JP2017209651A - 紙パルプ汚泥の処理方法 - Google Patents

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勝寿 久保
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哲 竹林
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Abstract

【課題】少ない量の脱水剤の使用でも、脱水時の懸濁物質(SS)のリークが少なく、紙パルプ汚泥を低含水率の汚泥ケーキにすることができる紙パルプ汚泥の処理方法の提供。【解決手段】紙パルプ汚泥に、30℃、1N−NaNO3における固有粘度が0.5〜5.0dL/gであり且つジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級アンモニウム塩に由来する構造単位を少なくとも有するカチオン性の水溶性ポリマー(A)と、30℃、1N−NaNO3における固有粘度が5.0dL/g超過であり且つジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級アンモニウム塩に由来する構造単位を少なくとも有するカチオン性若しくは両性の水溶性ポリマー(B)とを添加して、脱水する紙パルプ汚泥の処理方法。【選択図】図1

Description

本発明は紙パルプ汚泥の処理方法に関する。より詳細に、本発明は少ない量の脱水剤の使用でも、脱水時の懸濁物質(SS:SuspendedSolid)のリークが少なく、紙パルプ汚泥を低含水率の汚泥ケーキにすることができる紙パルプ汚泥の処理方法に関する。
紙パルプ汚泥の処理には、各種の凝結剤または脱水剤が用いられている。
例えば、特許文献1は、カチオン性構造単位5〜100モル%及び非イオン性構造単位0〜95モル%を各々含有するカチオン性水溶性高分子(A)と、カチオン性構造単位5〜70モル%、アニオン性構造単位5〜50モル%及び非イオン性構造単位0〜90モル%を各々含有する両性水溶性高分子(B)との混合物を添加し、次いでこれにアニオン性水溶性高分子を添加することを含む製紙スラッジの脱水方法を開示している。
特許文献2は、パルプ又は製紙工業汚泥に無機凝集剤を添加し、次いでこれにアクリロイル基を有するカチオン性単量体単位10〜40モル%、アニオン性単量体単位3〜20モル%、およびその他のラジカル重合性単量体単位40〜87モル%を有しかつカチオン当量Cvに対するアニオン当量Avの比Av/Cvが1.2未満である両性高分子凝集剤を添加し、脱水することを有するパルプ又は製紙工業汚泥の脱水方法を開示している。
特許文献3は、パルプ又は製紙工業汚泥にカチオン性化合物または無機凝集剤を添加し、次いで(1)ジアルキルアミノエチルメタクリレートの四級アンモニウム塩に由来する構造単位、(2)ジアルキルアミノエチルアクリレートの四級アンモニウム塩に由来する構造単位、(3)(メタ)アクリル酸若しくはその塩に由来する構造単位および(4)(メタ)アクリルアミドに由来する構造単位をモル比(3)/((1)+(2))0.8未満で有する両性高分子凝集剤を添加して脱水処理することを有するパルプ又は製紙工業汚泥の脱水方法を開示している。
特許文献4は、(a)有機質汚泥に有機凝結剤を添加、混合し、(b)これにノニオン及び/又はアニオン性高分子凝集剤を添加、混合し、(c)次いで、これにカチオン性高分子凝集剤を添加、混合し、(d)その後、有機質汚泥を機械的に脱水することを特徴とする、有機質汚泥の脱水処理方法を開示している。
特許文献5は、製紙スラッジに対し、塩水溶液中でイオン性高分子分散剤を共存させ分散重合法により製造した高分子分散液からなる非イオン性水溶性高分子を添加、混合した後、カチオン性および/または両性高分子凝集剤を添加、混合した後、脱水機により脱水することを特徴とする製紙スラッジの脱水方法を開示している。
特許文献6は、カチオン性あるいは両性水性高分子(A)を添加した後、共重合率あるいは異なる単量体を使用してなるカチオン性あるいは両性水性高分子(B)を添加することを特徴とする汚泥脱水方法を開示している。
特許文献7は、汚泥に無機凝集剤を加え、これに第1の高分子凝集剤の溶液を加えて撹拌して混合汚泥を得、次いで該混合汚泥に第2の高分子凝集剤の溶液を加え混合して凝集フロックを形成させて凝集汚泥を得ることを有する汚泥の処理方法を開示している。
特開2003−181500号公報 特開2001−149703号公報 特開2001−179300号公報 特開2008−194550号公報 特開2001−286899号公報 特開2012−245464号公報 特開2014−050830号公報
本発明の目的は、少ない量の脱水剤の使用でも、脱水時の懸濁物質(SS)のリークが少なく、紙パルプ汚泥を低含水率の汚泥ケーキにすることができる紙パルプ汚泥の処理方法を提供することである。
上記目的を達成するために検討した結果、以下の形態を包含する本発明を完成するに至った。
〔1〕紙パルプ汚泥に、30℃、1N−NaNO3における固有粘度が0.5〜5.0dL/gであり且つジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級アンモニウム塩に由来する構造単位(I)を少なくとも有するカチオン性の水溶性ポリマー(A)と、30℃、1N−NaNO3における固有粘度が5.0dL/g超過であり且つジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級アンモニウム塩に由来する構造単位(I)を少なくとも有するカチオン性若しくは両性の水溶性ポリマー(B)とを添加して、
脱水すること
を有する紙パルプ汚泥の処理方法。
〔2〕前記水溶性ポリマー(A)は、カチオン性単量体に由来する構造単位の総量が、水溶性ポリマー(A)に含まれる全構造単位に対して、70モル%以上である、〔1〕に記載の方法。
〔3〕紙パルプ汚泥に、前記水溶性ポリマー(A)を添加して撹拌し、
次いで、これに、前記水溶性ポリマー(B)を添加する、〔1〕または〔2〕に記載の方法。
本発明の紙パルプ汚泥の処理方法によれば、少ない量の脱水剤の使用でも、懸濁物質(SS)のリークが少なく、紙パルプ汚泥を低含水率の汚泥ケーキにすることができる。
本発明の処理方法を実施するための装置の一例を示す図である。
本発明に係る紙パルプ汚泥の処理方法は、紙パルプ汚泥に、水溶性ポリマー(A)と水溶性ポリマー(B)とを添加して、脱水することを有するものである。
紙パルプ汚泥は、紙パルプ製造工場から発生する汚泥である。該汚泥は、無薬注で自然に沈殿させたもの(単沈汚泥)、凝集剤によって凝集させられたもの(凝集汚泥)、生物処理が施されたもの(生物処理汚泥)などのいずれであってもよい。本発明において好ましく適用し得る紙パルプ汚泥は、懸濁物質(SS)中の繊維分の割合が、10%以上のものである。なお、繊維分とは100メッシュ(目開き0.150mm)のスクリーンでろ過した際のフィルター上の有機物残渣である。
本発明に用いられる水溶性ポリマー(A)は、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級アンモニウム塩に由来する構造単位(以下、カチオン性構造単位(I)ということがある。)を少なくとも有するカチオン性の水溶性ポリマーである。
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級アンモニウム塩は、例えば、式(I)で表される単量体である。

Figure 2017209651

式(I)中、R1は、アルキル基、アラルキル基などであり、R2は水素原子またはメチル基であり、X-は対アニオンである。
1におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などを挙げることができる。R1におけるアラルキル基としては、フェニルメチル基、2−フェニルエチル基などを挙げることができる。R1はメチル基が最も好ましい。
対アニオンの具体例としては、ハロゲン化物イオン、スルフェートイオン、ホスフェートイオン、ボレートイオン、有機酸アニオンなどを挙げることができる。これらのうちハロゲン化物イオンが好ましく、塩化物イオンがより好ましい。
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級アンモニウム塩の具体例としては、2−(メタ)アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルジメチルエチルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルジメチルn−プロピルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルジメチルイソプロピルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルジメチルn−ブチルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルジメチルsec−ブチルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルジメチルイソブチルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩などを挙げることができる。
水溶性ポリマー(A)に含まれるカチオン性構造単位(I)の量は、特に制限されないが、水溶性ポリマー(A)に含まれる全構造単位に対して、好ましくは65〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%である。水溶性ポリマー(A)は、カチオン性構造単位(I)以外のカチオン性構造単位(I')を有してもよく、カチオン性構造単位の総量が、水溶性ポリマー(A)に含まれる全構造単位に対して、好ましくは65モル%以上、より好ましくは70モル%以上である。このようにカチオン度の高い水溶性ポリマー(A)は、荷電中和力が高く、少ない添加量でも高い効果を得ることができる。
カチオン性構造単位(I')としては、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩、4−(メタ)アクリロキシブチルトリメチルアンモニウム塩、5−(メタ)アクリロキシペンチルトリメチルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルトリエチルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルトリn−プロピルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルトリイソプロピルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルトリn−ブチルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルトリsec−ブチルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルトリイソブチルアンモニウム塩; 3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩、4−(メタ)アクリロキシブチルジメチルベンジルアンモニウム塩、5−(メタ)アクリロキシペンチルジメチルベンジルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルジエチルベンジルアンモニウム塩、3−(メタ)アクリロキシプロピルジエチルベンジルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルジn−プロピルベンジルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルジイソプロピルベンジルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルジn−ブチルベンジルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルジsec−ブチルベンジルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロキシエチルジイソブチルベンジルアンモニウム塩; 2−(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウム塩、2−(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウム塩、3−(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩などを挙げることができる。
水溶性ポリマー(A)は、カチオン性構造単位以外にノニオン性単量体に由来する構造単位(以下、ノニオン性構造単位(II))を有してもよい。
ノニオン性構造単位(II)を構成するノニオン性単量体としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジイソプロピルアクリルアミド、N−エチル−N−メチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N−ジイソプロピルメタクリルアミド、N−エチル−N−メチルメタクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミドなどのエチレン性不飽和カルボン酸アミド類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのエチレン性不飽和ニトリル;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン;スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレンなどを挙げることができる。これらのうちアクリルアミドが好ましい。
水溶性ポリマー(A)に含まれるノニオン性構造単位(II)の量は、特に制限されないが、水溶性ポリマー(A)に含まれる全構造単位に対して、好ましくは35モル%以下、より好ましくは30モル%以下である。
本発明に用いられる水溶性ポリマー(A)は、30℃、1N−NaNO3における固有粘度が、0.5〜5.0dL/g、好ましくは0.5〜3.0dL/gである。固有粘度が過度に高い水溶性ポリマー(A)は、荷電中和が不十分なままで大きなフロックを形成してしまう傾向があるので、含水率の低減効果が低い傾向がある。固有粘度が過度に低い水溶性ポリマー(A)は、効果を得るための添加量が多くなる傾向がある。上記範囲内にある固有粘度を有する水溶性ポリマー(A)は少ない添加量でも高い脱水効果を奏することができる。
なお、本発明において、固有粘度は、1モル/L硝酸ナトリウム水溶液を溶媒として、30℃で測定した値である。測定は、キャノンフェンスケ粘度計、オストワルド粘度計、ウベローデ型粘度計などを用いて行うことができ、好ましくはキャノンフェンスケ粘度計を用いて行う。
紙パルプ汚泥に対する水溶性ポリマー(A)の添加量は、紙パルプ汚泥の状態に応じて適切な量に設定でき、例えば、紙パルプ汚泥に対して水溶性ポリマー(A)が、好ましくは0.03〜3.0%/ss、より好ましくは0.05〜1.0%/ssである。
なお、本発明に用いられる水溶性ポリマー(A)は、上記の単量体を共重合することによって得られたものであってもよいし、市販品の中から上記特性を満たすものを選定したものであってもよい。
本発明に用いられる水溶性ポリマー(B)は、カチオン性構造単位(I)を少なくとも有するカチオン性若しくは両性の水溶性ポリマーである。
カチオン性構造単位(I)は水溶性ポリマー(A)の説明において述べたとおりのものである。水溶性ポリマー(B)に含まれるカチオン性構造単位(I)の量は、特に制限されないが、水溶性ポリマー(B)に含まれる全構造単位に対して、好ましくは5〜65モル%、より好ましくは10〜50モル%である。水溶性ポリマー(B)は、カチオン性構造単位(I)以外のカチオン性構造単位(I')を有してもよく、カチオン性構造単位の総量が、水溶性ポリマー(B)に含まれる全構造単位に対して、好ましくは5〜65モル%、より好ましくは10〜50モル%である。カチオン性構造単位(I')は水溶性ポリマー(A)の説明において述べたとおりのものである。なお、水溶性ポリマー(B)は、水溶性ポリマー(A)によって荷電中和されたフロック(一次フロック)を、凝集または架橋させて、粗大フロック(二次フロック)にする作用を有する。
水溶性ポリマー(B)は、カチオン性構造単位以外にノニオン性構造単位(II)を有してもよい。ノニオン性構造単位(II)は水溶性ポリマー(A)の説明において述べたとおりのものである。
水溶性ポリマー(B)に含まれるノニオン性構造単位(II)の量は、特に制限されないが、水溶性ポリマー(B)に含まれる全構造単位に対して、好ましくは95モル%以下、より好ましくは90モル%以下である。
水溶性ポリマー(B)は、カチオン性構造単位以外にアニオン性単量体に由来する構造単位(以下、アニオン性構造単位(III))を有してもよい。
アニオン性構造単位(III)を構成するアニオン性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸およびその塩などを挙げることができる。これらのうちアクリル酸またはその塩が好ましい。水溶性ポリマー(B)に含まれるアニオン性構造単位(III)の量は、特に制限されないが、水溶性ポリマー(B)に含まれる全構造単位に対して、好ましくは95モル%以下、より好ましくは90モル%以下である。両性の水溶性ポリマー(B)に含まれるアニオン性構造単位(III)の量は、両性の水溶性ポリマー(B)に含まれる全構造単位に対して、好ましくは10〜80モル%、より好ましくは20〜70モル%である。
水溶性ポリマー(B)は、30℃、1N−NaNO3における固有粘度が、5.0dL/g超過、好ましくは6.0dL/g以上、より好ましくは7.0dL/g以上、さらに好ましくは8.0dL/g以上である。当該固有粘度の上限は、特に制限されないが、好ましくは15.0dL/gである。当該固有粘度が、上記範囲にある場合に、一次フロックを凝集または架橋させる作用が高くなり、少ない水溶性ポリマー(B)の添加量でも高い効果を奏する。
紙パルプ汚泥に対する水溶性ポリマー(B)の添加量は、紙パルプ汚泥の状態に応じて適切な量に設定でき、例えば、紙パルプ汚泥に対して水溶性ポリマー(B)が、好ましくは0.03〜3.0%/ss、より好ましくは0.05〜1.0%/ssである。
なお、本発明に用いられる水溶性ポリマー(B)は、上記の単量体を共重合することによって得られたものであってもよいし、市販品の中から上記特性を満たすものを選定したものであってもよい。
水溶性ポリマー(A)および水溶性ポリマー(B)は、それらを一緒に含有する水溶液の形態で紙パルプ汚泥に添加してもよいし、それぞれを別々に含有する水溶液の形態で紙パルプ汚泥に添加してもよい。水溶性ポリマー(A)および水溶性ポリマー(B)を一緒に含有する水溶液における濃度は、水溶性ポリマー(A)および水溶性ポリマー(B)の合計として、好ましくは0.1〜2重量%である。水溶性ポリマー(A)および水溶性ポリマー(B)をそれぞれ別々に含有する水溶液の濃度は、好ましくは0.1〜1重量%である。
本発明においては、水溶性ポリマー(A)および水溶性ポリマー(B)をほぼ同時に紙パルプ汚泥に添加してもよいし、水溶性ポリマー(A)を先ず紙パルプ汚泥に添加し、次いでそれに水溶性ポリマー(B)を添加してもよいし、水溶性ポリマー(B)を先ず紙パルプ汚泥に添加し、次いでそれに水溶性ポリマー(A)を添加してもよい。本発明においては、水溶性ポリマー(A)を先ず紙パルプ汚泥に添加し、撹拌し、次いでそれに水溶性ポリマー(B)を添加し、撹拌することが好ましい。
本発明においては、水溶性ポリマー(A)および水溶性ポリマー(B)以外に、pH調節剤を添加することができる。pHの調節によって、両性の水溶性ポリマー(B)は、カチオン性の傾向が強くなったり、アニオン性の傾向が強くなったりする。pH調節剤としては、例えば、スルファミン酸、硫酸水素ナトリウム、塩化水素、硫酸などの酸性物質、水酸化ナトリウムなどの塩基性物質を挙げることができる。pH調節によって、アニオン性基とカチオン性基との電荷バランスを変化させて、汚泥の凝集力を適切な状態にすることができる。
例えば、水溶性ポリマー(A)を先ず紙パルプ汚泥に添加し、次いでそれに水溶性ポリマー(B)を添加した場合、カチオン性の水溶性ポリマー(A)は、汚泥中のアニオン性基に作用して、静電荷を中和して、汚泥微粒子をフロック化させることができ、カチオン性若しくは両性の水溶性ポリマー(B)は、水溶性ポリマー(A)で生成されたフロックまたは汚泥粗粒子を吸着して、粗大フロック化させることができる。このようにしてできた二次フロックがせん断力の印加によって壊れたときでも、水溶性ポリマー(A)および水溶性ポリマー(B)中の未使用のカチオン性基が二次フロック破壊面に表れた未中和のアニオン性基に作用するので、壊れた二次フロックの再凝集を促すと考えられる。本発明の方法は、上記のような作用によって脱水効果が向上すると推測する。
また、本発明においては、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄などの無機凝集剤を併用することができる。無機凝集剤の併用によって、より高い脱水効果を得られることがある。無機凝集剤を添加する時期は特に制限されない。例えば、水溶性ポリマー(A)の添加前、添加と同時、若しくは添加後に、または水溶性ポリマー(B)の添加前、添加と同時、若しくは添加後に、無機凝集剤を添加することができる。
水溶性ポリマー(A)および水溶性ポリマー(B)を添加した後、脱水を行う。脱水を行うための装置としては、浮上分離、ウェッジワイヤ、ロータリースクリーン、バースクリーン、サイクロン、遠心分離機、ろ過装置などが挙げられる。脱水によって得られたスラッジは、その後、焼却したり、埋立処分したりする。また、本発明においては、水溶性ポリマー(A)を添加して撹拌し、重力濾過などで濃縮し、次いで水溶性ポリマー(B)を添加し撹拌し、脱水することもできる。
本発明の方法を行うために、例えば、図1に示すような装置を用いることができる。汚泥Mを第一槽と第二槽とからなる反応槽1に連続的に供給し、第一槽に水溶性ポリマーAを、第二槽に水溶性ポリマーBをそれぞれ添加して混ぜ合わせ、次いで遠心濾過機2にて濾液Fと濾物Rに分離する。このようにして、紙パルプ汚泥を低含水率のケーキにすることができる。
次に、実施例を示して、本発明をより具体的に説明する。但し、以下の実施例は本発明の一実施形態を示すに過ぎず、本発明を以下の実施例に限定するものでない。
水溶性ポリマー(A)として以下のものを用意した。
水溶性ポリマー(A1):ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル四級塩の単独重合体(30℃、1N−NaNO3における固有粘度=0.7dL/g)
水溶性ポリマー(A2):ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル四級塩の単独重合体(30℃、1N−NaNO3における固有粘度=1.9dL/g)
水溶性ポリマー(A3):ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル四級塩70モル%とアクリルアミド30モル%とのランダム共重合体(30℃、1N−NaNO3における固有粘度=3.0dL/g)
水溶性ポリマー(A4):ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル四級塩90モル%とアクリルアミド10モル%とのランダム共重合体(30℃、1N−NaNO3における固有粘度=2.5dL/g)
水溶性ポリマー(A5):ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル四級塩80モル%とアクリルアミド20モル%とのランダム共重合体(30℃、1N−NaNO3における固有粘度=4.5dL/g)
水溶性ポリマー(B)として以下のものを用意した。
水溶性ポリマー(B1):ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル四級塩20モル%とアクリルアミド80モル%とのランダム共重合体(30℃、1N−NaNO3における固有粘度=11.0dL/g)
水溶性ポリマー(B2):ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル四級塩20モル%とジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル四級塩10モル%とアクリルアミド10モル%とアクリル酸60モル%とのランダム共重合体(30℃、1N−NaNO3における固有粘度=8.5dL/g)
対照例として以下の水溶性ポリマーを用意した。
水溶性ポリマー(A6):ジメチルジアリルアンモニウムクロライドの単独重合体(30℃、1N−NaNO3における固有粘度=2.0dL/g)
水溶性ポリマー(A7):ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル四級塩60モル%とアクリルアミド40モル%とのランダム共重合体(30℃、1N−NaNO3における固有粘度=6.0dL/g)
実施例1
紙パルプ汚泥(pH=6.0、ss=2.60%、繊維分/ss=17.9%、Vss/ss=49.0%)200mlに水に溶解させた水溶性ポリマー(A1)を0.1%/ss添加して180rpmで30秒間撹拌した。次いで水に溶解させた水溶性ポリマー(B1)を0.1%/ss添加して180rpmで30秒間撹拌した。孔径2mmのヌッチェロートでろ過した。濾液の量および濾液中に漏れ出たSSの量(SSリーク)を計測した。濾物を採取し、面圧0.1MPaにて1分間圧搾して脱水させた。得られた脱水ケーキの含水率を測定した。その結果を表1に示す。
なお、ssは汚泥の懸濁物質を孔径1μmのガラス繊維ろ紙でろ過し、その濾物の乾物重量(懸濁物質濃度)である。
Vssは汚泥の懸濁物質を600℃で強熱灰化したときに揮散する成分の重量(揮発性懸濁物質濃度)である。
《汚泥処理の総合評価》
薬剤の添加量、濾過流量、SSリーク、脱水ケーキの含水率などの測定結果から、以下の指標にて5段階相対評価を行った。
S: 非常に良い
A: 良い
B: 良くも悪くもない
C: 悪い
D: 非常に悪い
実施例2
水溶性ポリマー(A1)を水溶性ポリマー(A2)に変えた以外は実施例1と同じ方法で紙パルプ汚泥の処理を行った。その結果を表1に示す。
実施例3
水溶性ポリマー(A1)を水溶性ポリマー(A3)に変えた以外は実施例1と同じ方法で紙パルプ汚泥の処理を行った。その結果を表1に示す。
実施例4
水溶性ポリマー(A1)を水溶性ポリマー(A4)に変えた以外は実施例1と同じ方法で紙パルプ汚泥の処理を行った。その結果を表1に示す。
実施例5
水溶性ポリマー(A1)を水溶性ポリマー(A5)に変えた以外は実施例1と同じ方法で紙パルプ汚泥の処理を行った。その結果を表1に示す。
実施例6
水溶性ポリマー(B1)を水溶性ポリマー(B2)に変えた以外は実施例1と同じ方法で紙パルプ汚泥の処理を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2017209651
比較例1
水溶性ポリマー(A1)を水溶性ポリマー(A6)に変えた以外は実施例1と同じ方法で紙パルプ汚泥の処理を行った。その結果を表2に示す。
比較例2
水溶性ポリマー(A1)を水溶性ポリマー(A7)に変えた以外は実施例1と同じ方法で紙パルプ汚泥の処理を行った。その結果を表2に示す。
比較例3
紙パルプ汚泥(pH=6.0、ss=2.60%、繊維分/ss=17.9%、Vss/ss=49.0%)200mlに水に溶解させた硫酸バンドを4.0%/ss添加して180rpmで30秒間撹拌した。次いで水に溶解させた硫酸バンドを0.1%/ss添加して180rpmで30秒間撹拌した。孔径2mmのヌッチェロートでろ過した。濾過流量および濾液中のSSの量(SSリーク)を計測した。濾物を採取し、面圧0.1MPaにて1分間圧搾して脱水させた。得られた脱水ケーキの含水率を測定した。その結果を表2に示す。
比較例4
紙パルプ汚泥(pH=6.0、ss=2.60%、繊維分/ss=17.9%、Vss/ss=49.0%)200mlに水に溶解させた水溶性ポリマー(B1)を0.2%/ss添加して180rpmで30秒間撹拌した。孔径2mmのヌッチェロートでろ過した。濾液の量および濾液中に漏れ出たSSの量(SSリーク)を計測した。濾物を採取し、面圧0.1MPaにて1分間圧搾して脱水させた。得られた脱水ケーキの含水率を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2017209651
これらの結果が示すとおり、本発明に従って、30℃、1N−NaNO3における固有粘度が0.5〜5.0dL/gであるカチオン性の水溶性ポリマー(A)と、30℃、1N−NaNO3における固有粘度が5.0dL/g超過であるカチオン性若しくは両性の水溶性ポリマー(B)とを紙パルプ汚泥に添加して、脱水を行うと、懸濁物質のリークが少なく、紙パルプ汚泥を低含水率の汚泥ケーキにすることができる。

Claims (3)

  1. 紙パルプ汚泥に、30℃、1N−NaNO3における固有粘度が0.5〜5.0dL/gであり且つジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級アンモニウム塩に由来する構造単位を少なくとも有するカチオン性の水溶性ポリマー(A)と、30℃、1N−NaNO3における固有粘度が5.0dL/g超過であり且つジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級アンモニウム塩に由来する構造単位を少なくとも有するカチオン性若しくは両性の水溶性ポリマー(B)とを添加して、
    脱水すること
    を有する紙パルプ汚泥の処理方法。
  2. 前記水溶性ポリマー(A)は、カチオン性単量体に由来する構造単位の総量が、水溶性ポリマー(A)に含まれる全構造単位に対して、70モル%以上である、請求項1に記載の方法。
  3. 紙パルプ汚泥に、前記水溶性ポリマー(A)を添加して撹拌し、
    次いで、これに、前記水溶性ポリマー(B)を添加する、請求項1または2に記載の方法。
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