JPH0987168A - リポソーム用混合脂質及びリポソーム分散液 - Google Patents
リポソーム用混合脂質及びリポソーム分散液Info
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Abstract
させることによって品質の良いリポソームが得られ、押
出し法によってもフィルターの目詰まりを起こすことな
く高い取り込み率でヘモグロビン等の内包物質を取り込
むことができるリポソーム製造用中間原料である混合脂
質及びこれを用いたリポソーム分散液の提供。 【解決手段】 リン脂質成分、ステロール類、荷電物質
等からなるリポソーム膜構成物質を、水不溶性揮発性有
機溶媒を含む均一溶媒中に溶解せしめ、これに水または
水溶液を加えた後、撹はんしながら有機溶媒を留去し、
残留するリポソーム膜構成物質混合分散水相を凍結乾燥
させてリポソーム用混合脂質を製造する。得られたリポ
ソーム用混合脂質を水性溶液に分散させリポソーム分散
液から押出し法によってフィルターの目詰まりを起こさ
ずリポソームが得られる。
Description
間原料であるリポソーム用混合脂質及びこれを用いたリ
ポソーム分散液に関する。リポソームは化粧品成分や薬
物を体内に送り込むキャリアーとして利用され、DDS
(薬物送達システム)や人工血液、ワクチン等に利用さ
れる他、分散液としてバイオ素子や人工細胞、マイクロ
セルリアクターとして利用できる。
子膜小胞体であるリポソームは、化粧品や医薬品などの
ファインケミカルの分野において広く用いられ、特に医
薬用DDSの用途に好適な素材として注目されている。
しかし、一度に大量のリポソームを作るのは容易ではな
く、通常、リポソーム膜構成物質となる各成分を別々に
水に投入するだけではリポソームは形成できない。この
為、リポソームを工業規模で調製するには、リポソーム
の中間原料となるリポソーム用混合脂質を、工業生産に
利用しやすい様に均一化し、水に分散しやすい形態に、
何らかの方法によって加工する事が重要となる。
ーム用混合脂質の製造方法について幾つかの手段が知ら
れている。また、適切なリポソーム用混合脂質がない為
に、脂質原料成分を水中に均一分散させる工夫をしたリ
ポソームの製造方法などについても、様々な方法が提案
されている。これらのリポソーム用混合脂質の製造方法
及びリポソームの製造方法として例えば下記のごとき方
法が知られている。
ーム膜構成物質を少量の有機溶媒に膨潤せしめた後、撹
拌、練合しながら有機溶媒を除去し均一なリポソーム用
混合脂質を得る。これを水に撹拌することによりリポソ
ームが得られる。
質原料を有機溶媒に均一溶解させ、その後、瞬間真空乾
燥によって有機溶媒を揮散させることによってリポソー
ム用混合脂質を得る。これを水に撹拌することによりリ
ポソームが得られる。
ム形成脂質を水に投入し、これを高圧蒸気にさらした
後、薬剤溶液と混ぜ撹拌することでリポソームを得る。
ーム膜構成物質を揮発性有機溶媒に溶解し、得られた溶
液に水和物の形成に必要な量の水を加え、撹拌しながら
有機溶媒を除去して膜構成物質水和物を作り、これに生
理活性物質を含有する水溶液を加えて分散させることに
よりリポソームを得る。
88年発行、p34)。リポソーム膜構成物質を揮発性
有機溶媒に溶解させ少量の水溶液を加えてW/Oエマル
ジョンを形成させた後、エバポレーターにて有機溶媒を
留去することによりゼリー状にゲル化したリポソーム用
混合脂質が得られる。これをボルテックスミキサーにて
撹拌するか、もしくは多量の水中に分散させることによ
りリポソームが得られる。
年発行、p26)。リポソーム膜構成物質を揮発性有機
溶媒に溶解させた後、エバポレーターにて有機溶媒を留
去することにより茄子型フラスコの壁面に脂質薄膜を形
成させ、これに水溶液を加えてボルテックスミキサーで
撹拌することによりリポソームが得られる。
媒に溶解していない親油性界面活性剤を含有するリン脂
質と水溶液を混合撹拌しリポソームを形成する。また、
このものを凍結乾燥、または噴霧乾燥することによりリ
ポソーム製剤が得られ、これを水に再分散させてリポソ
ームを形成させることもできる。
質を水性媒体中に分散させた後、この分散液に薬剤を溶
解させ、このものを凍結乾燥することによりリポソーム
製剤が得られ、これを水に再分散させてリポソームを形
成できる。
ム用混合脂質及びリポソーム製造方法のうち、、及
びは、リポソーム膜構成物質を有機溶媒に溶解させる
ことにより均一化させ、その後、有機溶媒を除き、リポ
ソーム用混合脂質を得る方法である。この方法では、見
かけ上均一な脂質混合物が得られるが、有機溶媒中では
脂質分子がランダムな配向をとっており、親水基の向き
がバラバラで、そのままの状態で凍結乾燥しても得られ
る乾燥物は水になじみ難いという欠点を持っている。例
えば、このリポソーム用混合脂質を水に分散させ、押出
し法によってリポソームを作製する場合、分散性の悪い
部分の影響により、フィルターの目詰まりが頻繁に生じ
る。
てから、凍結乾燥させているので、脂質が親水基を配向
しており、、やの製法で作るより水になじみ易い
混合物が製造できる。しかし、もともと水に均一分散さ
せにくい脂質を水に分散しやすくするための工夫が必要
であり、均一分散させる媒体として最初から水を用いて
も、その目的を達するのは困難であり、見かけ上均一な
粉末が得られても、微小な未分散の原料が混入する。特
に、脂質成分に混合添加されるステロールや脂肪酸な
ど、水難溶性の物質を成分として多量に混ぜた場合、こ
の方法でリポソーム用混合脂質を作るのは困難である。
この方法で得られたリポソーム用混合脂質を水に分散さ
せ、押出し法によってリポソームを作製する場合も、未
分散原料の影響により、フィルターの目詰まりが頻繁に
生じる。
を用いているので、基本的にはと同様の欠点を持っ
ている。但し、の方法では、未分散原料が均一化しな
い欠点を緩和する為に、高圧蒸気滅菌をかけ、高圧と高
熱により脂質類を水中で強制的に融和させている。しか
し、この方法では、高熱による脂質類の変成が避けられ
ない。特に一部のリン脂質は加水分解して、リゾ体を生
じる。リゾ体は体内に投与された場合、溶血などの原因
となり毒性がある事から、医薬品として使用する場合に
は問題となる。また不飽和成分を含む場合、加熱による
過酸化の問題もある。また、この方法では、粉末化して
いないのでリポソーム形成前の脂質混合物の状態で保存
すると、相分離などを生じ保存安定性も良くない。
溶媒中に脂質成分を溶解させることにより、まず脂質を
均一化させ、ここにごく少量の水を加えることによりエ
マルジョン、もしくは均一な外観を呈する糊状物を形成
させる。ここから有機溶媒を除くことで、親水基を配向
させた水に分散しやすいリポソーム用混合脂質を得てい
る。しかし、これらの方法では、有機溶媒と水との混合
物から、水を除去せず有機溶媒のみを除去しているの
で、得られたものは少量の水を含有しており、と同様
に保存安定性が良くない。またの方法では、リポソー
ムに内包させたい薬液と混合する前に、すでにリポソー
ム用混合脂質に水を含有しているので、混合する薬液を
希釈してしまう。その為、高濃度に薬剤を内包させたい
と考える場合には不利になる。また水を除去せず有機溶
媒のみを除去しているため、エバポレーターやバブリン
グ操作などの方法で水中に分散溶解している有機溶媒を
完全に留去するのは困難であり、微量の有機溶媒が水を
含んだ脂質混合物中に残留する事は避けられない。この
ようなものを化粧品や医薬品の中間原料として用いるに
は品質が不適切であった。
の製造方法には、いずれも欠点があり、これらの方法
により得られたリポソーム用混合脂質及びリポソームは
水分散性、均一性、保存安定性、少量の有機溶媒の残留
による安全性、品質などそれぞれに問題を抱えている。
従来、これらの問題すべてを一度に解決した高品質のリ
ポソーム用混合脂質は製造が困難であった。
記従来の方法の問題点を解決した理想的なリポソーム用
混合脂質、並びにこれを用いたリポソームの製造方法の
提供を目的として、水分散性、均一性、品質等に優れる
リポソーム用混合脂質及びこれからリポソームを製造す
る方法について検討を重ねた結果、リポソーム膜構成物
質を、水不溶性の揮発性有機溶媒を含む溶媒中に溶解せ
しめ、この有機溶媒溶液に対して、水もしくは水溶液を
加えた後、撹拌しながら有機溶媒を留去し、脂質分散水
相を形成後、これを凍結乾燥させることにより、医薬用
素材としても利用できる均一で分散性の良い理想的なリ
ポソーム用混合脂質が得られることを見出した。また、
この脂質混合物を水に分散させ、押出し法によってリポ
ソームの製造を行うと、従来、押出し法の欠点であった
フィルターの目詰まりを著しく軽減できることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
を、水不溶性揮発性有機溶媒を含む均一溶媒中に溶解せ
しめ、これに水または水溶液を加えた後、撹はんしなが
ら有機溶媒を留去し、残留するリポソーム膜構成物質混
合分散水相を凍結乾燥させて得られたリポソーム用混合
脂質である。
構成物質には、膜構成物質として一般に使用されるもの
であれば特に限定されないが、リポソーム形成能を有す
る脂質成分を必須成分とし、膜安定化剤としてのステロ
ール類、荷電物質としての脂肪酸または脂肪酸塩、酸化
防止剤等を任意成分とするものである。リポソーム形成
能を有する脂質としては特にリン脂質が好ましい。
ァチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホ
スファチジルグリセロールなどに代表される物質で、卵
黄、大豆、その他天然原料に由来するものあるいは合成
によって得られるものでも良く、これらの混合物もしく
は単体いずれでもかまわない。これらに修飾を施したリ
ン脂質誘導体も使用してよい。また1,2−ジ(オクタ
デカ−2,4−ジエノイル)−sn−グリセロ−3−ホ
スホコリンなどに代表される各種の重合性リン脂質もこ
れらのリン脂質に含まれる。これらのリン脂質の中では
特にホスファチジルコリンを用いるのが好ましい。
て、コレステロールアセテート、ジヒドロコレステロー
ルフィトステロール、シトステロール、スチグマステロ
ール、カンペステロールなどを代表とする多くのステロ
ール類が膜安定化剤として使用できるが、特にコレステ
ロールが好ましい。
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライ
ジン酸、エレオステアリン酸、2,4−オクタデカジエ
ン酸などを代表とする脂肪酸やこれらのナトリウム塩、
カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩など各種の
脂肪酸塩が好適に用いられる。またホスファチジン酸や
ジセチルホスフェートなども荷電物質として好適であ
り、更にリン脂質成分としてホスファチジルグリセロー
ルをまたはその塩を用いた場合、それ自身が荷電物質と
しても作用する。
本発明の効果を損なわない範囲で加えて良い。さらに、
特種な安定化効果、生理活性などを付与する目的で、糖
脂質やカルジオリピンなど特異な構造の脂質を含有させ
ることも可能である。この他、生理活性を持つ物質を少
量混合しておくことも行って良い。
を任意に混合して用いることができるが、特に下記の成
分の組み合わせを用い、本発明によりリポソーム用混合
脂質とする場合に優れた均一性や水分散性を示す。 A:リン脂質とステロール。 上記Aの配合のうち、特に好ましくは下記の成分の組み
合わせである。 B:ホスファチジルグリセロールを必須成分とするリン
脂質成分とステロール。 C:リン脂質成分とステロール及び脂肪酸塩。
テロールとを含んでいると、得られるリポソーム用混合
脂質を水に分散させる際、混合脂質の分散性が向上す
る。またホスファチジルグリセロールまたは脂肪酸塩を
含んでいると、水への分散性はさらに向上する。
グリセロールを含むリン脂質全体の量を1とした場合、
ステロールはモル比で0.05〜2の割合で含有するの
が好ましい。リン脂質中のホスファチジルグリセロール
と他のリン脂質の比はモル比で0.005:1〜1:
0、更に好ましくは0.05:1〜1:0の範囲で選択
される。Cの場合、リン脂質1に対してステロールはモ
ル比で0.05〜2、脂肪酸塩は0.001〜2、更に
好ましくは0.01〜1.5の範囲で選択されるのが好
ましい。
構成物質を、水不溶性揮発性有機溶媒を含む均一溶媒中
に溶解させる。水不溶性揮発性有機溶媒としてはクロロ
ホルム、ベンゼン、ジクロロメタン、ヘキサン等が挙げ
られる。またこれらの有機溶媒は混合して用いてもよ
く、その溶解性を上げる目的で、エタノールやメタノー
ルなど水溶性の有機溶媒や、これと合わせて可溶化させ
た少量の水などを混合して、水不溶性の揮発性有機溶を
含む均一溶媒を調製して使用してもよい。そのような目
的に好適な混合溶媒組成の例としてはクロロホルム,メ
タノール,水の65:25:4の組成や、あるいは8
0:18:2の組成などが適当であるが、均一な外観で
あれば必ずしもこの組成や比率に限定する必要はない。
機溶媒を含む均一溶媒に加える水または水溶液として
は、蒸留水、イオン交換水、局方注射用水などが好まし
く使用され、糖などを含有した水溶液や緩衝液等を加え
ても良い。あるいは生理活性物質を含ませておいても良
い。
は次に示す手順で実施される。まず、水不溶性の揮発性
有機溶を含む均一溶媒にリポソーム膜構成物質を溶解さ
せる。これらの溶媒の使用量は、膜構成物質を完全に溶
解する量ならば特に制限はないが、操作性などの条件か
らリポソーム膜構成物質1gあたり0.05〜20ml
程度が適当である。
物質の溶液に対し、水もしくは水溶液を加える。加える
水または水溶液の使用量は、膜構成物質1gあたり4〜
100ml程度が適当である。この時、水不溶性の揮発
性有機溶媒を含む均一溶媒に対する水もしくは水溶液の
量は、体積比で少なくとも0.5倍程度あるのが良い。
より好ましくは1.5倍〜50倍の範囲で選択するのが
適当である。これらの水を、水不溶性の揮発性有機溶を
含む均一溶媒に添加したときに均一相を形成せず、相分
離を生じていると好ましい。
溶媒の除去はエバポレーターを用いて、揮発性有機溶媒
を留去しながら水相中にリポソーム膜構成物質を分散す
る方法が好適であるが、他にも不活性ガス(窒素、アル
ゴン等)の吹き付けや、バブリング、トラップを付けた
減圧装置等、既知の方法が利用できる。いずれの場合も
撹拌しながら有機溶媒を除去することが必要である。こ
の工程で十分に有機溶媒を除く必要があるが、微量の残
留ならばリポソーム膜構成物質が均一に水相中に分散し
たことが確認できれば許容できる。
質分散水相を液体窒素もしくはドライアイス- メタノー
ル等を用いて凍結後、凍結乾燥機に取り付け凍結乾燥す
る。本発明においてはリポソーム膜構成物質を有機溶媒
で溶解させた後、これに水性溶液を相当量加えているの
で凍結乾燥することが重要であり、これによって水及び
残留する微量の有機溶媒を除去することができる。この
ようにしてリポソーム膜構成物質から、リポソーム製造
に適する均一なリポソーム用混合脂質を得ることができ
る。
造は、次のようにして行われる。まずリポソーム膜構成
物質1gに対して、1〜1000mlの水性溶媒を準備
する。水性溶媒としては単なる水を用いても良いし、少
量のメタノールなどを含む水性混合溶媒であってもよい
が、好ましくは局方注射用水や蒸留水などが用いられ
る。この時、また水性溶媒に生理活性物質や、蛋白質、
緩衝物質や各種の塩、血漿などを溶解させ、溶液状とし
たのものであってもよい。リポソーム形成溶脂質混合物
をこれらの水性溶媒に懸濁させる。これを、マントンガ
ウリンやマイクロフルイダイザーなどの乳化機やワーリ
ングブレンダーなどの高速撹拌機などを用いて物理的な
力を加え、分散液とすることによりリポソームが形成さ
れる。
用い、簡単な分散処理をした分散液を各種の静圧式押出
し装置、例えば”EXTRUDER”(商品名、日油リ
ポソーム製)や”リポナイザー”(商品名、野村マイク
ロサイエンス製)等によって市販のフィルターを強制的
に通過させることにより、フィルターの目詰まりを生じ
ることなく、粒径の揃ったリポソームを簡単に製造する
ことができる。
外濾過、遠心分離、ゲル濾過等の方法によって未保持の
薬物を除いても良いし、濃縮や希釈等の操作を自由に行
って良い。
説明する。
/脂肪酸Na) リポソーム膜構成物質として、ジミリストイルホスファ
チジルコリン2.89g(4.26mmol)、ジパル
ミトイルホスファチジルコリン3.13g(4.26m
mol)、コレステロール3.30g(8.53mmo
l)、パルミチン酸ナトリウム0.68g(2.44m
mol)を秤量し、2リットルのナス型フラスコに加え
た。ここにクロロホルム、メタノール、水からなる均一
系混合溶媒(混合比率(容量比)80:18:2)の1
00mlを加え加温しながら完全溶解させた。これに注
射用水200mlを添加して、エバポレーターに取り付
け、回転させつつ突沸に注意しながら有機溶媒を取り除
いた。途中、透明な糊状の相を経て、膜構成物質は均一
に水相に分散し、最終的には粘性のある白色の液体を形
成した。このものを液体窒素で凍結後、凍結乾燥器に装
着し、30時間凍結乾燥して白色粉末状のリポソーム用
混合脂質を得た。
他の実施例、比較例とともに、クロロホルム臭官能試
験、リポソーム形成試験、押出し法によるリポソーム形
成試験及び内包物取り込み度評価を行った。評価方法は
下記〜のとおりである。評価結果を表1に示す。
(液体の場合は計算上5gを含む体積を計量して5gを
とる)をビーカーに秤量し、成人男子3名、成人女子2
名の被験者を対象として、リポソーム用混合脂質のクロ
ロホルム臭の有無を判断させ、下記2段階により判定し
た。 ×:被験者のうち2名以上がクロロホルム臭を感じたも
の。 ○:クロロホルム臭を感じた被験者が1名以下の場合。
液の作製(リポソーム形成試験) 実施例、比較例で得られたリポソーム用混合脂質1g
(液体の場合は計算上1gを含む体積を計量して1gを
とる)をビーカーに秤量し、生理食塩水10mlを加え
たのち、ホモミキサーで激しく撹拌した。これを口径2
5φのEXTRUDERに加え、約3kg/cm2 の圧
力を加えながら20℃で孔径3.0μmの混合セルロー
スフィルター(日本ミリポア製)を通過させた。リポソ
ーム形成能の評価は、10mlが通過し終わる時間を測
定し、下記の3段階で評価した。 ○:180秒以内に通過するもの 小粒径のリポソームが良好に形成されていると考えられ
る。 △:通過時間が180秒以上、300秒未満のもの。軽
度な不良と考えられる。 ×:通過時間が300秒以上かかるもの これはフィルターにおいて目詰まりが生じているためで
あり、孔径3.0μm以上の粗大なリポソームもしくは
凝集物が生じており、リポソーム形成能不良のものであ
る。
液の作製(押出し法によるリポソーム形成試験) リポソーム用混合脂質1g(液体の場合は計算上1gを
含む体積を計量して1gをとる)をビーカーに秤量し、
濃度30g/dlのヘモグロビン溶液10mlを加えた
のち、マグネットスターラーを用いて12時間緩やかに
撹拌した。これを口径25φのEXTRUDERに加
え、加圧(1〜30kg/cm2 )しながら10℃で孔
径3.0μm、1.2μm、0.8μm、0.6μm、
0.45μm、0.3μm、0.22μmの混合セルロ
ースフィルター(日本ミリポア製)まで順に通過させ
た。フィルターでの目詰まりの状況を観察し、下記2段
階により、押出し法によるリポソーム形成能を判定し
た。 ○:フィルター通過の際、途中で目詰まりする事なく
0.22μmまで10ml全量通過したもので、押出し
法によりリポソーム形成容易と考えられる。 ×:途中で目詰まりしたもので、押出し法では小粒径リ
ポソームは形成困難と考えられる。
ルについてのみ、内包物質取り込み度測定を行った。作
製したサンプルを生理食塩水で置換したセファロース4
B(ファルマシア製)カラムにチャージして、内包され
なかったヘモグロビンを除去した。こうして得たヘモグ
ロビン内包リポソームについて市販のリン定量キットお
よびヘモグロビン定量キットを用いて、リン定量、ヘモ
グロビン定量を行った。リン定量から総脂質重量を求
め、ヘモグロビン重量を総脂重質量で除してヘモグロビ
ン/総脂質比を算出した。この時のヘモグロビン/総脂
質比をリポソーム内包物質取り込み度とした。
レステロール/脂肪酸Na) 実施例1においてクロロホルム、メタノール、水からな
る均一系混合溶媒(混合比率 80:18:2)の量を
20mlに、注射用水添加量を15mlにした以外は実
施例1と同様にして操作をし、白色粉末状のリポソーム
用混合脂質を得た。得られたリポソーム用混合脂質につ
いて、実施例1と同様に〜の項目について評価を行
った。結果を表1に合わせて示す。
レステロール/脂肪酸Na) 実施例1においてクロロホルム、メタノール、水からな
る均一系混合溶媒(混合比率 80:18:2)の量を
20mlに、注射用水添加量を200mlにした以外は
実施例1と同様にして操作をし、白色粉末状のリポソー
ム用混合脂質を得た。得られたリポソーム用混合脂質に
ついて、実施例1と同様に〜の項目について評価を
行った。結果を表1に合わせて示す。
レステロール/ホスファチジルグリセロール塩) リポソーム膜構成物質をジミリストイルホスファチジル
コリン2.63g(3.87mmol)、ジパルミトイ
ルホスファチジルコリン2.85g(3.88mmo
l)、コレステロール3.00g(7.76mmo
l)、ジミリストイルホスファチジルグリセロールアン
モニウム塩1.52g(2.22mmol)とした以外
は実施例1と同様にして白色粉末状のリポソーム用混合
脂質を得た。得られたリポソーム用混合脂質について、
実施例1と同様に〜の項目について評価を行った。
結果を表1に合わせて示す。
レステロール/脂肪酸) リポソーム膜構成物質として、ジミリストイルホスファ
チジルコリン2.91g(4.29mmol)、ジパル
ミトイルホスファチジルコリン3.15g(4.29m
mol)、コレステロール3.31g(8.56mmo
l)、パルミチン酸0.63g(2.46mmol)と
した以外は実施例1と同様にして白色粉末状のリポソー
ム用混合脂質を得た。得られたリポソーム用混合脂質に
ついて、実施例1と同様に〜の項目について評価を
行った。結果を表1に合わせて示す。
質はいずれもクロロホルム臭がなく、水に分散させるこ
とにより小粒径の良好なリポソームが形成され、ヘモグ
ロビンと混合して押出し法によるリポソーム形成におい
ても目詰まりを生ずることなく高い取り込み度でヘモグ
ロビンを内包することができた。
で、ジミリストイルホスファチジルコリン2.89g
(4.26mmol)、ジパルミトイルホスファチジル
コリン3.13g(4.26mmol)、コレステロー
ル3.30g(8.53mmol)、パルミチン酸ナト
リウム0.68g(2.44mmol)を秤量し、2リ
ットルのナス型フラスコに加えた。ここにクロロホルム
100mlを加え加温しながら完全溶解させた。ここに
注射用水30mlを添加して、エバポレーターに取り付
け、回転させつつ突沸に注意しながら有機溶媒を取り除
いた。膜構成物質は水相に分散し、凍結乾燥を行わずに
最終的に粘性のある全量40mlの白色のクリームを形
成した。
〜の項目について評価を行った。評価結果を表2に
示した。凍結乾燥していないので、クロロホルム臭が残
っていた。また30g/dlのヘモグロビンと混合して
押出し法によってリポソームを形成した結果、内包物質
取り込み率が0.6と低かった。
溶媒除去、荷電物質:脂肪酸) リポソーム膜構成物質として、ジミリストイルホスファ
チジルコリン2.91g(4.29mmol)、ジパル
ミトイルホスファチジルコリン3.15g(4.29m
mol)、コレステロール3.31g(8.56mmo
l)、パルミチン酸0.63g(2.46mmol)を
秤量し、2リットルのナス型フラスコに加えた。ここに
クロロホルム100mlを加え加温しながら完全溶解さ
せた。これをそのままエバポレーターに取り付け、回転
させつつ有機溶媒を取り除き固形物を形成させた。ここ
に水200mlを添加し撹拌によって分散させ、さらさ
らした微粒子を含む白色の液体を形成した。これを液体
窒素により凍結させ、凍結乾燥器に装着し、30時間凍
結乾燥して白色粉末を得た。
を行い、結果を表2に示した。有機溶媒に溶解させたの
ち水添加をしなかったため、リポソーム分散性は悪く、
また30g/dlのヘモグロビンと混合して押出し法に
よるリポソーム形成試験を試みたが目詰まりを生じ、内
包物質取り込み度の測定はできなかったた。
溶媒除去、荷電物質:脂肪酸Na) リポソーム膜構成物質として、ジミリストイルホスファ
チジルコリン2.89g(4.26mmol)、ジパル
ミトイルホスファチジルコリン3.13g(4.26m
mol)、コレステロール3.30g(8.53mmo
l)、パルミチン酸ナトリウム0.68g(2.44m
mol)を秤量し、2リットルのナス型フラスコに加え
た。ここにクロロホルム、メタノールからなる比率が
1:2の均一系混合溶媒100mlを加え加温しながら
完全溶解させた。エバポレーターに取り付け、回転させ
つつ有機溶媒を取り除き固形物を形成した。ここに水2
00mlを添加し撹拌によって分散後、このものを液体
窒素で凍結した。凍結乾燥器に装着し、30時間凍結乾
燥して白色粉末を得た。
結果を表2に示した。有機溶媒に溶解させた後、水添加
をしなかったので、混合脂質成分に脂肪酸ナトリウムを
含んでいても、リポソーム分散性は悪く、30g/dl
のヘモグロビンと混合して押出し法によるリポソーム形
成試験で目詰まりを生じた。
溶媒除去、凍結乾燥なし) リポソーム膜構成物質として、ジミリストイルホスファ
チジルコリン2.89g(4.26mmol)、ジパル
ミトイルホスファチジルコリン3.13g(4.26m
mol)、コレステロール3.30g(8.53mmo
l)、パルミチン酸ナトリウム0.68g(2.44m
mol)を秤量し、2リットルのナス型フラスコに加え
た。ここにクロロホルム、メタノールからなる比率が
1:2の均一系混合溶媒100mlを加え加温しながら
完全溶解させた。エバポレーターに取り付け、回転させ
つつ有機溶媒を取り除き固形物を形成した。
を行い、結果を表2に示した。リポソーム分散性は悪
く、30g/dlのヘモグロビンと混合して押出し法に
よるリポソーム形成試験で目詰まりを生じた。
脂質は水分散性、均一性、品質等に優れ、この混合脂質
を水に分散させることによって品質の良いリポソームが
得られ、押出し法によってもフィルターの目詰まりを起
こすことなく高い取り込み率でヘモグロビン等の内包物
質を取り込むことができるので、DDSや人工血液等に
広く応用することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 リポソーム膜構成物質を、水不溶性揮発
性有機溶媒を含む均一溶媒中に溶解せしめ、これに水ま
たは水溶液を加えた後、撹はんしながら有機溶媒を留去
し、残留するリポソーム膜構成物質混合分散水相を凍結
乾燥させて得られたリポソーム用混合脂質。 - 【請求項2】 リポソーム膜構成物質がリン脂質成分と
ステロールとを含むことを特徴とする請求項1記載のリ
ポソーム用混合脂質。 - 【請求項3】 リン脂質成分がホスファチジルグリセロ
ールを含むことを特徴とする請求項2記載のリポソーム
用混合脂質。 - 【請求項4】 リポソーム膜構成物質が脂肪酸塩を含む
ことを特徴とする請求項2記載のリポソーム用混合脂
質。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のリポソ
ーム用混合脂質を水性溶液に分散させてなるリポソーム
分散液。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010100686A1 (ja) | 2009-03-04 | 2010-09-10 | 大塚製薬株式会社 | コレスタノール誘導体の併用用途 |
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1995
- 1995-09-20 JP JP24148895A patent/JP3831958B2/ja not_active Expired - Fee Related
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