JP2005162678A - リポソーム用脂質、リポソームおよびそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
リポソームの安定化と内包物質の保持安定性を図るとともにその効率的送達および良好なターゲティングを達成する、安全性の高いリポソーム用脂質、それを用いたリポソームおよびそれらの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
転移温度を有するリン脂質を少なくとも含有するリポソーム膜構成物質を、該リン脂質の転移温度以上に加熱した、超臨界または亜臨界状態の二酸化炭素に溶解もしくは分散し、これに水を加えた後に撹拌し、次いで大気圧まで減圧して、該リポソーム膜構成物質を含有する水性懸濁液を凍結乾燥することによりリポソーム用脂質を得る。このリポソーム用脂質を、薬剤水溶液に添加して混合することにより水溶性薬剤含有リポソームが得られる。
【選択図】なし
Description
超臨界二酸化炭素を用いて製造する方法が開示されており、親水性薬効成分や親油性薬効成分をリポソームに内包する皮膚外用剤の製造例が示されている。しかし、親水性薬効成分として、水溶性電解質の例は示されているが、同法により水溶性非電解質をリポソームに効率よく内包できるか不明であった。
〔発明の具体的説明〕
本発明のリポソーム用脂質は、転移温度を有するリン脂質を少なくとも含有するリポソーム膜構成物質を、該リン脂質の転移温度以上に加熱した、超臨界または亜臨界状態の二酸化炭素に溶解もしくは分散し、これに水を加えた後に撹拌し、次いで大気圧まで減圧して、該リポソーム膜構成物質を含有する水性懸濁液を凍結乾燥することにより得られるリポソーム用脂質である。リン脂質の「(相)転移温度」とは、リン脂質がとり得るゲルと液晶との両状態間の相転移を生じる温度である。その測定は、示差走査熱量計(DSC)を使用する示差熱分析による。
リポソーム用脂質
リポソームは、二分子膜小胞体であり、一般には脂質膜で構成される。本発明の「リポソーム用脂質」およびその製造方法に用いられる「リポソーム膜構成物質」とは、膜構成物質として一般に使用されるものであれば特に限定されない。通常は、リポソーム形成能を有する脂質を必須の主要成分とし、それ以外に任意成分として共存させる物質がある。任意成分には、膜安定化剤としてのステロール類、荷電物質としての脂肪酸またはその塩、脂質混合乳化物など、従来から小胞体の形成成分として用いられているものも含まれる。リポソーム形成能を有する脂質としては、リン脂質および糖脂質があるが、特にリン脂質およびその誘導体が好ましい。
、ジミリストリルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジパルミ
トイルホスファチジルイノシトール(DPPI)、ジステアロイルホスファチジルイノシトール(DSPI)、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)などを挙げることができる。この中でもホスファチジルコリンを主成分とすることが好ましい。
ステロールの使用量は、リン脂質1モルに対して0.01〜0.5モル、好ましくは0.05〜0.1モルの割合が望ましい。0.01モルより少ないとステロールによる安定化が発揮されず、0.5
モルより多すぎるとリポソームの形成が阻害されるか、形成されても不安定となる。
リポソーム膜中のコレステロールは、ポリアルキレンオキシド導入用のアンカーにもなり得る。特開平09-3093号公報には、ポリオキシアルキレン鎖の先端に、効率よく種
々の「機能性物質」を共有結合により固定化することができ、リポソームの形成成分として利用することができる新規なコレステロール誘導体が開示されている。
に付与することができる。たとえば、PEG化リポソームには免疫系(たとえば細網内皮系細胞)から認識されにくくなる(いわゆる「ステルス化」された状態である)効果が期待できる。あるいはリポソームが親水的傾向を有することにより血中安定性を増して、長時間にわたり血液中の濃度を維持できることが明らかになっている(Biochim. Biophys. Acta., 1066, 29-36(1991))。
、アルキル基または機能性官能基を表す。
オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基、オキシ−1−エチルエチレン基、オキシ−1,2−ジメチルエチレン基などが挙げられる。これらのオキシアルキレン基は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、テトラヒドロフランなどのアルキレンオキシドを付加重合させた基である。
nは1〜2000、好ましくは10〜500、さらに好ましくは20〜200の正数である。
〜5の、分岐していてもよい脂肪族炭化水素基が挙げられる。機能性官能基は、ポリアルキレンオキシド鎖の先端に糖、糖タンパク質、抗体、レクチン、細胞接着因子といった「機能性物質」を付するためのもので、たとえばアミノ基、オキシカルボニルイミダゾール基、N-ヒドロキシコハク酸イミド基といった反応性に富む官能基が挙げられる。
%、より好ましくは0.1〜10モル%である。0.001モル%未満では期待される効果が小さくなる。
従来技術において、リポソームは、リン脂質、ステロール、レシチンといった脂質成分をほとんど例外なく、まず溶媒、たとえばクロロホルム、ジクロロメタン、エチルエーテル、四塩化炭素、酢酸エチル、ジオキサン、THFなどとともに容器中で混合し、分散、溶
解することにより混合脂質を得て調製されている。このようなリポソームの調製品は、必ず有機溶媒を含んでいる。残存する有機溶媒を除去するために、多段階の工程および長時間の処理を要しているのが現状である。また、保存安定性および均一性に優れたリポソームを工業規模で製造するには、リポソームの中間原料となるリポソーム用(混合)脂質を、工業生産に利用しやすい性状に均一化し、水分散性が良好な形態に加工する必要がある。そのための方法として、特開平9−87168号公報には、リポソーム膜構成物質を、水不溶性の揮発性有機溶媒を含む均一溶媒中に溶解せしめ、これに水または水溶液を加えた後、撹拌しながら有機溶媒を留去し、残留するリポソーム膜構成物質混合分散水相を凍結乾燥して得る方法が提案されている。そうした方法においても有機溶媒をほとんど留去する工程は必須であり、作業が煩雑となることは免れない。残存する有機溶媒の除去は、凍結乾燥の操作によるとしているが、使用されるクロル系有機溶媒の完全な除去は容易ではない。クロル系有機溶媒は、生体への悪影響、具体的には副作用が最も懸念されるものである。
と比較的扱いやすく、不活性なガスゆえ残存しても人体に無害であり、高純度流体が安価で容易に入手できるなどといった理由により好適である。さらにこの方法により作製されたリポソームは、後記するように、薬効物質、X線造影剤のヨウド化合物を始めとする水溶性薬剤を内包するのに種々の好ましい特性および利点を有している。
媒)として使用するのがよい。このうち、より好ましい溶解助剤は、安全性の観点および除去の容易性から、低級アルコール、とりわけエタノールである。
、使用するリン脂質の相転移温度またはそれより上である。圧力は、通常50〜500気圧、
好ましくは100〜400 気圧の範囲である。具体的には上記温度が決まれば、二酸化炭素の
超臨界状態(亜臨界状態を含む)を確立するための圧力とする。また、高熱をかけて脂質類を水中で強制的に融和させる方法でないために、高熱による脂質類の変性、たとえばリン脂質が加水分解してリゾ体を生じたり、不飽和成分の過酸化が起きるといった問題もない。
させる。その際、必要に応じて上記溶解助剤を併用することができる。続いて生成した脂質混合物に、水を添加して水相/二酸化炭素エマルジョンを形成させる。さらに撹拌を続けて水を連続的に添加する。水相の増大とともに系の相転移が起こり、水/炭酸ガスエマ
ルジョン+炭酸ガス/水エマルジョンの2相系を経て、過剰な炭酸ガスが炭酸ガス/水エマルジョンと分離すると考えられる。リポソーム膜構成物質は水相に転相していると推定されるため、系内を、最終的に大気圧まで減圧して二酸化炭素を排出すると、水を内包するリポソーム用脂質の水性懸濁液(脂質分散水相)が形成される。
1〜0.4μの孔径を有する濾過膜を通す。この“転移温度+10”℃以上とは、用いるリン脂質の種類と組成にもよるが、大体35℃から65℃である。加圧押出し濾過の操作では、このように加温すると、転移温度を有するリン脂質は液晶状態であり、流動性が高まる。したがって、フィルターの目詰まりを生じることなく比較的低い圧力で濾過滅菌が可能となる。分散液の押し出し濾過は、各種の静圧式押出し装置、たとえば「エクストルーダー」(商品名、日油リポソーム製)、「リポナイザー」(商品名、野村マイクロサイエンス製)などにより、フィルターを強制的に透過させる。フィルターは、ポリカーボネート系、セルロース系などのタイプを適宜使用することができる。これにより脂質分子の配向が均一であり、水分散性が良好なリポソーム用脂質が得られる。
水溶性薬剤を内包するリポソームの作製
本発明の製造方法において薬物送達システムなどに使用されるリポソームの作製方法について、以下に詳述する。
じてその製造方法を適宜選択することが行なわれている。
を加え、分散液とすることにより、水溶性薬剤を内包するリポソームが形成される。
などが例示される。特に、トリスが後述する理由により好ましい。キレート化剤として、製剤学的に使用が認められるEDTA、EDTANa2−Ca(エデト酸二ナトリウムカルシウム
)、EDTANa2、ヘキサメタリン酸などが挙げられる。結局、水溶性アミン系緩衝剤お
よびキレート化剤が特に好ましく使用される。
適寸法を有する均一なリポソームを効率よく調製することができる。具体的には、各種の静圧式押出し装置、たとえば「エクストルーダー」(商品名、日油リポソーム製)、「リポナイザー」(商品名、野村マイクロサイエンス製)などを使用する。本発明のリポソーム用脂質は、規則正しい配向を有する均一な脂質膜の構成であるため、水溶性薬剤を封入した粘度の高いリポソーム懸濁液であっても、フィルターの目詰まりを起こすことなく粒径の揃ったリポソームを作製することができる。押出しろ過法については、たとえばBiochim. Biophys.Acta 557巻,9ページ(1979)に記載されている。このような「押出し」操作
工程を取り入れることにより、上記サイジングに加えて、リポソーム分散液の交換、望ましくない物質の除去、濾過滅菌も併せて可能になるという利点もある。引き続きリポソームを、遠心分離、限外ろ過、ゲルろ過などの方法により未保持の薬剤を除去して精製してもよい。濃縮、希釈などの操作を任意に行ってもよい。
ることによっても図られている。一枚膜のリポソームは、実質的にリン脂質二重層が1つ
の層としてなる膜(unilamellar vesicle)で構成されるリポソームである。ここで「実
質的に」とは、以下の凍結かつ断(Freeze fracture )レプリカ法による透過型電子顕微鏡(TEM)観察において、レプリカが概ね1つの層として認められるリン脂質二重層に
よりリポソームが構成されていることをいう。すなわち、観察したカーボン膜に残された粒子の跡について段差がないものを一枚膜と判定し、2つ以上の段差が認められるものを「多層膜」と判定した。本発明の製造方法によれば、一枚膜リポソームを、薬効物質または造影物質中に含まれる全リポソーム中、少なくとも80%、好ましくは90%以上含むものが得られる。
れに対し、従来のリポソーム作製方法では、多重層膜(multilamellar vesicles; MLV)からなるリポソームがかなりの割合で存在することが多い。そのため、一枚膜リポソームの比率を高めるためには、超音波を照射するか、一定孔サイズのフィルターに何度も通すなどの操作をさらに必要としていた。一枚膜リポソームは、MLVと比較して、リポソ
ームの投与量、換言すると投与脂質量が大きくならないという利点もある。
。本発明の方法により製造される水溶性薬剤含有リポソームは、粒径が200〜1000nmのL
UVと、粒径が50nm未満の小さい一枚膜リポソームであるSUV(Small unilamellar vesicles)との中間に位置する。このため、保持容積もSUVより大きくなり、水溶性非電解質の薬効物質または造影物質のトラップ効率、換言すると内包効率も、後述するように格段に優れたものとなる。また、MLV、LUVと違い、細網内皮系細胞に取り込まれて急速に血流から消失することもない。
的に応じて、粒径を適切に設定することができる。たとえば腫瘍部分への選択的送達には、特に110〜130nmが好ましい。リポソームの粒径を100〜200nm、より好ましくは110〜130nmの範囲に均一に揃えることにより癌組織へ選択的に薬効物質または造影剤を集中させることが可能となる。これは「EPR効果」として知られている。固形癌組織にある新生血管壁の孔は、正常組織の毛細血管壁窓(fenestra)の孔サイズ、30〜80nm未満に比べて異常に大きく、約100nm〜約200nmの大きさの分子でも血管壁から漏れ出る。すなわちEPR効果は、癌組織にある新生血管壁では、正常組織の微小血管壁より透過性が高いことによるものである。
リポソームおよびその利用
本発明の方法により製造される水溶性薬剤含有リポソームは、狭い粒径範囲に揃えた、実質的に一枚膜のリポソームであり、特に生理食塩水中での安定性が向上している。本発明のリポソームは、医薬の運搬体、検査薬、診断薬、センサー、固定化触媒など各種の用途に利用できる。その特徴を発揮するのに好適な用途は、血中安定性および血中滞留性を利用した薬効物質の標的部位への送達である。上記用途に使用するための製剤であり、本発明の水溶性薬剤含有リポソームを含む態様の製剤を、本明細書では「リポソーム製剤」という。リポソーム製剤には、製剤技術としてこれまで用いられている製剤助剤もしくは添加剤、たとえば安定化剤、保存剤、抗酸化剤、浸透圧調整剤なども含められる。その形態にも水性媒体(水をベースとして薬効物質、製剤助剤などを溶解する溶媒であり、蒸留水、局方注射用水、純水などの水のほか、生理食塩水、各種緩衝液、塩類などを含む水溶液などが挙げられる。)に分散または懸濁させた液体製剤などがある。
しくは3〜8、より好ましくは5〜8の重量比で含有されていることが望ましい。
安定化に基づいて、早くも短時間に封入成分が減少していくことが記載されている(特表平9−505821号公報)。
さらには、投与後にリポソームが体内に安定に維持されるように、体内の浸透圧に対し、等張の溶液または懸濁液の形でリポソーム中に封入される。上記リポソーム製剤液の好ましいpH範囲は、室温で6.5〜8.5、さらに好ましくは6.8〜7.8である。リポソームの内包物質が、水溶性薬効物質または多ヒドロキシル基を有する造影物質である場合、好ましい緩衝液は、米国特許第4278654号に記載されているような負の温度係数を有する緩衝液で
ある。アミン系緩衝液はこのような要求を満たす性質を有しており、特に好ましくはトリス(トロメタモール)である。このタイプの緩衝液は、オートクレーブ温度で低いpHを有し、このことがオートクレーブ中のリポソーム製剤の安定性を増し、他方、室温では生理的に許容されるpHに戻る。この場合、濾過滅菌のようにリポソーム粒径の微小化という制約も受けない。したがって、注射用無菌製剤を製造するために、リポソーム調製物をオートクレーブ滅菌できることは極めて便利であり、貯蔵安定性なども確保できる。しかしオートクレーブ滅菌を適用できないリポソームには、濾過滅菌を行なうのがよい。
水溶性薬剤を脂質膜重量に対して3〜8の重量比で含有している。本発明の方法により製造されるリポソームは、リポソームの構造安定化と内包物質の保持安定性を図るとともに、リポソームの血中滞留性を高めている。これにより薬効物質もしくは造影物質の効率的送達ならびに良好なターゲティングを達成することができる。
本発明のリポソーム用脂質は、リン脂質などのリポソーム膜構成成分の配向が均一であり、水分散性が良好である。
るため、封入物質である水溶性薬剤の内包率を向上させている。さらにリポソーム構造の安定化および封入物質の保持安定性を改善させている。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。本発明は、かかる実施例によりなんら限定されるものではない。
ンのついたステンレス製圧力容器(内容積50ml)に撹拌子とともに入れて、蓋をした。圧力容器をマグネチックスターラー上に載せ、圧力容器の撹拌子を回転させながら、圧力容器内を60℃に加熱した。続いて5MPasの圧力の液体二酸化炭素13gを加えた。ピストン
でゆっくり内容積を小さくすることにより、液化二酸化炭素を超臨界状態の流体とさせ、さらに20MPasの圧力となるまでゆっくりと加圧した。その後しばらく撹拌子で圧力容器内を撹拌した後、局方注射用水、5mlを液体クロマトグラフィーのポンプを用いて、圧力容器内に、約50分間かけて投入した。その後系内の二酸化炭素を徐々に排出し、常圧までに戻して、リポソームの分散液を得た。この操作を4回繰り返した。
ムジー社製のX線用造影剤「オイパミドール150」を5ml加えて、数回転倒撹拌して、X線造影剤用ノリポソーム分散液1を得た。
6回濾過を行った。これを凍結乾燥した。その後、コニカミノルタエムジー社製のX線用造影剤「オイパミドール150」を5ml加えて、数回転倒撹拌して、X線造影剤用ノリポソーム分散液2を得た。
、孔径0.2μmのアドバンテック社製混合セルロースフィルターで6回、濾過を行った。
これを凍結乾燥した。その後、コニカミノルタエムジー社製のX線用造影剤「オイパミドール150」を5ml加えて、数回転倒撹拌して、X線造影剤用ノリポソーム分散液3を得た。
回、0.2μmのアドバンテック社製混合セルロースフィルターで3回、0.1μmのアドバンテック社製混合セルロースフィルターで6回濾過を行った。これを凍結乾燥した。その後、コニカミノルタエムジー社製のX線用造影剤「オイパミドール150」を5ml加えて、数回転倒撹拌して、X線造影剤用のリポソーム分散液4を得た。
析を行った後、エタノール/水、3/1の中に入れ、リポソームを壊し、内包していた造影剤濃度を分光光度計で測定したところ、薬剤の9〜15%が内包されていることがわかった。
塩 15.95mg、コレステロール15.95mg、をサフィアグラスののぞき穴を備え、可動式ピストンのついたステンレス製圧力容器(内容積50ml)に撹拌子とともに入れて、蓋をした。圧力容器をマグネチックスターラー上に載せ、圧力容器の撹拌子を回転させながら、圧力容器内を75℃に加熱した。続いて5MPasの圧力の液体二酸化炭素13gを加えた。ピスト
ンでゆっくり内容積を小さくすることにより、液化二酸化炭素を超臨界状態の流体とさせ、さらに20MPasの圧力となるまでゆっくりと加圧した。その後しばらく撹拌子で圧力容器内を撹拌した後、局方注射用水、5mlを液体クロマトグラフィーのポンプを用いて、圧力容器内に、約50分間かけて投入した。その後系内の二酸化炭素を徐々に排出し、常圧までに戻して、リポソームの分散液を得た。
回、0.2μmのアドバンテック社製混合セルロースフィルターで3回、0.1μmのアドバンテック社製混合セルロースフィルターで6回濾過を行った。これを凍結乾燥した。その後、コニカミノルタエムジー社製のX線用造影剤「オイパミドール150」を5ml加えて、数回転倒撹拌して、X線造影剤用のリポソーム分散液を得た。
Claims (5)
- 転移温度を有するリン脂質を少なくとも含有するリポソーム膜構成物質を、該リン脂質の転移温度以上に加熱した、超臨界または亜臨界状態の二酸化炭素に溶解もしくは分散し、これに水を加えた後に撹拌し、次いで大気圧まで減圧して、該リポソーム膜構成物質を含有する水性懸濁液を凍結乾燥することにより得られるリポソーム用脂質の製造方法。
- 前記の凍結乾燥の前に、前記水性懸濁液を前記リン脂質の“転移温度+10”℃以上に加温し、その後、細孔のある膜を通すことを特徴とする請求項1に記載のリポソーム用脂質の製造方法。
- 請求項1または2に記載の製造方法により得られるリポソーム用脂質。
- 請求項3に記載のリポソーム用脂質を、薬剤水溶液に添加して混合することにより得られる水溶性薬剤含有リポソームの製造方法。
- 請求項4に記載の製造方法により得られる水溶性薬剤含有リポソーム。
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