JP2006069930A - リポソームおよびその前駆体エマルション混合物 - Google Patents

リポソームおよびその前駆体エマルション混合物 Download PDF

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Chiaki Nagaike
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Abstract

【課題】 効率的送達および良好なターゲティングを達成する、安全性の高いリポソームを提供することを目的とする。
【解決手段】 ポリエチレングリコール基を有する少なくとも1種の化合物の存在下で、リポソーム膜構成物質としてカチオン性脂質、ステロール類から少なくとも1種選ばれる化合物をリン脂質とともに超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素(CO2)に混合して得られる混合物に、水または水性媒体(W)を導入すると、W/CO2エマルションが形成される。さらにこの系内に水を導入することにより、少なくともW/CO2/WエマルションおよびCO2/Wエマルションを含有するが実質的に有機溶媒を含まないエマルション混合物が生成される。その後二酸化炭素を排出して形成され、実質的に水または水性媒体以外の物質を内包せず、かつ有機溶媒を含有しない未充填状態のリポソームである。
【選択図】なし

Description

本発明は、未充填状態のリポソームおよびエマルション混合物に関し、詳しくは超臨界二酸化炭素法により作製されるリポソームおよびその前駆体となるエマルション混合物に関するものである。
リポソームは、主にリン脂質によって形成される二分子膜(リポソーム膜)からなる閉鎖小胞体である。リポソームは、その内部の水相に水溶性薬物を保持するか、あるいは油溶性の薬物を二分子膜内に保持するという態様により、いわゆるカプセル構造を構築できる。したがって薬物などをリポソームに内包させて目標部位へ送達する手法は、薬物送達システム(DDS)の有力な方法である。
薬物などを内包しているリポソームを調製する場合、従来からBangham法、逆相蒸発法
(REV法)などが用いられている。これらの方法に基づき、生体膜類似の脂質から構成さ
れ、低い抗原性ゆえに素材としての安全性が高く、しかも生体内で適度な分解性を有するリポソーム中に薬物を内包させているにもかかわらず、製造過程においてリン脂質などの溶剤として、有機溶媒、特にクロロホルム、ジクロロメタンといったクロル系溶剤を使用する。したがって、どうしても残存する溶剤の毒性があるという理由で実用化に至っていない(例えば、特許文献1および2参照)。
さらに、従来の方法では、薬物をリポソーム内に必ずしも充分に内包させることができないためにリポソーム含有製剤を大量に投与する必要があり、患者に過度の負担となる問題があった。とりわけ治療用薬剤に比べて必然的にその投与量が多くなる診断用造影剤への応用を考えた場合、造影物質の保持効率(内包率)が高いリポソーム含有製剤が求められていた。特開2003-119120(特許文献3)では、リポソームを含有する化粧料、皮膚外
用剤を、超臨界二酸化炭素を用いて製造する方法が開示されている。そこには親水性薬効成分および親油性薬効成分をリポソームに内包する皮膚外用剤の製造例が示されている。しかし、この方法では、内包率を上げるためにエタノール等の助溶剤の使用が望まれており、有機溶媒を使用せずに内包率の高いリポソームは作製できない。また、内包させる物質として、親油性薬効成分、水溶性電解質の例は示されているが、同法により水溶性非電解質をリポソームに効率よく内包できるか不明であった。
首尾良く目的の物質をリポソーム内部に内包させても、時間経過とともに外部へ漏出する問題、あるいはリポソームそのものが不安定となる事態も考慮されねばならない(特許文献3)。さらにリポソームを生体内へ投与しても、その多くが肝臓、脾臓などの細網内皮系組織により捕捉されてしまうため、所期の効果が得られないことも指摘されている(Cancer Res., 43, 5328(1983))。したがって薬物などを効率よく封入し、安定的に保持
でき、かつ安全性に問題のないリポソームの作製方法が望まれている。また、長期保存も可能である安定なリポソームが求められている。
特開平6-315624号公報 特表平9-502644号公報 特開2003-119120号公報 Pharm Tech Japan Vol19, No5 (2003), 91
上述の問題点を解決すべく本発明者らは鋭意研究を進めた。その結果、ヒドロキシル基
を有する化合物の存在下で、超臨界二酸化炭素を用いるリポソーム作製方法が、非電解質を含む様々な物質を簡便に内包でき、しかも安定的に保持できることを見出して本発明を完成した。
本発明は、超臨界二酸化炭素法により作製され、リポソームの前駆体となるエマルション混合物ならびに実質的に有機溶媒を含まない未充填状態のリポソームを提供することを目的とする。
本発明は、ポリエチレングリコール基を有する少なくとも1種の化合物の存在下、リポ
ソーム膜構成物質としてカチオン性脂質、ステロール類から少なくとも1種選ばれる化合
物をリン脂質とともに超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素に混合し、得られた混合物に、水または水性媒体を導入し、次いで二酸化炭素を排出することにより形成されるリポソームであり、実質的に水または水性媒体以外の物質を内包せず、かつ有機溶媒を含有しない未充填状態のリポソームである。
また上記リポソームをさらに乾燥させてなる未充填状態のリポソームも本発明に含まれる。
前記リン脂質が、22〜60℃の範囲にある転移温度を有するリン脂質を少なくとも含有することを特徴としている。
前記水性媒体が、製剤助剤として水溶性アミン系緩衝剤、EDTANa2−Ca(エデト酸
カルシウム2ナトリウム)および無機塩のうち、少なくとも1種を含むことが望ましい。
また、前記水性媒体は、好ましくは生理食塩水である。
実質的に水または水性媒体以外の物質を内包せず、かつ有機溶媒を含有しない未充填状態のリポソームの製造方法は、ポリエチレングリコール基を有する少なくとも1種の化合
物の存在下、リポソーム膜構成物質としてカチオン性脂質、ステロール類から少なくとも1種選ばれる化合物をリン脂質とともに超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素に混
合し、得られた混合物に、水または水性媒体を導入し、次いで二酸化炭素を排出して、未充填状態のリポソームを形成させる方法である。
本発明のエマルション混合物は、
(i)リン脂質を含むリポソーム膜構成物質と超臨界もしくは亜臨界状態の二酸化炭素(sc
CO2)とを有する混合物と、
(ii)造影物質、抗がん性物質、抗真菌性物質または光増感性化合物を含むことがある水性媒体(W)と、
から生成するW/CO2エマルションの系内に水を導入することにより形成され、少なくともW/CO2/WエマルションおよびCO2/Wエマルションを含有するが、実質的に有機溶
媒を含まないエマルション混合物である。
前記リン脂質は、22〜60℃の範囲にある転移温度を有するリン脂質を少なくとも含有することが望ましい。
前記造影物質は、好ましくはX線造影用化合物、MRI造影用化合物または超音波造影用気体である。
本発明のリポソーム製剤は、上記のエマルション混合物から二酸化炭素を排出することにより得られるリポソーム製剤である。
本発明のエマルション混合物の製造方法は、
ヒドロキシル基を有する少なくとも1種の化合物の存在下、32〜55℃でリポソーム
膜構成物質としてカチオン性脂質、ステロール類から少なくとも1種選ばれる化合物をリ
ン脂質とともに超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素(scCO2)に混合して得ら
れた混合物に、造影物質、抗がん性物質、抗真菌性物質または光増感性化合物を含むことがある水性媒体(W)を導入することによりW/CO2エマルションを生成させ、
さらにその系内に水を導入することにより形成されるエマルション混合物であって、少なくともW/CO2/WエマルションおよびCO2/Wエマルションを含有するが、実質的に
有機溶媒を含まないことを特徴としている。
[発明の具体的説明]
本発明は、超臨界二酸化炭素法により形成されるエマルション混合物ならびにこれより作製された未充填状態のリポソームに関する。
本明細書では、「超臨界」および「亜臨界」をまとめて「超臨界」という場合がある。また「リポソーム」は、通常、脂質膜、すなわち脂質二分子膜から形成されている構造物である。本明細書において、リポソーム膜を脂質膜と言及することもある。さらに「未充填状態のリポソーム」とは、リポソームを分散する懸濁液(具体的には、水および水性媒体)以外の任意の異種物質であってリポソーム内に封入されて中心的な役割を演ずる物質(換言するとリポソームに担持させて送達する物質)が未だ内包されていない状態のリポソームを言う。リポソームを分散する懸濁液がリポソームに含有されていても、それらが単に担体または補助剤である限り、このような表現を使用する。通常、未充填状態のリポソームは、後に意図する物質を封入して使用される。
「水性媒体」とは、製剤助剤などを溶解する水をベースとする溶媒である。その水は、滅菌した発熱物質を含まない水を使用する。蒸留水、局方注射用水、純水などの水のほか、生理食塩水、各種緩衝液、塩類などを含む水溶液などが用いられる。またいずれの形態であっても、水性媒体中には、好ましくは「製剤助剤」も含まれる。「製剤助剤」とは、リポソームの製剤化に際し、いずれも水性媒体内に添加され、生理的に許容される物質である。そのために各種の物質が、所望により製剤の製造技術に基づいて使用される。
封入物質
本発明でリポソーム内に封入されて中心的な役割を演ずる物質として、造影物質、抗がん性物質、抗真菌性物質、光増感性化合物などの薬物が挙げられる。
本発明で用いられる上記薬物が水溶性である場合には、所定量の水性媒体に従来公知の方法で溶解させて水溶液として用いられる。水溶性薬物の濃度は、薬物の溶解度、製造条件に応じて適宜選択される。封入される物質は単独でもよく、あるいは2種以上を組み合わせたものでもよい。
なお、本発明において未充填状態のリポソームを作製する場合に、いわゆる封入物質はないが、代わりに水または水性媒体がリポソーム内部に閉じ込められることになる。
造影物質としては、X線造影用化合物、MRI造影用化合物および超音波造影用気体などが挙げられる。
X線造影用化合物を内包したリポソームを作製する場合、好適な造影物質として、高度に親水性であり、かつ高濃度でも浸透圧が高くならない非イオン性のヨウド化合物が好ましい。例えばイオメプロール、イオパミドール、イオトロラン、イオジキサノールのような非電解質物質も超臨界二酸化炭素法によると、リポソーム内に効率良く内包させることができる。
MRI造影用化合物に使用される造影物質として、Gd−DTPA(ガドペンテト酸),Gd−EOB−DTPA,Yb−EOB−DTPA,Dy−EOB−DTPA,Mn−DTPA,Gd−BOPTA,Gd−DOTA,Gd−HPDO3Aなどが挙げられる。
超音波造影剤における造影媒体である気体として、空気、窒素、N2O、酸素、二酸化
炭素、水素、不活性希ガス、フッ素含有ガス(置換ハロゲン原子のうちのいくつかがフッ素原子であるハロゲン化炭化水素ガス)、および炭素数1〜5の炭化水素(アルカン、プロペン、ブテンなどのアルケン、アセチレンなど)から少なくとも1種選ばれる気体であ
る。
抗がん性物質として、例えばメトトレキサート、ドキソルビシン、エビルビシン、ダウノルビシン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトボシド、エリブシチン、カプトデシン、パクリタキセル、ドセタキソル、シスブラチン、ブレドニゾンなどが挙げられる。これらの化合物は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
抗真菌性物質として、アムホテリシンB、ミコナゾール、フルコナゾール、ミカファンギン、オキシコナゾール、ブテナフィン、クロトリマゾール、ピマリシンなどが例示される。
光増感性化合物として、ポルフィリン、ヘマトポルフィリンIX、ヘマトポルフィリン誘導体(HpD)などが挙げられる。特にリポソームに担持させる容易性からポルフィマーナトリウム(フォトフリンTM)が好ましい。
なお本明細書において、化合物は遊離形態の他に、その塩、水和物なども含めて言及することがある。
リポソーム膜構成物質
本発明のリポソームは、意図した投与薬物が目標の臓器、組織、疾患部位などの標的部位へ選択的に効率よく送達されるためのマイクロキャリヤーとして使用される。血中安定性が改善された本発明のリポソームを用いることにより、内包物質の体内滞留性を向上させて、その効率的送達ならびにターゲティングの実現を図っている。
封入物質を内包するリポソームの粒径およびその二分子膜を適切に設計することによりターゲティング機能を実現することができる。受動的ターゲティングのためには、リポソームの粒径、脂質組成、荷電などの調整を通じてその生体内挙動を制御することができる。リポソーム粒径を狭い範囲に揃える調整は、後記の方法に基づき容易に行われる。リポソーム膜表面の設計は、リン脂質の種類と組成、共存物質を変えることにより所望の特性を付与することができる。投与された薬物の体内移動に関して、高度な送達選択性と集積性を可能とする能動的ターゲティングの採用もまた検討されるべきである。一例として、リポソーム膜表面にポリアルキレンオキシド高分子鎖またはポリエチレングリコール基を導入することは、標的部位までの誘導過程を制御し得るため、極めて有益である。
リポソームの脂質膜成分として、一般にリン脂質および/または糖脂質が好ましく使用される。本発明のリポソームにおける好ましい中性リン脂質として、大豆、卵黄などから得られるレシチン、リゾレシチンおよび/またはこれらの水素添加物、水酸化物の誘導体を挙げることができる。
その他のリン脂質として、卵黄、大豆またはその他の動植物に由来するか、または半合成のホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリン、合成により得られるホスファチジン酸、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)、ジステアロイルホスファ
チジルグリセロール(DSPG)、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール(DPPI)、
ジステアロイルホスファチジルイノシトール(DSPI)、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)などを挙げることができる。
本発明において用いられるリン脂質には、転移温度を有するリン脂質を少なくとも含む。リン脂質の「(相)転移温度」とは、リン脂質がとり得るゲルと液晶との両状態間の相転移を生じる温度である。その測定は、示差走査熱量計(DSC)を使用する示差熱分析による。リン脂質の転移温度は、22〜60℃、好ましくは30〜60℃、さらに好ましくは40〜55℃であることが望ましい。
相転移温度を有するリン脂質としては、ジミリストイルホスファチジルコリン(相転移温度(以下同じ):23〜24℃)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(41.0〜41.5℃)、水素添加大豆レシチン(53℃)、水素添加大豆ホスファチジルコリン(54℃)、ジステアロイルホスファチジルコリン(54.1〜58.0℃)などが挙げられ、好ましくはジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、さらに好ましくはジパルミトイルホスファチジルコリンを用いることが望ましい。本発明においては、これらから選択される1種または2種以上組み合わせて用いられる。
これらの相転移温度を有するリン脂質は、脂質全質量に対して5〜100質量%、好ましくは30〜80質量%となる量で用いることが望ましい。この相転移温度を有するリン脂質を上記の量で用いることにより、後述する混合温度において生体内での安定性に優れたリポソームを調製することができる。
本発明で用いられるリン脂質は、通常、転移温度を有するリン脂質を少なくとも含有するが、その他のリン脂質を1種または2種以上併用してもよい。ただし2種以上の荷電リン脂質を使用する場合には、負電荷のリン脂質同士または正電荷のリン脂質同士で使用することが、リポソームの凝集防止の観点から望ましい。
本発明において使用するカチオン性脂質は、1、2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン(DOTAP)、N、N−ジオクタデシルアミドグリシルスペ
ルミン(DOGS)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)、N−[1−(2、3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N、N、N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、2、3−ジオレイルオキシ−N−[2(スペルミン−カルボキサミド)エチ
ル]−N、N−ジメチル−1−プロパンアミニウムトリフルオロアセテート(DOSPA)お
よびN−[1−(2、3−ジミリスチルオキシ)プロピル]−N、N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムブロミド(DMRIE)などが挙げられる。
カチオン性リン脂質として、ホスファチジン酸とアミノアルコールとのエステル、例えばジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)もしくはジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)とヒドロキシエチレンジアミンとのエステルなどが挙げられる。これらのカチオン性脂質は全脂質量に対し0.1〜5質量%、好ましくは全脂質量に対し0.3〜3質量%、より好ましくは全脂質量に対し0.5〜2質量%の割合で含有するように添加すればよい。
これらのリン脂質は通常、単独で使用されるが、2種以上併用してもよい。ただし2種以上の荷電リン脂質を使用する場合には、負電荷のリン脂質同士または正電荷のリン脂質同士で使用することが、リポソームの凝集防止の観点から望ましい。中性リン脂質と荷電リン脂質を併用する場合、重量比として通常、200:1〜3:1、好ましくは100:1〜4:1、より好ましくは40:1〜5:1である。
糖脂質としては、ジガラクトシルジグリセリド、ガラクトシルジグリセリド硫酸エステ
ルなどのグリセロ脂質、ガラクトシルセラミド、ガラクトシルセラミド硫酸エステル、ラクトシルセラミド、ガングリオシドG7、ガングリオシドG6、ガングリオシドG4などのスフィンゴ糖脂質などを挙げることができる。
リポソーム膜の構成成分として、上記脂質の他に必要に応じて他の物質を加えることもできる。例えば、膜安定化剤として作用するステロール類、例えばコレステロール、ジヒドロコレステロール、コレステロールエステル、フィトステロール、シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、コレスタノール、ラノステロールまたは2,4−ジヒドロラノステロールなどが挙げられる。また1−O−ステロールグルコシド,1−O−ステロールマルトシドまたは1−O−ステロールガラクトシドといったステロール誘導体もリポソームの安定化に効果があることが示されている(特開平5-245357号公報)これらのうち、コレステロールが特に好ましい。
ステロール類の使用量として、リン脂質1重量部に対して0.05〜1.5重量部、好ましく
は0.2〜1重量部、より好ましくは0.3〜0.8重量部の割合が望ましい。0.05重量部未満であると混合脂質の分散性を向上させるステロール類による安定化が発揮されず、2重量部よ
り多すぎるとリポソームの形成が阻害されるか、形成されても不安定となる。
上記ステロール類の他にリポソーム膜の構成成分として、グリコール類を加えてもよい。リポソームを作製する際に、リン脂質などともにグリコール類を添加すると、リポソーム内での水溶性封入物質の保持効率が上昇する。グリコール類として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、ピナコールなどが挙げられる
。グリコール類の使用量として、脂質全質量に対して0.01〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%の割合が望ましい。
他に添加できる化合物として、負荷電物質であるジセチルホスフェートといったリン酸ジアルキルエステルなど、正電荷を与える化合物としてステアリルアミンなどの脂肪族アミンが例示される。
本発明では、リポソーム膜の一成分として、ヒドロキシル基を有する化合物、好ましくはポリアルキレンオキシド(PAO)基または類似の基を有するリン脂質またはコレステロールを用い、超臨界二酸化炭素法でリポソームを作製すると、有機溶媒を全く使用せずに内包率の高いリポソームを作製できる。リポソームが細網内皮系細胞により捕捉されてしまう問題ならびに崩壊、凝集といったリポソーム自体の不安定性を解決する方法として、これまでもリポソーム膜の表面に高分子鎖であるポリエチレングリコール(PEG)鎖、すなわち−(CH2CH2O)n−Hを導入することが試みられている(例えば、特開平
1−249717号公報、FEBS letters, 268, 235(1990))。
ポリアルキレンオキシド基またはPEG鎖をリポソーム膜表面に付けることにより、新たな機能をリポソームに付与することができる。例えば、PEG化リポソームには免疫系から認識されにくくなる(「ステルス化」された状態である)効果が期待できる。さらにリポソームは親水的傾向を持つことにより血中安定性を増すことが明らかになっている(Biochim. Biophys. Acta., 1066, 29-36(1991))。リポソームの血中滞留性および経時安定性を向上させるために、ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質をリポソームの脂質膜に含有させる手法が開示された(特開2002-37883号公報)。
上記の性質を利用してリポソームに臓器志向性を与えることもできる。一例として、脂
質成分は肝臓に貯まりやすいことから肝臓への選択的な送達を目的とする場合には、PEG基を使用しないか、あるいはPEG基含有量の少ないリポソームを用いるのが望ましい。また粒径を0.2μm以上に大きくすると、肝臓Kupffer細胞の食作用により取り込まれる
可能性が高くなり、肝臓のその細胞部位に集積する。例えば肝臓癌の撮像においては、その癌組織には正常組織に比べてKupffer細胞が少ないために、造影剤リポソームの取込み
量は、相対的に少なくなり造影のコントラストが鮮明となる。
他臓器に送達する場合、PEG基を導入したリポソームはステルス化され、肝臓などに集まりにくくなるため、PEG化リポソームの使用が推奨される。PEG基の導入により水和層が形成されてリポソームは安定化する。PEG基のオキシエチレン単位の長さと導入する割合を適宜変えることにより、その機能を調節することができる。PEG基として、オキシエチレン単位が10〜3500、好ましくは100〜2000のポリエチレングリコールが好
適である。使用量は、リポソームを構成する脂質に対して1〜40質量%、好ましくは5〜25質量%含むのがよい。
リポソームのPEG化には、公知の技術を利用することができる。ポリアルキレンオキシド基を有するリン脂質またはコレステロールは、一種類を単独で使用することができ、あるいは二種以上のものを組み合わせて使用することもできる。その含有量は、リポソーム膜構成成分の合計量に対し、0.001〜50モル%、好ましくは0.01〜25モル%、より好ま
しくは0.1〜10モル%である。
本発明で用いるリン脂質ポリアルキレンオキシド誘導体については、特開平7-165770号公報に提案されたものが使用できる。具体例として、ホスファチジルエタノールアミンなどのポリエチレンオキシド(PEO)誘導体、例えばジステアロイルホスファチルジルエタノールアミンポリエチレンオキシド(DSPE−PEO)が挙げられる。特開2002−37883号公報には、水溶性化高分子修飾リポソームを作製するためのポリアルキレンオキシ
ド修飾リン脂質が開示されている。そうしたリポソームを作製する際にモノアシル体含量が低いポリアルキレンオキシド修飾リン脂質を使用すると、リポソーム分散液の経時安定性が良好であったことが記載されている。
リポソームの製造方法
リポソームを作製する方法として、これまで種々の方法が提案されている。作製方法が異なると、最終的に出来上がったリポソームの形態および特性もまた著しく異なることが多い(特開平6-80560号公報)。そのため所望するリポソームの形態、特性に応じて製造
方法を適宜選択することが行なわれている。一般にリポソームは、リン脂質、ステロールといった脂質膜成分を、ほとんど例外なくまず有機溶媒、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、エチルエーテル、四塩化炭素、酢酸エチル、ジオキサン、THFなどとともに容器
中で混合、溶解することから始めて調製される。特にクロル系溶媒がよく用いられている。このようなリポソームの調製品は、必ず有機溶媒を含んでいる。残存するこれらの有機溶媒を除去するために、多段階の工程および長時間の処理を要しているのが現状である。そうした残留する有機溶媒、特にクロル系有機溶媒については、生体に及ぼす悪影響、例えば副作用が懸念される。
本発明では、有機溶媒を使用せずに未充填状態のリポソームまたは封入物質が充填されたリポソームを作製する方法として、超臨界二酸化炭素もしくは亜臨界二酸化炭素を使用するリポソーム調製法を用いる。二酸化炭素の臨界温度が31.1℃、臨界圧力が75.3 kg/cm2と比較的扱いやすく、不活性なガスゆえ残存しても人体に無害であり、高純度流体が安
価で容易に入手できるなどの理由により好適である。さらに超臨界二酸化炭素を使用する方法は、製造条件を種々設定することが可能であることから、従来のリポソームの懸濁液の製造方法に比べ、比較的容易に水溶性薬物の内包率を向上させることができる。この方法により作製されるリポソームは、後記するように種々の好ましい特性および利点を有し
ている。
本発明の製造方法で使用する超臨界状態(亜臨界状態を含む)の二酸化炭素の温度は、通常25〜200℃、好ましくは31〜100℃、さらに好ましくは35〜80℃である。好適な圧力は、通常50〜500 kg/cm2、好ましくは100〜400 kg/cm2、特に好ましくは90〜150 kg/cm2
範囲である。
超臨界二酸化炭素を使用するリポソーム作製法は、従来法に比べてリポソームの生成率、封入する物質の内包化率、封入物質のリポソーム内の保持率が高いことが示されている(特許文献3)。さらに工業的スケールでの応用も可能である。実質的にクロル系溶剤ま
たはその他の有機溶媒を使用せずに、水溶性の非電解質化合物を含有する水性媒体を、簡便にしかも効率よくリポソームに封入することができる本法は、リポソーム医薬製剤の製造には有用な方法である。なお、上記の「実質的に」とは、リポソームを含む製剤における残存有機溶媒濃度の上限値が10μg/Lであることを意味する。

本発明の超臨界二酸化炭素を利用するリポソームの製造方法は、
ヒドロキシル基を有する少なくとも1種の化合物の存在下で、リポソーム膜構成物質と
して、カチオン性脂質、ステロール類から少なくとも1種選ばれる化合物をリン脂質とと
もに超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素に混合して得られた混合物に、造影物質、抗がん性物質、抗真菌性物質または光増感性化合物を含むことがある水性媒体(W)を導入することによりミセルを形成させ、次いで二酸化炭素を排出してリポソームを作製する方法である。
超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素を使用してリポソームを作製する場合、上記脂質膜成分を、超臨界状態(亜臨界状態を含む)にある二酸化炭素に溶解、分散または混合することが必要となる。その際、溶解助剤(または助溶剤)としてヒドロキシル基を有する少なくとも1種の化合物の存在下で溶解、分散または混合をすることが好ましい。
上記のヒドロキシル基を有する化合物(すなわちヒドロキシル基含有化合物)には、例えば、ヒドロキシル基、ポリオール基、ポリアルキレングリコールエーテル基、またはポリオール/ポリグリコールエーテル基などの組み合わせを、親水性基として有する化合物、例えば、ポリエチレングリコール基を有する化合物が含まれる。実際に溶解助剤として使用できるヒドロキシル基含有化合物としては、リン脂質、コレステロールなどといった脂質膜成分と親和性を示し、これらと容易に混合するものが望ましい。さらに、脂質膜成分を極性の液体二酸化炭素中に良好に分散させ、溶解させるためには、適度の親水性と疎水性を兼ね備えた両親媒性のものが好適である。
溶解助剤として、エタノールを始めとする低級アルコールの使用が推奨されてきた(特許文献1〜3)。上記のヒドロキシル基を有する化合物にあって、さらに残存する溶解助剤の毒性をも懸念する場合には、安全性の観点から、低級アルコールなども用いないことが望ましい。したがって効力および安全性を考慮してより好ましい溶解助剤は、ポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコール基を有する化合物である。ポリエチレングリコール基を有する化合物として、特に好ましいのはポリエチレングリコール基を有する脂質、例えばポリエチレングリコール基を有するリン脂質(PEG-リン脂質)である。
そのオキシエチレン単位が10〜3500、好ましくは100〜2000のポリエチレングリコールが
適する。
このようなヒドロキシル基を有する化合物を1種または2種以上併用することは、内包率を向上させるために望ましい。ヒドロキシル基を有する化合物を、超臨界状態もしくは亜臨界状態にする二酸化炭素の0.01〜1質量%、好ましくは、0.1〜0.8質量%の割合で溶解
助剤として使用するのがよい。
本発明の、リポソーム前駆体であるエマルション混合物およびリポソーム製剤の作製方法は、具体的には以下のようにして行なわれる。
(1) 圧力容器に液体二酸化炭素を加え、これを上記の圧力および温度(好ましくは、3
2〜55℃)の条件下に、超臨界状態もしくは亜臨界状態にする。超臨界(もしくは亜臨界)状態の二酸化炭素(scCO2)に、上記のヒドロキシル基を有する少なくとも1種の化合物、好適にはPEG-リン脂質の存在下、リポソーム膜構成物質としてリン脂質(22〜60℃の範囲にある転移温度を有するリン脂質なども含まれる)とともに、カチオン性脂質
およびステロール類から少なくとも1種選ばれる化合物も加えて溶解または分散する。あ
るいは予めこれらの化合物を加えた圧力容器に撹拌下、液体二酸化炭素を加え、次いで温度、圧力を調整して超臨界状態にして混合してもよい。リポソーム膜構成物質は、塊状の集合物のままで存在しないように充分に撹拌、混合し超臨界二酸化炭素中に溶解または分散させるのがよい。超臨界状態の二酸化炭素の温度を、リン脂質の転移温度付近またはそれ以下とすることにより、局所的な過熱によってリン脂質に過度の熱がかかることがないため、リン脂質は変性することがなく、さらに規則的に配列してリポソーム膜が生成される。
(2) 引き続きリン脂質などを含有する超臨界二酸化炭素中に、封入物質として造影物質
、抗がん性物質、抗真菌性物質または光増感性化合物を含むことがある水性媒体(W)を連続的に添加する。その際、リン脂質分子、コレステロールなどはそれぞれランダムな配列から、水/二酸化炭素界面にて再配列が起こり、効率的に薄膜化して水相/二酸化炭素
エマルション(W/CO2エマルション)を形成する。このエマルション系において脂質成分はミセル状となり離合集散をしていると推定される。
(3) しばらく撹拌を続行してミセルを含むエマルションが安定化した後に、二酸化炭素相と水相とが分離するまで水を連続的に添加する。少なくともW/CO2/Wエマルション
およびCO2/Wエマルションを含有する混合物が形成される。水相の増大とともに系の相転移が起こり、水/二酸化炭素エマルション(W/CO2エマルション)+二酸化炭素/水エマルション(CO2/Wエマルション)の2相系を経て、過剰な炭酸ガスが二酸化炭素/水
エマルションと分離する。
(4) 系内を減圧して二酸化炭素を排出すると、上記エマルションの混合物からリポソー
ムへの転換が起こり、リポソームは水相に転相しているため、水または上記水性媒体を内包するリポソームが分散している水性分散液が生成する。リポソーム内部にも上記水溶液が封入されているため、水または水性媒体はリポソームの外部水相のほか、主としてリポソーム内部の水相に存在し、いわゆる「内包」の状態にある。
(5) 次いで該リポソームを0.1〜10μm、好ましくは0.1〜1.0μmの孔径を有する濾過膜を通す。さらに必要であれば、凍結乾燥、滅菌処理などの製剤過程を経て、本発明のリポソーム製剤が調製される。
結局、本発明のエマルション混合物の製造方法は、
ヒドロキシル基を有する少なくとも1種の化合物の存在下、32〜55℃で、リポソー
ム膜構成物質としてカチオン性脂質、ステロール類から少なくとも1種選ばれる化合物を
リン脂質とともに超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素(scCO2)に混合し、得
られた混合物に、封入物質として造影物質、抗がん性物質、抗真菌性物質または光増感性化合物を含むことがある水性媒体(W)を導入することによりW/CO2エマルションを生成させ、
さらにその系内に水を導入することにより形成されるエマルション混合物であって、少なくともW/CO2/WエマルションおよびCO2/Wエマルションを含有するが、実質的に
有機溶媒を含まないエマルション混合物が生成する。上記リン脂質には、22〜60℃の範囲にある転移温度を有するリン脂質もまた含有されていることが望ましい。
したがって、本発明のエマルション混合物は、次の作製方法により生成する混合物、すなわち
(i)リン脂質を含むリポソーム膜構成物質と超臨界もしくは亜臨界状態の二酸化炭素(sc
CO2)とを有する混合物と、
(ii)造影物質、抗がん性物質、抗真菌性物質または光増感性化合物を含むことがある水性媒体(W)と、
から生成するW/CO2エマルションの系内に水を導入することにより形成され、少なくともW/CO2/WエマルションおよびCO2/Wエマルションを含有するが、実質的に有機溶
媒を含まないエマルション混合物である。
製剤助剤とは、薬物、造影物質の製剤化に際し、水性媒体内に添加される物質であり、これまでの製剤技術に基づいて、所望により各種の物質が使用される。
具体的には生理学的に許容される各種の緩衝剤、EDTANa2−Ca、EDTANa2などといったエデト酸系のキレート化剤、無機塩、薬理的活性物質(例えば血管拡張剤、凝固抑制剤など)、さらに必要に応じて、浸透圧調節剤、安定化剤、抗酸化剤(例えばα‐トコフェロール、アスコルビン酸)、粘度調節剤、保存剤などが挙げられる。好ましくは、水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤をともに含めるのがよい。pH緩衝剤としては、アミン系緩衝剤および炭酸塩系緩衝剤が好ましく用いられるが、特に好ましくは水溶性のアミン系緩衝剤であり、中でもトロメタモールが望ましい。キレート化剤は好ましくは、EDTANa2−Ca(エデト酸カルシウム2ナトリウム)である。結局、水性媒体は、製剤
助剤として水溶性アミン系緩衝剤、EDTANa2−Ca(エデト酸カルシウム2ナトリウム
)および無機塩のうち少なくとも1種を含むことが望ましい。
未充填状態のリポソーム
未充填状態のリポソームとは、既に述べたようにリポソーム膜内に水または水性媒体以外の物質を含有しないポソームである。さらに水分を蒸発させて乾燥させた形態であってもよい。これらのリポソームもまた、本発明に含まれる。水性媒体は、生理食塩水などが例示され、その中に、好ましくは製剤助剤も含まれる。製剤助剤については上記の通りである。
本発明に係る未充填状態のリポソームを製造するには、上記の方法において、封入する造影物質、抗がん性物質、抗真菌性物質または光増感性化合物を含む水性媒体(W)に代えて、封入物質(脂質膜内またはその内部水相に内包させる薬物類など)を含まない水性媒体(製剤助剤を含有してもよい)または水を使用して同様に行う。すなわち、
ポリエチレングリコール基を有する少なくとも1種の化合物の存在下で、リポソーム膜
構成物質としてカチオン性脂質、ステロール類から少なくとも1種選ばれる化合物をリン
脂質とともに超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素に混合して得られる混合物に、水または水性媒体(製剤助剤を含有してもよい)を導入することによりミセルを形成させ、その後二酸化炭素を排出してリポソームを形成させる。
このようにして未充填のリポソーム、すなわち実質的に水または水性媒体(好ましくは生理食塩水)以外の物質を内包せず、かつ有機溶媒も含有しない本発明のリポソームが作製される。
さらに乾燥、例えば凍結乾燥させることにより、乾燥状態の未充填リポソームを得ることができる。このようなリポソームは、使用時に「間接取り込み」を行い(特許文献2)、水性媒体などで再懸濁させて用いることができる。
上記リン脂質には、22〜60℃の範囲にある転移温度を有するリン脂質もまた含有されていることが望ましい。
リポソーム
本発明のリポソームは、実質的に一枚膜もしくは数枚膜からなるリポソームであることが望ましい。一枚膜のリポソームとは、リン脂質二重層が一層としてなる膜(unilamellar vesicle)で構成されるリポソームである。凍結かつ断(Freeze fracture )レプリカ
法による透過型電子顕微鏡(TEM)による観察において、レプリカが概ね1つの層とし
て認められるリン脂質二重層によりリポソームが構成されているものを一枚膜リポソームという。観察したカーボン膜に残された粒子の跡について段差がないものが一枚膜と判定され、2つ以上の段差が認められるものは「多重層膜」と判定される。2枚もしくは3枚の膜で構成されるリポソームは、一枚膜リポソームより強度が増している。「実質的に」とは、全リポソームのうち、このような一枚膜のリポソームまたは数枚膜で構成されるリポソームが、少なくとも80%、好ましくは90%以上含まれることを意味する。
リポソーム膜として一枚膜を基本とするリポソームは、その内部に多数の封入物質を含有する水性媒体を内包するため、送達効率が高い。他方、数枚膜を基本とするリポソームは、保持能力が高く、経時的に安定的である。
上記の一枚膜リポソームまたは数枚膜からなるリポソームは、脂質類の溶媒として前記超臨界二酸化炭素もしくは亜臨界二酸化炭素を使用し、水による相分離方法により効率よく作製できる。これに対して従来のリポソーム作製方法によると、様々なサイズ、形態の多重層膜(multilamellar vesicles; MLV)からなるリポソームがかなりの割合で存在することが多い。一枚膜または数枚膜のリポソームの比率を高めるためには、さらに超音波を照射するか、一定孔サイズのフィルターに何度も通すなどの操作を必要としていた。一枚膜または数枚膜のリポソームは、MLVと比較して、リポソームの投与量、換言すると投与脂質量が大きくならないという利点もある。
本発明の好ましいリポソームとして、リポソーム膜の脂質膜枚数が少ないリポソーム、特に粒径の大きい一枚もしくは数枚の膜のリポソームである。このようなリポソームは多重層膜リポソームに比べて、大きい封入容量を提供するという利点がある。反面、内包する物質の重量が相対的に多過ぎるとそうしたリポソームの安定性は低下する。特にイオン強度の急激な変化には脆弱である傾向が観察されていた。リポソーム膜にポリアルキレンオキシド基を有する化合物(例えばリン脂質)、ステロール類、グリコールから選ばれる少なくとも1種の化合物を含有させて脂質膜の安定化を図ると、塩ショックに対しても安定的である。
リポソームのサイズとその分布の調整は、高い血中滞留性、ターゲティング性、送達効率と密接に関わっている。粒径(粒子径)はリポソームを含む分散液を凍結し、その後破砕した界面をカーボン蒸着し、このカーボンを電子顕微鏡で観察すること(凍結破砕TEM法)により測定することができる。ここで「平均粒径」とは、観察されたリポソーム粒子の一定の個数、例えば20個の径の単純平均を指している。これは粒径分布で最も出現頻度の高い粒径を言う「中心粒径」と、通常一致するか、または概ね近似している。粒径の調整は、処方またはプロセス条件を変更することにより行なうことができる。例えば、上記の超臨界状態の圧力を大きくすると形成されるリポソーム粒径は小さくなる。作製するリポソームの粒径分布をより狭い範囲に揃えるには、ポリカーボネート膜、セルロース系の膜などで濾過してもよい。例えば濾過膜として0.1〜1μmの孔径のフィルターを装着し
たエクストルーダーに通す。「押出し」ろ過法については、例えばBiochim. Biophys.Acta 557巻,9ページ(1979)に記載されている。このような「押出し」操作を取り入れること
により、上記サイジングに加えて、リポソーム外に存在する製剤助剤の濃度の調整、リポソーム分散液の交換、望ましくない物質の除去も併せて可能になるという利点もある。
本発明のリポソームの平均粒径は、0.05〜10μm、好ましくは赤血球より小さい0.05〜5μm、より好ましくは肺の血管などで塞栓を起こすことを回避できる0.05〜2μm 、特に好
ましくは細網系内皮細胞による捕獲の対象になりにくい0.1〜0.5μmである。なお、リポ
ソームの使用目的に応じて、平均粒径を適切に設定してもよい。
リポソームの粒径は、特にリポソーム製剤の生体への注入様式と密接に関係する。まず経静脈的注入法では、注入されたリポソームは、全身的な循環系に乗る。そうしたリポソームに受動的ターゲティング能力を持たせるには、その粒径のサイズ調整が重要である。特許2619037号公報には、粒径3μm以上のリポソームを排除することにより、肺血管にお
ける不都合な滞留が回避されると記載されている。しかし、血栓または塞栓の危険を回避しても、0.5〜3μmの粒径範囲のリポソームは、必ずしも向腫瘍性とはならない。例えば
抗がん剤または造影物質を内包させたリポソームを向腫瘍性とするためには、「EPR効果(Enhanced permeability and retention、透過性の亢進および滞留)」を利用するの
がよい。固形がん組織にある新生血管壁の孔は、正常組織の毛細血管壁窓(fenestra)の孔サイズ、0.03〜0.08μm に比べて異常に大きく、概ね0.1μm 〜0.2μm の大きさの分子でも血管壁から漏れ出る。すなわちリポソームの平均粒径を0.1〜0.2μm 、特に0.11〜0.13μm の範囲に揃えることにより、がん組織へ選択的にリポソーム製剤を集中させることが可能となる。このようなEPR効果を得るには、リポソーム粒子が、血中に長くとどまって、がん細胞近くの血管を何度も通過することが必要である。
経静脈的注入法とは対照的に代表的な局所投与である経動脈的注入法(動注法)にリポソーム含有製剤を使用する場合、所在位置が確定された標的の病巣(ほとんどが、固形がんである)にリポソームが集中するように投与される。がん組織にある新生血管壁では、正常組織の微小血管壁より透過性が高い。リポソーム含有製剤を、がん病巣近傍の血管までカテーテルを介して直接適用する場合、リポソームの平均粒径を通常0.5〜〜10μm、より好ましくは0.75〜1.0μm 、特に好ましくは0.8μm前後に揃えることが望ましい。このような粒径のリポソームは、カテーテルから栄養動脈中に放出されても、がん組織に通じるその血管の壁孔から漏れずに、直接、標的のがん組織へ到達する。したがって、導入用カテーテルをがん病巣に最接近させて、リポソーム製剤を集中的に投入すれば、全身の血液循環に乗ることなく、がん病巣に集中させることができる。これはがんの動注化学療法で用いられている。
リポソームを含む製剤の投与量は、通例、病変の種類、部位、症状、投与を受ける者の条件などを勘案して個々に設定される。本発明のリポソームについても、リポソーム内の薬物量が、従来の薬物投与量と同程度になるようにしてもよい。
注入される脂質の用量は、通常0.1〜10μg/kg体重、好ましくは1〜5μg/kg体重の
範囲である。本発明のリポソームにおける全脂質の濃度は、20〜100 mg/mL、好ましく
は40〜90 mg/mL、より好ましくは50〜80mg/mLである。この場合の「全脂質」とは、
リポソームを構成するリン脂質、ステロール、グリコールなどのあらゆる種類の脂質類を含めたものである。そうした全脂質は、製剤に含まれるリポソームの量と概ね見なしてもよい。全脂質量は単純にリポソームの数には対応しない。送達効率からは、薬物などを内包するリポソーム量が多い方が望ましいが、余りに高濃度の溶液とすると、リポソーム同士の凝集、リポソームを含有する製剤の粘度の増大という不都合な事態も生じてくる。
[発明の効果]
本発明のエマルション混合物は、超臨界二酸化炭素法により極めて簡便かつ効率よく作製できる。
本発明のエマルション混合物は、実質的にクロル系溶剤およびその他の有機溶媒(低級アルコールも含める)を使用しないため、これより有機溶媒が含まれていないリポソームを得ることができる。
[実施例]
以下、本発明を具体な例を示してさらに詳細に説明する。以下の実施例中で用いる装置名、示された使用材料、その濃度、使用量、処理時間、処理温度等の数値的条件、処理方法などはこの発明の範囲内の好適例にすぎない。
未充填状態のリポソームの作成
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)86mgと、コレステロール38.4mg、PEG−リン脂質(日本油脂株式会社製、SUNBRIGHT DSPE-020CN)19.2mgの混合物をステンレス製の特製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を60℃に加熱し、次いで液体二酸化炭素13gを加えた。撹拌を行いながら、50kg/cm2であったオートクレーブ内の圧力を、オ
本明細書ではートクレーブ内の体積を減ずることにより、120kg/cm2にまで上げて、二酸
化炭素を超臨界状態にし、撹拌しながら脂質類を分散・溶解させた。さらに撹拌しながら、トロメタモールを1mg/mL、エデト酸カルシウム2ナトリウム(EDTANa2−Ca)0.1mg/mLを含有する水性媒体、10 mLを定量ポンプで連続的に注入した。注入終了後、系内を減圧して二酸化炭素を排出し、水性媒体を含有するリポソームの分散液を得た。得られた分散液を60℃まで加熱し、アドバンテック社製のセルロース系フィルター、1.0μmおよび0.45μmで加圧濾過した。得られたリポソームを凍結乾燥して未充填状態のリポソームを得
た。得られたリポソーム粉体を水性媒体に再分散させたときの重量平均粒径(ダイナミック光散乱測定器、DLS−700(大塚電子株式会社)を用いて測定)は、0.24μmであった。
水性媒体として生理食塩水を用いた以外は実施例1と同様にして、未充填状態のリポソ
ームを作製した。このものの重量平均粒径は、0.22μmであった。
[比較例]
PEG−リン脂質を使用しない以外は実施例1と同様にして、リポソーム試料を作製し
た。このものは、セルロースフィルター、1.0μmの濾過が極めて困難であり、0.45μmで
は濾過できなかった。

Claims (11)

  1. ポリエチレングリコール基を有する少なくとも1種の化合物の存在下、リポソーム膜構
    成物質としてカチオン性脂質、ステロール類から少なくとも1種選ばれる化合物をリン脂
    質とともに超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素に混合して得られた混合物に、水または水性媒体を導入し、次いで二酸化炭素を排出することにより形成されるリポソームであり、実質的に水または水性媒体以外の物質を内包せず、かつ有機溶媒を含有しない未充填状態のリポソーム。
  2. 請求項1に記載のリポソームをさらに乾燥させてなる未充填状態のリポソーム。
  3. 前記リン脂質が、22〜60℃の範囲にある転移温度を有するリン脂質を少なくとも含有することを特徴とする請求項1または2に記載の未充填状態のリポソーム。
  4. 前記水性媒体が、製剤助剤として水溶性アミン系緩衝剤、EDTANa2−Ca(エデト酸
    カルシウム2ナトリウム)および無機塩のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれに記載の未充填状態のリポソーム。
  5. 前記水性媒体が、生理食塩水であることを特徴とする請求項1〜4のいずれに記載の未充填状態のリポソーム。
  6. ポリエチレングリコール基を有する少なくとも1種の化合物の存在下で、リポソーム膜
    構成物質としてカチオン性脂質、ステロール類から少なくとも1種選ばれる化合物をリン
    脂質とともに超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素に混合して得られる混合物に、水または水性媒体を導入し、その後二酸化炭素を排出して形成され、実質的に水または水性媒体以外の物質を内包せず、かつ有機溶媒を含有しない未充填状態のリポソームの製造方法。
  7. (i)リン脂質を含むリポソーム膜構成物質と超臨界もしくは亜臨界状態の二酸化炭素(sc
    CO2)とを含む混合物と、
    (ii)造影物質、抗がん性物質、抗真菌性物質または光増感性化合物を含むことがある水性媒体(W)と、
    から生成するW/CO2エマルションの系内に水を導入することにより形成され、少なくともW/CO2/WエマルションおよびCO2/Wエマルションを含有するが、実質的に有機溶
    媒を含まないエマルション混合物。
  8. 前記リン脂質が、22〜60℃の範囲にある転移温度を有するリン脂質を少なくとも含有することを特徴とする請求項7に記載のエマルション混合物。
  9. 前記造影物質が、X線造影用化合物、MRI造影用化合物または超音波造影用気体であることを特徴とする請求項7または8に記載のエマルション混合物。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載のエマルション混合物から二酸化炭素を排出することにより得られるリポソーム製剤。
  11. 32〜55℃の温度条件下、ヒドロキシル基を有する少なくとも1種の化合物の存在下
    で、リポソーム膜構成物質としてカチオン性脂質、ステロール類から少なくとも1種選ば
    れる化合物をリン脂質とともに超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素(scCO2
    に混合して得られる混合物に、造影物質、抗がん性物質、抗真菌性物質または光増感性化合物を含むことがある水性媒体(W)を導入することによりW/CO2エマルションを生成
    させ、
    さらにその系内に水を導入することにより形成され、少なくともW/CO2/Wエマルシ
    ョンおよびCO2/Wエマルションを含有するが、実質的に有機溶媒を含まないエマルション混合物の製造方法。

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