JP2005144330A - 多孔体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 親水性が高く、水、血液等の極性溶媒に対するろ過、分離効率の優れる多孔体を提供することを目的である。更には、内部に微細な孔を多数有し、かつ、力学特性、耐熱性および耐薬品性に優れ、フィルムまたは中空糸として水性液体、極性有機溶媒、血液等の分離膜として効果的な多孔体を提供すること。
【解決手段】 化学式(1)で表される繰り返し単位および化学式(2)で表される繰り返し単位を有する共重合体により構成され。平均孔径が0.001〜10μmである孔を5〜90vol%含有することを特徴とする多孔体。
【化1】
Figure 2005144330

式中、Aは炭素数が2〜30の有機基である。
【化2】
Figure 2005144330

式中、Rは炭素数が1〜20のアルキレン基であり、nは3以上の整数である。
【選択図】 選択図なし。

Description

本発明は、多数の微細な孔を有する親水性の高い成形体に関する。さらに詳しくは、分子骨格にポリケトンおよびアルキレングリコール構造を有する共重合体より構成され、水や極性有機溶媒を用いた分離膜用途において、溶媒との親和性が良く、高い処理能力および分離能を有する多孔体に関する。
一酸化炭素とエチレン性不飽和化合物が実質完全に交互共重合した共重合体(以下、ポリケトン、と略することがある)は、熱特性および力学特性に優れ、繊維、フィルム、樹脂等への展開が検討されている。この中で、例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3に開示されているように、ポリケトンの高力学特性、高融点、高耐薬品性等の特性を活かして、分離膜、透過膜等の用途を目指した多孔体への展開も検討されている。
これまでのポリケトンにおける多孔体の検討には、エチレンと一酸化炭素が交互共重合したポリケトン(化学式(6)の繰り返し単位を有するポリ(1−オキソトリメチレン)、以下、ECO、と略する)、エチレンと一酸化炭素が共重合した繰り返し単位とプロピレンと一酸化炭素が共重合した繰り返し単位とからなるポリケトン(以下、EPCO、と略する)、ECOの一部がカルボン酸基、スルホン酸基等に置換されたポリケトン(以下、アニオン基含有ポリケトン、と略する)、エチレンと一酸化炭素がランダムに共重合したポリケトン(以下、ランダム共重合ポリケトン、と略する)等のポリケトンが用いられてきた。
Figure 2005144330
ECOから製造される多孔体は、高結晶性で、高力学物性、高融点および耐薬品性に優れる等の特性を有しているが、ECO自体は結晶性が高く、またケトン基を有するもののその親水性は十分に高いとはいえず、血液、水等の極性溶媒に対するろ過や分離用途では極性溶媒との親和性が小さいため、効率的な分離が困難であるという問題があった。
EPCOおよびランダム共重合ポリケトンについても、結晶性はECOよりも低いものの、その親水性は低く、ECO同様に極性溶媒との親和性が小さく、効率的なろ過および分離が困難であるという問題があった。
一方、アニオン基含有ポリケトンについては、アニオン基によって親水性が高くなりすぎて、カチオン性化合物を吸着したり、水との相互作用によって分離効率やろ過効率が低下するという問題があった。
特開平2−4431号公報 特開2000−198866号公報 特開2002−348401号公報
本発明が解決しようとする課題は、親水性が高く、水、血液等の極性溶媒に対するろ過および分離効率の優れるポリケトン多孔体を提供することである。更には、内部に微細な孔を多数有し、かつ、力学特性、耐熱性および耐薬品性に優れ、フィルムまたは中空糸として水性液体、極性有機溶媒、血液等の分離膜として効果的なポリケトン多孔体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行い、分子骨格にポリケトンおよびアルキレングリコール構造を有する共重合体は、従来のポリケトンに対比して親水性が大幅に向上し、上記課題を解決できる可能性があることを見出し、更に検討を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1) 化学式(1)で表される繰り返し単位および化学式(2)で表される繰り返し単位を有する共重合体により構成され、平均孔径が0.001〜10μmである孔を5〜90vol%含有することを特徴とする多孔体。
Figure 2005144330
(式中、Aは炭素数が2〜30の有機基である。)
Figure 2005144330
(式中、Rは炭素数が1〜20のアルキレン基であり、nは3以上の整数である。)
(2) 繰り返し単位の1〜99.5wt%が化学式(3)で表される1−オキソトリメチレン単位であり、繰り返し単位の0.5〜99wt%が化学式(4)で表されるポリアルキレングリコール単位である共重合体により構成されていることを特徴とする(1)に記載の多孔体。
Figure 2005144330
Figure 2005144330
(式中、Rは炭素数が2〜6のアルキレン基であり、nは3以上の整数である。)
(3) 繰り返し単位の50〜99.0wt%が化学式(3)で表される1−オキソトリメチレン単位であり、繰り返し単位の1.0〜50wt%が化学式(5)で表されるポリアルキレングリコール単位であって、極限粘度が0.1〜20dl/gである共重合体により構成されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の多孔体。
Figure 2005144330
Figure 2005144330
(式中、Rは炭素数が2または3のアルキレン基であり、nは3以上の整数である。)
(4) ポリケトン多孔体が繊維であり、繊維の内部に少なくとも一つの長手方向に貫通した空隙を有する中空糸であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載のポリケトン多孔体。
(5) 長手方向に貫通する空隙の割合が10〜60vol%であることを特徴とする(4)に記載のポリケトン多孔体。
(6) 化学式(1)で表される繰り返し単位および化学式(2)で表される繰り返し単位を有する共重合体を、平均粒径が0.001〜10μmの微粒子と溶融混合後、これを二重管オリフィスの外側の環状オリフィスから吐出するとともに、内側の円状オリフィスからは気体を吐出して成形し、得られた成形体を、微粒子を溶解可能な液体で処理して、成形体中の微粒子を溶出させる工程を含むことを特徴とする多孔体の製造方法。
Figure 2005144330
(式中、Aは炭素数が2〜30の有機基である。)
Figure 2005144330
(式中、Rは炭素数が1〜20のアルキレン基であり、nは3以上の整数である。)
(7) 化学式(1)で表される繰り返し単位および化学式(2)で表される繰り返し単位を有する共重合体を、上記共重合体の溶剤に溶解してドープを作成し、これを二重管オリフィスの外側の環状オリフィスから吐出するとともに、内側の円状オリフィスからは、共重合体の非溶剤である液体または気体を吐出した後に、共重合体ドープを凝固浴に導いて共重合体を凝固させる工程を含むことを特徴とする多孔体の製造方法。
本発明によれば、親水性に優れ、水、血液等の極性溶媒に対するろ過および分離効率に優れ、かつ、力学特性、耐熱性および耐薬品性に優れる多孔体を得ることができる。更には、溶融成形が可能となり工業的に容易に多孔体を製造することも可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、多孔体とは、内部および/または表面に微細な空隙が多数存在する繊維、フィルム、棒、ブロック、球、筒、鍋状物、布、織編物、シート、多層積層物等の加工物を意味する。
本発明において、多孔体に用いる共重合体は、化学式(1)で表される繰り返し単位(以下、ポリケトン単位、ということがある)と化学式(2)で表される繰り返し単位(以下、ポリアルキレングリコール単位、ということがある)とが共重合したものである。
Figure 2005144330
(式中、Aは炭素数が2〜30の有機基である。)
Figure 2005144330
(式中、Rは炭素数が1〜20のアルキレン基であり、nは3以上の整数である。)
ポリケトン単位は、一酸化炭素と、エチレン性不飽和化合物(エチレン、またはエチレンの水素の少なくとも一つが有機化合物によって置換された構造を有する化合物)が共重合した単位である。Aは、炭素数2〜30の有機基であることが必要である。炭素数が30を越えた場合、反応性が低下し、工業的な効率で共重合体を製造することが困難となる。
Aの構造としては、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等のα−オレフィン、スチレン、α−メチルスチレン等のアルケニル芳香族化合物、シクロペンテン、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、テトラシクロドデセン、トリシクロデセン、ペンタシクロペンタデセン、ペンタシクロヘキサデセン等の環状オレフィン、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル、エチルアクリレート、メチルメタクリレート等のアクリル酸エステル、酢酸ビニル等が挙げられる。
共重合体の力学特性、耐熱性および重合反応性の観点から、Aの炭素数は2〜6が好ましく、2〜3がより好ましく、最も好ましくは2である。共重合体の耐熱性および力学特性の観点から、ポリケトン単位としては、Aがエチレン基であるポリ(1−オキソトリメチレン)(化学式(6))が特に好ましい。
Figure 2005144330
本発明における共重合体中の、エチレンと一酸化炭素が共重合した繰り返し単位(1−オキソトリメチレン単位)の割合は、結晶性、力学特性および親水性の観点から、好ましくは1〜99.5wt%、より好ましくは50〜99.0wt%、最も好ましくは60〜95wt%である。
ポリアルキレングリコール単位は、アルキレン部分(化学式(2)中のRの部分)は、炭素数が1〜20のアルキレン基であることが必要である。アルキレン基の炭素数が20を越える場合、疎水性が強くなり、本発明の親水性の高い多孔体が得られなくなる。
アルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンチレン、イソペンチレン、ネオペンチレン等が挙げられる。共重合体の親水性、反応性、力学特性および耐熱性の観点からアルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜6、より好ましくは2〜4である。
ポリアルキレングリコール単位の重合度nは3以上であることが必要である。nが1又は2の場合は、多孔体の親水性を十分に高くすることが困難である。nは高ければ高いほど共重合体の親水性が高くなる。一方、nが小さいほど多孔体の力学特性、耐熱性および反応性が高くなる。このため、親水性、力学特性および反応性の観点から、重合度nは、好ましくは5〜1000000、より好ましくは10〜100000、最も好ましくは50〜10000である。
ポリアルキレングリコール単位の具体的な化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポテトラメチレングリコール等が挙げられる。親水性の観点からはポリエチレングリコールが好ましい。ポリアルキレングリコール単位の分子末端は、ポリケトン単位と反応させるために水酸基が好ましいが、分子末端の一つがメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基、更には他の有機基等で封鎖されていてもよい。
ポリアルキレングリコール単位の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)には制限はないが、分離性能、成形性および強度の観点から、1〜10が好ましく、より好ましくは1〜5である。
本発明の多孔体を構成する共重合体におけるポリアルキレングリコール単位の含有量は0.5〜99wt%が好ましく、分離能および溶融成形性の観点から、より好ましくは1〜50wt%、最も好ましくは5〜40wt%である。
本発明の多孔体を構成する共重合体は、上記で説明したポリケトン単位とポリアルキレングリコール単位とから構成された共重合体であるが、ポリケトン単位とポリアルキレングリコール単位の結合方式には制限はなく、ランダムに結合、またはブロック的に結合したものであってもよい。分離性能、耐久性および耐光性の観点から、ポリケトン単位(A)と、ポリアルキレングリコール単位(B)が、ブロック共重合体となることが最も好ましい。この場合、ブロック共重合体としては、A−B、A−B−A、B−A−B、A−B−A−B、A−B−・・・・−A、B−A−・・・・・−A、A−B−・・・・−B、B−A−・・・・・−B等のジブロック共重合体、トリブロック重合体等のいずれの形態をとってもよい。
本発明の多孔体を構成する共重合体の極限粘度には制限はないが、力学特性および成形性の観点から、0.1〜20dl/gであることが好ましい。溶融成形に用いる場合には0.4〜2.5dl/gであることがより好ましく、乾式、湿式成形に用いる場合には2.5〜10dl/gがより好ましい。
本発明の多孔体は、平均孔径が0.001〜10μmである孔を、体積割合として5〜90vol%含有するものである。本発明において、孔の体積割合とは、多孔体の全体積に占める平均孔径が0.001〜10μmの孔の体積の割合である。ただし、多孔体が繊維であって、内部に繊維軸方向に貫通した空隙を有する中空糸の場合には、中空部を除いた体積に占める平均孔径が0.001〜10μmの孔の体積の割合をいう。多孔体の孔の平均孔径および孔の体積割合は、後で述べる方法により測定される。
本発明の多孔体の平均孔径が0.001μm未満の場合、透過性能が著しく低下し、分離膜としての機能が不十分となる。また、平均孔径が10μmを越える場合、支持体である共重合体の力学物性が低下し、脆弱な材料となる。平均孔径は、用途により要求される大きさが異なるため、一概に規定することはできないが、水、有機溶液、血液等の分離膜用途では、通常、0.001〜10μm、好ましくは0.005〜5μm、より好ましくは0.01〜1μmである。
多孔体中の微細孔の体積割合は多ければ多いほど、分離膜としては時間あたりの分離速度が速くなり好ましいが、微細孔の占める体積が90vol%を越えると、ポリケトン多孔体の力学物性が不十分となる。また、体積割合が少なすぎると、分離膜としての液の透過性が不十分となる。このため、平均孔径が0.001〜10μmの孔の体積割合は5〜90vol%であることが必要であり、好ましくは10〜88vol%、より好ましくは15〜85vol%、最も好ましくは20〜80vol%である。
多孔体の孔は、それぞれ独立した孔であっても、隣接する孔同士が連結したものであってもよい。強度の観点からは独立孔であることが好ましいが、分離膜として用いる場合には、分離効率の観点から隣接する孔同士が連結したものが好ましい。
本発明のポリケトン多孔体はどのような形態であってもよいが、一般的には、繊維として、繊維の内部に少なくとも一つの長手方向に貫通した空隙を有する中空糸またはフィルムとして用いられる。
中空糸膜として用いる場合、内部に長手方向に貫通した空隙(中空部)の割合は制限されないが、少なすぎると膜の分離効率が低下し、多すぎると中空糸の力学特性が低下するため、好ましくは10〜70vol%、より好ましくは20〜60vol%である。さらに、力学特性、および膜の分離性能の観点から、繊維の全体積に対する微多孔部の体積と中空部の体積の和が、好ましくは5〜90vol%、より好ましくは10〜85vol%である。
本発明において、中空部の割合は、繊維の全断面積に対する中空部の面積の100分率で表され、電子顕微鏡または光学顕微鏡により得られる中空糸の断面写真から、後で述べる方法により求めることができる。
繊維内部にある中空部の数に制限はなく、1本であっても、複数本であってもよい。
多孔体繊維の外径は制限されないが、1〜10000μmの範囲が一般的であり、中空糸膜として用いる場合は100〜5000μmの範囲が好適に用いられる。繊維は1本で用いても、マルチフィラメントとして用いてもよく、長繊維または短繊維として用いてもよい。繊維の断面は、円、楕円、三角、星形、アルファベット型等の公知の形状を適用することができる。
内部に中空部を有さない微多孔繊維として用いてもよく、例えば、微多孔の平均孔径が0.1μm以上のものは可視光遮蔽繊維として好適である。微多孔内に、例えば、芳香剤、抗菌剤、難燃剤、脱臭剤、蛍光剤、紫外線吸収剤、紫外線反射剤、酸化防止剤、艶消し剤、蓄熱剤、顔料、高分子化合物等の各種化合物を保持させて、機能性材料として用いてもよい。
ポリケトン多孔体をフィルムとして用いる場合、フィルムの厚みは制限されず、用途に応じて任意の厚みにすることでき、通常、0.1〜1000μmである。分離膜として用いる場合、膜の厚みの均一性は非常に重要であり、任意の箇所100点で計測した厚みの、最小値/最大値が0.8以上であることが好ましい。
多孔体に望まれる特性としては、親水性、引っ張り強度、伸度および融点が挙げられる。引っ張り強度は、高ければ高いほど支持体であるポリケトンの量を減らして、微多孔や中空部の割合を増やすことが可能となり、より効率的な分離ができる。このため、引っ張り強度としては、好ましくは0.1MPa以上、より好ましくは1MPa以上、最も好ましくは2MPa以上である。
フィルムの伸度は、高ければ高いほど加工時や製品とした際の靱性が高くなり、加工性や製品の取り扱い性が良くなる。このため、伸度としては、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、最も好ましくは30%以上である。
共重合体の融点は、高いほど高温環境での使用が可能となり、かつ、多孔体の耐熱性も向上することから、好ましくは200℃以上、より好ましくは220℃以上、最も好ましくは240℃以上である。
さらに、耐熱性、耐薬品性等の観点から、多孔体中に含まれる亜鉛、カルシウム、パラジウム等の金属量は少ないことが望ましく、好ましくは10000ppm以下、より好ましくは1000ppm以下、最も好ましくは100ppm以下である。
次に、本発明のポリケトン多孔体の製造方法について説明する。
ポリケトンの製造方法には制限はないが、例えば、オートクレーブ等の反応容器の中で、エチレン性不飽和化合物、一酸化炭素、およびポリアルキレングリコールを反応させる方法が好ましい。
反応させるに際しては、ポリアルキレングリコール以外の溶剤を用いてもよい。水、アルコール等のプロトン性の溶剤は、ポリアルキレングリコールの競争反応相手となるため、非プロトン性の溶剤を用いることが好ましい。例えば、炭素数3〜20の炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグライム等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ジメチルスルフォキシド、ジメチルフォルアミド、γ―ブチロラクトン等を挙げることができる。反応活性の点から、ペンタン、ヘキサン、オクタン、アセトン、トルエン等が好ましい。
本発明に使用する共重合体を製造するための原料としては、一酸化炭素と種々のエチレン性不飽和化合物を使用可能である。例えば、一酸化炭素とエチレン性不飽和化合物の反応容器内での割合は、(一酸化炭素/エチレン性不飽和化合物)のモル比が10/1〜1/10であることが好ましく、より好ましくは5/1〜1/5である。
一酸化炭素とエチレン性不飽和化合物の添加方法には制限はなく、予め、両者を混合してから添加してもよく、それぞれ別の供給ラインから添加してもよい。また、原料として用いるポリアルキレングリコールも反応過程の任意の段階で仕込むことができる。
共重合体は上記のような条件において、触媒の存在下で反応させることもできる。用いられる触媒は、有機金属錯体触媒またはラジカル開始剤である。
有機金属錯体触媒は、周期律表の(a)第9族、第10族または第11族遷移金属化合物、および(b)第15族の原子を有する配位子からなるものである。更に、第3成分として(c)酸の陰イオンを加えてもよい。
(a)成分中の第9族遷移金属化合物としては、酢酸コバルト、トリフルオロ酢酸ルテニウム等のコバルトまたはルテニウムの錯体、塩が挙げられる。第10族遷移金属化合物の例としては、ニッケル、パラジウムおよび白金の錯体、カルボン酸塩、リン酸塩、カルバミン酸塩、スルホン酸塩等を挙げることができ、具体例としては、酢酸ニッケル、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、パラジウムアセチルアセトネート、塩化パラジウム、ビス(N,N−ジエチルカーバメート)ビス(ジエチルアミノ)パラジウム、硫酸パラジウム、塩化白金等を挙げることができる。第11族遷移金属化合物の例としては、酢酸銅、酢酸銀等の銅または銀の錯体、塩等を挙げることができる。これらの中で好ましい遷移金属化合物は、ニッケルおよび銅化合物、パラジウム化合物である。これらは単独又は数種類を混合して用いることもできる。
配位子とは、錯体中で中心原子に直接結合している原子を含む原子団のことである。その例として、ピリジン等の窒素の一座配位子、トリフェニルホスフィン等のリン一座配位子、トリフェニルアルシン等の砒素一座配位子、トリフェニルアンチモニイ等のアンチモン一座配位子、2, 2’−ビピリジル等の窒素ニ座配位子、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,3−ビス{ジ(2−メチル)ホスフィノ}プロパン、1,3−ビス{ジ(2−メトキシフェニル)ホスフィノ}プロパン、1,3−ビス{ジ(2−メトキシ−4−スルホン酸ナトリウム−フェニル)ホスフィノ}プロパン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン等のリン二座配位子等を挙げることができる。これらは単独で用いても、複数種を同時に混合して用いてもよい。
これらの中で好ましい配位子は、リン二座配位子である。反応性およびポリケトンの収量の面から、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,3−ビス{ジ(2−メトキシフェニル)ホスフィノ}プロパンが好ましい。
触媒として上記(a)および(b)に加えて、(c)酸の陰イオンを加えてもよい。その例としては、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のpKaが4以下の有機酸の陰イオン、過塩素酸、硫酸、リン酸テトロフルオロ硼酸、フルオロ硅酸等のpKaが4以下の無機酸の陰イオン、トリスペンタフルオロフェニルボラン等の硼素化合物の陰イオンを挙げることができる。これらは単独又は複数種を混合しても使用できる。これらの中で好ましい酸の陰イオンは、共重合体の収量と分子量の両方の観点から、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸である。
触媒として用いる遷移金属化合物(a)の使用量は、好ましくは、反応器の液相1リットル当り0.01〜10000マイクロモル、より好ましくは0.1〜1000マイクロモルである。配位子(b)の使用量は、遷移金属化合物1モル当たり、好ましくは0.1〜10モル、より好ましくは1〜5モルである。酸の陰イオン(c)の使用量は、パラジウム化合物1モル当たり、好ましくは0.1〜1000モル、より好ましくは1〜100モル、最も好ましくは3〜10である。
触媒は、遷移金属化合物および配位子、好ましくは、これに酸の陰イオンを混合することによって生成する。触媒組成物の調製に用いる溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン等の非プロトン性有機溶媒が好ましい。また、上記(a)、(b)および(c)の3成分からなる触媒に、ベンゾキノン、ナフトキノン等の酸化剤を添加してもよい。これらキノン類の添加量は、遷移金属化合物1モル当たり、好ましくは1〜1000モル、より好ましくは10〜200モルである。キノン類の添加は、予め触媒組成物に添加する方法、重合溶剤に添加する方法、反応中に反応容器内に連続的に添加する方法、等どのような手順で行ってもよい。
一方、ラジカル開始剤を触媒とする場合、ペルオキシジカーボネート系、ペルオキシエステル系、ジアシルペルオキシド系またはアゾ系開始剤を用いることができる。その形態は、モノラジカル型開始剤、バイラジカル型開始剤およびポリマー型開始剤のいずれであってもよい。モノラジカル型開始剤としては、例えば、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカ−ボネート、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート等が、バイラジカル型開始剤としては、例えば、(α,α’−ビス−ネオデカノイルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチルー2,5−ビス(2−エチルヘキシルペルオキシ)ヘキサン等を用いることができる。ポリマー型開始剤としては、例えば、ポリペルオキシジカーボネート等を挙げることができる。
ラジカル開始剤を触媒として用いるとき、希釈剤として、シクロヘキサン、ヘキサン、ペンタン、オクタン、ベンゼン等の炭化水素類、炭酸ジメチル等の炭酸エステル類、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン等の環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル等のエーテル類の1種以上を使用することができる。これらの中で好ましい重合希釈剤は、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび1,4−ジオキサンである。
反応温度は50〜300℃が好ましく、より好ましくは70〜200℃である。重合温度が50℃未満では重合速度が低下し、反応温度が300℃を越えると、反応活性が高く、生産性は高くなるが、得られる共重合体の分子量が極端に低くなる場合がある。
反応圧力は1〜300MPaが好ましく、より好ましくは3〜50MPa、最も好ましくは5〜20MPaである。反応圧力が1MPa未満では、重合速度が低下し反応が困難となり、反応圧力が300MPaを越えると反応活性は高くなるが、設備が重大となり生産性が低下する場合がある。
反応時間は1〜24時間が好ましく、より好ましくは1.5〜10時間、最も好ましくは2〜6時間である。反応時間が1時間未満では、残触媒量が多くなり、特別な触媒除去工程が必要となる。一方、反応時間が24時間を越えると、得られる共重合体の分子量分散度が広がり、優れた機械的・熱的特性を発揮できなくなる場合がある。
このようにして得られた共重合体を成形して多孔体を製造する。多孔体への成形法は、多孔体の性状、用途に応じて適宜選定することが可能であり、湿式成形法、乾式成形法、溶融成形法等、公知の方法を適用することができる。
以下、湿式成形法、溶融成形法の順に、本発明の多孔体の製造法を説明する。
(1)湿式成型法(濃厚金属塩水溶液溶媒)
共重合体を、少なくともハロゲン化亜鉛を含有する溶液に溶解してドープとする。溶剤は、ハロゲン化亜鉛(例:塩化亜鉛)単独またはハロゲン化亜鉛とその他の塩との複合塩の溶液が用いられる。その他の塩としては、ハロゲン化アルカリ金属塩(例:塩化ナトリウム)、ハロゲン化アルカリ土類金属塩(例:塩化カルシウム)等が挙げられる。ポリケトンをこれら溶剤に溶解することによってポリケトンドープが得られる。
ドープ中のポリマー濃度を高くすると、多孔体の支持体である共重合体が密で、孔は微細となり、孔の体積割合を小さくすることができる。一方、ドープ中のポリマー濃度が低いと、支持体である共重合体は疎で、孔の体積割合を大きくすることができる。ポリマー濃度が高すぎると、溶剤への均一な溶解が困難となり、ポリマー濃度が低すぎると、支持体が不連続となり成形体の強度が著しく低くなるため、ドープ中のポリマー濃度としては1〜75wt%が好ましく、より好ましくは2〜50wt%、最も好ましくは3〜30wt%である。
このドープを紡糸口金またはフィルムダイから吐出し、凝固浴中にてドープを繊維状またはフィルム状に凝固させる。吐出時のドープ温度は、好ましくは50〜150℃、より好ましくは60〜120℃、最も好ましくは70〜100℃である。
紡糸口金およびダイの形状は限定されず、公知のものを適用できる。中空糸の紡口についても、二重管オリフィス、C型オリフィス等、公知のものを適用できる。二重管オリフィスを用いる場合、外側の輪状オリフィスからは共重合体ドープを、内側の円状オリフィスからは、気体または共重合体に対して非溶解性の液体(非溶剤)を吐出することが好ましい。この場合の非溶剤としては、特に凝固速度の速い水を主成分とする液体が好ましい。中空部の形状維持の点からは、内側に流す気体および液体には0.01MPa以上の圧力をかけて吐出することが好ましい。
共重合体に対して非溶解性の液体(非溶剤)とは、該液体に対して極限粘度6.0の共重合体を5wt%添加して、80℃、1時間加熱攪拌した後の共重合体の質量減少率が2%未満である液体を意味する。
凝固浴の温度は、得られる多孔体中の孔の大きさおよび形状を決定する上で重要な要因であり、多孔体の目的・用途に応じて温度を選定することが必要である。凝固温度が高いほど平均孔径の大きい多孔体が得られるが、高すぎると支持体の強度が弱くなる。凝固浴温度が低いほど、平均孔径が小さく強固な構造の支持体を有する多孔体が得られるが、凝固速度が遅くなり、設備が長大になり、製造速度が遅くなる。このため、凝固浴温度としては、通常、−50℃〜100℃、好ましくは−30〜80℃、より好ましくは−10〜60℃である。
凝固浴は、ドープに用いた溶剤に対比して溶解性の劣る溶液が用いられる。通常、水、メタノール等の共重合体の非溶剤、少量のハロゲン化亜鉛を含有する水溶液または有機溶液が用いられる。凝固速度を速くして生産性よく凝固を行う場合には、水を10wt%以上含有する溶液が好ましいが、必要に応じて、メタノール、アセトン、エチレングリコール等の有機溶剤を主成分とし、水を10wt%未満、または水を全く含有しない溶液を用いてもよい。
凝固浴中および/または凝固浴を出た直後に1.2〜5倍の延伸を行うと、力学物性に優れる多孔体が得られる。
凝固浴を出た、内部に微多孔を有する凝固体は、水、硫酸、塩酸、リン酸等の酸性水溶液により凝固体中に残存する金属塩を洗浄除去する。洗浄に酸性溶液を用いた場合、引き続き成形体中に残存する酸を洗浄する。洗浄には、水を主成分とする溶液を用いることが効率的である。必要に応じて、アルカリ性の溶液で中和洗浄を行ってもよい。
洗浄後の成形体は、孔中が洗浄液で充たされたものであるが、微多孔の平均孔径および体積割合を制御する目的で、孔中の洗浄液を水や有機溶剤を含有する溶液に置換してもよい。また、これら溶液は孔径保持剤を含有する溶液であってもよい。有機溶剤としては、メタノール、アセトン、ジメチルホルアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド等が挙げられ、孔径保持剤を含有する溶液としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等を含有する水溶液等が挙げられる。
得られた多孔体は、そのまま、または乾燥後、さらには乾燥後に孔径保持剤を抽出除去した後等、任意の段階で後加工に供することができる。
乾燥を行う場合には、多孔体内部に保持された液体の沸点以下の温度で、また孔径保持剤を含有する場合には、孔径保持剤の沸点以下の温度で乾燥する。
力学強度を高くする目的で、または孔径に異方性をもたせる目的で、乾燥時に張力を印可して1.2〜3倍の延伸を行ってもよい。
孔径保持剤を含有する場合には、必要に応じて、乾燥後、引き続き、水洗、有機溶剤洗浄等を行って孔径保持剤を抽出除去する。
このようにして得られた多孔体を、力学強度、耐熱性および寸法安定性を高くする目的で、定長熱処理または熱延伸を行ってもよい。定長熱処理および熱延伸を1段または2段以上の多段で行ってもよいが、孔を閉塞しないように多孔体の融点−20℃以下の温度で処理することが好ましい。
・ 溶融成形法
(A)微粒子抽出法
共重合体に、平均粒径が0.001〜10μmの微粒子を5〜90vol%の割合となるように添加する。微粒子は固体でも、液体(エマルジョン)であってもよい。微粒子としては、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、硫酸バリウム、酸化亜鉛等の無機微粒子、スチレン系ラテックス、アクリル系ラテックス等の有機微粒子が挙げられる。
ポリケトンと微粒子の混合は、溶融前および溶融時のどの段階でもよい。また、予め共重合体と微粒子を混練したマスターバッチとポリケトンとを混合してもよい。
微粒子を含有した共重合体を、共重合体の融点+10℃〜融点+50℃で溶融し、紡糸口金またはフィルムダイから吐出し、空気中または液体中で冷却した後に、繊維状またはフィルム状にして曳きとる。紡糸口金およびダイの形状は限定されず、公知のものが適用できる。中空糸の紡口についても、二重管オリフィス、C型オリフィス等、公知のものが適用できる。二重管オリフィスを用いる場合、外側の輪状オリフィスからは共重合体を、また、内側の円状オリフィスからは、気体を吐出することが好ましい。中空部の形状維持の点からは内側に流す気体には0.01MPa以上の圧力をかけて吐出することが好ましい。
これらの中空糸またはフィルムを、必要に応じて熱処理を行ってもよい。熱処理の温度は、定長処理の場合、100〜融点−10℃が好ましい。力学特性の観点からは1.2〜10倍の熱延伸を行うことが好ましく、その場合、熱延伸温度は、共重合体の融点−50℃〜共重合体の融点−10℃が好ましい。
曳きとられた中空糸またはフィルムを、巻き取らずにそのまま、または任意の形態に加工した後に、微粒子の溶剤である液体で処理することによって内部の微粒子を抽出除去する。例えば、シリカ微粒子を添加した場合には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性の液で処理する。抽出処理後は、必要に応じて、中和処理、水洗処理等を行って、多孔体内部に残存する抽出液を洗浄除去することが好ましい。
このようにして得られた多孔体は、そのまま、または一旦乾燥を行う等の処理を行い、成形体の材料として用いることができる。
(B)延伸開孔法
共重合体を融点+10℃〜融点+50℃で溶融し、紡糸口金またはフィルムダイから吐出し、空気中または液体中で冷却した後に、繊維状またはフィルム状にして曳きとる。共重合体には、必要に応じて、界面剥離剤として、ポリスチレン、ポリプロピレン、酸化チタン等の微粒子を0.01〜10wt%含有させてもよい。
紡糸口金およびダイの形状は限定されず、公知のものを適用できる。中空糸の紡口についても、二重管オリフィス、C型オリフィス等、公知のものを適用できる。二重管オリフィスを用いる場合、外側の輪状オリフィスからは共重合体を、内側の円状オリフィスからは気体を吐出することが好ましい。中空部の形状維持の点からは、内側に流す気体には0.01MPa以上の圧力をかけて吐出することが好ましい。曳きとり速度/吐出速度の比で表されるドラフトは低いほど高倍率の延伸が可能となるため、好ましくは1〜100倍であり、より好ましくは5〜50倍である。
曳きとったフィルムまたは糸を、そのまま、または一旦巻き取った後に、少なくとも3倍の高倍率延伸を行うことにより、フィルムまたは糸の内部に微細な孔を発生させる。熱延伸は、通常、少なくとも1段で3倍以上の延伸を行い、好ましくは5倍以上、より好ましくは6倍以上である。熱延伸の温度は30〜200℃が好ましく、より好ましくは80〜180℃である。
このようにして得られた多孔体は、そのまま成形体の材料として用いることができる。
次に、実施例および比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
本発明に用いられる各測定値の測定方法は次のとおりである。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は、次の定義式に基づいて求められる値である。
[η]=lim(T−t)/(t・C) [dl/g]
C→0
式中のtおよびTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノールおよびヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間である。Cは上記溶液100ml中のグラム単位による溶質質量値である。
(2)中空糸の径の測定
任意の5本の中空糸について、横断面を光学顕微鏡にて写真撮影し、繊維の外径および中空部外径を測定し、その平均値を繊維の外径D(μm)、中空部の外径D(μm)とする。
(3)中空率
上記(2)で求めた繊維外径および中空部外径から、下記式により中空部の体積割合(中空率)Vを求める。
=(D /D )×100(%)
(4)フィルムの厚み
フィルムを幅5mm、長さ100mmの短冊状に切り、任意の10片の短冊について光学顕微鏡写真を撮影し、それぞれの厚みを計測して、その平均値をフィルムの厚みD(μm)とする。
(5)微多孔の平均孔径
孔径保持剤を使用した場合は、中空糸およびフィルムの内部にある孔径保持剤を水で抽出除去後、孔径保持剤を使用していない場合はそのまま、液体窒素に浸漬する。
図1は、中空糸の斜視図であり、中空部1、内壁部2、横断面3、および中空糸外表面4により構成されている。図2は、フィルムの斜視図であり、フィルムの表面5およびフィルム横断面6からなる。中空糸またはフィルム試料を液体窒素に浸漬冷却した状態で切断し、中空糸の場合には、図3に示す横断面切片を、フィルムの場合には、図2に示す横断面切片を調製する。電子顕微鏡を用いて、得られた切片の倍率500〜50000倍の写真(画像)を撮影する。
撮影したネガ画像を画像解析装置(IP1000−PC:旭化成社製)を用いて、以下の方法で計測する。スキャナー(JX−330)を使用して、ネガ画像を白黒256階調(ガンマ補正値は2.2)で取り込む。取り込み領域は撮影倍率によって選択する。取り込んだ256階調の画像に対し、2値化処理を行う。この際に設定するパラメーターは、(1)しきい値(=自動)、(2)シェーディング補正処理(=有り)、(3)穴埋め処理(=有り)、(4)ガンマ補正処理(=補正値γ=2.2)とする。
得られた2値化画像より、計測エリアラインに接触して、一部が計測範囲から外れた孔および中空糸の中空部分を除去した後に、「粒子解析」コマンドを選択し、対象孔の円相当径を求める。5つの視野について同様に円相当径を求め、得られた5つの円相当径の算術平均値を平均孔径D(μm)とする。
(6)空隙率
(6−1)試料がフィルムの場合
5mm×20mmに試料を切り取り、重量M(g)を計量する。さらに、(4)の方法でフィルムの厚みD(mm)を計測する。下記式により、試料の空隙率Vを計算する。5点のサンプルについて計算を行い、その算術平均を空隙率V(%)する。
=[(0.13×D−M)/(0.13×D)]×100 (%)
(6−2)試料が中空糸の場合
試料を長さ10mmに切り取り、重量M(g)を計量する。さらに、(2)の方法で中空糸の繊維径D(mm)を計測する。(3)の方法で中空率Vを求め、下記式により、試料の空隙率Vを計算する。5点のサンプルについて計算し、その算術平均を空隙率V(%)とする。
=1−[M/(1.3×D/400×(1−V))]×100 (%)
(7)融点と結晶化度
試料5mgを窒素雰囲気下でアルミニウムパンに封入し、パーキンエルマー社製示差熱測定装置Pyris1(商標)を用いて、200ミリリットル/分の窒素気流下、昇温速度20℃/分で測定する。観察された吸発熱曲線において、200℃〜300℃の範囲に観測される最大の吸熱ピークのピークトップ点を融点とする。
結晶化度は、吸発熱曲線において200℃〜300℃の範囲に観測される最大の吸熱ピークの面積から計算される熱量ΔH(J/g)より下記式により算出する。
結晶化度=(ΔH/225)×100 (%)
(8)引っ張り強度、破断点伸度
JIS−L−1013に基づいて測定する。
繊維は、試料長200mm、フィルムは、幅5.0mm長さ100mmの短冊状で測定する。フィルムに関しては、直交する二方向について測定を行い、その平均値を用いる。試料の断面積は、以下の式より求められる値を用いる。
繊維の断面積 = 3.14×(D/2) (μm
フィルムの断面積 = 5.0×D×10 (μm
(9)接触角
重合した共重合体を2枚のテフロン(登録商標)シートにはさみ、ポリマー内部の空気を窒素に置換した後に、圧縮成形機(DAC−37(商品名)、松田製作所社製)でプレート温度270℃、圧力8.0MPaにて10分間圧縮加熱しフィルムとする。
このフィルムに0.1mlの水を滴下し、フィルムと水との接触角を測定する。5回の測定を行いその平均値を水との接触角とする。
(10)透水速度
透水速度は、中空糸ミニモジュールを作製して評価する。透水速度は、単位時間、単位膜面積、単位圧力当たりの水のろ過速度であり、この数値が高いほど水性溶媒のろ過効率が高いことを意味する。
モジュールは、中空糸を15〜25本程度、有効長は15cmとした。モジュールの一方の断面からポンプで蒸留水を送り込み、モジュールの入口圧力、出口圧力の平均を膜圧とする。膜面積は、中空部の外径D(μm)より計算する。一分間のうちに中空糸膜を透過して表面に出てくる水の量を測定し、この量を単位時間、単位膜面積、単位圧力あたりの量に換算して透水速度(m/hr・m・kPa)とする。すなわち、下記の式により求められる。一つの試料につきこの測定を2回行い、平均値をその値とする。
透水速度=[測定量(m)×60/(圧力(kPa)×モジュールの膜面積(m))]
[実施例1]
酢酸パラジウム2.0ミリモル、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン2.4ミリモル、硫酸15ミリモル、1,4−ベンゾキノン30ミリモル、ポリエチレングリコール(数平均分子量1000)10キログラム、およびアセトン12リットルを、窒素置換した撹拌機付ステンレス製のオートクレーブに投入した。オートクレーブを密閉後、25℃、2.0MPaで3回窒素置換を行った。
内容物を撹拌しながら加温し、内温が95℃に達した時点で一酸化炭素とエチレンの等モル混合気体を8.0MPaになるまで加えた。その後、エチレンと一酸化炭素の等モル混合気体を連続的に供給して内圧と内温を保ちながら、4時間撹拌を続けた。冷却後、オートクレーブ内気体をパージし、内容物を取り出した。反応溶液を濾過し、水で3回、アセトンで3回洗浄後、減圧乾燥し、ケトン重合体3.5kgを得た。
得られたケトン重合体の極限粘度は1.7dl/gであった。この重合体をH−NMR、13C−NMRにより解析した結果、得られた重合体は、1−オキソトリメチレン単位とエチレングリコール単位(−CH−CH−O−)によるジブロック共重合したポリマーで、ポリアルキレングリコール/(ポリケトン+ポリアルキレングリコール)の比率(%)は6.5wt%であった。
この共重合体の水との接触角は60°であり、オレフィン/一酸化炭素共重合ポリケトンと比較して親水性が高いポリマーであった。
得られた共重合体を平均粒径0.3μmのシリカ微粒子(スノーテックスMP−3040(商標:日産化学社製))と重量比5/1で混合し乾燥させた後に、IRGANOX(登録商標;チバスペシャリティケミカルス社製)1098を0.1wt%、IRGANOX(登録商標;チバスペシャリティケミカルス社製)1076を0.1wt%添加して265℃にて溶融混練した。溶融後引き続き、図3に示す紡出面9を有する円筒二重管からなるオリフィスを用い、二重管の外側の輪状オリフィス7よりポリマー融液を、二重管内側の円形オリフィス8からは窒素ガスを吐出した。図中、外外径=1.0mm、外内径=0.6mm、内外径=0.5mmである。吐出した糸を、30mmのエアギャップを経た後に50℃の水浴に導いて冷却固化し、引き続き30m/分の速度で巻き取った。製糸状況は良好で、5時間の製糸で吐出圧の上昇や吐出不良等の問題はなかった。
この糸を長さ30cmにカットして100本を束ねて、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を入れたオートクレーブ中に浸漬し、80℃、2時間の処理を行った。更に、30℃の純水で30分の水洗処理を行った後に、60℃で30分乾燥して中空糸を得た。
得られた中空糸は、外径0.80mm、平均孔径0.3μm、空隙率15vol%、中空率が30%の微多孔中空糸であり、融点は254℃、結晶化度は55%、強度は23MPa、伸度は20%であった。この中空糸の透水速度は、1.2×10−4(m/hr・m・kPa)であり、同様にして成形したポリアルキレングリコール単位を有さないポリケトン中空糸(比較例1)と対比して約2倍の優れたものであった。
[実施例2]
実施例1における、ポリエチレングリコール1000を、ポリエチレングリコール400(数平均分子量400)とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、3.7kgの重合体を得た。得られた重合体の極限粘度は1.8dl/gであった。この共重合体を解析した結果、得られた共重合体は、1−オキソトリメチレン単位とエチレングリコール単位とがジブロック共重合したポリマーで、ポリアルキレングリコール/(ポリケトン+ポリアルキレングリコール)の比率(%)は、3.0wt%、水との接触角は64°であった。
この共重合体を、平均粒径0.1μmのシリカ微粒子(スノーテックスMP−1040(商品名:日産化学社製))と重量比3/1で混合する以外は、実施例1と同様にして中空糸を得た。得られた中空糸は、同様にして成形したポリアルキレングリコールを有さない中空糸(比較例1)と対比して2倍以上の透水性能を有していた。
[実施例3]
実施例1における、ポリエチレングリコール1000をポリエチレングリコール2000(数平均分子量2000)とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、1.9kgの重合体を得た。
得られた共重合体の極限粘度は1.8dl/gであった。この共重合体を解析した結果、得られたケトン重合体は、1−オキソトリメチレン単位とエチレングリコール単位とがジブロック共重合したポリマーで、ポリアルキレングリコール/(ポリケトン+ポリアルキレングリコール)の重量比率(%)は、14.5%、水との接触角は55°であった。
この共重合体を用いて実施例1と同様にして中空糸を作製した。得られた中空糸は、同様にして成形したポリアルキレングリコールを有さないポリケトン中空糸(比較例1)と対比して非常に優れた透水性能を有していた。
[実施例4]
実施例1において、アルカリ処理を行う前に中空糸を200℃で3倍の熱延伸を行う以外は同様にして中空糸を得た。得られた中空糸は、優れた透水性能と力学特性(強度、震度)を具備するものであった。
[実施例5]
実施例1における、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンに替えて、1,3−ビス{ジ(2−メトキシフェニル)ホスフィノ}プロパンを用い、重合温度を93℃とする以外は、実施例1と同様な操作を行い、3.0kgの重合体を得た。
得られたケトン重合体の極限粘度は4.1dl/gであった。この共重合体を解析した結果、得られた共重合体は、1−オキソトリメチレン単位とエチレングリコール単位とがジブロック共重合したポリマーで、ポリアルキレングリコール/(ポリケトン+ポリアルキレングリコール)の重量比率(%)は0.6%、水との接触角は69°であった。
この共重合体を、塩化亜鉛が22wt%、塩化カルシウムを30wt%、および塩化リチウムを10wt%含有する水溶液に、ポリマー濃度が10.5wt%となるように混合し、80℃、2時間溶解してドープとした。得られたドープを、外外径=0.6mm、外内径=0.4mm、内外径=0.3mmの二重管オリフィスの外側の輪状オリフィスから、また、内側の円形オリフィスからは水を吐出した。オリフィスより吐出されたドープは10mmのエアギャップを経て、−2℃の水浴に吐出線速度10.4m/分で押し出して凝固糸条とし、引き続き1wt%の塩酸水溶液で洗浄し、40℃の温水で仕上げ洗浄を行った後に、速度2.5m/分で曳きとった。
このポ中空糸の透水速度は12.9×10−3(m/hr・m・kPa)であり、同様の条件で成形したポリアルキレングリコールを有さないポリケトン中空糸(比較例2)と対比して非常に優れたものであった。
[実施例6]
実施例1で作製した共重合体を用い、ポリマー濃度を20wt%として混合する以外は実施例5と同様にして紡糸を行い凝固糸を曳きとった。得られた中空糸を、80℃の温水で1時間熱水処理を行った。さらに、60wt%のグリセリンを含有する水溶液が、温度60℃、1L/分の速度で流れる管の中に中空糸を配置し、1時間の環流処理を行った。還流処理した中空糸を65℃で12時間の加熱処理を行い、中空糸内部にある水を蒸発除去して中空糸を得た。この中空糸の透水速度は5.3(m/hr・m・kPa)であり、同様の条件で成形したポリアルキレングリコールを有さないポリケトン中空糸(比較例3)と対比して非常に優れたものであった。
[実施例7]
実施例5において、ドープに平均粒径0.45μmのシリカ微粒子(スノーテックスMP−4540(商標:日産化学社製))を共重合体に対して20wt%添加する以外は同様にして紡糸した。紡糸後、実施例1と同様にして水酸化ナトリウム処理、洗浄処理を行い中空糸を得た。この中空糸の透水速度は15.2×10−3(m/hr・m・kPa)と非常に優れたものであった。
[実施例8]
実施例5で作製したドープを安田精機(株)社製製膜機(AUTOMATIC FILM APPLICATOR No.542−AB)を用いて、80℃に加温されたガラス板上に厚み0.5mmでキャストした。ドープをキャストしたガラス板を2℃の水に浸漬し、引き続き20℃の1%塩酸水溶液にて洗浄した。さらに、水洗を行い、ポリケトン多孔膜を得た。この膜は、平均孔径0.21μmの孔を53.4vol%含有する微多孔膜であり、融点は249℃、結晶化度は52%、強度は0.6MPa、伸度は14%であった。
[比較例1]
ポリケトンにプロピレンを7モル%共重合した極限粘度1.8dl/g、融点226℃、水との接触角が77°のEPCOを用い、温度245℃にて実施例1と同様の方法で中空糸を作製した。得られた中空糸は、実施例1の中空糸よりも力学特性が劣り、また耐熱性(融点)もかなり劣るものであった。紡糸状況は不調で、溶融開始直後から押出圧力の上昇が起こり、3時間後からは安定して吐出ができなくなった。このポリケトン中空糸の透水速度は0.7×10−4(m/hr・m・kPa)であり、実施例1の本発明の中空糸よりも劣るものであった。
[比較例2]
ポリケトンに融点255℃、極限粘度4.3dl/g、水との接触角が74°であるECOを用いる以外は実施例5と同様にして中空糸を作製した。このポリケトン中空糸の透水速度は9.6×10−3(m/hr・m・kPa)であり、実施例5および7の本発明のン中空糸よりも劣るものであった。
[比較例3]
実施例7において、ポリケトンに比較例1で用いたプロピレンを7モル%共重合した極限粘度1.8dl/g、融点226℃、水との接触角が77°のEPCOを使用する以外は同様にして中空糸を作製した。得られた中空糸は、透水速度は3.5×10−3(m/hr・m・kPa)であり、実施例6の本発明の中空糸よりも劣るものであった。
[比較例4]
ポリケトンに融点255℃、極限粘度1.9dl/g、水との接触角が74°であるECOを用い、温度275℃にて実施例1と同様の方法でシリカ微粒子と溶融混合したところ、熱架橋が起こり吐出することができなかった。
以上の実施例および比較例の結果を表1にまとめて示す。
Figure 2005144330
本発明の多孔体は、強度、耐熱性および耐薬品性に加えて、親水性で高ろ過効率の多孔体である。この特性を利用して、本発明の多孔体は、水性液体の分離膜用途、具体的には、汚水処理、含油廃水処理、工業用純水の製造、果汁の処理等の水溶液濾過膜、極性有機液体中の不純物除去や回収等の有機溶液濾過膜、またイオン性液体の透過膜、さらには血液や体液の透析膜等の用途に極めて有用である。
本発明の中空糸の斜視図である。 本発明のフィルムの斜視図である。 中空糸製造に用いる二重管オリフィスの紡出面を表す図である。

Claims (7)

  1. 化学式(1)で表される繰り返し単位および化学式(2)で表される繰り返し単位を有する共重合体により構成され、平均孔径が0.001〜10μmである孔を5〜90vol%含有することを特徴とする多孔体。
    Figure 2005144330
    (式中、Aは炭素数が2〜30の有機基である。)
    Figure 2005144330
    (式中、Rは炭素数が1〜20のアルキレン基であり、nは3以上の整数である。)
  2. 繰り返し単位の1〜99.5wt%が化学式(3)で表される1−オキソトリメチレン単位であり、繰り返し単位の0.5〜99wt%が化学式(4)で表されるポリアルキレングリコール単位である共重合体により構成されていることを特徴とする請求項1記載の多孔体。
    Figure 2005144330
    Figure 2005144330
    (式中、Rは炭素数が2〜6のアルキレン基であり、nは3以上の整数である。)
  3. 繰り返し単位の50〜99.0wt%が化学式(3)で表される1−オキソトリメチレン単位であり、繰り返し単位の1.0〜50wt%が化学式(5)で表されるポリアルキレングリコール単位であって、極限粘度が0.1〜20dl/gである共重合体により構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の多孔体。
    Figure 2005144330
    Figure 2005144330
    (式中、Rは炭素数が2または3のアルキレン基であり、nは3以上の整数である。)
  4. ポリケトン多孔体が繊維であり、繊維の内部に少なくとも一つの長手方向に貫通した空隙を有する中空糸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリケトン多孔体。
  5. 長手方向に貫通する空隙の割合が10〜60vol%であることを特徴とする請求項4記載のポリケトン多孔体。
  6. 化学式(1)で表される繰り返し単位および化学式(2)で表される繰り返し単位を有する共重合体を、平均粒径が0.001〜10μmの微粒子と溶融混合後、これを二重管オリフィスの外側の環状オリフィスから吐出するとともに、内側の円状オリフィスからは気体を吐出して成形し、得られた成形体を、微粒子を溶解可能な液体で処理して、成形体中の微粒子を溶出させる工程を含むことを特徴とする多孔体の製造方法。
    Figure 2005144330
    (式中、Aは炭素数が2〜30の有機基である。)
    Figure 2005144330
    (式中、Rは炭素数が1〜20のアルキレン基であり、nは3以上の整数である。)
  7. 化学式(1)で表される繰り返し単位および化学式(2)で表される繰り返し単位を有する共重合体を、上記共重合体の溶剤に溶解してドープを作成し、これを二重管オリフィスの外側の環状オリフィスから吐出するとともに、内側の円状オリフィスからは、共重合体の非溶剤である液体または気体を吐出した後に、共重合体ドープを凝固浴に導いて共重合体を凝固させる工程を含むことを特徴とする多孔体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012167209A (ja) * 2011-02-15 2012-09-06 Asahi Kasei Fibers Corp ポリケトン多孔体
JP2014173013A (ja) * 2013-03-08 2014-09-22 Asahi Kasei Fibers Corp カチオン性ポリケトン多孔膜
JP2017205740A (ja) * 2016-05-20 2017-11-24 国立大学法人神戸大学 複合膜

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