JP2019214021A - 中空糸膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力損失の少ない薄膜箇所への局所的な流れの集中を防ぎ、高い透液性能と濾過精度を維持することができる、外径均一性が高く、偏心率が低く、膜厚が均一な中空糸膜の提供。【解決手段】ポリエチレン、ポリケトン、及びポリアミドからなる群から選択される少なくとも1つの樹脂を含む中空糸膜であって、該中空糸膜が多孔質孔を有し、該多孔質孔の平均貫通孔径が0.01μm以上10μm以下であり、該中空糸膜の外径均一度パラメータが4.0%以下であり、かつ、該中空糸膜の偏心率が15%以下である前記中空糸膜。【選択図】なし
Description
本発明は中空糸膜、及びその用途に関する。より詳しくは、本発明は、圧力損失の少ない薄膜箇所への局所的な流れの集中を防ぎ、高い透液性能と濾過精度を維持することができる、外径均一性が高く、偏心率が低く、膜厚が均一な(多孔)中空糸膜に関する。
近年、半導体・電子分野、バイオ医薬品分野、ケミカル分野、食品工業分野の製造プロセスにおいて、微粒子、ゲル、ウイルス等の不純物を効率的に除去できる濾材が求められている。濾過対象物のサイズよりも小さい孔径の濾材を使用すれば、上記不純物はある程度までは除去可能である。しかしながら、一般に孔径が小さくなる程、濾過における圧力損失が大きくなり、透過流速が減少してしまう。そこで、極めて小さい不純物を十分に濾過することができ、かつ、圧力損失が少ない濾材が求められている。
以下の特許文献1には、特に、半導体ウエハー洗浄機のフィルター用途において、極めて小さな濾過対象物を効率的に除去し、かつ、圧力損失を低下させる方法として、濾過対象物を静電荷や分子間力などの物理的な相互作用により濾材表面に吸着させて不純物を除去する方法が提案されている。疎水性相互作用や、静電相互作用などの化学的な相互作用により不純物を濾材表面に吸着させることはできるものの、吸着により不純物を濾過する濾材において、吸着サイトが飽和すると、不純物を捕集できなくなる。特に、濾液の流れが濾材の一部に集中することで吸着サイトの部分的な飽和を生み、濾材全体の濾過寿命の低下を引き起こしてしまう。
中空糸膜の成膜においては、吐出量一定の環境下で、内径と外径は相似的に変化する。このため外径に斑が生じるとそれに伴って内径も変化しており、外径を測定することで、内径の変化を間接的に測定することが可能である。レーザー等を使用して内径を直接測定することも可能であるが、膜厚が大きくなると、透過光強度が低下し、測定可能な中空糸膜形状に限界が生じる。他にも中空糸膜を切断することで、断面を作製し、顕微鏡等によって観察することも可能であるが、破壊検査になるため、中空糸膜自体の性能をあらかじめ予想することが困難である。
パラジウム又はニッケルを触媒として一酸化炭素とオレフィンとを重合させることにより得られる、一酸化炭素とオレフィンとが完全交互共重合した脂肪族ポリケトン(以下、ポリケトンともいう。)が知られている。ポリケトンは、その高い結晶性により、繊維又はフィルムとしたときに、高力学物性、高融点、耐有機溶媒性、耐薬品性等の特性を有する。ポリケトンは、多孔膜を作製することが可能であり、その膜には、種々官能基を介して分子を膜に固定することで、静電荷を付与することが可能である。原料の一酸化炭素及びエチレンは比較的安価であり、ポリケトンのポリマー価格が安くなる可能性があることから、ポリケトン多孔膜は濾材として産業上の活用が期待できる。
以下の特許文献1、2には、ポリケトン多孔膜が濾材として有用であることが記載されているが、これらの文献に記載されたポリケトン多孔膜は、後述の比較例1で示す通り、透液性能と濾過精度の両立が不十分である。
他方、以下の特許文献3に開示されるポリケトン多孔膜を粒子分画フィルターに用いる場合、分画性能(濾過精度)についてはある程度目的を達成することが可能であるものの、十分な透液性能を得られないという問題がある。
このように、高い透液性能(濾過透液量)と濾過性能(濾過精度)を両立しうる中空糸膜を提供する必要性が未だ在る。
このように、高い透液性能(濾過透液量)と濾過性能(濾過精度)を両立しうる中空糸膜を提供する必要性が未だ在る。
以上の従来の現状に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、圧力損失の少ない薄膜箇所への局所的な流れの集中を防ぎ、高い透液性能と濾過精度を両立しうる、外径均一性が高く、偏心率が低く、膜厚が均一な中空糸膜を提供することである。
本願発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究し実験を重ねた結果、中空糸膜の外径変動や偏心率をある所定範囲内に制御することにより前記課題が解決できることを予想外に見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]ポリエチレン、ポリケトン、及びポリアミドからなる群から選択される少なくとも1つの樹脂を含む中空糸膜であって、該中空糸膜が多孔質孔を有し、該多孔質孔の平均貫通孔径が0.01μm以上10μm以下であり、該中空糸膜の外径均一度パラメータが4.0%以下であり、かつ、該中空糸膜の偏心率が15%以下である前記中空糸膜。
[2]前記中空糸膜が、一酸化炭素と1種類以上のオレフィンとの共重合体であるポリケトンを10質量%以上100質量%以下で含む、前記[1]に記載の中空糸膜。
[3]前記中空糸膜の糸径が100μm以上10,000μm以下であり、膜厚が10μm以上1000μm以下である、前記[1]又は[2]に記載の中空糸膜。
[4]前記中空糸膜の断面の真円度が0.90以上である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の中空糸膜。
[5]前記ポリケトンが、下記化学式(1):
{式中、R1、R2、及びR3は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、水酸基、エーテル基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、アルコキシシリル基、及びシラノール基からなる群から選択される少なくとも1つの基を表す。}で表される構造を30質量%以下の量で含む、前記[2]〜[4]のいずれかに記載の中空糸膜。
[6]前記ポリケトンが、下記化学式(2):
で表される1−オキソトリメチレン繰り返し単位を含み、かつ、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、及び4級アンモニウム塩からなる群から選択される1つ以上の官能基を有し、さらに、前記中空糸膜のpH6以上9以下におけるゼータ電位が+5mV以上80mV以下であり、かつ、該中空糸膜の陽イオン交換容量が0.01ミリ当量/g以上10ミリ当量/g以下である、前記[2]〜[5]のいずれかに記載の中空糸膜。
[7]前記[1]〜[6]のいずれかに記載の中空糸膜を有する濾過フィルター。
[8]前記濾過フィルターが、水処理用フィルター、メンブレンバイオリアクター用フィルター、工業用液体濾過フィルター、脱気用フィルター、気体除塵用フィルター、ケミカルフィルター用フィルター又は医療用フィルターである、前記[7]に記載の濾過フィルター。
[1]ポリエチレン、ポリケトン、及びポリアミドからなる群から選択される少なくとも1つの樹脂を含む中空糸膜であって、該中空糸膜が多孔質孔を有し、該多孔質孔の平均貫通孔径が0.01μm以上10μm以下であり、該中空糸膜の外径均一度パラメータが4.0%以下であり、かつ、該中空糸膜の偏心率が15%以下である前記中空糸膜。
[2]前記中空糸膜が、一酸化炭素と1種類以上のオレフィンとの共重合体であるポリケトンを10質量%以上100質量%以下で含む、前記[1]に記載の中空糸膜。
[3]前記中空糸膜の糸径が100μm以上10,000μm以下であり、膜厚が10μm以上1000μm以下である、前記[1]又は[2]に記載の中空糸膜。
[4]前記中空糸膜の断面の真円度が0.90以上である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の中空糸膜。
[5]前記ポリケトンが、下記化学式(1):
[6]前記ポリケトンが、下記化学式(2):
[7]前記[1]〜[6]のいずれかに記載の中空糸膜を有する濾過フィルター。
[8]前記濾過フィルターが、水処理用フィルター、メンブレンバイオリアクター用フィルター、工業用液体濾過フィルター、脱気用フィルター、気体除塵用フィルター、ケミカルフィルター用フィルター又は医療用フィルターである、前記[7]に記載の濾過フィルター。
本発明に係る中空糸膜は、圧力損失の少ない薄膜箇所への局所的な流れの集中を防ぎ、高い透液性能と濾過精度を両立しうる、外径均一性が高く、偏心率が低く、膜厚が均一な中空糸膜である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態の中空糸膜は、ポリエチレン、ポリケトン、及びポリアミドからなる群から選択される少なくとも1つの樹脂を含む中空糸膜であって、該中空糸膜が多孔質孔を有し、該多孔質孔の平均貫通孔径が0.01μm以上10μm以下であり、該中空糸膜の外径均一度パラメータが4.0%以下であり、かつ、該中空糸膜の偏心率が15%以下であることを特徴とする。
本実施形態の中空糸膜は、ポリエチレン、ポリケトン、及びポリアミドからなる群から選択される少なくとも1つの樹脂を含む中空糸膜であって、該中空糸膜が多孔質孔を有し、該多孔質孔の平均貫通孔径が0.01μm以上10μm以下であり、該中空糸膜の外径均一度パラメータが4.0%以下であり、かつ、該中空糸膜の偏心率が15%以下であることを特徴とする。
本実施形態の中空糸膜に含まれる樹脂は、多孔膜構造を有する中空糸膜を形成することができるエチレン、ポリケトン、ポリアミドであれば特に制限はないが、耐薬品性や耐熱性の観点から、ポリケトンが好ましい。
ポリケトンとしては、中でも、一酸化炭素とエチレン性不飽和化合物が交互に共重合した下記化学式(2):
で表される1−オキソトリメチレン繰り返し単位を含むポリケトンを用いることが、反応サイトであるケトン基を高密度で有するため、化学修飾による電荷制御による濾過制度向上の観点から好ましい。本実施形態の中空糸膜は、実質的にポリケトンのみで構成されていてもよいし、ポリケトンと別の材料(例えば、一つ以上の繊維)とを複合化して構成されていてもよい。
ポリケトンとしては、中でも、一酸化炭素とエチレン性不飽和化合物が交互に共重合した下記化学式(2):
本実施形態の中空糸膜は、好ましくは、一酸化炭素と1種類以上のオレフィンとの共重合体であるポリケトンを10質量%以上100質量%以下で含む。ポリケトンが本来持つ耐熱性及び耐薬品性を反映させるという観点からは、ポリケトン含有率は多いほど好ましい。別の材料と複合化されない状態である場合、中空糸膜中の前記化学式(2)で表されるポリケトンの含有率は、70質量%以上100質量%以下が好ましく、80質量%以上100質量%以下がより好ましく、90質量%以上100質量%以下が更に好ましい。本実施形態の中空糸膜に含まれるポリケトンには、0質量%以上30重量%以下の割合で他の繰り返し単位があってもよい。中空糸膜中のポリケトンの含有率は、該多孔膜を構成する成分のうちポリケトンのみを溶解する溶媒によってポリケトンを溶解除去する方法、又は、ポリケトン以外を溶解する溶媒によってポリケトン以外を溶解除去する方法によって確認することができる。
本実施形態の中空糸膜の空隙率は、好ましくは、5%以上90%以下である。空隙率は、下記数式:
空隙率(%)=(1−G/ρ/V)×100
{式中、Gは中空糸膜の質量(g)であり、ρはポリケトン中空糸膜を構成する全ての樹脂の質量平均密度(g/cm3)であり、そしてVはポリケトン中空糸膜の体積(cm3)である。}により算出される。上記数式において、質量平均密度ρは、ポリケトン中空糸膜が、ポリケトンとは密度の異なる樹脂と、ポリケトン樹脂との複合化によって構成される場合、各々の樹脂の密度にその構成質量比率を乗じた値の和である。例えば、ρA及びρBの密度をそれぞれ持つ樹脂がGA及びGBの質量比率で構成された場合、密度ρpのポリケトンがGpの質量比率で複合されているときには、質量平均密度は、下記数式:
質量平均密度=ρA・GA+ρB・GB+ρp・Gp
で表される。このときGA+GB+Gp=1である。空隙率が5%以上のポリケトン中空糸膜は、例えば、濾材として用いられる場合、透過流束が大きい、粒子捕集効率が高い、閉塞までの時間が長い等の利点を持つ。本実施形態の中空糸膜の空隙率としては、30%以上90%以下がより好ましく、40%以上90%以下が更に好ましく、50%以上90%以下が最も好ましい。
空隙率(%)=(1−G/ρ/V)×100
{式中、Gは中空糸膜の質量(g)であり、ρはポリケトン中空糸膜を構成する全ての樹脂の質量平均密度(g/cm3)であり、そしてVはポリケトン中空糸膜の体積(cm3)である。}により算出される。上記数式において、質量平均密度ρは、ポリケトン中空糸膜が、ポリケトンとは密度の異なる樹脂と、ポリケトン樹脂との複合化によって構成される場合、各々の樹脂の密度にその構成質量比率を乗じた値の和である。例えば、ρA及びρBの密度をそれぞれ持つ樹脂がGA及びGBの質量比率で構成された場合、密度ρpのポリケトンがGpの質量比率で複合されているときには、質量平均密度は、下記数式:
質量平均密度=ρA・GA+ρB・GB+ρp・Gp
で表される。このときGA+GB+Gp=1である。空隙率が5%以上のポリケトン中空糸膜は、例えば、濾材として用いられる場合、透過流束が大きい、粒子捕集効率が高い、閉塞までの時間が長い等の利点を持つ。本実施形態の中空糸膜の空隙率としては、30%以上90%以下がより好ましく、40%以上90%以下が更に好ましく、50%以上90%以下が最も好ましい。
本実施形態の中空糸膜は、平均貫通孔径0.01μm以上10μm以下の多孔質孔を有する。平均貫通孔径は、ハーフドライ法により測定される値である。平均貫通孔径が0.01μm未満の中空糸膜では、例えば、濾材として用いる場合、平均貫通孔径が小さすぎるために圧力損失の著しい増大又は透過流束の著しい減少が起こる。他方、平均貫通孔径が10μm超の中空糸膜では、例えば、濾過用フィルターとして用いる場合、平均貫通孔径が大きすぎて除去可能な粒子が限られてしまう。本実施形態の中空糸膜の平均貫通孔径は、0.02μm以上5μm以下が好ましく、0.03μm以上1μm以下がより好ましく、0.04μm以上0.8μm以下(40nm〜800nm)がさらに好ましい。
本実施形態の中空糸膜の外径均一度パラメータは4.0%以下である。外径均一度パラメータPは、下記数式;
P=μ/L×100
{式中、μは外径測定時の標準偏差であり、Lは平均外径である。)により算出される。紡糸後乾燥させた中空糸膜の両端を無張力状態で固定し、高精度寸法測定装置(キーエンス株式会社製、型番LS−9006M)を用いて、中空糸膜の外径を2mm間隔で測定する。その際、LS−9006Mの初期設定の透過光強度を100%とし、そこから透過光強度が50%低下する点の間の距離を外径と定義する。外径が大きく変化する場合としては、内径は一定であるが膜厚が減少している場合、又は膜厚は一定であるが内液(凝固剤溶液)の変動に伴う内径の減少が発生している場合が考えられる。内径は一定であるが膜厚が減少している箇所があると、そこに局所的に流れが集中し、吸着サイトの飽和を招く。また、膜厚は一定であるが内径が減少している箇所があると、中空糸膜の内筒における内径が細くなる箇所で圧損が生じ、当該箇所の周辺部で局所的な流れの集中が発生し、中空糸膜の内部(ポリケトンの最表面)に存在する吸着サイトの飽和を招く。透液性能と濾過精度の観点から、本実施形態の中空糸膜の外径均一度パラメータは3.5%以下がより好ましく、3.0%以下がさらに好ましい。
P=μ/L×100
{式中、μは外径測定時の標準偏差であり、Lは平均外径である。)により算出される。紡糸後乾燥させた中空糸膜の両端を無張力状態で固定し、高精度寸法測定装置(キーエンス株式会社製、型番LS−9006M)を用いて、中空糸膜の外径を2mm間隔で測定する。その際、LS−9006Mの初期設定の透過光強度を100%とし、そこから透過光強度が50%低下する点の間の距離を外径と定義する。外径が大きく変化する場合としては、内径は一定であるが膜厚が減少している場合、又は膜厚は一定であるが内液(凝固剤溶液)の変動に伴う内径の減少が発生している場合が考えられる。内径は一定であるが膜厚が減少している箇所があると、そこに局所的に流れが集中し、吸着サイトの飽和を招く。また、膜厚は一定であるが内径が減少している箇所があると、中空糸膜の内筒における内径が細くなる箇所で圧損が生じ、当該箇所の周辺部で局所的な流れの集中が発生し、中空糸膜の内部(ポリケトンの最表面)に存在する吸着サイトの飽和を招く。透液性能と濾過精度の観点から、本実施形態の中空糸膜の外径均一度パラメータは3.5%以下がより好ましく、3.0%以下がさらに好ましい。
本実施形態の中空糸膜の偏心率は15%以下である。偏心率aは下記数式:
a=δ/R×100
{式中、δは中空糸膜外円と内円を真円近似した際の円の中心間距離、Rは中空糸膜外径である。}により算出される。乾燥した中空糸膜を接着剤等で固定し、これを糸長方向に直交する断面に切断する。この切片を顕微鏡(キーエンス株式会社製、型番VHX−5000)を用いて観察し、VHX−5000内の測定ツールである「円心間」を使用し、内外円周上の3点から真円近似により算出した外円と内円の中心間距離を測定する。円周上の3点は、それぞれの点間が円の中心に線を引いた際にその角度が90°より大きな角度になるようにその位置を決定した。偏心率が高い場合、膜厚の薄い箇所が形成され、膜厚の薄い箇所に流れが集中することで吸着サイトの飽和を招く。透液性能と捕集性能(濾過精度)の観点から、偏心率は12%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。
a=δ/R×100
{式中、δは中空糸膜外円と内円を真円近似した際の円の中心間距離、Rは中空糸膜外径である。}により算出される。乾燥した中空糸膜を接着剤等で固定し、これを糸長方向に直交する断面に切断する。この切片を顕微鏡(キーエンス株式会社製、型番VHX−5000)を用いて観察し、VHX−5000内の測定ツールである「円心間」を使用し、内外円周上の3点から真円近似により算出した外円と内円の中心間距離を測定する。円周上の3点は、それぞれの点間が円の中心に線を引いた際にその角度が90°より大きな角度になるようにその位置を決定した。偏心率が高い場合、膜厚の薄い箇所が形成され、膜厚の薄い箇所に流れが集中することで吸着サイトの飽和を招く。透液性能と捕集性能(濾過精度)の観点から、偏心率は12%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。
本実施形態の中空糸膜の糸径(外径)は、用途によって異なるが、100μm以上10,000μm以下の範囲が好適に用いられる。中空糸膜モジュールに加工した場合の、単位面積あたりの装置の体積などを考慮すると、中空糸膜は細い方が好ましい。他方、中空糸膜内にかかる圧力損失を考慮すると、ある程度の外径と内径を有していた方がよい。これら両方を考慮すると、中空糸膜の外径は、100μm以上3,000μm以下が好ましく、より好ましくは200μm以上1,500μm以下である。
本実施形態の中空糸膜の(膜部の)厚み(膜厚)は、10μm以上1,000μm以下が好ましい。中空糸膜の厚みは、その強度が確保される限りにおいて、できるだけ薄く形成される方が好ましいものの、作製の容易さの観点から、中空糸膜にはある程度の厚みが必要である。これら両方を考慮すると、中空糸膜における膜部の適正な厚み(膜厚)は、10μm以上500μm以下がより好ましく、20μm以上350μm以下がさらに好ましい。
本実施形態の中空糸膜の膜部の断面構造は、外側から内側まで均一な多孔構造を有する対称膜であってもよいし、外側と内側との多孔構造が異なる非対称膜であってもよい。
本実施形態の中空糸膜の真円度は、好ましくは0.90以上である。真円度Aは、下記数式:
A=S/E
{式中、Sは外径の短軸を表し、Eは外径の長軸である。}で算出される。紡糸後乾燥させた中空糸膜の両端を無張力状態で固定し、中空糸膜の糸長方向に直交する断面のX軸、及びX軸と90°直交するY軸を規定し、前記したように、高精度寸法測定装置(キーエンス株式会社製、型番LS−9006M)を用いて、中空糸膜の外径を2mm間隔で測定する。X軸の外径とY軸の外径内、大きい値を長軸、小さい値を短軸として、真円度を算出する。求められる真円度は、その用途によって異なるが、ポリケトン中空糸膜を濾材として使用する場合には、濾過圧力に耐えられるだけの強度が必要であるため、真円度は高い方がよい。本実施形態の中空糸膜の真円度は、より好ましくは0.92以上、さらに好ましくは0.94以上である。
A=S/E
{式中、Sは外径の短軸を表し、Eは外径の長軸である。}で算出される。紡糸後乾燥させた中空糸膜の両端を無張力状態で固定し、中空糸膜の糸長方向に直交する断面のX軸、及びX軸と90°直交するY軸を規定し、前記したように、高精度寸法測定装置(キーエンス株式会社製、型番LS−9006M)を用いて、中空糸膜の外径を2mm間隔で測定する。X軸の外径とY軸の外径内、大きい値を長軸、小さい値を短軸として、真円度を算出する。求められる真円度は、その用途によって異なるが、ポリケトン中空糸膜を濾材として使用する場合には、濾過圧力に耐えられるだけの強度が必要であるため、真円度は高い方がよい。本実施形態の中空糸膜の真円度は、より好ましくは0.92以上、さらに好ましくは0.94以上である。
本実施形態の中空糸膜の透水量は、好ましくは0.10m3/m2/hr以上6.60m3/m2/hr以下である。透水量は下記式:
透水量(m3/m2/hr)=1分間の透水量の10点の平均値(g/min)/有効膜面積(mm2) ×60/0.99756(m3×min×mm2/hr/g/m2)
で算出される。乾燥した中空糸膜の片末端を接着剤等で封止した単糸モジュールを作製し、外圧により水を通液させた。水の粘度や密度は温度で変化するため、測定は23℃、相対湿度50%で測定を実施する。測定は差圧50kPaで10分間測定を行い、1分間の透水量を測定し、その10点の平均値を算出に用いる。求められる透水量は、その用途によって異なるが、透水量は高いほど良い。しかしながら、吸着により不純物を除去するため、膜内に異物が滞留する時間が長いほど捕捉が可能になる。それゆえ、透水量は捕捉性能との兼ね合いで決まり、一定値より低い方がよい。本実施形態の中空糸膜の透水量(m3/m2/hr)は、より好ましくは0.12以上4.90以下、さらに好ましくは0.13以上3.3以下である。
本実施形態の中空糸膜は、無機フィラー、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、親水性高分子、タンパク吸着性物質等の機能性物質を含んでもよい。具体的には、中空糸膜は、機械的強度、耐衝撃性、及び耐熱性を上げるために、無機フィラーとしてガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、カーボンナノチューブ等を含んでもよい。また、中空糸膜は、光及び酸化に対する安定性を向上させるために、光安定剤として紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等を含んでもよく、酸化防止剤としてフェノール系、リン系、硫黄系の酸化防止剤等を含んでもよい。更に、中空糸膜は、帯電防止剤として各種界面活性剤等を含んでもよい。
透水量(m3/m2/hr)=1分間の透水量の10点の平均値(g/min)/有効膜面積(mm2) ×60/0.99756(m3×min×mm2/hr/g/m2)
で算出される。乾燥した中空糸膜の片末端を接着剤等で封止した単糸モジュールを作製し、外圧により水を通液させた。水の粘度や密度は温度で変化するため、測定は23℃、相対湿度50%で測定を実施する。測定は差圧50kPaで10分間測定を行い、1分間の透水量を測定し、その10点の平均値を算出に用いる。求められる透水量は、その用途によって異なるが、透水量は高いほど良い。しかしながら、吸着により不純物を除去するため、膜内に異物が滞留する時間が長いほど捕捉が可能になる。それゆえ、透水量は捕捉性能との兼ね合いで決まり、一定値より低い方がよい。本実施形態の中空糸膜の透水量(m3/m2/hr)は、より好ましくは0.12以上4.90以下、さらに好ましくは0.13以上3.3以下である。
本実施形態の中空糸膜は、無機フィラー、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、親水性高分子、タンパク吸着性物質等の機能性物質を含んでもよい。具体的には、中空糸膜は、機械的強度、耐衝撃性、及び耐熱性を上げるために、無機フィラーとしてガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、カーボンナノチューブ等を含んでもよい。また、中空糸膜は、光及び酸化に対する安定性を向上させるために、光安定剤として紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等を含んでもよく、酸化防止剤としてフェノール系、リン系、硫黄系の酸化防止剤等を含んでもよい。更に、中空糸膜は、帯電防止剤として各種界面活性剤等を含んでもよい。
また、本実施形態の中空糸膜は、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、及び4級アンモニウム塩からなる群から選ばれる1つ以上の官能基を有してもよい。官能基を有する形態の例としては、化学結合や物理的に結合した状態が挙げられる。化学結合としては、共有結合のようなものであってもよい。共有結合としては、C−C結合、C=N結合、ピロール環を介する結合などが挙げられる。化学結合する物質としては、ポリマーであってもよいし、分子量の小さいモノマーのようなものであってもよい。他方、物理的に結合した状態としては、水素結合、ファンデルワールス力、静電引力、疎水相互作用のような分子間力によって化学結合を介さずに結合した吸着や付着の様な状態が挙げられる。物理的に結合した状態としては、ポリマーが付着された状態などが挙げられる。ポリマーの分子量が1000以上である場合、物理的な結合力が強く水溶液中でも安定したゼータ電位を発現する。正のゼータ電位を付与するためのポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、アミノ基含有カチオン性ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アミノ基含有カチオン性ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリアミンアミド−エピクロロヒドリン、ポリアリルアミン、ポリジシアンジアミド、キトサン、カチオン化キトサン、アミノ基含有カチオン化デンプン、アミノ基含有カチオン化セルロース、アミノ基含有カチオン化ポリビニルアルコール及び上記ポリマーの酸塩が挙げられる。また、上記ポリマー又はポリマーの酸塩は、他のポリマーとの共重合体であってもよい。十分なゼータ電位を有するという点で、上記ポリマー又はポリマーの酸塩の割合は、5重量%以上100重量%以下、好ましくは30重量%以上100重量%以下、より好ましくは50重量%以上100重量%以下である。
本実施形態の中空糸膜がポリケトンである場合、正のゼータ電位を付与するという観点から、該ポリケトンは、共重合モノマーとして、下記化学式(1):
{式中、R1、R2、及びR3は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、水酸基、エーテル基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、アルコキシシリル基、及びシラノール基からなる群から選択される少なくとも1つの基を表す。}で表される構造を30質量%以下の量で含むことができる。
また、本実施形態の中空糸膜がポリケトンである場合、正のゼータ電位を付与するという観点から、該ポリケトンは、下記化学式(3)〜(6):
{式(3)〜(6)中、Rは、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、及び4級アンモニウム基からなる群から選ばれる1つ以上の官能基を含む置換基である。}で表される構造のいずれかを含む共重合体であってもよい。
ここで、1級アミノ基としては−R1−NH2(R1は炭素数1以上20以下の直鎖状又は分岐状アルキレン鎖である。)が挙げられる。2級アミノ基としては、−R1−NR2H(R1は炭素数1以上20以下の直鎖状又は分岐状アルキレン鎖であり、そしてR2は炭素数1以上20以下の直鎖状又は分岐状アルキル基である。)が挙げられる。3級アミノ基としては、−R1−NR2R3(R1は炭素数1以上20以下の直鎖状又は分岐状アルキレン鎖であり、そしてR2とR3は炭素数1以上20以下の直鎖状又は分岐状アルキル基である。)が挙げられる。4級アンモニウム塩としては−R1−NR2R3R4X(R1は炭素数1以上20以下の直鎖状又は分岐状アルキレン鎖であり、R2、R3及びR4は炭素数1以上20以下の直鎖状又は分岐状アルキル基であり、そしてXはF−、Cl−、Br−、I−、CH3SO3 −などのアニオンである。)が挙げられる。
ここで、1級アミノ基としては−R1−NH2(R1は炭素数1以上20以下の直鎖状又は分岐状アルキレン鎖である。)が挙げられる。2級アミノ基としては、−R1−NR2H(R1は炭素数1以上20以下の直鎖状又は分岐状アルキレン鎖であり、そしてR2は炭素数1以上20以下の直鎖状又は分岐状アルキル基である。)が挙げられる。3級アミノ基としては、−R1−NR2R3(R1は炭素数1以上20以下の直鎖状又は分岐状アルキレン鎖であり、そしてR2とR3は炭素数1以上20以下の直鎖状又は分岐状アルキル基である。)が挙げられる。4級アンモニウム塩としては−R1−NR2R3R4X(R1は炭素数1以上20以下の直鎖状又は分岐状アルキレン鎖であり、R2、R3及びR4は炭素数1以上20以下の直鎖状又は分岐状アルキル基であり、そしてXはF−、Cl−、Br−、I−、CH3SO3 −などのアニオンである。)が挙げられる。
本実施形態の中空糸膜の陰イオン交換容量は、0.01ミリ当量/g以上10ミリ当量/g以下であることが好ましい。陰イオン交換容量は、該膜を一定量の塩酸で処理し、消費された塩酸量を水酸化ナトリウムで中和滴定した場合、以下の方法により求められる。
5重量%水酸化ナトリウム水溶液200mlをビーカー(ビーカーAとする)に入れ、中空糸膜を30分間浸漬した後、取り出す。取り出した中空糸膜を更に15分間水洗した後、別のビーカー(ビーカーBとする)に入れる。これに、濃度Xモル/lの塩酸をYml入れて、上記のポリケトン膜を30分間浸漬した後、中空糸膜を取り出す。取り出した中空糸膜は50mlの水で洗浄し、ビーカーB内の液に加える。これを、濃度1モル/lの水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、下記数式:
陰イオン交換容量(ミリ当量/g)=[X(モル/l)×Y(ml)−1(モル/l)×滴定に要した水酸化ナトリウム水溶液量(ml)]/サンプル重量(g)
により陰イオン交換容量(ミリ当量/g)を算出する。
陰イオン交換容量が0.01ミリ当量/gより小さい中空糸膜は、安定して+5mV以上のゼータ電位が得られない場合があり、粒子の捕集率が低い、効果の持続時間が短いなどの不具合を生じる。他方、10ミリ当量/gより大きい場合は、ゼータ電位の値がばらつき、性能が安定したフィルターを作ることができない。安定したゼータ電位が得られるという点で、上記容量は、0.01ミリ当量/g以上5ミリ当量/g以下であることがより好ましく、0.01ミリ当量/g以上2ミリ当量/g以下であることが更に好ましい。
5重量%水酸化ナトリウム水溶液200mlをビーカー(ビーカーAとする)に入れ、中空糸膜を30分間浸漬した後、取り出す。取り出した中空糸膜を更に15分間水洗した後、別のビーカー(ビーカーBとする)に入れる。これに、濃度Xモル/lの塩酸をYml入れて、上記のポリケトン膜を30分間浸漬した後、中空糸膜を取り出す。取り出した中空糸膜は50mlの水で洗浄し、ビーカーB内の液に加える。これを、濃度1モル/lの水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、下記数式:
陰イオン交換容量(ミリ当量/g)=[X(モル/l)×Y(ml)−1(モル/l)×滴定に要した水酸化ナトリウム水溶液量(ml)]/サンプル重量(g)
により陰イオン交換容量(ミリ当量/g)を算出する。
陰イオン交換容量が0.01ミリ当量/gより小さい中空糸膜は、安定して+5mV以上のゼータ電位が得られない場合があり、粒子の捕集率が低い、効果の持続時間が短いなどの不具合を生じる。他方、10ミリ当量/gより大きい場合は、ゼータ電位の値がばらつき、性能が安定したフィルターを作ることができない。安定したゼータ電位が得られるという点で、上記容量は、0.01ミリ当量/g以上5ミリ当量/g以下であることがより好ましく、0.01ミリ当量/g以上2ミリ当量/g以下であることが更に好ましい。
以下、本実施形態の中空糸膜の製造方法の一例について説明する。
ポリケトンの重合方法としては、特に制限はないが、例えば、オートクレーブ等の反応容器の溶媒中で、エチレンと一酸化炭素を反応させる。溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサフルオロイソプロパノールが挙げられ、これらの混合溶媒として使用してもよい。より好ましい溶媒としては、重合活性等のコストの観点から、水、メタノールである。ポリケトンの原料としては、一酸化炭素とエチレンが主体となるが、ポリケトンの加工性を考慮して、エチレン以外のプロペン、ヘキセン、シクロヘキセン、スチレン等のエチレン性不飽和化合物を混合させる場合がある。
ポリケトンの重合は、溶媒に溶解した有機金属錯体触媒の存在下で進行する。尚、有機金属錯体触媒とは、周期律表の(a)第10族遷移金属化合物、(b)第15族の原子を有する配位子からなるものである。更に、かかる(a)第10族、(b)第15族の原子を有する配位子に、第3成分として(c)酸を加えてもよい。(a)成分中の第10族遷移金属化合物の例としては、ニッケル又はパラジウムの錯体、カルボン酸塩、リン酸塩、カルバミン酸塩、スルホン酸塩を挙げることができ、その具体例としては、酢酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトネート、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、パラジウムアセチルアセトネート、塩化パラジウム等を挙げることができる。(b)成分の第15族の原子を有する配位子の例としては、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,3−ビス{ジ(2−メトキシフェニル)ホスフィノ}プロパン等のリン二座配位子を挙げることができる。(c)酸の例としては、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸のpKaが4以下の有機酸の陰イオンを挙げることができる。
ポリケトンの重合方法としては、特に制限はないが、例えば、オートクレーブ等の反応容器の溶媒中で、エチレンと一酸化炭素を反応させる。溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサフルオロイソプロパノールが挙げられ、これらの混合溶媒として使用してもよい。より好ましい溶媒としては、重合活性等のコストの観点から、水、メタノールである。ポリケトンの原料としては、一酸化炭素とエチレンが主体となるが、ポリケトンの加工性を考慮して、エチレン以外のプロペン、ヘキセン、シクロヘキセン、スチレン等のエチレン性不飽和化合物を混合させる場合がある。
ポリケトンの重合は、溶媒に溶解した有機金属錯体触媒の存在下で進行する。尚、有機金属錯体触媒とは、周期律表の(a)第10族遷移金属化合物、(b)第15族の原子を有する配位子からなるものである。更に、かかる(a)第10族、(b)第15族の原子を有する配位子に、第3成分として(c)酸を加えてもよい。(a)成分中の第10族遷移金属化合物の例としては、ニッケル又はパラジウムの錯体、カルボン酸塩、リン酸塩、カルバミン酸塩、スルホン酸塩を挙げることができ、その具体例としては、酢酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトネート、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、パラジウムアセチルアセトネート、塩化パラジウム等を挙げることができる。(b)成分の第15族の原子を有する配位子の例としては、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,3−ビス{ジ(2−メトキシフェニル)ホスフィノ}プロパン等のリン二座配位子を挙げることができる。(c)酸の例としては、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸のpKaが4以下の有機酸の陰イオンを挙げることができる。
有機金属錯体触媒として用いる遷移金属化合物(a)の使用量は、他の重合条件によってその好適な値が異なるため、一概にその範囲を定めることはできないが、好ましくは反応帯域の容量1リットル当り0.1マイクロモル以上1000マイクロモル以下である。反応帯域の容量とは、反応器中の液相容量をいう。配位子(b)の使用量も制限されるものではないが、遷移金属化合物1モル当たり0.8モル以上3モル以下である。酸(c)の使用量は、パラジウム化合物1モル当たり、0.1モル以上100モル以下である。
有機金属錯体触媒は、遷移金属化合物(a)、配位子(b)、及び好ましくは酸(c)を混合することによって生成する。有機金属錯体触媒の使用法についての制限はないが、予め、各成分の混合物からなる有機金属錯体触媒を調製してから反応容器内に添加することが好ましい。有機金属錯体触媒を調製する場合には、先ず、遷移金属化合物(a)及び配位子(b)を混合し、次いで、酸(c)を混合することが好ましい。触媒組成物の調製に用いる溶媒は、アルコール、アセトン、及びメチルエチルケトンから選ばれる有機溶媒が好ましい。また、上記(a)、(b)、及び(c)3成分からなる触媒に、重合活性を維持する効果が高いという観点から、ベンゾキノン、ナフトキノンの酸化剤を添加することが好ましい。これらキノン類の添加量は、遷移金属化合物1モル当たり10モル以上200モル以下である。キノン類の添加は、触媒組成物に添加してから反応容器に添加する方法、重合溶媒に添加する方法のいずれであってもよく、必要に応じて、反応中に反応容器内に連続的に添加してもよい。
有機金属錯体触媒は、遷移金属化合物(a)、配位子(b)、及び好ましくは酸(c)を混合することによって生成する。有機金属錯体触媒の使用法についての制限はないが、予め、各成分の混合物からなる有機金属錯体触媒を調製してから反応容器内に添加することが好ましい。有機金属錯体触媒を調製する場合には、先ず、遷移金属化合物(a)及び配位子(b)を混合し、次いで、酸(c)を混合することが好ましい。触媒組成物の調製に用いる溶媒は、アルコール、アセトン、及びメチルエチルケトンから選ばれる有機溶媒が好ましい。また、上記(a)、(b)、及び(c)3成分からなる触媒に、重合活性を維持する効果が高いという観点から、ベンゾキノン、ナフトキノンの酸化剤を添加することが好ましい。これらキノン類の添加量は、遷移金属化合物1モル当たり10モル以上200モル以下である。キノン類の添加は、触媒組成物に添加してから反応容器に添加する方法、重合溶媒に添加する方法のいずれであってもよく、必要に応じて、反応中に反応容器内に連続的に添加してもよい。
重合温度は70℃以上150℃以下、重合圧力は1MPa以上50MPa以下であることが好ましく、重合時間は1時間以上10時間以下である。重合が完了したポリケトンは懸濁液の状態で反応容器内から抜き出される。反応容器から抜き出された懸濁液は必要に応じてフラッシュタンクを通過させて、懸濁液内に残留する未反応の一酸化炭素及びエチレンを除去する。次いで、ポリケトン懸濁液を、重合溶媒に用いた溶媒と同一種類の溶媒を用いて洗浄しながら、遠心脱水機等の公知の遠心分級器によりポリケトン粉体と液体成分とを分離する。その後、加熱気体を吹き付ける方法、ポリケトン粉体を攪拌しながら加熱気体を通す方法等、公知の装置、方法を用いポリケトン粉体に残存する液体成分を乾燥、除去し、ポリケトンを単離する。
以上のようにして得られたポリケトンをレゾルシン水溶液に溶解する。レゾルシン水溶液の濃度は水100質量部に対し、100質量部以上400質量部以下の範囲である。また、ポリマー濃度はレゾルシン水溶液100質量部に対し、1質量部以上45質量部以下の範囲である。レゾルシン水溶液の濃度とポリマー濃度との組合せにより、中空糸質膜の孔径がコントロール可能であり、所望の孔径により適宜決められる。ポリケトンの極限粘度に特に制限は無いが、溶解性や多孔質膜への成形しやすさの観点から、0.5dl/g以上5dl/g以下であることが好ましい。その他成分(グリセリン等)も、レゾルシンの析出阻害や粘度を調整する目的で、レゾルシン水溶液100質量部に対し、0.1質量部以上45質量部以下加えてもよい。
以上のようにレゾルシン水溶液にポリケトンを溶解したドープを凝固剤で凝固させることで、中空糸状の中空糸質膜を作製する。本実施形態の中空糸膜の製造に用いることができる紡糸法について図1を用いて説明する。図1中、点線部は中空糸膜を表している。中空糸形状は、二重管オリフィスやC型オリフィスなどを用いて、外側の輪状オリフィスからはドープを、また、内側の円状オリフィスからは凝固剤を吐出しながら凝固浴中で凝固させる方法等、従来公知のものがそのまま適応できる。作製したドープはドープタンク1に移し、長時間の静置や減圧により脱泡を行う。そこから40℃に保温した二重管オリフィス(紡口2)に送液し、輪状オリフィスから20℃に保温した凝固浴3に向かって吐出する。このとき吐出線速は配管内圧力の観点から、0.5m/分以上10m/分以下であることができる。同時に、凝固剤(内液)を凝固剤タンク4から送液し、円状オリフィスから凝固浴3に向かって吐出する。その際、紡口2と凝固浴3液面との間に空走距離5(以下、「AG」ともいう)を設ける場合もある。凝固浴3の内部には凝固剤を満たす。凝固液中で凝固したドープ、すなわち中空糸膜の糸は、駆動ローラー6にて一定速度で送られ、一定時間凝固浴3内に滞留した後、凝固浴3から引き上げられる。凝固浴を出た中空糸膜は外径センサー7を通過し、巻取機8にて散水しながら巻き取られる。ここで紡糸速度は、ドープに一定の張力を掛けるために、また、工程内張力を低下させるために、5m/分以上50m/分以下が好ましく、6m/分以上30m/分以下がより好ましく、8m/分以上20m/分以下がさらに好ましい。紡糸速度を低下させることで、ドープかかる張力が低下し、糸切れが発生し難くなる。また、凝固浴中でも流体抵抗が減少するため、凝固中のドープに過剰な張力がかかり難く、紡糸が容易になる。さらに、紡糸速度を低下させると、凝固液にドープを投入した際に液面で流体抵抗を受けドープの速度が急激に低下して渦を巻くことがないため、紡糸が容易になる。
AGを一定以上に設定すると、凝固液に入るまでの時間を稼げるため、吐出時の圧力変動やポンプの脈動によるドープや内液の吐出量変動を緩和し易くなる。他方、AG一定以下に設定することで、ドープ内外の凝固状態の差が緩和でき、糸切れを防ぐことができる。また、AGを一定以下に設定することで、ドープ内の揮発成分がAGにおいて揮発することを抑制することができ、ドープ組成を制御しやすくなる。さらに、ドープ内組成物の揮発に伴ってドープが冷却され、ドープ表面に水が結露し、ドープ組成の変化を抑制することできる。ドープの温度変化は相分離構造に影響を与えるが、AGを一定以下に設定することで、AGの間に外気温と接触している時間を減らすことが可能であるため、AGにおけるドープ温度の変化を抑制することができ、相分離構造の制御が容易になる。このためAGは15mm以上200mm以下が好ましく、20mm以上150mm以下がさらに好ましい。
凝固剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、及びグリセリンから選択されうる水溶液であり、その濃度は10質量%以上80質量%以下であることができる。凝固浴温度は、水の凝固点、溶剤の沸点の観点から、0℃以上70℃以下であることができる。このようにして得られた中空糸膜を、必要に応じて凝固剤や水等に浸漬しさらに洗浄した後、5℃以上100℃以下の温水中に5分以上〜700分以下の間浸漬する。流水温度と時間は残存する溶剤と凝固剤濃度によって適宜設定する。
上述の温水処理後の中空糸質膜を、必要に応じて、親水性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、及びプロパノールから選択される溶媒に浸漬して、多孔質膜に含まれる水を溶媒と置換する。その後、加熱ロールに接触させる方法、熱風を吹きかける方法、電熱ヒーターで非接触加熱して乾燥する方法等、又はこれらを組み合わせた方法等、公知の乾燥方法で乾燥する。加熱ロールに接触させる方法が最も効率が良いため好適に選ばれる。乾燥温度は、25℃以上150℃以下の範囲で、乾燥させる液体の種類により適宜選ばれる。本実施形態の中空糸膜の乾燥では、乾燥時に収縮や延伸による面方向への変形が少ない方法であることが重要である。許容される糸長方向への変形倍率は0.9以上1.1以下の範囲であることができる。
乾燥後に、膜構造を安定化するために80℃以上200℃以下の範囲で熱処理を行う場合がある。熱処理を行うことで、中空糸質膜を50℃以上150℃以下での加温状態で使用する場合や、水等の表面張力の高い溶媒を含浸させた後に再び乾燥させた場合に、膜構造の変形を抑制することが可能となる。その際にも、収縮や延伸による面方向への変形倍率が少ない方法が重要であり、許容される面方向への変形倍率は0.9以上1.1以下の範囲であることができる。
官能基を含ませる方法については特に制限はないが、化学反応による方法、物理反応による方法、コーティングによる方法、さらにこれらを組み合わせた方法などが挙げられる。化学反応による方法は、パール・クノール反応などが挙げられる。また、物理反応による方法はプラズマ処理やコロナ処理などが挙げられる。コーティングによる方法はポリマーを含む水溶液などに含浸させる方法が挙げられる。その他の方法としては電子線グラフト反応などが挙げられる。
中空糸膜に正のゼータ電位を付与するという観点で、中空糸膜に正のゼータ電位を有するポリマーなどを付着又はコーティングさせてもよい。付着又はコーティングさせる方法としては、水や有機溶剤などにポリマーを溶解させた溶液にポリケトンを含浸させた後、取り出して乾燥させる方法などが挙げられる。乾燥の前後に加熱処理や水洗などを行ってもよい。正のゼータ電位を有するポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、アミノ基含有カチオン性ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アミノ基含有カチオン性ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリアミンアミド−エピクロロヒドリン、ポリアリルアミン、ポリジシアンジアミド、キトサン、カチオン化キトサン、アミノ基含有カチオン化デンプン、アミノ基含有カチオン化セルロース、アミノ基含有カチオン化ポリビニルアルコール及び上記ポリマーの酸塩が挙げられる。また、上記ポリマー又はポリマーの酸塩は、他のポリマーとの共重合体であってもよい。
中空糸膜に正のゼータ電位を付与するという観点で、中空糸膜に正のゼータ電位を有するポリマーなどを付着又はコーティングさせてもよい。付着又はコーティングさせる方法としては、水や有機溶剤などにポリマーを溶解させた溶液にポリケトンを含浸させた後、取り出して乾燥させる方法などが挙げられる。乾燥の前後に加熱処理や水洗などを行ってもよい。正のゼータ電位を有するポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、アミノ基含有カチオン性ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アミノ基含有カチオン性ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリアミンアミド−エピクロロヒドリン、ポリアリルアミン、ポリジシアンジアミド、キトサン、カチオン化キトサン、アミノ基含有カチオン化デンプン、アミノ基含有カチオン化セルロース、アミノ基含有カチオン化ポリビニルアルコール及び上記ポリマーの酸塩が挙げられる。また、上記ポリマー又はポリマーの酸塩は、他のポリマーとの共重合体であってもよい。
中空糸膜に正のゼータ電位を付与するという観点から、中空糸膜を構成するポリケトンの少なくとも1つの水素原子を他の基に置換する場合、置換方法としては、例えば、電子線、γ線、プラズマ等の照射によってポリケトンにラジカルを発生させた後、望みの機能を発現する官能基を有する反応性モノマーを付加させる方法が挙げられる。反応性モノマーの例としては、1級アミン、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩を含むアクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸の誘導体、アリルアミン、p−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。より具体的な例としては、アクリル酸3−(ジメチルアミノ)プロピル、メタクリル酸3−(ジメチルアミノ)プロピル、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、トリメチル[3−(メタクリロイルアミノ)プロピル]アンモニウムクロリドなどが挙げられる。上記の置換処理は、ポリケトンを多孔膜に成型する前に行ってもよいし、多孔膜に成型した後に行ってもよいが、成型性の観点から、多孔膜に成型した後に行う方が好ましい。
また、下記化学式(3):
{式中、Rは、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、及び4級アンモニウム基からなる群から選ばれる1つ以上の官能基を含む置換基である。}で表される構造を含むポリケトンを製造する場合、任意の方法が可能であるが、ポリケトンと1級アミンとの脱水縮合反応によって、上記構造を含むポリケトンを製造することが、簡便性の面で好ましい。エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N−メチルプロパンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルプロパンジアミン、N−アセチルエチレンジアミン、イソホロンジアミン等の様に一級アミンを含むジアミン、トリアミン、テトラアミン、ポリエチレンイミン等の多官能化アミンは、多くの活性点を付与することができるため、好ましい。上記脱水縮合反応は、ポリケトンを多孔膜に成型する前に行ってもよいし、多孔膜に成型した後に行ってもよいが、成型性の観点から、多孔膜に成型した後に行う方が好ましい。
以下、本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において用いた各測定値の測定方法は以下の通りのものであった。
以下の実施例及び比較例において用いた各測定値の測定方法は以下の通りのものであった。
1.ポリケトンの極限粘度[η]
以下の定義式:
{式中、tは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノールの25℃での粘度管の流下時間であり、Tは、該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトン希釈溶液の25℃での粘度管の流下時間であり、そしてCは、上記ポリケトン希釈溶液100ml中のグラム単位による溶質の質量値である。}に基づいて極限粘度を求めた。
以下の定義式:
2.平均貫通孔径(細孔径)(nm)
PMI社のパームポロメーター(型式:CFP−1200AX)を用い、浸液にPMI社製のガルウィック(表面張力=15.6dynes/cm)を用い、ハーフドライ法により測定した。
PMI社のパームポロメーター(型式:CFP−1200AX)を用い、浸液にPMI社製のガルウィック(表面張力=15.6dynes/cm)を用い、ハーフドライ法により測定した。
3.偏心率(%)
乾燥した中空糸膜を接着剤等で固定し、これを糸断面方向(糸長方向に直交する方向)に切断した。本切片を顕微鏡(キーエンス株式会社製、型番VHX−5000)で観察し、VHX−5000内の測定ツールを使用し、内外円周上の3点から真円近似により算出した円の中心間距離を測定した。円周上の3点は、それぞれ円周上の3点から円の中心に線を引いた際に、その円周上の3点のうちいずれか任意の2点と円の中心により形成される角度が、どの2点をとっても90°より大きな角度になるように点の位置を決定した。
偏心率は、下記数式:
偏心率=中空糸膜外円と内円を真円近似した際の円の中心間距離/中空糸膜外径×100
により算出した。
測定は1cmおきに10点測定し、平均値を偏心率とした。
乾燥した中空糸膜を接着剤等で固定し、これを糸断面方向(糸長方向に直交する方向)に切断した。本切片を顕微鏡(キーエンス株式会社製、型番VHX−5000)で観察し、VHX−5000内の測定ツールを使用し、内外円周上の3点から真円近似により算出した円の中心間距離を測定した。円周上の3点は、それぞれ円周上の3点から円の中心に線を引いた際に、その円周上の3点のうちいずれか任意の2点と円の中心により形成される角度が、どの2点をとっても90°より大きな角度になるように点の位置を決定した。
偏心率は、下記数式:
偏心率=中空糸膜外円と内円を真円近似した際の円の中心間距離/中空糸膜外径×100
により算出した。
測定は1cmおきに10点測定し、平均値を偏心率とした。
4.外径(mm)
超高速・高精度寸法測定器 (キーエンス株式会社製,型番LS−9006M)2台を、図2に示すように中空糸膜の断面に対し配置し、X軸及びY軸断面の2軸で、非接触状態でX軸(図2中9)、Y軸(図2中10)の方向の太さを測定した。測定数として、ポリケトン中空糸膜2mmおきに100点測定し、平均値を外径とした。
超高速・高精度寸法測定器 (キーエンス株式会社製,型番LS−9006M)2台を、図2に示すように中空糸膜の断面に対し配置し、X軸及びY軸断面の2軸で、非接触状態でX軸(図2中9)、Y軸(図2中10)の方向の太さを測定した。測定数として、ポリケトン中空糸膜2mmおきに100点測定し、平均値を外径とした。
5.内径(mm)
乾燥した中空糸膜を、切断時に中空糸膜形状が変化しないように接着剤等で固定し、これを糸断面方向(糸長方向に直交する方向)に切断した。この際の接着剤は中空糸膜を形成する材と屈折率の異なるものが好ましく、例えば、ポリケトンやポリエチレンであればシリコーンが取材である接着剤を用いるのがよい。本切片を顕微鏡(キーエンス株式会社性、型番VHX−5000)で観察し、VHX−5000内の測定ツールを使用し、中空糸膜の界面を30点規定し、その点間距離をもって中空糸膜内筒側円周とした。
内径は上記で測定した中空糸膜の内筒側円周を用いて下記式:
内径(μm)=中空糸膜の内筒側円周(μm)/円周率
により算出した。
測定は1cmおきに10点測定し、平均値を内径とした。
乾燥した中空糸膜を、切断時に中空糸膜形状が変化しないように接着剤等で固定し、これを糸断面方向(糸長方向に直交する方向)に切断した。この際の接着剤は中空糸膜を形成する材と屈折率の異なるものが好ましく、例えば、ポリケトンやポリエチレンであればシリコーンが取材である接着剤を用いるのがよい。本切片を顕微鏡(キーエンス株式会社性、型番VHX−5000)で観察し、VHX−5000内の測定ツールを使用し、中空糸膜の界面を30点規定し、その点間距離をもって中空糸膜内筒側円周とした。
内径は上記で測定した中空糸膜の内筒側円周を用いて下記式:
内径(μm)=中空糸膜の内筒側円周(μm)/円周率
により算出した。
測定は1cmおきに10点測定し、平均値を内径とした。
6.外径均一度パラメータ
中空糸膜の外径測定結果から標準偏差を算出し、下記数式:
外径均一度パラメータ=外径の標準偏差/外径
より算出した。
中空糸膜の外径測定結果から標準偏差を算出し、下記数式:
外径均一度パラメータ=外径の標準偏差/外径
より算出した。
7.真円度
2mmおきに100点ずつ測定したX軸、Y軸方向の値より、X軸とY軸の値を比較し、それぞれ小さい値を短軸、大きい値を長軸とし、下記数式:
真円度=短軸/長軸
より算出した。
2mmおきに100点ずつ測定したX軸、Y軸方向の値より、X軸とY軸の値を比較し、それぞれ小さい値を短軸、大きい値を長軸とし、下記数式:
真円度=短軸/長軸
より算出した。
8.空隙率(ε)(%)
空隙率(ε)は、下記数式:
ε=1−G/ρ/(t・A)
{式中、Gは、ポリケトン膜の重量(g)であり、ρは、中空糸膜を構成する高分子の密度(g/cm3)であり、tは、中空糸膜の平均厚み(cm)であり、そしてAは、中空糸膜の面積(cm2)である。}により求めた。
空隙率(ε)は、下記数式:
ε=1−G/ρ/(t・A)
{式中、Gは、ポリケトン膜の重量(g)であり、ρは、中空糸膜を構成する高分子の密度(g/cm3)であり、tは、中空糸膜の平均厚み(cm)であり、そしてAは、中空糸膜の面積(cm2)である。}により求めた。
9.透水量(m3/m2/hr)
乾燥した中空糸膜の片末端を封止した単糸モジュールを作製し、外圧により水を通液させた。温度23℃、湿度50%の環境下において、23℃に温度制御した水を用いて、有効面積102mm2の中空糸膜に対して、差圧50 kPaの条件で10分間透水した。その際の1分間毎の透水量を測定し、10点の平均値を算出した。
透水量は下記式:
透水量(m3/m2/hr)=1分間の透水量の10点の平均値(g/min)/有効膜面積 (mm2) ×60/0.99756(m3×min×mm2/hr/g/m2)
により算出した。
乾燥した中空糸膜の片末端を封止した単糸モジュールを作製し、外圧により水を通液させた。温度23℃、湿度50%の環境下において、23℃に温度制御した水を用いて、有効面積102mm2の中空糸膜に対して、差圧50 kPaの条件で10分間透水した。その際の1分間毎の透水量を測定し、10点の平均値を算出した。
透水量は下記式:
透水量(m3/m2/hr)=1分間の透水量の10点の平均値(g/min)/有効膜面積 (mm2) ×60/0.99756(m3×min×mm2/hr/g/m2)
により算出した。
10.粒子捕集効率(%)
ポリケトン中空糸膜を濾材として、10nm金ナノ粒子(ビービーアイ ソリューション社製、型番 EMGC10)を粒子濃度0.25ppmで含む水溶液104gを、差圧100kPa、有効濾過面積94mm2で30分間、全量を濾過した。また、ポリケトン中空糸膜を濾材として、10nm金ナノ粒子を粒子濃度0.25ppmで含む水溶液416gを差圧100kPa、有効濾過面積94mm2で120分間、全量をろ過した。それぞれの濾液の粒子濃度C(ppm)を測定し、下記式:
粒子捕集率(%)=(1−C/2)×100
により粒子捕集率(%)を算出した。
尚、金ナノ粒子の濃度は、紫外可視分光光度計(日本分光:V−650)を用い、濃度既知の金ナノ粒子水分散液から検量線を作成し、測定した。
ポリケトン中空糸膜を濾材として、10nm金ナノ粒子(ビービーアイ ソリューション社製、型番 EMGC10)を粒子濃度0.25ppmで含む水溶液104gを、差圧100kPa、有効濾過面積94mm2で30分間、全量を濾過した。また、ポリケトン中空糸膜を濾材として、10nm金ナノ粒子を粒子濃度0.25ppmで含む水溶液416gを差圧100kPa、有効濾過面積94mm2で120分間、全量をろ過した。それぞれの濾液の粒子濃度C(ppm)を測定し、下記式:
粒子捕集率(%)=(1−C/2)×100
により粒子捕集率(%)を算出した。
尚、金ナノ粒子の濃度は、紫外可視分光光度計(日本分光:V−650)を用い、濃度既知の金ナノ粒子水分散液から検量線を作成し、測定した。
[実施例1]
エチレンと一酸化炭素とが完全交互共重合した極限粘度3.0dl/gのポリケトンポリマーを、ポリマー濃度12.0質量%で70質量%のレゾルシンを含む水溶液に添加し、80℃で2時間攪拌溶解し、脱泡を行うことで均一透明なドープを得た。
40℃に保温した二重管オリフィス紡口を用い、温度を50℃に調整した上記ドープを外側輪状オリフィスから、40質量%のメタノール水溶液を内側の円状オリフィスから、同時に濃度40質量%のメタノール水溶液からなる20℃の凝固浴に吐出した。吐出線速はドープとメタノール水溶液は共に3.4m/分とした。このとき二重オリフィス紡口は凝固浴液面より80mm上方に設置した。図1に示すように凝固浴内には駆動ローラーが設置されており、ドープは凝固浴内のローラーによって10.5m/minの一定速度で延伸しながら紡糸を行った。ドープは凝固浴内に40秒滞留させ、凝固させた。凝固浴から引き上げた中空糸膜は外径測定器において外径を測定した。この時の外径均一度パラメータは1.5であった。中空糸膜は水洗しながら巻き取り、一晩超純水中で静置後、6時間80℃の熱水に浸漬し洗浄を行った。得られた中空糸膜は長さ80cmに切断し、イソプロパノール中に浸漬して溶媒置換を行い、室温にて風乾した。このようにして得られたポリケトン中空糸膜の空隙率は78%、平均貫通孔径190nm、外径均一度パラメータ1.9、偏心率8%、真円度0.98であった。
上記の中空糸膜の両端を接着剤によって固定し、中空糸膜を5cm露出させた中空糸膜モジュールを作製した。このモジュールに中空糸膜外側より水を通液し透水量を測定した。透水量は2.4 m3/m2/hrであった。また、金ナノ粒子分散液を通液し、金ナノ粒子除去性能を測定した。通液後30分の捕集率は91.0%、120分の捕集率は90.0%であった。
エチレンと一酸化炭素とが完全交互共重合した極限粘度3.0dl/gのポリケトンポリマーを、ポリマー濃度12.0質量%で70質量%のレゾルシンを含む水溶液に添加し、80℃で2時間攪拌溶解し、脱泡を行うことで均一透明なドープを得た。
40℃に保温した二重管オリフィス紡口を用い、温度を50℃に調整した上記ドープを外側輪状オリフィスから、40質量%のメタノール水溶液を内側の円状オリフィスから、同時に濃度40質量%のメタノール水溶液からなる20℃の凝固浴に吐出した。吐出線速はドープとメタノール水溶液は共に3.4m/分とした。このとき二重オリフィス紡口は凝固浴液面より80mm上方に設置した。図1に示すように凝固浴内には駆動ローラーが設置されており、ドープは凝固浴内のローラーによって10.5m/minの一定速度で延伸しながら紡糸を行った。ドープは凝固浴内に40秒滞留させ、凝固させた。凝固浴から引き上げた中空糸膜は外径測定器において外径を測定した。この時の外径均一度パラメータは1.5であった。中空糸膜は水洗しながら巻き取り、一晩超純水中で静置後、6時間80℃の熱水に浸漬し洗浄を行った。得られた中空糸膜は長さ80cmに切断し、イソプロパノール中に浸漬して溶媒置換を行い、室温にて風乾した。このようにして得られたポリケトン中空糸膜の空隙率は78%、平均貫通孔径190nm、外径均一度パラメータ1.9、偏心率8%、真円度0.98であった。
上記の中空糸膜の両端を接着剤によって固定し、中空糸膜を5cm露出させた中空糸膜モジュールを作製した。このモジュールに中空糸膜外側より水を通液し透水量を測定した。透水量は2.4 m3/m2/hrであった。また、金ナノ粒子分散液を通液し、金ナノ粒子除去性能を測定した。通液後30分の捕集率は91.0%、120分の捕集率は90.0%であった。
[実施例2]
実施例1と同じ条件で作製した中空糸膜を、温度80℃に調整した1.5質量%ポリエチレンイミン(東京化成工業株式会社製、品番P0381、分子量:70,000)を含む水溶液に1時間浸漬し、機能化を行った。機能化後は4時間、80℃水中に浸漬し、洗浄した。洗浄後はイソプロパノールで乾燥した。
上記の中空糸膜の透水量は2.3 m3/m2/hrであり、金ナノ粒子除去性能を測定したところ、30分捕集率は99.8%、120分捕集率は99.8%であった。
実施例1と同じ条件で作製した中空糸膜を、温度80℃に調整した1.5質量%ポリエチレンイミン(東京化成工業株式会社製、品番P0381、分子量:70,000)を含む水溶液に1時間浸漬し、機能化を行った。機能化後は4時間、80℃水中に浸漬し、洗浄した。洗浄後はイソプロパノールで乾燥した。
上記の中空糸膜の透水量は2.3 m3/m2/hrであり、金ナノ粒子除去性能を測定したところ、30分捕集率は99.8%、120分捕集率は99.8%であった。
[実施例3]
ポリマー濃度を10質量%、レゾルシン水溶液内レゾルシン濃度70質量%にした以外は実施例1と同じ条件で中空糸膜を作製した。紡糸時に測定した外径均一度パラメータは1.6であった。乾燥後の中空糸膜の細孔径は400nmであり、外径均一度パラメータは2.1、偏心率は9%、真円度は0.85であった。
この中空糸膜の透水量は3.4 m3/m2/hrであり、金ナノ粒子捕集試験を実施したところ、30分捕集率は88.5%、120分捕集率は88.4%であった。
ポリマー濃度を10質量%、レゾルシン水溶液内レゾルシン濃度70質量%にした以外は実施例1と同じ条件で中空糸膜を作製した。紡糸時に測定した外径均一度パラメータは1.6であった。乾燥後の中空糸膜の細孔径は400nmであり、外径均一度パラメータは2.1、偏心率は9%、真円度は0.85であった。
この中空糸膜の透水量は3.4 m3/m2/hrであり、金ナノ粒子捕集試験を実施したところ、30分捕集率は88.5%、120分捕集率は88.4%であった。
[実施例4]
紡糸速度18m/minに変更した以外は実施例1と同じ条件で中空糸膜を作製した。紡糸時に測定した外径均一度パラメータは1.8であった。乾燥後の中空糸膜の細孔径は180nmであり、外径均一度パラメータは2.3、偏心率は12%、真円度は0.95であった。
この中空糸膜の透水量は2.3 m3/m2/hrであり、金ナノ粒子捕集試験を実施したところ、30分捕集率は88.3%、120分捕集率は89.0%であった。
紡糸速度18m/minに変更した以外は実施例1と同じ条件で中空糸膜を作製した。紡糸時に測定した外径均一度パラメータは1.8であった。乾燥後の中空糸膜の細孔径は180nmであり、外径均一度パラメータは2.3、偏心率は12%、真円度は0.95であった。
この中空糸膜の透水量は2.3 m3/m2/hrであり、金ナノ粒子捕集試験を実施したところ、30分捕集率は88.3%、120分捕集率は89.0%であった。
[実施例5]
エアギャップを150mm、紡糸速度を18m/minに変更した以外は実施例1と同じ条件で中空糸膜を作製した。紡糸時に測定した外径均一度パラメータは2.6であった。乾燥後の中空糸膜の平均貫通孔径は190nmであり、外径均一度パラメータは2.8、偏心率は11%、真円度は0.93であった。
この中空糸膜の透水量を測定したところ、2.3 m3/m2/hrであり、金ナノ粒子捕集試験を実施したところ、30分捕集率は90.2%、120分捕集率は90.0%であった。
エアギャップを150mm、紡糸速度を18m/minに変更した以外は実施例1と同じ条件で中空糸膜を作製した。紡糸時に測定した外径均一度パラメータは2.6であった。乾燥後の中空糸膜の平均貫通孔径は190nmであり、外径均一度パラメータは2.8、偏心率は11%、真円度は0.93であった。
この中空糸膜の透水量を測定したところ、2.3 m3/m2/hrであり、金ナノ粒子捕集試験を実施したところ、30分捕集率は90.2%、120分捕集率は90.0%であった。
[実施例6]
エアギャップを50mmに変更した以外は実施例1と同じ条件で中空糸膜を作製した。紡糸時に測定した外径均一度パラメータは3.7であった。乾燥後の中空糸膜の細孔径は200nmであり、外径均一度パラメータは3.7、偏心率は13%、真円度は0.92であった。
この中空糸膜の透水量は2.4 m3/m2/hrであり、金ナノ粒子捕集試験を実施したところ、30分捕集率は87.0%、120分捕集率は86.2%であった。
エアギャップを50mmに変更した以外は実施例1と同じ条件で中空糸膜を作製した。紡糸時に測定した外径均一度パラメータは3.7であった。乾燥後の中空糸膜の細孔径は200nmであり、外径均一度パラメータは3.7、偏心率は13%、真円度は0.92であった。
この中空糸膜の透水量は2.4 m3/m2/hrであり、金ナノ粒子捕集試験を実施したところ、30分捕集率は87.0%、120分捕集率は86.2%であった。
[比較例1]
エアギャップを10mm、紡糸速度4.7m/minに変更した以外は実施例1と同じ条件で中空糸膜を作製した。紡糸時に測定した外径均一度パラメータは4.5であった。乾燥後の中空糸膜の平均貫通孔径は160nmであり、外径均一度パラメータは5.0、偏心率は16%、真円度は0.90であった。
この中空糸膜の透水量は2.1 m3/m2/hrであり、金ナノ粒子捕集試験を実施したところ、30分捕集率は89.4%、120分捕集率は80.0%であった。
エアギャップを10mm、紡糸速度4.7m/minに変更した以外は実施例1と同じ条件で中空糸膜を作製した。紡糸時に測定した外径均一度パラメータは4.5であった。乾燥後の中空糸膜の平均貫通孔径は160nmであり、外径均一度パラメータは5.0、偏心率は16%、真円度は0.90であった。
この中空糸膜の透水量は2.1 m3/m2/hrであり、金ナノ粒子捕集試験を実施したところ、30分捕集率は89.4%、120分捕集率は80.0%であった。
本発明の中空糸膜は、圧力損失の少ない薄膜箇所への局所的な流れの集中を防ぎ、高い透液性能と濾過精度を維持することができる、外径均一性が高く、偏心率が低く、膜厚が均一な中空糸膜であり、かつ、高い耐熱性と耐薬品性を有するため、吸着濾過用フィルター濾材として有用である。該フィルター濾材は、水処理用、バイオリアクタ用、工業用液体濾過用、脱気用、気体除塵用、ケミカルフィルター用、及び医療用のろ過フィルターとして好適に利用可能である。
1 ドープタンク
2 紡口(二重管オリフィス)
3 凝固浴
4 凝固剤(内液)タンク
5 空走距離(AG)
6 駆動ローラー
7 外径センサー
8 巻取機
9 外径センサー(X軸)
10 外径センサー(Y軸)
2 紡口(二重管オリフィス)
3 凝固浴
4 凝固剤(内液)タンク
5 空走距離(AG)
6 駆動ローラー
7 外径センサー
8 巻取機
9 外径センサー(X軸)
10 外径センサー(Y軸)
Claims (8)
- ポリエチレン、ポリケトン、及びポリアミドからなる群から選択される少なくとも1つの樹脂を含む中空糸膜であって、該中空糸膜が多孔質孔を有し、該多孔質孔の平均貫通孔径が0.01μm以上10μm以下であり、該中空糸膜の外径均一度パラメータが4.0%以下であり、かつ、該中空糸膜の偏心率が15%以下である前記中空糸膜。
- 前記中空糸膜が、一酸化炭素と1種類以上のオレフィンとの共重合体であるポリケトンを10質量%以上100質量%以下で含む、請求項1に記載の中空糸膜。
- 前記中空糸膜の糸径が100μm以上10,000μm以下であり、膜厚が10μm以上1000μm以下である、請求項1又は2に記載の中空糸膜。
- 前記中空糸膜の断面の真円度が0.90以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の中空糸膜。
- 前記ポリケトンが、下記化学式(1):
- 前記ポリケトンが、下記化学式(2):
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の中空糸膜を有する濾過フィルター。
- 前記濾過フィルターが、水処理用フィルター、メンブレンバイオリアクター用フィルター、工業用液体濾過フィルター、脱気用フィルター、気体除塵用フィルター、ケミカルフィルター用フィルター又は医療用フィルターである、請求項7に記載の濾過フィルター。
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2018
- 2018-06-13 JP JP2018112637A patent/JP2019214021A/ja active Pending
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