JP2005179443A - 多孔体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 親水性が高く、水、血液等の極性溶媒に対するろ過、分離効率の優れる多孔体を提供すること、および、親油性が高く無極性有機溶媒や油等の液体に対するろ過、分離効率に優れる多孔体を提供することである。更には、内部に微細な孔を多数有し、かつ、力学特性、耐熱性および耐薬品性に優れ、フィルムまたは中空糸として水性液体、極性有機溶媒、血液、油、無極性有機溶媒等の分離膜として効果的な多孔体を提供すること。
【解決手段】 化学式(1)で表され、極限粘度が0.1〜20dl/gであるポリケトン(A)と、ポリケトン以外であって重量平均分子量が1000〜10000000である高分子化合物(B)により構成され、(A)/(B)の重量比が20/80〜99/1であって、平均孔径が0.001〜10μmである孔を1〜90vol%含有することを特徴とする多孔体。
【化1】
Figure 2005179443

(式中、Rは炭素数が2〜30の有機基である。)
【選択図】 選択図なし。

Description

本発明は、その一部がポリケトンから構成され、多数の微細な孔を有する成形体に関する。さらに詳しくは、ポリケトンおよびポリケトン以外の高分子化合物の混合体から構成され、親水性、親油性、柔軟性等、ポリケトンのみから構成される多孔体では得られない特性を具備する多孔体に関する。
一酸化炭素とエチレン性不飽和化合物が実質完全に交互共重合したポリケトンは熱特性、力学特性に優れ、繊維、フィルム、樹脂等への展開が検討されている。この中で、例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3に開示されているように、ポリケトンの高力学特性、高融点、高耐薬品性等の特性を活かして、分離膜、透過膜等の用途を目指した多孔体への展開も検討されている。
これまでのポリケトンにおける多孔体の検討は、エチレンと一酸化炭素が交互共重合したポリケトン(化学式(2)で表される繰り返し単位を有するポリ(1−オキソトリメチレン)であり、以下、ECO、と略する)、エチレンとプロピレン、一酸化炭素が交互に共重合したポリケトン(以下、EPCO、と略する)、ECOの一部がカルボン酸基やスルホン酸基等に置換されたポリケトン(以下、アニオン基含有ポリケトン、と略する)、エチレンと一酸化炭素がランダムに共重合したポリケトン(以下、ランダム共重合ポリケトン、と略する)等のポリケトンを用いて行われてきた。
Figure 2005179443
ECOから製造される多孔体は、高結晶性で高力学物性、高融点、耐薬品性に優れる等の特性を有しているが、ECO自体は結晶性が高く、またケトン基を有するもののその親水性は十分に高いとはいえなかった。また、血液、水等の極性溶媒に対するろ過や分離用途では極性溶媒との親和性が小さいため、これらの溶媒を含有する液体の透過速度を十分に高くすることが難しく、効率的なろ過や分離が困難である問題があった。
EPCOやランダム共重合ポリケトンについても、結晶性はECOよりも低いものの、その親水性はECOと同様に小さく、やはり極性溶媒を用いた場合には効率的なろ過、分離が困難である問題があった。
一方、アニオン基含有ポリケトンについては、ポリケトンの繰り返し単位中にアニオン基を導入することより親水性は向上するものの、アニオン基の導入によって結晶性が低下して、十分な強度を有する多孔体を形成することが困難となる問題、アニオン基の含有量が十分に高いポリケトンを工業的な重合活性で製造することが困難であるという問題があった。
一方、低級炭化水素等の無極性溶媒を主体とする液体の分離、ろ過に際しても、ポリケトンだけからなる多孔体では親和性が十分に高いとはいえず、効率的なろ過、分離が困難である問題があった。
特開平2−4431号公報 特開2000−198866号公報 特開2002−348401号公報

本発明が解決しようとする課題は、親水性が高く、水、血液等の極性溶媒や炭化水素等の極性の低い溶媒に対するろ過、および分離効率の優れるポリケトン多孔体を提供することを目的とする。
更には、本発明は、内部に微細な孔を多数有し、かつ、力学特性、耐熱性および耐薬品性に優れ、フィルムまたは中空糸として水性液体、極性有機溶媒、血液、油等の分離膜として効果的なポリケトン多孔体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行い、エチレン性不飽和化合物と一酸化炭素とを交互共重合して得られるポリケトンに高分子化合物を配合した場合に、親水性または親油性が大幅に向上し、上記の課題を解決できる可能性があることを見出し、更に検討を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1) 化学式(1)で表され、極限粘度が0.1〜20dl/gであるポリケトン(A)と、ポリケトン以外であって重量平均分子量が1000〜10000000である高分子化合物(B)により構成され、(A)/(B)の重量比が20/80〜99/1であって、平均孔径が0.001〜10μmである孔を1〜90vol%含有することを特徴とする多孔体。
Figure 2005179443
(式中、Rは炭素数が2〜30の有機基である。)
(2) 高分子化合物(B)の溶解度パラメーターが10〜35(J0.5/cm1.5)であることを特徴とする(1)に記載の多孔体。
(3) ポリケトン(A)/高分子化合物(B)の重量比が50/50〜95/5であることを特徴とする(1)または(2)に記載の多孔体。
(4) ポリケトン(A)の繰り返し単位の1〜99.5wt%が化学式(2)で表される1−オキソトリメチレン単位であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の多孔体。
Figure 2005179443
(5) 多孔体が繊維であり、繊維の内部に少なくとも一つの長手方向に貫通した中空部を有する中空糸であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の多孔体。
(6) 繊維の内部にあり、長手方向に貫通する中空部の割合が10〜70vol%であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つに記載の多孔体。
(7) 二重管オリフィスを用いて中空糸を製造するに際して、化学式(1)で表され、極限粘度が0.1〜20dl/gであるポリケトン(A)、およびポリケトン以外であって重量平均分子量が1000〜10000000である高分子化合物(B)の両方を溶解する能力のある溶媒に、両者を溶解してドープを製造し、二重管オリフィスの外側の環状オリフィスからドープを吐出するとともに、内側の円状オリフィスからは液体または気体を吐出し、ドープを凝固浴中にて中空状に凝固する工程を含むことを特徴とする中空糸の製造方法。
Figure 2005179443
本発明によれば、親水性または親油性に優れるポリケトン多孔体を提供することができる。本発明のポリケトン多孔体の具体的な用途としては、汚水処理、含油廃水処理、工業用純水の製造、果汁の処理等の水溶液濾過膜として、また、有機液体中の不純物除去、有機液体の回収等の有機溶液濾過膜として、またイオン性液体の透過膜として、または血液や体液の透析膜として、さらには油の分離膜として非常に有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、多孔体とは、内部および/または表面に微細な空隙が多数存在する繊維、中空糸、フィルム、棒、ブロック、球、筒、鍋状物、布、織編物、シート、多層積層物等の加工物を意味する。
本発明のポリケトン多孔体を構成する化合物は、化学式(1)で表されるポリケトン(A)およびポリケトン以外の高分子化合物(B)である。
Figure 2005179443
(式中、Rは炭素数が2〜30の有機基である。)
ポリケトン(A)は、一酸化炭素と炭素数が2〜30の有機化合物が共重合したポリマーである。一酸化炭素との共重合に用いる有機化合物としては、炭素数が2〜30のエチレン性不飽和化合物(エチレン、またはエチレンの水素の少なくとも一つが有機化合物によって置換された構造を有する化合物)が好ましい。エチレン性不飽和化合物の炭素数が30を越えると反応性が低下し、工業的な製法で共重合体を製造することが困難となる。
エチレン性不飽和化合物としては、具体的には、エチレン、プロピレン、1―ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等のα−オレフィン、スチレン、α−メチルスチレン等のアルケニル芳香族化合物、シクロペンテン、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、テトラシクロドデセン、トリシクロデセン、ペンタシクロペンタデセン、ペンタシクロヘキサデセン等の環状オレフィン、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル、エチルアクリレート、メチルメタクリレート等のアクリル酸エステル、酢酸ビニル等が挙げられ、Aはこれらの不飽和化合物の二重結合がエチレン基になった構造である。
Rの炭素数が2〜30の範囲であれば、上記の一酸化炭素とエチレン性不飽和化合物とが共重合した繰り返し単位の水素原子の一部が、炭化水素、カルボニル基、スルホン基、ホスホン基、エーテル基、エステル基、アミド基、水酸基、ハロゲン原子等を含有する有機化合物で置換された構造であってもよい。
共重合体の力学特性、耐熱性および重合反応性の観点から、Rの炭素数は2〜6が好ましく、2〜3がより好ましく、最も好ましくは2である。共重合体の耐熱性および力学特性の観点からRがエチレン基である1−オキソトリメチレン単位(化学式(2))を主体とするポリケトンが特に好ましい。
Figure 2005179443
1−オキソトリメチレン単位の割合は、結晶性、力学特性および耐熱性の観点から、好ましくは80〜100wt%、より好ましくは90〜100wt%、さらに好ましくは95〜100wt%、最も好ましくは100wt%である。
ポリケトン(A)は、極限粘度が0.1〜20dl/gであることが必要である。極限粘度が0.1dl/g未満では、力学特性が十分に高い多孔体を得ることができない。一方、極限粘度が20dl/gを越えると、成形性が悪く、工業的な装置で多孔体を製造することができない。力学特性および成形性の観点から、1〜10dl/gであることが好ましく、3〜8dl/gがより好ましい。
高分子化合物(B)は、重量平均分子量が1000〜10000000であればどのようなものであってもよく、多孔体の用途、目的、使用条件等に応じて適宜選定することができる。重量平均分子量が1000未満では、多孔体の構成材料として力学特性が不十分であり、一方10000000を越えると、分子量が高すぎて流動性が低下するため成形性が悪くなり、工業的に多孔体を製造することができない。重量平均分子量は、力学特性および成形性の観点から2000〜2000000であることが好ましく、10000〜1000000がより好ましい。分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)には制限はないが、力学特性の観点から1〜10が好ましく、より好ましくは1〜5である。
高分子化合物(B)は、重量平均分子量が上記の範囲であればどのようなものであってもよいが、ポリケトンとの親和性の観点から、溶解度パラメーターが10〜35(J0.5/cm1.5)であることが好ましい。本発明において溶解度パラメーターとは、ポリマーの親和性を表す指標であり、実験または理論式によって求めることができる(例えば、高分子学会編「高分子データハンドブック基礎編」、培風館、p.591−616、およびW.VanKrevelen著「PROPERTIES OF POLYMERS」、第3版、1990年、p.189−225)
溶解度パラメーターが10(J0.5/cm1.5)未満では疎水性が強くなりすぎるため、また、溶解度パラメーターが35(J0.5/cm1.5)を越えると親水性が強くなりすぎるため、ポリケトンとの親和性が低下し、条件によっては均一な相分離構造を形成することが困難となる場合がある。ポリケトンとの親和性および均一な多孔体構造の観点から、溶解度パラメーターは、より好ましくは15〜30(J0.5/cm1.5)である。
本発明に用いる高分子化合物(B)は、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のポリジエン類、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリ(メタ)アクリル酸類、ポリメトキシエチレン等のポリニニルエーテル類、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルメチルケトン等、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル類、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル等のポリビニルニトリル類、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルベンゾエート等のポリビニルエステル類、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリヒドロキシスチレン等のポリスチレン類、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキソド、ポリプロピレンオキシド等のポリオキシド類、ポリオキシカルボニルオキシヘキサメチレン、ポリオキシカルボニルオキシー1,4−フェニレンイソプロピリデンー1,4−フェニレン等のポリカーボネート類、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリオキシカルボニルエチレン等のポリエステル類、ポリウレタン等のポリウレタン類、ポリアリルスルホネート等のポリスルホネート類、ポリジメチルシロキサン、ポリシロキサン等のポリシロキサン類、ポリジチオエチレン、ポリチオフェニレン等のポリスルフィド類、ポリオキシー1,4−フェニレンスルホニルー1,4−フェニレン等のポリスルホン類、ナイロン66、ナイロン6等のポリアミド類、ポリイミノエチレンイミノテレフタロイル、ポリイミノイソフタロイルイミノー4,4’−ビフェニレン等の芳香族ポリアミド類、ポリ尿素類、ポリビニルピロリドン類、ポリジエチルカルボジイミド、ポリー4,4’−ジフェニレンメタンカルボジイミド等のポリカルボジイミド類、ポリベンズオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリピロメリトイミド、ポリキノキサリン、ポリベンズイミダゾール、ポリペラジン、ポリ無水マレイン酸、ポリ無水メタクリル酸等の複素環を主骨格とするポリマー類、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、シアノエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、硝酸セルロース等のセルロースおよびセルロース誘導体類、アミロース、酢酸アミロース、アミロペクチン等のデンプン類、アルギン酸、キチン、キトサン、グリコーゲン、ヘパリン等の多糖類、タンパク質等のポリアミノ酸等を挙げることができる。これらの高分子化合物は複数のものを混合して用いてもよく、また、分子量が異なるものを用いてもよく、さらに複数のモノマーが共重合したポリマーを用いてもよい。
高分子化合物(B)は、ポリケトン(A)だけでは発現できない性能および特性を多孔体に付与する機能を有することが好ましく、多孔体の用途および使用条件によって適宜選定すればよい。
例えば、血液ろ過膜として用いる場合には、多孔体の親水性を向上させる目的で、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の親水性高分子化合物を用いることができる。
セパレーター等の分離膜に用いる場合には、多孔体のイオン伝導度を向上させる目的で、スチレンスルホン酸ナトリウム、ポリアリルスルホン酸ナトリウム、ポリアクリル酸等のアニオン性高分子化合物を用いることができる。
油、石油等の分離膜として用いる場合には、油との親和性を高める目的で、ポリスチレン、ポリプロピレン等の炭化水素系高分子を用いることができる。
本発明の多孔体は、平均孔径が0.001〜10μmである孔を5〜90vol%含有する。なお、本発明において微多孔の体積割合とは、多孔体の全体積に占める微多孔部の体積の割合である。ただし、多孔体が繊維であって、内部に繊維軸方向に貫通した空隙を有する中空糸の場合には、中空部を除いた体積に占める微多孔部の体積の割合を微多孔の体積割合とする。多孔体の孔の平均孔径および孔の体積分率は実施例に記載の方法により測定される。
平均孔径が0.001μm未満の場合、透過性能が著しく低下し、分離膜としての機能が不十分となる。また、平均孔径が10μmを越える場合、支持体であるポリケトンの力学物性が低下し、脆弱な材料となる。平均孔径は、用途により要求される大きさが異なるため、一概に規定することはできないが、水、有機溶液、血液等の分離膜用途では0.001〜10μm、好ましくは0.005〜5μm、より好ましくは0.01〜1μmである。
多孔体中の微細孔の体積割合は多ければ多いほど、時間あたりの分離速度が速くなり好ましいが、微多孔の占める体積が90%を越えると多孔体の力学物性が不十分となる。また、体積割合が少なすぎると、分離膜としての液の透過性が不十分となる。このため、微多孔の体積割合は5〜90vol%であることが必要であり、好ましくは10〜70vol%、より好ましくは15〜60vol%、最も好ましくは20〜50vol%である。
多孔体の孔はそれぞれ独立した孔であっても、隣接する孔同士が連結したものであってもよい。強度の観点からは独立孔であることが望ましいが、分離膜として用いる場合には分離効率の観点から隣接する孔同士が連結したものが望ましい。
本発明の多孔体はどのような形態であってもよいが、一般的には中空糸状またはフィルム状として用いられる。
中空糸膜の場合、内部に長手方向に貫通した空隙(中空部)の割合には制限はないが、少なすぎると膜の分離効率が低下し、多すぎると中空糸の力学特性が低下するため、好ましくは10〜70vol%、より好ましくは20〜60vol%である。
さらに、力学特性、膜の分離性能の観点から、繊維の全体積に対する微多孔部の体積と中空部の体積の和が、好ましくは15〜80vol%、より好ましくは30〜75vol%である。本発明において中空部の割合は、繊維の全断面積に対する中空部の面積の100分率で表され、電子顕微鏡または光学顕微鏡により得られる中空糸の断面写真から、本明細書の実施例に記載の方法で求めることができる。繊維内部にある中空部の数には制限はなく、1本であってもまた複数本であってもよい。
多孔体繊維の外径には制限はないが、1〜10000μmの範囲が一般的であり、中空糸膜として用いる場合は100〜5000μmの範囲が好適に用いられる。繊維は1本で用いても、またマルチフィラメントとして用いてもよく、長繊維または短繊維として用いてもよい。繊維の断面は、円、楕円、三角、星形、アルファベット型等の公知の形状を適用することができる。
本発明の多孔体は、内部に中空部を有さない微多孔繊維として用いてもよく、例えば、微多孔の平均孔径を0.1μm以上とすると可視光遮蔽繊維として、また、微多孔内に例えば芳香剤、抗菌剤、難燃剤、脱臭剤、蛍光剤、紫外線吸収剤、紫外線反射剤、酸化防止剤、艶消し剤、蓄熱剤、顔料、高分子化合物等の各種化合物を保持させて機能性材料としてもよい。
多孔体をフィルムとして用いる場合、フィルムの厚みには制限はなく、用途に応じて任意の厚みに設定できるが、通常、0.1〜1000μmである。分離膜として用いる場合、膜の厚みの均一性は非常に重要であり、任意の箇所100点で計測した厚みの、最小値/最大値が0.8以上であることが好ましい。
多孔体の融点は高いほど高温環境での使用が可能となり、かつ、多孔体の耐熱性も向上することから、好ましくは200℃以上、より好ましくは220℃以上、最も好ましくは240℃以上である。
次に、本発明の多孔体の製造方法について説明する。
本発明に用いるポリケトン(A)の製造方法には制限はなく、公知の方法を適用することができる。例えば、触媒の存在下、一酸化炭素とエチレンやプロピレン、スチレン等のオレフィンとをメタノールやイソプロパノール、アセトン等の有機溶媒中で接触させて得られる。
触媒としては、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、酢酸ニッケル等の遷移金属化合物と1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,3−ビス{ジ(2−メトキシフェニル)ホスフィノ}プロパン等の配位子とからなる錯体を用いることができ、必要に応じて硫酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の酸、ベンゾキノン、ナフトキノン等の酸化剤を用いてもよい。
反応温度は、好ましくは50〜300℃であり、より好ましくは70〜150℃である。反応圧力は、好ましくは1〜300MPaであり、より好ましくは5〜20MPaである。反応時間は、好ましくは1〜24時間であり、より好ましくは2〜6時間である。
高分子化合物(B)は、市販の高分子化合物、公知の高分子化合物等を用いることができる。
ポリケトン(A)および高分子化合物(B)を溶融混合して、溶融成形法を用いて、または溶剤に溶解混合して、湿式または乾式成形法により、多孔体の用途、目的に応じた方法で成形することができる。
以下、溶融成形法と湿式成形法について製造法の一例を説明する。
(1)溶融成形法
溶融成形に用いる高分子化合物(B)は、融点が150〜350℃であることが好ましく、200〜270℃であることがより好ましい。流動性および成形性の観点から、重量平均分子量は1000〜100000が好ましく、10000〜80000が好ましい。ポリケトン(A)との相溶性の観点から、溶解度パラメーターは10〜30(J0.5/cm1.5)が好ましく、15〜25(J0.5/cm1.5)がより好ましい。具体的には、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン66、ナイロン6等を挙げることができる。
(A)微粒子添加法
溶融混合する場合には、ポリケトン(A)の融点および高分子化合物(B)の融点のうちの高い方の融点よりも高温で加熱することが必要であり、好ましくは、高い方の融点+10〜50℃で加熱溶融する。混合は、ポリケトン(A)および高分子化合物(B)を所定の量ずつフィードしながら一軸スクリュー、二軸スクリュー、ニーダー等の公知の装置で溶融混練する。必要に応じて、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、クエンチング剤等の添加剤を添加してもよい。溶融混合の前または途中で、平均粒径が0.001〜10μmの微粒子を添加する。微粒子は固体であっても、液体(エマルジョン)であってもよい。微粒子としては、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、硫酸バリウム、酸化亜鉛等の微粒子を挙げることができる。微粒子を含有した溶融混合物を、紡糸口金またはフィルムダイから吐出し、空気中または液体中で冷却した後に、繊維状またはフィルム状にして曳きとる。
紡糸口金およびダイの形状は限定されず、公知のものが適用できる。中空糸の紡口として、二重管オリフィス、C型オリフィス等、公知のものが適用できる。二重管オリフィスを用いる場合、外側の環状オリフィスからポリケトン(A)および高分子化合物(B)の融液を、内側の円状オリフィスから気体を吐出することが好ましい。中空部の形状維持の点から、内側に流す気体には0.01MPa以上の圧力をかけて吐出することが好ましい。
これらの中空糸およびフィルムは、必要に応じて熱処理を行ってもよく、力学特性を向上させる目的で、1.2〜20倍の熱延伸を行ってもよい。
曳きとられた中空糸、フィルムは、巻き取らずにそのまま、または任意の形態に加工した後に、微粒子の溶剤である液体で処理することにより、内部の微粒子を抽出除去する。 例えば、シリカ微粒子を添加した場合には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性の液で処理する。また、抽出処理後は、必要に応じて中和処理や水洗処理を行って、多孔体内部に残存する抽出液を洗浄除去することが好ましい。
このようにして得られた多孔体は、そのまままたは一旦乾燥を行う等の処理を行い、成形体の材料として用いることができる。
(B)延伸開孔法
上記のポリケトン(A)および高分子化合物(B)の溶融混合物を、紡糸口金またはフィルムダイから吐出し、空気中または液体中で冷却した後に、繊維状またはフィルム状にして曳きとる。必要に応じて、界面剥離剤として酸化チタン等の微粒子を0.01〜10wt%含有させてもよい。
紡糸口金およびダイの形状は特に限定されず、公知のものを適用できる。中空糸の紡口についても、二重管オリフィスやC型オリフィス等、公知のものが適用できる。二重管オリフィスを用いる場合、外側の環状オリフィスからはポリケトン(A)および高分子化合物(B)の混合融液を、内側の円状オリフィスからは、気体を吐出することが好ましい。中空部の形状維持の点からは、内側に流す気体には0.01MPa以上の圧力をかけて吐出することが好ましい。曳きとり速度/吐出速度の比で表されるドラフトは低いほど高倍率の延伸が可能となるため、好ましくは1〜100倍であり、より好ましくは5〜50倍である。
曳きとったフィルムまたは糸を、そのまままたは一旦巻き取った後に少なくとも3倍の高倍率延伸を行うことにより、フィルムまたは糸の内部に微細な孔を発生させる。熱延伸は、少なくとも1段で3倍以上の延伸を行うことが必要であり、好ましくは5倍以上、より好ましくは6倍以上で行う。熱延伸の温度は30〜200℃が好ましく、より好ましくは80〜180℃である。
このようにして得られた多孔体は、そのまま成形体の材料として用いることができる。
(2)湿式成形法
湿式成形に用いる高分子化合物(B)は、ポリケトン(A)の溶剤に溶解することが必要である。ポリケトン(A)の溶剤としては、m−クレゾール、レゾルシン/水、フェノール/アセトン、レゾルシン/カーボネート、ヒドロキノン/プロピレンカーボネート、レゾルシン/プロピレンカーボネート等の芳香族アルコール系溶媒、ヘキサフルオロイソプロパノール、塩化亜鉛/水、塩化亜鉛/メタノール、塩化亜鉛/ハロゲン化アルカリ金属/水、塩化亜鉛/ハロゲン化アルカリ土類金属/水、塩化亜鉛/ハロゲン化アルカリ金属/アルカリ土類金属/水等の金属塩系溶媒等、公知の溶媒を用いることができる。
高分子化合物(B)としては、多孔体の相分離構造および成形性の観点から、重量平均分子量は5000〜10000000が好ましく、50000〜1000000がより好ましい。ポリケトン(A)との相溶性および親水性の観点から、溶解度パラメーターは15〜35(J0.5/cm1.5)が好ましく、20〜30(J0.5/cm1.5)がより好ましい。高分子化合物(B)としては、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリロニトリル、セルロース、デンプン、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ナイロン66等を挙げることができる。
(1)湿式成型法(金属塩水溶液溶媒)
ポリケトン(A)および高分子化合物(B)をハロゲン化亜鉛を含有する溶液に溶解してドープとする。溶剤は、ハロゲン化亜鉛(例:塩化亜鉛)単独またはハロゲン化亜鉛とその他の塩との複合塩の溶液が用いられる。その他の塩としては、ハロゲン化アルカリ金属塩(例:塩化ナトリウム)、ハロゲン化アルカリ土類金属塩(例:塩化カルシウム)等が挙げられる。ポリケトン(A)および高分子化合物(B)をこれら溶剤に溶解し、ドープが得られる。
ドープ中のポリマー濃度(ポリケトン(A)+高分子化合物(B)の濃度)を高くすると多孔体の相分離構造が密で孔は微細となり、孔の体積割合を小さくすることができる。一方、ドープ中のポリマー濃度が低いと相分離構造は疎で孔の体積割合を大きくすることができる。ポリマー濃度が高すぎると溶剤への均一な溶解が困難となり、ポリマー濃度が低すぎると相分離構造が不連続となり成形体の強度が著しく低くなるため、ドープ中のポリマー濃度は1〜75wt%が好ましく、より好ましくは2〜50wt%、最も好ましくは3〜30wt%である。
このドープを紡糸口金またはフィルムダイから吐出し、凝固浴中にてドープを繊維状またはフィルム状に凝固させる。吐出時のドープ温度は、好ましくは50〜150℃、より好ましくは60〜120℃、最も好ましくは70〜100℃である。
紡糸口金およびダイの形状は限定されず、公知のものを適用できる。中空糸の紡口として、二重管オリフィス、C型オリフィス等、公知のものを適用できる。二重管オリフィスを用いる場合、外側の環状オリフィスからはドープを、内側の円状オリフィスからは気体または液体を吐出することが好ましい。中空部の形状維持の点からは、内側に流す気体および液体には0.01MPa以上の圧力をかけて吐出することが好ましい。
凝固浴の温度は、得られる多孔体の孔の大きさおよび形状を決定する上で重要な要因であり、目的、用途に応じて温度を選定することが必要である。凝固温度が高いほど平均孔径の大きい多孔体が得られるが、高すぎると多孔体の強度が弱くなる。凝固浴温度が低いほど、平均孔径が小さく強固な構造の多孔体が得られるが、凝固速度が遅くなり、設備が長大になり製造速度が遅くなる。このため、凝固浴温度は、通常、−50℃〜100℃、好ましくは−30〜80℃、より好ましくは−10〜60℃である。
凝固浴は、ドープで用いた溶剤に対比して溶解性の劣る溶液が用いられる。通常、水、メタノール等のポリケトン(A)の非溶剤、または少量のハロゲン化亜鉛を含有する水溶液または有機溶液が用いられる。凝固速度を速くして生産性よく凝固を行う場合には、水を10wt%以上含有する溶液が好ましいが、必要に応じてメタノール、アセトン、エチレングリコール等の有機溶剤を主成分とし、水を10wt%未満、または水を全く含有しない溶液を用いてもよい。
凝固浴中および/または凝固浴を出た直後に1.2〜5倍の凝固延伸を行うと、力学物性に優れる多孔体が得られる。
凝固浴を出た内部に微多孔を有する凝固体は、水、硫酸、塩酸、リン酸等の酸性水溶液により凝固体中に残存する金属塩を洗浄除去する。洗浄に酸性溶液を用いた場合、引き続き成形体中に残存する酸を洗浄する。洗浄には水を主成分とする溶液を用いることが効率的である。必要に応じてアルカリ性の溶液で中和洗浄をしてもよい。
洗浄後の多孔体は、孔中が洗浄液で充たされたものであるが、微多孔の平均孔径および体積割合を制御する目的で孔中の洗浄液を、水、有機溶剤、孔径保持剤等を含有する溶液に置換してもよい。有機溶剤としては、メタノール、アセトン、ジメチルホルアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。孔径保持剤を含有する溶液としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等を含有する水溶液等が挙げられる。
得られた多孔体は、そのまま、または乾燥後、さらには乾燥後孔径保持剤を抽出除去した後に等、任意の段階で後加工に供することができる。
乾燥を行う場合には、多孔体内部に保持された液体の沸点以下の温度で、また孔径保持剤を含有する場合には、孔径保持剤の沸点以下の温度で乾燥する。
力学強度を高くする目的で、または孔径に異方性を与える目的で、乾燥時に張力を印可して1.2〜3倍の延伸を行ってもよい。
孔径保持剤を含有する場合には、必要に応じて、乾燥後引き続き、水洗、有機溶剤洗浄等を行って孔径保持剤を抽出除去する。
このようにして得られた多孔体を力学強度、耐熱性および寸法安定性を高くする目的で、定長熱処理または熱延伸を行ってもよい。定長熱処理および熱延伸は、1段または2段以上の多段で行ってもよいが、孔を閉塞しないようにポリケトン(A)の融点および高分子化合物(B)の融点の中で低い方の融点より10℃以上低温で行うことが好ましい。
得られた多孔体は、そのまま、または多孔体内部の液体を水、生理食塩水、有機溶媒等に置換して用いることができる。
次に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明に用いられる各測定値の測定方法は次のとおりである。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は、次の定義式に基づいて求められる値である。
[η]=lim(T−t)/(t・C) [dl/g]
C→0
式中のtおよびTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノールおよびヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間である。Cは上記溶液100ml中のグラム単位による溶質質量値である。
(2)中空糸の径の測定
任意の5本の中空糸について、横断面を光学顕微鏡にて写真撮影し、繊維の外径および中空部外径を測定し、その平均値を繊維の外径D(μm)、中空部の外径D(μm)とする。
(3)中空率
上記(2)で求めた繊維外径および中空部外径から、下記式により中空部の体積割合(中空率)Vを求める。
= D /D × 100 (%)
(4)フィルムの厚み
フィルムを幅5mm、長さ100mmの短冊状に切り、任意の10片の短冊について光学顕微鏡写真を撮影し、それぞれの厚みを計測して、その平均値をフィルムの厚みD(μm)とする。
(5)微多孔の平均孔径
孔径保持剤を使用した場合は、中空糸およびフィルムの内部にある孔径保持剤を水で抽出除去後、孔径保持剤を使用していない場合はそのまま、液体窒素に浸漬する。図1は、多孔体中空糸の斜視図であり、中空部(1)、中空糸の内壁(2)、中空糸の横断面(3)、および中空糸の外表面(4)で構成されている。図2は、多孔体フィルムの斜視図であり、フィルムの表面(5)、フィルムの横断面(6)を有する。中空糸およびフィルムを液体窒素に浸漬冷却した状態で切断し、中空糸の横断面の切片およびフィルムの横断面の切片を調製する。電子顕微鏡を用いて、得られた切片の倍率500〜50000倍の写真(画像)を撮影する。
撮影したネガ画像を画像解析装置(IP1000−PC:旭化成社製)を用いて、以下の方法で計測する。スキャナー(本実施例では(株)日立製作所製JX−330を使用)を使用して、ネガ画像を白黒256階調(ガンマ補正値は2.2)で取り込む。取り込み領域は撮影倍率によって選択する。取り込んだ256階調の画像に対し、2値化処理を行う。この際に設定したパラメーターは、(1)しきい値(=自動)、(2)シェーディング補正処理(=有り)、(3)穴埋め処理(=有り)、(4)ガンマ補正処理(=補正値γ=2.2)とする。得られた2値化画像より、計測エリアラインに接触して、一部が計測範囲から外れた孔および中空糸の中空部分を除去した後に、「粒子解析」コマンドを選択し、対象孔の円相当径を求める。
5つの視野について同様に円相当径を求め、得られた5つの円相当径の算術平均値を平均孔径D(μm)とする。
(6)空隙率
(6−1)試料がフィルムの場合
5mm×20mmに試料を切り取り、重量M(g)を計量する。さらに、(4)の方法でフィルムの厚みD(mm)を計測する。下記式により、試料の空隙率Vを計算する。5点のサンプルについて計算を行い、その算術平均を空隙率V(%)とする。
=(0.13×D−M)/(0.13×D)×100 (%)
(6−2)試料が中空糸の場合
試料を長さ10mmに切り取り、重量M(g)を計量する。さらに、(2)の方法で中空糸の繊維径D(mm)を計測する。(3)の方法で中空率Vを求め、下記式により、試料の空隙率Vを計算する。5点のサンプルについて計算し、その算術平均を空隙率V(%)とする。
=1−M/(1.3×D/400×(1−V))×100 (%)
(7)融点
試料5mgを窒素雰囲気下でアルミニウムパンに封入し、パーキンエルマー社製示差熱測定装置Pyris1(商標)を用いて、20ミリリットル/分の窒素気流下、昇温速度20℃/分で測定を行う。観察された吸発熱曲線において、150℃〜300℃の範囲に観測される最大の吸熱ピークのピークトップ点を融点とする。
(8)引っ張り強度
JIS−L−1013に基づいて測定する。
繊維は、試料長200mm、フィルムは、幅5.0mm長さ100mmの短冊状で測定する。フィルムに関しては、直交する二方向について測定を行いその平均値を用いる。試料の断面積は以下の式より求められる値を用いる。
繊維の断面積 = 3.14×(D/2) (μm
フィルムの断面積 = 5.0×D×10 (μm
(9)ポリケトン重量分率
多孔体を105℃、5時間乾燥した後に、重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールに濃度0.1wt%で溶解し、H−NMRによりポリケトンおよび高分子化合物の比率を求め、下式より計算する。
ポリケトンの重量分率
=ポリケトンの重量/(ポリケトンの重量+高分子化合物の重量)×100
(10)透水速度
透水速度は、中空糸モジュールを作製して評価する。透水速度は、単位時間、単位膜面積、単位圧力当たりの水のろ過速度であり、この数値が高いほど水性溶媒のろ過効率が高いことを意味する。
モジュールは、中空糸を15〜25本程度、有効長は15cmとする。モジュールの一方の断面からポンプで蒸留水を送り込み、モジュールの入口圧力、出口圧力の平均を膜圧とする。膜面積は、中空部の外径D(μm)より計算する。一分間のうちに中空糸膜を透過して表面に出てくる水の量を測定し、この量を単位時間、単位膜面積、単位圧力あたりの量に換算して透水速度(m/hr・m・kPa)とする。すなわち、下記の式により求められる。一つの試料につきこの測定を2回行い、平均値をその値とする。
透水速度=測定量(m)×60/(圧力(kPa)×モジュールの膜面積(m))
[実施例1]
常法により調製したポリ(1−オキソトリメチレン)(極限粘度=3.3dl/g)と重量平均分子量が500000のポリエチレングリコール(和光純薬社製)を、塩化亜鉛を35wt%、および塩化カルシウムを30wt%含有する水溶液に、ポリケトンおよびポリエチレングリコールの濃度がそれぞれ12wt%および6wt%となるように溶解混合し、80℃、2時間溶解してドープを調整した。
得られたドープを、図3に示す紡出面9を有する円筒二重管からなるオリフィスを用い、二重管の外側の環状オリフィス7よりドープを、二重管内側の円形オリフィス8からは水を吐出した。図中、外外径=0.4mm、外内径=0.35mm、内外径=0.25mmである。オリフィスより吐出されたドープを、10mmのエアギャップを経て、−2℃の水浴に押し出して凝固糸条とし、引き続き1wt%の塩酸水溶液で洗浄し、40℃の温水で仕上げ洗浄を行った後に曳きとった。
この中空糸の断面を電子顕微鏡で観察したところ、ポリケトンとポリエチレングリコールが相分離した骨格を有するものであった。得られた中空糸の特性を表1にまとめて示す。
[実施例2]
常法により調製したポリ(1−オキソトリメチレン)(極限粘度が5.0dl/g)およびポリエチレングリコール(重量平均分子量20000)(和光純薬社製)を用い、ポリケトンおよびポリエチレングリコールの濃度をそれぞれ8wt%および8wt%とする以外は実施例1と同様にして紡糸を行い中空糸を得た。
[実施例3]
ポリ(1−オキソトリメチレン)(極限粘度が9.2dl/g)およびポリエチレングリコール(重量平均分子量6000)(和光純薬社製)を用い、ポリケトンおよびポリエチレングリコールの濃度をそれぞれ4wt%および10wt%とする以外は実施例1と同様にして紡糸を行い中空糸を得た。
[実施例4]
ポリ(1−オキソトリメチレン)(極限粘度が3.3dl/g)およびポリエチレングリコール(重量平均分子量2000000)(和光純薬社製)を用い、ポリケトンおよびポリエチレングリコールの濃度をそれぞれ14.5wt%および0.5wt%とする以外は実施例1と同様にして紡糸を行い中空糸を得た。
[実施例5]
実施例1において、ポリエチレングリコールの替わりにポリアクリロニトリル(重量平均分子量40000)(旭化成社製)を用い、溶媒を濃度65重量%の塩化亜鉛水溶液として、ポリケトンおよびポリアクリロニトリルの濃度をそれぞれ10wt%および5wt%とする以外は同様にして紡糸を行い中空糸を得た。
[実施例6]
ポリ(1−オキソトリメチレン)(極限粘度=3.3dl/g)と重量平均分子量が700000のポリビニルピロリドン(和光純薬社製)を、レゾルシンを70重量%含有する水溶液に、ポリケトンおよびポリビニルピロリドンの濃度がそれぞれ10wt%および5wt%となるように溶解混合し、80℃、2時間溶解してドープを調整した。
得られたドープを、外外径=0.4mm、外内径=0.35mm、内外径=0.25mmの二重管オリフィスの外側の環状オリフィスから、内側の円形オリフィスからはジメチルアセトアミドを吐出した。オリフィスより吐出されたドープは50mmのエアギャップを経て、−2℃のメタノール浴に押し出して凝固糸条とし、引き続きアセトン浴で洗浄し曳きとった。
[実施例7]
ポリ(1−オキソトリメチレン)(極限粘度=4.0dl/g)と重量平均分子量が40000のポリエチレンテレフタレート(旭化成社製)を、ヘキサフルオロイソプロパノールに、ポリケトンおよびポリエチレンテレフタレートの濃度がそれぞれ10wt%および5wt%となるように溶解混合した。
得られたドープを、外外径=0.4mm、外内径=0.35mm、内外径=0.25mmの二重管オリフィスの外側の環状オリフィスから、内側の円形オリフィスからはアセトンを吐出した。オリフィスより吐出されたドープうを、10mmのエアギャップを経て、−2℃のアセトン浴に押し出して凝固糸条とし、引き続きアセトン浴で洗浄し曳きとった。
[実施例8]
実施例7において、ポリエチレンテレフタレートの替わりにナイロン66(重量平均分子量60000)(旭化成社製)を用いる以外は同様にして紡糸を行い中空糸を得た。引き続き、40wt%のグリセリンを含有する水溶液が温度60℃、1L/分の速度で流れる管の中に中空糸を配置し、1時間の環流処理を行った。還流処理した後に65℃で12時間の加熱処理を行い、多孔体内部にある水を蒸発除去して中空糸を得た。
[実施例9]
実施例1で作製したドープを安田精機(株)社製製膜機(AUTOMATIC FILM APPLICATOR No.542−AB)を用いて、80℃に加温されたガラス板上に厚み0.5mmでキャストした。ドープをキャストしたガラス板を2℃の水に浸漬し、引き続き20℃の1%塩酸水溶液にて洗浄した。さらに水洗を行い、多孔膜を得た。
[実施例10]
常法により調製した1−オキソトリメチレン単位と1−オキソ−2−メチルトリメチレン単位とがモル比94/6で構成されたポリケトン(融点225℃、極限粘度=1.3dl/g)と重量平均分子量30000のポリスチレン(旭化成社製)、平均粒径0.3μmのシリカ微粒子(スノーテックスMP−3040(商品名:日産化学社製))を重量比6/2/2で混合した後に、IRGANOX(登録商標;チバスペシャリティケミカルス社)1098およびIRGANOX(登録商標;チバスペシャリティケミカルス社)1076をそれぞれ0.1wt%(対ポリケトン)添加して、270℃にて直径30mm、長さ1000mmの一軸スクリューで溶融混合した。
溶融後引き続き、図3に示す紡出面9を有する円筒二重管からなるオリフィスを用い、二重管の外側の環状オリフィス7より融液を、二重管内側の円形オリフィス8からは窒素ガスを吐出した。図中、外外径=1.0mm、外内径=0.6mm、内外径=0.5mmである。吐出した糸は30mmのエアギャップを経た後に50℃の水浴にて冷却固化し、引き続き30m/分の速度で巻き取った。
この糸を長さ30cmにカットして100本を束ねて、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を入れたオートクレーブ中に浸漬し、80℃、2時間の処理を行った。更に、30℃の純水で30分の水洗処理を行った後に、60℃で30分乾燥し中空糸を得た。
得られた中空糸の断面写真を観察したところポリケトンのマトリックス中に島状にポリスチレンが分散した骨格を有する多孔質構造であった。
[比較例1]
実施例1において、ポリエチレングリコールを使用せず、ポリケトンの濃度を15wt%とする以外は同様にして紡糸を行い、中空糸を得た。得られた中空糸は親水性が低く、透水速度は実施例1に比べて劣るものであった。
[比較例2]
実施例1において、ポリケトンおよびポリエチレングリコールの濃度をそれぞれ3wt%および15wt%とする以外は同様にして紡糸を行ったところ、製糸性は不良で連続して中空糸を製糸することができなかった。
[比較例3]
実施例1において、ポリケトンおよびポリエチレングリコールの濃度をそれぞれ15wt%および0.1wt%とする以外は同様にして紡糸を行い、中空糸を得た。得られた中空糸は親水性が低く、透水速度は実施例1に比べて劣るものであった。
[比較例4]
実施例1において、極限粘度が0.03dl/gのポリケトンを用い、ポリケトンおよびポリエチレングリコールの濃度をそれぞれ25wt%および6wt%とする以外は同様にして紡糸を行ったところ、ポリケトンの分子量が低すぎてドープの曳糸性が全くなく、中空糸を製糸することができなかった。
[比較例5]
実施例1において、ポリエチレングリコールの重量平均分子量を600とする以外は同様にして紡糸を行い、中空糸を得た。しかし、ポリエチレングリコールの分子量が小さすぎて水洗によりほとんど流出し、多孔体骨格がほとんどポリケトンであり、親水性が低く、透水速度は実施例1に比べて劣るものであった。
Figure 2005179443
本発明の多孔体は、強度、耐熱性、耐薬品性に加えて親水性または親油性を兼ね備えた多孔体である。この特性を利用して、水性液体の分離膜用途、具体的には、汚水処理、含油廃水処理、工業用純水の製造、果汁の処理等の水溶液濾過膜、極性有機液体中の不純物除去や回収等の有機溶液濾過膜、またイオン性液体の透過膜、さらには血液や体液の透析膜等の用途に非常に有用である。
本発明の中空糸の斜視図である。 本発明のフィルムの斜視図である。 中空糸製造に用いる二重管オリフィスの紡出面を表す図である。
符号の説明
1:中空部
2:中空糸内壁部
3:中空糸多孔体部分断面
4:中空糸外壁
5:フィルム表面
6:フィルム多孔体部分断面
7:ドープまたは融液が流れる孔
8:液体または気体が流れる孔












Claims (7)

  1. 化学式(1)で表され、極限粘度が0.1〜20dl/gであるポリケトン(A)と、ポリケトン以外であって重量平均分子量が1000〜10000000である高分子化合物(B)により構成され、(A)/(B)の重量比が20/80〜99/1であって、平均孔径が0.001〜10μmである孔を1〜90vol%含有することを特徴とする多孔体。
    Figure 2005179443
    (式中、Rは炭素数が2〜30の有機基である。)
  2. 高分子化合物(B)の溶解度パラメーターが10〜35(J0.5/cm1.5)であることを特徴とする請求項1記載の多孔体。
  3. ポリケトン(A)/高分子化合物(B)の重量比が50/50〜95/5であることを特徴とする請求項1または2記載の多孔体。
  4. ポリケトン(A)の繰り返し単位の1〜99.5wt%が化学式(2)で表される1−オキソトリメチレン単位であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔体。
    Figure 2005179443
  5. 多孔体が繊維であり、繊維の内部に少なくとも一つの長手方向に貫通した中空部を有する中空糸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔体。
  6. 繊維の内部にあり、長手方向に貫通する中空部の割合が10〜70vol%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多孔体。
  7. 二重管オリフィスを用いて中空糸を製造するに際して、化学式(1)で表され、極限粘度が0.1〜20dl/gであるポリケトン(A)、およびポリケトン以外であって重量平均分子量が1000〜10000000である高分子化合物(B)の両方を溶解する能力のある溶媒に、両者を溶解してドープを製造し、二重管オリフィスの外側の環状オリフィスからドープを吐出するとともに、内側の円状オリフィスからは液体または気体を吐出し、ドープを凝固浴中にて中空状に凝固する工程を含むことを特徴とする中空糸の製造方法。
    Figure 2005179443
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