JP6065588B2 - スパイラル型分離膜エレメントおよびその製造方法 - Google Patents

スパイラル型分離膜エレメントおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体、気体等の流体に含まれる成分を分離するために使用されるスパイラル型分離膜エレメントに関する。また、本発明は、本発明のスパイラル型分離膜エレメントを製造するためのスパイラル型分離膜エレメントの製造方法に関する。
液体、気体等の流体に含まれる成分を分離する方法としては、様々な方法がある。例えば、海水、かん水などに含まれるイオン性物質を除くために、スパイラル型分離膜エレメントの利用が拡大している。スパイラル型分離膜エレメントに使用される分離膜には、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜、正浸透膜などがある。これらの分離膜は、例えば、海水、かん水、有害物を含んだ水などから飲料水を得る場合や、工業用超純水の製造、排水処理、有価物の回収などに用いられており、目的とする分離成分および分離性能によって使い分けられている。
スパイラル型分離膜エレメントは、分離膜の一方の面に原流体を供給し、他方の面から透過流体を得るものであるが、他の分離膜エレメントに比べ、大きな分離膜面積を採ることが可能である点が、その利点とされている。
スパイラル型分離膜エレメントは、分離膜がスパイラルに巻き上げられた巻回体、巻回体の一方の側端に嵌合された上流側端板、巻回体の他方の側端に嵌合された下流側端板、分離膜の一方の面に沿って設けられた原流体流路と分離膜の他方の面に沿って設けられた透過流体流路、および、透過流体収集管を含み、原流体流路が、透過流体収集管に対し閉塞され、透過流体流路が、透過流体収集管に対し開放された状態で、分離膜が、透過流体収集管にスパイラルに巻き上げられて、前記巻回体が形成され、透過流体収集管の長手方向の一端部が閉塞され、開放されている他端部が下流側端板の外側に位置し、上流側端板を通じて、原流体流路に原流体が供給され、下流側端板を通じて、分離膜を透過しなかった濃縮流体が排出され、透過流体収集管を通じて、分離膜を透過した透過流体が導出されてなる。
分離膜として逆浸透膜を用いたスパイラル型分離膜エレメントを用いて、原流体としての水を処理する場合、分離膜に沿って水を流す流路を形成するための供給水側流路材として、高分子製のネットが多用されている。分離膜としては、ポリアミドなどの架橋高分子からなる分離機能層、ポリスルホンなどの高分子からなる多孔性支持膜、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子からなる不織布が、この順で、供給水側から透過水側に亘り積層された複合半透膜が多用されている。分離膜に沿って透過水を流すための透過水側流路材として、分離膜の流路への落ち込みを防き、かつ、透過水の流路を形成させるために、上に説明した供給水側流路材よりも路材間の隙間が細かい、トリコット製の織物が多用されている。
スパイラル型分離膜エレメントを用いた造水装置において、造水コストの低減を図るために、その高性能化が求められている。スパイラル型分離膜エレメントの分離性能の向上の一策として、単位時間当たりの透過流体量を増やすために、エレメント内の供給水および透過水の流路を形成する各流路部材を含むスパイラルに巻き上げられる分離膜層の性能向上が提案されてきた。
例えば、特許文献1には、凹凸賦形されたシート状物を透過水側流路材として使用する方法が提案されている。特許文献2には、流路形成用の基材(路材)を使用せず、分離膜の供給水側表面に凹凸を形成し、その内部に中空通路を形成した分離膜の使用が提案されている。特許文献3には、凹凸を有する多孔性支持体と分離活性層とからなるシート状複合半透膜を用い、ネットなどの供給水側流路材やトリコットなどの透過水側流路材を用いない方法が提案されている。
一方、スパイラル型分離膜エレメントにおいて、一連の分離膜を、供給水側の面が対向する状態に折りたたんで形成した分離膜対を用いることが、知られている。これによれば、分離膜を折りたたむことによって、ネットのような流路材を、分離膜の供給水側の面に、比較的精度良く挟み込むことができる。得られた分離膜対の複数は、分離膜の透過水側の面同士が対向する状態で、積層され、巻回体を形成する。
各分離膜対は、一辺に折り目を有し、この折り目により、分離膜対の内側の原流体流路が、透過流体収集管に対し、閉塞されている。折り目の方向に直角な方向の一方の辺(長手方向の一方の辺)が、上流側端板に向かい合い、折り目の方向に直角な方向の他方の辺(長手方向の他方の辺)が、下流側端板に向かい合って、巻回体を形成している。各分離膜対の残りの一辺は、接着により閉塞されている。
JP2006−247453A JP11−114381A JP2010−099590A
しかし、上に説明した従来のスパイラル型分離膜エレメントは、性能向上、特に長期間に亘り運転を行った際の分離性能の安定性において、十分とは云えない。特許文献1で提案されている凹凸賦形されたシート状物を透過水側流路材として使用する方法では、透過水の流動抵抗を軽減するのみであり、かつ、当該シート状物そのものが厚みを有するために、分離膜を直接凹凸賦形した場合に比べて、空隙が少なくなり、透過水の流動抵抗低減効果が十分とは云えない。
特許文献2で提案されている基材を使用せず、分離膜の供給水側表面に凹凸を形成し、その内部に中空通路形成した分離膜を使用する方法では、分離膜の表面と平行な方向に延びる中空通路を分離膜内に有するため、分離膜の表面の凹凸の高さを大きくすることが困難であり、かつ、当該凹凸の形状が限定される。特許文献2の実施例では、段差0.15mmの溝とされている。また、透過水側流路の形状も限定されるため、供給水側、透過水側の流路における流動抵抗低減効果が十分とは云えない。
特許文献3に提案されている凹凸を有する多孔性支持体と分離活性層とからなるシート状複合半透膜を用い、ネットなどの供給水側流路材やトリコットなどの透過水側流路材を用いない方法では、特許文献3の実施例に、平膜評価用のセルを用いた場合の膜性能のみの記述があるものの、このシート状複合半透膜を用い、実際にスパイラル型分離膜エレメントを作製した場合の性能は、開示されていない。実際に圧力をかけてスパイラル型分離膜エレメントを運転した場合、供給水側流路、透過水側流路の断面積が変化し易く、初期だけでなく長期間に亘り運転を実施した際に、性能が変化し易い傾向があると云える。
また、従来のように分離膜を折りたたんで分離膜対を作製したとき、分離膜の折りたたみが不十分で、折り目で空隙が生じる場合がある。このような分離膜対を透過流体収集管に巻囲して、スパイラル型分離膜エレメントとした場合に、運転時に、流体のリークが生じる場合があり、その場合、スパイラル型分離膜エレメントとしての機能を果たさなくなる。
本発明は、分離膜対の作製時に膜ずれがほとんどなく、良好な分離機能を長期に安定して維持できるスパイラル型分離膜エレメントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明のスパイラル型分離膜エレメントは、
(a−1)スパイラルに巻き上げられた分離膜を有する巻回体、
(a−2)前記分離膜の一方の面に沿って設けられた原流体流路、
(a−3)前記分離膜の他方の面に沿って設けられた透過流体流路、および、
(a−4)透過流体収集管を含み、
(a−5)前記原流体流路が、前記透過流体収集管に対し閉塞され、かつ、前記透過流体流路が、前記透過流体収集管に対し開放された状態で、
(a−6)前記分離膜が、前記透過流体収集管の周囲にスパイラルに巻き上げられて、前記巻回体が形成され、
(a−7)前記巻回体の一方の端部から、前記原流体流路に原流体が供給され、
(a−8)前記巻回体の他方の端部から、前記分離膜を透過しなかった濃縮流体が排出され、
(a−9)前記透過流体収集管を通じて、前記分離膜を透過した透過流体が導出されてなるスパイラル型分離膜エレメントにおいて、
(b−1)隣り合う前記分離膜の前記原流体に接する面が互いに対向し、前記透過流体収集管側の双方の端部の間の前記原流体流路が、前記透過流体収集管に対し、前記分離膜の端部に設けられた封止材により閉塞されて形成された分離膜対の少なくとも二組を有し、
(b−2)前記各分離膜対が、前記透過流体収集管にスパイラルに巻き上げられることで、前記巻回体が形成される。
本発明のスパイラル型分離膜エレメントにおいて、前記封止材の前記透過流体収集管の長手方向に直角な方向の幅が、5mm乃至100mmであることが好ましい。
本発明のスパイラル型分離膜エレメントにおいて、前記封止材の厚みが、5μm乃至500μmであることが好ましい。
本発明のスパイラル型分離膜エレメントにおいて、前記原流体流路が、前記分離膜の表面に形成された凹凸、あるいは、前記分離膜の表面に沿って設けられた流路材で形成されていることが好ましい。
本発明のスパイラル型分離膜エレメントにおいて、前記分離膜の表面に形成された前記凹凸の高低差、あるいは、前記分離膜の表面に沿って設けられた前記流路材の厚みが、80μm乃至1000μmであることが好ましい。
上記目的を達成するための本発明のスパイラル型分離膜エレメントの製造方法は、
(a)2枚の分離膜をそれぞれの原流体に接する面が互いに向かい合うように配置し、双方の分離膜の間に原流体流路を設け、双方の分離膜の一辺の端部同士が、前記原流体流路が閉塞されるように封止材で結合することで分離膜対を作製し、分離膜対の少なくとも二組を用意する分離膜対の作製工程と、
(b)前記分離膜対の作製工程において作製された少なくとも二組の分離膜対を、それぞれの透過流体に接する面が互いに向かい合うように配置し、双方の分離膜対の間に透過流体流路を設け、該透過流体流路の前記分離膜の一辺と同じ側の一辺が開放された状態になるように重ねることで、分離膜対の積層体を用意する分離膜対の積層体の作製工程と、
(c)前記分離膜対の積層体の作製工程において作製された分離膜対の積層体を、周面に透過流体の収集孔を有する透過流体収集管に、前記透過流体流路の開放されている部分が前記透過流体の収集孔に対応する状態で、巻き上げる巻回体作製工程と、
を備える。
本発明のスパイラル型分離膜エレメントにおいては、対向する分離膜の間における膜のずれの発生が抑制される。よって、本発明のスパイラル型分離膜エレメントにおける分離性能は、長期間、安定した状態で維持される。
図1は、本発明のスパイラル型分離膜エレメントの一態様の一部を展開した斜視図である。 図2は、従来のスパイラル型分離膜エレメントにおいて用いられている分離膜対の先端部と本発明のスパイラル型分離膜エレメントにおいて用いられている分離膜対の先端部との相違を説明する模式斜視図である。 図3は、本発明のスパイラル型分離膜エレメントにおいて用いられる分離膜対の作製方法の一例を説明する分解斜視模式図である。 図4は、図3における上下の分離膜が重ね合わされて形成された分離膜対の透過流体収集管に向かい合う辺に直角な方向(分離膜対の長手方向)の縦断面模式図である。
本発明のスパイラル型分離膜エレメントの実施態様の一例について、図1を参照しながら、説明する。
図1において、スパイラル型分離膜エレメント1は、
(A−1)スパイラルに巻き上げられた分離膜3で形成された巻回体3a、
(A−2)該巻回体3aの一方の側端に嵌合された上流側端板7と該巻回体3aの他方の側端に嵌合された下流側端板8、
(A−3)前記分離膜3の一方の面に沿って設けられた原流体流路4と前記分離膜3の他方の面に沿って設けられた透過流体流路5、および、
(A−4)透過流体収集管2を含む。
前記巻回体3aは、
(A−5)前記原流体流路4が、前記透過流体収集管2に対し閉塞され、前記透過流体流路5が、前記透過流体収集管2に対し開放された状態で、
(A−6)前記分離膜3が、前記透過流体収集管2にスパイラルに巻き上げられることで
形成される。
また、スパイラル型分離膜エレメント1において、
(A−7)前記透過流体収集管2の長手方向の一端部2bは閉塞され、開放されている他端部は前記下流側端板8の外側に位置し、
(A−8)前記上流側端板7を通じて、前記原流体流路4に原流体101が供給され、
(A−9)前記下流側端板8を通じて、前記分離膜3を透過しなかった濃縮流体103が排出され、
(A−10)前記透過流体収集管2を通じて、前記分離膜3を透過した透過流体102が導出される。
より詳細には、
(B−1)スパイラル型分離膜エレメント1は、少なくとも2組の分離膜対6を有し、
上記分離膜対6において、隣り合う前記分離膜3の前記原流体101に接する面は互いに対向するように配置され、
前記透過流体収集管2側の双方の端部の間の前記原流体流路4は、前記透過流体収集管2に対し、前記分離膜3に設けられた封止材9(図3参照)により閉塞され、
(B−2)隣り合う前記分離膜対6は、前記透過流体102に接する面が互いに対向するように配置され、
前記透過流体収集管2側の双方の端部の間の前記透過流体流路5は、前記透過流体収集管2に対して開放され、かつ、
(B−3)前記各分離膜対6が前記透過流体収集管2の周囲にスパイラルに巻き上げられることで、前記巻回体3aが形成される。
分離膜3は、分離膜表面に供給される流体中の成分を分離し、分離膜を透過した透過流体を得るものであれば、特に限定されない。分離機能層、多孔性支持膜、基材からなる複合分離膜が好ましく使用される。
分離機能層を形成する材料としては、孔径制御、耐久性の点で、架橋高分子が好ましく使用され。成分の分離性能の点で、多孔性支持膜上に形成される多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合させてなるポリアミド分離機能層や有機と無機とからなるハイブリッド機能層などが好適に用いられる。また、セルロース膜、ポリフッ化ビニリデン膜、ポリエーテルスルホン膜、ポリスルホン膜のような分離機能と支持体機能を有する多孔性支持膜を用いることもできる。
分離機能層が、ポリアミドで構成される場合を詳述する。ポリアミド膜は、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との界面重縮合により形成することができる。ここで、多官能アミンまたは多官能酸ハロゲン化物の少なくとも一方が、3官能以上の化合物を含んでいることが好ましい。
多官能アミンとは、一分子中に少なくとも2個の第一級アミノ基および/または第二級アミノ基を有し、そのアミノ基のうち少なくとも1つは第一級アミノ基であるアミンを云う。例えば、2個のアミノ基がオルト位やメタ位、パラ位のいずれかの位置関係でベンゼン環に結合したフェニレンジアミン、キシリレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、3−アミノベンジルアミン、4−アミノベンジルアミンなどの芳香族多官能アミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどの脂肪族アミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4−アミノピペリジン、4−アミノエチルピペラジンなどの脂環式多官能アミン等を挙げることができる。
中でも、膜の選択分離性や透過性、耐熱性を考慮すると、一分子中に2個以上4個以下の第一級アミノ基および/または第二級アミノ基を有する芳香族多官能アミンであることが好ましい。このような多官能芳香族アミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼンが好適に用いられる。中でも、入手の容易性や取り扱いのしやすさから、m−フェニレンジアミン(以下、m−PDAと記す)を用いることがより好ましい。
これらの多官能アミンは、単独で用いても、2種以上を同時に用いても良い。2種以上を同時に用いる場合、上記アミン同士を組み合わせても良く、上記アミンと一分子中に少なくとも2個の第二級アミノ基を有するアミンを組み合わせても良い。一分子中に少なくとも2個の第二級アミノ基を有するアミンとして、例えば、ピペラジン、1,3−ビスピペリジルプロパン等を挙げることができる。
多官能酸ハロゲン化物とは、一分子中に少なくとも2個のハロゲン化カルボニル基を有する酸ハロゲン化物を云う。例えば、3官能酸ハロゲン化物では、トリメシン酸クロリド、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸トリクロリド、1,2,4−シクロブタントリカルボン酸トリクロリドなどを挙げることができ、2官能酸ハロゲン化物では、ビフェニルジカルボン酸ジクロリド、アゾベンゼンジカルボン酸ジクロリド、テレフタル酸クロリド、イソフタル酸クロリド、ナフタレンジカルボン酸クロリドなどの芳香族2官能酸ハロゲン化物、アジポイルクロリド、セバコイルクロリドなどの脂肪族2官能酸ハロゲン化物、シクロペンタンジカルボン酸ジクロリド、シクロヘキサンジカルボン酸ジクロリド、テトラヒドロフランジカルボン酸ジクロリドなどの脂環式2官能酸ハロゲン化物を挙げることができる。
多官能アミンとの反応性を考慮すると、多官能酸ハロゲン化物は、多官能酸塩化物であることが好ましく、また、膜の選択分離性、耐熱性を考慮すると、一分子中に2個以上4個以下の塩化カルボニル基を有する多官能芳香族酸塩化物であることが好ましい。中でも、入手の容易性や取り扱いのしやすさの観点から、トリメシン酸クロリドを用いるとより好ましい。これらの多官能酸ハロゲン化物は、単独で用いても、2種以上を同時に用いても良い。
更に、分離機能層を、成形性、耐薬品性の点で、Si元素などを有する有機・無機ハイブリッド構造とした分離膜も使用することができる。有機・無機ハイブリッド膜としては、特に限定されないが、例えば、エチレン性不飽和基を有する反応性基および加水分解性基がケイ素原子に直接結合したケイ素化合物(A)、ならびに、(B)前記ケイ素化合物以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(B)を用いた、ケイ素化合物(A)の加水分解性基の縮合物、ならびに、ケイ素化合物(A)およびエチレン性不飽和基を有する化合物(B)のエチレン性不飽和基の重合物が使用できる。
ケイ素化合物(A)のエチレン性不飽和基を有する反応性基および加水分解性基がケイ素原子に直接結合したケイ素化合物について説明する。
エチレン性不飽和基を有する反応性基は、ケイ素原子に直接結合している。このような反応性基としては、ビニル基、アリル基、メタクリルオキシエチル基、メタクリルオキシプロピル基、アクリルオキシエチル基、アクリルオキシプロピル基、スチリル基が例示される。重合性の観点から、メタクリルオキシプロピル基、アクリルオキシプロピル基、スチリル基が好ましい。
また、ケイ素原子に直接結合している加水分解性基が水酸基に変化するなどのプロセスを経て、ケイ素化合物同士がシロキサン結合で結ばれるという縮合反応が生じ、高分子となる。加水分解性基としては、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、カルボキシ基、ケトオキシム基、アミノヒドロキシ基、ハロゲン原子およびイソシアネート基などの官能基が例示される。
アルコキシ基としては、炭素数1以上10以下のものが好ましく、更に好ましくは、炭素数1または2のものである。アルケニルオキシ基としては、炭素数2以上10以下のものが好ましく、更には炭素数2以上4以下、更には3のものである。カルボキシ基としては、炭素数2以上10以下のものが好ましく、更には炭素数2のもの、すなわち、アセトキシ基である。ケトオキシム基としては、メチルエチルケトオキシム基、ジメチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基が例示される。アミノヒドロキシ基は、酸素を介してアミノ基が酸素原子を介してケイ素原子に結合しているものである。このようなものとしては、ジメチルアミノヒドロキシ基、ジエチルアミノヒドロキシ基、メチルエチルアミノヒドロキシ基が例示される。ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましく使用される。
分離機能層の形成に当っては、上記加水分解性基の一部が加水分解し、シラノール構造をとっているケイ素化合物も使用できる。また、2以上のケイ素化合物が、加水分解性基の一部が加水分解、縮合し架橋しない程度に高分子量化したものも使用できる。
ケイ素化合物(A)としては、下記一般式(a)で表されるものであることが好ましい。
Si(R(R(R4−m−n ・・・(a)
(Rは、エチレン性不飽和基を含む反応性基を示す。Rは、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、カルボキシ基、ケトオキシム基、ハロゲン原子またはイソシアネート基のいずれかを表す。Rは、Hまたはアルキル基を表す。m、nは、m+n≦4を満たす整数であり、m≧1、n≧1を満たすものとする。R、R、Rそれぞれにおいて、2以上の官能基がケイ素原子に結合している場合、同一であっても異なっていても良い。)
は、エチレン性不飽和基を含む反応性基であるが、上で説明したとおりである。
は、加水分解性基であるが、これらは上で解説したとおりである。Rとなるアルキル基の炭素数としては、1以上10以下のものが好ましく、更に1または2のものが好ましい。
加水分解性基としては、分離機能層の形成にあたって、反応液が粘性を持つことから、アルコキシ基が好ましく用いられる。
このようなケイ素化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシランが例示される。
ケイ素化合物(A)の他、エチレン性不飽和基を有する反応性基を有しないが、加水分解性基を有するケイ素化合物を併せて使用することもできる。このようなケイ素化合物は、一般式(a)では「m≧1」と定義されているが、一般式(a)においてmがゼロである化合物が例示される。このようなものとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランが例示される。
次に、ケイ素化合物(A)以外のものであって、エチレン性不飽和基を有する化合物(B)について説明する。
エチレン性不飽和基は、付加重合性を有する。このような化合物としては、エチレン、プロピレン、メタアクリル酸、アクリル酸、スチレンおよびこれらの誘導体が例示される。
また、この化合物(B)は、分離膜を水溶液の分離などに用いたときに、水の選択的透過性を高め、塩の阻止率を上げるために、酸基を有するアルカリ可溶性の化合物であることが好ましい。
好ましい酸の構造としては、カルボン酸、ホスホン酸、リン酸およびスルホン酸であり、これらの酸の構造としては、酸の形態、エステル化合物、および金属塩のいずれの状態で存在しても良い。これらのエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物は、2つ以上の酸を含有し得るが、中でも1個または2個の酸基を含有する化合物が、好ましい。
上記のエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物の中でカルボン酸基を有する化合物としては、以下のものが例示される。マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリト酸および対応する無水物、10−メタクリロイルオキシデシルマロン酸、N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)−N−フェニルグリシンおよび4−ビニル安息香酸が挙げられる。
上記のエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物の中でホスホン酸基を有する化合物としては、ビニルホスホン酸、4−ビニルフェニルホスホン酸、4−ビニルベンジルホスホン酸、2−メタクリロイルオキシエチルホスホン酸、2−メタクリルアミドエチルホスホン酸、4−メタクリルアミド−4−メチル−フェニル−ホスホン酸、2−[4−(ジヒドロキシホスホリル)−2−オキサ−ブチル]−アクリル酸および2−[2−ジヒドロキシホスホリル)−エトキシメチル]−アクリル酸−2,4,6−トリメチル−フェニルエステルが例示される。
上記のエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物の中でリン酸エステルの化合物としては、2−メタクリロイルオキシプロピル一水素リン酸および2−メタクリロイルオキシプロピル二水素リン酸、2−メタクリロイルオキシエチル一水素リン酸および2−メタクリロイルオキシエチル二水素リン酸、2−メタクリロイルオキシエチル−フェニル−水素リン酸、ジペンタエリトリトール−ペンタメタクリロイルオキシホスフェート、10−メタクリロイルオキシデシル−二水素リン酸、ジペンタエリトリトールペンタメタクリロイルオキシホスフェート、リン酸モノ−(1−アクリロイル−ピペリジン−4−イル)−エステル、6−(メタクリルアミド)ヘキシル二水素ホスフェートならびに1,3−ビス−(N−アクリロイル−N−プロピル−アミノ)−プロパン−2−イル−二水素ホスフェートが例示される。
上記のエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物の中でスルホン酸基を有する化合物としては、ビニルスルホン酸、4−ビニルフェニルスルホン酸または3−(メタクリルアミド)プロピルスルホン酸が挙げられる。
本発明のスパイラル型分離膜エレメントにおいて用いられる分離膜の分離機能層を形成するために、ケイ素化合物(a)以外に、エチレン性不飽和基を1個以上有する化合物、および、重合開始剤を含んだ反応液が使用される。この反応液を多孔質膜上に塗布し、更に加水分解性基を縮合することに加えて、エチレン性不飽和基の重合によって、これら化合物を高分子量化することが必要である。ケイ素化合物(A)を単独で縮合させた場合、ケイ素原子に架橋鎖の結合が集中し、ケイ素原子周辺とケイ素原子から離れた部分との密度差が大きくなるため、分離機能層中の孔径が不均一となる傾向がある。
一方、ケイ素化合物(A)自身の高分子量化および架橋に加え、エチレン性不飽和基を有する化合物(B)を共重合させることで、加水分解性基の縮合による架橋点とエチレン性不飽和基の重合による架橋点が適度に分散される。このように適度に架橋点を分散させることで、均一な孔径を有する分離機能層が構成され、透水性能と除去性能のバランスが取れた分離膜を得ることができる。この際、エチレン性不飽和基を1個以上有する化合物は、低分子量だと分離膜使用時に溶出し膜性能低下を引き起こす可能性があるため、高分子量化していることが必要である。
分離機能層の製造方法において、エチレン性不飽和基を有する反応性基および加水分解性基がケイ素原子に直接結合したケイ素化合物(A)の含有量は、反応液に含有される固形分量100重量部に対し10重量部以上であることが好ましく、更に好ましくは20重量部以上50重量部以下である。ここで、反応液に含有される固形分とは、反応液に含有される全成分のうち、溶媒および縮合反応で生成する水やアルコールなどの留去成分を除いた、得られる分離膜に最終的に分離機能層として含まれる成分のことを指す。ケイ素化合物(A)の量が少ないと、架橋度が不足する傾向があるので、膜ろ過時に分離機能層が溶出し分離性能が低下するなどの不具合が発生するおそれがある。
エチレン性不飽和基を有する化合物(B)の含有量は、反応液に含有される固形分量100重量部に対し90重量部以下であることが好ましく、更に好ましくは50重量部以上80重量部以下である。化合物(B)の含有量がこれらの範囲にあるとき、得られる分離機能層は、架橋度が高くなるため、分離機能層が溶出することなく安定に膜ろ過ができる。
次に、分離機能層を多孔質支持膜上に形成する方法について説明する。
分離機能層形成のために例示される方法としては、ケイ素化合物(A)およびエチレン性不飽和基を有する化合物(B)を含有する反応液を塗布する工程、溶媒を除去する工程、エチレン性不飽和基を重合させる工程、加水分解性基を縮合させる工程の順に行うものがある。エチレン不飽和基を重合させる工程において、加水分解性基が同時に縮合することがあっても良い。
まず、(A)および(B)を含有する反応液を多孔性支持膜に接触させる。かかる反応液は、通常、溶媒を含有する溶液であるが、かかる溶媒は、多孔性支持膜を破壊せず、(A)および(B)、および、必要に応じて添加される重合開始剤を溶解するものであれば、特に限定されない。この反応液には、ケイ素化合物(A)のモル数に対して1乃至10倍モル量、好ましくは1倍モル量以上5倍モル量以下の水を無機酸または有機酸と共に添加して、ケイ素化合物(A)の加水分解を促すことが好ましい。
反応液の溶媒としては、水、アルコール系有機溶媒、エーテル系有機溶媒、ケトン系有機溶媒および、これらを混ぜ合わせたものが好ましい。
例えば、アルコール系有機溶媒として、メタノール、エトキシメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル(2-メトキシエタノール)、エチレングリコールモノアセトエステル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、メトキシブタノール等が挙げられる。
エーテル系有機溶媒として、メチラール、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、ジエチルアセタール、ジヘキシルエーテル、トリオキサン、ジオキサン等が挙げられる。
ケトン系有機溶媒として、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルシクロヘキシルケトン、ジエチルケトン、エチルブチルケトン、トリメチルノナノン、アセトニトリルアセトン、ジメチルオキシド、ホロン、シクロヘキサノン、ダイアセトンアルコール等が挙げられる。
溶媒の添加量としては、50重量部以上99重量部以下が好ましく、更には80重量部以上99重量部以下が好ましい。溶剤の添加量が多すぎると膜中に欠点が生じ易い傾向があり、少なすぎると得られる分離膜の透水性が低くなる傾向がある。
多孔性支持膜と反応液との接触は、多孔性支持膜面上で均一にかつ連続的に行うことが好ましい。具体的には、例えば、反応液をスピンコーター、ワイヤーバー、フローコーター、ダイコーター、ロールコーター、スプレーなどの塗布装置を用いて多孔性支持膜にコーティングする方法があげられる。また、多孔性支持膜を、反応液に浸漬する方法を挙げることができる。
浸漬させる場合、多孔性支持膜と反応液との接触時間は、0.5分間以上10分間以下の範囲内であることが好ましく、1分間以上3分間以下の範囲内であると更に好ましい。反応液を多孔性支持膜に接触させたあとは、膜上に液滴が残らないように十分に液切りすることが好ましい。十分に液切りすることで、膜形成後に液滴残存部分が膜欠点となって膜性能が低下することを防ぐことができる。液切りの方法としては、反応液接触後の多孔性支持膜を垂直方向に把持して過剰の反応液を自然流下させる方法や、エアーノズルから窒素などの風を吹き付け、強制的に液切りする方法などを用いることができる。また、液切り後、膜面を乾燥させ、反応液の溶媒分の一部を除去することもできる。
ケイ素の加水分解性基を縮合させる工程は、多孔性支持膜上に反応液を接触させた後に加熱処理することによって行われる。このときの加熱温度は、多孔性支持膜が溶融し分離膜としての性能が低下する温度より低いことが要求される。縮合反応を速やかに進行させるために通常0℃以上で加熱を行うことが好ましく、20℃以上がより好ましい。また、前記反応温度は、150℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。反応温度が0℃以上であれば、加水分解および縮合反応が速やかに進行し、150℃以下であれば、加水分解および縮合反応の制御が容易になる。
また、加水分解または縮合を促進する触媒を添加することで、より低温でも反応を進行させることが可能である。更に、分離機能層が細孔を有するよう加熱条件および湿度条件を選定し、縮合反応を適切に行うようにすることが好ましい。
ケイ素化合物(A)およびエチレン性不飽和基を有する化合物(B)のエチレン性不飽和基の重合方法としては、熱処理、電磁波照射、電子線照射、プラズマ照射により行うことができる。電磁波とは赤外線、紫外線、X線、γ線などを含む。重合方法は、適宜最適な選択をすれば良いが、ランニングコスト、生産性などの点から、電磁波照射による重合が好ましい。電磁波の中でも赤外線照射や紫外線照射が簡便性の点からより好ましい。実際に赤外線または紫外線を用いて重合を行う際、これらの光源は、選択的にこの波長域の光のみを発生する必要はなく、これらの波長域の電磁波を含むものであれば良い。しかし、重合時間の短縮、重合条件の制御などのしやすさの点から、これらの電磁波の強度がその他の波長域の電磁波に比べ高いことが好ましい。
電磁波は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、UVランプ、エキシマランプ、メタルハライドランプ、希ガス蛍光ランプ、水銀灯などから発生させることができる。電磁波のエネルギーは、重合できれば特に制限しないが、中でも高効率で低波長の紫外線が、薄膜形成性が高い。このような紫外線は、低圧水銀灯、エキシマレーザーランプにより発生させることができる。分離機能層の厚み、形態は、それぞれの重合条件によっても大きく変化することがあり、電磁波による重合であれば、電磁波の波長、強度、被照射物との距離、処理時間により大きく変化することがある。そのためこれらの条件は適宜最適化を行う必要がある。
重合速度を速める目的で、分離機能層形成の際に、重合開始剤、重合促進剤等を添加することが好ましい。ここで、重合開始剤、重合促進剤とは、特に限定されるものではなく、用いる化合物の構造、重合手法などに合わせて適宜選択されるものである。
重合開始剤を以下例示する。電磁波による重合の開始剤としては、ベンゾインエーテル、ジアルキルベンジルケタール、ジアルコキシアセトフェノン、アシルホスフィンオキシドもしくはビスアシルホスフィンオキシド、α−ジケトン(例えば、9,10−フェナントレンキノン)、ジアセチルキノン、フリルキノン、アニシルキノン、4,4’−ジクロロベンジルキノンおよび4,4’−ジアルコキシベンジルキノン、およびショウノウキノンが、例示される。
熱による重合の開始剤としては、アゾ化合物(例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)もしくはアゾビス−(4−シアノバレリアン酸))、または、過酸化物(例えば、過酸化ジベンゾイル、過酸化ジラウロイル、過オクタン酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチルもしくはジ−(tert−ブチル)ペルオキシド)、更に、芳香族ジアゾニウム塩、ビススルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、アルキルリチウム、クミルカリウム、ナトリウムナフタレン、ジスチリルジアニオンが例示される。なかでもベンゾピナコールおよび2,2’−ジアルキルベンゾピナコールは、ラジカル重合のための開始剤として特に好ましい。
過酸化物およびα−ジケトンは、開始を加速するために、好ましくは、芳香族アミンと組み合わせて使用される。この組み合わせは、レドックス系とも呼ばれる。このような系の例としては、過酸化ベンゾイルまたはショウノウキノンと、アミン(例えば、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、p−ジメチル−アミノ安息香酸エチルエステルまたはその誘導体)との組み合わせである。更に、過酸化物を、還元剤としてのアスコルビン酸、バルビツレートまたはスルフィン酸と組み合わせて含有する系もまた好ましい。
次いで、これを、約100℃乃至約200℃で加熱処理すると、重縮合反応が起こり、多孔性支持膜表面にシランカップリング剤由来の分離機能層が形成された分離膜を得ることができる。加熱温度は、多孔性支持膜の素材にもよるが、高すぎると溶解が起こり、多孔性支持膜の細孔が閉塞するため、複合半透膜の造水量が低下する。一方、低すぎた場合には、重縮合反応が不十分となり、機能層の溶出により、除去率が低下するようになる。
なお、上記の製造方法において、シランカップリング剤とエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物とを高分子量化する工程は、シランカップリング剤の重縮合工程の前に行っても良いし、後に行っても良い。また、同時に行っても良い。
このようにして得られた分離膜は、このままでも使用できるが、使用する前に、例えば、アルコール含有水溶液、アルカリ水溶液によって、膜の表面を親水化させることが好ましい。
分離機能層の厚みは、限定されないが、分離性能と透過性能の点で、5nm以上3000nm以下であることが好ましい。特に、逆浸透膜、正浸透膜、ナノろ過膜では、5nm以上300nm以下であることが好ましい。
分離機能層の厚みの測定は、従来から使用されている分離膜の膜厚測定法により行うことができる。例えば、分離膜を樹脂による包埋後に、超薄切片を作製し、染色などの処理を行った後に、透過型電子顕微鏡により観察することで、厚みを測定することができる。測定値は、例えば、分離機能層がひだ構造を有する場合、多孔性支持膜より上に位置するひだ構造の断面長さ方向に50nm間隔で測定し、ひだの数を20個測定し、その平均から求めることができる。
多孔性支持膜を用いる場合、分離膜としての性能を保持しつつ分離機能層を支持する膜として用いることができる。
多孔性支持膜に使用する材料やその形状は、特に限定されないが、例えば、基材に多孔性支持体を形成した膜を例示することができる。多孔性支持体の素材としては、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂あるいはそれらを混合、積層したものが使用され、化学的、機械的、熱的に安定性が高く、孔径が制御し易いポリスルホンを使用することが好ましい。
例えば、上記ポリスルホンのN,N−ジメチルホルムアミド(以降、DMFと記載)溶液を、後述する基材、例えば、密に織ったポリエステル布あるいは不織布の上に一定の厚さに注型し、それを水中で湿式凝固させることによって、製造することができる。
多孔性支持膜は、”オフィス・オブ・セイリーン・ウォーター・リサーチ・アンド・ディベロップメント・プログレス・レポート”No.359(1968)に記載された方法に従って、上述した形態を得るために、ポリマー濃度、溶媒の温度、貧溶媒を調整し、製造することができる。
例えば、所定量のポリスルホンをDMFに溶解し、所定濃度のポリスルホン樹脂溶液を調製する。次いで、このポリスルホン樹脂溶液をポリエステル布あるいは不織布からなる基材上に略一定の厚さに塗布した後、一定時間空気中で表面の溶媒を除去した後、凝固液中でポリスルホンを凝固させることによって得ることが出来る。この時、凝固液と接触する表面部分などには、溶媒のDMFが迅速に揮散するとともにポリスルホンの凝固が急速に進行し、DMFの存在した部分を核とする微細な連通孔が生成される。
また、上記の表面部分から基材側へ向かう内部においては、DMFの揮散とポリスルホンの凝固は、表面に比べて緩慢に進行するので、DMFが凝集して大きな核を形成し易く、したがって、生成する連通孔が大径化する。勿論、上記の核生成の条件は、膜表面からの距離によって徐々に変化するので、明確な境界のない、滑らかな孔径分布を有する支持膜が形成されることになる。
この形成工程において用いるポリスルホン樹脂溶液の温度、ポリスルホンの濃度、塗布を行う雰囲気の相対湿度、塗布してから凝固液に浸漬するまでの時間、あるいは、凝固液の温度や組成等を調節することにより、平均空隙率と平均孔径を制御したポリスルホン膜を得ることができる。
多孔性支持膜としては、分離膜に機械的強度を与え、イオン等の分子サイズの小さな成分に対して、分離膜のような分離性能を有さないものであれば、孔のサイズや分布は、特に限定されない。例えば、均一で微細な孔、あるいは、分離機能層が形成される側の表面からもう一方の面まで徐々に大きな微細孔をもち、かつ、分離機能層が形成される側の表面で原子間力顕微鏡、電子顕微鏡などを用いて表面から測定された細孔の投影面積円相当径が1nm以上100nm以下であるような多孔性支持膜が好ましく使用される。特に、界面重合反応性、分離機能膜の保持性の点で3nm乃至50nmの投影面積円相当径を有することが好ましい。
多孔性支持膜の厚みは、特に限定されない。分離膜の強度、分離膜の高低差を形成させる点、供給水側流路の形態安定性の点で、多孔性支持膜の厚みは、20μm以上500μm以下の範囲にあることが好ましく、より好ましくは30μm以上300μm以下である。
多孔性支持膜の形態は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡、原子間顕微鏡により観察できる。例えば、走査型電子顕微鏡で観察するのであれば、基材から多孔質支持体を剥がした後、これを凍結割断法で切断して、断面観察のサンプルとする。このサンプルに、白金または白金−パラジウムまたは四塩化ルテニウム、好ましくは四塩化ルテニウムを薄くコーティングして3kV乃至6kVの加速電圧で、高分解能電界放射型走査電子顕微鏡(UHR−FE−SEM)で観察する。高分解能電界放射型走査電子顕微鏡としては、日立製S−900型電子顕微鏡などを使用することができる。
得られた電子顕微鏡写真から、多孔性支持膜の膜厚や表面の投影面積円相当径を決定する。多孔性支持膜の厚み、孔径は、平均値であり、多孔性支持膜の厚みは、断面観察で厚み方向に直交する方向に20μm間隔で測定し、20点測定の平均値である。また、孔径は、孔を200個カウントし、各投影面積円相当径の平均値である。
更に、分離膜の強度、寸法安定性、凹凸形成能の点で、基材を用いても良い。基材としては、特に限定されないが、分離膜の分離、透過性能を保持しつつ、適度な機械強度を与え、分離膜表面の高低差を制御する点で、繊維状基材が好ましく用いられる。
繊維状基材形成する材料としては、ポリオレフィン、ポリエステル、セルロースなどが用いられる。分離膜の高低差を形成させる点、形態保持性の点で、ポリオレフィン、ポリエステルが好ましい。また、基材としては、複数の素材を混合させたものも使用することができる。
透過流体収集管2は、一方向(図1に示すx軸方向)に長い円筒部材である。透過流体収集管2の側面には、複数の流体収集孔2aが設けられている。透過流体流路5に沿って流れる透過流体は、これらの複数の流体収集孔2aを通り、透過流体収集管2の内側へと収集される。
分離膜3は、所望の分離性能を有する膜であれば良い。分離膜3として適用可能な膜の例については、後述する。分離膜3は、原流体101に接する面31と透過流体102に接する面32を有する。
原流体流路4は、分離膜3の原流体に接する面31に設けられる。分離膜3の原流体に接する面31は、その表面から厚さ方向に、分離膜3を形成している樹脂体の密度が比較的高い領域と、低い領域とを有する。
透過流体流路5は、従来汎用されている流路材を用いて形成することができる。この場合の流路材としては、例えば、トリコット等の編み物がある。透過流体流路5は、分離膜対6における隣り合う分離膜3の透過流体に接する面32に設けられている。透過流体流路5を形成する前記部材は、透過流体流路を形成できる他の部材に変更可能である。また、分離膜3として、その表面に凹凸が形成された分離膜を用いることで、この凹凸により透過流体流路5を形成することができる。この場合、前記の流路材を省略することができる。透過流体流路の形成の仕方の詳細および他の例については、後述する。
隣り合う二つの分離膜対6は、分離膜の透過流体に接する面32が、互いに対向する状態で重ねられ、分離膜対の層を形成している。各分離膜対6の平面における形状は、長方形である。隣り合う二つの分離膜対6の間は、三辺において閉じられ、残りの一辺(透過流体収集管2に沿う一辺)において開口されている。
各分離膜対6は、前記一辺における開口が、透過流体収集管2に向くように配置された上で、透過流体収集管2の周囲に巻き付けられている。分離膜エレメント1においては、複数の分離膜対6が重なるように巻回され、巻回体3aを形成している。各分離膜対6の内側の面は、原流体に接する面31であり、各分離膜対6における隣り合う分離膜3は、原流体に接する面31が互いに向かい合う状態で分離膜対6を形成している。つまり、各分離膜対6における隣り合う分離膜3の間には、原流体流路4が形成され、各分離膜対6の外側には、透過流体流路5が形成されている。
上流側端板7は、分離膜対6の巻回体3aの上流側端部21に取り付けられ、下流側端板8は、分離膜対6の巻回体3aの下流側端部22に取り付けられている。
なお、スパイラル型分離膜エレメント1は、上述した以外の部材を備えることができる。例えば、分離膜の巻回体3aの周囲は、フィルム等の他部材で覆われていても良い。
原流体101は、上流側端板7を介して、分離膜3の原流体に接する面31に供給される。分離膜3を透過した透過流体102は、隣り合う分離膜対6の間に形成された透過流体流路5を通り、透過流体収集管2に設けられている流体収集孔2aから透過流体収集管2の内部へと流れ込む。透過流体収集管2を流れた透過流体102は、下流側端板8の外側、すなわち、分離膜エレメント1の外部へと導出される。濃縮流体103は、原流体に接する面31の間の原流体流路5を通って、下流側端板8から、分離膜エレメント1の外部へと排出される。こうして、原流体101は、透過流体102と濃縮流体103とに分離される。
スパイラル型分離膜エレメント1に含まれる複数の分離膜対6のそれぞれは、二枚の分離膜3が、原流体に接する面31が互いに対向した状態で積層され、原流体に接する面31の透過流体収集管2の長手方向に平行、かつ、透過流体収集管2に近い側の分離膜端部同士が封止材9(図3参照)により封止されて形成されている。二枚の分離膜3は、分離膜3の原流体に接する面31同士が互いに対向するように積層されている。また、分離膜3において、透過流体収集管2の長手方向に平行な端部であって、かつ、透過流体収集管2に近い側の分離膜端部の、原流体に接する面31同士が封止される。このような封止によって分離膜対6が作製されるため、分離膜の対を形成するに当っても、従来のように、長尺の分離膜を折りたたむ必要がない。
従来の折りたたみ方式の分離膜では、折り目の部分に、分離膜の撓みが生じる。しかし、スパイラル型分離膜エレメント1に含まれる複数の分離膜対6は、端部が封止材9により封止されているため、その部分における分離膜の撓みの問題が解消されている。折りたたむ工程が存在すると、分離膜3の折りたたみが不十分である場合に、折り目近傍で分離膜3が撓み、巻回してスパイラル型分離膜エレメントとした場合に、折り目部分に空隙が生じて、流体のリーク発生する場合がある。流体のリークが発生すると、分離膜対回収率が低下する問題が生じる。
分離膜対回収率とは、スパイラル型分離膜エレメントの水中におけるエアーリークテストを行い、エアーリークが発生した分離膜対の数をカウントして、式:(エアーリークが発生した分離膜対の数/評価に供した分離膜対の数)により算出される値の百分率である。具体的なエアーリークテスト方法としては、スパイラル型分離膜エレメントの透過水収集管の端部を封止し、もう一方の端部からエアーを注入する方法がある。注入されたエアーは、透過水収集管の孔を通過して、分離膜対の透過水側に到達する。上記のように、分離膜の折りたたみが不十分で折り目近傍で分離膜に撓みが生じることで、その部分に空隙が存在すると、エアーがその空隙に流入する。その結果、分離膜対の原流体側へエアーが移動し、分離膜エレメント端部の原流体側から、エアーが水中へと流出する。
具体的には、二枚の分離膜3を、互いの原流体に接する面31が対になるよう、すなわち、対向するように積層する。このときに、積層した分離膜3の間に、流路材を配置して、原流体流路4を形成しても良く、あるいは、予め、原流体に接する面31に、凹凸などにより高低差が形成された分離膜3を用い、この高低差により、原流体流路4を形成することもできる。
この封止材を用いる方法であれば、分離膜に折り目が存在しないため、折り目近傍で分離膜が撓みにくい。したがって、この封止材を用いる方法であれば、上述したような空隙が生じにくい。
封止する方法としては、接着剤や接着テープ、熱接着フィルムなどによる接着、ゴム製やシリコン製と云ったシートなどを挟みこむ方法、加熱やレーザー、超音波などによる溶着等が挙げられる。しかし、加熱による溶着の場合、分離膜の機能層や多孔性支持膜を200℃以上で処理する必要があり、溶着部の周辺が劣化あるいは破壊されて、分離膜としての機能が低下することがある。同様に、レーザーや超音波による溶着でも、溶着部の周辺が劣化あるいは破壊されることがある。ただし、溶着部では、原流体が届くことがないため、分離機能を必要とせず、溶着が不十分でない限り、熱劣化の影響は考慮しなくて良い。結論としては、封止材を用いた接着による封止が、封止の完全性、簡便性から、好ましい。
封止材とは、シートや接着剤と云った分離膜対6における隣り合う分離膜3の間、すなわち、透過流体収集管2の長手方向に平行、かつ、透過流体収集管2に近い側の分離膜の端部の原流体に接する面31同士を密封できる材料を指す。接着とは、分離膜3を瞬間接着剤や2液混合タイプ、ホットメルト系、熱可塑性樹脂系、熱硬化性樹脂系、エマルジョン系、エラストマー系を含む公知の接着剤で接着させることを指し、溶着とは、分離膜3を熱によって溶かし、加圧して冷却することで接着させることを指す。
封止材9(図3を参照)としては、スパイラル型分離膜エレメント1の酸やアルカリなどの薬液洗浄に耐えるものであれば、特に限定されない。市販されている封止材を用いることができる。エチレン酢酸ビニル共重合体やポリエチレン、ポリアミドなどを主成分とし、かつホットメルトとして使用される材料は、耐薬品性が高く、二枚の分離膜3から分離膜対6を短時間かつ簡便に作製できるため、好ましい。
図2(a)乃至(c)では、分離膜対の端部のうち、透過流体収集管2に沿う端部が先端Tとして示されている。図2の(a)に示すように折り目を有する分離膜対6aにおいては、図2の(b)に示すように、分離膜全体が、分離膜対6aの先端Tまで、つまり折り目部分が平らになるまで、下方側(つまり先端Tとは逆側)から広げられる。一方、図2の(c)に示すように、幅W1を有する封止材9により封止された分離膜対6においては、封止材9が設けられた領域、つまり分離膜対6の先端Tからの距離がW1以下の領域においては、分離膜は広がらない。
図3に示す上下の分離膜3を2枚重ね合わせて分離膜対6を作製する際の分離膜3の長手方向における封止材9の幅W1は、狭過ぎると、加圧ろ過を開始して原流体が流入したときの耐久性が不足し、原流体の一部が透過水側に流入する問題を生じる場合がある。封止材9の幅W1が広すぎると、耐久性は増すものの、分離に関わる分離膜3の面積(すなわち、有効膜面積)が、低減する。そのため、これらのバランスを考慮すると、封止材9の幅W1は、5mm以上100mm以下であることが好ましい。封止材9の幅W1は、10mm以上100mm以下であることがより好ましい。
また、図4に示す上下の分離膜3の間に形成される封止材9の高さ(厚さ)Hが低すぎると、原流体が流入したときの分離膜対6の膨らみに、封止材6による接着部が耐えきれず、破損や膜に傷が生じる場合がある。封止材9の高さ(厚さ)Hが高すぎると、スパイラル型分離膜エレメント1に装填できる分離膜対6の数が少なくなる。そのため、封止材9の高さ(厚さ)Hは、5μm以上500μm以下が好ましく、10μm以上200μm以下が更に好ましい。
流体流路を流路材で形成する態様は、特に限定されない。高圧下での運転でも良好に分離膜エレメントとして機能することを前提に、塩濃度が高い海水をろ過する場合に、流体流路を流路材で形成することが特に好ましい。一方、流体流路を分離膜の表面に高低差を付与して形成した分離膜は、分離膜の原流体側や透過流体側での流体の流動抵抗が小さくなるため、特に高い造水性能が要求されるかん水をろ過する場合に、好ましく用いられる。
溝部を通して透過流体を透過流体収集管2の側辺まで導き、溝部間の凸部で分離膜を支える構造を有したトリコットのような透過流体流路5を形成する流路材、または、分離膜の透過流体側において、透過流体収集管2の長手方向に平行、かつ、透過流体収集管2に近い側の分離膜の端部を除いて、接着剤や熱融着、ゴム製シートなどにより透過流体側同士を封止させて積層して分離膜層を形成し、この分離膜層をスパイラルに巻囲してスパイラル型分離膜エレメント1を作製した場合、上記のようなリークの問題がほとんど発生しない。
スパイラル型分離膜エレメント1に積層されて装填される分離膜対6の数は、本発明の効果が達成される範囲で、適宜選定される。それらの中に、本発明の効果を損なわない範囲であれば、従来の折りたたみ構造の分離膜対が含まれていても良い。
流体流路を形成するために、分離膜の表面に高低差を有する部分、例えば、凹凸を形成する方法は、特に限定されない。例えば、エンボス成形、水圧成形、カレンダ加工などによる凹凸形成方法が挙げられる。エンボス成形、水圧成形、カレンダ加工の場合では、分離膜の成形後に、40℃乃至150℃で分離膜に熱処理を施すことで、形成された凹凸形状の保持性を向上させることができる。
ロールエンボス加工を実施する際の圧力や処理温度は、分離膜3を構成する樹脂の融点に応じて、適宜決定される。例えば、エポキシ樹脂の多孔性樹脂が用いられている場合では、線圧10kg/cm以上60kg/cm以下の加圧であることが好ましく、加熱温度40℃以上150℃以下の熱処理温度であることが好ましい。また、ポリスルホン等の耐熱性樹脂の多孔性樹脂が用いられている場合、線圧10kg/cm以上70kg/cm以下の加圧であることが好ましく、ロール加熱温度70℃以上160℃以下の熱処理温度が好ましい。ロールエンボス加工の場合は、加工した分離膜の巻き取り速度は、1m/分以上20m/分以下であることが好ましい。
エンボス加工を施す場合、ロールの表面の柄の形状は、特に限定されない。流体流路の流体の流動抵抗を少なくし、かつ、スパイラル型分離膜エレメント1に原流体を供給し、分離膜を透過させた際の流体流路を安定化させることが重要である。これらの点から、分離膜の表面上部から観察した凹凸の凸部面の形状は、楕円、円、長円、台形、三角形、長方形、正方形、平行四辺形、菱形、不定形があり、立体的には、表面上部からの形をそのまま底面方向に賦形したもの、広がる形で賦形したもの、狭める形で賦形したものがある。
分離膜3の原流体側の表面に、高低差が80μm以上1000μm以下の連続した凸部、または、不連続に位置する凸部を配置させる場合について、説明する。分離膜の原流体側の表面に高低差が存在することで、流体流路が確保され、原流体側の流路材を省略することができる。
連続した凸部とは、ネット、フィルムなどのように投影した際に、凸部を形成している構成素材が、連続的に位置している凸部を云う。
不連続に位置する凸部とは、配列されている複数の凸部において、隣り合う凸部の間に凸部が欠損している複数の凸部を云う。例えば、ドット、ストライプなどのように、素材同士が不連続に配置されるものを云う。複数の凸部は、ドットあるいはストライプであることが好ましく、その中で、ドットが特に好ましい。
ドットの場合、高さは、0.1mm以上2.0mm以下、径は、0.1mm以上5.0mm以下、間隔は、0.2mm以上20.0mm以下の千鳥、もしくは、格子配列が好ましい。高さが、0.2mm以上1.0mm以下、径が、0.5mm以上1.0mm以下、間隔が、1.0mm以上15.0mm以下の千鳥、もしくは、格子配列がより好ましい。
凸部を配置する場所は、特に限定されない。分離膜を対にし、スパイラル型分離膜エレメント1に組み込んだ際に、透過流体収集管2の長手方向の両側の帯状端部に、少なくとも配置されていることが好ましい。そうすることにより、分離膜3を封筒状、すなわち、分離膜対6にした場合に、膜ずれを防止することができる。この観点から、凸部の塗布幅、すなわち、帯状端部の幅は、端部から10.0mm以上100.0mm以下であることが好ましく、5.0mm以上70.0mm以下であることがより好ましい。
ここで云う連続とは、実質的に流路材の全範囲において連続であれば良いものとし、造水量が低下するなど本発明の効果を損なわない程度で、流路材の一部が不連続となる箇所が含まれていても良いものとする。
また、連続状の凸部または不連続状の凸部は、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ウレタン、エポキシ樹脂などの熱可塑性樹脂で形成されていることが好ましい。特に、加工性と費用の点から、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂などのポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂で形成されていることがより好ましい。100℃以下での加工が可能なエチレン酢酸ビニル共重合樹脂などのポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂で形成されていることが、特に好ましい。
連続状の凸部または不連続状の凸部の形成方法は、分離膜の原流体側の帯状端部に、目的のパターンで形成できる方法であれば、特に限定されない。例えば、ノズル法、スクリーン法、グラビア法などが挙げられる。
連続状の凸部または不連続状の凸部を形成するための樹脂の塗布工程は、特に限定されない。分離膜を作製する前の段階で支持膜を加工する工程、支持膜、基材を積層した積層体を加工する工程、分離膜を加工する工程で樹脂を塗布する方法を好適に採用することができる。
高低差を付与する方法の組み合わせとして、分離膜の原流体側の全域に亘り、エンボス加工を施しても良く、エンボス加工に加えて、粒状物のような異なった素材を不連続に配置させることや、異なった素材のみを不連続に配置させても良い。
不連続状の凸部であれば、従来のネットのような連続状の凸部の場合と流体の流動抵抗がほぼ同等でありながら、少量の流路材で、安定な流体流路を確保することができる。ここで、不連続とは、エレメントを構成する分離膜対6において、少なくとも不連続となる部分を有することを意味し、ネット、フィルムなどのように投影した際に構成素材が連続的に形成されるものではなく、例えば、粒状、線状などのように、素材同士が不連続に配置されるものを意味する。換言すれば、不連続とは、部材の間を流体が流れることができる程度に、隣り合う部材の距離が離れていることを意味する。
異なった素材とは、分離膜3で使用される材料とは異なる組成、あるいは、大きさを有する材料を意味し、分離機能層、多孔性支持膜、基材を成形し、高低差を付与した際の分離膜中のいずれの素材とも異なる組成物、径、形状のいずれかを満足するものであれば、特に限定されない。
分離膜3の透過流体側に、不連続または連続に、異なる素材を配置させる方法は、特に限定されない。ネット、トリコットの他にも、ホットメルト加工、印刷、噴霧などにより、不連続または連続状物を配置させることができる。
上述した方法で付与される分離膜3の原流体側の高低差は、分離特性や原流体透過性能が要求される条件を満足でき、例えば、エンボス加工であれば、加圧熱処理条件を、また、ホットメルト法で、不連続に異なる素材を配置させる場合であれば、処理温度を変更することで、自由に調整することができる。しかしながら、分離膜3の原流体側の高低差が大きすぎると、流体の流動抵抗は小さくなるが、エレメント化した場合に、巻回体3aに充填できる膜分離膜対の数が、少なくなる。高低差が小さいと、流体流路の流体の流動抵抗が大きくなり、分離特性や原流体の透過性能が低下する。そのため、エレメントの造水能力が低下し、造水量を増加させるための運転コストが高くなる。
従って、上述した各性能のバランスや運転コストを考慮すると、スパイラル型分離膜エレメント1においては、分離膜の原流体側の高低差は、80μm以上1000μm以下であることが好ましく、100μm以上500μm以下であることが更に好ましい。
一方、透過流体側では、原流体側に比べて、透過流体の流量が少ないために、流体の流動抵抗の影響が小さい。そのため、分離膜の透過流体側の高低差は、50μm以上500μm以下であることが好ましく、100μm以上300μm以下であることがより好ましい。これを満足するものとして、トリコットのような流路材、あるいは、ホットメルト加工、印刷、噴霧などによって形成される不連続または連続状の凸部がある。分離膜の透過流体側に高低差が存在することで、流体流路を確保することができ、透過流体側における流路材を省略することができる。
分離膜の原流体側の面(表面)および/または透過流体側の面(裏面)における高低差は、市販されている形状測定システムなどを用いて計測できる。例えば、レーザー顕微鏡により得られる断面における高低差を、キーエンス製高精度形状測定システムKS−1100などで測定することができる。測定値は、任意の高低差が存在する箇所について実施し、各高さの値を総和した値を測定総箇所の数で割って求めることができる。
溝幅によって、流体の流動抵抗が変化するが、分離特性や原流体の透過性能のバランスや運転コストを考慮して、溝幅を決定することができる。溝幅は、0.2mm以上10mm以下であることが好ましく、0.5mm以上3mm以下であることがより好ましい。溝のピッチは、溝幅の10分の1倍以上50倍以下の間で適宜設計すると良い。溝幅とは、高低差が存在する表面で沈下している部位のことである。ピッチとは、高低差が存在する表面における高い箇所の最も高いところから近接する高い箇所の最も高い箇所までの水平距離のことである。
分離膜の表面上部および/または下部の観察面積(2次元面積)に対する、分離膜の原流体側表面および/または透過流体側表面に存在する高低差の中心線よりも表面上部および/または下部方向に高い位置を有する凸面積の比率は、分離特性や原流体の透過性能が要求される条件を満足するように、自由に調整できる。この比率が高すぎると、流体の流動抵抗が大きくなりすぎて、エレメント化した場合、造水量が小さくなる。一方、比率が低すぎると、流体の流動抵抗は小さくなるが、流体の流動の均一化が困難となり、濃度分極が生じて、エレメントの性能が低下する。このような観点から、比率は、分離膜の表面上部の観察面積(2次元面積)に対して、5%以上95%以下であることが好ましく、流体の流動抵抗と流体流路の安定性の点で、35%以上85%以下であることが特に好ましい。なお、この比率を凸面積率と定義する。
スパイラル型分離膜エレメント1の製造方法は、限定されない。ポリアミド分離機能層を多孔性支持膜、基材に積層し、分離膜を得た後に、原流体側に、連続流路材、透過流体側に、不連続流路材を配置して、エレメントを製造する代表的な方法について述べる。なお、透過流体側に、不連続流路材を配置する際の成形工程などは、前述したように、分離膜製膜工程の前、途中、後のいずれにおいても取り入れることが可能である。
多孔性支持膜と基材を複合した後、多孔性支持膜に、多官能アミン水溶液を塗布し、余分なアミン水溶液をエアーナイフなどで除去した後、多官能酸ハロゲン化物含有溶液を塗布し、ポリアミド分離機能層を形成させる。有機溶媒は、水と非混和性であり、かつ、多官能酸ハロゲン化物を溶解し、多孔性支持膜を破壊しないものが望ましく、多官能アミン化合物および多官能酸ハロゲン化物に対して不活性であるものであれば良い。好ましい例として、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカンなどの炭化水素化合物が挙げられる。
更に、必要に応じて、分離性能、透過性能を高めるべく、塩素、酸、アルカリ、亜硝酸などの化学処理を施し、更に、モノマー等を洗浄し、分離膜シートを得る。
その後、得られた分離膜シートの原流体側に、エンボス加工で、高低差を付与したり、ホットメルト法などによって、連続および/または不連続路材を配置させたりする。透過流体側には、連続および/または不連続路材を配置し、従来のエレメント製作装置を用いて、分離膜対の数が26枚、分離膜対の有効面積が37mの2インチエレメントを作製する。エレメント作製方法としては、例えば、JP44−014216B、JP04−011928A、あるいは、JP11−226366Aに記載されている方法を用いることができる。
26枚の分離膜対6は、重ねられ、透過流体収集管2の周囲に巻き付けられながら、貼り合わされる。分離膜対6同士の接着に用いられる接着剤は、粘度が40PS(POISE)以上150PS以下の範囲内であることが好ましく、50PS以上120PS以下の範囲内であることがより好ましい。接着剤粘度が高すぎる場合には、積層したリーフを透過流体収集管2に巻囲する際に、シワが発生し易くなって、スパイラル型分離膜エレメント1の性能が損なわれ易くなる。逆に、接着剤粘度が低すぎる場合は、リーフの端部(接着面部分)から接着剤が流出して、装置を汚す他、不要な部分に接着剤が付着して、スパイラル型分離膜エレメント1の性能を損なうと共に、流出した接着剤の処理作業により作業効率が著しく低下する。
接着剤としては、ウレタン系接着剤が好ましく、粘度を40PS以上150PS以下の範囲とするには、主剤のイソシアネートと硬化剤のポリオールとを、イソシアネート:ポリオール=1:1乃至1:5の割合で混合すると良い。接着剤の粘度は、予め主剤、硬化剤単体、および、配合割合を規定した混合物の粘度をB型粘度計(JIS K 6833)で測定したものである。
このように製造される本発明のスパイラル型分離膜エレメントは、更に、直列または並列に接続して圧力容器に収納した分離膜モジュールとすることもできる。
上記のスパイラル型分離膜エレメント(モジュール)は、それらに流体を供給するポンプや、その流体を前処理する装置などと組み合わせて、流体分離装置を構成することができる。この分離装置を用いることにより、例えば、原流体である原水を、透過流体である透過水と分離膜を透過しなかった濃縮流体である濃縮水とに分離して、目的にあった透過水、例えば、飲料水を得ることができる。
流体分離装置の操作圧力は高い方が、除去すべき成分の除去率は向上するが、運転に必要なエネルギーも増加する。また、膜エレメントの原流体流路、透過流体流路の保持性を考慮すると、膜モジュールに、原流体である被処理水を透過させる際の操作圧力は、0.2MPa以上、5MPa以下であることが好ましい。被処理水の温度は、高くなると塩除去率が低下するが、低くなるに従い、膜透過流束も減少するので、5℃以上、45℃以下であることが好ましい。また、被処理水pHは、高くなると海水などの高塩濃度の被処理水の場合、マグネシウムなどのスケールが発生する恐れがあり、また、高pH運転による膜の劣化が懸念されるため、中性領域での運転が好ましい。
スパイラル型分離膜エレメントによって処理される流体は、特に限定されない。エレメントを水処理に使用する場合、原水としては、海水、かん水、排水等の500mg/L乃至100g/LのTDS(Total Dissolved Solids:総溶解固形分)を含有する液状混合物が挙げられる。一般に、TDSは、総溶解固形分量を指し、(質量/体積)の値で表されるか、あるいは、1Lを1kgと見なす場合は重量比で表される。定義によれば、0.45μmのフィルターで濾過した溶液を、39.5℃乃至40.5℃の温度で蒸発させたときの残留物の重さから算出できるが、より簡便には、実用塩分(S)から換算することができる。
以下に、いくつかの実施例を用いて本発明を更に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(分離膜透過水側の高低差)
キーエンス製高精度形状測定システムKS−1100を用い、5cm×5cmの大きさで切り取った分離膜透過水側の測定結果から、平均の高低差を解析した。10μm以上の高低差のある箇所を測定し、各高さの値を総和した値を測定総箇所の数で割って求めた。
(脱塩率(TDS除去率))
式:TDS除去率(%)=100×{1−(透過水中のTDS濃度/供給水中のTDS濃度)}に基づき求めた。
なお、1時間後の測定値と8時間後の測定値で、0.1%以上の変化があった場合に、その結果を付記した。
(造水量)
供給水(かん水)のスパイラル型分離膜エレメント透過水量を、原水500mg/L食塩、運転圧力0.7MPa、運転温度25℃、スパイラル型分離膜エレメント当り、1日当りの透水量(立方メートル)を造水量(m/日)とした。なお、1時間後の測定値と8時間後の測定値が1m/日以上となった場合に、その旨を付記した。
(分離膜対回収率)
スパイラル型分離膜エレメントを水中に浸漬させて圧力空気(0.3MPa)を供給し、気泡が3分以上発生する場合を、リークとみなした。リークが発生した分離膜対数をカウントして、エアーリークが発生した(分離膜対数/評価に供した分離膜対数)の値を回収率とした。
ポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布(糸径:1デシテックス、厚み:約90μm、通気度:1cc/cm/sec)上に、ポリスルホンの15.0重量%のDMF溶液を、180μmの厚みで、室温(25℃)にて、キャストし、直ちに純水中に浸漬して5分間放置することによって、繊維補強ポリスルホン支持膜からなる多孔性支持膜(厚さ130μm)ロールを作製した。
その後に、多孔性支持膜ロールから多孔性支持膜を巻きだし、ポリスルホン表面に、m−PDA1.8重量%、ε−カプロラクタム4.5重量%の水溶液を塗布し、エアーノズルから窒素を吹き付け、支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた後、トリメシン酸クロリド0.06重量%を含む25℃のn−ヘキサン溶液を、表面が完全に濡れるように、塗布した。その後、膜から、余分な溶液をエアーブローで除去し、50℃の熱水で洗浄して、3.5%のグリセリン水溶液に1分浸漬した後、100℃の熱風オーブンで1分間処理し、半乾燥状態の分離膜ロールを得た。
次に、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(TEX YEAR INDUSTRIES INC.製、商品名:703A)をホットメルトし、分離膜ロールの分離膜表面(供給水側)端部両側に対して、ピッチ7.0mmで、直径1.0mm、高さ400μmのドットを、幅50mmで格子状に塗布した。
得られた2枚の分離膜(各分離膜は、集水管長手方向における分離膜幅W2:300mm×集水管長手方向と垂直方向における分離膜長さL:955mmの面積を有する)を供給水側同士が対面になるように配置し、接着剤(東レ・ファインケミカル株式会社製、商品名 ケミットR−248)を封止材として用い、幅W1:10mmで接着させて分離膜対を得た。
次に、透過水側の流路材として、トリコット(厚み:300μm、溝幅:200μm、畦幅:300μm、溝深さ:105μm)を分離膜の透過水側の表面に積層し、次いで、断裁して、分離膜を供給水側が対面になるように積層して、透過水側の流路材を配置させた分離膜対を、スパイラル型分離膜エレメントでの有効面積が1.0mになるように、集水管の長手方向に垂直な方向における分離膜長さL930mmの2枚の分離膜対を作製した。ここで、分離膜の透過水側における高い箇所の最も高いところから近接する高い箇所の最も高い箇所までの水平距離を200個についてカウントし、その平均値をピッチとした。
その後、透過水側流路材の端部を集水管に巻き付けながら、26枚の分離膜対状物を、スパイラル状に巻き付けたスパイラル型分離膜エレメントを作製し、得られた巻回体の外周に、フィルムを巻き付け、テープで固定した後に、エッジカット、端板取り付け、フィラメントワインディングを行い、2インチエレメントを作製した。
得られたエレメントを圧力容器に入れて、原水500mg/L食塩、運転圧力0.7MPa、運転温度25℃、pH7で運転(回収率15%)したところ、造水量および脱塩率は、0.81m/日および98.7%、分離膜対回収率は、99.4%であった。
表1に、分離膜の加工条件およびエレメント性能を示す。
実施例2では、端部両側に配置したドットの間に、エンボス加工を施した以外は、全て実施例1と同様に、分離膜ロールを作製した。実施例1と同じ方法で、2インチエレメントを作製し、実施例1と同じ条件で運転したところ、造水量および脱塩率は、0.79m/日および97.9%、分離膜対回収率は、99.1%であった。表1に、分離膜への高低差付与条件およびエレメント性能を示す。
実施例3では、トリコットに替えて、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(TEX YEAR INDUSTRIES INC.製、商品名:703A)を分離膜にホットメルトし、高さ230μmのドットを形成して、分離膜透過水側に高低差を付与した(ドット加工)した以外は、全て実施例1と同様に、分離膜ロールを作製した。実施例1と同じ方法で、2インチエレメントを作製し、実施例1と同じ条件で運転したところ、造水量および脱塩率は、0.82m/日および98.5%、分離膜対回収率は、99.2%であった。表1に、分離膜への高低差付与条件およびエレメント性能を示す。
実施例4では、全て実施例1と同様に、分離膜ロールを作製した。そして、封止材の幅W1を90mmとした以外は、実施例1と同じ方法で、2インチエレメントを作製し、実施例1と同じ条件で運転したところ、造水量および脱塩率は、0.73m/日および98.8%、分離膜対回収率は、99.5%であった。表1に、分離膜の加工条件およびエレメント性能を示す。
実施例5では、分離膜ロールの分離膜表面(供給水側)端部両側に対してホットメルトを実施せず、流路材として、ネットを使用した以外は、全て実施例1と同様に、分離膜ロールを作製した。実施例1と同じ方法で、2インチエレメントを作製し、実施例1と同じ条件で運転したところ、造水量および脱塩率は、0.75m/日および98.8%、分離膜対回収率は、99.0%であった。表1に、分離膜の加工条件およびエレメント性能を示す。
実施例6では、分離膜ロールの分離膜表面(供給水側)端部両側に対してホットメルトを実施せず、流路材として、ネットを使用した以外は、全て実施例5と同様に、分離膜ロールを作製した。実施例1と同じ方法で、2インチエレメントを作製し、実施例1と同じ条件で運転したところ、造水量および脱塩率は、0.69m/日および98.9%、分離膜対回収率は、99.2%であった。表2に、分離膜の加工条件およびエレメント性能を示す。
比較例1
比較例1では、分離膜ロールを全て実施例1と同様に作製した。そして、断裁工程を従来の折りたたみ断裁にした以外は、実施例1と同じ方法で、2インチエレメントを作製し、実施例1と同じ条件で運転したところ、造水量および脱塩率は、0.82m/日および98.0%、分離膜対回収率は、94.5%であった。表2に、分離膜への高低差付与条件およびエレメント性能を示す。
比較例2
比較例2では、分離膜ロールを全て実施例1と同様に作製した。そして、断裁工程を従来の折りたたみ断裁にし、分離膜の供給水側流路材として、ネット(厚み:900μm、ピッチ:3mm×3mm)以外は、実施例1と同じ方法で、2インチエレメントを作製し、実施例1と同じ条件で運転したところ、造水量および脱塩率は、0.74m/日および98.8%、分離膜対回収率は、93.6%であった。表2に、分離膜への高低差付与条件およびエレメント性能を示す。
比較例3
比較例3では、分離膜ロールを全て実施例1と同様に作製した。そして、断裁工程をホットプレス(両面プレス、圧力:1.0MPa、温度:250℃)にした以外は、実施例1と同じ方法で、2インチエレメントを作製し、実施例1と同じ条件で運転したところ、造水量および脱塩率は、0.85m/日および85.0%、分離膜対回収率は、15.6%であった。表2に、分離膜への高低差付与条件およびエレメント性能を示す。
比較例4
比較例4では、分離膜ロールを全て実施例1と同様に作製した。そして、断裁工程を粘着テープにした以外は、実施例1と同じ方法で、2インチエレメントを作製し、実施例1と同じ条件で運転したところ、造水量および脱塩率は、0.83m/日および67.2%、分離膜対回収率は、7.5%であった。表2に、分離膜への高低差付与条件およびエレメント性能を示す。
以上のように、本発明のスパイラル型分離膜エレメントは、高造水性能を有し、運転安定性に優れ、優れた除去性能を有している。
本発明のスパイラル型分離膜エレメントは、特に、かん水や海水の脱塩に好適に用いることができる。
1 スパイラル型分離膜エレメント
2 透過流体収集管(集水管)
2a 流体収集孔(集水孔)
2b 透過流体収集管の一端部(集水管の一端部)
21 巻回体の上流側端部
22 巻回体の下流側端部
3 分離膜
3a 巻回体
31 原流体に接する面(分離膜の供給水側の面)
32 透過流体に接する面(分離膜の透過水側の面)
4 原流体流路(供給水側流路)
5 透過流体流路(透過水側流路)
6 分離膜対
7 上流側端板
8 下流側端板
9 封止材
101 原液流体
102 透過流体
103 濃縮流体
H: 封止材の高さ(厚さ)
L: 透過流体収集管(集水管)の長手方向に垂直な方向における分離膜長さ
T: 分離膜対の先端
W1 分離膜対を作製する際の封止材の幅
W2 透過流体収集管(集水管)の長手方向における分離膜の幅

Claims (5)

  1. (a−1)スパイラルに巻き上げられた分離膜を有する巻回体、
    (a−2)前記分離膜の一方の面に沿って設けられた原流体流路、
    (a−3)前記分離膜の他方の面に沿って設けられた透過流体流路、および、
    (a−4)透過流体収集管を含み、
    (a−5)前記原流体流路が、前記透過流体収集管に対し閉塞され、かつ、前記透過流体流路が、前記透過流体収集管に対し開放された状態で、
    (a−6)前記分離膜が、前記透過流体収集管の周囲にスパイラルに巻き上げられて、前記巻回体が形成され、
    (a−7)前記巻回体の一方の端部から、前記原流体流路に原流体が供給され、
    (a−8)前記巻回体の他方の端部から、前記分離膜を透過しなかった濃縮流体が排出され、
    (a−9)前記透過流体収集管を通じて、前記分離膜を透過した透過流体が導出されてなるスパイラル型分離膜エレメントにおいて、
    (b−1)隣り合う2枚の前記分離膜の前記原流体に接する面が互いに対向し、前記透過流体収集管側の双方の端部の間の前記原流体流路が、前記透過流体収集管に対し、前記分離膜の端部に設けられた封止材による接着で閉塞されて形成された分離膜対の少なくとも二組を有し、
    (b−2)前記各分離膜対が、前記透過流体収集管の周囲にスパイラルに巻き上げられることで、前記巻回体が形成され、
    (b−3)前記分離膜対の先端から、前記封止材の前記透過流体収集管の長手方向に直角な方向の幅が、5mm乃至100mmであるスパイラル型分離膜エレメント。
  2. 前記封止材の厚みが、5μm乃至500μmである請求項1に記載のスパイラル型分離膜エレメント。
  3. 前記原流体流路が、前記分離膜の表面に形成された凹凸、あるいは、前記分離膜の表面に沿って設けられた流路材で形成されている請求項1または2に記載のスパイラル型分離膜エレメント。
  4. 前記分離膜の表面に形成された前記凹凸の高低差、あるいは、前記分離膜の表面に沿って設けられた前記流路材の厚みが、80μm乃至1000μmである請求項3に記載のスパイラル型分離膜エレメント。
  5. (a)2枚の分離膜を、それぞれの原流体に接する面が互いに向かい合うように配置し、双方の分離膜の間に原流体流路を設け、前記原流体流路が閉塞されるように双方の分離膜の一辺の端部同士を封止材による接着で結合することで、分離膜対の少なくとも二組を用意する工程であって、前記分離膜対の先端から、前記封止材の前記透過流体収集管の長手方向に直角な方向の幅が、5mm乃至100mmである、分離膜対の作製工程と、
    (b)前記分離膜対の作製工程において作製された少なくとも二組の分離膜対を、それぞれの透過流体に接する面が互いに向かい合うように配置し、双方の分離膜対の間に透過流体流路を設け、該透過流体流路の前記分離膜の一辺と同じ側の一辺が開放された状態になるように重ねることで、分離膜対の積層体を用意する分離膜対の積層体の作製工程と、
    (c)前記分離膜対の積層体の作製工程において作製された分離膜対の積層体を、周面に透過流体の収集孔を有する透過流体収集管の周囲に、前記透過流体流路の開放されている部分が前記透過流体の収集孔に対応する状態で、巻き上げる巻回体作製工程と、
    を備える請求項1に記載のスパイラル型分離膜エレメントを製造するスパイラル型分離膜エレメントの製造方法。

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