JP2006265747A - 硫酸塩パルプ製造における緑液の清澄化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】清澄緑液中のドレッグス含有量を最小限に抑え、緑液の清澄度を向上させ、緑液製造工程以降の苛性化工程の操業安定化を導くことができる硫酸塩パルプ製造における緑液の清澄化方法を提供するものである。
【解決手段】硫酸塩パルプ製造における緑液の清澄化方法において、該緑液中から分離除去された不溶性不純物(以下、ドレッグスと称す。)の一部を該緑液に0.001〜1質量/容量%(対緑液処理量)の添加量で戻し、該緑液中に分散した状態で含有するドレッグスを凝集化させて分離除去することを特徴とする硫酸塩パルプ製造における緑液の清澄化方法。
【選択図】なし
【解決手段】硫酸塩パルプ製造における緑液の清澄化方法において、該緑液中から分離除去された不溶性不純物(以下、ドレッグスと称す。)の一部を該緑液に0.001〜1質量/容量%(対緑液処理量)の添加量で戻し、該緑液中に分散した状態で含有するドレッグスを凝集化させて分離除去することを特徴とする硫酸塩パルプ製造における緑液の清澄化方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、緑液中の不溶性不純物(以下、ドレッグスと称す。)含有量を最小限に抑え、緑液の清澄度を向上させ、緑液清澄工程以降の苛性化工程の操業安定化を図ることができる硫酸塩パルプ製造における緑液の清澄化方法に関するものである。
硫酸塩パルプ製造工程においては、蒸解工程で木材チップを白液で蒸解しパルプを得、更に生成した蒸解廃液(黒液)から蒸解薬品と熱エネルギーの回収を行う。具体的にはパルプ洗浄工程、黒液濃縮工程、黒液燃焼工程、緑液製造工程、白液製造工程、石灰焼成工程の各段からなる回収工程によって薬液の回収が行われている。
緑液製造工程は、回収ボイラにおいて黒液燃焼後に得られる無機溶融物(スメルト)を弱液に溶解して緑液を生成する。続く白液製造工程は、緑液にキルンで焼成した焼成石灰(主成分は酸化カルシウム)を添加して緑液中の主成分である炭酸ナトリウムを蒸解に必要な水酸化ナトリウムに化学変化させるための工程であり、苛性化工程と称される。更に石灰焼成工程では、苛性化工程で生成した炭酸カルシウムを主成分とする石灰泥を洗浄後に石灰キルンで焼成し、炭酸カルシウムを再び酸化カルシウムとする。ここで石灰泥を用水で洗浄した濾液は弱液と称され、回収ボイラに送られる。
緑液製造工程で生成された緑液は、次工程の苛性化工程へと送液されるが、緑液中にはスメルト中の未燃炭素と不溶性金属が主成分であるドレッグスが含有されている。該ドレッグスは次工程の白液中に混入すると白液の品質を低下させるばかりでなく、白液製造工程中の白液清澄化で石灰泥の沈降性や濾過性を悪化させる。また、石灰泥中の不純物が増加すると石灰キルンの能力低下や焼成石灰の品質低下を招き、生産性が悪化する。また焼成石灰の品質低下、即ち石灰の純度が低下すると該純度を回復させるために、新規に原料として生石灰(酸化カルシウム)を補充するために費用が増大し、また、結果として苛性化工程から発生する廃棄物量も増大する。このようにドレッグスの後工程への流出は操業上大きな損失を来すため、白液製造工程へ送液される緑液は清澄化工程でドレッグスをできるかぎり除去することが必須である。
従来、工業的に行われている緑液の清澄化方法は、主として沈降濃縮式緑液クラリファイヤーを用い、重力により緑液中のドレッグスを分離除去する方法が採られている。また、近年では、緑液を加圧条件下で強制的に濾過することによりドレッグスを除去する方法も採用されている。
ここで、緑液清澄化方法の1つである緑液クラリファイヤーを用いた硫酸塩パルプ製造における緑液の清澄化方法の概略について説明する。沈降濃縮式緑液クラリファイヤーの型式として、現在はその多くは上部にストレージ層を持つ1段式の沈降層が採用されている。ドレッグスを含んだ未処理の緑液は、緑液クラリファイヤーの中央の深い位置にフィードウェルを介して供給される。これはフィードウェル内におけるドレッグスの凝集効果を大きくするとともに、ドレッグスの緑液クラリファイヤー内の清澄層へのショートカットを防止する目的がある。
ドレッグスの凝集、沈降を早め、緑液の清澄化を促進させる目的で、従来から緑液中にアニオン系高分子凝集剤を添加する方法が採用されている。一般的にアニオン系高分子凝集剤は、緑液がフィードウェルに送られる手前に添加口が設けられ、この添加口より添加され、緑液中にアニオン系高分子凝集剤が十分に拡散した後、フィードウェルを経て緑液クラリファイヤー内へ送られる。
また、アニオン系高分子凝集剤に代わって、緑液を苛性化するのに必要な生石灰量中の特定割合を添加し、ドレッグスを緑液から除去する方法を採用している例もある(例えば、特許文献1参照)。
従来の方法において、比較的粒子の粗いドレッグスは、緑液クラリファイヤーをはじめとする緑液の清澄化工程にて凝集、沈降させることは可能である。しかし、アニオン系高分子凝集剤などの沈降助剤だけでは微細な粒子のドレッグスは効果的に凝集、沈殿させることが困難であり、清澄緑液中にこの微細な粒子のドレッグスの量が増え、緑液製造工程の次工程である白液製造工程に蓄積されてくると、白液製造工程や石灰キルンの操業に深刻な影響を与える。また、生石灰の添加法では有用なカルシウム分も系外へ排出されるため費用が増大する。
このように、緑液から微細な粒子のドレッグスを効果的に除去し、しかも安価な方法が苛性化工程全体あるいは硫酸塩パルプ製造工程全体の安定した操業維持の観点から重要な課題となっていた。
特表平1−502207号公報
本発明の目的は、清澄緑液中のドレッグス含有量を最小限に抑え、緑液の清澄度を向上させ、緑液製造工程以降の苛性化工程の操業安定化を安価に図ることができる硫酸塩パルプ製造における緑液の清澄化方法を提供するものである。
本発明者は、緑液製造工程へ送液される緑液から分散した状態で含有されるドレッグスを効果的に分離除去する方法について鋭意検討を重ねた結果、該緑液から分離除去されたドレッグスの一部を循環させ清澄前の緑液に戻すことによって十分な緑液の清澄化が可能となることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の硫酸塩パルプ製造における緑液の清澄化方法は、該緑液中にドレッグスを0.001〜1(質量/容量%)(対緑液処理量)添加して、該緑液中に分散した状態で含有するドレッグスの凝集化を促進して分離除去することを特徴とするものである。
また、本発明の硫酸塩パルプ製造における緑液の清澄化方法において、緑液中から分離除去された不溶性不純物の一部と共に高分子凝集剤を添加することが好ましい。
本発明の硫酸塩パルプ製造における緑液の清澄化方法により、緑液中のドレックス含有量を最小限に抑え、緑液の清澄度を向上させ、緑液製造工程以降の苛性化工程の操業安定化を安価に図ることができる。
本発明は、硫酸塩パルプ製造における木材チップの蒸解に用いる薬液の回収および製造を行う工程の1つである緑液製造工程へ送液される緑液から、分散した状態で含有するドレッグスを効果的に分離除去する硫酸塩パルプ製造における緑液の清澄化方法を提供するものであり、該緑液から分離除去したドレッグスの一部を循環することによって、従来の方法では除去の難しかった粒子の細かいドレッグスを該緑液から効果的にしかも安価に除去することを可能とするものである。
一般に比較的粗い粒子の表面は正極に帯電しているため粒子同士が反発しあい沈殿しにくい状態にあり、従って荷電の中和による凝結と架橋によるフロックを形成させる凝集を促進するため、アニオン系の高分子凝集剤を用いることが多い。また、微細なコロイド状粒子の表面は二重荷電を帯びており、見かけ上は負極に帯電していると考えられる。この場合は硫酸アルミニウムのような無機の凝結剤の添加により荷電を中和して小さなフロックを形成させた後、カチオン系の高分子凝集剤を添加し架橋による大きなフロックを形成させ凝集を促進している。
一方、緑液は比較的粗い粒子や微細なコロイド状粒子を含み、また硫化ナトリウムや炭酸ナトリウムを高濃度に溶解している強アルカリ性であるため、硫酸アルミニウムのような酸性の無機凝結剤の使用は困難である。このため通常、緑液の凝集はカチオン系の高分子凝集剤を用いることが多い。
しかし、実際にはこのような方法ではドレッグスのうち、微細な粒子なもの、特に鉄などの水酸化物はコロイド状懸濁粒子として緑液中でブラウン運動をしている。従って、単一の高分子凝集剤だけでは効率的に凝集、沈殿させることは困難であり、そのため高分子凝集剤の選択が重要なポイントとなっている。そこで、本発明では、微細なコロイド状粒子のドレッグスに対して、緑液クラリファイヤー等から分離除去されたドレッグスを再び凝集助剤として用い、例えば、緑液クラリファイヤーでの凝集、沈降性を高め清澄性の高い緑液を得るものである。
本発明において、清澄前の緑液へのドレッグスの添加量は緑液処理量に対して0.001〜1(質量/容量%)であり、好ましくは0.01〜0.5(質量/容量%)である。ここで、ドレッグスの添加量が0.001(質量/容量%)未満ではドレッグスのフロック形成が不十分であり、該緑液からのドレッグスの分離除去が十分に行われない。また、添加量が1(質量/容量%)を超えて添加してもドレッグスの分離についてはさらなる改善は見られず、むしろ緑液クラリファイヤーで分離除去したドレッグスの排出量が増加するだけである。
ここで、添加するドレッグスは、例えば緑液クラリファイヤーで分離除去し排出した直後のスラリー状態の濃縮されたドレッグスや、さらに排出したドレッグススラリー中のアルカリ分を回収するための洗浄機を経て脱水されたドレッグス等が挙げられる。
緑液にはドレッグスと同時または別個にアニオン系高分子凝集剤を添加しても良い。本発明に用いるアニオン系高分子凝集剤の例として、ポリアクリルアミド系、ポリアクリルアミド酸塩系など、商品名では、アコフロック、スーパーフロック(三井化学アクアポリマー社製)、アサヒフロック(朝日化学工業社製)、クリファーム(栗田工業社製)、ハクトロン(伯東社製)、アロンフロック(東亞合成社製)などが挙げられる。
また、カチオン系高分子凝集剤も用いることができ、例えば、ポリメタアクリル酸エステル系、特殊変性ポリアクリルアミド系、ポリアミン系、ポリアクリル酸エステル系、ジメチルアミノエチルメタクリレート系、ジメチルアミノエチルメタクリエート系など、商品名では、アコフロック(三井化学アクアポリマー製)、アサヒフロック(朝日化学社製)、ハイホルダー(栗田工業社製)、ハクトロン(伯東社製)、アロンフロック(東亞合成社製)などが挙げられる。
本発明において、ドレッグスを添加する場所は、回収ボイラにおいて黒液燃焼後に得られる無機溶融物を弱液に溶解して緑液を生成するデゾルビングタンクや、あるいは緑液クラリファイヤー等の緑液の清澄化工程へ送液される緑液中等が挙げられる。
本発明において、アニオン系高分子凝集剤またはカチオン系高分子凝集剤を添加する場合、デゾルビングタンク後の緑液の清澄化工程、好ましくは緑液クラリファイヤーに送液される前の緑液中に添加する必要がある。
上記のように、緑液中で一旦フロックを形成し凝集が比較的安定した形のドレッグスを再び、送液された清澄前の緑液に添加することにより、これが核となり同時に添加されている高分子凝集剤の効果と相まって新たなフロックの形成を促進し、緑液中のドレッグスが緑液クラリファイヤーなどの清澄化工程において分離除去される。
本発明において、緑液清澄化に用いられる方法としては重力沈降方式や強制濾過方式が挙げられる。中でも重力沈降方式の代表的な緑液クラリファイヤーが望ましい。
本発明において、用いられる緑液クラリファイヤーとしては、例えば、多段クラリファイヤー、ユニットクラリファイヤー、貯槽兼用型クラリファイヤー、沈降濃縮式緑液クラリファイヤーなどが挙げられ、中でも沈降濃縮式クラリファイヤーが好ましい。
以下、本発明の実施例を挙げて比較例と共に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
硫酸塩パルプ製造の緑液清澄工程において、緑液クラリファイヤーに送液される前の緑液に、緑液クラリファイヤーから分離除去されたドレッグスを温水洗浄しアルカリ分を回収した後のドレッグスを緑液処理量に対して0.001(質量/容量%)添加し、続いてアニオン系高分子凝集剤アサヒフロックAF5C(朝日化学工業社製)を緑液処理量に対して0.10mg/lの割合で添加し、緑液クラリファイヤーからオーバーフローする清澄緑液中に含まれる懸濁固形分の濃度を下記の測定方法により測定した結果と緑液クラリファイヤーに送液される緑液中のそれと比較した結果を表1に示した。
硫酸塩パルプ製造の緑液清澄工程において、緑液クラリファイヤーに送液される前の緑液に、緑液クラリファイヤーから分離除去されたドレッグスを温水洗浄しアルカリ分を回収した後のドレッグスを緑液処理量に対して0.001(質量/容量%)添加し、続いてアニオン系高分子凝集剤アサヒフロックAF5C(朝日化学工業社製)を緑液処理量に対して0.10mg/lの割合で添加し、緑液クラリファイヤーからオーバーフローする清澄緑液中に含まれる懸濁固形分の濃度を下記の測定方法により測定した結果と緑液クラリファイヤーに送液される緑液中のそれと比較した結果を表1に示した。
実施例2
実施例1において、ドレッグスの添加量を0.01(質量/容量%)にした以外は実施例1と同様にして緑液を処理した。
実施例1において、ドレッグスの添加量を0.01(質量/容量%)にした以外は実施例1と同様にして緑液を処理した。
実施例3
実施例1において、ドレッグスの添加量を0.5(質量/容量%)にした以外は実施例1と同様にして緑液を処理した。
実施例1において、ドレッグスの添加量を0.5(質量/容量%)にした以外は実施例1と同様にして緑液を処理した。
実施例4
実施例1において、ドレッグスの添加量を1(質量/容量%)にした以外は実施例1と同様にして緑液を処理した。
実施例1において、ドレッグスの添加量を1(質量/容量%)にした以外は実施例1と同様にして緑液を処理した。
比較例1
実施例1において、ドレッグスを添加しないこと以外は実施例1と同様にして緑液を処理した。
実施例1において、ドレッグスを添加しないこと以外は実施例1と同様にして緑液を処理した。
実施例5
実施例1において、アニオン系高分子凝集剤アサヒフロックAF5C(朝日化学工業社製)を緑液処理量に対して0.25mg/lの割合で添加した以外は実施例1と同様にして緑液を処理した。
実施例1において、アニオン系高分子凝集剤アサヒフロックAF5C(朝日化学工業社製)を緑液処理量に対して0.25mg/lの割合で添加した以外は実施例1と同様にして緑液を処理した。
実施例6
実施例5において、ドレッグスの添加量を0.01(質量/容量%)にした以外は実施例5と同様にして緑液を処理した。
実施例5において、ドレッグスの添加量を0.01(質量/容量%)にした以外は実施例5と同様にして緑液を処理した。
実施例7
実施例5において、ドレッグスの添加量を0.5(質量/容量%)にした以外は実施例5と同様にして緑液を処理した。
実施例5において、ドレッグスの添加量を0.5(質量/容量%)にした以外は実施例5と同様にして緑液を処理した。
実施例8
実施例5において、ドレッグスの添加量を1(質量/容量%)にした以外は実施例5と同様にして緑液を処理した。
実施例5において、ドレッグスの添加量を1(質量/容量%)にした以外は実施例5と同様にして緑液を処理した。
比較例2
実施例5において、ドレッグスを添加しないこと以外は実施例5と同様にして緑液を処理した。
実施例5において、ドレッグスを添加しないこと以外は実施例5と同様にして緑液を処理した。
上記実施例および比較例について、下記の各種測定方法により測定し、その結果を表1に示した。
<清澄緑液中の懸濁固形分濃度>
緑液クラリファイヤーからオーバーする清澄緑液をよく攪拌し、その1lを重量既知のガラス繊維濾紙(アドバンチック東洋濾紙株式会社製GS−25)を用いて濾過し温水洗浄した。続いて、ガラス繊維濾紙を105℃で30分以上乾燥し、重量を測定し清澄緑液1l中の懸濁固形分濃度を求めた。また、懸濁固形分濃度の評価として10mg/l以下を良好な清澄度の指標とした。
緑液クラリファイヤーからオーバーする清澄緑液をよく攪拌し、その1lを重量既知のガラス繊維濾紙(アドバンチック東洋濾紙株式会社製GS−25)を用いて濾過し温水洗浄した。続いて、ガラス繊維濾紙を105℃で30分以上乾燥し、重量を測定し清澄緑液1l中の懸濁固形分濃度を求めた。また、懸濁固形分濃度の評価として10mg/l以下を良好な清澄度の指標とした。
<懸濁固形分除去率>
懸濁固形分除去率とは、緑液クラリファイヤーで懸濁固形分が取り除かれた割合を表し、以下の式により算出した。
懸濁固形分除去率(%)=(粗緑液中懸濁固形分濃度−清澄緑液中懸濁固形分濃度)÷粗緑液中懸濁固形分濃度×100
ここで、粗緑液中懸濁固形分濃度とは、デゾルビングタンク後緑液クラリファイヤーに送液される前の緑液中に含まれている懸濁固形分の濃度であり、その測定方法はよく攪拌した該粗緑液200mlをガラス繊維濾紙を用いて濾過し温水洗浄した。続いて、ガラス繊維濾紙を105℃で30分以上乾燥し、重量を測定し粗緑液1l中の懸濁固形分濃度を求めた。懸濁固形分除去率が97%以上で良好な除去率であると判断した。
懸濁固形分除去率とは、緑液クラリファイヤーで懸濁固形分が取り除かれた割合を表し、以下の式により算出した。
懸濁固形分除去率(%)=(粗緑液中懸濁固形分濃度−清澄緑液中懸濁固形分濃度)÷粗緑液中懸濁固形分濃度×100
ここで、粗緑液中懸濁固形分濃度とは、デゾルビングタンク後緑液クラリファイヤーに送液される前の緑液中に含まれている懸濁固形分の濃度であり、その測定方法はよく攪拌した該粗緑液200mlをガラス繊維濾紙を用いて濾過し温水洗浄した。続いて、ガラス繊維濾紙を105℃で30分以上乾燥し、重量を測定し粗緑液1l中の懸濁固形分濃度を求めた。懸濁固形分除去率が97%以上で良好な除去率であると判断した。
<鉄除去率>
鉄除去率とは、緑液クラリファイヤーで鉄が取り除かれた割合を表し、以下の式により算出した。
鉄除去率(%)=(粗緑液中鉄濃度−清澄緑液中鉄濃度)÷粗緑液中鉄濃度×100
ここで、粗緑液中鉄濃度とは、デゾルビングタンク後緑液クラリファイヤーに揚液される前の緑液中に含まれている鉄の濃度であり、その測定方法はよく攪拌した緑液10mlに塩酸5mlを加え、煮沸して硫化水素を追い出した後濾紙で濾過し、続いて原子吸光光度計で鉄濃度を求めた。鉄除去率が75%以上のとき良好な除去率と判断した。鉄濃度は基本的には(JIS K 1020 工場排水試験方法)を基に測定し、原子吸光光度計は島津製作所製A−660形を用いた。
鉄除去率とは、緑液クラリファイヤーで鉄が取り除かれた割合を表し、以下の式により算出した。
鉄除去率(%)=(粗緑液中鉄濃度−清澄緑液中鉄濃度)÷粗緑液中鉄濃度×100
ここで、粗緑液中鉄濃度とは、デゾルビングタンク後緑液クラリファイヤーに揚液される前の緑液中に含まれている鉄の濃度であり、その測定方法はよく攪拌した緑液10mlに塩酸5mlを加え、煮沸して硫化水素を追い出した後濾紙で濾過し、続いて原子吸光光度計で鉄濃度を求めた。鉄除去率が75%以上のとき良好な除去率と判断した。鉄濃度は基本的には(JIS K 1020 工場排水試験方法)を基に測定し、原子吸光光度計は島津製作所製A−660形を用いた。
評価:
ドレッグスを添加した後、アニオン系高分子凝集剤を添加した時のドレッグスの効果を見極める目的で、比較例1と実施例1〜4を行い、その結果を上記表1に示した。比較例1のドレッグス無添加では、懸濁固形分除去率および清澄緑液の鉄除去率は実施例1〜4よりはるかに劣っており、清澄度の優れた緑液が得ることができないことが分かる。一方、実施例1では比較例よりは効果があるが、実施例2〜4よりは劣っている。また、実施例4は実施例3と効果がほぼ変わらず、実施例3のドレッグス添加率でレベルオフしていることが分かる。この結果から、ドレッグスは0.001質量/容量%である程度の効果は見られるものの、効果的な添加率は0.01〜0.5質量/容量%と判断できる。
また、アニオン系高分子凝集剤をさらに多く添加した時のドレッグスの効果を見極める目的で、比較例2と実施例5〜8を行い、その結果を上記表1に示した。比較例2の無添加では、懸濁固形分除去率および清澄緑液の鉄除去率は実施例5〜8よりはるかに劣っており、清澄度の優れた緑液が得ることができないことが分かる。一方、実施例5では比較例よりは効果があるが、実施例6〜8よりは劣っている。また、実施例8は実施例7と効果がほぼ変わらず、実施例7のドレッグス添加率でレベルオフしていることが分かる。この結果から、ドレッグスは0.001質量/容量%である程度の効果は見られるものの、効果的な添加率は0.01〜0.5質量/容量%と判断できる。
さらにまた、実施例5〜6は実施例1〜2と比較すると、明らかに優れており高分子凝集剤の添加率を増すとドレッグスの効果は相乗作用があることが分かる。
ドレッグスを添加した後、アニオン系高分子凝集剤を添加した時のドレッグスの効果を見極める目的で、比較例1と実施例1〜4を行い、その結果を上記表1に示した。比較例1のドレッグス無添加では、懸濁固形分除去率および清澄緑液の鉄除去率は実施例1〜4よりはるかに劣っており、清澄度の優れた緑液が得ることができないことが分かる。一方、実施例1では比較例よりは効果があるが、実施例2〜4よりは劣っている。また、実施例4は実施例3と効果がほぼ変わらず、実施例3のドレッグス添加率でレベルオフしていることが分かる。この結果から、ドレッグスは0.001質量/容量%である程度の効果は見られるものの、効果的な添加率は0.01〜0.5質量/容量%と判断できる。
また、アニオン系高分子凝集剤をさらに多く添加した時のドレッグスの効果を見極める目的で、比較例2と実施例5〜8を行い、その結果を上記表1に示した。比較例2の無添加では、懸濁固形分除去率および清澄緑液の鉄除去率は実施例5〜8よりはるかに劣っており、清澄度の優れた緑液が得ることができないことが分かる。一方、実施例5では比較例よりは効果があるが、実施例6〜8よりは劣っている。また、実施例8は実施例7と効果がほぼ変わらず、実施例7のドレッグス添加率でレベルオフしていることが分かる。この結果から、ドレッグスは0.001質量/容量%である程度の効果は見られるものの、効果的な添加率は0.01〜0.5質量/容量%と判断できる。
さらにまた、実施例5〜6は実施例1〜2と比較すると、明らかに優れており高分子凝集剤の添加率を増すとドレッグスの効果は相乗作用があることが分かる。
本発明は、硫酸塩パルプ製造における緑液製造工程において、清澄度の優れた緑液を得ることを可能にする。
Claims (2)
- 硫酸塩パルプ製造における緑液の清澄化方法において、該緑液中から分離除去された不溶性不純物の一部を該緑液に0.001〜1質量/容量%(対緑液処理量)の添加量で戻し、該緑液中に分散した状態で含有するドレッグスを凝集化させて分離除去することを特徴とする硫酸塩パルプ製造における緑液の清澄化方法。
- 緑液中から分離除去された不溶性不純物の一部と共に高分子凝集剤を添加することを特徴とする請求項1記載の硫酸塩パルプ製造における緑液の清澄化方法。
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