JP5757651B2 - 抄紙方法 - Google Patents

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本発明は、紙及び板紙の製紙工程において、地合いを損なうことなく、歩留の向上、濾水性、搾水性の改善、紙質の向上ができる抄紙方法に関するものである。
近年では、製紙会社を取り巻く経済環境の悪化により、競合他社紙製品との差別化を図るため紙品質の向上が強く要望されている。紙品質の向上を図るには、先ず、紙を緻密にし、不透明度、平滑性、印刷適性等を向上させる必要があり、その目的の一つとして紙に填料を配合している。填料としては、タルク、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、クレー等が使用されており、特に新聞印刷用紙の裏抜けを抑えるために吸油度の高いホワイトカーボン等の非晶質シリカや、微粒な炭酸カルシウムを効率よく紙中に留めることは品質向上、特に不透明度向上に繋がり極めて重要である。これら填料の歩留率向上を図るために、歩留向上剤が使用され種々の歩留剤システムが用いられている。例えば、せん断ステップの前に高分子量水溶性カチオン性ポリマーを加え、当該せん断ステップの後にベントナイトを加えるシステムや高分子マイクロパーティクルを添加するシステムが用いられている(特許文献1−2)。しかし、これら歩留システムでは、更なる歩留効果を得るために、添加率を増加させた場合に地合いを低下させたり、水分を過多に取り込むためワイヤーパートでの濾水性の低下、ドライヤーパートでの搾水性、乾燥効率の低下を招いたりすることになる。
又、製紙工程用水中には種々の溶存物質あるいは微細な粒子状物質が存在している。この内、アニオントラッシュと呼ばれるアニオン性成分が存在しており、紙力増強剤や歩留向上剤等の製紙用薬剤定着の阻害要因となっている。更にピッチと呼ばれる成分の増加が問題となっている。ピッチとは、低分子量及び中分子量の様々な天然の疎水性有機樹脂類を指し、又、これらの樹脂類が原因となるパルプ製造と製紙処理工程の際の析出物を指す。古紙製造時に由来するサイジング剤、ワックス類やコーティングバインダー等の疎水的微細粒子は、「ステイッキー」と呼ばれているが、「ピッチ」と区別しないで使用される場合もある。これらの化合物は温度に依存する粘度、粘着性、及び凝集強さを示す。それらは単独で、あるいは不溶性の無機塩類、充填材、繊維、脱泡剤成分、被覆用結合剤、その他同様のものと一緒に析出することがある。ピッチ成分が析出し製造工程のワイヤーパートやドライヤーパートに付着すると、乾燥工程でピッチが紙の表面に付着することにより成紙の表面に付着し成紙欠陥発生要因となる。このため凝結剤やピッチコントロール剤と呼ばれる低分子量のカチオン性高分子が汎用されている。
しかし、凝結剤あるいはピッチコントロール剤はアニオントラッシュの封鎖、ピッチ成分の抑制を主目的として使用され、歩留向上剤は製紙原料であるパルプ繊維や填料のワイヤー上での歩留向上を主目的として使用されており、凝結剤と歩留向上剤を組み合わせたシステムで歩留、濾水効果並びに紙質向上ができるシステムとしての提案はなされていない。
特許文献3では、カチオン性及び両性から選択される一種以上のイオン性を有する粒径100μm以下の微粒子とポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物とが共存する水溶性重合体分散液を製紙原料の前処理、歩留向上、濾水性向上等、製紙用途として使用する方法が開示されている。しかし、実施例で使用されているイオン性を有する粒径100μm以下の微粒子のカチオン性単量体組成は、10〜30モル%、あるいは60〜100モル%の範囲である。又、地合いや不透明度の向上に関しての記載はない。
特許文献4では、スチレン−アクリルポリマーを填料処理剤として使用し、凝結剤としてポリアミン等を併用して不透明度を向上させる方法が開示されているが、凝結剤と歩留剤を組み合わせて使用するシステムについての記載はない。
特許文献5では、一段目としてカチオン性あるいは両性アクリルアミド系共重合体からなる歩留向上剤を添加、二段目として前記歩留向上剤より分子量の低い水溶性重合体を添加する抄紙方法が開示されており、歩留向上剤より分子量の低い水溶性重合体が、ポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物共存下で、分散重合により得られたカチオン性あるいは両性水溶性重合体であると例示されているが、分散重合により得られたカチオン性あるいは両性水溶性重合体分散液中に含有するイオン性を有する粒径100μm以下の微粒子のカチオン性単量体の組成範囲についての記載はなく、実施例では100モル%しか示されていない。又、アニオントラッシュ封鎖、ピッチ成分の抑制及び不透明度向上に関しての記載はない。
特開平5−239800号公報 特開平11−286890号公報 特開2004−044015号公報 特開2009−242980号公報 特開2009−280925号公報
本発明は、紙及び板紙の製紙工程において、地合いを損なうことなく、歩留の向上、濾水性、搾水性の改善及び紙質の向上を図る抄紙方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため鋭意検討を行なった結果、製紙工程において、抄紙前の製紙原料中に一液目としてポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物共存下で、分散重合により得られたカチオン性あるいは両性から選択される一種以上のイオン性を有する粒径100μm以下の微粒子からなるカチオン性あるいは両性水溶性重合体分散液の希釈液を添加、二液目としてカチオン性あるいは両性アクリルアミド系共重合体からなる歩留向上剤を添加すると、地合いを損なうことなく歩留を向上、濾水性、搾水性の改善及び紙質の向上、特に不透明度向上を図ることが可能であることを発見し本発明に達した。
本発明は抄紙工程において、抄紙前の製紙原料に一液目としてポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物共存下で、分散重合により得られたカチオン性あるいは両性水溶性重合体分散液の希釈液を添加、二液目としてカチオン性あるいは両性のアクリルアミド系共重合体からなる歩留向上剤を紙料中に添加する。
本発明で使用するポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物共存下で、分散重合により得られたカチオン性あるいは両性水溶性重合体分散液は、カチオン密度の高いポリエチレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物中で重合して得られるため高い凝結作用を有している。又、微粒子の重合度が高いため高い凝集作用も有する。そのため、ポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物共存下で、分散重合により得られたカチオン性あるいは両性から選択される一種以上のイオン性を有する粒径100μm以下の微粒子からなるカチオン性あるいは両性水溶性重合体分散液の希釈液を歩留向上剤添加の前に添加することにより、低分子量域の凝結を主体とした作用によりアニオントラッシュを封鎖し、且つ高分子量域の凝集を主体とした作用により填料の定着効果が増大、その後、カチオン性あるいは両性のアクリルアミド系共重合体からなる歩留向上剤を添加することで歩留効果及び濾水・搾水性効果が促進される。高分子量の歩留向上剤の添加率を増加させる必要がないので、地合いを損なうことなく歩留向上、濾水・搾水性効果が得られ、添加コストの削減、成紙汚れ・欠陥発生の抑制、更には紙質の向上、特に填料の定着状態が適正にコントロールされる結果、不透明度の向上が達成できる。
本発明の分散重合により得られたカチオン性あるいは両性水溶性重合体とポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物の混合物は、重量平均分子量が200万〜1000万の範囲内であることが好ましく、特に好ましくは500万〜1000万である。1000万を超えると地合いが低下し好ましくはない。200万より低いと凝集作用が弱く填料の定着性が低くなる。一方、1000万より高いと凝結作用が弱くなり、アニオントラッシュ封鎖、ピッチ抑制効果が低くなる。
上記、カチオン性あるいは両性水溶性重合体分散液は、凝結作用を有するポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物の作用によりアニオントラッシュあるいはピッチ成分の表面電荷を中和することによりピッチの成長・集塊化を抑制する。一方、凝集作用を有する微粒子からなるカチオン性あるいは両性水溶性重合体の作用により填料の定着効果が高く、添加しても地合いを崩すことなく歩留向上効果に寄与すると考えられる。更に高カチオン当量値(meq/g)を有することから濾水・搾水性に優れると考えられる。
本発明のカチオン性あるいは両性アクリルアミド系共重合体からなる歩留向上剤は、特に形態は規定せず、水溶液重合、油中水型エマルジョン重合、油中水型分散重合、塩水中分散重合何れでも可能であるが、高い重合度のものが得られやすい油中水型エマルジョン重合あるいは塩水中分散重合が好ましい。カチオン性あるいは両性アクリルアミド系共重合体からなる歩留向上剤の重量平均分子量が800万より高いと凝集・架橋吸着作用に優れ高い歩留効果が得られる。重量平均分子量は好ましくは、1000万以上であり、更に好ましくは1500万以上である。3000万を超えると紙質、特に地合いが悪化し好ましくはない。
上記理由により、この二液処方を用いた場合、地合いを維持しながら歩留、濾水・搾水性向上及び紙質の向上が達成できる。一液目のポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物共存下で、分散重合により得られたカチオン性あるいは両性水溶性重合体分散液の凝結を主体とした作用によりアニオントラッシュ封鎖並びにピッチコントロールを行ない、凝集を主体とした作用により填料の定着状態を高め、二液目の歩留向上剤の歩留、濾水・搾水性効果を促進するため、高分子量である歩留向上剤の添加率を増やす必要がなく地合いを維持し、歩留、濾水・搾水性効果及び紙質向上効果が得られると考えられる。特に地合いを維持し、歩留、紙質の向上、不透明度の向上が必要な新聞用紙で優れた効果を示す。
本発明のポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物共存下で、分散重合により得られたカチオン性あるいは両性水溶性重合体分散液は、ポリエチレンイミン及び/又はポリエチレンイミン変性物を、下記一般式(1)及び/又は(2)で表わされる単量体、下記一般式(3)で表わされる単量体、水溶性非イオン性単量体と共存させて攪拌下、重合することにより製造した微粒子からなる分散液である。
一般式(1)
1は水素又はメチル基、R2、Rは炭素数1〜3のアルキル基あるいはアルコキシル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基あるいはアルコキシル基、炭素数7〜20のアルキル基あるいはアリール基であり、同種でも異種でも良い、Aは酸素又はNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基又はアルコキシレン基、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。
一般式(2)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、Xは陰イオンをそれぞれ表わす。
一般式(3)
は水素、メチル基又はカルボキシメチル基、QはSO、CSO、CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素又はCOOY、YあるいはYは水素又は陽イオンをそれぞれ表わす。
本発明のポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物共存下で、分散重合により得られたカチオン性あるいは両性水溶性重合体分散液の製造方法としては、先ずポリエチレンイミン及び/又はポリエチレンイミン変性物の20〜50質量%水溶液を用意し、有機又は無機酸によりアミン当量の50〜100%を中和する。この時の水溶液pHは、2〜12に調整し、この水溶液に単量体を加え、混合する。単量体濃度としては、10〜40質量%であり、好ましくは15〜30質量%である。ポリエチレンイミン及び/又はポリエチレンイミン変性物の単量体に対する添加量は、50〜300質量%であるが、好ましくは50〜200質量%、さらに好ましくは50〜150質量%である。
その後、窒素雰囲気下にて、重合開始剤、例えば2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物または2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物のような水溶性アゾ系重合開始剤、あるいは過硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素ナトリウム併用のような水溶性レドックス系重合開始剤を添加し、撹拌下ラジカル重合を行う。重合の反応温度は0〜100℃の範囲で重合開始剤の性質に応じて任意に選ぶ事ができるが、好ましくは10〜60℃であり、更に好ましくは20〜50℃である。
本発明で使用するポリアルキレンイミンは、ポリエチレンイミンあるいはポリプロピレンイミン等であるが、実用的にはポリエチレンイミンである。分子量は、5,000以上あれば本発明の分散重合に使用できるが、あまり重合度が高いと分散液の粘性が高くなり好ましくない。従って好ましくは5,000以上、50万以下であり、更に好ましくは5,000以上、20万以下である。
又、ポリアルキレンイミン変性物も使用することができる。例えばエピクロロヒドリン、エチレングリコールジグリシジルエーテル等で架橋により変性したポリアルキレンイミンも使用することができるが、下記一般式(4)あるいは下記一般式(5)で表される構造単位を有するポリアルキレンイミン変性物を使用することが好ましい。これはポリアルキレンイミンあるいはポリアルキレンイミンとポリアミンとの混合物と、下記一般式(6)及び/又は下記一般式(7)で表されるポリカチオン物質との反応とによって合成されるものである。この物質は、アンモニア、脂肪族第1級〜第3級アミン(以下第1級アミンなどと記載する)から選択された1種以上のアミン類とエピハロヒドリンを反応させて製造することができる。又、ポリアルキレンイミン変性物の分子量が好ましくは5万以上、100万以下であり、更に好ましくは5万以上、50万以下である。
一般式(4)
一般式(5)
但し、式(4)、(5)中のpは0〜20の整数であり、R10〜R18は水素、又は炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基あるいはベンジル基、X〜Xは陰イオンである。
一般式(6)
一般式(7)
但し、式(6)、(7)中のPはエポキシ基あるいはハロヒドリン基、pは0〜20の整数であり、R23〜R26、R27は水素、炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基あるいはベンジル基、X〜X10は陰イオンである。
変性反応時のモル比については以下の範囲で行う。即ち、ポリアルキレンイミン中あるいはポリアルキレンイミンとポリアミンとの混合物中のアミノ基をC(モル単位)と、前記一般式(6)及び/または(7)で表されるポリカチオン物質中のハロヒドリン基及び/またはエポキシ基をD(モル単位)とすると、C/D=5〜300(モル%)の範囲で反応する。例えばポリアルキレンイミンの分子量が数万〜数十万と高い場合は、特に上記一般式(6)で表されるポリカチオン物質を高い比率で仕込むと、架橋反応が進み過ぎてポリアルキレンイミンが水不溶化してしまう。したがって仕込みモル%としては、通常5〜50モル%、好ましくは5〜30モル%である。一方、ポリアルキレンイミンの分子量が1,000〜10,000など低い場合は、仕込みモル%としては、通常50〜300モル%、好ましくは70〜150モル%である。
前記ポリカチオン物質は、一般式(6)で表される両末端反応性のある架橋作用のあるものと、一般式(7)で表される片末端反応性のあるグラフト反応作用のあるものとがある。前者の架橋作用のあるものは、エピハロヒドリンに対するアンモニア、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンから選択された1種以上のアミン類のモル比が、凡そ0.25〜0.9の範囲で反応させると一般式(6)で表されるポリカチオン物質の生成比率が高く、後者のグラフト作用のあるものは、エピハロヒドリンに対するアンモニア、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンから選択された1種以上のアミン類のモル比が、凡そ0.8〜1.2の範囲で反応させると一般式(7)で表されるポリカチオン物質の生成比率が高くなる。
重合は一般的には酸性〜中性で行うのが、単量体も安定であり、反応性も良好である。そのため重合度や重合率も向上するので、ポリアルキレンイミンあるいはポリアルキレンイミン変性物は、中和して酸〜弱アルカリ性の水溶液とすることが好ましい。pHとしては2〜12であるが、好ましくは3〜10であり、更に好ましくは3〜6である。中和する酸は、有機あるいは無機の酸を使用する。有機酸としては、蟻酸、酢酸、アジピン酸、無機酸としては、塩酸、硫酸、スルファミン酸などで中和する。中和度としては、分子中のアミノ基に対して、50〜100当量%である。
分子量調節のため通常のラジカル重合に用いられるようなイソプロピルアルコールやメルカプタン等の連鎖移動剤を添加することも任意に選択することができる。重合体微細粒子の分散安定化のため、撹拌を行う必要があり、撹拌速度の上限はなく、任意の撹拌条件を選ぶことができる。
次にカチオン性あるいは両性から選択される一種以上のイオン性を有する粒径100μm以下の微粒子を製造する際使用する単量体について説明する。カチオン性微粒子を製造する場合には、カチオン性単量体の一種以上を使用し、又、非イオン性単量体との共重合をすることもできる。カチオン性単量体の例としては、一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルやジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、メチルジアリルアミンなどの重合体や共重合体が上げられ、四級アンモニウム基含重合体の例は、前記三級アミノ含有単量体の塩化メチルや塩化ベンジルによる四級化物である(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物等である。又、一般式(2)で表されるジメチルジアリルアンモニウム系単量体も使用可能であり、その例としてジメチルジアリルアンモニウム塩化物、ジアリルメチルベンジルアンモニウム塩化物等である。
水溶性非イオン性単量体の例としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドアクリロイルモルホリン、アクリロイルピペラジン等が挙げられる。
両性微粒子を製造する場合には、前記カチオン性と非イオン性単量体に加えて、さらに一般式(3)で表されるアニオン性単量体を共重合する。その例としては、スルフォン基でもカルボキシル基でも差し支えなく、両方を併用しても良い。スルフォン基含有単量体の例は、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルフォン酸あるいは2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸等である。又、カルボキシル基含有単量体の例は、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸あるいはp−カルボキシスチレン等である。
上記カチオン性微粒子の各単量体組成としては、カチオン性単量体30〜60モル%、水溶性非イオン性単量体40〜70モル%であり、好ましくはカチオン性単量体35〜55モル%、水溶性非イオン性単量体45〜65モル%である。又、両性微粒子の各単量体組成としては、カチオン性単量体30〜60モル%、アニオン性単量体5〜50モル%、水溶性非イオン性単量体0〜65モル%であり、好ましくはカチオン性単量体35〜55モル%、アニオン性単量体5〜35モル%、水溶性非イオン性単量体10〜60モル%である。カチオン性単量体が30モル%より少ないとカチオン密度が不足し優れた凝結作用が発揮されない。一方、カチオン性単量体が60モル%より多いと分子量が低下するため優れた凝集作用が発揮されない。凝結・凝集作用の両方の効果を満足させるには30〜60モル%の範囲内の必要がある。
重合開始は、ラジカル重合開始剤を用いる。そのような開始剤は油溶性あるいは水溶性のどちらでも良く、アゾ系、過酸化物系、レドックス系いずれでも重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネ−ト)、4、4−アゾビス(4−メトキシ−2、4ジメチル)バレロニトリル等が挙げられ、水混溶性溶剤に溶解し添加する。
水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等が挙げられる。又、レドックス系の例としては、ペルオキソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等との組み合わせが挙げられる。さらに過酸化物の例としては、ペルオキソ二硫酸アンモニウムあるいはカリウム、過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t-ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートなどを挙げることができる。
本発明のカチオン性あるいは両性から選択される一種以上のイオン性を有する粒径100μm以下の微粒子は、単量体を重合する際、ポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物の存在下で重合するので、ポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物の一部に一般式(1)〜(3)で表される単量体がグラフト重合していると推定される。更にポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物は、非常に枝分かれした構造をしているため、それだけグラフト重合も起こりやすいと考えられ、分散液の安定化にも大いに寄与すると推定され、重合の分散媒としては非常に適した材料である。
又、本発明のカチオン性あるいは両性から選択される一種以上のイオン性を有する粒径100μm以下の微粒子は、ポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物の他、分子量の比較的低い他のカチオン性水溶性重合体分散液を併用することも好ましい。そのようなカチオン性水溶性重合体分散液としては、前記一般式(1)及び/又は前記一般式(2)で表されるカチオン性単量体一種以上の重合体あるいは共重合体である。あるいは前記カチオン性単量体一種以上と水溶性非イオン性単量体との共重合体も使用できる。これらカチオン性水溶性重合体分散液は、重合時、あるいは重合後添加する。分子量は、1,000〜300万であり、好ましくは1万〜200万である。
次に本発明のカチオン性あるいは両性のアクリルアミド系共重合体からなる歩留向上剤について説明する。カチオン性あるいは両性のアクリルアミド系共重合体からなる歩留向上剤は水溶性高分子であり、前記一般式(1)及び/または(2)、前記一般式(3)で表されるカチオン性単量体あるいはアニオン性単量体を含有する重合体である。
前記歩留向上剤がカチオン性水溶性共重合体の場合は、以下に例示するカチオン性単量体と非イオン性単量体との共重合体である。すなわちカチオン性単量体は、カチオン性ビニル単量体である(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルやジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の無機酸や有機酸の塩、あるいは塩化メチルや塩化ベンジルによる四級アンモニウム塩とアクリルアミドとの共重合体である。例えば単量体として、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物等が挙げられる。又、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物のようなジアリルアンモニウム塩類も使用することができる。
又、前記歩留向上剤が両性水溶性共重合体の場合は、アニオン性ビニル単量体と前記カチオン性単量体の共重合により合成することができる。アニオン性ビニル単量体は、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリル酸、マレイン酸あるいはイタコン酸等であり、これらを一種以上用いて共重合する。
非イオン性単量体の例としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドアクリロイルモルホリン、アクリロイルピペラジン等が挙げられる。これらの中でアクリルアミドが最も好ましい。
これらカチオン性水溶性共重合体のカチオン性単量体と非イオン性単量体とのモル%は、カチオン性単量体5〜40モル%、非イオン性単量体60〜95モル%であり、好ましくはカチオン性単量体10〜35モル%、非イオン性単量体65〜90モル%である。
又、両性水溶性共重合体のカチオン性単量体とアニオン性単量体とのモル%は、カチオン性単量体5〜40モル%、アニオン性単量体5〜30モル%であり、好ましくはカチオン性単量体10〜35モル%、アニオン性単量体5〜20モル%である。
本発明のカチオン性あるいは両性のアクリルアミド系共重合体からなる歩留向上剤の重合時に架橋性単量体を添加することができる。架橋性単量体の具体例としてはN,N’−メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物、メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミドなどのビニル系メチロール化合物、アクロレインなどのビニル系アルデヒド化合物あるいはこれらの混合物が挙げられるが、これらの中でもN,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用が好ましい。
カチオン性あるいは両性のアクリルアミド共重合体からなる歩留向上剤の形態として、水溶液重合、油中水型エマルジョン重合、油中水型分散重合、塩水中分散重合等によって重合した後、水溶液、分散液、エマルジョンあるいは粉末等任意の製品形態にすることができる。この中で塩水中分散重合による塩水中分散液は溶液粘性が低いため、地合い等紙質に与える影響が低く好ましい形態である。塩水中分散液からなるカチオン性あるいは両性水溶性ポリマーは、以下の操作によって製造することができる。すなわち塩水溶液中に分散した高分子微粒子分散液からなる水溶性重合体分散液は、特開昭62−15251号公報等によって製造することができる。この方法は、カチオン性単量体と非イオン性単量体あるいはカチオン性単量体とアニオン性単量体及び非イオン性単量体を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶なイオン性高分子からなる分散剤共存下で、攪拌しながら製造された粒径100μm以下の高分子微粒子の分散液からなるものである。イオン性高分子からなる分散剤は、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物の単独重合体や非イオン性単量体との共重合体を使用する。塩水溶液を構成する無機塩類は、多価アニオン塩類が、より好ましく、硫酸塩又は燐酸塩が適当であり、具体的には、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、燐酸水素アンモニウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム等を例示することができ、これらの塩を濃度15%以上の水溶液として用いることが好ましい。
油中水型エマルジョン重合で製造する場合は、特開昭55−137147号公報や特開昭59−130397号公報等、公知の方法によって製造することができる。即ち、カチオン性単量体、アニオン性単量体及び非イオン性単量体からなる単量体混合物を水、水と非混和性の炭化水素からなる油状物質、油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤を混合し、強攪拌し油中水型エマルジョンを形成させた後、重合する。
油中水型エマルジョンからなるカチオン性あるいは両性水溶性重合体分散液を用いる場合、無機塩を添加することができる。塩を添加するタイミングは、イオン性単量体と非イオン性単量体からなる単量体混合物を混合した水溶液中や共重合後の油中水型エマルジョン中或いは油中水型エマルジョン希釈液中、等である。
添加する無機塩は、ナトリウムやカリウムの様なアルカリ金属イオンやアンモニウムイオン等の陽イオンと、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン等の陰イオンとを組み合わせた塩が使用可能である。これら塩類の濃度としては、0.5質量%〜15質量%である。
本発明で使用するカチオン性あるいは両性水溶性アクリルアミド共重合体からなる歩留向上剤の添加率は全紙料固形分に対して0.001〜0.1質量%であり、0.005〜0.05質量%が好ましい。0.001質量%以下では効果が発揮されないことがあり、0.1質量%以上では効果の改善が観られなく、地合いが極端に低下し、添加コストが掛かり不経済である。又、ポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物共存下で分散重合により得られた水溶性重合体分散液の添加率は全紙料固形分に対して0.001〜0.1質量%であり、0.005〜0.05質量%が好ましい。
ポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物共存下で分散重合により得られたカチオン性あるいは両性水溶性重合体分散液の希釈液の製紙工程中における添加場所は、ファンポンプの前後、スクリーンの入口が想定される。又、紙料濃度が2〜4%の原料チェスト、混合チェスト、マシンチェスト、種箱等の原料系であっても良い。一方、カチオン性あるいは両性水溶性アクリルアミド共重合体からなる歩留向上剤の添加場所は、ファンポンプの後、スクリーン前後等が想定される。
対象紙料としては特に限定はなく、あらゆる紙料に対して適用できるが、特に地合いを損なうことなく歩留の向上、紙質面、特に不透明度の向上が求められる新聞用紙の他、上質紙、PPC用紙、塗工原紙、微塗工紙等においてその効果がより発揮される。又、填料として炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、カオリン、クレーの一種以上が含まれていると最大限の効果を発揮する。特に不透明度に対して寄与する度合いが高い炭酸カルシウム、ホワイトカーボンを含有する製紙原料が好ましい。これは、ポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物共存下で分散重合により得られた水溶性重合体分散液の作用により、これら填料の紙中での分布状態を適正にコントロールするため不透明度が向上すると考えられる。
背景技術においても説明したように、歩留向上剤として高分子量ポリマーが使用されている場合があるが、歩留率の向上のために、高分子量ポリマーの添加率を増加させると過大なフロックを形成し、地合いを悪化させる。地合いが悪化すると緻密な紙が得られないため不透明度等、紙質が低下する。又、過大なフロックは水を過多に取り込むためワイヤーパートでの濾水性の低下、ドライヤーパートでの搾水性、乾燥効率の低下を招くことになる。二液目としてアニオン性無機物や微粒子型ポリマーを使用する処方や一液目としてカチオン性凝結剤、二液目としてアニオン性ポリマーを添加する処方もあるが、地合いは比較的、維持されるものの添加率増加による大幅な歩留向上、濾水・搾水性の向上は望めない。又、アニオントラッシュ封鎖やピッチ成分を抑制するために、凝結剤として比較的、カチオン性が高く低分子量のポリマーが使用される場合が多いが、歩留効果や紙質に対して特異的に寄与するものではない。従って本発明においては、一液目として重量平均分子量200万〜1000万を有するポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物共存下で分散重合により得られたカチオン性あるいは両性水溶性重合体分散液の希釈液を添加し、二液目として高分子量のカチオン性あるいは両性水溶性重合体分散液からなる歩留向上剤を用い、成紙汚れや欠陥発生の抑制、歩留、濾水・搾水性効果、紙質の向上について顕著な効果を発揮する。
以下に実施例をあげて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
(合成例1)
一液目として添加する水溶性重合体分散液(試作−1)の合成例を示す。攪拌機および温度制御装置を備えた反応器に50質量%ポリエチレンイミン水溶液(重量平均分子量;50,000)50部をイオン交換水21.5部に溶解し、75質量%硫酸28.5部を冷却攪拌下添加し、pHを4.8〜5.5に調整した。攪拌機、窒素曝気管および温度制御装置を備えた反応器に前記操作により中和したポリエチレンイミン水溶液78.0gを仕込み、アクリアルアミド50%水溶液34.6g、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド80%水溶液39.3g、イオン交換水38.1gを仕込み混合した。窒素で置換しながら10質量%の2,2−アゾビス(N,N−ジメチレンイソブチルアミジン)ジハイドロクロライド水溶液を重合開始剤として対モノマーあたり重量で500ppm添加し、撹拌下36℃で18時間重合した。その結果、粒径10〜100μmの微粒子を含有する重合体分散液が得られた。水溶性重合体分散液中の微粒子の単量体組成は、DMQ/AAM=40/60モル%となる。水溶性重合体混合物の重量平均分子量は600万であった(静的光散乱法による分子量測定器、大塚電子製DLS−7000により測定)。これを試作−1とし、表1に示す。
合成例1と同様な操作により、水溶性重合体分散液中の微粒子の単量体組成が、DMQ/AAC/AAM=40/10/50モル%(試作−2)、DMQ/AAM=30/70モル%(試作−3)、DMQ/AAM=60/40モル%(試作−4)をそれぞれ合成した。これを表1に示す。又、比較合成例として、DMQ/AAM=20/80モル%(試作−5)、DMQ/AAM=70/30モル%(試作−6)をそれぞれ合成した。これを表1に示す。
(合成例2)
二液目に添加するアクリルアミド系共重合体からなる歩留向上剤(歩留剤−A)の合成例を示す。攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水117.7g、硫酸アンモニウム84.1g、カチオン性単量体として80質量%アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(以下DMQ)17.7g及び80質量%アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物(以下DMABC)6.2g、50質量%アクリルアミド(以下AAM)51.9g、分散剤としてアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合体(20質量%液、粘度6450mPa・s)22.5gをそれぞれ仕込んだ。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行った。この間、恒温水槽により35±2℃に内部温度を調整した。窒素導入30分後、開始剤として2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物の1質量%水溶液0.45g(対単量体100ppm)を添加し重合を開始させた。内部温度を35±2℃に保ち重合開始後6時間たったところで上記開始剤を0.45g追加し、さらに10時間反応させ終了した。この得られた分散液を歩留剤−Aとする。この時の単量体組成は、DMQ/DMABC/AAM=16/4/80(モル%)であり、分散液粘度は560mPa・s、重量平均分子量は1570万であった。これを表1に示す。
(合成例3)
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに沸点190℃ないし230℃のイソパラフィン127.5gにソルビタンモノオレート7.5g及びポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート5.0gを仕込み溶解させた。別に80質量%アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(以下DMQと略記)101.3g、50質量%アクリルアミド(AAMと略記)237.9g、イソプロピルアルコール0.4g(対単量体0.2質量%)及び硫酸アンモニウム27.2g(対油中水型エマルジョン全量5質量%)を各々採取し添加した。油と水溶液を混合し、ホモジナイザーにて1000rpmで2分間攪拌乳化した。この時の単量体組成は、DMQ/AAM=20/80(モル%)である。
得られたエマルジョン単量体溶液の温度を40〜43℃に保ち、窒素置換を30分行なった後、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬V−601)0.7g(対単量体0.35質量%)を加え、重合反応を開始させた。42±2℃で12時間重合させ反応を完結させた。重合後、生成した油中水型エマルジョンに転相剤としてポリオキシエチレンデシルエーテル10.0g(対液1.9質量%)を添加混合した。この分散液は、顕微鏡観察の結果、1〜30μmの粒子であり、重量平均分子量は1420万であった。これを歩留剤−Bとし、表1に示す。
(表1)
DMQ:アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
DMBZ:アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド
AAC:アクリル酸
AAM:アクリルアミド
歩留剤−A、Bは、水溶性重合体の重量平均分子量を示す。
ダイナミックジャーテスターによる歩留率の測定試験を行なった。200メッシュワイヤー使用し、原料は固形分濃度1.15質量%で、填料としてホワイトカーボンを対紙料固形分1.5%添加、ホワイトカーボンの他、元来DIPに含有されている炭酸カルシウム等のAsh分として38.6%対固形分濃度含んだ新聞用紙製紙原料を用いた。製紙原料の物性値は、pH7.1、Whatman No.41濾紙濾過液のカチオン要求量0.02meq/L、濁度23NTU、SZPは−14.0mVであった。カチオン要求量はミューテック社製PCD−03型、濁度はHACH社製2100P型、SZPはミューテック社製SZP−06型をそれぞれ使用した。一液目として試作−1を対紙料固形分に対して200ppm添加、攪拌回転数1400rpmで10秒間攪拌後、二液目として歩留剤−Aを対紙料固形分に対して200ppm添加、30秒間攪拌後、濾液を採取し、ADVANTEC、No.2濾紙にて濾過後、SSを測定、総歩留率を測定後、濾紙を525℃で2時間灰化し、灰分歩留率を測定した。結果を表2に示す。
実施例1と同紙料を用いて同様な試験を行ない、一液目として試作−2〜4、二液目として歩留剤−Aの処方、一液目として試作−1〜4、二液目として歩留剤−Bの処方で、添加率対紙料固形分に対して一液目200ppm、二液目200ppm添加した。結果を表2に示す。
(比較例1)実施例1と同紙料を用いて同様な試験を、一液目として試作−5、二液目として歩留剤−Aの処方、一液目として試作−6、二液目として歩留剤−Bの処方、一液目として歩留剤−A、二液目として試作−1の処方、一液目として凝結剤−A(市販のピッチコントロール剤、ポリメタアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、重量平均分子量50万)、二液目として歩留剤−Aの処方、及び一液目、二液目共に歩留剤−Aの処方で、添加率対紙料固形分に対して一液目200ppm、二液目200ppm添加した。これらの結果を表2に示す。
実施例1と同紙料を用いて、一液目として試作−1を対紙料固形分に対して200ppm添加、攪拌回転数1400rpmで10秒間攪拌後、二液目として歩留剤−Aを対紙料固形分に対して200ppm添加、30秒間攪拌後、濾液を採取しマイクロピッチの測定を行なった。マイクロピッチ個数は、成紙汚れ・欠陥発生の指標となり、これが多い程、断紙等の製造トラブルや製品不良が多く発生する傾向にある。マイクロピッチの測定は、濾液を厚さ0.2mmのカウンティングチェンバー(ヘマサイトメーター)上に採取し、光学顕微鏡1200倍で観察した。ピントを垂直方向にずらしていきながら静止画を複数枚撮影した。カウンティングチェンバー上の異なる5箇所以上で同様の操作を繰り返した。画像処理ソフト(Media Cybernetics,inc. IMAGE−PRO PLUS Ver.5.0)を用い、顕微鏡画像の静止画を取込み、RGB値のレンジ設定をR値(0−190)、G値(0−130)、B値(0−156)に調整することにより、目的とする粒子を抽出した。その抽出した粒子について、個数を測定した。結果を表2に示す。
実施例1と同紙料を用いて実施例3と同様な試験を行ない、一液目として試作−2〜4、二液目として歩留剤−Aの処方、一液目として試作−1〜4、二液目として歩留剤−Bの処方で、添加率対紙料固形分に対して一液目200ppm、二液目200ppm添加した。結果を表2に示す。
(比較例2)実施例1と同紙料を用いて実施例3と同様な試験を、一液目として試作−5、二液目として歩留剤−Aの処方、一液目として試作−6、二液目として歩留剤−Bの処方、一液目として歩留剤−A、二液目として試作−1の処方、一液目として凝結剤−A、二液目として歩留剤−Aの処方、及び一液目、二液目共に歩留剤−Aの処方で、添加率対紙料固形分に対して一液目200ppm、二液目200ppm添加した。結果を表2に示す。
(表2)
本発明の一液目として試作−1〜4、二液目として歩留剤−Aあるいは歩留剤−Bを用いた実施例1〜4では、比較例1、2の一液目として試作−5、二液目として試作−Aの処方、一液目として試作−6、二液目として試作−Bの処方、一液目として歩留剤−A、二液目として試作−1の処方、及び一液目として凝結剤−A、二液目として歩留剤−Aの処方に比べて、総歩留率、灰分歩留率が向上しマイクロピッチが低減していることが確認できた。一液目、二液目共に歩留剤−Aの処方は、総歩留率、灰分歩留率は実施例1〜4に比べて高いが、マイクロピッチ個数は多く、高分子量同士の処方ではピッチ成分を捕捉しきれていないことが判明した。
実施例1と同紙料を用いて動的濾水性試験機DDA(Dynamic Drainage Analyzer、マツボー社製)による濾水性及びシート含水率の測定試験を行なった。製紙原料を底部に315メッシュワイヤーの付いたDDA攪拌槽に投入。一液目として試作−1を対紙料固形分に対して200ppm添加、攪拌回転数1400rpmで10秒間攪拌後、二液目として歩留剤−Aを対紙料固形分に対して200ppm添加、30秒間攪拌後、300mBarの減圧下で、紙料を吸引し、ワイヤー上にシートを形成した時点の濾水時間、形成したシートの含水率を測定し、その結果を表3に示す。
実施例1と同紙料を用いて実施例5と同試験条件で動的濾水性試験機DDAによる濾水性及び形成シートの含水率の測定試験を行なった。一液目として試作−2〜4、二液目として歩留剤−Aの処方、一液目として試作−1〜4、二液目として歩留剤−Bの処方で、添加率対紙料固形分に対して一液目200ppm、二液目200ppm添加し、動的濾水性試験を行った。結果を表3に示す。
(比較例3)実施例1と同紙料を用いて実施例5と同試験条件で動的濾水性試験機DDAによる濾水性及び形成シートの含水率の測定試験を行なった。一液目として試作−5、二液目として歩留剤−Aの処方、一液目として試作−6、二液目として歩留剤−Bの処方、一液目として歩留剤−A、二液目として試作−1の処方、一液目として凝結剤−A、二液目として歩留剤−Aの処方、一液目、二液目共に歩留剤−Aの処方で、添加率対紙料固形分に対して一液目200ppm、二液目200ppm添加時の、濾水時間、形成したシートの含水率を測定した。その結果を表3に示す。
(表3)
本発明の一液目として試作−1〜4、二液目として歩留剤−Aあるいは歩留剤−Bを用いた実施例5〜6は、比較例3の一液目として試作−5、二液目として試作−Aの処方、一液目として試作−6、二液目として試作−Bの処方、一液目として歩留剤−A、二液目として試作−1及び一液目として凝結剤−A、二液目として歩留剤−Aの処方に比べて、濾水時間が短縮、シート含水率が低いことから濾水性・搾水性が良いことが確認できた。比較例3の一液目、二液目共に歩留剤−Aを添加する処方では濾水時間は短縮するものの、水分を過多に取り込んだためシート含水率は実施例5〜6より高くなり、乾燥効率が低下する結果となった。
上記実施例1と同様の試料を用いて、一液目として試作−1、二液目として歩留剤−Aを添加し、TAPPIスタンダード抄紙機(60メッシュワイヤー使用)により坪量43g/mの紙を抄いた。抄紙した湿紙を4.1kgf/cmで5分間、プレス機にてプレス脱水し、回転式ドラムドライヤーで105℃、3分間乾燥後、25℃、RH65%の条件で18時間調湿し、手抄きシートを作成し、地合い指数をM/K System Inc.社製「3−D Sheet Analyzer」により測定した。この数値は高い程、地合いは良いということになる。又、シートの不透明度を測定した。その結果を表4に示す。
実施例1と同紙料を用いて実施例7と同様の操作により、一液目として試作−2〜4、二液目として歩留剤−Aあるいは歩留剤−Bの処方で、添加率対紙料固形分に対して一液目200ppm、二液目200ppm添加時の手抄きシートを作成し、地合い指数及び不透明度を測定した。結果を表4に示す。
(比較例4)実施例1と同紙料を用いて実施例7と同試験条件で、手抄きシートを作成し、地合い指数及び不透明度を測定した。一液目として試作−5、二液目として歩留剤−Aの処方、一液目として試作−6、二液目として歩留剤−Bの処方、一液目として歩留剤−A、二液目として試作−1の処方、一液目として凝結剤−A、二液目として歩留剤−Aの処方、一液目、二液目共に歩留剤−Aの処方で、添加率対紙料固形分に対して一液目200ppm、二液目200ppm添加時の、地合い指数、不透明度を測定した。その結果を表4に示す。
(表4)
実施例7〜8では、比較例4よりも地合い指数が高く、地合いへの影響が低いことが分かる。又、不透明度も高くなることが分かった。これは、一液目に添加する本発明のポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物共存下で分散重合により得られた水溶性重合体分散液の添加により填料の分布状態を適正にコントロールした結果、地合い指数、不透明度が高くなったと考えられる。
一方、比較例4では地合い指数、不透明度共に数値は大きく低下した。このことは実施例7〜8に比べて過大なフロックを形成し、尚且つフロックが局所に偏在しているためと考えられる。
以上から、本発明の抄造薬品処方により従来の薬品処方に対して、地合いを損なうことなく、歩留、濾水・搾水性を改善すること、成紙汚れ・欠陥発生要因となるピッチ成分を抑制し、不透明度も高くなることが分かった。これらのことは、抄造工程において生産性を大きく向上し、高品質の紙製品の製造が達成できることを意味する。























Claims (4)

  1. 抄紙前の製紙原料に、ポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物共存下で、下記一般式(1)及び/又は(2)で表わされる単量体30〜60モル%、下記一般式(3)で表わされる単量体0〜50モル%、水溶性非イオン性単量体0〜70モル%からなる単量体(混合物)を攪拌下、分散重合し製造されたカチオン性あるいは両性から選択される一種以上のイオン性を有する粒径100μm以下の微粒子からなる水溶性重合体分散液の希釈液を製紙工程中のファンポンプの前後、スクリーン入口から選択される一つ以上に添加した後、重量平均分子量が1000万〜3000万であるカチオン性あるいは両性のアクリルアミド系共重合体からなる歩留向上剤を添加することを特徴とする抄紙方法。
    一般式(1)
    1は水素又はメチル基、R2、Rは炭素数1〜3のアルキル基あるいはアルコキシル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基あるいはアルコキシル基、炭素数7〜20のアルキル基あるいはアリール基であり、同種でも異種でも良い、Aは酸素又はNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基又はアルコキシレン基、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。
    一般式(2)
    は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、Xは陰イオンをそれぞれ表わす。
    一般式(3)
    は水素、メチル基又はカルボキシメチル基、QはSO、CSO、CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素又はCOOY、YあるいはYは水素又は陽イオンをそれぞれ表わす。
  2. 前記ポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物が、前記カチオン性あるいは両性から選択される一種以上のイオン性を有する微粒子に対し、50〜300質量%共存することを特徴とする請求項1に記載の抄紙方法。
  3. 前記カチオン性あるいは両性から選択される一種以上のイオン性を有する粒径100μm以下の微粒子とポリアルキレンイミン及び/又はポリアルキレンイミン変性物とが共存する水溶性重合体混合物の重量平均分子量が200万〜1000万の範囲内であることを特徴とする請求項1あるいは2の何れかに記載の抄紙方法。
  4. 前記製紙原料中に填料として炭酸カルシウムあるいはホワイトカーボンの一種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の抄紙方法。
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