JP2010007588A - 冷媒圧縮機 - Google Patents

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Yoshihiro Umezu
圭宏 梅津
Toshiyuki Kobayashi
俊之 小林
Manabu Sugiura
学 杉浦
Shinichi Sato
真一 佐藤
Akio Saeki
暁生 佐伯
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【課題】吐出弁を開きやすくしつつ、圧縮室の冷媒ガスを吐出室へスムーズに吐出することができる冷媒圧縮機を提供する。
【解決手段】ピストン式圧縮機10の弁・ポート形成体13には、圧縮された冷媒ガスを圧縮室から吐出室35へ吐出する吐出ポート51aが設けられるとともに、圧縮室と吐出室35との圧力差によって吐出ポート51aを開閉する長板状をなす吐出弁Dが設けられている。弁・ポート形成体13には、吐出弁Dの開度を規制するリテーナ部Rが吐出弁Dと対向する位置に設けられている。リテーナ部Rには一対のガス抜き孔53fが形成されている。ガス抜き孔53fそれぞれは、吐出弁Dの軸線Lに対し直交し、かつ吐出弁Dの表面を通過する基準線N上に位置するとともに、一部が基準線Nに沿って吐出弁Dの両側よりも外側にずれた位置から吐出室35に向けて開放するように形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、弁・ポート形成体に吐出弁の開度を規制するリテーナ部が設けられた冷媒圧縮機に関する。
例えば、ピストン式の冷媒圧縮機においては、シリンダボア内のピストンの往復動作によって圧縮された冷媒ガスは、各シリンダボア内に区画された圧縮室から吐出弁を押し退けて吐出室へ吐出される。この吐出時における圧縮室内の圧力を適正値に設定するため、吐出弁の開度が、リテーナ形成プレート(弁・ポート形成体)に形成されたリテーナ部によって規制されている。しかし、リテーナ部によって吐出弁の開度を規制する構成においては、吐出弁の背面と、この背面に対向するリテーナ部の内面との間の隙間に冷媒ガスが存在する。このため、吐出弁が開く際、この隙間に存在する冷媒ガスが抵抗になり吐出弁の挙動(開き方)が抑制されてしまい、圧縮された冷媒ガスが圧縮室から吐出室へ抜けにくく、過圧縮量が多くなってしまう。
そこで、リテーナ部にガス抜き孔を形成し、吐出弁の背面とリテーナ部の内面との間の隙間に存在する冷媒ガスを、ガス抜き孔から吐出室へ抜けるようにすることが考えられる(例えば、特許文献1参照)。特許文献1において、リテーナ部(特許文献1では弁リード押え板と記載)において、吐出ポート(特許文献1では吐出穴と記載)に対向する自由端部には、ガス抜き孔として、リテーナ部の表裏に貫通する細長形の欠除部が形成されている。この欠除部は、吐出弁の長さ方向(軸線方向)に沿って細長に延びるように形成されている。そして、特許文献1においては、リテーナ部に形成された欠除部により、吐出弁の背面とリテーナ部の内面との間の隙間に存在する冷媒ガスが吐出室へスムーズに抜けることにより、吐出弁を開く際の抵抗を減らし、吐出弁を開きやすくすることができる。
実開昭54−100202号公報
ところが、特許文献1における欠除部は、そのほぼ全体が吐出弁に対向する位置に形成されるとともに、欠除部の先端一部のみが吐出弁の先端を超える位置まで延びるように形成されている。よって、吐出弁が開く際、吐出弁がリテーナ部に当接すると、欠除部のほぼ全体が吐出弁によって閉鎖されてしまう。このため、圧縮室から吐出室へ吐出される冷媒ガスは、リテーナ部と吐出弁との間の隙間や、吐出弁の先端を超えた位置まで延びる欠除部の一部を通過して吐出室へ吐出されることとなり、圧縮室から吐出室へ冷媒ガスが吐出されにくいという問題がある。
本発明は、吐出弁を開きやすくしつつ、圧縮室の冷媒ガスを吐出室へスムーズに吐出することができる冷媒圧縮機を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ハウジング内に回転軸の回転に伴い駆動する圧縮機構が設けられるとともに前記圧縮機構の圧縮室で圧縮された冷媒ガスを吐出する吐出室が設けられ、前記ハウジングが備える弁・ポート形成体に、圧縮された冷媒ガスを前記圧縮室から前記吐出室へ吐出する吐出ポートが設けられるとともに、前記圧縮室と前記吐出室との圧力差によって前記吐出ポートを開閉する長板状をなす吐出弁が設けられ、さらに、前記吐出弁の開度を規制するリテーナ部が前記吐出弁と対向する位置に設けられた冷媒圧縮機であって、前記リテーナ部にはガス抜き孔が形成され、該ガス抜き孔が、前記吐出弁の軸線に対し直交し、かつ吐出弁の表面を通過する基準線上に位置するとともに、前記ガス抜き孔の少なくとも一部が前記基準線に沿って前記吐出弁の両側よりも外側にずれた位置それぞれから吐出室に向けて開放するように形成されている。
これによれば、吐出弁が吐出ポートを開く際、吐出弁のリテーナ部へ向けた移動により、吐出弁とリテーナ部との間に存在する冷媒ガスがリテーナ部に向けて押し出され、その押し出された冷媒ガスを、ガス抜き孔を通過させて吐出室へ逃がすことができる。したがって、吐出弁が開くときに冷媒ガスの存在によって吐出弁が受ける抵抗を小さくし、吐出弁を開きやすくすることができる。さらに、吐出弁がリテーナ部に当接して開度が規制された状態であっても、ガス抜き孔は全体が吐出弁によって閉じられることなく、吐出弁の両側よりも外側にずれた位置それぞれから吐出室に向けて開放されている。このため、吐出ポートから吐出された冷媒ガスを、一箇所だけでなく二箇所に開放されたガス抜き孔を通過させることができ、圧縮室の冷媒ガスを吐出室へスムーズに吐出することができる。
また、前記ガス抜き孔は、該ガス抜き孔の一部が前記吐出弁を介して吐出ポートに対向するように形成されていてもよい。これによれば、ガス抜き孔は、吐出ポートを通過した冷媒ガスの向かう先に形成されていることとなる。よって、吐出ポートから吐出された冷媒ガスのほとんどは、その流れる向きをほとんど変えることなくガス抜き孔から吐出室へ吐出される。
また、前記ガス抜き孔は、前記吐出弁を挟むように前記リテーナ部に一対形成されているものでもよい。これによれば、リテーナ部において、一対のガス抜き孔の間にはリテーナ部が存在している。よって、例えば、ガス抜き孔を、基準線に沿ってリテーナ部全体に亘って延びる長孔状に形成する場合に比して、リテーナ部の強度を高めることができる。
また、前記一対のガス抜き孔は、前記軸線に対し線対称となる位置に形成されていてもよい。これによれば、2つのガス抜き孔を通過する冷媒ガスの量をほぼ同じにすることができる。このため、一対のガス抜き孔から吐出される冷媒ガスの吐出圧が吐出弁の両側に作用しても、吐出弁の両側が受ける吐出圧をほぼ同じにして吐出弁の捻れの発生を防止することができる。
また、前記圧縮機構は、前記回転軸と、該回転軸の周囲に配列された複数のシリンダボアと、該シリンダボア内に収容されたピストンと、前記回転軸と一体化されるとともに前記ピストンが係留されるカム体と、前記ピストンによって前記シリンダボア内に区画される前記圧縮室とからなり、前記吐出ポートは前記複数のシリンダボアに対向するように前記回転軸の周囲に配列されるとともに、前記吐出弁及びリテーナ部は前記吐出ポートに対向するように複数設けられ、各リテーナ部それぞれに前記ガス抜き孔が形成されていてもよい。
これによれば、ガス抜き孔により、複数の吐出弁それぞれを開きやすくすることができるとともに、各圧縮室の冷媒ガスを吐出室へスムーズに吐出することができる。よって、ガス抜き孔を形成することで、複数の吐出ポート及び吐出弁を備えるピストン式圧縮機であっても運転効率を良好なものにすることができる。
本発明によれば、吐出弁を開きやすくしつつ、圧縮室の冷媒ガスを吐出室へスムーズに吐出することができる。
以下、本発明の冷媒圧縮機をピストン式圧縮機に具体化した一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。なお、以下の説明においてピストン式圧縮機の「前」及び「後」は、図1に示す矢印Yの方向を前後方向とする。
図1に示すように、ピストン式圧縮機10のハウジングHは、シリンダブロック11と、シリンダブロック11の前端(一端)に接合固定されたフロントハウジング12と、シリンダブロック11の後端(他端)に弁・ポート形成体13を介して接合固定されたリヤハウジング14とから構成されている。シリンダブロック11、フロントハウジング12、弁・ポート形成体13、及びリヤハウジング14は複数本(図1では一本だけ図示)の通しボルトBによって共締めされている。ハウジングH内において、シリンダブロック11とフロントハウジング12との間には、クランク室15が区画形成されるとともに、シリンダブロック11とフロントハウジング12との間には、クランク室15を挿通するようにして回転軸16が回転可能に支持されている。
回転軸16は、その前側(一端側)がフロントハウジング12に設けられたラジアル軸受け18によって回転可能に支持されるとともに、後側(他端側)がシリンダブロック11に設けられたラジアル軸受け19によって回転可能に支持されている。回転軸16には、外部駆動源である車両のエンジンEが、クラッチレス機構よりなる動力伝達機構PTを介して作動連結されている。そして、エンジンEの稼動時においては、回転軸16はエンジンEから回転駆動力を得て常時回転される。回転軸16の前側における周面と、この周面に対向するフロントハウジング12の内周面との間には、回転軸16に沿ったクランク室15からピストン式圧縮機10外への冷媒ガスの洩れを阻止する軸封装置17が設けられている。
クランク室15内において、回転軸16にはロータ21が一体回転可能に固定されるとともに、実質的に円盤状をなすカム体としての斜板23が収容されている。斜板23の中央部には回転軸16が挿通され、斜板23は回転軸16に、一体回転可能でかつ傾動可能に支持されている。ロータ21と斜板23との間にはヒンジ機構24が介在されるとともに、ロータ21の回転力はヒンジ機構24を介して斜板23に伝達される。
シリンダブロック11において、回転軸16の周囲には、複数(図1では一つだけ図示)のシリンダボア11aが等角度間隔で前後方向(回転軸16の軸方向)に貫通するように配列されるとともに、各シリンダボア11a内それぞれにはピストン25が前後方向へ移動可能に収容されている。シリンダボア11aの前後開口は、弁・ポート形成体13の前端面及びピストン25によって閉塞されるとともに、各シリンダボア11a内それぞれにはピストン25の前後方向への移動に応じて容積変化する圧縮室26が区画されている。各ピストン25は、一対のシュー27を介して斜板23の外周部に係留されている。したがって、回転軸16の回転によって斜板23が回転すると、斜板23の揺動によって、ピストン25が前後方向に往復直線運動されるとともに、圧縮室26で冷媒ガスの圧縮が行われる。よって、本実施形態では、回転軸16と、シリンダボア11aと、ピストン25と、斜板23と、圧縮室26とから圧縮機構Cが構成されている。
ハウジングH内において、弁・ポート形成体13とリヤハウジング14の中央部との間には、吸入室34が区画されるとともに、吸入室34の外周側には吐出室35が区画されている。また、ピストン式圧縮機10のハウジングH内には、抽気通路32及び給気通路33並びに制御弁CVが設けられている。抽気通路32はクランク室15と吸入室34とを接続するとともに、給気通路33は吐出室35とクランク室15とを接続する。給気通路33の途中には制御弁CVが配設されている。そして、制御弁CVにおける弁開度の調節によって給気通路33の開度を調節することで、給気通路33を介した吐出室35からクランク室15への高圧な吐出ガスの導入量と、抽気通路32を介したクランク室15から吸入室34へのガス導出量とのバランスが制御され、クランク室15の圧力が決定される。クランク室15の圧力の変更に応じて斜板23の傾斜角度が変更される結果、ピストン25のストローク、すなわちピストン式圧縮機10の吐出容量が調節される。
ピストン式圧縮機10は、外部冷媒回路40と車両用空調装置の冷媒循環回路(冷凍サイクル)を構成する。外部冷媒回路40は例えば、ガスクーラ41、膨張弁42及び蒸発器43を備えている。蒸発器43は吸入室34に接続されるとともに、ガスクーラ41は吐出室35に接続されている。
次に、弁・ポート形成体13について詳細に説明する。
弁・ポート形成体13は、シリンダブロック11の後端に圧接された吸入弁形成プレート50、吸入弁形成プレート50に対向するバルブプレート51、バルブプレート51に対向する吐出弁形成プレート52、及び吐出弁形成プレート52に対向し、かつリヤハウジング14の前端に圧接されたリテーナガスケット53からなる。すなわち、弁・ポート形成体13は、シリンダブロック11とリヤハウジング14の間に吸入弁形成プレート50、バルブプレート51、吐出弁形成プレート52、及びリテーナガスケット53を積層して形成されている。
図2に示すように、バルブプレート51は、金属板によって円板状に形成されている。バルブプレート51の周縁寄りの位置には、円孔状をなす複数の吐出ポート51aが、バルブプレート51の周方向へ等間隔をおいて形成されている。図1に示すように、各吐出ポート51aそれぞれは、シリンダボア11aに対向するとともに、吐出室35に対向する位置に形成されている。また、バルブプレート51において、吐出ポート51aよりも内側には複数の吸入ポート51bが、バルブプレート51の周方向へ等間隔をおいて形成されている。各吸入ポート51bそれぞれは、シリンダボア11aに対向するとともに吸入室34に対向する位置に形成されている。
図2に示すように、吐出弁形成プレート52は金属板よりなり、図示しない位置決め手段により、バルブプレート51に対し回転しないように位置決めされている。吐出弁形成プレート52は、バルブプレート51の直径より小径に形成された円板状の基部52aと、この基部52aから放射状に各吐出ポート51aに向けて延びる細長板状をなす複数の腕部52bと、各腕部52bの先端側に位置する弁部52cとから形成されている。弁部52cは、吐出ポート51aと対向する位置に配設されているとともに、吐出ポート51aを閉鎖可能な大きさに形成されている。吐出弁Dは、腕部52bと弁部52cとから形成されている。
そして、圧縮室26から高圧の冷媒ガスが吐出されると、吐出弁Dにおける弁部52cは吐出圧を受圧し、吐出圧が所定の圧力に達すると圧縮室26と吐出室35との圧力差により、弁部52cがバルブプレート51から離間するように吐出弁Dが移動して吐出ポート51aを開くようになっている。また、圧縮室26へ冷媒ガスが吸入されると、弁部52cはバルブプレート51に着座するように吐出弁Dが移動して吐出ポート51aを閉じるようになっている。吐出弁形成プレート52の基部52aにおいて、バルブプレート51の吸入ポート51bと対向する位置には吸入口52eが形成されている(図1参照)。
リテーナガスケット53は、図示しない位置決め手段によってバルブプレート51に対し回転しないように位置決めされている。図1に示すように、リテーナガスケット53は、弁・ポート形成体13がシリンダブロック11の後端とリヤハウジング14の前端によって挟持されることにより、リヤハウジング14の前端及び吐出弁形成プレート52に圧接することで、吐出室35からピストン式圧縮機10外への冷媒漏れを抑制している。
図1及び図2に示すように、リテーナガスケット53は、吐出弁形成プレート52の基部52aと同形状に形成された内周基部53aを備えるとともに、この内周基部53aの外周側に位置する円環状の外周基部53bを備える。さらに、リテーナガスケット53は、内周基部53aと外周基部53bとを連結する連結部53cを複数備えるとともに、連結部53cはリテーナガスケット53の周方向に等間隔おきに形成されている。
複数の連結部53cそれぞれ、及び連結部53cに連続する外周基部53bの一部それぞれは、各吐出弁Dと対向するように配設されている。そして、リテーナガスケット53において、各連結部53cから外周基部53bに跨る位置それぞれにはリテーナ部Rが形成されている。図1の拡大図に示すように、リテーナ部Rそれぞれは、吐出弁Dの基端と対向する位置から吐出弁Dの先端に向かうに従い徐々に吐出弁Dの背面Daから離間するように傾斜して形成されている。
そして、吐出弁Dによって吐出ポート51aが閉じられた状態にあるとき、吐出弁Dの背面Daと、この背面Daに対向するリテーナ部Rの内面Raとの間には隙間が形成されている。また、リテーナガスケット53において、外周基部53bの外周縁寄りの位置には、リテーナ部Rの内側に連通する連通孔53eが形成されている。
図2及び図3に示すように、各リテーナ部Rにおいて、リテーナガスケット53の周方向に沿ったリテーナ部Rの両側それぞれには円孔状をなすガス抜き孔53fが外周基部53bを貫通して形成されている。すなわち、各リテーナ部Rにはガス抜き孔53fが一対ずつ形成されている。ここで、図2の拡大図に示すように、吐出弁Dの軸線Lに対し直交する方向へ延び、かつ吐出弁Dの表面を通過しつつ吐出ポート51aの中心点P1を通過する直線を基準線Nとする。このとき、一対のガス抜き孔53fは、基準線N上に位置するとともにガス抜き孔53fの中心点P2それぞれが、基準線N上に位置するように外周基部53bに形成されている。そして、一対のガス抜き孔53fは、軸線Lに対し線対称となるように外周基部53bに形成されている。加えて、一対のガス抜き孔53fそれぞれは、一部が吐出弁D及び、この吐出弁Dを介した吐出ポート51aに対向するように外周基部53bに形成されている。なお、リテーナガスケット53において、内周基部53aには吸入ポート51bと対向する位置に吸入口53hが形成されている。
図1に示すように、吸入弁形成プレート50は、金属板よりなり、図示しない位置決め手段により、バルブプレート51に対し回転しないように位置決めされている。吸入弁形成プレート50において、バルブプレート51の吸入ポート51bと対向する位置には吸入弁50aが形成されるとともに、吐出ポート51aと対向する位置には吐出口50bが形成されている。
さて、上記ピストン式圧縮機10は、蒸発器43側から吸入室34に導入された冷媒ガスは、各ピストン25の上死点位置から下死点位置側への移動により、吸入口53h,52e、吸入ポート51b及び吸入弁50aを介して圧縮室26に吸入される。圧縮室26に吸入された冷媒ガスは、ピストン25の下死点位置から上死点位置側への移動により所定の圧力にまで圧縮される。
そして、圧縮室26から高圧の冷媒ガスが吐出されると、吐出弁Dにおける弁部52cは吐出圧を受圧し、吐出圧が所定の圧力に達すると圧縮室26と吐出室35との圧力差により、弁部52cがバルブプレート51から離間するように吐出弁Dが移動して吐出ポート51aを開く。このとき、図3(a)に示すように、吐出弁Dの背面Daとリテーナ部Rの内面Raとの間に存在する冷媒ガスは、吐出弁Dの移動に伴いリテーナ部Rに向けて押し出され、一対のガス抜き孔53fから吐出室35へ逃げるとともに、連通孔53eからも吐出室35へ逃げる。
さらに、図3(b)に示すように、吐出弁Dが吐出圧を受けてリテーナ部Rの内面Raに当接すると、圧縮室26の冷媒ガスは、連通孔53eやリテーナガスケット53と吐出弁形成プレート52との間の隙間を通過し吐出室35に吐出される。このとき、吐出弁Dにより一対のガス抜き孔53fの一部が閉じられるが、吐出弁Dより外側に位置するガス抜き孔53fは吐出弁Dによって閉じられず吐出室35に向けて開放されている。このため、吐出ポート51aから吐出された冷媒ガスは、一対のガス抜き孔53fも通過して吐出室35へ吐出される。吐出室35に吐出された冷媒ガスは、外部冷媒回路40のガスクーラ41側へと導出され、ガスクーラ41で冷却された後、膨張弁42で減圧されて蒸発器43へと送られ、蒸発器43での蒸発に供される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)一対のガス抜き孔53fは、吐出弁Dの軸線Lに対し直交する基準線N上に位置するとともに、ガス抜き孔53fの一部が吐出弁Dより外側にずれた位置から吐出室35に向けて開放するように形成されている。このため、吐出弁Dがリテーナ部Rに当接した状態であっても、リテーナ部Rの内側は2つのガス抜き孔53fから吐出室35に向けて開放されている。このため、吐出ポート51aから吐出された冷媒ガスは、連通孔53eやリテーナガスケット53と吐出弁形成プレート52との間の隙間を通過して吐出室35に吐出されるのに加え、2つのガス抜き孔53fを通過して吐出室35へ吐出される。したがって、背景技術のように、リテーナ部Rにおいて吐出弁Dの先端側と対向する位置1箇所のみで吐出室35に開放する欠除部から冷媒ガスを通過させる場合に比して、圧縮された冷媒ガスを吐出室35へスムーズに吐出することができる。
(2)一対のガス抜き孔53fは、吐出弁Dの軸線Lに対し直交する基準線N上に位置するように吐出弁Dを挟む位置に形成されている。このため、吐出弁Dが吐出ポート51aを開くために移動するとき、吐出弁Dとリテーナ部Rとの間に存在する冷媒ガスを一対のガス抜き孔53fから吐出室35へ逃がすことができる。したがって、吐出弁Dが開くときに冷媒ガスの存在によって吐出弁Dが受ける抵抗を小さくし、吐出弁Dをスムーズに開かせることができる。その結果として、吐出弁Dが開きにくいことに起因した冷媒ガスの過圧縮量を低減させることができ、ピストン式圧縮機10の動力損失を低減することができる。
(3)一対のガス抜き孔53fそれぞれは、その一部が吐出弁Dを介して吐出ポート51aと対向するように外周基部53bに形成されている。このため、一対のガス抜き孔53fそれぞれは、吐出ポート51aを通過した冷媒ガスの向かう先に形成されている。よって、吐出ポート51aから吐出された冷媒ガスのほとんどは、その流れる向きをほとんど変えることなくガス抜き孔53fから吐出室35へ吐出される。リテーナ部Rにガス抜き孔53fが形成されない場合、吐出ポート51aを通過した冷媒ガスは、リテーナ部Rに衝突し、リテーナ部Rの先端側の連通孔53eへ向かうように流れる方向を変えて連通孔53eから吐出室35へ吐出される。よって、リテーナ部Rにガス抜き孔53fが形成されることにより、冷媒ガスが吐出室35へ流れることに対する抵抗を減らすことができ、吐出室35へスムーズに冷媒ガスを吐出することができる。
(4)一対のガス抜き孔53fは、吐出弁Dの軸線Lに対し線対称となる位置に形成されている。このため、2つのガス抜き孔53fを通過する冷媒ガスの量をほぼ同じにすることができ、吐出弁Dが受ける吐出圧をほぼ同じにして吐出弁Dの捻れの発生を防止することができる。
(5)圧縮室26からの冷媒ガスの吐出が終了する時期になり、吐出弁Dがリテーナ部Rから離れようとするとき、冷媒ガスに含まれる潤滑油によって吐出弁Dの背面Daがリテーナ部Rの内面Raに付着する場合がある。リテーナ部Rにおいて、吐出弁Dの一部と対向する位置に一対のガス抜き孔53fが吐出室35に開放するように形成されている。このため、一対のガス抜き孔53fにより、吐出室35から吐出弁Dに背圧を作用させ、吐出弁Dをリテーナ部Rから容易に離れさせることができ、吐出弁Dによる吐出ポート51aの閉じ遅れを防止することができる。
(6)吐出弁Dは、吐出圧を受けてリテーナ部Rに向けて移動し、その移動の際、吐出弁Dの先端側ほど移動速度が速く、かつリテーナ部Rに当接した際の衝撃が大きくなる。ここで、例えば、ガス抜き孔53fが背景技術のように吐出弁Dの先端と対向する位置に形成されていると、吐出弁Dがリテーナ部Rに当接した際、吐出弁Dの先端側がガス抜き孔53fに入り込んでしまい、吐出弁Dの先端側が変形してしまう虞がある。しかし、本実施形態では、一対のガス抜き孔53fは、吐出弁Dの軸線Lに対し直交する基準線N上に位置するように吐出弁Dを挟む位置に形成され、吐出弁Dの先端より基端側に形成されている。よって、吐出弁Dがリテーナ部Rに当接する際に吐出弁Dが変形してしまうことを防止することができる。
(7)各リテーナ部Rにはガス抜き孔53fが一対ずつ形成されるとともに、一対のガス抜き孔53fの間にリテーナ部Rが存在している。したがって、例えば、ガス抜き孔を基準線Nに沿って長孔状に形成する場合に比してリテーナ部Rの強度を高めることができる。
(8)ピストン式圧縮機10の圧縮機構は、複数のシリンダボア11aに収容されたピストン25を、回転軸16の回転に伴う斜板23の揺動によってシリンダボア11a内で往復直線運動させるものである。よって、ピストン式圧縮機10は、回転軸16の周囲に配列された複数の吐出ポート51aを備えるとともに、それら吐出ポート51aに対応して回転軸16の周囲に配列された複数の吐出弁D及びリテーナ部Rを備える。そして、各リテーナ部Rそれぞれには一対のガス抜き孔53fが形成されている。したがって、ガス抜き孔53fにより、各吐出弁Dを開きやすくすることができるとともに、各吐出ポート51aから冷媒ガスを吐出室35へスムーズに吐出することができ、複数の吐出ポート51aを備えるピストン式圧縮機10であっても運転効率を良好なものにすることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図4に示すように、各リテーナ部Rにおいて、一対のガス抜き孔53fは、全体が吐出弁Dを介して吐出ポート51aと対向しないように、基準線Nに沿って吐出ポート51aより外側へずれた位置に形成されていてもよい。
○ 図5(a)に示すように、外周基部53bに連通孔53eが形成されていない場合において、図5(b)に示すように、リテーナ部Rに長孔状のガス抜き孔53gを形成してもよい。この場合、ガス抜き孔53gは、吐出弁Dの軸線Lに対し直交する基準線N上に位置するように形成されるとともに、その長さ方向の両側が弁部52cより外側にずれた位置から吐出室35に向けて開放している。このように構成しても、背景技術のように、リテーナ部Rにおいて吐出弁Dの先端側と対向する位置のみで吐出室35に開放する欠除部から冷媒ガスを通過させる場合に比して、圧縮された冷媒ガスを吐出室35へスムーズに吐出することができる。また、吐出弁Dが開くときに冷媒ガスの存在によって吐出弁Dが受ける抵抗を小さくし、吐出弁Dをスムーズに開かせることができる。
○ 一対のガス抜き孔53fは、吐出弁Dの軸線Lに対し直交する基準線N上に位置するように形成されていれば、ガス抜き孔53fの中心点P2が基準線N上に位置しておらず、軸線Lに対し線対称でなくてもよい。
○ 実施形態では圧縮機構Cとしてピストン式に具体化したが、圧縮機構はスクロール式であってもよい。この場合、スクロール式の圧縮機構を構成する固定スクロール鏡板を弁・ポート形成体とするとともに、この固定スクロール鏡板に吐出ポートを形成し、さらに、吐出ポートに対向する位置に吐出弁を設けるとともに、固定スクロール鏡板にボルト締めした鋼板よりなるリテーナ部を設ける。
実施形態のピストン式圧縮機を示す縦断面図。 リテーナ部付近を示す図1の2−2線断面図。 (a)及び(b)は吐出弁及びリテーナ部付近を示す図2の3−3線断面図。 ガス抜き孔の別例を示す部分拡大断面図。 (a)はガス抜き孔の別例を示す部分拡大断面図、(b)はガス抜き孔の別例を示す部分拡大断面図。
符号の説明
10…冷媒圧縮機としてのピストン式圧縮機、C…圧縮機構、D…吐出弁、H…ハウジング、L…軸線、N…基準線、R…リテーナ部、11a…シリンダボア、13…弁・ポート形成体、16…回転軸、23…カム体としての斜板、25…ピストン、26…圧縮室、35…吐出室、51a…吐出ポート、53f,53g…ガス抜き孔。

Claims (5)

  1. ハウジング内に回転軸の回転に伴い駆動する圧縮機構が設けられるとともに前記圧縮機構の圧縮室で圧縮された冷媒ガスを吐出する吐出室が設けられ、前記ハウジングが備える弁・ポート形成体に、圧縮された冷媒ガスを前記圧縮室から前記吐出室へ吐出する吐出ポートが設けられるとともに、前記圧縮室と前記吐出室との圧力差によって前記吐出ポートを開閉する長板状をなす吐出弁が設けられ、さらに、前記吐出弁の開度を規制するリテーナ部が前記吐出弁と対向する位置に設けられた冷媒圧縮機であって、
    前記リテーナ部にはガス抜き孔が形成され、該ガス抜き孔が、前記吐出弁の軸線に対し直交し、かつ吐出弁の表面を通過する基準線上に位置するとともに、前記ガス抜き孔の少なくとも一部が前記基準線に沿って前記吐出弁の両側よりも外側にずれた位置それぞれから吐出室に向けて開放するように形成されている冷媒圧縮機。
  2. 前記ガス抜き孔は、該ガス抜き孔の一部が前記吐出弁を介して吐出ポートに対向するように形成されている請求項1に記載の冷媒圧縮機。
  3. 前記ガス抜き孔は、前記吐出弁を挟むように前記リテーナ部に一対形成されている請求項1又は請求項2に記載の冷媒圧縮機。
  4. 前記一対のガス抜き孔は、前記軸線に対し線対称となる位置に形成されている請求項3に記載の冷媒圧縮機。
  5. 前記圧縮機構は、前記回転軸と、該回転軸の周囲に配列された複数のシリンダボアと、該シリンダボア内に収容されたピストンと、前記回転軸と一体化されるとともに前記ピストンが係留されるカム体と、前記ピストンによって前記シリンダボア内に区画される前記圧縮室とからなり、前記吐出ポートは前記複数のシリンダボアに対向するように前記回転軸の周囲に配列されるとともに、前記吐出弁及びリテーナ部は前記吐出ポートに対向するように複数設けられ、各リテーナ部それぞれに前記ガス抜き孔が形成されている請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の冷媒圧縮機。
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