JP2007016762A - ピストン式圧縮機 - Google Patents

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Akinobu Kanai
明信 金井
Masaki Ota
太田  雅樹
Osamu Nakayama
治 中山
Takeo Taneda
剛夫 種田
Akihito Yamanochi
亮人 山ノ内
Masaya Sakamoto
昌哉 坂本
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Abstract

【課題】圧縮室へのガスの吸入開始タイミングを早めつつ、圧縮室へのガスの吸入損失量を抑えて圧縮効率を向上させることができるピストン式圧縮機を提供すること。
【解決手段】吸入ポート43は、ロータリバルブ41の外周面41aに対向する入口43aの開口幅が下死点側より上死点側が幅狭となる幅狭通路50、及び下死点側にて前記幅狭通路50よりも幅広となる幅広通路51を有している。また、幅広通路51は残留ガスバイパス溝46の高圧側溝47よりも下死点側に位置している。幅狭通路50における後行側端縁50bと、幅広通路51における先行側端縁51aとの間の開口幅Tcは、高圧側溝47と吸入連通路45との間に介在されるシール領域Sにおけるロータリバルブ41の回転方向へのシール幅Wより短く設定されている。そして、幅狭通路50が前記シール領域Sによって閉塞された直後に幅広通路51が吸入ポート43の入口43aに連通される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ロータリバルブを用いたピストン式圧縮機に関し、吐出終了後の高圧側の圧縮室に残留されたガスを低圧側の圧縮室へとバイパスする構成を備えたピストン式圧縮機に関する。
この種のピストン式圧縮機としては、例えば特許文献1に開示されたものが存在する。特許文献1に開示のピストン式圧縮機において、各シリンダボアでは回転軸の回転によってピストンが往復動されることで、ロータリバルブを介した吸入圧領域から圧縮室へのガスの吸入、及び圧縮室内でのガスの圧縮、並びに圧縮室からのガスの吐出が行われる。前記ロータリバルブは、回転軸と同期回転することで、各圧縮室から延びる導通路と吸入圧領域とを吸入行程にて順次連通する吸入連通路を有している。この吸入連通路は、ロータリバルブの軸方向に沿って一定幅で細長に延びる形状に形成されている。
また、ロータリバルブの外周面には、吐出終了後の高圧側の圧縮室への導通路と低圧側の圧縮室への導通路とを連通する残留ガスバイパス溝が形成されている。そして、吐出終了後の圧縮室において吐出しきれずに残ったガス(残留ガス)は、高圧側の導通路及び残留ガスバイパス溝並びに低圧側の導通路を介して、低圧側の圧縮室へとバイパス(回収)される。よって、圧縮室の吸入行程中におけるガスの再膨張が少なくなり、該圧縮室内へ吸入圧領域のガスを確実に吸入でき、ピストン式圧縮機の体積効率を向上させることができる。
特開2004−239210号公報
ところで、前記ピストン式圧縮機においては、残留ガスバイパス溝の高圧側開口と吸入連通路の開口との間における、導通路の開口を介したガスパスを防止する必要がある。このため、導通路の開口と対向するロータリバルブの外周面は、残留ガスバイパス溝の高圧側開口と吸入連通路の開口との間において、導通路の開口を閉塞するシール領域を構成している。
ここで、図11及び図12においては、前記ロータリバルブ100の外周面100aを平面状に展開するとともに、ロータリバルブ100の外周面100aに導通路101を対応させた状態の図を示している。図11に示すように、ロータリバルブ100の外周面100aにおいて、前記シール領域Sとしては残留ガスバイパス溝103の高圧側開口103aと吸入連通路102の開口102aとの間で導通路101の開口101aを閉塞可能とする面積を必要とする。
ところが、前記シール領域Sの面積が大きくなればなるほど、すなわち、ロータリバルブ100の回転方向に沿った高圧側開口103aと吸入連通路102との幅Wが広くなればなるほど、高圧側開口103aと吸入連通路102の開口102aとが離れることとなる。すると、導通路101の開口101aと高圧側開口103aとの連通開始タイミングから、導通路101の開口101aと吸入連通路102の開口102aとの連通開始タイミングまでが遅くなる。このタイミングの遅れは、高圧側の圧縮室内のガスを回収してから圧縮室へガスが吸入されるまでの時間が長くなることである。その結果として、圧縮室へのガスの吸入開始タイミングが遅くなり、圧縮室へのガス吸入量の低下に伴う圧縮効率の低下に繋がり好ましくない。
そこで、図12に示すように、前記シール領域Sの面積を小さくし、すなわち、前記幅Wを狭くし、導通路101の開口101aと高圧側開口103aとの連通開始タイミングから、導通路101の開口101aと吸入連通路102の開口102aとの連通開始タイミングまでを早めることが考えられる。しかし、この場合には、シール領域Sによって導通路101の開口101aを閉塞する必要があることから、導通路101の開口101aが狭くなってしまう。該開口101aが狭くなることは、圧縮室へのガスの吸入損失が大きくなり、圧縮効率が低下して好ましくない。
本発明は、圧縮室へのガスの吸入開始タイミングを早めつつ、圧縮室へのガスの吸入損失量を抑えて圧縮効率を向上させることができるピストン式圧縮機を提供することにある。
本発明のピストン式圧縮機は、シリンダブロックにて回転軸の周囲に複数のシリンダボアを配列するとともに各シリンダボア内にピストンを収容し、前記ピストンがシリンダボア内にて圧縮室の容積を最大とする下死点と圧縮室の容積を最小とする上死点との間を往復動されることでロータリバルブを介した吸入圧領域から圧縮室へのガスの吸入、及び圧縮室内でのガスの圧縮、並びに圧縮室からのガスの吐出が行われるとされ、前記ロータリバルブは、回転軸と同期回転することで、前記シリンダブロックに穿設され各圧縮室に連通する吸入ポートと、吸入圧領域とを順次連通する吸入連通路を有するとともに、吐出終了後の高圧側の圧縮室への吸入ポートと低圧側の圧縮室への吸入ポートとを連通する残留ガスバイパス通路を有し、さらに、前記ロータリバルブにて前記吸入ポートの開口と対向する外周面が、吸入ポートの開口を介した前記残留ガスバイパス通路と吸入連通路との連通を防止するシール領域を構成するピストン式圧縮機において、
前記吸入ポートは、前記上死点側において前記ロータリバルブの外周面に対向する開口の、前記ロータリバルブの回転方向における開口幅が前記下死点側よりも幅狭となる幅狭通路、及び前記下死点側であって前記ロータリバルブの回転方向における前記開口幅が前記幅狭通路よりも幅広となる幅広通路を有し、かつ前記幅狭通路においてロータリバルブの回転方向への後行側端縁が幅広通路において前記回転方向への後行側端縁よりも先行側に位置しているとともに、前記残留ガスバイパス通路は高圧側の圧縮室への吸入ポートにて前記幅狭通路のみに連通する高圧側開口を備えており、前記幅狭通路は、前記上死点に位置するピストンによって区画された圧縮室と連通し、前記幅狭通路における後行側端縁と幅広通路における先行側端縁との間の開口幅は、前記高圧側開口と吸入連通路の開口との間に介在される前記シール領域における前記ロータリバルブの回転方向へのシール幅より短く設定されており、前記幅狭通路が前記シール領域によって閉塞された直後に前記幅広通路に吸入連通路の開口が連通される。
これによれば、幅狭通路をシール領域で閉塞することで、吸入ポートの開口を介した残留ガスバイパス通路と吸入連通路との連通を防止することができる。幅狭通路は幅広通路より開口幅が狭いことからシール領域のシール幅を狭くすることができる。そして、シール幅が狭くなることから、ロータリバルブの回転方向への高圧側開口と吸入連通路との間の幅を狭くすることができる。その結果として、高圧側開口と吸入ポートの開口との連通開始タイミングから、吸入連通路の開口と吸入ポートの開口との連通開始タイミングまでを早めることができ、高圧側の圧縮室に残留するガスを回収してから圧縮室へガスが吸入されるまでの時間を短くすることができる。
また、ガスパス防止のためには、シール領域は幅狭通路のみを閉塞すればよいため、吸入ポートにて幅狭通路以外は幅広とすることができる。このため、吸入連通路の開口と吸入ポートの開口との連通開始タイミングを早めるためにシール領域のシール幅を狭くしたとしても、吸入ポートが幅広通路を備えることによりガスの吸入損失が大きくなることがない。その結果として、圧縮室へのガスの吸入開始タイミングを早めつつ、ガス吸入損失量を低下させ、圧縮効率を向上させることができる。
加えて、残留ガスバイパス通路における高圧側開口は、幅狭通路のみに連通することから、高圧側開口はロータリバルブにおける上死点側に形成されている。このため、高圧側開口と吸入ポートの入口とが連通したとき、高圧側開口は、上死点に位置するピストンによって区画された圧縮室に吸入ポートの幅狭通路を介して直接的に連通することとなる。したがって、圧縮室に残留するガスを残留ガスバイパス通路によって効率良く回収することができる。その結果として、吸入行程中における高圧側の圧縮室に残留するガスの再膨張が少なくなり、圧縮室へのガスの吸入を確実としてピストン式圧縮機の体積効率を向上させることができる。
また、前記幅広通路と幅狭通路は連設されていてもよい。これによれば、幅狭通路と幅広通路が分離されている場合に比して、吸入ポートから圧縮室へのガスの吸入量を多くすることができる。
また、本発明のピストン式圧縮機は、シリンダブロックにて回転軸の周囲に複数のシリンダボアを配列するとともに各シリンダボア内にピストンを収容し、前記ピストンがシリンダボア内にて圧縮室の容積を最大とする下死点と圧縮室の容積を最小とする上死点との間を往復動されることでロータリバルブを介した吸入圧領域から圧縮室へのガスの吸入、及び圧縮室内でのガスの圧縮、並びに圧縮室からのガスの吐出が行われるとされ、前記ロータリバルブは、回転軸と同期回転することで、前記シリンダブロックに穿設され各圧縮室に連通する吸入ポートと、吸入圧領域とを順次連通する吸入連通路を有するとともに、吐出終了後の高圧側の圧縮室への吸入ポートと低圧側の圧縮室への吸入ポートとを連通する残留ガスバイパス通路を有し、さらに、前記ロータリバルブにて前記吸入ポートの開口と対向する外周面が、吸入ポートの開口を介した前記残留ガスバイパス通路と吸入連通路との連通を防止するシール領域を構成するピストン式圧縮機において、
前記吸入ポートは、前記下死点側において前記ロータリバルブの外周面に対向する開口の、前記ロータリバルブの回転方向における開口幅が前記上死点側よりも幅狭となる幅狭通路、及び前記上死点側であって前記ロータリバルブの回転方向における前記開口幅が前記幅狭通路よりも幅広となる幅広通路を有し、かつ前記幅狭通路においてロータリバルブの回転方向への後行側端縁が幅広通路において前記回転方向への後行側端縁よりも先行側に位置しているとともに、前記残留ガスバイパス通路は高圧側の圧縮室への吸入ポートにて前記幅狭通路のみに連通する高圧側開口を備えており、前記幅広通路と幅狭通路は連設されているとともに、前記幅広通路は、前記上死点に位置するピストンによって区画された圧縮室と連通し、前記幅狭通路における後行側端縁と幅広通路における先行側端縁との間の開口幅は、前記高圧側開口と吸入連通路の開口との間に介在される前記シール領域における前記ロータリバルブの回転方向へのシール幅より短く設定されており、前記幅狭通路が前記シール領域によって閉塞された直後に前記幅広通路に吸入連通路の開口が連通される。
これによれば、幅狭通路をシール領域で閉塞することで、吸入ポートの開口を介した残留ガスバイパス通路と吸入連通路との連通を防止することができる。幅狭通路は幅広通路より開口幅が狭いことからシール領域のシール幅を狭くすることができる。そして、シール幅が狭くなることから、ロータリバルブの回転方向への高圧側開口と吸入連通路との間の幅を狭くすることができる。その結果として、高圧側開口と吸入ポートの開口との連通開始タイミングから、吸入連通路の開口と吸入ポートの開口との連通開始タイミングまでを早めることができ、高圧側の圧縮室に残留するガスを回収してから圧縮室へガスが吸入されるまでの時間を短くすることができる。
また、ガスパス防止のためには、シール領域は幅狭通路のみを閉塞すればよいため、吸入ポートにて幅狭通路以外は幅広とすることができる。このため、吸入連通路の開口と吸入ポートの開口との連通開始タイミングを早めるためにシール領域のシール幅を狭くしたとしても、吸入ポートが幅広通路を備えることによりガスの吸入損失が大きくなることがない。その結果として、圧縮室へのガスの吸入開始タイミングを早めつつ、ガス吸入損失量を低下させ、圧縮効率を向上させることができる。
加えて、幅広通路は、上死点に位置するピストンによって区画された圧縮室に連通することとなる。したがって、圧縮室へのガスの吸入開始時、吸入ポートと吸入連通路とが連通する面積を広くすることができ、吸入ガス量を多くすることができる。
また、前記幅狭通路は、前記幅広通路に対し前記ロータリバルブの回転方向への先行側に偏って形成されていてもよい。これによれば、ガスパス防止のためにシール領域で閉塞される開口幅は、幅狭通路における後行側端縁と幅広通路における先行側端縁との間の開口幅である。ここで、幅狭通路が幅広通路に対して先行側に偏っていることで、幅狭通路における後行側端縁が幅広通路の先行側端縁に近づくこととなり、ガスパス防止のためにシール領域で閉塞される開口幅は狭くなる。その結果として、ガスパス防止のためのシール領域のシール幅を狭くして、高圧側開口と吸入ポートの開口との連通開始タイミングから、吸入連通路の開口と吸入ポートの開口との連通開始タイミングまでを早めることができる。
また、前記幅狭通路における先行側端縁と、幅広通路における先行側端縁が同一直線上に位置していてもよい。これによれば、ガスパス防止のためのシール幅を最も狭くすることができる。
本発明によれば、圧縮室へのガスの吸入開始タイミングを早めつつ、圧縮室へのガスの吸入損失量を抑えて圧縮効率を向上させることができる。
以下、本発明を具体化したピストン式圧縮機の一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。なお、以下の説明においてピストン式圧縮機10の「上」「下」「前」「後」は、図1に示す矢印Y1の方向を上下方向とし、矢印Y2の方向を前後方向とする。
図1に示すように、ピストン式圧縮機10は、シリンダブロック11と、該シリンダブロック11の前端に接合されたフロントハウジング12と、シリンダブロック11の後端に接合されたリヤハウジング13とを備えている。前記シリンダブロック11とリヤハウジング13の間には弁・ポート形成体14が介在されており、シリンダブロック11、フロントハウジング12、リヤハウジング13、及び弁・ポート形成体14は、複数の通しボルトBにより相互に締結固定されている(図1では1本のボルトBのみ図示)。そして、前記シリンダブロック11と、フロントハウジング12とリヤハウジング13がピストン式圧縮機10のハウジングを構成している。
前記ハウジング内にて、前記フロントハウジング12とシリンダブロック11に囲まれた領域にはクランク室17が区画形成されている。また、シリンダブロック11とフロントハウジング12とには回転軸19が回転可能に支持されており、前記クランク室17には回転軸19が配設されている。回転軸19は、外部駆動源(例えば、エンジン)Eに動力伝達機構PTを介して作動連結されており、外部駆動源Eから動力の供給を受けて回転される。回転軸19は、シリンダブロック11とフロントハウジング12に貫設された軸孔20,21に挿通されている。
回転軸19の前側はフロントハウジング12の軸孔20に設けられたラジアルベアリング22を介してフロントハウジング12に支持されている。フロントハウジング12と回転軸19の間にはリップシール型の軸封装置23が介在されており、回転軸19に沿ったクランク室17からの冷媒ガス(ガス)漏れを防止する。前記クランク室17において回転軸19上には、ラグプレート16が一体回転可能に固定されている。ラグプレート16とフロントハウジング12との間には、スラストベアリング18が介在されている。
また、前記クランク室17内には、斜板24が収容されている。斜板24は、回転軸19にスライド移動可能、かつ回転軸19の中心軸L1に対する傾斜角度を変更可能に支持されている。ラグプレート16と斜板24との間にはヒンジ機構25が介在されている。斜板24は前記ヒンジ機構25を介したラグプレート16との間でのヒンジ連結、及び回転軸19の支持により、ラグプレート16及び回転軸19と同期回転可能であるとともに、回転軸19の軸方向(中心軸L1方向)へのスライド移動を伴いながら回転軸19に対し傾動可能となっている。
前記シリンダブロック11には、複数のシリンダボア11a(本実施形態では5つ)が回転軸19の周囲に配列されるように形成されている(図2参照)。各シリンダボア11aには片頭型のピストン31が往復動可能に収容されている。前記ピストン31は、斜板24の周縁部に前後一対のシュー30を介して摺動自在に係留されている。そして、回転軸19の回転にともなう斜板24の回転が、シュー30を介してピストン31の往復動に変換される。
シリンダボア11aの前後開口は、弁・ポート形成体14及びピストン31によって閉塞されており、このシリンダボア11a内にはピストン31の往復動に応じて容積変化する圧縮室26が区画されている。前記リヤハウジング13内には、吸入通路(吸入圧領域)28及び吐出室29がそれぞれ区画形成されている。吸入通路28はリヤハウジング13の中央部に形成されているとともに、吐出室29は吸入通路28の外周を取り囲むようにして形成されている。弁・ポート形成体14には、圧縮室26と吐出室29とを連通する吐出ポート32、及び吐出ポート32を開閉する吐出弁33が形成されている。
次に、ロータリバルブ及び残留ガスバイパス通路について説明する。
前記シリンダブロック11には、シリンダボア11aに囲まれた中心部にバルブ収容室42が形成され、該バルブ収容室42内にはロータリバルブ41が回転可能に収容されている。バルブ収容室42と各圧縮室26とは、シリンダブロック11に穿設された複数(図1においては1つのみ示す)の吸入ポート43を介してそれぞれ連通されている。前記ロータリバルブ41はアルミニウム系の金属材料により構成されており、円筒状をなしている。前記回転軸19の後側はバルブ収容室42内に配置され、回転軸19の後側の圧入凹部19aには、ロータリバルブ41の前側が圧入固定されている。
そして、ロータリバルブ41の外周面41aと、バルブ収容室42の周面42aとは、バルブ収容室42においてロータリバルブ41を回転可能に支持するためのすべり軸受面を構成している。回転軸19の後側は、ロータリバルブ41を介することでシリンダブロック11に回転可能に支持されている。ロータリバルブ41の中心軸L2は、回転軸19の中心軸L1と同一軸線上に位置しており、ロータリバルブ41と回転軸19とは一体化されて一軸様をなしている。そして、ロータリバルブ41は回転軸19の回転、つまりはピストン31の往復動に同期して回転される。
前記ロータリバルブ41は、弁・ポート形成体14の透孔14aを介して吸入通路28と連通する筒内空間44を有している。図2に示すように、ロータリバルブ41の周壁には、この筒内空間44とロータリバルブ41の外周面41a側とを連通する吸入連通路45が設けられている。吸入連通路45の入口45aは筒内空間44内に開口し、吸入連通路45の出口45bはロータリバルブ41の外周面41a上に開口している。そして、回転軸19の回転に伴うロータリバルブ41の回転により、吸入連通路45の出口45bはシリンダブロック11の吸入ポート43の入口43a(開口)に間欠的に連通する。すなわち、吸入連通路45が、吸入圧領域としての筒内空間44と各圧縮室26から延びる吸入ポート43の入口43aとをロータリバルブ41の回転に同期して順次連通させる。
前記ロータリバルブ41は、ピストン31が吸入行程に移行した場合に、吸入連通路45の出口45bがシリンダブロック11の吸入ポート43の入口43aに連通する。すると、吸入通路28の冷媒ガスは、弁・ポート形成体14の透孔14a、ロータリバルブ41の筒内空間44、吸入連通路45及び吸入ポート43を同順に経由して圧縮室26に吸入される。なお、吸入行程において、ピストン31が圧縮室26の容積を最大とする位置をピストン31の下死点とする。
一方、前記ピストン31の吸入行程の終了時、すなわちピストン31が前記下死点に位置するときには、吸入連通路45の出口45bが吸入ポート43の入口43aに対して周方向に完全にずれ、筒内空間44から圧縮室26内への冷媒ガスの吸入が停止される。続けて、ピストン31が圧縮・吐出行程に移行されると、ロータリバルブ41の外周面41aによって筒内空間44と圧縮室26の間が閉塞状態に保持され、冷媒ガスの圧縮及び圧縮済みガスの吐出室29への吐出が妨げられることはない。そして、圧縮・吐出行程において、ピストン31が圧縮室26の容積を最小とする位置をピストン31の上死点とする。ピストン31が上死点にあるとき、シリンダボア11a内にて、ピストン31と弁・ポート形成体14の間にはクリアランス(所謂、トップクリアランス)が形成され、該クリアランスには圧縮室26において吐出しきれずに残った残留ガスが残留する。
図3においては、前記ロータリバルブ41の外周面を平面状に展開するとともに、ロータリバルブ41の外周面41aに吸入ポート43を対向させた図を示している。なお、図3〜図5において、図3に示す矢印Y3方向をロータリバルブ41の回転方向(周方向)とし(すなわち、ロータリバルブ41は図3における左方向に進行する)、矢印Y4の方向を軸方向(中心軸L2方向)とする。
図3に示すように、ロータリバルブ41の外周面41aには、残留ガスバイパス通路としての残留ガスバイパス溝46が形成されている。残留ガスバイパス溝46は、ロータリバルブ41の中心軸L2方向(矢印Y4方向)に延在される高圧側開口としての高圧側溝47、同じく中心軸L2方向に延在される低圧側溝48を備えている。また、残留ガスバイパス溝46は、ロータリバルブ41の周方向(矢印Y3方向)に延在されて高圧側溝47と低圧側溝48の前記上死点側(ピストン式圧縮機10における後方側)の端部間を連通する連通溝49を備えている。
前記高圧側溝47は、ロータリバルブ41の外周面41aにおいて、吐出終了直後の高圧側の圧縮室26への吸入ポート43(43A)に先行して連通する位置に配置されている。このため、高圧側溝47と前記トップクリアランスとは吸入ポート43を介して連通される構成とされている。また、低圧側溝48は、ロータリバルブ41の外周面41aにおいて、低圧側の圧縮室26たる吸入終了直後の圧縮室26への吸入ポート43(43B)と対向する位置に配置されている。
また、ロータリバルブ41の外周面41aにおいて、前記高圧側溝47と吸入連通路45の間にはシール領域Sが介在されている。このシール領域Sは、残留ガスバイパス溝46の高圧側溝47と吸入連通路45の出口45bとの間における、吸入ポート43の入口43a(開口)を介したガスパスを防止するために設けられている。シール領域Sは、ロータリバルブ41の外周面41aにて、吸入ポート43の入口43aに対向する領域は、高圧側溝47と吸入連通路45の出口45bとを非連通とする領域である。そして、吐出終了直後の圧縮室26において吐出しきれずに残った冷媒ガス(残留ガス)は、吸入ポート43(43A)、高圧側溝47、連通溝49、低圧側溝48及び吸入ポート43(43B)を同順に経由して、吸入終了直後の圧縮室26へとバイパス(回収)される。
さて、図3に二点鎖線で示すように、前記シリンダブロック11に穿設された各吸入ポート43は、ロータリバルブ41の外周面41aに対向する開口、すなわち入口43aが、2種類の異なる開口幅を有する形状をなしている。吸入ポート43は、ロータリバルブ41の中心軸L2方向における前記上死点側に、ロータリバルブ41の周方向への開口幅Ta(一定幅)で中心軸L2方向へ延びる幅狭通路50を備えている。また、吸入ポート43は、ロータリバルブ41の中心軸L2方向における前記下死点側に、前記周方向への開口幅Tb(一定幅)で中心軸L2方向へ延びる幅広通路51を備えている。そして、吸入ポート43の入口43aにおいて、前記幅狭通路50の開口幅Taは幅広通路51の開口幅Tbより狭く設定されている(Ta<Tb)。
前記幅狭通路50の開口幅Taは、高圧側溝47と吸入連通路45間における前記周方向への幅、すなわちシール領域Sの一部におけるシール幅Wより狭くなっている(W>Ta)。一方、幅広通路51の開口幅Tbは、前記シール領域Sの一部におけるシール幅Wより広くなっている(W<Tb)。また、吸入ポート43の入口43aは、幅狭通路50と幅広通路51の境界が段差状に形成されている。さらに、ロータリバルブ41の回転時、前記高圧側溝47は幅広通路51よりも上死点側を通過する構成とされている。このため、ロータリバルブ41の回転時には、幅狭通路50に対しては高圧側溝47が連通されるが、幅広通路51に対しては高圧側溝47は連通されない構成とされている。
ここで、幅狭通路50において、ロータリバルブ41の回転方向(図3では左方向)への端縁であって、ロータリバルブ41の回転時に吸入連通路45が先に通過する端縁を、ロータリバルブ41の回転方向への先行側端縁50aとし、吸入連通路45が後に通過する端縁を前記回転方向への後行側端縁50bとする。同様に、幅広通路51において、ロータリバルブ41の回転時に吸入連通路45が先に通過する端縁を、ロータリバルブ41の回転方向への先行側端縁51aとし、吸入連通路45が後に通過する端縁を前記回転方向への後行側端縁51bとする。
そして、幅狭通路50における後行側端縁50bから幅広通路51の先行側端縁51aまでの前記回転方向(周方向)に沿った開口幅Tcは、前記シール領域Sのシール幅Wよりわずかに狭くなっている。このため、高圧側溝47が幅狭通路50を通過した直後においては、吸入連通路45の出口45bが幅広通路51に連通するようになっている。
さて、上記構成のピストン式圧縮機10において、図3に示すように、吐出終了直後であり、ピストン31が上死点にあるとき、高圧側溝47は、幅広通路51よりも上死点側を通過し、吸入ポート43の入口43aにおける幅狭通路50のみに連通される。なお、吸入ポート43の入口43aにおける幅広通路51は、シール領域Sによって閉塞されており、幅狭通路50のみが入口43aに連通される。そして、圧縮室26(トップクリアランス)において吐出しきれずに残った冷媒ガス(残留ガス)は、吸入ポート43(43A)、高圧側溝47、連通溝49、低圧側溝48及び吸入ポート43(43B)を同順に経由して、吸入終了直後の圧縮室26へとバイパス(回収)される。このため、圧縮室26の吸入行程中における残留ガスの再膨張が少なくなり、該圧縮室26内へ筒内空間44の冷媒ガスを確実に吸入でき、圧縮機10の体積効率を向上させることができる。
その後、図4に示すように、ロータリバルブ41の回転によって、高圧側溝47が幅狭通路50を通過すると、吸入ポート43の入口43aにて幅狭通路50はシール領域Sによって閉塞される。このとき、吸入ポート43の入口43aにて幅広通路51は、すでにシール領域Sによって閉塞されているため、幅狭通路50及び幅広通路51、すなわち、吸入ポート43の入口43a全体がシール領域Sによって閉塞される。このため、シール領域Sによって高圧側溝47と吸入連通路45の出口45bとの間における、吸入ポート43の入口43a(開口)を介したガスパスが防止される。
そして、図5に示すように、高圧側溝47が幅狭通路50を通過し、高圧側溝47が吸入ポート43の入口43aと非連通とされた直後には、吸入連通路45の出口45bが吸入ポート43の入口43a(幅広通路51)に連通する。その後、吸入ポート43の入口43a全体(幅狭通路50及び幅広通路51)が吸入連通路45の出口45bに連通することとなり、吸入通路28の冷媒ガスは、弁・ポート形成体14の透孔14a、ロータリバルブ41の筒内空間44、吸入連通路45及び吸入ポート43を同順に経由して圧縮室26に吸入される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)吸入ポート43の入口43aは、幅狭通路50と幅広通路51を有し、吸入ポート43の入口43aにてロータリバルブ41の回転方向(周方向)に沿った開口幅は上死点側が下死点側より幅狭となっている。また、ロータリバルブ41の回転時、高圧側溝47は幅狭通路50のみに連通する構成とされている。幅狭通路50は幅広通路51より開口幅が狭いことから、ガスパス防止のためのシール領域Sのシール幅Wを狭くすることができ、高圧側溝47と吸入連通路45の出口45bとの間の幅を狭くすることができる。その結果として、高圧側溝47と幅狭通路50との連通開始タイミングから、吸入連通路45の出口45bと吸入ポート43の入口43aとの連通開始タイミングまでを早めることができる。すなわち、高圧側の圧縮室26に残留するガスを回収してから圧縮室26へ冷媒ガスが吸入されるまで(吸入開始タイミング)の時間を短くすることができる。
また、高圧側溝47から吸入連通路45へのガスパス防止のためには、シール領域Sは幅狭通路50のみを閉塞すればよいため、吸入ポート43にて幅狭通路50以外に幅広通路51を設けることができる。このため、圧縮室26への冷媒ガスの吸入開始タイミングを早めるためにシール領域Sのシール幅Wを狭くしたとしても、吸入ポート43が幅広通路51を備えることにより冷媒ガスの吸入損失が大きくなることがない。その結果として、圧縮室26への冷媒ガスの吸入開始タイミングを早めつつ、ガス吸入損失量を抑えて、圧縮効率を向上させることができる。
(2)吸入ポート43の入口43aにて幅狭通路50と幅広通路51は連設されている。このため、幅狭通路50と幅広通路51が分割されている場合に比して吸入ポート43の入口43aからの冷媒ガスの吸入量を多くすることができる。
(3)ピストン31が上死点に位置するとき、吸入ポート43の入口43aにおける幅狭通路50は、圧縮室26と直接的に連通される。このため、幅狭通路50に高圧側溝47が連通したとき、圧縮室26の残留ガスが速やかに高圧側溝47へと回収される。したがって、残留ガスを確実に回収することができ、吸入行程中における残量ガスの再膨張が少なくなり、圧縮室26への冷媒ガスの吸入を確実としてピストン式圧縮機10の体積効率を向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化したピストン式圧縮機の第2の実施形態を図6にしたがって説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態のピストン式圧縮機10において、吸入ポート43を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその重複する説明を省略する。
さて、図6に示すように、第2の実施形態の吸入ポート43の入口43aにおいて、幅狭通路50は、幅広通路51に対してロータリバルブ41の回転方向の先行側に偏って形成されている。すなわち、幅狭通路50における先行側端縁50aと幅広通路51における先行側端縁51aとが同一直線上に位置している。なお、幅狭通路50の開口幅Ta、及び幅広通路51の開口幅Tbは第1の実施形態と同じである。
そして、シール領域Sにおいて、高圧側溝47と吸入連通路45間のシール幅Wは、幅狭通路50における後行側端縁50bから先行側端縁50a(幅広通路51の先行側端縁51a)までの開口幅Tcよりわずかに広く設定されている。このため、第2の実施形態におけるシール領域Sのシール幅Wは、第1の実施形態に比して狭くなっている。
したがって、第2の実施形態によれば、前記第1の実施形態の(1)〜(3)に記載の効果に加え、以下の効果も発揮することができる。
(4)第2の実施形態においては、幅狭通路50が第1の実施形態に比して先行側に偏り、シール幅Wが狭くなっていることから、高圧側溝47と吸入連通路45の出口45bとの間の幅をより一層狭くすることができる。その結果として、高圧側溝47と幅狭通路50との連通開始タイミングから、吸入連通路45の出口45bと吸入ポート43の入口43aとの連通開始タイミングまでをさらに早めることができる。その結果として、圧縮室26へのガスの吸入損失量の低減に寄与することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化したピストン式圧縮機の第3の実施形態を図7にしたがって説明する。なお、第3の実施形態は、第1の実施形態のピストン式圧縮機10において、吸入ポート43における幅狭通路50と幅広通路51の位置、及び残留ガスバイパス溝46の位置を上死点側と下死点側とで逆転させた構成であるため、同様の部分についてはその重複する説明を省略する。
さて、図7に示すように、ロータリバルブ41の外周面41aにおいて、残留ガスバイパス溝46の高圧側溝47(高圧側開口)及び低圧側溝48は、ロータリバルブ41の中心軸L2方向における下死点側(ピストン式圧縮機10における前方側)に設けられている。また、残留ガスバイパス溝46の連通溝49は高圧側溝47と低圧側溝48の下死点側(ピストン式圧縮機10における前方側)の端部間を連通している。
図7に二点鎖線で示すように、前記シリンダブロック11に穿設された各吸入ポート43は、ロータリバルブ41の外周面41aに対向する開口、すなわち入口43aが、2種類の異なる開口幅を有する形状をなしている。吸入ポート43の入口43aは、ロータリバルブ41の中心軸L2方向における前記下死点側に、ロータリバルブ41の周方向への開口幅Ta(一定幅)で中心軸L2方向へ延びる幅狭通路50を備えている。また、吸入ポート43は、ロータリバルブ41の中心軸L2方向における前記上死点側に、前記周方向への開口幅Tb(一定幅)で中心軸L2方向へ延びる幅広通路51を備えている。
前記幅狭通路50の開口幅Taは、シール領域Sにおける一部のシール幅Wより狭く(W>Ta)、幅広通路51の開口幅Tbは、前記シール領域Sにおける一部のシール幅Wより広くなっている(W<Tb)。また、吸入ポート43の入口43aは、幅狭通路50と幅広通路51とが連設され、両通路50,51の境界が段差状に形成されている。さらに、ロータリバルブ41の回転時、前記高圧側溝47は幅広通路51よりも下死点側を通過する構成とされている。このため、ロータリバルブ41の回転時には、幅狭通路50に対しては高圧側溝47が連通されるが、幅広通路51に対しては高圧側溝47は連通されない構成とされている。
そして、幅狭通路50における後行側端縁50bから幅広通路51の先行側端縁51aまでの前記回転方向(周方向)に沿った開口幅Tcは、前記シール領域Sのシール幅Wよりわずかに狭くなっている。このため、高圧側溝47が幅狭通路50を通過した直後においては、吸入連通路45の出口45bが幅広通路51に連通するようになっている。また、ピストン31が上死点にあり、吐出終了直後の圧縮室26には、幅広通路51が直接連通するようになっている。
したがって、第3の実施形態によれば、前記第1の実施形態の(1)又は(2)に記載の効果に加え、以下の効果も発揮することができる。
(5)幅広通路51はロータリバルブ41の中心軸L2方向における上死点側に形成されている。このため、幅狭通路50が上死点側に形成され、かつ、幅狭通路50の先行側端縁50aが幅広通路51の先行側端縁51aより後行側に形成されている場合に比して、圧縮室26への冷媒ガスの吸入開始時、吸入連通路45の出口45bに連通する入口43aの面積を広くすることができ、圧縮室26への吸入ガス量を多くすることができる。
なお、各実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図8に示すように、各実施形態において、幅狭通路50は複数の通路に分割されていてもよい。すなわち、幅狭通路50は、その開口幅Taが高圧側溝47と吸入連通路45間のシール幅Wより狭くなっていれば幅狭通路50の形状は第1〜第3の実施形態の形状に限定されず、楕円孔状や丸孔状に形成されていてもよい。なお、幅狭通路50においてロータリバルブ41の回転方向への後行側端縁50bは、一対の通路のうち最も後行側に位置する通路の端縁とする。
○ 図9に示すように、第1及び第2の実施形態において、幅狭通路50を一対の長孔状に形成し、幅狭通路50を幅広通路51から分離させてもよい。すなわち、幅狭通路50は、その開口幅Taが高圧側溝47と吸入連通路45間のシール幅Wより狭くなっていれば幅狭通路50は幅広通路51に連設されていなくてもよい。なお、幅狭通路50においてロータリバルブ41の回転方向への後行側端縁50bは、各長孔の最も後行側に位置する端縁とする。
○ 図10に示すように、各実施形態において、幅広通路51は幅狭通路50に向かって幅狭となる形状であってもよい。なお、幅広通路51において前記回転方向への先行側端縁51aは、先行側端縁51aにて幅広通路51における最も幅広となる位置とし、後行側端縁51bは、後行側端縁51bにて幅広通路51における最も幅広となる位置とする。
○ 第3の実施形態において、吸入ポート43の入口43aにおいて、幅狭通路50は、幅広通路51に対してロータリバルブ41の回転方向の先行側に偏って形成されていてもよい。そして、幅狭通路50における先行側端縁50aと幅広通路51における先行側端縁51aとが同一直線上に位置していてもよい。
○ 各実施形態において、吸入ポート43は、入口43aに幅狭通路50及び幅広通路51を備えていれば、出口の開口形状や吸入ポート43内の通路形状は任意に変更してもよい。
○ 各実施形態において、幅狭通路50の後行側端縁50bが、幅広通路51の後行側端縁51bよりも先行側に位置していれば、幅狭通路50が幅広通路51に対して後行側へ偏っていてもよい。
○ 両頭ピストン式圧縮機において本発明を適用してもよい。
第1の実施形態のピストン式圧縮機を示す縦断面図。 図1の1−1線断面図。 ロータリバルブの外周面を平面状に展開して示す図。 幅狭部がシール領域で閉塞された状態を示す展開図。 吸入ポートと吸入連通路が連通した状態を示す展開図。 第2の実施形態にてロータリバルブの外周面を平面状に展開して示す図。 第3の実施形態にてロータリバルブの外周面を平面状に展開して示す図。 別例の吸入ポートを示す展開図。 別例の吸入ポートを示す展開図。 別例の吸入ポートを示す展開図。 背景技術を示すロータリバルブの展開図。 背景技術を示すロータリバルブの展開図。
符号の説明
S…シール領域、W…シール幅、Ta,Tb,Tc…開口幅、10…ピストン式圧縮機、11…シリンダブロック、11a…シリンダボア、19…回転軸、26…圧縮室、28…吸入圧領域としての吸入通路、31…ピストン、41…ロータリバルブ、41a…外周面、43…吸入ポート、43a…開口としての入口、45…吸入連通路、46…残留ガスバイパス通路としての残留ガスバイパス溝、47…高圧側開口としての高圧側溝、50…幅狭通路、50a…先行側端縁、50b…後行側端縁、51…幅広通路、51a…先行側端縁、51b…後行側端縁。

Claims (5)

  1. シリンダブロックにて回転軸の周囲に複数のシリンダボアを配列するとともに各シリンダボア内にピストンを収容し、前記ピストンがシリンダボア内にて圧縮室の容積を最大とする下死点と圧縮室の容積を最小とする上死点との間を往復動されることでロータリバルブを介した吸入圧領域から圧縮室へのガスの吸入、及び圧縮室内でのガスの圧縮、並びに圧縮室からのガスの吐出が行われるとされ、前記ロータリバルブは、回転軸と同期回転することで、前記シリンダブロックに穿設され各圧縮室に連通する吸入ポートと、吸入圧領域とを順次連通する吸入連通路を有するとともに、吐出終了後の高圧側の圧縮室への吸入ポートと低圧側の圧縮室への吸入ポートとを連通する残留ガスバイパス通路を有し、さらに、前記ロータリバルブにて前記吸入ポートの開口と対向する外周面が、吸入ポートの開口を介した前記残留ガスバイパス通路と吸入連通路との連通を防止するシール領域を構成するピストン式圧縮機において、
    前記吸入ポートは、前記上死点側において前記ロータリバルブの外周面に対向する開口の、前記ロータリバルブの回転方向における開口幅が前記下死点側よりも幅狭となる幅狭通路、及び前記下死点側であって前記ロータリバルブの回転方向における前記開口幅が前記幅狭通路よりも幅広となる幅広通路を有し、かつ前記幅狭通路においてロータリバルブの回転方向への後行側端縁が幅広通路において前記回転方向への後行側端縁よりも先行側に位置しているとともに、前記残留ガスバイパス通路は高圧側の圧縮室への吸入ポートにて前記幅狭通路のみに連通する高圧側開口を備えており、
    前記幅狭通路は、前記上死点に位置するピストンによって区画された圧縮室と連通し、前記幅狭通路における後行側端縁と幅広通路における先行側端縁との間の開口幅は、前記高圧側開口と吸入連通路の開口との間に介在される前記シール領域における前記ロータリバルブの回転方向へのシール幅より短く設定されており、前記幅狭通路が前記シール領域によって閉塞された直後に前記幅広通路に吸入連通路の開口が連通されるとしたことを特徴とするピストン式圧縮機。
  2. 前記幅広通路と幅狭通路は連設されている請求項1に記載のピストン式圧縮機。
  3. シリンダブロックにて回転軸の周囲に複数のシリンダボアを配列するとともに各シリンダボア内にピストンを収容し、前記ピストンがシリンダボア内にて圧縮室の容積を最大とする下死点と圧縮室の容積を最小とする上死点との間を往復動されることでロータリバルブを介した吸入圧領域から圧縮室へのガスの吸入、及び圧縮室内でのガスの圧縮、並びに圧縮室からのガスの吐出が行われるとされ、前記ロータリバルブは、回転軸と同期回転することで、前記シリンダブロックに穿設され各圧縮室に連通する吸入ポートと、吸入圧領域とを順次連通する吸入連通路を有するとともに、吐出終了後の高圧側の圧縮室への吸入ポートと低圧側の圧縮室への吸入ポートとを連通する残留ガスバイパス通路を有し、さらに、前記ロータリバルブにて前記吸入ポートの開口と対向する外周面が、吸入ポートの開口を介した前記残留ガスバイパス通路と吸入連通路との連通を防止するシール領域を構成するピストン式圧縮機において、
    前記吸入ポートは、前記下死点側において前記ロータリバルブの外周面に対向する開口の、前記ロータリバルブの回転方向における開口幅が前記上死点側よりも幅狭となる幅狭通路、及び前記上死点側であって前記ロータリバルブの回転方向における前記開口幅が前記幅狭通路よりも幅広となる幅広通路を有し、かつ前記幅狭通路においてロータリバルブの回転方向への後行側端縁が幅広通路において前記回転方向への後行側端縁よりも先行側に位置しているとともに、前記残留ガスバイパス通路は高圧側の圧縮室への吸入ポートにて前記幅狭通路のみに連通する高圧側開口を備えており、
    前記幅広通路と幅狭通路は連設されているとともに、前記幅広通路は、前記上死点に位置するピストンによって区画された圧縮室と連通し、前記幅狭通路における後行側端縁と幅広通路における先行側端縁との間の開口幅は、前記高圧側開口と吸入連通路の開口との間に介在される前記シール領域における前記ロータリバルブの回転方向へのシール幅より短く設定されており、前記幅狭通路が前記シール領域によって閉塞された直後に前記幅広通路に吸入連通路の開口が連通されるとしたことを特徴とするピストン式圧縮機。
  4. 前記幅狭通路は、前記幅広通路に対し前記ロータリバルブの回転方向への先行側に偏って形成されている請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のピストン式圧縮機。
  5. 前記幅狭通路における先行側端縁と、幅広通路における先行側端縁が同一直線上に位置している請求項4に記載のピストン式圧縮機。
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