JP2012187574A - 分離膜および分離膜エレメント - Google Patents

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Abstract

【課題】 供給側流路材を用いない分離膜エレメントにおいて、分離膜の供給側の流動抵抗を低減し、圧力をかけて分離膜エレメントを運転した時の供給側流路を長期にわたって安定化させた分離膜および分離膜エレメントを提供する。
【解決手段】 供給側表面に80μm以上1000μm以下の高低差を有する分離膜であって、分離膜表面の凸部の側面のうち少なくとも一部が凹面であることを特徴とする分離膜とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液体、気体等の流体に含まれる成分を分離するために使用される分離膜エレメント等に関する。
液体、気体等の流体に含まれる成分を分離する方法としては、様々なものがある。例えば海水、かん水などに含まれるイオン性物質を除くための技術を例にとると、近年、省エネルギーおよび省資源のためのプロセスとして分離膜エレメントによる分離法の利用が拡大している。分離膜エレメントによる分離法に使用される分離膜には、その孔径や分離機能の点から、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜、正浸透膜などがあり、これらの膜は、例えば海水、かん水、有害物を含んだ水などから飲料水を得る場合や、工業用超純水の製造、排水処理、有価物の回収などに用いられており、目的とする分離成分及び分離性能によって使い分けられている。
分離膜エレメントは、分離膜の一方の面に原流体を供給し、他方の面から透過流体を得る点では共通している。分離膜エレメントは、各種形状からなる分離膜素子を多数束ねて膜面積を大きくし、単位エレメントあたりで多くの透過流体を得ることができるように構成されており、用途や目的にあわせて、スパイラル型、中空糸型、プレート・アンド・フレーム型、回転平膜型、平膜集積型などの各種エレメントが製造されている。
例えば、逆浸透ろ過に用いられる流体分離膜エレメントを例にとると、その分離膜エレメント部材は、原流体を分離膜表面へ供給する供給側流路材、原流体に含まれる成分を分離する分離膜、及び分離膜を透過し供給側流体から分離された透過側流体を中心管へと導くための透過側流路材からなる部材を中心管の周りに巻き付けたスパイラル型分離膜エレメントが、原流体に圧力を付与し、透過流体を多く取り出す点で広く用いられている。
スパイラル型逆浸透分離膜エレメントの部材としては、供給側流路材では供給側流体の流路を形成させるために主に高分子製のネットが使用され、分離膜としては、ポリアミドなどの架橋高分子からなる分離機能層、ポリスルホンなどの高分子からなる多孔性樹脂層、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子からなる不織布がそれぞれ供給側から透過側にかけて積層された分離膜が使用され、透過側流路材では膜の落ち込みを防き、かつ透過側の流路を形成させる目的で、供給側流路材よりも間隔の細かいトリコットと呼ばれる編み物部材が使用されている。
近年、分離膜エレメントに造水コストの低減への高まりから、膜エレメントの高性能化のニーズが求められている。分離膜エレメントの分離性能、単位時間あたりの透過流体量を増やす上では、各流路部材、分離膜エレメント部材の性能向上が提案されてきた。例えば、特許文献1では凹凸賦形されたシート状物を透過側流路材として使用する方法、特許文献2では、基材を使用せず、供給側表面に凹凸を形成させ、内部に中空通路を有する平膜を使用する方法、特許文献3では、凹凸を有する多孔性支持体と分離活性層とを備えるシート状分離膜を用い、ネットなどの供給側流路材やトリコットなどの透過側流路材を用いない方法が提案されている。また、特許文献4では、平膜の表面または両面に一定方向に複数の溝を設けた平膜を積層し、集水管の外周にスパイラル状に巻回したスパイラル型膜エレメントを有するスパイラル型分離膜モジュールが開示されている。
特開2006−247453号公報 特開平11−114381号公報 特開2010−99590号公報 特開昭63−69503号
しかし、上記した分離膜エレメントは、性能向上、特に長期間にわたり運転を行った際の性能において、安定性の点で十分とは言えない。
例えば特許文献1に記載される、凹凸賦形されたシート状物を透過側流路材として使用する方法では透過側の流動抵抗を軽減するのみであり、かつシート表面の抵抗があるため、流動抵抗低減効果が十分とは言えない。また、凹凸が不連続状に存在するため長時間の加圧運転下では分離膜の落ち込みが進んでしまい、造水量が低下する傾向にある。
特許文献2に記載される、基材を使用せず、供給側表面に凹凸を形成させ、内部に中空通路を有する平膜を使用する方法では、膜表面と平行な方向に延びる中空通路を平膜内に有するため、耐圧性が低くなるので、高圧での運転下では膜の圧密化が生じやすくなる。
特許文献3に記載される、凹凸を有する多孔性支持体と分離活性層とを備えるシート状分離膜を用い、ネットなどの供給側流路材やトリコットなどの透過側流路材を用いない方法では、特許文献3の実施例に、平膜評価用のセルを用いた場合の膜性能のみの記述があるものの、実際に分離膜エレメントを構成した場合の性能は開示されていない。特許文献3の方法において、実際に圧力をかけて分離膜エレメントを運転した場合では、凹凸が十分な耐圧性を有していないために、圧力を受ける透過側流路を構成する凹凸が潰れやすい。すなわち、多孔質支持体の断面積が変化しやすいので、特に長期間にわたり運転を実施した際に性能が変化しやすい。
特許文献4で記載される、平膜の表面に一定方向に複数の溝を設けた平膜を積層し、集水管の外周にスパイラル状に巻回したスパイラル型膜エレメントを有するスパイラル型分離膜モジュールとする方法では、このスパイラル型膜エレメントでは溝が形成された2枚の平膜を積層することによって平膜間に供給流体流路が形成されており、透過流体流路材および原流体流路材が省略されている。それにより、単位容積当たりの有効膜面積が大きくなり、かつ小型化および低コスト化が図られている。しかしながら、高分子溶液を溝が刻印された型に流延し、非溶媒に浸漬凝固して分離膜を作製しているため、得られた分離膜の凸部のマクロボイドのような空隙が生じる。そのため、凸部の密度が小さくなり加圧ろ過時の耐久性が不足しているといった問題があった。
そこで、本発明は、分離膜との異素材により凸部を形成させることで、分離膜エレメントを運転した時の耐圧性に優れ、分離除去性能向上、単位時間あたりの透過流体量の増加などの分離膜エレメント性能向上、安定性能に有効な分離膜エレメントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、以下の構成をとる。
(1)供給側表面に80μm以上1000μm以下の高低差を有する分離膜であって、分離膜表面の凸部の側面のうち少なくとも一部が凹面であることを特徴とする分離膜。
(2)分離膜表面の凸部の側面のうち、少なくとも一部が凸部の最高点から最低点にかけて凹面であることを特徴とする(1)に記載の分離膜。
(3)凸部の最高点から近接する凸部の最高点までの水平距離が、分離膜の高低差よりも長いことを特徴とする(1)または(2)に記載の分離膜。
(4)分離膜が基材と多孔性樹脂とを備え、分離膜表面の凹部における多孔性樹脂の厚みに対する分離膜表面の凸部における多孔性樹脂の厚みの比が0.1以上0.95以下であり、かつ、分離膜表面の凹部における基材の厚みに対する分離膜表面の凸部における基材の厚みの比が0.1以上0.95以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の分離膜。
(5)前記基材が長繊維不織布である(1)〜(4)のいずれかに記載の分離膜。
(6)前記長繊維不織布の前記分離機能層とは反対側の表層における繊維が、前記多孔性支持層側の表層の繊維よりも縦配向である、(5)に記載の分離膜。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の分離膜を備えた分離膜エレメント。
本発明によれば、供給側流路材を用いない分離膜エレメントにおいて、分離膜の供給側に高効率かつ安定した流路を確保でき、さらに、分離膜表面での乱流効果も十分得られ、局所的な流動の不均一も生じにくくなることから、分離膜におけるファウリングの進行を抑制できるため、長期にわたって高い分離除去性能および高い透過流体性を有する分離膜エレメントを提供できる。
本発明および従来型の分離膜表面凸部形状の例を示す模式図(斜視図)である。 本発明の分離膜表面凸部の断面形状の例を示す模式図である。 本発明の分離膜表面凸部の円弧半径を示す模式図である。 本発明の分離膜表面凸部の断面形状の例を示す模式図である。 実施例1の分離膜表面凸部の断面形状を示す断面模式図(a)および分離膜表面の上面模式図(b)である。
以下、本発明の実施の一形態について、詳細に説明する。
1.分離膜の概要
分離膜とは、分離膜表面に供給される流体中の成分を分離し、分離膜を透過した透過流体を得ることができる膜である。
分離膜は、例えば、分離機能層、多孔性支持層、基材を備える。分離機能層としては、孔径制御、耐久性の点で架橋高分子が好ましく使用され、成分の分離性能の点で、多孔性支持層上に、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合させてなる分離機能層、有機無機ハイブリッド機能層などが好適に用いることができる。
また、セルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルスルホン、またはポリスルホンを主成分として含有する層であって、分離機能と支持体機能との両方を有する層が設けられてもよい。つまり、分離機能と多孔性支持機能とが、単一の層で実現されていてもよい。このような層も分離機能層に含まれる。つまり、「分離機能層」とは、少なくとも分離機能を備える層を指す。
なお、本書において、「XがYを主成分として含有する」とは、XにおけるYの含有率が、50重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、90重量%以上、又は95重量%以上であることを意味する。また、Yに該当する複数の成分が存在する場合は、それら複数の成分の合計量が、上述の範囲を満たせばよい。
本書において、「供給側の面」とは、分離膜の2つの表面のうち、原水が供給される側の表面を意味する。「透過側の面」とは、その逆側の面を意味する。基材及び分離機能層を備える分離膜においては、一般的に、分離機能層側の面が供給側の面であり、基材側の面が透過側の面である。
2.分離機能層
分離機能層の厚みとしては限定されないが、分離性能と透過性能の点で5〜3000nmであることが好ましい。特に逆浸透膜、正浸透膜、ナノろ過膜では5〜300nmであることが好ましい。
分離機能層の厚みは、これまでの分離膜の膜厚測定法に準ずることができ、例えば分離膜を樹脂による包埋後に、超薄切片を作製し、染色などの処理を行った後に、透過型電子顕微鏡により観察することで測定することができる。主な測定法としては、分離機能層がひだ構造を有する場合、多孔性支持層より上に位置するひだ構造の断面長さ方向に50nm間隔で測定し、ひだの数を20個測定し、その平均から求めることができる。
<ポリアミド分離機能層>
分離機能層はポリアミドを主成分として含有するポリアミド膜であってもよい。ポリアミド膜は、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との界面重縮合により形成することができる。ここで、多官能アミンまたは多官能酸ハロゲン化物の少なくとも一方が3官能以上の化合物を含んでいることが好ましい。
ここで、多官能アミンとは、一分子中に少なくとも2個の第一級アミノ基および/または第二級アミノ基を有し、そのアミノ基のうち少なくとも1つは第一級アミノ基であるアミンをいい、例えば、2個のアミノ基がオルト位やメタ位、パラ位のいずれかの位置関係でベンゼン環に結合したフェニレンジアミン、キシリレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、3−アミノベンジルアミン、4−アミノベンジルアミンなどの芳香族多官能アミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどの脂肪族多官能アミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4−アミノピペリジン、4−アミノエチルピペラジンなどの脂環式多官能アミン等を挙げることができる。中でも、膜の選択分離性や透過性、耐熱性を考慮すると、一分子中に2〜4個の第一級アミノ基および/または第二級アミノ基を有する芳香族多官能アミンであることが好ましく、このような多官能芳香族アミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼンが好適に用いられる。中でも、入手の容易性や取り扱いのしやすさから、m−フェニレンジアミン(以下、m−PDAと記す)を用いることがより好ましい。これらの多官能アミンは、単独で用いても、2種以上を同時に用いてもよい。2種以上を同時に用いる場合、上記アミン同士を組み合わせてもよく、上記アミンと一分子中に少なくとも2個の第二級アミノ基を有するアミンを組み合わせてもよい。一分子中に少なくとも2個の第二級アミノ基を有するアミンとして、例えば、ピペラジン、1,3−ビスピペリジルプロパン等を挙げることができる。
多官能酸ハロゲン化物とは、一分子中に少なくとも2個のハロゲン化カルボニル基を有する酸ハロゲン化物をいう。例えば、3官能酸ハロゲン化物では、トリメシン酸クロリド、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸トリクロリド、1,2,4−シクロブタントリカルボン酸トリクロリドなどを挙げることができ、2官能酸ハロゲン化物では、ビフェニルジカルボン酸ジクロリド、アゾベンゼンジカルボン酸ジクロリド、テレフタル酸クロリド、イソフタル酸クロリド、ナフタレンジカルボン酸クロリドなどの芳香族2官能酸ハロゲン化物、アジポイルクロリド、セバコイルクロリドなどの脂肪族2官能酸ハロゲン化物、シクロペンタンジカルボン酸ジクロリド、シクロヘキサンジカルボン酸ジクロリド、テトラヒドロフランジカルボン酸ジクロリドなどの脂環式2官能酸ハロゲン化物を挙げることができる。多官能アミンとの反応性を考慮すると、多官能酸ハロゲン化物は多官能酸塩化物であることが好ましく、また、膜の選択分離性、耐熱性を考慮すると、一分子中に2〜4個の塩化カルボニル基を有する多官能芳香族酸塩化物であることが好ましい。中でも、入手の容易性や取り扱いのしやすさの観点から、トリメシン酸クロリドを用いるとより好ましい。これらの多官能酸ハロゲン化物は、単独で用いても、2種以上を同時に用いてもよい。
<有機無機ハイブリッド分離機能層>
さらに、分離機能層は、Si元素などを有する有機−無機ハイブリッド構造を有してもよい。このような分離機能層を備える分離膜を有機無機ハイブリッド膜と称する。有機無機ハイブリッド膜は、成形性および耐薬品性の点で優れる。有機無機ハイブリッド構造を有する分離機能層の組成は、特に限定されないが、分離機能層は、例えば、(A)エチレン性不飽和基を有する反応性基および加水分解性基がケイ素原子に直接結合したケイ素化合物、ならびに(B)前記化合物(A)以外の化合物であってエチレン性不飽和基を有する化合物を含有することができる。具体的には、分離機能層は、化合物(A)の加水分解性基の縮合物ならびに化合物(A)および/または(B)のエチレン性不飽和基の重合物を含有してもよい。すなわち、分離機能層は、
・化合物(A)のみが縮合および/または重合することで形成された重合物、
・化合物(B)のみが重合して形成された重合物、並びに
・化合物(A)と化合物(B)との共重合物
のうちの少なくとも1種の重合物を含有することができる。なお、重合物には縮合物が含まれる。また、化合物(A)と化合物(B)との共重合体中で、化合物(A)は、加水分解性基を介して縮合していてもよい。
分離機能層において、化合物(A)の含有率は、好ましくは10重量%以上であり、より好ましくは20重量%〜50重量%である。また、分離機能層における化合物(B)の含有率は、好ましくは90重量%以下であり、より好ましくは50重量%〜80重量%である。また、化合物(A):化合物(B)の重量比率は、1:9〜1:1であってもよい。これらの範囲においては、分離機能層に含まれる縮重合体において比較的高い架橋度が得られるので、膜ろ過時に分離機能層からの成分の溶出が抑制され、その結果、安定なろ過性能が実現される。
なお、化合物(A)、化合物(B)及びその他の化合物は、重合物(縮合物を含む)等の化合物を形成していることがある。よって、例えば「分離機能層における化合物(A)の含有率」を論じる場合、化合物(A)には、縮重合物中で、化合物(A)に由来する成分の量も含まれる。化合物(B)およびその他の化合物についても同様である。
また、分離機能層は、化合物(A)の他に、エチレン性不飽和基を有する反応性基を有しないが、加水分解性基を有するケイ素化合物(C)を含有してもよい。このような化合物(C)の例については後述する。化合物(C)は、化合物(C)のみの縮合物として含まれてもよいし、化合物(A)と化合物(B)の重合物との縮合物として含まれてもよい。
まず、化合物(A)について説明する。
化合物(A)において、エチレン性不飽和基を有する反応性基はケイ素原子に直接結合している。このような反応性基としては、ビニル基、アリル基、メタクリルオキシエチル基、メタクリルオキシプロピル基、アクリルオキシエチル基、アクリルオキシプロピル基、スチリル基が例示される。重合性の観点から、メタクリルオキシプロピル基、アクリルオキシプロピル基、スチリル基が好ましい。
化合物(A)の縮合物は、化合物(A)においてケイ素原子に直接結合している加水分解性基が水酸基に変化するなどのプロセスを経て、化合物(A)同士がシロキサン結合で結ばれることにより形成されていてもよい。
化合物(A)における加水分解性基としてはアルコキシ基、アルケニルオキシ基、カルボキシ基、ケトオキシム基、アミノヒドロキシ基、ハロゲン原子およびイソシアネート基などの官能基が例示される。アルコキシ基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜2のものである。アルケニルオキシ基としては炭素数2〜10のものが好ましく、さらには炭素数2〜4、さらには3のものである。カルボキシ基としては、炭素数2〜10のものが好ましく、さらには炭素数2のもの、すなわちアセトキシ基である。ケトオキシム基としては、メチルエチルケトオキシム基、ジメチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基が例示される。アミノヒドロキシ基は、酸素を介してアミノ基が酸素原子を介してケイ素原子に結合しているものである。このようなものとしては、ジメチルアミノヒドロキシ基、ジエチルアミノヒドロキシ基、メチルエチルアミノヒドロキシ基が例示される。ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましく使用される。
分離機能層の形成にあたっては、上記加水分解性基の一部が加水分解し、シラノール構造をとっているケイ素化合物も使用できる。また2以上のケイ素化合物が、加水分解性基の一部が加水分解、縮合し架橋しない程度に高分子量化したものも使用できる。
ケイ素化合物(A)としては下記一般式(a)で表されるものであることが好ましい。
Si(R1)(R2)(R3)4−m−n ・・・(a)
(R1はエチレン性不飽和基を含む反応性基を示す。R2はアルコキシ基、アルケニルオキシ基、カルボキシ基、ケトオキシム基、ハロゲン原子またはイソシアネート基のいずれかを表す。R3はHまたはアルキル基を表す。m、nはm+n≦4を満たす整数であり、m≧1、n≧1を満たすものとする。R1、R2、R3それぞれにおいて2以上の官能基がケイ素原子に結合している場合、同一であっても異なっていてもよい。)
R1はエチレン性不飽和基を含む反応性基であり、上で説明したとおりである。
R2は加水分解性基であり、これらは上で説明したとおりである。R3に当てはまるアルキル基の炭素数としては1〜10のものが好ましく、さらに1〜2のものが好ましい。
加水分解性基としては、アルコキシ基が好ましい。加水分解性基がアルコキシ基であることで、分離機能層の形成において調整される反応液が、高い粘性を持つからである。
このようなケイ素化合物(A)としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシランが例示される。
化合物(A)の他、上述したように、エチレン性不飽和基を有する反応性基を有しないが、加水分解性基を有するケイ素化合物(C)を併せて使用することもできる。このような化合物(C)としては、一般式(a)においてmがゼロである化合物が例示される。このような化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランが例示される。
次に(A)のケイ素化合物以外のものであって、エチレン性不飽和基を有する化合物(B)について説明する。
エチレン性不飽和基は付加重合性を有する。このような化合物としてはエチレン、プロピレン、メタアクリル酸、アクリル酸、スチレンおよびこれらの誘導体が例示される。
また、この化合物は、分離膜を水溶液の分離などに用いたときに水の選択的透過性を高め、塩の阻止率を上げるために、酸基を有するアルカリ可溶性の化合物であることが好ましい。
好ましい酸の構造としては、カルボン酸、ホスホン酸、リン酸およびスルホン酸であり、これらの酸の構造としては、酸の形態、エステル化合物、および金属塩のいずれの状態で存在してもよい。これらのエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物は、2つ以上の酸を含有し得るが、中でも1個〜2個の酸基を含有する化合物が、好ましい。
上記のエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物の中でカルボン酸基を有する化合物としては、以下のものが例示される。マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリト酸および対応する無水物、10−メタクリロイルオキシデシルマロン酸、N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)−N−フェニルグリシンおよび4−ビニル安息香酸が挙げられる。
上記のエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物の中でホスホン酸基を有する化合物としては、ビニルホスホン酸、4−ビニルフェニルホスホン酸、4−ビニルベンジルホスホン酸、2−メタクリロイルオキシエチルホスホン酸、2−メタクリルアミドエチルホスホン酸、4−メタクリルアミド−4−メチル−フェニル−ホスホン酸、2−[4−(ジヒドロキシホスホリル)−2−オキサ−ブチル]−アクリル酸および2−[2−ジヒドロキシホスホリル)−エトキシメチル]−アクリル酸−2,4,6−トリメチル−フェニルエステルが例示される。
上記のエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物の中でリン酸エステルの化合物としては、2−メタクリロイルオキシプロピル一水素リン酸および2−メタクリロイルオキシプロピル二水素リン酸、2−メタクリロイルオキシエチル一水素リン酸および2−メタクリロイルオキシエチル二水素リン酸、2−メタクリロイルオキシエチル−フェニル−水素リン酸、ジペンタエリトリトール−ペンタメタクリロイルオキシホスフェート、10−メタクリロイルオキシデシル−二水素リン酸、ジペンタエリトリトールペンタメタクリロイルオキシホスフェート、リン酸モノ−(1−アクリロイル−ピペリジン−4−イル)−エステル、6−(メタクリルアミド)ヘキシル二水素ホスフェートならびに1,3−ビス−(N−アクリロイル−N−プロピル−アミノ)−プロパン−2−イル−二水素ホスフェートが例示される。
上記のエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物の中でスルホン酸基を有する化合物としては、ビニルスルホン酸、4−ビニルフェニルスルホン酸または3−(メタクリルアミド)プロピルスルホン酸が挙げられる。
3.多孔性支持層
多孔性支持層として、分離膜としての性能を保持しつつ支持機能を有する膜を用いることができる。
多孔性支持層に使用される材料やその形状は特に限定されないが、例えば、多孔性樹脂によって基板上に形成されてもよい。多孔性支持層としては、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂あるいはそれらを混合、積層したものが使用され、化学的、機械的、熱的に安定性が高く、孔径が制御しやすいポリスルホンを使用することが好ましい。
多孔性支持層は、分離膜に機械的強度を与え、かつイオン等の分子サイズの小さな成分に対して分離膜のような分離性能を有さない。多孔性支持層の有する孔のサイズおよび孔の分布は特に限定されないが、例えば、多孔性支持層は、均一で微細な孔を有してもよいし、あるいは分離機能層が形成される側の表面からもう一方の面にかけて径が徐々に大きくなるような微細孔を有してもよい。また、径の大きさが均一な場合でも変化する場合でも、分離機能層が形成される側の表面で原子間力顕微鏡または電子顕微鏡などを用いて測定された細孔の投影面積円相当径は、1nm以上100nm以下であってもよい。特に界面重合反応性および分離機能層の保持性の点で、多孔性支持層において分離機能層が形成される側の表面における孔は、3〜50nmの投影面積円相当径を有することが好ましい。
多孔性支持層の厚みは特に限定されないが、分離膜に強度を与えるため、分離膜の高低差を形成するため、および供給側流路を安定に形成するために、20μm以上500μm以下の範囲にあることが好ましく、より好ましくは30μm以上300μm以下である。
多孔性支持層の形態は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡、原子間顕微鏡により観察できる。例えば走査型電子顕微鏡で観察するのであれば、基材から多孔性支持層を剥がした後、これを凍結割断法で切断して断面観察のサンプルとする。このサンプルに白金または白金−パラジウムまたは四塩化ルテニウム、好ましくは四塩化ルテニウムを薄くコーティングして3〜6kVの加速電圧で、高分解能電界放射型走査電子顕微鏡(UHR−FE−SEM)で観察する。高分解能電界放射型走査電子顕微鏡は、日立製S−900型電子顕微鏡などが使用できる。得られた電子顕微鏡写真から多孔性支持層の膜厚や表面の投影面積円相当径を決定する。
多孔性支持層の厚み、孔径は、平均値であり、多孔性支持層の厚みは、断面観察で厚み方向に直交する方向に20μm間隔で測定し、20点測定の平均値である。また、孔径は、孔を200個カウントし、各投影面積円相当径の平均値である。
4.基材
さらに分離膜の強度、寸法安定性、凹凸形成能の点で、基材を用いてもよい。基材としては、強度、凹凸形成能、流体透過性の点で繊維状基材を用いることが好ましい。基材としては、長繊維不織布及び短繊維不織布のいずれも好ましく用いることができる。特に、長繊維不織布は、優れた製膜性を有するので、高分子重合体の溶液を流延した際に、その溶液が過浸透により裏抜けすること、多孔性支持層が剥離すること、さらには基材の毛羽立ち等により膜が不均一化すること、及びピンホール等の欠点が生じたりすることを抑制できる。また、基材が熱可塑性連続フィラメントより構成される長繊維不織布からなることにより、短繊維不織布を用いたときに起こる、毛羽立ちによって生じる高分子溶液流延時の不均一化や、膜欠点を抑制することができる。また、分離膜の連続製膜においては、製膜方向に対し張力がかけられることからも、基材にはより寸法安定性に優れる長繊維不織布を用いることが好ましい。
長繊維不織布は、成形性、強度の点で、多孔性支持層とは反対側の表層における繊維が、多孔性支持層側の表層の繊維よりも縦配向であることが好ましい。そのような構造によれば、強度を保つことで膜破れ等を防ぐ高い効果が実現されるだけでなく、分離膜に凹凸を付与する際の、多孔性支持層と基材とを含む積層体としての成形性も向上し、分離膜表面の凹凸形状が安定するので好ましい。より具体的に、該長繊維不織布の、多孔性支持層とは反対側の表層における繊維配向度は、0°〜25°であることが好ましく、また、多孔性支持層側表層における繊維配向度との配向度差が10°〜90°であることが好ましい。
分離膜の製造工程やエレメントの製造工程においては加熱する工程が含まれるが、加熱により多孔性支持層または分離機能層が収縮する現象が起きる。特に連続製膜において張力が付与されていない幅方向において顕著である。収縮することにより、寸法安定性等に問題が生じるため、基材としては熱寸法変化率が小さいものが望まれる。不織布において多孔性支持層とは反対側の表層における繊維配向度と多孔性支持層側表層における繊維配向度との差が10°〜90°であると、熱による幅方向の変化を抑制することもでき、好ましい。
ここで、繊維配向度とは、多孔性支持層を構成する不織布基材の繊維の向きを示す指標であり、連続製膜を行う際の製膜方向を0°とし、製膜方向と直角方向、すなわち不織布基材の幅方向を90°としたときの、不織布基材を構成する繊維の平均の角度のことを言う。よって、繊維配向度が0°に近いほど縦配向であり、90°に近いほど横配向であることを示す。
繊維配向度は、不織布からランダムに小片サンプル10個を採取し、該サンプルの表面を走査型電子顕微鏡で100〜1000倍で撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本の繊維について、不織布の長手方向(縦方向、製膜方向)を0°とし、不織布の幅方向(横方向)を90°としたときの角度を測定し、それらの平均値を、小数点以下第一位を四捨五入して繊維配向度として求める。
<分離膜の高低差>
分離膜は、高低差を有するように、凹凸加工されていてもよい。分離膜は特に、複数の凸部を備えることが好ましい。つまり、分離膜において、2つ以上の凸部が、平面方向において互いに連続しないように設けられることが好ましい。凸部は、供給側および透過側のいずれに突出していてもよい。
凸部の形状は特に限定されないが、流路の流動抵抗を少なくし、かつ分離膜エレメントに流体を供給、透過させた際の流路を安定化させる形状が好ましい。
例えば、凸部の平面形状(分離膜の面に垂直な方向から観察した形状)としては、楕円、円、長円、台形、三角形、長方形、正方形、平行四辺形、菱形、不定形が挙げられる。また、凸部の側面形状(分離膜の面に平行な方向から観察した形状)としては、凸部の最高点から最低点に向かって広がる形状が挙げられる。
なお、凸部の最高点とは、凸部の側面部の最高点と言い換えられてもよい。つまり、凸部の上面が平らであるとき(図1(a),(b)、図2(a),(c),(d)に示すような構造であるとき)は、上面の端部が最高点に該当する。また、最低点とは、凸部の側面部の最低点と言い換えられてもよい。つまり、凸部の間の部分(すなわち溝部分)の底面が平らであるときは、底面の端部が最低点に該当する。
凸部の側面は、凹部を有することが好ましい。凸部において、図1(a)のように側面の全てが凹面であっても、(b)のように側面の一部が凹面であっても良い。これによって、従来の(c)のように側面が直線状(円錐状)であるものや、(d)のように曲線形状であっても側面が凸面である場合と比較して、流動抵抗を低減することができるという利点がある。特に、凸部が供給側に突出することで、分離膜に流体を均一に供給できる。また、膜面での乱流効果(攪拌効果)が大きくなるので、ファウリングが進行しにくく、濃度分極を抑制できる。
凸部の側面に設けられた凹部は、少なくとも一部が円弧状または楕円状であることが好ましく、特に好ましくは円弧状である。円弧とは、真円弧の一部、または楕円弧の一部のいずれであってもよいが、特に真円弧の一部であれば流れが均一になるため好ましい。
凸部の側面部分の断面形状が真円弧であるとき、図3に示す最高点(凸部の上面)から膜の面方向に平行(水平方向)な直線と、最低点から膜の面方向に垂直な方向に向かう直線の、それぞれの交点までの距離(αおよびβ)が等しくなる。
また、凸部の側面部分の断面は、円弧以外にも、凸部の最高点から最低点にかけて2以上の線分で表される形状であってもよい。この場合は、線分の数が多いほど分離膜に流体を均一に供給でき、膜面での乱流効果(攪拌効果)が大きくなってファウリングが進行しにくく、濃度分極等による分離を抑制できるため好ましい。
高低差断面の最高点Aから最低点Bを結ぶ連結線に存在する線分数は、例えばその連結線が直線であれば1であり、図2(a)および(b)であれば2つ、図2(c)および(d)であれば3つ存在することになり、円弧であれば円弧形状と表現する。高低差断面の最高点Aから最低点Bを結ぶ分離膜表面上の線分の存在位置は特に限定されないが、均等に存在することが好ましい。
凸部の側面部分の断面形状が、円弧状または楕円状と、線分とを組み合わせた形状でも同様の効果を発現できる。ただし、凸部の側面の断面形状が1つの線分で表される場合は、膜面での乱流効果(攪拌効果)が小さく、濃度分極等が生じて分離性能の低下を誘起してしまう。なお、凸部の断面とは、凸部の最高点を通り、かつ膜表面に対して垂直な断面である。
また、凸部の側面部分の断面において、最低点から凸部の高さ(高低差)の1/3以上または1/2以上の位置に、凹部を形成する曲線部分または線分の傾きの切り替え点が存在することが好ましい。図2および図3に、点線で約1/3の高さを示す。
特に、凸部の側面部分の断面が、最高点から最低点にかけて凹面であることが好ましい。「最高点から最低点にかけて凹面である」とは、最高点と最低点とを結んだ仮想直線(または最低点から凸部に引いた接線)よりも、側面が凹んだ形状を示す。このように、凸部の側面が、高さ方向に渡って全体的に凹面であることで、供給流体の流動抵抗を低くする効果が大きく、また流れをより均一にできるため好ましい。このときの凹面は、真円弧状や楕円弧状、複数の線分を組み合わせた形状等、特に限定されない。
また、凸部の最高点から近接する凸部の最高点までの水平距離が、分離膜の高低差よりも短いと、分離膜中のエンボス加工などによって成形された面積が広くなり、成形によって分離膜は延伸されることになるため、過剰な延伸を施すと膜欠点が生じる原因となる。そのため、凸部の最高点から近接する凸部の最高点までの水平距離が、分離膜の高低差よりも長いことが好ましい。
このような凹凸を付与された膜を重ねてリーフ状物を作製する場合においては、対向する膜の一方の凸部と他方の凸部が重なるようにすることが好ましい。これによって、膜の間に、2つ分の凸部の高さの流路が確保されるからである。ただし、凸部の側面に凹部が設けられていると、一方の凸部と他方の凸部が重ならない場合、つまり一方の膜上の凸部と他方の膜の凸部とが面方向に並ぶ場合にも、これらの凸部の側面間に流路を確保することができるので、位置合わせに求められる厳密さが軽減される。
分離膜の供給側表面の高低差は、ファウリング抑制能、分離特性、水透過性能、リーフ数等が要求される条件を満足するように、エンボスロールの形状等の加工条件を変更することで自由に調整することができる。高低差が大きいほど、供給流体の線速が低下するためファウリングが生じやすくなるが、流動抵抗が小さくなるので、高い水透過性能を得ることができる。逆に、高低差が小さいと供給流体の線速が早くなるためファウリングは進行し難くなり、リーフ数を増やすことができるが、流路の流動抵抗が大きくなり、分離特性や水透過性能が低下してしまう。そのため、エレメントの造水能力が低下し、造水量を増加させるための運転コストが高くなる。
従って、上述した各性能のバランスや運転コストを考慮すると、本発明の分離膜においては、分離膜の供給水側表面の高低差は80μm以上1000μm以下であることが必要であり、好ましくは100μm以上500μm以下が良い。ただし、凸部の最高点から近接する凸部の最高点までの水平距離が、分離膜の高低差よりも長くなるように設定することが、上述した理由から好ましい。
分離膜の供給側の高低差は、市販の形状測定システムなどを用いて計測できる。例えば、レーザー顕微鏡による断面からの高低差測定、キーエンス製高精度形状測定システムKS−1100などで測定することができる。測定は任意の高低差が存在する箇所について実施し、各高さの値を総和した値を測定総箇所の数で割って求めることができる。
溝幅とは高低差が存在する表面で沈下している部位のことであり、ピッチとは、凸部の最高点から近接する凸部の最高点までの水平距離のことである。
膜表面上部からの観察面積(2次元面積)に対する、分離膜の供給側表面に存在する平滑部、すなわち最大高低差が30μm以下である凹部よりも表面上部方向に高い位置を有する凸面積の比率は、分離特性や水透過性能が要求される条件を満足するように自由に調整できる。この比率が高すぎると流動抵抗が大きくなりすぎて、エレメント化しても造水量が小さくなってしまう。一方、比率が低すぎると流動抵抗は小さくなるが流動の均一化が困難となり、濃度分極が生じてエレメントの性能が低下してしまう。このような観点から、凸面積の比率は、膜表面上部からの観察面積(2次元面積)に対して、5%以上95%以下であることが好ましく、流動抵抗と流路安定性の点で7%以上50%以下であることが特に好ましい。なお、この比率を凸面積率と定義する。
6.分離膜エレメント
分離膜エレメントは、たとえば、集水管と、集水管の周囲に巻囲された複数の分離膜とを備える。分離膜は、透過側の面同士が向かい合い、供給側の面同士が向かい合うにように対を形成する。透過側の面の間、供給側の面の間には、それぞれ、流路材が設けられてもよい。また、上述の高低差(凹凸)を流路材として利用することもできる。
7.分離膜および分離膜エレメントの製造方法
<分離膜の製造方法>
(1)多孔性支持層の形成工程
多孔性支持層の形成方法について説明する。
多孔性支持層は、例えば、上記ポリスルホンのN,N−ジメチルホルムアミド(以降、DMFと記載)溶液を、後述する基材、例えば密に織ったポリエステル布あるいは不織布の上に一定の厚さに注型し、それを水中で湿式凝固させることによって、製造することができる。
多孔性支持層は、多孔性樹脂層とも言い換えられる。多孔性支持層は、”オフィス・オブ・セイリーン・ウォーター・リサーチ・アンド・ディベロップメント・プログレス・レポート”No.359(1968)に記載された方法に従って、上述した形態を得るためにポリマー濃度、溶媒の温度、貧溶媒を調整し、製造することができる。例えば、所定量のポリスルホンをDMFに溶解し、所定濃度のポリスルホン樹脂溶液を調製する。次いで、このポリスルホン樹脂溶液をポリエステル布あるいは不織布からなる基材上に略一定の厚さに塗布した後、一定時間空気中で表面の溶媒を除去した後、凝固液中でポリスルホンを凝固させることによって得ることが出来る。この時、凝固液と接触する表面部分などは溶媒のDMFが迅速に揮散するとともにポリスルホンの凝固が急速に進行し、DMFの存在した部分を核とする微細な連通孔が生成される。
また、上記の表面部分から基材側へ向かう内部においては、DMFの揮散とポリスルホンの凝固は表面に比べて緩慢に進行するので、DMFが凝集して大きな核を形成しやすく、したがって、生成する連通孔が大径化する。勿論、上記の核生成の条件は、膜表面からの距離によって徐々に変化するので、明確な境界のない、滑らかな孔径分布を有する支持膜が形成される。この形成工程において用いるポリスルホン樹脂溶液の温度及びポリスルホンの濃度、塗布を行う雰囲気の相対湿度、塗布してから凝固液に浸漬するまでの時間、並びに凝固液の温度及び組成等を調節することにより、平均空隙率と平均孔径とが制御されたポリスルホン膜を得ることができる。
(2)ポリアミド分離機能層の形成工程
多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との界面重縮合には、公知の方法が適用される。例えば、多孔性支持層に多官能アミン水溶液を塗布し、余分なアミン水溶液をエアーナイフなどで除去する。その後、さらに、多官能酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液を塗布することで、ポリアミド分離機能層を形成させる。多官能酸ハロゲン化物を含有する溶液の有機溶媒は、水と非混和性であり、かつ多官能酸ハロゲン化物を溶解し、多孔性支持層を破壊しないものが望ましく、多官能アミン化合物および多官能酸ハロゲン化物に対して不活性であるものであればよい。好ましい例として、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカンなどの炭化水素化合物が挙げられる。
(3)有機無機ハイブリッド分離機能層の形成工程
有機無機ハイブリッド分離機能層を多孔質支持層上に形成する方法について説明する。なお、本発明の分離膜は、本書に記載された製造方法および各層の形成方法に限定されない。
分離機能層を形成するために、化合物(A)以外に、エチレン性不飽和基を1個以上有する化合物、および重合開始剤を含んだ反応液を用いることができる。具体的には、分離機能層は、この反応液を多孔質膜上に塗布し、さらに加水分解性基を縮合することに加えて、エチレン性不飽和基の重合によって、これら化合物を高分子量化することで形成可能である。化合物(A)を単独で縮合させた場合、ケイ素原子に架橋鎖の結合が集中し、ケイ素原子周辺とケイ素原子から離れた部分との密度差が大きくなるため、分離機能層中の孔径が不均一となる場合がある。一方、化合物(A)自身の高分子量化および架橋に加え、化合物(B)を共重合させることで、加水分解性基の縮合による架橋点とエチレン性不飽和基の重合による架橋点が適度に分散される。このように適度に架橋点を分散させることで、均一な孔径を有する分離機能層が構成され、透水性能と除去性能のバランスが取れた分離膜を得ることができる。また、エチレン性不飽和基を1個以上有する化合物は、高分子量化していることで、分離膜使用時に溶出しにくくなるので、膜性能低下を引き起こしにくい。
分離機能層において、化合物(A)の含有量は、反応液に含有される固形分量100重量部に対し10重量部以上であることが好ましく、さらに好ましくは20重量部〜50重量部である。ここで、反応液に含有される固形分とは、反応液に含有される全成分のうち、溶媒および縮合反応で生成する水やアルコールなどの留去成分を除いた、得られる分離膜に最終的に分離機能層として含まれる成分のことを指す。化合物(A)の量が少ないと、架橋度が不足する傾向があるので、膜ろ過時に分離機能層が溶出し分離性能が低下するなどの不具合が発生するおそれがある。
化合物(B)の含有量は、反応液に含有される固形分量100重量部に対し90重量部以下であることが好ましく、さらに好ましくは50重量部〜80重量部である。化合物(B)の化合物の含有量がこれらの範囲にあるとき、得られる分離機能層は架橋度が高くなるため、分離機能層が溶出することなく安定に膜ろ過ができる。
次に、分離機能層を多孔質支持層上に形成する工程について説明する。
分離機能層は、化合物(A)および化合物(B)を含有する反応液を塗布する工程、溶媒を除去する工程、エチレン性不飽和基を重合させる工程、加水分解性基を縮合させる工程をこの順に行うことで形成可能である。エチレン不飽和基を重合させる工程において、加水分解性基が同時に縮合してもよい。
まず、化合物(A)および化合物(B)を含有する反応液を多孔性支持層に接触させる。かかる反応液は、通常溶媒を含有する溶液であるが、かかる溶媒は多孔性支持層を破壊せず、化合物(A)および化合物(B)、および必要に応じて添加される重合開始剤を溶解するものであれば特に限定されない。この反応液には、化合物(A)のモル数に対して1〜10倍モル量、好ましくは1〜5倍モル量の水を無機酸または有機酸と共に添加して、化合物(A)の加水分解を促すことが好ましい。
反応液の溶媒としては、水、アルコール系有機溶媒、エーテル系有機溶媒、ケトン系有機溶媒および、これらを混ぜ合わせたものが好ましい。例えば、アルコール系有機溶媒として、メタノール、エトキシメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル(2-メトキシエタノール)、エチレングリコールモノアセトエステル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、メトキシブタノール等が挙げられる。また、エーテル系有機溶媒として、メチラール、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、ジエチルアセタール、ジヘキシルエーテル、トリオキサン、ジオキサン等が挙げられる。また、ケトン系有機溶媒として、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルシクロヘキシルケトン、ジエチルケトン、エチルブチルケトン、トリメチルノナノン、アセトニトリルアセトン、ジメチルオキシド、ホロン、シクロヘキサノン、ダイアセトンアルコール等が挙げられる。また、溶媒の添加量としては、反応液に含有される固形分量100重量部に対し50〜99重量部が好ましく、さらには80〜99重量部が好ましい。溶剤の添加量が多すぎると膜中に欠点が生じやすい傾向があり、少なすぎると得られる分離膜の透水性が低くなる傾向がある。
多孔性支持層と反応液との接触は、多孔性支持層面上で均一にかつ連続的に行うことが好ましい。具体的には、例えば、反応液をスピンコーター、ワイヤーバー、フローコーター、ダイコーター、ロールコーター、スプレーなどの塗布装置を用いて多孔性支持層にコーティングする方法があげられる。また多孔性支持層を、反応液に浸漬する方法を挙げることができる。
多孔性支持層を飯能駅に浸漬させる場合、多孔性支持層と反応液との接触時間は、0.5〜10分間の範囲内であることが好ましく、1〜3分間の範囲内であるとさらに好ましい。反応液を多孔性支持層に接触させたあとは、膜上に液滴が残らないように十分に液切りすることが好ましい。十分に液切りすることで、膜形成後に液滴残存部分が膜欠点となって膜性能が低下することを防ぐことができる。液切りの方法としては、反応液接触後の多孔性支持層を垂直方向に把持して過剰の反応液を自然流下させる方法や、エアーノズルから窒素などの風を吹き付け、強制的に液切りする方法などを用いることができる。また、液切り後、膜面を乾燥させ、反応液の溶媒分の一部を除去することもできる。
ケイ素の加水分解性基を縮合させる工程は、多孔性支持層上に反応液を接触させた後に加熱処理することによって行われる。このときの加熱温度は、多孔性支持層が溶融し分離膜としての性能が低下する温度より低いことが要求される。縮合反応を速やかに進行させるために通常0℃以上で加熱を行うことが好ましく、20℃以上がより好ましい。また、前記反応温度は、150℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。反応温度が0℃以上であれば、加水分解および縮合反応が速やかに進行し、150℃以下であれば、加水分解および縮合反応の制御が容易になる。また、加水分解または縮合を促進する触媒を添加することで、より低温でも反応を進行させることが可能である。さらに、縮合反応が適切に進行することで分離機能層が細孔を有するように、加熱条件および湿度条件を選定することができる。
化合物(A)および化合物(B)のエチレン性不飽和基の重合方法としては、熱処理、電磁波照射、電子線照射、プラズマ照射により行うことができる。ここで電磁波とは赤外線、紫外線、X線、γ線などを含む。重合方法は適宜最適な選択をすればよいが、ランニングコスト、生産性などの点から電磁波照射による重合が好ましい。電磁波の中でも赤外線照射や紫外線照射が簡便性の点からより好ましい。実際に赤外線または紫外線を用いて重合を行う際、これらの光源は選択的にこの波長域の光のみを発生する必要はなく、これらの波長域の電磁波を含むものであればよい。しかし、重合時間の短縮、重合条件の制御などのしやすさの点から、これらの電磁波の強度がその他の波長域の電磁波に比べ高いことが好ましい。
電磁波は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、UVランプ、エキシマランプ、メタルハライドランプ、希ガス蛍光ランプ、水銀灯などから発生させることができる。電磁波のエネルギーは重合できれば特に制限しないが、中でも高効率で低波長の紫外線が薄膜形成性が高い。このような紫外線は低圧水銀灯、エキシマレーザーランプにより発生させることができる。分離機能層の厚み、形態はそれぞれの重合条件によっても大きく変化することがあり、電磁波による重合であれば電磁波の波長、強度、被照射物との距離、処理時間により大きく変化することがある。そのためこれらの条件は適宜最適化されてもよい。
重合速度を速める目的で分離機能層形成の際に重合開始剤、重合促進剤等を添加することが好ましい。ここで、重合開始剤、重合促進剤とは特に限定されるものではなく、用いる化合物の構造、重合手法などに合わせて適宜選択されるものである。
重合開始剤を以下例示する。電磁波による重合の開始剤としては、ベンゾインエーテル、ジアルキルベンジルケタール、ジアルコキシアセトフェノン、アシルホスフィンオキシドもしくはビスアシルホスフィンオキシド、α−ジケトン(例えば、9,10−フェナントレンキノン)、ジアセチルキノン、フリルキノン、アニシルキノン、4,4’−ジクロロベンジルキノンおよび4,4’−ジアルコキシベンジルキノン、およびショウノウキノンが、例示される。熱による重合の開始剤としては、アゾ化合物(例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)もしくはアゾビス−(4−シアノバレリアン酸))、または過酸化物(例えば、過酸化ジベンゾイル、過酸化ジラウロイル、過オクタン酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチルもしくはジ−(tert−ブチル)ペルオキシド)、さらに芳香族ジアゾニウム塩、ビススルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、アルキルリチウム、クミルカリウム、ナトリウムナフタレン、ジスチリルジアニオンが例示される。なかでもベンゾピナコールおよび2,2’−ジアルキルベンゾピナコールは、ラジカル重合のための開始剤として特に好ましい。
過酸化物およびα−ジケトンは、開始を加速するために、好ましくは、芳香族アミンと組み合わせて使用される。この組み合わせはレドックス系とも呼ばれる。このような系の例としては、過酸化ベンゾイルまたはショウノウキノンと、アミン(例えば、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、p−ジメチル−アミノ安息香酸エチルエステルまたはその誘導体)との組み合わせである。さらに、過酸化物を、還元剤としてのアスコルビン酸、バルビツレートまたはスルフィン酸と組み合わせて含有する系もまた好ましい。
次いで、これを約100〜200℃で加熱処理すると重縮合反応が起こり、多孔性支持層表面にシランカップリング剤由来の分離機能層が形成された分離膜を得ることができる。加熱温度は多孔性支持層の素材にもよるが、高すぎると溶解が起こり多孔性支持層の細孔が閉塞するため、分離膜の造水量が低下する。一方低すぎた場合には、重縮合反応が不十分となり機能層の溶出により除去率が低下するようになる。
なお上記の製造方法において、シランカップリング剤とエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物とを高分子量化する工程は、シランカップリング剤の重縮合工程の前に行っても良いし、後に行っても良い。また、同時に行っても良い。
このようにして得られた分離膜はこのままでも使用できるが、使用する前に例えばアルコール含有水溶液、アルカリ水溶液によって膜の表面を親水化させることが好ましい。
(4)供給側流路の形成
分離膜に高低差を付与するための加圧熱処理法としては、例えばロールエンボス加工などが挙げられる。加圧処理と熱処理を同時に行うことで、分離膜に高低差を付与するための成形を短時間で実施することができる。なお、熱処理温度は、分離膜から基材のみをはがし取り、基材のDSCを測定することでポリエステル繊維の熱処理温度を公知の方法を用いて同定することができる。
加熱プレスやロールエンボス加工を実施する際の圧力や処理温度は、分離膜の融点に応じて適宜決定することができる。例えばエポキシ樹脂を多孔性樹脂とした多孔性支持膜を用いる場合では、線圧10kg/cm以上60kg/cm以下であることが好ましく、加熱温度50℃以上130℃以下が好ましい。また、ポリスルホン等の耐熱性樹脂を多孔性支持膜として用いる場合、線圧10kg/cm以上70kg/cm以下であることが好ましくロール加熱温度70℃以上160℃以下が好ましい。ロールエンボス加工ならばいずれの場合も巻き取り速度1m/分以上20m/分以下が好ましい。このような条件で分離膜を加圧熱処理すると凸部で分離膜の圧密化が生じるため、多孔性樹脂および基材の厚みは凹部の場合に比べて薄くなる。加圧熱処理後に分離膜表面の凹部における多孔性樹脂の厚みに対する分離膜表面の凸部における多孔性樹脂の厚みの比が0.1以上0.95以下であり、かつ、分離膜表面の凹部における基材の厚みに対する分離膜表面の凸部における基材の厚みの比が0.1以上0.95以下となると、分離機能層を含む樹脂層が厚密化して長期の加圧ろ過でも安定な膜性能を示すことができる。このようなそれぞれの厚み比は線圧とロール加熱温度によって調整でき、例えば線圧を大きくしたり加熱温度を高くしたりすることでそれぞれの厚み比を小さくすることができる。
エンボス加工を施す場合、ロールの柄の形状は特に限定されず、所望の凹凸の形状に合う形状を有するロールが用いられる。
(5)分離膜エレメントの製造方法
スパイラル型分離膜エレメントは分離膜、および、必要に応じて供給側流路材および/または透過側流路材の積層体の単数または複数が、有孔の中空状集水管の周りに巻きつけられたものである。本発明の分離膜エレメントの製造方法は限定されないが、ポリアミド分離機能層を多孔性支持層、基材に積層し、分離膜を得た後に成形、透過側流路材を配置してエレメントを製造する代表的な方法について述べる。
良溶媒に樹脂を溶解し、得られた樹脂溶液を基材にキャストして純水中に浸漬して多孔性支持層と基材を複合させる。その後、上述したように、多孔性支持層上に分離機能層を形成する。さらに、必要に応じて分離性能、透過性能を高めるべく、塩素、酸、アルカリ、亜硝酸などの化学処理を施し、さらにモノマー等を洗浄し分離膜の連続シートを作製する。
化学処理の前又は後にエンボス加工やホットメルト法などにより、分離膜に高低差が付与される。
従来のエレメント製作装置を用いて、例えば、リーフ数26枚、リーフ有効面積37mの8インチエレメントを作製する。エレメント作製方法としては、参考文献(特公昭44−14216、特公平4−11928、特開平11−226366)に記載される方法を用いることができる。
その中で、向かい合う2枚の分離膜(一枚の分離膜が折り畳まれたものであってもよい)は互いに接着されている。接着に用いられる接着剤は、粘度が40PS以上150PS以下の範囲内であることが好ましく、さらに50PS以上120PS以下がより好ましい。接着剤粘度が高すぎる場合には、積層したリーフを集水管に巻囲する際に、シワが発生し易くなって分離膜エレメントの性能が損なわれ易くなる。逆に、接着剤粘度が低すぎる場合は、リーフの端部(接着面部分)から接着剤が流出して装置を汚す他、不要な部分に付着して分離膜エレメントの性能を損なうと共に、流出した接着剤の処理作業により作業効率が著しく低下する。
接着剤の塗布量は、リーフを集水管に巻囲した後に塗布幅10mm以上100mm以下が確保出来るような量とすることが好ましい。この範囲であれば、接着不良の部分から供給流体の一部が透過側に流入することなく、また巻囲時の接着剤の広がりによる透過有効膜面積低減を抑制することが出来る。
接着剤としてはウレタン系接着剤が好ましく、粘度を40PS以上150PS以下の範囲とするには、主剤のイソシアネートと硬化剤のポリオールとを、イソシアネート:ポリオール=1:1〜1:5の割合で混合したものが好ましい。接着剤の粘度は、予め主剤、硬化剤単体、及び配合割合を規定した混合物の粘度をB型粘度計(JIS K 6833)で測定したものである。
本発明の実施形態において、複数枚の分離膜を集水管の外周面に巻回する際に、複数枚の分離膜は、2枚の分離膜を分離膜の供給側同士が対面になるように積層され、集水管の長手方向に平行かつ集水管から近い方の分離膜端部の供給側同士が封止された分離膜対を含むことが好ましい。2枚の分離膜を分離膜の供給側同士が対面になるように積層し、集水管の長手方向に平行かつ集水管から近い方の分離膜端部の供給水側同士を封止して分離膜対を作製するため、分離膜を対とするにあたっても分離膜を折りたたむことなく、従来のように本来折り目であった部分が分離膜の撓みなく封止されている。折りたたむ工程が存在すると、分離膜の折りたたみが不十分である場合に折り目近傍で分離膜が撓み、巻囲してスパイラル型分離膜エレメントとした場合に空隙が生じてリーク発生する場合がある。そうすると、分離膜対回収率が低下してしまう。
ここで、分離膜対回収率とは、スパイラル型分離膜エレメントを水中でエアリークテストし、リークが発生した分離膜対数をカウントして、エアリークが発生した分離膜対数/評価に供した分離膜対数を意味する。具体的なエアリーク試験方法としては、分離膜エレメントの中心パイプの端部を封止し、もう一方の端部からエアーを注入する。注入されたエアーは集水管の孔を通過して分離膜対の透過水側に到達するが、上記のように分離膜の折りたたみが不十分で折り目近傍で撓みが生じたりして空隙が存在すると、エアーがその空隙を移動してしまう。その結果、分離膜対の供給側へエアーが移動し、分離膜エレメント端部(供給側)から水中へ到達する。
また、リーフ長さが長くなると分離膜の折りたたみに要する時間が長くなるが、分離膜端部の供給側同士が封止された分離膜対を用いることによりリーフ長さが長くなることによる、製造時間の増加を抑制することができる。
具体的には2枚の分離膜シートを、互いの供給側が対になるように積層する。このときに、積層した分離膜の内側に流路材を配置しても良く、予め供給側および/または透過水側に高低差が付与された分離膜を用いることもできる。このような方法であれば分離膜に折り目が存在しないため、折り目近傍で分離膜が撓み、空隙が生じることがない。そして、集水管の長手方向に平行かつ集水管から近い方の分離膜端部の供給水側同士を封止する。封止する方法としては接着剤やホットメルトなどによる接着、加熱やレーザーなどによる融着、ゴム製シートを挟みこむ方法が挙げられるが、接着による封止が最も簡便で効果が高いために好ましい。
集水管は、その中を透過水が流れるように構成されていればよく、材質、形状、大きさ等は特に限定されない。集水管としては、例えば、複数の孔が設けられた側面を有する円筒状の部材が用いられてもよい。
8.分離膜エレメントの利用
このように製造される分離膜エレメントは、さらに、直列または並列に接続して圧力容器に収納されることで、分離膜モジュールとして使用されてもよい。
また、上記の分離膜エレメント、モジュールは、それらに流体を供給するポンプや、その流体を前処理する装置などと組み合わせて、流体分離装置を構成することができる。この分離装置を用いることにより、例えば原水を飲料水などの透過水と膜を透過しなかった濃縮水とに分離して、目的にあった水を得ることができる。
流体分離装置の操作圧力は高い方が除去率は向上するが、運転に必要なエネルギーも増加すること、また、分離膜エレメントの供給流路、透過流路の保持性を考慮すると、膜モジュールに被処理水を透過する際の操作圧力は、0.2〜5MPaが好ましい。供給水温度は、高くなると塩除去率が低下するが、低くなるにしたがい膜透過流束も減少するので、5〜45℃が好ましい。また、供給水のpHが中性領域にある場合、供給水が海水などの高塩濃度の液体であっても、マグネシウムなどのスケールの発生が抑制され、また、膜の劣化も抑制される。
分離膜エレメントによって処理される流体は特に限定されないが、水処理に使用する場合、原水としては、海水、かん水、排水等の500mg/L〜100g/LのTDS(Total Dissolved Solids:総溶解固形分)を含有する液状混合物が挙げられる。一般に、TDSは総溶解固形分量を指し、「質量÷体積」で表されるが、1Lを1kgと見なして「重量比」で表されることもある。定義によれば、0.45μmのフィルターで濾過した溶液を39.5〜40.5℃の温度で蒸発させ残留物の重さから算出できるが、より簡便には実用塩分(S)から換算する。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(ノニオン界面活性剤注入前の造水量)
供給水(かん水・25℃)の膜エレメント透過水量について、原水500mg/L食塩、運転圧力0.7MPa、運転温度25℃、膜エレメントあたり、1日あたりの透水量(立方メートル)を薬液処理前の造水量(m/日)として表した。なお、1時間後の測定値と8時間後の測定値が1m/日以上あった場合に付記した。
(薬液処理前の脱塩率(TDS脱塩率))
薬液処理前のTDS脱塩率(%)=100×{1−(透過水中のTDS濃度/供給水中のTDS濃度)}として算出した。
なお、1時間後の測定値と8時間後の測定値で0.1%以上の変化をした場合に、その結果を付記した。
(ファウリング進行度)
ノニオン界面活性剤(和光純薬工業社製 ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル)を100ppmになるように供給水に注入し、1時間通水後における供給水(ノニオン界面活性剤含有かん水・25℃)の分離膜エレメント透過水量について分離膜エレメントあたり、1日あたりの透水量(立方メートル)をノニオン界面活性剤注入後の造水量(m/日)とした。ファウリング進行度はノニオン界面活性剤注入前後における造水量の変化率であり、「(ノニオン界面活性剤注入前の造水量−ノニオン界面活性剤注入後の造水量)/(ノニオン界面活性剤注入後の造水量)×100(%)」で表現され、数値が0%に近い膜ほどファウリングが起こりにくい膜となる。
(分離膜の供給側表面の高低差)
キーエンス製高精度形状測定システムKS−1000を用い、分離膜の供給側表面5cm×5cmの測定結果から平均の高低差を解析した。高低差のある箇所を100箇所任意に選択して測定し、各深さの値を総和した値を測定総箇所の数で割って求めた。
(分離膜表面の凹凸部の多孔性樹脂および基材厚み比測定)
高低差が付与された分離膜の断面を走査型電子顕微鏡(S−800)(日立製作所製)を用いて30個の任意の含浸部を500倍で写真撮影し、図4に断面模式図を示すように、凹部の多孔性樹脂および基材の厚みをそれぞれXおよびY、凸部の多孔性樹脂および基材の厚みをそれぞれxおよびyとし、x/Xおよびy/Yをそれぞれ凹部および凸部の多孔性樹脂および基材厚み比とした。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布(糸径:1デシテックス、厚み:約90μm、通気度:1cc/cm/sec)上にポリスルホンの20.0重量%、ジメチルホルムアミド(N,N−ジメチルホルムアミド)溶液を室温(25℃)でキャストして繊維補強ポリスルホン支持膜からなる多孔性樹脂ロールを作製した。
その後、多孔性樹脂ロールを巻きだし、ポリスルホン表面に、m−PDAの1.8重量%、ε−カプロラクタム4.5重量%水溶液を塗布し、エアーノズルから窒素を吹き付け支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた後、トリメシン酸クロリド0.06重量%を含む25℃のn−デカン溶液を表面が完全に濡れるように塗布した。その後、膜から余分な溶液をエアーブローで除去し、80℃の熱水で洗浄して分離膜ロールを得た。さらに、分離膜ロールへエンボスロール(柄:正方形、凸部側面断面形状:凹面円弧(真円)、溝幅:2.0mm、ピッチ:3mm)を用いて、加圧熱処理を80℃および35kg/cmとして分離膜の供給側表面に高低差を付与(エンボス加工)した。そして、折り畳み断裁加工により分離膜のリーフ状物を分離膜エレメントでの有効面積が37mになるように、幅930mmで26枚のリーフ状物を作製した。
ここで、分離膜の凸部の最高点から近接する凸部の最高点までの水平距離を200個についてカウントし、その平均値をピッチとした。
その後、トリコット(厚み:300μm、溝幅:200μm、畦幅:300μm、溝深さ:105μm)を供給側流路材として用い、集水管に巻き付けながら26枚のリーフ状物をスパイラル状に巻き付けた分離膜エレメントを作製し、外周にフィルムを巻き付け、テープで固定した後に、エッジカット、端板取りつけ、フィラメントワインディングを行い、8インチエレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、供給水500mg/L食塩、運転圧力0.7MPa、運転温度25℃、pH7で運転(回収率15%)したところ、造水量および脱塩率は45.3m/dayおよび98.3%、ファウリング進行度31.5%であった。表1に評価結果をまとめて示す。なお、実施例1における凸部断面形状の模式図を図5に示した。
(実施例2)
実施例2では、分離膜供給側表面の各条件を表1に示す条件とし、加圧熱処理を120℃および70kg/cmとした以外は全て実施例1と同様に分離膜を作製した。
該膜を用いて実施例1と同様にエレメントを作製した。該エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で運転したところ、造水量および脱塩率は47.2m/dayおよび97.0%、ファウリング進行度45.6%であった。
(実施例3)
実施例3では、分離膜供給側表面の各条件を表1に示す条件とし、分離膜供給側表面の各条件を表1に示す条件とし、エンボスロールの柄の溝幅およびピッチをそれぞれ6.0mm、9mmに変更した以外は全て実施例1と同様に分離膜を作製した。
該膜を用いて実施例1と同様にエレメントを作製した。該エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で運転したところ、造水量および脱塩率は45.8m/dayおよび98.2%、ファウリング進行度35.9%であった。
(実施例4)
実施例4では、分離膜供給側表面の各条件を表1に示す条件とし、分離膜供給側表面の各条件を表1に示す条件とし、エンボスロールの柄の溝幅およびピッチをそれぞれ0.7mm、1.1mmに変更した以外は全て実施例1と同様に分離膜を作製した。
該膜を用いて実施例1と同様にエレメントを作製した。該エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で運転したところ、造水量および脱塩率は32.3m/dayおよび98.3%、ファウリング進行度29.2%であった。
(実施例5)
実施例5では分離膜供給側表面の各条件を表1に示す条件とし、分離膜供給側表面の各条件を表1に示す条件とし、凸部断面の側面部における凸部の最高点から最低点にかけて線分数を11(各線分長さは同じ)とした以外は全て実施例1と同様に分離膜を作製した。
該膜を用いて実施例1と同様にエレメントを作製した。該エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で運転したところ、造水量および脱塩率は45.2m/dayおよび98.1%、ファウリング進行度37.8%であった。
(実施例6)
実施例6では、分離膜供給側表面の各条件を表1に示す条件とし、凸部断面の側面部における凸部の最高点から最低点にかけて線分数を7(各線分長さは同じ)とした以外は全て実施例1と同様に分離膜を作製した。
該膜を用いて実施例1と同様にエレメントを作製した。該エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で運転したところ、造水量および脱塩率は45.0m/dayおよび97.9%、ファウリング進行度39.1%であった。
(実施例7)
実施例7では、分離膜供給側表面の各条件を表1に示す条件とし、凸部断面の側面部における凸部の最高点から最低点にかけて線分数を4(各線分長さは同じ)とした以外は全て実施例1と同様に分離膜を作製した。
該膜を用いて実施例1と同様にエレメントを作製した。該エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で運転したところ、造水量および脱塩率は44.8m/dayおよび97.7%、ファウリング進行度40.0%であった。
(実施例8)
実施例8では、分離膜供給側表面の各条件を表1に示す条件とし、凸部断面の側面部における凸部の最高点から最低点にかけて線分数を3(各線分長さは同じ)とした以外は全て実施例1と同様に分離膜を作製した。
該膜を用いて実施例1と同様にエレメントを作製した。該エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で運転したところ、造水量および脱塩率は44.5m/dayおよび97.6%、ファウリング進行度41.2%であった。
(実施例9)
実施例9では、分離膜供給側表面の各条件を表1に示す条件とし、凸部断面の側面部における凸部の最高点から最低点にかけて線分数を2(各線分長さは同じ)とした以外は全て実施例1と同様に分離膜を作製した。
該膜を用いて実施例1と同様にエレメントを作製した。該エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で運転したところ、造水量および脱塩率は44.3m/dayおよび97.5%、ファウリング進行度41.9%であった。
(実施例10)
実施例10では、分離膜供給側表面の各条件を表1に示す条件とし、基材をポリエステル長繊維からなる不織布(糸径:1デシテックス、厚み:約90μm、通気度:1cc/cm/sec、繊維配向度:多孔性支持層側表層40°、多孔性支持層とは反対側の表層20°)に変更した以外は全て実施例1と同様に分離膜を作製した。
該膜を用いて実施例1と同様にエレメントを作製した。該エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で運転したところ、造水量および脱塩率は45.6m/dayおよび98.3%、ファウリング進行度30.9%であった。
(比較例1)
比較例1では、凸部断面の側面部における凸部の最高点から最低点にかけて線分数を1(各線分長さは同じ)とした以外は全て実施例1と同様に分離膜を作製した。
該膜を用いて実施例1と同様にエレメントを作製した。該エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で運転したところ、造水量および脱塩率は43.4m/dayおよび97.4%、ファウリング進行度55.3%であった。
(比較例2)
比較例2では、分離膜供給側表面の各条件を表1に示す条件とし、加圧熱処理を40℃および5kg/cmとした以外は全て実施例1と同様に分離膜を作製した。
該膜を用いて実施例1と同様にエレメントを作製した。該エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で運転したところ、造水量および脱塩率は25.9m/dayおよび98.3%、ファウリング進行度47.1%であった。
以上の結果から明らかなように、実施例の膜エレメントは、高造水性能、安定運転性能、優れた除去性能を有している。
Figure 2012187574
本発明の膜エレメントは、特に、かん水や海水の脱塩に好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 供給側表面に80μm以上1000μm以下の高低差を有する分離膜であって、分離膜表面の凸部の側面のうち少なくとも一部が凹面であることを特徴とする分離膜。
  2. 分離膜表面の凸部の側面のうち、少なくとも一部が凸部の最高点から最低点にかけて凹面であることを特徴とする請求項1に記載の分離膜。
  3. 凸部の最高点から近接する凸部の最高点までの水平距離が、分離膜の高低差よりも長いことを特徴とする請求項1または2に記載の分離膜。
  4. 分離膜が基材と多孔性樹脂とを備え、分離膜表面の凹部における多孔性樹脂の厚みに対する分離膜表面の凸部における多孔性樹脂の厚みの比が0.1以上0.95以下であり、かつ、分離膜表面の凹部における基材の厚みに対する分離膜表面の凸部における基材の厚みの比が0.1以上0.95以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分離膜。
  5. 前記基材が長繊維不織布である請求項1〜4のいずれかに記載の分離膜。
  6. 前記長繊維不織布の前記分離機能層とは反対側の表層における繊維が、前記多孔性支持層側の表層の繊維よりも縦配向である、請求項5に記載の分離膜。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の分離膜を備えた分離膜エレメント。
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