剤を緑液処理系に導入するための流路や配管を備えることが好ましい。例えば、本実施形態の薬剤を、溶解タンク31や緑液クラリファイア32に添加したり、スメルトを溶解させるための水に添加したりすることができる。
本実施形態の薬剤の添加は、溶解タンク31と緑液クラリファイア32との間が好ましく、その間に備えられている流路や配管、設備などに添加することが、作業効率の観点から、より好ましい。
また、本実施形態のカチオンポリマーと、アニオンポリマーを併用して添加する場合には、これら両者を溶解タンク31と緑液クラリファイア32との間で同時期又は別々に添加することが好ましく、緑液の処理の観点やコストの観点から、本実施形態のカチオンポリマー、次いでアニオンポリマーの順に被処理水に添加することが好適である。
<4−1−3.被処理水への本実施形態の薬剤添加量>
本実施形態のカチオンポリマーの添加量や添加期間は、被処理水の状態、流通する流体量などに応じて、適宜設定されてもよい。当該添加量は、特に限定されないが、緑液の処理の観点やコストの観点から、流体(例えば粗緑液)に対して、その好適な下限値として、好ましくは0.1mg/L以上、より好ましくは0.5mg/L以上、さらに好ましくは1mg/L以上、より好ましくは2mg/L以上、さらに好ましくは3mg/L以上であり、その好適な上限値として、1000mg/L以下、より好ましくは500mg/L以下、さらに好ましくは100mg/L以下、より好ましくは50mg/L以下、さらに好ましくは30mg/L以下、より好ましくは20mg/L以下であり、当該好適な数値範囲として、好適には0.1〜1000mg/L、より好適には1〜50mg/Lである。
なお、流通する流体の体積は、例えば、流体流路の適宜の箇所に流量計を配置し、その測定値に基づいて算出できる。
本実施形態のカチオンポリマーの添加期間は、特に限定されないが、緑液クラリファイアや緑液タンクにおける緑液の色調を確認し所望の色調になるように設定することができる。例えば、1〜24時間(好適には6〜20時間)添加後に本実施形態の効果が発揮し得るように設定することも可能である。本実施形態のカチオンポリマーは、連続又は不連続(一定間隔ごとに添加のON・OFFなど)で、添加してもよい。
本実施形態のカチオンポリマーと、アニオンポリマーを併用する場合、アニオンポリマーの添加量は、被処理水の状態、流通する流体量などに応じて、適宜設定されてもよい。
また、本実施形態のカチオンポリマー1質量部に対し、緑液の処理の観点やコストの観点から、アニオンポリマーを0.01〜1質量部を使用することが好ましく、より好ましくはアニオンポリマーを0.05〜0.5質量部である。
また、併用するときのアニオンポリマーの添加量は、特に限定されないが、緑液の処理の観点やコストの観点から、流体(例えば粗緑液)に対して、その好適な下限値として、好ましくは0.01mg/L以上、より好ましくは0.05mg/L以上、さらに好ましくは0.11mg/L以上であり、その好適な上限値として、100mg/L以下、より好ましくは50mg/L以下、さらに好ましくは10mg/L以下、より好ましくは5mg/L以下であり、当該好適な数値範囲として、好適には0.01〜100mg/L、より好適には0.01〜10mg/Lである。
本実施形態の緑液処理方法は、本実施形態の薬剤を被処理水(例えば、粗緑液)に添加し、緑液清澄化工程及び消和・苛性化工程を行うことにより、優れた清澄化緑液次いで優れた炭酸カルシウムを得ることができる。
<4−1−4.本実施形態における清澄化された緑液及び炭酸カルシウム>
本実施形態の緑液清澄化処理にて清澄化された緑液は、赤色が弱く、緑色が強いもの(a値−60方向)が好ましい。なおa値及びb値の数値の幅は±60である。
さらに、L表色系において、清澄化緑液のa値は、特に限定されないが、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下、より好ましくは0以下、さらに好ましくは−0.5以下、より好ましくは−1.0以下、さらに好ましくは−1.5以下である。なお、a値の「以下」は、−60に近づく意味である。
本実施形態の炭酸カルシウム生成処理にて生成された炭酸カルシウムは、粒径の下限値として、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、また、その上限値は特に限定されないが例えば150μm以下、100μm以下が挙げられる。粒径が大きな程、作業効率の観点や再利用の観点から好ましい。
(粒径の測定方法)
炭酸カルシウムを水に分散し、レーザ回折・散乱粒子径分布測定法(例:株式会社堀場製作所製のレーザ回折・散乱式粒子径分布測定装置LA-300)にて、炭酸カルシウムの粒径(メジアン径)を測定する。
また、生成された炭酸カルシウムの含水率は、好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下である。含水率が低い程、作業効率の観点や再利用の観点から好ましい。
(含水率の測定方法)
乾燥機による方法、赤外線による加熱乾燥の方法、近赤外線による方法などが挙げられる。
乾燥機による方法は、パルプの絶乾率を試験するJIS P 8202に準じて行われ、試料を採取して、105℃の恒温加熱乾燥器内で一晩放置して乾固させ、その後、デシケーター中で室温に戻して、乾燥前後の試料の重量差から水分量を求めることにより測定される。
赤外線による加熱乾燥の方法は、含水率を迅速に測定することができる。試料を栗田工業株式会社製「クリガンスイ」(商品名)に入れ、赤外線を照射して水分の蒸発による質量変化から含水率を測定する。
近赤外線による方法は、株式会社ケット科学研究所製の近赤外水分計「KJT−130」(商品名)などを使い行われる。近赤外線とは、可視光線より波長の長く、赤色の外側にある見えない光であり、水分に対しよく吸収するため、近赤外線を含む光を照射してその反射率を測定することで含水率を測定する。
表7に示した実施例では乾燥機による方法にて求めた。
<4−2.本実施形態の清澄化緑液及び炭酸カルシウムの製造方法>
本実施形態の薬剤を用いることで、より良好な清澄化緑液及びより良好な炭酸カルシウムを製造することができる。なお、上述の<1.>〜<3.><4−1.>と重複する構成については、適宜省略する。
本実施形態の緑液処理方法は、(A)本実施形態の薬剤を粗緑液に添加して緑液を清澄化する緑液清澄化工程と、(B)当該緑液を用い、消和反応及び苛性化反応にて、炭酸カルシウムを生成する消和・苛性化工程と、を含む、ことが好適である。
また、本実施形態の緑液処理によって、本実施形態の薬剤を粗緑液に添加して清澄化された緑液を製造すること、及び、当該緑液を用いて炭酸カルシウムを製造することができる。
本実施形態の緑液清澄化方法は、本実施形態の薬剤を粗緑液に添加して緑液を清澄化することが好適である。
本実施形態の消和・苛性化方法は、緑液清澄化方法にて得られた緑液を用いて、炭酸カルシウムを生成することが好適である。
本実施形態の炭酸カルシウム製造方法は、エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーを粗緑液に添加して清澄化された緑液を用いて、炭酸カルシウムを生成する消和・苛性化工程を含む、ことが好適である。
本実施形態の炭酸カルシウム製造方法は、(A)エステル結合したカチオン基を実質的に有さないカチオンポリマーを粗緑液に添加して緑液を清澄化する緑液清澄化工程と、(B)当該緑液を用い、消和反応及び苛性化反応にて、炭酸カルシウムを生成する消和・苛性化工程と、を含むことが好適である。
これにより、優れた炭酸カルシウムを製造することができる。
なお、本発明の処理方法を、上述した緑液処理などを管理するための装置(例えば、コンピュータ、PLC、サーバ、クラウドサービスなど)におけるCPUなどを含む制御部によって実現させることも可能である。また、本発明の処理方法を、記録媒体(不揮発性メモリ(USBメモリなど)、HDD、CD、DVD、ブルーレイなど)などを備えるハードウェア資源にプログラムとして格納し、前記制御部によって実現させることも可能である。当該制御部によって、被処理水(例えば緑液の色調調整のため)に薬剤を添加するように制御する緑液処理システムなど、当該制御部もしくは当該システムを備える装置を提供することも可能である。また、当該管理装置には、キーボードなどの入力部、ネットワークなどの通信部、ディスプレイなどの表示部などを備えてもよい。
本発明は、以下の構成を採用することも可能である。
〔1〕
エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーを含有する、緑液処理剤。
〔2〕
緑液処理剤を製造するための、エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマー又はその使用。
〔3〕
緑液処理のための、エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマー又はその使用。
〔4〕
エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマー又は当該含有処理剤を、粗緑液に添加する、緑液処理方法。当該緑液処理は、緑液清澄化及び/又は消和・苛性化もしくは炭酸カルシウム生成であることが好適である。好適な添加場所は、溶解タンクと緑液クラリファイアとの間である。
〔5〕
エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマー又は当該含有処理剤を粗緑液に添加して清澄化された緑液を用いて、炭酸カルシウムを生成する消和・苛性化工程を含む、炭酸カルシウム製造方法。
〔6〕
エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマー又は当該含有処理剤を粗緑液に添加して緑液を清澄化する緑液清澄化工程と、
当該緑液を用い、消和反応及び苛性化反応にて、炭酸カルシウムを生成する消和・苛性化工程と、を含む、炭酸カルシウム製造方法。
〔7〕
前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1つのカチオンポリマーが、エステル結合を有さないカチオン単量体由来の構成単位を少なくとも有する、重合体であることが好適である。
より好適は、当該エステル結合を有さないカチオン単量体が、エステル結合を有さないアミン単量体及び/又はエステル結合を有さない第4級アンモニウム塩単量体である。
より好適は、当該重合体が、共重合体の場合、前記エステル結合を有さないカチオン単量体由来の構成単位と、他の架橋性単量体由来の構成単位を有する、架橋した共重合体である。
〔8〕
前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1つのカチオンポリマーのコロイド当量(meq/g)は、0.1〜15meq/gであること、及び/又は、カチオンポリマーの固有粘度([η])は、0.2〜5であること、が好適である。
〔9〕
前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1つのエステル結合を有さないカチオン単量体が、第4級アンモニウム塩単量体であることが好適であり、より好適には、N,N−ジアルキル−N,N−ジ(メタ)アクリル第4級アンモニウム塩である。
〔10〕
前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1つのカチオンポリマーが、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩及び/又はその共重合体;アクリルアミド・3−アクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウム塩共重合体、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウム塩共重合体、アルキルアミン・エピクロロヒドリン重縮合物から選択される1種又は2種以上であることが好適である。当該塩として、クロライド又はブロマイドが好適である。
〔11〕
前記〔1〕〜〔10〕のいずれか1つのカチオンポリマーの添加量が、被処理水に対して、0.1〜1000mg/Lであることが好適である。
〔12〕
前記〔1〕〜〔11〕のいずれか1つのカチオンポリマーに、さらにアニオンポリマーを組み合わせて使用することが好適である。
当該アニオンポリマーとして、ポリ(メタ)アクリル酸塩系重合体又は共重合体が好適である。
当該カチオンポリマーと当該アニオンポリマーの添加順は特に限定されないが、好適には、当該カチオンポリマー次いで当該アニオンポリマーの順に被処理水に添加することが好適である。
好適には、当該カチオンポリマー1質量部に対し、当該アニオンポリマーを0.01〜1質量部を使用する。
以下の実験例や試験例などを挙げて、本発明の実施形態について説明をする。なお、本発明の範囲は実験例、試験例などに限定されるものではない。
[実験例1:薬剤1〜13/実験例2:薬剤14〜19]
実験例1における試験例(No.)1〜13において、粗緑液1(表1)と、各薬剤1〜13(表3)を用いた。
実験例2における試験例(No.)14〜19において、粗緑液2(表1)と、各薬剤14〜19(表5)を用いた。
なお、本実験例にて使用した粗緑液は、製紙工場におけるパルプ製造の際に生じたスメルト含有の粗緑液である。
また、カチオンポリマー共重合体の場合、架橋性単量体は、重量比において、カチオン基含有単量体に対して、0.1〜100ppmの範囲内にある。
実験例1及び実験例2の実験条件は、以下のとおりである。
机上試験に供した粗緑液1及び粗緑液2の水質を表1に示す。TOCの高い水質、Fe含量の多い水質の粗緑液を用いた。
Figure 0006901032
<実験条件>
緑液クラリファイア処理を、ジャーテストで机上試験にて評価実施した。
被処理水に、剤Iを添加混合後に、剤IIを添加混合した。アニオンポリマーだけの緑液処理に比べ、剤Iを使用することによる処理水の水質の改善を確認した。
緑液500mLをとり、ジャーテスターにかけて測定した。
撹拌条件 150rpm×30秒→ 60rpm×90秒
撹拌停止3分後の上澄みの写真を撮影し、色調の変化をカラーセンサー(Technidyne社製 ColorTouch 2 Model ISO)にかけてL色空間(JIS Z 8781−4)のa値、b値を求めた。緑液処理が良くなると赤色を帯びている緑液が、緑色になるため、a値が低い方が良好な処理であることを示す(参考資料1;石川 典夫、日本画像学会誌 2005年,44巻,6号,p.489−498)
<固有粘度の測定方法>
本明細書におけるポリマーの固有粘度の測定方法は、JIS K 7367−1:2002 「プラスチック─毛細管形粘度計を用いたポリマー希釈溶液の粘度の求め方─第 1 部:通則」に基づいて行うことができる。
本明細書において、カチオンポリマー、両性ポリマーの固有粘度は、0.1%、0.08%、0.06%、0.04%、0.02%濃度になるように、1.0Nの硝酸ナトリウム水溶液の溶媒で溶解し、キャノンフェンスケ型粘度計(例:草野科学製)にて30℃で測定、濃度を横軸に還元粘度を縦軸にして各値をプロットし、その直線をゼロ濃度まで外挿して固有粘度を求める。
本明細書において、アニオンポリマーの固有粘度は、0.08%、0.06%、0.05%、0.04%、0.02%濃度になるように、1.0NのNaCl水溶液の溶媒で溶解し、キャノンフェンスケ型粘度計(例:草野科学製)にて30℃で測定、濃度を横軸に還元粘度を縦軸にして各値をプロットし、その直線をゼロ濃度まで外挿して固有粘度を求める。
<イオン性(コロイド当量)の測定方法>
本明細書におけるポリマーのイオン性は、コロイド当量として算出する。本明細書における「コロイド当量(meq/g)」の測定は、「コロイド滴定法」(参考資料2;千手諒一著、南江堂(株)(S44年11月発行))に基づいて行う。
<被処理水のpH、SS、全鉄、イオン状鉄、TOCの測定方法>
pHの測定は、JIS Z 8802「pH測定方法」に基づいて行う。装置はpHメーター(株式会社堀場製作所製 型番D−52)(20℃)にて行った。
TOCの測定は、JIS K 102 22.1「工場排水試験方法 有機体炭素(TOC)」に基づいて行う。装置はTOC-L(株式会社島津製作所製)で行った。
SSの測定は、JIS K 102 14.1「工場排水試験方法 縣濁物質)」に基づいて行う。ろ過器で吸引ろ過し、乾燥後に重量を求めた。
全鉄の測定は、JIS K 102 57.4「工場排水試験方法 鉄(Fe)ICP発光分光分析法)」に基づいて行う。装置は720ICP-OES(アジレントテクノロジー株式会社製)で行った。
イオン状鉄の測定は、JIS K 102 57.4 備考14「工場排水試験方法 鉄(Fe)ICP発光分光分析法) 溶存鉄を定量する場合」に基づいて行う。装置は5110VDVICP-OESシステム(アジレントテクノロジー株式会社製)で行った。ろ紙5種Cにてろ過した試料を用いて測定した。
〔実験例1〕
実験例1で使用した各薬剤の内容を、表2及び3に示す。なお、表中の「特殊」とは、「架橋性単量体を用いて、架橋した共重合体」の意味である。
試験例12の薬剤カチオン7、試験例13の薬剤カチオン8は、それぞれN,N’−メチレンビスアクリルアミドで架橋した共重合体である。粗緑液1及び各薬剤1〜13を用いた机上評価の結果、及び薬剤カチオン1〜8について、エステル結合したカチオン基の有無、カチオン基の級、架橋構造の有無を表2に示した。表3には使用した薬剤の物性値を示す。
試験例1〜4は、種々のアニオンポリマー(薬剤アニオン1〜4)単独で、被処理水(粗緑液)の処理を行った。試験例5において、両性ポリマー(エステル結合したカチオン基を持つ、薬剤両性1単独にて、被処理水(粗緑液)の処理を行った。試験例6は、エステル結合したカチオン基を持つカチオンポリマー(薬剤カチオン1)単独にて、被処理水(粗緑液)の処理を行った。
試験例7・8において、エステル結合したカチオン基を持つカチオンポリマーを用いた薬剤カチオン2・3にて、被処理水(粗緑液)の処理を行った。
試験例9〜13において、エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーを用いた薬剤カチオン4〜8にて、被処理水(粗緑液)の処理を行った。
なお、試験例7〜13は、薬剤アニオン2に、種々のカチオンポリマー(薬剤カチオン2〜8)を追加添加したものである。
試験例1〜4の結果として、アニオンポリマー(アニオン1〜4)を用いた粗緑液の処理では、色調a値が高い傾向(+60方向)にあった。薬剤アニオン2は、薬剤アニオン1〜4の中で、a値を下げていた。
各アニオン1剤(薬剤アニオン1〜4)での処理(試験例1〜4)に比べ、両性1剤での処理(試験例5)の方が、色調が悪化した。
エステル結合したカチオン基を持つ薬剤カチオン1での処理(試験例6)では、a値の大幅な改善にまでは見られなかった。
またエステル結合したカチオン基を持つ薬剤カチオン2・3及び薬剤アニオン2の併用での処理(試験例7・8)では、緑液の色調a値を下げる改善効果が少なかった。
エステル結合したカチオン基を持たず、カチオン基が第4級塩である薬剤10〜13(薬剤カチオン4〜8)では、緑液の色調a値を下げる効果が良くなり、特に架橋構造を持つ薬剤12・13(薬剤カチオン7・8)で優れた効果を示した。
図2は、表2における各薬剤における緑液の色調(a)の結果をプロットしたものである。アニオン1剤での処理では、a値が右にあるものが、本発明のカチオン2〜8を用いた処理で、緑液の色調であるa値が、左にシフトすることがわかる。
以上のことより、試験例9〜13の結果からすると、薬剤カチオン4〜8の使用での粗緑液処理では、色調a値が低くなる傾向にある(−60方向)。特に試験例7〜13の結果からすると、特に4級塩を構成に有するポリマーの使用での粗緑液処理によって、緑液の色調a値が(−60方向)に改善された。薬剤カチオン4〜8の使用により、より優れた清澄化された緑液を得ることができ、また、不純物も大幅に減り、より優れた品質の緑液を得ることができた。
Figure 0006901032
Figure 0006901032
〔実験例2〕
実験例2で使用した各薬剤の内容を、表4及び5に示す。なお、表中の「特殊」とは、「架橋性単量体を用いて、架橋した共重合体」の意味である。試験例16の薬剤カチオン9は、N,N’−メチレンビスアクリルアミドで架橋した共重合体である。粗緑液2及び各薬剤14〜19(アニオン2、6、カチオン9〜12)を用いた机上評価の結果及び、薬剤カチオン16〜19について、エステル結合したカチオン基の有無、カチオン基の級、架橋構造の有無を表5に示した。表5には使用した薬剤の物性値を示す。
試験例14・15は薬剤アニオンだけの単独処理、試験例16〜19は薬剤アニオン6に種々のカチオンポリマー(薬剤カチオン9〜12)を追加添加したものである。
エステル結合したカチオン基がなく、第4級カチオン基を持つ薬剤(カチオン9〜12)を用いた試験例16〜19において、このカチオン9〜12には、緑液の色調a値を下げる効果があり、優れた緑液の清澄化効果を示し、より優れた品質の緑液を得ることができる。さらに、このうち架橋した薬剤であるカチオン9は、より優れた清澄化された緑液を得ることができ、また、不純物も大幅に減り、より優れた品質の緑液を得ることができた。
Figure 0006901032
Figure 0006901032
〔実験例3:試験例20〜試験例21〕
緑液クラリファイアにおいて、表6に示した粗緑液3の水質時に、従来処理薬剤(試験例20)、又は、本実施薬剤(試験例21)を、添加した際の生成したCaCOの粒径、ライムマッドフィルターでの含水率の結果を表7に示す。なお、前記(粒径の測定方法)及び(含水率の測定方法)にて、測定した。
本実施品である試験例21において、緑液処理が改善されたことで、後工程のCaCOの生成、CaCOの脱水工程での改善がみられた。
Figure 0006901032
Figure 0006901032
〔実験例4:試験例22〕
緑液クラリファイアにおいて、図4及び表8に示すように、アニオンポリマー(クリファームPA834栗田工業製)を併用した際、エステル結合したカチオン基を持たず、第4級塩のカチオン基を持つ、架橋したカチオンポリマー(薬剤カチオン9)の添加量を変化させたとき、清澄化緑液のa値の変化を示した。a*値の目標値は工場毎の操業条件によるため絶対値として示すことはできないが、この現場ではa*値がほぼ0になる点が赤色が緑色になったと判断され、薬剤カチオン9の添加量は8mg/Lと図4から推定される。
このエステル結合のカチオン基を持たない架橋したカチオンポリマーの添加量を増やすにつれ、a値が低下し、処理された緑液の色調は−60の緑方向に移動し、優れた緑液の清澄化効果があり、得られる緑液の品質が優れていたことがわかり、上記の実機試験の結果とも合致する。
Figure 0006901032
よって、エステル結合のカチオン基を持たない架橋したカチオンポリマーの薬剤を用いて粗緑液処理を行うと、色調aがより(−60方向)に改善し、より優れた清澄化された緑液を得ることができ、また、不純物も大幅に減り、より優れた品質の緑液を得ることができた。さらに、当該緑液を用いることで、より優れた炭酸カルシウムを生成することができた。
1 パルプ製造系; 10 蒸解系; 11 蒸解釜; 20 黒液処理系; 21 エバポレータ; 22 ボイラ; 30 緑液清澄(粗緑液の処理)系; 31 溶解タンク(分散); 32 緑液クラリファイア(清澄); 33 緑液タンク; 40 消和・苛性化系;; 41 苛性化系; 42 白液クラリファイア; 43 白液タンク; 44 キルン; 411 スレーカ; 412 苛性化反応槽; 45 ライムマッドフィルター

Claims (7)

  1. エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーを含有する、緑液処理剤であり、
    当該カチオンポリマーが、エステル結合を有さないカチオン単量体由来の構成単位を少なくとも有し、更にアクリルアミド単量体の構成単位を有する重合体であり、
    当該エステル結合を有さないカチオン単量体が、エステル結合を有さないアミン単量体及び/又はエステル結合を有さない第4級アンモニウム塩単量体である、請求項1に記載の緑液処理剤。
  2. エステル結合したカチオン基を有さないカチオンポリマーを含有する、緑液処理剤であり
    当該カチオンポリマーが、エステル結合を有さないカチオン単量体由来の構成単位を少なくとも有する重合体であり、
    当該エステル結合を有さないカチオン単量体が、エステル結合を有さないアミン単量体及び/又はエステル結合を有さない第4級アンモニウム塩単量体であり、
    当該カチオンポリマーが、N,N'−メチレンビス(メタ)アクリルアミドで架橋したポリジアリルジメチルアンモニウム塩、アクリルアミド・3−アクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウム塩共重合体、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウム塩共重合体、アルキルアミン・エピクロロヒドリン重縮合物から選択される1種又は2種以上である、緑液処理剤。
  3. 前記カチオンポリマーが、N,N'−メチレンビスアクリルアミドで架橋したポリジアリルジメチルアンモニウム、アクリルアミド・3−アクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウム塩共重合体、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウム塩共重合体から選択される1種又は2種以上である、請求項1に記載の緑液処理剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の緑液処理剤を粗緑液に添加する緑液処理方法。
  5. 前記緑液処理が、緑液清澄化である、請求項4に記載の緑液処理方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の緑液処理剤を粗緑液に添加することにより清澄化された緑液を用いて、炭酸カルシウムを生成する消和・苛性化工程を含む、炭酸カルシウム製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の緑液処理剤を粗緑液に添加することにより緑液を清澄化する緑液清澄化工程と、
    当該緑液を用い、消和反応及び苛性化反応にて、炭酸カルシウムを生成する消和・苛性化工程と、を含む、炭酸カルシウム製造方法。
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