JP2014144441A - 複合半透膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材および前記基材上に設けられる多孔性支持層を含む微多孔性支持膜と、前記多孔性支持層上に設けられる分離機能層とを備える複合半透膜であって、前記多孔性支持層が第1層、第2層及び第3層を有する多層構造であり、基材と多孔性支持層との剥離強度が1.0N/25mm以上である複合半透膜とする。
【選択図】なし
Description
(1)基材および前記基材上に設けられる多孔性支持層を含む微多孔性支持膜と、前記多孔性支持層上に設けられる分離機能層とを備える複合半透膜であって、
前記多孔性支持層が、基材上に形成される第1層と、前記第1層の上に形成される第2層と、前記第2層の上に形成される第3層とを有する多層構造であり、かつ、テンシロン引張試験機を用いて、25℃の温度条件下、10mm/minのつかみ移動速度で、剥離方向180°で前記基材から前記多孔性支持層を剥がしたときの剥離力の最大値を10回測定して得られた値の平均値である剥離強度が、1.0N/25mm以上である複合半透膜。
(2)前記第1層と前記第2層との界面及び前記第2層と前記第3層との界面が連続構造である上記(1)記載の複合半透膜。
(3)前記多孔性支持層が、前記基材上に第1層を形成する高分子溶液Aを塗布すると同時に第2層を形成する高分子溶液Bとさらに第3層を形成する高分子溶液Cとを塗布した後に、凝固浴に接触させて相分離させることで形成される上記(2)記載の複合半透膜。
(4)前記高分子溶液Aと前記高分子溶液Bの組成が異なり、前記高分子溶液Cと前記高分子溶液Bの組成が異なる上記(3)記載の複合半透膜。
(5)前記高分子溶液Aの固形分濃度a(重量%)および前記高分子溶液Cの固形分濃度c(重量%)よりも前記高分子溶液Bの固形分濃度b(重量%)が低濃度である上記(4)記載の複合半透膜。
(6)前記高分子溶液Aの固形分濃度a(重量%)、前記高分子溶液Bの固形分濃度b(重量%)、及び前記高分子溶液Cの固形分濃度c(重量%)が、a≧c>bの関係式を満たす、上記(4)または(5)記載の複合半透膜。
(7)前記基材が、ポリエステルを含有する長繊維不織布である(1)〜(6)のいずれかに記載の複合半透膜。
(8)NaClの濃度が3.5重量%、温度が25℃、pHが6.5の水溶液を5.5MPaの圧力で24時間透過させた後の造水量が1.6m3/m2/日以上、かつ脱塩率が99.85%以上である(1)〜(7)のいずれかに記載の複合半透膜。
複合半透膜は、基材および多孔性支持層を含む微多孔性支持膜と、前記多孔性支持層上に設けられた分離機能層とを備える。本発明の複合半透膜は、該基材と多孔性支持層との剥離強度が1.0N/25mm以上であることを特徴とする。ここで剥離強度とは、テンシロン引張試験機を用いて、25℃の温度条件下、10mm/minのつかみ移動速度で、剥離方向180°で基材から多孔性支持層を剥がしたときの剥離力の最大値を10回測定して得られた値の平均値である。
本発明において微多孔性支持膜は、基材と多孔性支持層とを備え、イオン等の分離性能を実質的に有さず、分離性能を実質的に有する分離機能層に強度を与えるための膜である。
具体的には、次の化学式に示す繰り返し単位を含むポリスルホンを用いると、孔径が制御しやすく、寸法安定性が高いため好ましい。
さらに、ポリマーの占める体積分率の低い多孔性支持層は、モノマー水溶液を保持できる空間を大きくなる反面、膜が剥がれやすくなり、圧力印加および通水(温度25℃、pH6.5の海水、操作圧力5.5MPa、24時間に渡ってろ過処理)を行うと、膜が圧縮され透過流速が低下してしまう。
分離機能層は、複合半透膜において溶質の分離機能を担う層である。分離機能層の組成および厚み等の構成は、複合半透膜の使用目的に合わせて設定される。
例えば、分離機能層は、ポリアミドを主成分として含有してもよい。分離機能層を構成するポリアミドは、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との界面重縮合により形成することができる。ここで、多官能アミンまたは多官能酸ハロゲン化物の少なくとも一方が3官能以上の化合物を含んでいることが好ましい。
分離機能層は、Si元素などを有する有機−無機ハイブリッド構造であってもよい。このような分離機能層を有機無機ハイブリッド膜とも称する。有機無機ハイブリッド膜は、成形性および耐薬品性の点で優れる。有機無機ハイブリッド構造を有する分離機能層の組成は、特に限定されないが、分離機能層は、例えば、(A)エチレン性不飽和基を有する反応性基および加水分解性基がケイ素原子に直接結合したケイ素化合物、ならびに(B)前記化合物(A)以外の化合物であってエチレン性不飽和基を有する化合物を含有することができる。具体的には、分離機能層は、化合物(A)の加水分解性基の縮合物ならびに化合物(A)および/または(B)のエチレン性不飽和基の重合物を含有してもよい。すなわち、分離機能層は、
・化合物(A)のみの重合物
・化合物(B)のみの重合物、並びに
・化合物(A)と化合物(B)との共重合物
のうちの少なくとも1種を含有することができる。なお、重合物には縮合物が含まれる。また、化合物(A)と化合物(B)との共重合体中で、化合物(A)は、加水分解性基を介して縮合していてもよい。
化合物(A)において、エチレン性不飽和基を有する反応性基はケイ素原子に直接結合している。このような反応性基としては、ビニル基、アリル基、メタクリロキシエチル基、メタクリロキシプロピル基、アクリロキシエチル基、アクリロキシプロピル基、スチリル基が例示される。重合性の観点から、メタクリロキシプロピル基、アクリロキシプロピル基、スチリル基が好ましい。
Si(R1)m(R2)n(R3)4−m−n ・・・(a)
(R1はエチレン性不飽和基を含む反応性基を示す。R2はアルコキシ基、アルケニルオキシ基、カルボキシ基、ケトオキシム基、ハロゲン原子またはイソシアネート基のいずれかを表す。R3はHまたはアルキル基を表す。m、nはm≧1、n≧1、m+n≦4を満たす整数である。R1、R2、R3それぞれにおいて2以上の官能基がケイ素原子に結合している場合、同一であっても異なっていてもよい。)
R2は加水分解性基であり、これらは上で説明したとおりである。R3に当てはまるアルキル基の炭素数としては1〜10のものが好ましく、さらに1〜2のものが好ましい。
加水分解性基としては、アルコキシ基が好ましい。加水分解性基がアルコキシ基であることで、分離機能層の形成において調製される反応液が、高い粘性を持つからである。
このようなケイ素化合物(A)としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシランが例示される。
エチレン性不飽和基は付加重合性を有する。このような基を有する化合物(B)としてはエチレン、プロピレン、メタアクリル酸、アクリル酸、スチレンおよびこれらの誘導体が例示される。
また、この化合物(B)は、複合半透膜を水溶液の分離などに用いたときに水の選択的透過性を高め、塩の阻止率を上げるために、酸基を有するアルカリ可溶性の化合物であることが好ましい。
次に、上記複合半透膜の製造方法について説明する。製造方法は、微多孔性支持膜の形成工程および分離機能層の形成工程を含む。なお、本発明の複合半透膜は、本書に記載された製造方法および各層の形成方法に限定されない。
微多孔性支持膜の形成工程は、基材に多孔性支持層の成分である高分子の溶液を塗布する工程、および前記溶液を塗布した前記基材を、高分子の良溶媒と比較して前記高分子の溶解度が小さい凝固浴に浸漬させて前記高分子を凝固させ、三次元網目構造を形成させる工程を含んでもよい。また、微多孔性支持膜の形成工程は、多孔性支持層の成分である高分子を、その高分子の良溶媒に溶解して高分子溶液を調製する工程を、さらに含んでいてもよい。
この場合において、固形分濃度aと固形分濃度bの差は0重量%を超え10重量%以下が好ましく、固形分濃度bと固形分濃度cの差は0重量%を超え10重量%以下が好ましい。
この場合において、固形分濃度aと固形分濃度bの差は0.5重量%〜10重量%が好ましく、固形分濃度bと固形分濃度cの差は0.5重量%〜10重量%が好ましい。
(ポリアミド分離機能層)
次に、複合半透膜を構成する分離機能層の形成工程の一例として、ポリアミドを主成分とする分離機能層の形成を挙げて説明する。ポリアミド分離機能層の形成工程では、前述の多官能アミンを含有する水溶液と、多官能酸ハロゲン化物を含有する水と非混和性の有機溶媒溶液とを用い、微多孔性支持膜の表面で界面重縮合を行うことにより、ポリアミド骨格を形成することができる。
次に、有機無機ハイブリッド分離機能層を多孔性支持層上に形成する方法について説明する。
分離機能層を形成するために、上記した化合物(A)以外に、上記したエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物(B)、および重合開始剤を含んだ反応液を用いることができる。具体的には、分離機能層は、この反応液を多孔性支持層上に塗布し、さらに加水分解性基を縮合することに加えて、エチレン性不飽和基の重合によって、これら化合物を高分子量化することで形成可能である。化合物(A)を単独で縮合させた場合、ケイ素原子に架橋鎖の結合が集中し、ケイ素原子周辺とケイ素原子から離れた部分との密度差が大きくなるため、分離機能層中の孔径が不均一となる場合がある。一方、化合物(A)自身の高分子量化および架橋に加え、化合物(B)を共重合させることで、加水分解性基の縮合による架橋点とエチレン性不飽和基の重合による架橋点が適度に分散される。このように適度に架橋点を分散させることで、均一な孔径を有する分離機能層が構成され、透水性能と除去性能のバランスが取れた複合半透膜を得ることができる。また、エチレン性不飽和基を1個以上有する化合物は、高分子量化していることで、複合半透膜の使用時に溶出しにくくなるので、膜性能低下を引き起こしにくい。
分離機能層は、化合物(A)および化合物(B)を含有する反応液を塗布する工程、溶媒を除去する工程、エチレン性不飽和基を重合させる工程、加水分解性基を縮合させる工程をこの順に行うことで形成可能である。エチレン不飽和基を重合させる工程において、加水分解性基が同時に縮合してもよい。
一級アミノ基と反応してジアゾニウム塩またはその誘導体を生成する化合物をポリアミド分離機能層に接触させる方法は、分離機能層表面と前記化合物が接触するならば、特に限定されず、公知の種々の方法を用いることができる。
本発明では、一級アミノ基と反応してジアゾニウム塩またはその誘導体を生成する化合物は、水溶液として用いることが好ましい。ニトロシル化合物や亜硝酸の水溶液は気体を発生して分解しやすいので、例えば亜硝酸塩と酸性溶液との反応によって亜硝酸を逐次生成するのが好ましい。一般に、亜硝酸塩は水素イオンと反応して亜硝酸を生成するが、20℃で水溶液のpHが7以下、好ましくは5以下、さらに好ましくは4以下で効率よく生成する。中でも、取り扱いの簡便性から水溶液中で塩酸または硫酸と反応させた亜硝酸ナトリウムの水溶液が特に好ましい。
一級アミノ基と反応してジアゾニウム塩またはその誘導体を生成する化合物溶液中の亜硝酸や亜硝酸塩の濃度は、好ましくは20℃において0.01〜1重量%の範囲である。0.01重量%よりも低い濃度では十分な効果が得られず、亜硝酸、亜硝酸塩濃度が1重量%よりも高いと溶液の取扱いが困難となる。
亜硝酸水溶液の温度は15℃〜45℃が好ましい。15℃未満であると反応に時間がかかり、45℃を超えると亜硝酸の分解が早く取り扱いが困難である。亜硝酸水溶液と一級アミノ基との接触時間は、ジアゾニウム塩が生成する時間であればよく、高濃度では短時間で処理が可能であるが低濃度であると長時間の接触が必要である。低濃度で長時間掛けてジアゾニウム塩を生成させると、生成したジアゾニウム塩が、反応性化合物と反応する前にジアゾニウム塩が水と反応するため、高濃度で短時間処理を行う方が望ましい。たとえば、2,000mg/リットルの亜硝酸水溶液では30秒から10分の処理を行うことが好ましい。
本発明の複合半透膜は、プラスチックネットなどの原水流路材と、トリコットなどの透過水流路材と、必要に応じて耐圧性を高めるためのフィルムと共に、多数の孔を穿設した筒状の集水管の周りに巻回され、スパイラル型の複合半透膜エレメントとして好適に用いられる。さらに、このエレメントは、直列または並列に接続されて圧力容器に収納されることで、複合半透膜モジュールを構成することもできる。
以下の実施例及び比較例では、ポリスルホンとしてソルベイアドバンストポリマーズ株式会社製ポリスルホンUDEL p−3500を用いた。
ポリスルホン17重量%のDMF溶液(高分子溶液A)およびポリスルホン20重量%のDMF溶液(高分子溶液B)とポリスルホン18重量%のDMF溶液(高分子溶液C)を、各溶媒および溶質の混合物を攪拌しながら90℃で2時間加熱保持することで調製した。
調製した高分子溶液はそれぞれ室温まで冷却し、別々の押出機に供給して高精度濾過した。その後、濾過した高分子溶液は三重スリットダイを介し、ポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布(糸径:1デシテックス、厚み:約90μm、通気度:1cc/cm2/sec)上に、高分子溶液A、高分子溶液B、高分子溶液Cの順で同時にキャストし、直ちに純水中に浸漬して5分間洗浄することによって微多孔性支持膜を得た。なお、各高分子溶液のキャストは、第1層の厚みが50μm、第2層の厚みが60μm、第3層の厚みが50μmとなるように行った。
得られた微多孔性支持膜を、m−PDAの4.0重量%水溶液中に2分間浸漬した後、膜面が鉛直になるようにゆっくりと引き上げた。エアーノズルから窒素を吹き付け支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた後、トリメシン酸クロリド0.12重量%を含む25℃のn−デカン溶液を膜表面が完全に濡れるように塗布した。1分間静置した後、膜から余分な溶液を除去するために膜面を1分間鉛直に保持して液切りした。その後、45℃の水で2分間洗浄することで、基材、多孔性支持層、およびポリアミド分離機能層を備える複合半透膜を得た。
実施例1において、高分子溶液Aとしてポリスルホン20重量%のDMF溶液を、高分子溶液Bとしてポリスルホン17重量%のDMF溶液を、高分子溶液Cとしてポリスルホン15重量%のDMF溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の複合半透膜を得た。
実施例1において、高分子溶液Aとしてポリスルホン20重量%のDMF溶液を、高分子溶液Bとしてポリスルホン15重量%のDMF溶液を、高分子溶液Cとしてポリスルホン20重量%のDMF溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の複合半透膜を得た。
実施例1において、高分子溶液Aとしてポリスルホン20重量%のDMF溶液を、高分子溶液Bとしてポリスルホン13重量%のDMF溶液を、高分子溶液Cとしてポリスルホン20重量%のDMF溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の複合半透膜を得た。
実施例1において、高分子溶液Aとしてポリスルホン20重量%のDMF溶液を、高分子溶液Bとしてポリスルホン13重量%のDMF溶液を、高分子溶液Cとしてポリスルホン20重量%のDMF溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして複合半透膜を得た。さらにこの複合半透膜を硫酸でpH3.0に調整した0.3重量%の亜硝酸ナトリウム水溶液に35℃で30秒浸漬した後、直ちに水浴中へ浸漬することで、実施例5の複合半透膜を得た。
実施例1において、高分子溶液Aとしてポリスルホン22重量%のDMF溶液を、高分子溶液Bとしてポリスルホン13重量%のDMF溶液を、高分子溶液Cとしてポリスルホン20重量%のDMF溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例6の複合半透膜を得た。
実施例1において、高分子溶液Aとしてポリスルホン20重量%のDMF溶液を、高分子溶液Bとしてポリスルホン13重量%のDMF溶液を、高分子溶液Cとしてポリスルホン22重量%のDMF溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例7の複合半透膜を得た。
実施例1において、高分子溶液Aとしてポリスルホン17重量%のDMF溶液を、高分子溶液Bとしてポリスルホン17重量%のDMF溶液を、高分子溶液Cとしてポリスルホン17重量%のDMF溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例8の複合半透膜を得た。
実施例1において、ポリスルホン13重量%のDMF溶液のみを、三重スリットダイではなく単スリットダイコーターを用いて、220μmの厚みとなるように不織布上に塗布した以外は、実施例1と同様の手順によって微多孔性支持膜を得た。
得られた微多孔性支持膜上に、実施例1と同様の手順によって分離機能層を形成し比較例1の複合半透膜を得た。
高分子溶液としてポリスルホン15重量%のDMF溶液を用いた以外は、比較例1と同様にして、比較例2の複合半透膜を得た。
高分子溶液としてポリスルホン20重量%のDMF溶液を用いた以外は、比較例1と同様にして、比較例3の複合半透膜を得た。
高分子溶液Aとしてポリスルホン13重量%のDMF溶液を、高分子溶液Bとしてポリスルホン20重量%のDMF溶液を用い、高分子溶液Cを用いず、三重スリットダイではなく二重スリットダイを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例4の複合半透膜を得た。
高分子溶液Aとしてポリスルホン15重量%のDMF溶液を、高分子溶液Bとしてポリスルホン20重量%のDMF溶液を用い、高分子溶液Cを用いず、三重スリットダイではなく二重スリットダイを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例5の複合半透膜を得た。
高分子溶液Aとしてポリスルホン15重量%のDMF溶液を、高分子溶液Bとしてポリスルホン20重量%のDMF溶液を用い、高分子溶液Cを用いず、三重スリットダイではなく二重スリットダイを用いた以外は、実施例1と同様にして複合半透膜を得た。この複合半透膜を硫酸でpH3.0に調製した0.3重量%の亜硝酸ナトリウム水溶液に35℃で30秒浸漬した後、直ちに水浴中へ浸漬することで、比較例6の複合半透膜を得た。
高分子溶液Aとしてポリスルホン20重量%のDMF溶液を、高分子溶液Bとしてポリスルホン15重量%のDMF溶液を用い、高分子溶液Cを用いず、三重スリットダイではなく二重スリットダイを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例7の複合半透膜を得た。
実施例、比較例における複合半透膜の耐剥離性は、テンシロン試験機(RTG−1210)を用いて測定した。圧力印加および通水を経ていない新品の膜試料に対し、25℃において、10mm/minのつかみ移動速度で、剥離方向180°で剥離を行うことで、剥離力の最大値を求めた。この操作を1つの試料について10回行い、得られた値の平均を算出することにより、剥離強度を得た。
温度25℃、pH6.5の海水(供給水に該当)を、操作圧力5.5MPaで複合半透膜に供給することで、24時間に渡ってろ過処理を行った。得られた透過水を、TDS除去率の測定に用いた。
東亜電波工業株式会社製電気伝導度計で供給水および透過水の電気伝導度を測定することにより、実用塩分を得た。この実用塩分を換算して得られるTDS濃度から、次の式により脱塩率すなわちTDS除去率を求めた。
TDS除去率(%)=100×{1−(透過水中のTDS濃度/供給水中のTDS濃度)}
24時間の上記ろ過処理により得られた透過水量を、膜面1平方メートルあたり、1日あたりの透水量(立方メートル)に換算し、膜透過流束(m3/m2/日)として表した。
実施例、比較例における半透膜の厚み測定は、マイクロメーター(Mitutoyo.Corp ID−C112XBS)を用いて測定した。圧力印加および通水を経てない新品の膜試料と、圧力印加および通水(温度25℃、pH6.5の海水、操作圧力5.5MPa、24時間に渡ってろ過処理)を行った膜試料の厚みを、室温雰囲気下で求めた。この操作は1つの試料について10箇所の厚みを測定し、得られた値の平均値を算出、次の式により、評価後の膜の厚みの圧縮率を求めた。
評価後の膜の厚みの圧縮率=100×(圧力印加後の厚み÷圧力印加前の厚み)
Claims (8)
- 基材および前記基材上に設けられる多孔性支持層を含む微多孔性支持膜と、前記多孔性支持層上に設けられる分離機能層とを備える複合半透膜であって、
前記多孔性支持層が、基材上に形成される第1層と、前記第1層の上に形成される第2層と、前記第2層の上に形成される第3層とを有する多層構造であり、かつ、テンシロン引張試験機を用いて、25℃の温度条件下、10mm/minのつかみ移動速度で、剥離方向180°で前記基材から前記多孔性支持層を剥がしたときの剥離力の最大値を10回測定して得られた値の平均値である剥離強度が、1.0N/25mm以上である複合半透膜。 - 前記第1層と前記第2層との界面及び前記第2層と前記第3層との界面が連続構造である請求項1記載の複合半透膜。
- 前記多孔性支持層が、前記基材上に第1層を形成する高分子溶液Aを塗布すると同時に第2層を形成する高分子溶液Bとさらに第3層を形成する高分子溶液Cとを塗布した後に、凝固浴に接触させて相分離させることで形成される請求項2記載の複合半透膜。
- 前記高分子溶液Aと前記高分子溶液Bの組成が異なり、前記高分子溶液Cと前記高分子溶液Bの組成が異なる請求項3記載の複合半透膜。
- 前記高分子溶液Aの固形分濃度a(重量%)および前記高分子溶液Cの固形分濃度c(重量%)よりも前記高分子溶液Bの固形分濃度b(重量%)が低濃度である請求項4記載の複合半透膜。
- 前記高分子溶液Aの固形分濃度a(重量%)、前記高分子溶液Bの固形分濃度b(重量%)、及び前記高分子溶液Cの固形分濃度c(重量%)が、a≧c>bの関係式を満たす、請求項4または5記載の複合半透膜。
- 前記基材が、ポリエステルを含有する長繊維不織布である請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合半透膜。
- NaClの濃度が3.5重量%、温度が25℃、pHが6.5の水溶液を5.5MPaの圧力で24時間透過させた後の造水量が1.6m3/m2/日以上、かつ脱塩率が99.85%以上である請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合半透膜。
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