JP2005155592A - ピストン式圧縮機 - Google Patents

ピストン式圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2005155592A
JP2005155592A JP2004059466A JP2004059466A JP2005155592A JP 2005155592 A JP2005155592 A JP 2005155592A JP 2004059466 A JP2004059466 A JP 2004059466A JP 2004059466 A JP2004059466 A JP 2004059466A JP 2005155592 A JP2005155592 A JP 2005155592A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compression chamber
suction
valve
rotary valve
piston
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004059466A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4103822B2 (ja
Inventor
Yoshinori Inoue
井上  宜典
Naoto Kawamura
川村  尚登
Shigeki Kawachi
繁希 河内
Masanori Masuda
将典 増田
Yoshio Kimoto
良夫 木本
Sokichi Hibino
惣吉 日比野
Shiro Hayashi
志郎 林
Atsushi Morishita
敦之 森下
Tomohiro Murakami
智洋 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2004059466A priority Critical patent/JP4103822B2/ja
Priority to EP05004432A priority patent/EP1571336A3/en
Priority to US11/071,418 priority patent/US20050196291A1/en
Publication of JP2005155592A publication Critical patent/JP2005155592A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4103822B2 publication Critical patent/JP4103822B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 シリンダブロックにおいて導通路を大きく貫通形成することなく、吸入行程初期におけるガスの吸入抵抗を低減することが可能なピストン式圧縮機を提供すること。
【解決手段】 圧縮機10の吸入弁機構55にはロータリバルブ35が用いられており、該ロータリバルブ35と圧縮室26とは、シリンダブロック11に貫通形成された導通路18を介して接続されている。ロータリバルブ35は、駆動軸16の回転に同期して回転することで、導通路18のロータリバルブ側開口部18bを開閉する。導通路18の圧縮室26側の端部は、シリンダボア23の内周面23aで開口されている(圧縮室側開口部18a)。シリンダボア23の内周面23aには、吸入補助凹部61が形成されている。吸入補助凹部61は、導通路18の圧縮室側開口部18aに対して、弁・ポート形成体13側の端部でシリンダボア23の周方向へ連接されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ピストンの往復動によってガスの圧縮を行うピストン式圧縮機に関する。
例えば、車両空調装置の冷媒圧縮機として用いられるピストン式圧縮機においては、リード弁よりなる吸入弁が一般的に用いられている。そして、ピストンが上死点位置側から下死点位置側へ移動する吸入行程において、圧縮室の内圧が吸入圧領域側の圧力よりも小さくなると、吸入圧領域の冷媒ガスが吸入弁を押し退けて圧縮室へと流入する。ところが、リード弁等の差圧弁よりなる吸入弁は、自励振動に起因した異音を発生し易い。
そこで、例えば図9に示すように、自励振動が生じることのないロータリバルブ88を吸入弁として用いたピストン式圧縮機が従来から存在する(例えば特許文献1参照)。
即ち、前記ピストン式圧縮機のハウジング内においてシリンダブロック81には、駆動軸82の周囲に複数(図面には一つのみ示す)のシリンダボア83が配列されている。各シリンダボア83には、それぞれピストン84が往復動可能に挿入されている。シリンダボア83内には、ピストン84と、シリンダブロック81に接合された弁・ポート形成体85とで圧縮室86が区画形成されている。なお、図示しないが、弁・ポート形成体85には、各圧縮室86に対応して吐出ポート及び吐出弁等がそれぞれ形成されている。
前記シリンダブロック81の中心部には収容孔87が形成されており、該収容孔87内には駆動軸82の端部に連結された円筒状のロータリバルブ88が摺動可能に収容されている。ロータリバルブ88内の空間は導入室89をなしており、該導入室89には外部冷媒回路の蒸発器側から低圧の冷媒ガスが導入される。
前記ロータリバルブ88には、導入室89に常時連通しかつロータリバルブ88の外周面88aに圧縮室側開口部90aを有する吸入案内孔90が形成されている。シリンダブロック81には、各圧縮室86とロータリバルブ88とを接続する導通路91が貫通形成されている。該導通路91において圧縮室86側の端部はシリンダボア83の内周面83aで開口されているとともに(圧縮室側開口部91a)、ロータリバルブ88側の端部は収容孔87の内周面87aで開口されている(ロータリバルブ側開口部91b)。
そして、前記ロータリバルブ88が駆動軸82と同期回転することで、吸入案内孔90の圧縮室側開口部90aが、吸入行程にある圧縮室86に対応する導通路91のロータリバルブ側開口部91bへと順次連通されて、導入室89から圧縮室86への吸入案内孔90及び導通路91を介した冷媒ガスの流入(吸入)が許容される。
特開平6−117366号公報
ところが、前記ピストン式圧縮機は、図9においてピストン84を二点鎖線で示すように、吸入行程の初期つまりピストン84が上死点位置近傍にある時には、導通路91の圧縮室側開口部91aがピストン84の外周面84aによって殆ど塞がれた状態となり、該導通路91と圧縮室86との間における冷媒ガスの通過断面積が狭くなっている。従って、この通過断面積が狭くなる部分が絞りとなって、導入室89から圧縮室86への冷媒ガスの流通抵抗(吸入抵抗)が大きくなり、導入室89から圧縮室86への冷媒ガスの吸入効率が低下する問題つまりはピストン式圧縮機の体積効率が低下する問題があった。
図9のピストン式圧縮機は、斜板タイプの容量可変型である。斜板タイプのピストン式圧縮機は、斜板収容室たるクランク室92の内圧を調節することで、該クランク室92の内圧と圧縮室86の内圧とのピストン84を介した差が変更され、斜板93の傾斜角度が変更される結果、ピストン84のストローク即ち吐出容量が調節されるように構成されている。従って、最小吐出容量状態にあるピストン式圧縮機は、例えば最大吐出容量状態にある時と比較してピストン84のストロークが遙かに小さくなり、該ピストン84の下死点位置が上死点位置に対して至極接近する。
従って、前述した、吸入行程の初期における吸入効率の低下の問題は、例えばピストン式圧縮機が最小吐出容量状態の時においては、圧縮室86に対して冷媒ガスが殆ど吸入されないこと、つまりは圧縮室86での圧縮に供される冷媒ガスの量が少なくなって、該圧縮室86の内圧が、冷媒ガスの圧縮によっても殆ど上昇しないことつながる。よって、ピストン式圧縮機が吐出容量を最小から増大しようとしても、ピストン84を介して斜板93に作用する傾斜角度増大方向への圧縮反力が不足して、吐出容量の増大が遅れる問題があった。これは空調フィーリングの悪化につながる。
このような問題を解決するために、例えば、前記導通路91をシリンダブロック81に大きく貫通形成することで、該導通路91の圧縮室側開口部91aをシリンダボア83の周方向へと大きくし、吸入行程初期における導通路91と圧縮室86との間の通過断面積を広くすればよい。しかし、各気筒毎に備えられる導通路91(貫通孔)をそれぞれ大きくすることは、シリンダブロック81の強度低下に直結してしまう。
ここで、図10は、前記ロータリバルブ88の回転運動を直線状に展開するとともに、吸入案内孔90の軸線周りでの旋回を左方への移動に置換した状態を示している。該図に示すように、ロータリバルブ88の外周面88aには、吐出終了後の高圧側の圧縮室86への導通路91(91A)と、低圧側の圧縮室86への導通路(91B)とを連通する残留ガスバイパス溝94が形成されている。
従って、吐出終了後の前記圧縮室86において吐出しきれずに残った冷媒ガス(残留ガス)は、導通路91A及び残留ガスバイパス溝94並びに導通路91Bを介して、低圧側の圧縮室86へとバイパス(回収)される。よって、吸入行程中における圧縮室86の残留ガスの再膨張が少なくなり、該圧縮室86内へ導入室89の冷媒ガスを確実に吸入でき、ピストン式圧縮機の体積効率を向上させることができる。
しかし、前記ロータリバルブ88に残留ガスバイパス溝94を形成した場合には、該残留ガスバイパス溝94において導通路91Aに対応する高圧側溝94aと、吸入案内孔90の圧縮室側開口部90aとの間における、導通路91のロータリバルブ側開口部91bを介したガスパスを防止する配慮が必要となる。つまり、ロータリバルブ88の外周面88aにおいて、残留ガスバイパス溝94の高圧側溝94aと吸入案内孔90の圧縮室側開口部90aとの間のシール領域には、導通路91のロータリバルブ側開口部91bを閉塞可能な面積(特にロータリバルブ88の周方向の大きさ)が必要となる。
従って、前述したように、シリンダブロック81に導通路91を大きく貫通形成すること、つまりロータリバルブ側開口部91bをロータリバルブ88の周方向へ大きくすることは、前述したシール領域の確保を困難とすることにつながる。よって、現時点において、残留ガスバイパス溝94を備えることと、吸入行程初期における吸入抵抗を効果的に低減し得る程に、シリンダブロック81において導通路91を大きく貫通形成することとの両立は困難である。
本発明の目的は、シリンダブロックにおいて導通路を大きく貫通形成することなく、吸入行程初期におけるガスの吸入抵抗を低減することが可能なピストン式圧縮機を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1の発明のピストン式圧縮機は、シリンダボアの内周面に、導通路の圧縮室側開口部に対して弁・ポート形成体側の端部でシリンダボアの周方向へ連接するように、吸入補助凹部が形成されている。つまり、導通路の圧縮室側開口部において弁・ポート形成体側の端部は、吸入補助凹部によってシリンダボアの周方向に広げられている。従って、吸入行程の初期においても、導通路と圧縮室との間におけるガスの通過断面積を広くすることができ、ガスの吸入抵抗を低減することができる。また、この効果を得るにあたって、シリンダボアの内周面に凹部(吸入補助凹部)を形成すればよいため、シリンダブロックにおいてシリンダボアと収容孔との間に導通路を大きく貫通形成する必要がなく、該シリンダブロックの強度低下を防止することができる。
請求項2の発明は請求項1において、前記吸入補助凹部の好適な態様について言及するものである。即ち、吸入補助凹部は、導通路の圧縮室側開口部を弁・ポート形成体に近いほどシリンダボアの周方向へ広くするように形成されている。
つまり、吸入行程初期における吸入抵抗を低減する観点においては、圧縮室側開口部において弁・ポート形成体側近傍のみをシリンダボアの周方向へ広くすればよく、該圧縮室側開口部において弁・ポート形成体から離れた部位については広くする必要がそれ程ない。また、例えば、吸入補助凹部が、弁・ポート形成体から離れた位置においても圧縮室側開口部をシリンダボアの周方向へ広くする構成では、該吸入補助凹部の容積が大きくなることに伴う圧縮室のデッドボリュームの増大ひいてはピストン式圧縮機の体積効率の低下を招いてしまうのである。
請求項3の発明は請求項1又は2において、前記吸入補助凹部は、導通路の圧縮室側開口部に対してシリンダボアの周方向前後にそれぞれ形成されている。従って、シリンダボアの内周面に対する吸入補助凹部の加工を容易とすることができる。
即ち、例えば、前記吸入補助凹部を、導通路の圧縮室側開口部に対してシリンダボアの周方向前後の一方側にのみ形成した場合、この一箇所の吸入補助凹部が、導通路との間におけるガスの通過断面積を確保するために深いものとなり、その加工が面倒となるのである。しかし、吸入補助凹部を、圧縮室側開口部に対してシリンダボアの周方向前後にそれぞれ形成した本発明によれば、導通路との間で必要とされるガスの通過断面積を各吸入補助凹部で分担すればよい。従って、各吸入補助凹部を浅くできてその加工が容易となる。
上記目的を達成するために請求項4の発明のピストン式圧縮機は、ピストンにおいて弁・ポート形成体側の端部には、該端部の外周面において導通路の圧縮室側開口部に臨む領域を該圧縮室側開口部から離間させる吸入補助部が形成されている。つまり、ピストンの外周面は、吸入補助部の形成によって、弁・ポート形成体側の領域の一部が圧縮室側開口部つまりはシリンダボアの内周面から逃されており、吸入行程の初期において該ピストンの外周面が圧縮室側開口部を大きく塞ぐことはない。
従って、前記導通路から圧縮室へのガスの吸入抵抗を低減することができる。また、この効果を得るにあたって、ピストンに吸入補助部を形成すればよいため、シリンダブロックにおいてシリンダボアと収容孔との間に導通路を大きく貫通形成する必要がなく、該シリンダブロックの強度低下を防止することができる。
上記目的を達成するために請求項5の発明のピストン式圧縮機は、弁・ポート形成体において圧縮室に臨む位置に、導通路の圧縮室側開口部に連接して吸入補助凹部が形成されている。従って、吸入行程の初期において、導通路の圧縮室側開口部がピストンの外周面によって殆ど塞がれた状態でも、導通路から圧縮室へのガスの導入は吸入補助凹部を介して行われる。よって、吸入行程の初期においても導通路と圧縮室との間におけるガスの通過断面積を広くすることができ、ガスの吸入抵抗を低減することができる。また、この効果を得るにあたって、弁・ポート形成体に吸入補助凹部を形成すればよいため、シリンダブロックにおいてシリンダボアと収容孔との間に導通路を大きく貫通形成する必要がなく、該シリンダブロックの強度低下を防止することができる。
請求項6の発明は請求項5において、前記吐出ポートにおける圧縮室側の開口端部が、吸入補助凹部を兼ねている。従って、吸入補助凹部を専用に設ける場合と比較して、構成の簡素化を図り得る。また、前記吐出ポートにおいては、吐出行程にてガスの流れを生じさせるため、吐出ポートの一部を利用した吸入補助凹部における異物の蓄積を防止することができる。
請求項7の発明は請求項1〜6のいずれか一項において、ハウジング内にはクランク室が区画形成され、該クランク室において駆動軸にはカムプレートが一体回転可能でかつ傾動可能に連結されている。カムプレートにはピストンが連結されており、駆動軸の回転運動がカムプレートを介してピストンの往復運動に変換される。また、クランク室の内圧を調節することで、クランク室の内圧と圧縮室の内圧とのピストンを介した差が変更され、カムプレートの傾斜角度が変更される結果、ピストン式圧縮機の吐出容量が調節される。
前記「発明が解決しようとする課題」でも述べたように、容量可変型のピストン式圧縮機において吸入行程初期における吸入抵抗の増大は、該ピストン式圧縮機の最小吐出容量状態からの復帰(吐出容量の増大)が遅れる要因となる。従って、このような態様において請求項1〜5のいずれか一項の発明を適用して、吸入行程初期における吸入抵抗を低減できることは、最小吐出容量状態からの復帰を速やかに行い得る点でも有効であると言える。
請求項8の発明は請求項1〜7のいずれか一項において、前記ロータリバルブには、吐出終了後の高圧側の圧縮室への導通路と低圧側の圧縮室への導通路とを連通する残留ガスバイパス通路が形成されている。つまり、請求項1〜7のいずれか一項の発明によれば、シリンダブロックにおいて導通路を大きく貫通形成する必要がない。従って、吸入行程初期における吸入抵抗を低減するための構成(吸入補助凹部又は吸入補助部)を備えつつ、残留ガスバイパス溝を採用することができる。
以上のように請求項1〜8の発明によれば、シリンダブロックにおいて導通路を大きく貫通形成することなく、吸入行程初期におけるガスの吸入抵抗を低減することが可能となる。従って、シリンダブロックの強度確保と吸入効率の向上とを両立することができる。
以下、本発明のピストン式圧縮機を、車両空調装置に用いられる冷媒圧縮用の容量可変型斜板式圧縮機に具体化した第1〜第4実施形態について説明する。なお、第2〜第4実施形態においては第1実施形態との相違点についてのみ説明し、同一又は相当部材には同じ番号を付して説明を省略する。
○第1実施形態
以下、請求項1の発明を具体化した一例たる第1実施形態について詳述する。
まず、容量可変型斜板式圧縮機(以下圧縮機とする)10について説明する。
図1においては前記圧縮機10の縦断面が示されており、該図において左方を圧縮機10の前方とし右方を後方とする。図1に示すように、圧縮機10は、シリンダブロック11と、その前端に接合固定されたフロントハウジング12と、シリンダブロック11の後端に弁・ポート形成体13を介して接合固定されたリヤハウジング14とを備えている。弁・ポート形成体13は、ポート形成板13a、吐出弁形成板13b及びリテーナ形成板13cが、シリンダブロック11側から同順に積層配置されてなる。これらシリンダブロック11、フロントハウジング12及びリヤハウジング14が圧縮機10のハウジングを構成する。
前記シリンダブロック11とフロントハウジング12とで囲まれた領域には、クランク室15が区画されている。駆動軸16は、クランク室15を貫通するように配設され、フロントハウジング12とシリンダブロック11との間で回転可能に架設支持されている。駆動軸16は、車両の走行駆動源であるエンジンEgに作動連結されており、該エンジンEgから動力の供給を受けて回転される。
前記クランク室15内において駆動軸16には、ラグプレート20が一体回転可能に固定されている。クランク室15内には、カムプレートとしての斜板21が収容されている。斜板21は、駆動軸16にスライド移動可能でかつ傾動可能に支持されている。ヒンジ機構22は、ラグプレート20と斜板21との間に介在されている。従って、斜板21は、ヒンジ機構22を介したラグプレート20との間でのヒンジ連結、及び駆動軸16の支持により、ラグプレート20及び駆動軸16と同期回転可能であるとともに、駆動軸16の軸線Lに沿う方向へのスライド移動を伴いながら駆動軸16に対して傾動可能となっている。
前記圧縮機10は、多気筒のピストン式圧縮機構を備えている。即ち、図1及び図2に示すように、シリンダブロック11には複数(本実施形態においては五つ。図1においては一つのみ示す)のシリンダボア23が、駆動軸16の後端側を一定の角度間隔にて取り囲むようにしてそれぞれ貫通形成されている。各シリンダボア23には、片頭型のピストン24が往復動可能に収容されている。ピストン24は、シリンダボア23に挿入される頭部39とクランク室15に位置する首部40とが、軸線Lに沿う方向へ連接されてなる。
前記シリンダボア23の前後開口は、弁・ポート形成体13(詳しくはポート形成板13a)の前端面13d及びピストン24の頭部39の端面39aによって閉塞されており、このシリンダボア23内にはピストン24の往復動に応じて容積変化する圧縮室26が区画されている。各ピストン24は、首部40に内装された一対のシュー25を介して、斜板21の外周部に係留されている。従って、駆動軸16の回転にともなう斜板21の回転が、シュー25を介してピストン24の往復動に変換される。
前記リヤハウジング14内には、吸入圧領域としての吸入通路27、及び吐出室28がそれぞれ区画形成されている。吸入通路27はリヤハウジング14の中央部に形成されている。吐出室28は、吸入通路27の外周を取り囲むようにして、弁・ポート形成体13とリヤハウジング14との間に形成されている。吸入通路27には、図示しない外部冷媒回路の蒸発器につながる外部配管が接続されている。吐出室28には、図示しない外部冷媒回路のガスクーラにつながる外部配管が接続されている。この外部冷媒回路及び圧縮機10は冷媒循環回路を構成する。
前記吸入通路27内の冷媒ガスは、各ピストン24の上死点位置側から下死点位置側への移動により、シリンダブロック11内に配設された吸入弁機構55を介して圧縮室26へと吸入される。圧縮室26に吸入された冷媒ガスは、ピストン24の下死点位置側から上死点位置側への移動により所定の圧力にまで圧縮される。圧縮済みの冷媒ガスは、弁・ポート形成体13のポート形成板13aに形成された吐出ポート29、及び弁・ポート形成体13の吐出弁形成板13bに形成された、フラッパ弁よりなる吐出弁30を介して吐出室28へと吐出される。吐出弁30の最大開度は、弁・ポート形成体13のリテーナ形成板13cに形成されたリテーナ45によって当接規定される。
前記圧縮機10のハウジング内には、抽気通路31及び給気通路32並びに制御弁33が設けられている。抽気通路31はクランク室15と吸入通路27とを連通する。抽気通路31は、駆動軸16の軸心位置に形成された軸内通路34を備えている。軸内通路34の入口34aは、ラグプレート20付近でクランク室15に開口され、出口34bは駆動軸16の後端面で開口されている。給気通路32は、吐出室28とクランク室15とを接続する。給気通路32の途中には、電磁弁よりなる周知の制御弁33が配設されている。
前記制御弁33の開度を調節することで、給気通路32を介したクランク室15への高圧な吐出ガスの導入量と抽気通路31を介したクランク室15からのガス導出量とのバランスが制御され、クランク室15の内圧が決定される。クランク室15の内圧変更に応じて、ピストン24を介してのクランク室15の内圧と圧縮室26の内圧との差が変更され、斜板21の傾斜角度(駆動軸16の軸線Lに対して直交する平面との間でなす角度)が変更される結果、ピストン24のストローク即ち圧縮機10の吐出容量が調節される。
例えば、前記クランク室15の内圧が低下されると斜板21の傾斜角度が増大し、ピストン24のストロークが増大して圧縮機10の吐出容量が増大される。逆に、クランク室15の内圧が上昇されると斜板21の傾斜角度が減少し、ピストン24のストロークが減少して圧縮機10の吐出容量が減少される。
次に、前記吸入弁機構55について説明する。
図1及び図2に示すように、前記シリンダブロック11においてシリンダボア23に囲まれた中心部には、横断面円形をなす収容孔17が形成されている。弁・ポート形成体13には、収容孔17と吸入通路27とを連通する透孔57が貫通形成されている。収容孔17と各圧縮室26とは、シリンダブロック11において駆動軸16の軸線Lを中心とした放射状に形成された複数(本実施形態においては五つ)の導通路18を介してそれぞれ連通されている。
前記各導通路18において圧縮室26側の端部は、シリンダボア23の内周面23aで開口されている(圧縮室側開口部18a)。各導通路18において収容孔17側の端部は、該収容孔17の内周面17aで開口されている(ロータリバルブ側開口部18b)。圧縮室側開口部18a及びロータリバルブ側開口部18bは、それぞれ駆動軸16の軸線Lに沿って延びる長孔状をなしている。ロータリバルブ側開口部18bは、圧縮室側開口部18aに対して軸線Lに沿う方向の前方側にずれて配置されている。従って、導通路18は、軸線Lに対して傾斜する方向へと延在されている。
前記収容孔17内には、前方側が底となる有底円筒状をなすロータリバルブ35が回転可能に収容されている。収容孔17の内周面17aとロータリバルブ35の外周面35bとは、摺動可能に密接されている。ロータリバルブ35の前端側の内部には、軸線Lに沿って延びる連通孔35cが貫通形成されている。ロータリバルブ35の筒内空間たる導入室36と、駆動軸16の軸内通路34の出口34bとは、連通孔35cを介して連通されている。連通孔35c及び導入室36は抽気通路31の一部をなしている。
前記ロータリバルブ35の前端側は小径となっている(小径部35a)。駆動軸16において収容孔17に臨む後端面には、取付孔16aが形成されている。取付孔16a内には、ロータリバルブ35の小径部35aが圧入固定されている。従って、駆動軸16とロータリバルブ35は、同一軸線L上に配置されているとともに一体化されている。よって、ロータリバルブ35は、駆動軸16の回転つまりはピストン24の往復動に同期して回転される。なお、ロータリバルブ35の外周面35bと収容孔17の内周面17aとは、駆動軸16の後端部を回転可能に支持する滑り軸受け面を構成している。
前記ロータリバルブ35の導入室36は、弁・ポート形成体13の透孔57を介して吸入通路27に連通されている。ロータリバルブ35の周壁には、導入室36と常時連通される吸入案内孔37が、周方向の一定区間に形成されている。吸入案内孔37は、ロータリバルブ35の外周面35bに圧縮室側開口部37aを有している。吸入案内孔37は、導入室36と各圧縮室26から延びる導通路18とを、ロータリバルブ35の回転に同期して順次連通する。
即ち、前記ロータリバルブ35は、ピストン24が吸入行程に移行した場合に、吸入案内孔37の圧縮室側開口部37aが導通路18のロータリバルブ側開口部18bに連通する。従って、吸入通路27の冷媒ガスは、弁・ポート形成体13の透孔57、ロータリバルブ35の導入室36、吸入案内孔37及び導通路18を同順に経由して圧縮室26へと吸入される。
前記ピストン24の吸入行程の終了時には、吸入案内孔37の圧縮室側開口部37aが導通路18のロータリバルブ側開口部18bに対して周方向へ完全にずれる。従って、導入室36から圧縮室26内への冷媒ガスの吸入が停止される。ピストン24が圧縮・吐出行程に移行すると、ロータリバルブ35の外周面35bのシール領域によって、導通路18のロータリバルブ側開口部18bが閉塞状態に保持される。従って、圧縮室26内における冷媒ガスの圧縮、及び圧縮済み冷媒ガスの圧縮室26から吐出室28への吐出が妨げられることはない。
次に、残留ガスバイパス構造について説明する。
図3においては、前記ロータリバルブ35の回転運動を直線状に展開するとともに、吸入案内孔37の軸線L周りでの旋回を左方への移動に置換した状態を示している。該図に示すように、ロータリバルブ35の外周面35bにおいて前述したシール領域には、残留ガスバイパス通路としての残留ガスバイパス溝41が形成されている。残留ガスバイパス溝41は、ロータリバルブ35の軸線Lに沿う方向(図面の上下方向)へと延在される高圧側溝42、同じく軸線Lに沿う方向へと延在される低圧側溝43、及びロータリバルブ35の周方向(図面の左右方向)へと延在されて両溝42,43の前方側の端部間を連通する連通溝44とからなっている。
前記高圧側溝42は、ロータリバルブ35の外周面35bにおいて、吐出終了直後の高圧側の圧縮室26への導通路18(18A)のロータリバルブ側開口部18bと対向するシール領域に配置されている。低圧側溝43は、ロータリバルブ35の外周面35bにおいて、吸入終了直後の圧縮室26に対応する導通路18(18B)のロータリバルブ側開口部18bと対向するシール領域に配置されている。
従って、吐出終了直後の前記圧縮室26において吐出しきれずに残った冷媒ガス(残留ガス)は、導通路18A、高圧側溝42、連通溝44、低圧側溝43及び導通路18Bを同順に経由して、吸入終了直後の圧縮室26へとバイパス(回収)される。よって、吸入行程中における、圧縮室26内での残留ガスの再膨張が少なくなり、該圧縮室26内へと導入室36の冷媒ガスを確実に吸入できる。その結果、圧縮機10の体積効率を向上させることができる。
次に、吸入行程初期における吸入抵抗を低減するための構成について、図1、図2及び図4に従って説明する。なお、図4は、シリンダボア23の内周面23aを平面状に展開した状態を示しており、図面の上方側が弁・ポート形成体13側、下方側がクランク室15側となっている。
前記シリンダボア23の内周面23aには、吸入補助凹部61が形成されている。吸入補助凹部61は、導通路18の圧縮室側開口部18aに対して、弁・ポート形成体13側の端部でシリンダボア23の周方向に連接されている。吸入補助凹部61は、導通路18の圧縮室側開口部18aを、弁・ポート形成体13に近いほどシリンダボア23の周方向へと広くする形状を有している。吸入補助凹部61は、導通路18の圧縮室側開口部18aに対してシリンダボア23の周方向前後の位置に、それぞれ形成されている。
さて、図1及び図4において、前記ピストン24の頭部39を二点鎖線で示すように、吸入行程の初期つまりピストン24が上死点位置近傍にある時には、導通路18の圧縮室側開口部18aの大部分が、ピストン24の頭部外周面39bによって塞がれた状態となる。しかし、圧縮室26に開口しかつ導通路18の圧縮室側開口部18aにシリンダボア23の周方向で連接(連通)する吸入補助凹部61が、圧縮室側開口部18aにおいて弁・ポート形成体13側の端部をシリンダボア23の周方向へと広げている。
従って、吸入行程の初期においても、前記導通路18と圧縮室26との間における冷媒ガスの通過断面積を広く確保することができ、冷媒ガスの吸入抵抗を低減することができて、圧縮機10の体積効率を向上させることができる。また、この効果を得るにあたって、シリンダボア23の内周面23aに凹部(吸入補助凹部61)を形成すればよい。このため、シリンダブロック11において、シリンダボア23と収容孔17との間に導通路18を大きく貫通形成する必要がなく、該シリンダブロック11の強度低下を防止することができる。
上記構成の本実施形態においては次のような効果も奏する。
(1)吸入補助凹部61は、導通路18の圧縮室側開口部18aを、弁・ポート形成体13側ほどシリンダボア23の周方向へ広くするように形成されている。つまり、吸入行程初期における吸入抵抗を低減する観点においては、圧縮室側開口部18aの弁・ポート形成体13側近傍のみをシリンダボア23の周方向へ広くすればよい。従って、圧縮室側開口部18aにおいて、弁・ポート形成体13から離れた部位については、周方向へそれ程広くする必要がない。また、例えば、吸入補助凹部61が、弁・ポート形成体13から離れた位置においても圧縮室側開口部18aをシリンダボア23の周方向へ広くする構成では、該吸入補助凹部61の容積が大きくなることに伴う圧縮室26のデッドボリューム(ピストン24が上死点に位置した状態での圧縮室26の容積)の増大、ひいては圧縮機10の体積効率の低下を招いてしまうのである。
(2)吸入補助凹部61は、導通路18の圧縮室側開口部18aに対して、シリンダボア23の周方向前後にそれぞれ形成されている。従って、シリンダボア23の内周面23aに対する、吸入補助凹部61の加工を容易とすることができる。
即ち、例えば、吸入補助凹部を、導通路18の圧縮室側開口部18aに対してシリンダボア23の周方向前後の一方側にのみ位置するように、シリンダボア23に形成したとする。この場合、一箇所の吸入補助凹部が、導通路18との間における冷媒ガスの通過断面積を確保するために深いものとなり、その加工が面倒となるのである。
しかし、前記吸入補助凹部61を、圧縮室側開口部18aに対してシリンダボア23の周方向前後にそれぞれ形成した本実施形態によれば、導通路18との間で必要とされる冷媒ガスの通過断面積を、各吸入補助凹部61でそれぞれ分担すればよい。従って、各吸入補助凹部61を浅くできてそれらの加工が容易となる。
(3)「発明が解決しようとする課題」でも述べたように、容量可変型の圧縮機10において吸入行程初期における吸入抵抗の増大は、該圧縮機10の最小吐出容量状態からの復帰(吐出容量の増大)が遅れる要因となる。従って、このような態様において本発明を具体化して、吸入行程初期における吸入抵抗を低減できることは、圧縮機10の最小吐出容量状態からの復帰を速やかに行い得る点でも有効であると言える。
(4)ロータリバルブ35には、吐出終了後の高圧側の圧縮室26への導通路18Aと低圧側の圧縮室26への導通路18Bとを連通する残留ガスバイパス溝41が形成されている。つまり、本実施形態においては、吸入行程初期における吸入抵抗を低減するにあたり、シリンダブロック11において導通路18を大きく貫通形成する必要がない。このため、該導通路18のロータリバルブ側開口部18bが、シリンダボア23の周方向へ広くならず、従来においては困難であった、残留ガスバイパス溝41の併用を達成することができた。
○第2実施形態
図5及び図6においては、請求項4の発明を具体化した一例たる第2実施形態を示す。
本実施形態においては、上記第1実施形態から吸入補助凹部61が削除されている。そして、吸入行程初期における吸入抵抗を低減するための構成として、ピストン24の頭部39において弁・ポート形成体13側の端部には、吸入補助部64が形成されている。
前記吸入補助部64は、ピストン24において端面39aの外周縁の一部を切除(面取り)することで形成されている。吸入補助部64は、頭部39の外周面39bにおいて導通路18の圧縮室側開口部18aに臨む領域64aを、該圧縮室側開口部18aつまりはシリンダボア23の内周面23aから離間させる。ピストン24における吸入補助部64の切除の大きさ(面取りサイズ)は、端面39aの外周縁に施された、ピストン24の角当たり防止用の面取り39cよりも大きくなっている。
従って、吸入行程初期においても、前記導通路18の圧縮室側開口部18aが、ピストン24の頭部外周面39bによって大きく塞がれることを防止でき、導通路18から圧縮室26への冷媒ガスの吸入抵抗を低減することができる。また、この効果を得るにあたって、ピストン24に吸入補助部64を形成すればよいため、シリンダブロック11においてシリンダボア23と収容孔17との間に導通路18を大きく貫通形成する必要がない。従って、導通路18の形成に起因したシリンダブロック11の強度低下を防止することができる。
なお、本実施形態においては、上記第1実施形態の効果(3)及び(4)と同様な効果も奏する。
○第3実施形態
図7においては、請求項5の発明を具体化した一例たる第3実施形態を示す。
本実施形態においては、上記第1実施形態から吸入補助凹部61が削除されている。そして、吸入行程初期における吸入抵抗を低減するための構成として、弁・ポート形成体13(ポート形成板13a)の前端面13dにおいて圧縮室26に臨む位置に、吸入補助凹部67が形成されている。また、シリンダブロック11において、シリンダボア23の弁・ポート形成体13側の開口縁部には、導通路18の圧縮室側開口部18aの縁部を切り欠くようにして連通溝68が形成されている。導通路18の圧縮室側開口部18aと吸入補助凹部67とは、連通溝68を介して連接されている。
従って、吸入行程の初期において、前記導通路18の圧縮室側開口部18aがピストン24の頭部外周面39bによって殆ど塞がれた状態でも、導通路18から圧縮室26への冷媒ガスの導入は、連通溝68及び吸入補助凹部67を介して行われることとなる。よって、吸入行程の初期においても、導通路18と圧縮室26との間における冷媒ガスの通過断面積を広くすることができ、冷媒ガスの吸入抵抗を低減することができる。また、この効果を得るにあたって、弁・ポート形成体13に吸入補助凹部67を形成すればよいため、シリンダブロック11においてシリンダボア23と収容孔17との間に導通路18を大きく貫通形成する必要がなく、該シリンダブロック11の強度低下を防止することができる。
なお、本実施形態においては、上記第1実施形態の効果(3)及び(4)と同様な効果も奏する。
○第4実施形態
図8(a)及び(b)においては、上記第3実施形態の変更例たる第4実施形態を示す。
本実施形態においては、上記第3実施形態から吸入補助凹部67が削除されている。弁・ポート形成体13のポート形成板13aには、前記吐出ポート(第1の吐出ポート)29の他に、第2の吐出ポート51が形成されている。前記吐出弁30は、その先端側において第1の吐出ポート29を開閉するとともに、基部側において第2の吐出ポート51を開閉する。
前記吐出ポート29,51を複数備えることで、圧縮室26から吐出室28への冷媒ガスの吐出をスムーズに行うことができる。従って、冷媒ガスの過圧縮を防止することができ、圧縮機10の動力損失を低減することができる。また、二つの吐出ポート29,51は一つの吐出弁30によって開閉され、特に、第2の吐出ポート51は、吐出弁30の基部側において開閉される。従って、吐出弁30の基部側に、冷媒ガスの流れを生じさせることができ、第2の吐出ポート51における異物の詰まりを防止することができる。よって、吸入及び圧縮行程にて、吐出ポート29,51を吐出弁30によって確実に閉塞することができ、圧縮機10の効率を向上させることができる。
本実施形態においては、前記第2の吐出ポート51において圧縮室26側の開口端部が、吸入補助凹部51aをなしている。吸入補助凹部51aの一部は、導通路18の圧縮室側開口部18aに対して連接されている。従って、吸入補助凹部51aは、上記第3実施形態の吸入補助凹部67と同様に機能する。
本実施形態においても上記第3実施形態と同様な効果を奏する。その他にも、吸入補助凹部51aとして、吐出ポート51における圧縮室26側の開口端部を利用している。従って、吸入補助凹部を専用に設ける場合と比較して、構成の簡素化を図り得る。また、前記吐出ポート51においては、吐出行程にて冷媒ガスの流れを生じさせるため、吐出ポート51の一部を利用した吸入補助凹部51aにおける異物の蓄積を防止することができる。
本発明の趣旨から逸脱しない範囲で例えば以下の態様でも実施可能である。
○上記第1実施形態において吸入補助凹部61は、導通路18の圧縮室側開口部18aを、弁・ポート形成体13に近いほどシリンダボア23の周方向へ広くするように形成されていた(図4参照)。これを変更し、圧縮室側開口部18aにおいて弁・ポート形成体13側の端部付近が、弁・ポート形成体13に対する接離方向に関してシリンダボア23の周方向へ一定の幅を持つように、吸入補助部を形成すること。
○上記第1実施形態において吸入補助凹部61は、導通路18の圧縮室側開口部18aに対してシリンダボア23の周方向前後にそれぞれ形成されていた(図4参照)。これを変更し、吸入補助凹部を、導通路18の圧縮室側開口部18aに対してシリンダボア23の周方向前後の一方側にのみ形成すること。
○上記第2実施形態において吸入補助部64は、ピストン24において端面39aの外周縁の一部を切除することで形成されていた(図6参照)。これは、ピストン24が自身の軸線を中心として回転することを、該ピストン24の首部40と斜板21或いはハウジングとの当接により規制する回り止め構造を有しているためで、従って吸入補助部64と導通路18の圧縮室側開口部18aとが、ピストン24の軸線周りにおいて大きくずれるおそれがないからである。
しかし、このようなピストン24の回り止め構造を備えないピストン式圧縮機(例えば後述するワッブルタイプのもの)の場合には、ピストン24が回転された場合でも吸入補助部が導通路18の圧縮室側開口部18aに臨むように、該吸入補助部を、ピストン24において端面39aの外周縁の全部を切除(面取り)することで形成する。この場合、該吸入補助部が、ピストン24の角当たり防止用の面取りを兼ねることとなる。
○上記各実施形態において残留ガスバイパス溝41を削除すること。
○本発明を、固定容量型のピストン式圧縮機において具体化すること。
○本発明を、両頭型のピストンを備えたピストン式圧縮機において具体化すること。
○本発明を、カムプレートとしての揺動板を備えた、ワッブルタイプのピストン式圧縮機において具体化すること。
第1実施形態を示す容量可変型斜板式圧縮機の縦断面図。 図1の1−1線断面図。 ロータリバルブの回転運動を直線状に展開した図。 シリンダボアの内周面を平面状に展開した図。 第2実施形態を示す図であり容量可変型斜板式圧縮機の縦断面部分図。 ピストンの頭部の斜視図。 第3実施形態を示す図であり容量可変型斜板式圧縮機の縦断面部分図。 (a)は第4実施形態を示す図であり容量可変型斜板式圧縮機の縦断面部分図、(b)は第2の吐出ポート近傍を示す拡大図。 従来技術を示す図であり容量可変型斜板式圧縮機の縦断面部分図。 ロータリバルブの回転運動を直線状に展開した図。
符号の説明
10…ピストン式圧縮機としての容量可変型斜板式圧縮機、11…ハウジングを構成するシリンダブロック、12…同じくフロントハウジング、13…弁・ポート形成体、14…ハウジングを構成するリヤハウジング、15…クランク室、16…駆動軸、17…収容孔(a…内周面)、18…導通路(a…圧縮室側開口部、b…ロータリバルブ側開口部)、21…カムプレートとしての斜板、23…シリンダボア(a…内周面)、24…ピストン、26…圧縮室、27…吸入圧領域を構成する吸入通路、29…吐出ポート、30…吐出弁、35…ロータリバルブ(b…外周面)、37…吸入案内孔、39b…ピストンの外周面たる頭部外周面、41…残留ガスバイパス通路としての残留ガスバイパス溝、51…第2の吐出ポート(a…吸入補助凹部)、61…吸入補助凹部、64…吸入補助部(a…ピストンの外周面において吸入行程初期に導通路の圧縮室側開口部に臨む領域)、67…吸入補助凹部。

Claims (8)

  1. ハウジングには駆動軸が回転可能に支持され、前記ハウジング内においてシリンダブロックには複数のシリンダボアが貫通形成され、前記各シリンダボアにはピストンが往復動可能に挿入され、前記シリンダボア内には、前記ピストンと、前記シリンダブロックに接合された弁・ポート形成体とで圧縮室が区画形成され、前記弁・ポート形成体には、前記各圧縮室に対応して吐出ポート及び吐出弁がそれぞれ形成され、前記シリンダブロックにおいて前記シリンダボアに囲まれた中心部には収容孔が形成され、該収容孔内にはロータリバルブが収容され、該ロータリバルブには外周面で開口する吸入案内孔が形成され、前記シリンダブロックには前記各圧縮室と前記ロータリバルブとを接続する導通路がそれぞれ貫通形成され、該導通路において前記圧縮室側の端部は前記シリンダボアの内周面で開口され、前記導通路において前記ロータリバルブ側の端部は前記収容孔の内周面で開口されており、前記ロータリバルブが前記駆動軸と同期回転することで、前記吸入案内孔が前記各導通路へと順次連通されて、吸入圧領域から前記圧縮室への前記吸入案内孔及び前記導通路を介したガスの吸入が行われるピストン式圧縮機において、
    前記シリンダボアの内周面には、前記導通路の圧縮室側開口部に対して前記弁・ポート形成体側の端部で前記シリンダボアの周方向へ連接するように、吸入補助凹部が形成されていることを特徴とするピストン式圧縮機。
  2. 前記吸入補助凹部は、前記導通路の前記圧縮室側開口部を前記弁・ポート形成体に近いほど前記シリンダボアの周方向へ広くするように形成されている請求項1に記載のピストン式圧縮機。
  3. 前記吸入補助凹部は、前記導通路の前記圧縮室側開口部に対して前記シリンダボアの周方向前後にそれぞれ形成されている請求項1又は2に記載のピストン式圧縮機。
  4. ハウジングには駆動軸が回転可能に支持され、前記ハウジング内においてシリンダブロックには複数のシリンダボアが貫通形成され、前記各シリンダボアにはピストンが往復動可能に挿入され、前記シリンダボア内には、前記ピストンと、前記シリンダブロックに接合された弁・ポート形成体とで圧縮室が区画形成され、前記弁・ポート形成体には、前記各圧縮室に対応して吐出ポート及び吐出弁がそれぞれ形成され、前記シリンダブロックにおいて前記シリンダボアに囲まれた中心部には収容孔が形成され、該収容孔内にはロータリバルブが収容され、該ロータリバルブには外周面で開口する吸入案内孔が形成され、前記シリンダブロックには前記各圧縮室と前記ロータリバルブとを接続する導通路がそれぞれ貫通形成され、該導通路において前記圧縮室側の端部は前記シリンダボアの内周面で開口され、前記導通路において前記ロータリバルブ側の端部は前記収容孔の内周面で開口されており、前記ロータリバルブが前記駆動軸と同期回転することで、前記吸入案内孔が前記各導通路へと順次連通されて、吸入圧領域から前記圧縮室への前記吸入案内孔及び前記導通路を介したガスの吸入が行われるピストン式圧縮機において、
    前記ピストンにおいて前記弁・ポート形成体側の端部には、該端部の外周面において前記導通路の圧縮室側開口部に臨む領域を該圧縮室側開口部から離間させる吸入補助部が形成されていることを特徴とするピストン式圧縮機。
  5. ハウジングには駆動軸が回転可能に支持され、前記ハウジング内においてシリンダブロックには複数のシリンダボアが貫通形成され、前記各シリンダボアにはピストンが往復動可能に挿入され、前記シリンダボア内には、前記ピストンと、前記シリンダブロックに接合された弁・ポート形成体とで圧縮室が区画形成され、前記弁・ポート形成体には、前記各圧縮室に対応して吐出ポート及び吐出弁がそれぞれ形成され、前記シリンダブロックにおいて前記シリンダボアに囲まれた中心部には収容孔が形成され、該収容孔内にはロータリバルブが収容され、該ロータリバルブには外周面で開口する吸入案内孔が形成され、前記シリンダブロックには前記各圧縮室と前記ロータリバルブとを接続する導通路がそれぞれ貫通形成され、該導通路において前記圧縮室側の端部は前記シリンダボアの内周面で開口され、前記導通路において前記ロータリバルブ側の端部は前記収容孔の内周面で開口されており、前記ロータリバルブが前記駆動軸と同期回転することで、前記吸入案内孔が前記各導通路へと順次連通されて、吸入圧領域から前記圧縮室への前記吸入案内孔及び前記導通路を介したガスの吸入が行われるピストン式圧縮機において、
    前記弁・ポート形成体において前記圧縮室に臨む位置には、前記導通路の圧縮室側開口部に連接して吸入補助凹部が形成されていることを特徴とするピストン式圧縮機。
  6. 前記吐出ポートにおける前記圧縮室側の開口端部が、前記吸入補助凹部を兼ねている請求項5に記載のピストン式圧縮機。
  7. 前記ハウジング内にはクランク室が区画形成され、該クランク室において駆動軸にはカムプレートが一体回転可能でかつ傾動可能に連結され、該カムプレートには前記ピストンが連結されており、前記駆動軸の回転運動が前記カムプレートを介して前記ピストンの往復運動に変換されるとともに、前記クランク室の内圧を調節することで、前記クランク室の内圧と前記圧縮室の内圧との前記ピストンを介した差が変更され、前記カムプレートの傾斜角度が変更される結果、吐出容量が調節される請求項1〜6のいずれか一項に記載のピストン式圧縮機。
  8. 前記ロータリバルブには、吐出終了後の高圧側の前記圧縮室への前記導通路と低圧側の前記圧縮室への前記導通路とを連通する残留ガスバイパス通路が形成されている請求項1〜7のいずれか一項に記載のピストン式圧縮機。
JP2004059466A 2003-10-29 2004-03-03 ピストン式圧縮機 Expired - Fee Related JP4103822B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004059466A JP4103822B2 (ja) 2003-10-29 2004-03-03 ピストン式圧縮機
EP05004432A EP1571336A3 (en) 2004-03-03 2005-03-01 Piston compressor
US11/071,418 US20050196291A1 (en) 2004-03-03 2005-03-02 Piston compressor

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003369442 2003-10-29
JP2004059466A JP4103822B2 (ja) 2003-10-29 2004-03-03 ピストン式圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005155592A true JP2005155592A (ja) 2005-06-16
JP4103822B2 JP4103822B2 (ja) 2008-06-18

Family

ID=34741154

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004059466A Expired - Fee Related JP4103822B2 (ja) 2003-10-29 2004-03-03 ピストン式圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4103822B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010068025A2 (ko) * 2008-12-09 2010-06-17 두원공과대학교 사판식 압축기
KR100986964B1 (ko) 2008-11-20 2010-10-13 주식회사 두원전자 사판식 압축기
KR101001575B1 (ko) 2008-12-09 2010-12-17 주식회사 두원전자 로터리밸브를 장착한 사판식 압축기
KR101038385B1 (ko) 2006-09-14 2011-06-01 한라공조주식회사 압축기
KR101058307B1 (ko) 2006-09-26 2011-08-22 한라공조주식회사 압축기
KR101099102B1 (ko) * 2009-03-31 2011-12-27 주식회사 두원전자 사판식 압축기
KR101472337B1 (ko) * 2012-11-02 2014-12-12 가부시키가이샤 도요다 지도숏키 피스톤형 압축기
KR101611080B1 (ko) 2013-09-27 2016-04-08 가부시키가이샤 도요다 지도숏키 용량 가변형 사판식 압축기

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101038385B1 (ko) 2006-09-14 2011-06-01 한라공조주식회사 압축기
KR101058307B1 (ko) 2006-09-26 2011-08-22 한라공조주식회사 압축기
KR100986964B1 (ko) 2008-11-20 2010-10-13 주식회사 두원전자 사판식 압축기
WO2010068025A2 (ko) * 2008-12-09 2010-06-17 두원공과대학교 사판식 압축기
WO2010068025A3 (ko) * 2008-12-09 2010-08-05 두원공과대학교 사판식 압축기
KR101001575B1 (ko) 2008-12-09 2010-12-17 주식회사 두원전자 로터리밸브를 장착한 사판식 압축기
KR101001584B1 (ko) 2008-12-09 2010-12-17 주식회사 두원전자 사판식 압축기
KR101099102B1 (ko) * 2009-03-31 2011-12-27 주식회사 두원전자 사판식 압축기
KR101472337B1 (ko) * 2012-11-02 2014-12-12 가부시키가이샤 도요다 지도숏키 피스톤형 압축기
KR101611080B1 (ko) 2013-09-27 2016-04-08 가부시키가이샤 도요다 지도숏키 용량 가변형 사판식 압축기

Also Published As

Publication number Publication date
JP4103822B2 (ja) 2008-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1953385B1 (en) Double-headed swash plate compressor
JP4211477B2 (ja) 冷媒圧縮機のオイル分離構造
EP1884662B1 (en) Compressor
JP4103822B2 (ja) ピストン式圧縮機
JP6135573B2 (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP2005299478A (ja) ピストン式圧縮機
US20080193304A1 (en) Piston Type Compressor
KR20040021062A (ko) 압축기
JP2004245197A (ja) ピストン式圧縮機
CN111033048B (zh) 旋转式压缩机
JP2007016762A (ja) ピストン式圧縮機
JP2008095585A (ja) 回転式圧縮機
US20090257890A1 (en) Oil separating structure of variable displacement compressor
JP2004278361A (ja) ピストン式圧縮機
JP2007198250A (ja) 往復動型流体機械
JP5499841B2 (ja) 回転式圧縮機
JP5217856B2 (ja) 回転式圧縮機
JP5423538B2 (ja) 回転式圧縮機
JP6136519B2 (ja) 回転式圧縮機
JP2004211662A (ja) 圧縮機のオイル分離構造
JP3111693B2 (ja) 往復動型圧縮機
JP2010007588A (ja) 冷媒圧縮機
JP5397492B2 (ja) 回転式圧縮機
KR100903095B1 (ko) 밸브 어셈블리의 구조가 개선된 자동차용 압축기
JP2016166532A (ja) 容量可変型両頭斜板式圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060623

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070730

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071022

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071113

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080115

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080304

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080317

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110404

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees