JP2003269335A - 回転式圧縮機 - Google Patents

回転式圧縮機

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JP2003269335A
JP2003269335A JP2002067795A JP2002067795A JP2003269335A JP 2003269335 A JP2003269335 A JP 2003269335A JP 2002067795 A JP2002067795 A JP 2002067795A JP 2002067795 A JP2002067795 A JP 2002067795A JP 2003269335 A JP2003269335 A JP 2003269335A
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casing
compressor
stator
compressor motor
core cut
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Takashi Kamikawa
隆司 上川
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転式圧縮機において、圧縮機モータ(30)の
ステータ(31)に設けるコアカットを大きくすることに起
因するモータ性能の低下を抑えながら、コアカットを小
さくすることに起因する油上がりも防止できるようにす
る。 【解決手段】 回転式圧縮機のケーシング(10)の周壁で
ある胴部(11)の一部を径方向外側へ膨らませることで、
圧縮機モータ(30)のステータ(31)の外周面とケーシング
(10)との間に冷媒の流れる空隙(S) を形成し、この空隙
(S) で冷媒からの油分離を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転式圧縮機に関
し、特に、ケーシングの構造に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ローリングピストン型(ロー
タリー型)、スイング型、あるいはスクロール型などの
各種方式の圧縮機構を備えた回転式圧縮機は、例えば特
開2000−97183号公報に記載されているよう
に、空気調和装置などの冷凍サイクルを行う冷凍装置に
おいて冷媒ガスを圧縮するのに用いられている。回転式
圧縮機には圧縮機モータが内蔵され、この圧縮機モータ
を駆動源として上記各方式の圧縮機構を駆動するように
している。
【0003】ここで、従来の一般的な圧縮機の概略構造
について、図5を参照して説明する。
【0004】図5には、ローリングピストン型圧縮機(1
00) の断面構造を示している。この圧縮機(100) は、ケ
ーシング(101) と、圧縮機モータ(102) と、圧縮機モー
タ(102) により駆動される圧縮機構(103) とから構成さ
れている。ケーシング(101)は、円筒状の胴部(104)
と、その上下の端部に固定された端板(105,106) とから
構成されている。圧縮機モータ(102) は、胴部(104) に
固定されたステータ(107) と、その内周側に所定のエア
ギャップを介して配設されたロータ(108) とを備え、該
ロータ(108) には駆動軸(クランク軸)(109) が連結さ
れている。
【0005】一方、圧縮機構(103) は、詳細は図示して
いないが、ケーシング(101) に固定されたシリンダと、
シリンダ内の圧縮室よりも小径のローリングピストンと
を備え、このローリングピストンに上記駆動軸(109) が
連結されている。駆動軸(109) は、ローリングピストン
に連結された部分が偏心している。そして、駆動軸(10
9) の回転に伴うシリンダ内でのローリングピストンの
動作(駆動軸(109) の軸心を中心とする公転動作)によ
って圧縮室の容積を連続的に変化させ、冷媒ガスを吸
入、圧縮、吐出するようにしている。
【0006】上記圧縮機(100) は、ケーシング(101) の
内部が圧縮機モータ(102) を挟んで上下2つの空間に区
画されている。そして、圧縮機構(103) から吐出された
冷媒は、下側の空間から圧縮機モータ(102) を通過し
て、上側の空間へ移動する。このため、圧縮機モータ(1
02) のステータ(107) には、一般に図6に示すように、
その外周部にコアカット(107a)と呼ばれる凹陥部が形成
され、冷媒がこのコアカット(107a)を通過するようにし
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】コアカット(107a)で
は、冷媒が通過するときに、該冷媒により圧縮機モータ
(102) を冷却する作用と、冷媒中に含まれた冷凍機油を
冷媒から分離する作用とが行われる。ここで、コアカッ
ト(107a)を大きくしてその流路面積を拡大すると、冷媒
ガスの流速が遅くなるために冷媒からの冷凍機油の分離
効果は高くなるが、コアカット(107a)がモータ(102) の
磁路に影響するために圧縮機モータ(102) の性能が低下
してしまうことがある。一方、コアカット(107a) を小
さくすると、磁路への影響が小さくなるために圧縮機モ
ータ(102) の性能低下を抑えることが可能となるが、冷
媒からの冷凍機油の分離が不十分なままで冷媒が吐出さ
れることとなって、圧縮機(100) 内の冷凍機油が不足す
るいわゆる油上がりの状態が生じるおそれがある。
【0008】このように、従来の回転式圧縮機では、コ
アカットを設けることに起因するモータ性能の低下を抑
えながら油上がりを防止することは困難であった。本発
明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであ
り、その目的とするところは、回転式圧縮機において、
モータ性能の低下を抑えながら、油上がりも防止できる
ようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転式圧縮機
のケーシング(10)の一部を径方向外側へ膨らませること
で圧縮機モータ(30)におけるステータ(31)の外周面とケ
ーシング(10)との間に空隙(S) を形成し、この空隙(S)
で圧縮機モータ(30)の冷却とともに油分離を行うように
したものである。
【0010】具体的に、請求項1に記載の発明は、筒状
のケーシング(10)内に、圧縮機モータ(30)と、該圧縮機
モータ(30)により駆動される圧縮機構(20)とを備え、圧
縮機モータ(30)のステータ(31)がケーシング(10)の周壁
(11)に固定された回転式圧縮機を前提としている。そし
て、この回転式圧縮機は、上記ケーシング(10)の周壁(1
1)の一部に径方向外側へ膨らむ拡径部(11a) を備え、該
拡径部(11a) と上記ステータ(31)との間に該ステータ(3
1)の上下の空間に連通する空隙(S) が形成されているこ
とを特徴としている。
【0011】この構成において、例えば圧縮機モータ(3
0)の下方の空間に圧縮機構(20)が配置され、圧縮機(1)
の吐出管(15)が圧縮機モータ(30)の上方に配置されてい
るとすると、圧縮機構(20)から吐出された冷媒は、ケー
シング(10)内で圧縮機モータ(30)の下側の空間から上記
空隙(S) を通過して、上側の空間へ移動する。そして、
冷媒が上記空隙(S) を通過するときに、冷媒による圧縮
機モータ(30)の冷却作用と、冷媒からの冷凍機油の分離
が行われる。この発明では、ケーシング(10)の一部を拡
径することにより冷媒の流通する空隙(S) を形成してい
るため、圧縮機モータ(30)のステータ(31)に大きなコア
カットを形成しなくても、あるいはコアカットそのもの
を形成しなくても十分な流路面積が確保される。したが
って、ステータ(31)のコアカットの大きさに関わらず、
油分離作用が十分に行われることになる。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
記載の回転式圧縮機において、ケーシング(10)の拡径部
(11a) が、該ケーシング(10)の周方向の複数箇所に互い
に分離して形成されていることを特徴としている。
【0013】この構成では、圧縮機モータ(30)の外周面
の複数箇所に空隙(S) が形成されているため、これら複
数箇所の空隙(S) を冷媒が流れることになる。したがっ
て、圧縮機モータ(30)が均一に冷却される。
【0014】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または2記載の回転式圧縮機において、圧縮機モータ(3
0)におけるステータ(31)の外周面が円筒面に形成されて
いることを特徴としている。
【0015】この構成では、圧縮機モータ(30)のステー
タ(31)にはコアカットは形成されないこととなる。そし
て、冷媒は、このように外周面が円筒面になった圧縮機
モータ(30)のステータ(31)と、ケーシング(10)の拡径部
(11a) との間の空隙(S) を通過する。この場合、圧縮機
モータ(30)にコアカットが形成されないので、モータ性
能の低下は生じない。
【0016】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
または2記載の回転式圧縮機において、圧縮機モータ(3
0)のステータ(31)には、円筒状の外周面の一部に、凹陥
部であるコアカット(31a) が形成されるとともに、ケー
シング(10)の拡径部(11a) が、上記ステータ(31)のコア
カット(31a) に対応する位置に形成されていることを特
徴としている。
【0017】このように構成すると、ステータ(31)のコ
アカット(31a) の断面積と、拡径部(11a) の断面積との
合計が冷媒の流路面積となる。したがって、コアカット
(31a) 自体を大きくしなくても十分な油分離効果が得ら
れることとなり、モータ性能の低下も抑えられる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0019】この実施形態は、ローリングピストン型の
回転式圧縮機(1) に関するものである。図1に示すよう
に、このローリングピストン型圧縮機(1) は、ケーシン
グ(10)内に圧縮機構(20)と圧縮機モータ(30)とを収納
し、全密閉型に構成されている。そして、圧縮機モータ
(30)により圧縮機構(20)を駆動して、冷媒を吸入、圧縮
した後に吐出し、冷媒を冷媒回路内で循環させるように
している。
【0020】ケーシング(10)は、該ケーシング(10)の周
壁を構成する円筒状の胴部(11)と、この胴部(11)の上下
両端に固定された端板(12,13) とによって構成されてい
る。また、圧縮機構(20)と圧縮機モータ(30)とは、ケー
シング(10)の胴部(11)に固定され、圧縮機構(20)が圧縮
機モータ(30)の下方に位置している。
【0021】上記ケーシング(10)には、胴部(11)の下端
部に吸入管(14)が設けられている。一方、上部の端板(1
2)には、ケーシング(10)の内外を連通する吐出管(15)が
設けられている。
【0022】上記圧縮機構(20)は、シリンダ(21)と、フ
ロントヘッド(22)と、リヤヘッド(23)と、ローリングピ
ストン(24)とを備え、ケーシング(10)内の下部側に配置
されている。シリンダ(21)は円筒状に形成され、内周面
がケーシング(10)の胴部(11)と同一中心上に位置するよ
うに配置されている。シリンダ(21)の上端にはフロント
ヘッド(22)が、下端にはリヤヘッド(23)が固定されてお
り、これらのシリンダ(21)、フロントヘッド(22)及びリ
ヤヘッド(23)は、図示しないボルト等の締結手段により
締結されて一体に組み立てられている。そして、シリン
ダ(21)の内周面と、フロントヘッド(22)の下端面と、リ
ヤヘッド(23)の上端面との間に、円柱状の空間である圧
縮室(25)が区画形成されている。また、この圧縮機構(2
0)は、シリンダ(21)を胴部(11)にスポット溶接すること
によってケーシング(10)に固定されている。
【0023】上記圧縮機モータ(30)は、ステータ(31)と
ロータ(32)とを備え、ステータ(31)がケーシング(10)に
上記圧縮機構(20)の上方で固定されている。具体的に、
ステータ(31)は、ケーシング(10)の周壁である胴部(11)
に焼き嵌めによって固定されている。
【0024】図2に示すように、本実施形態の特徴とし
て、圧縮機モータ(30)のステータ(31)は、外周面が円筒
面に形成されていて、従来技術において説明したような
コアカットは形成されていない。また、ケーシング(10)
の胴部(11)には、上記ステータ(31)が固定される位置
に、径方向外側へ膨出する拡径部(11a) が形成されてい
る。この拡径部(11a) は、ケーシング(10)の周方向の複
数箇所に互いに分離して形成されており、具体的にはケ
ーシング(10)の胴部(11)を90°間隔で4等分する位置
に形成されている。また、拡径部(11a) の高さ寸法は、
ステータ(31)の高さ寸法よりも若干大きい寸法に定めら
れていて、該拡径部(11a) の両端がステータ(31)の上下
に突出している。
【0025】そして、このようにケーシング(10)の周壁
の一部に径方向外側へ膨らむ拡径部(11a) を形成するこ
とにより、ケーング(10)の胴部(11)と上記ステータ(31)
との間に、該ステータ(31)の上下方向に連通する空隙
(S) が形成されている。
【0026】一方、上記ロータ(32)には駆動軸(33)が連
結され、該駆動軸(33)は、ケーシング(10)の中心を通
り、かつ圧縮室(25)を上下方向に貫通している。この駆
動軸(33)を支持するため、圧縮機構(20)のフロントヘッ
ド(22)とリヤヘッド(23)には、それぞれ軸受部(22a,23
a) が形成されている。
【0027】駆動軸(33)は、圧縮室(25)の中に位置する
部分が、大径で該駆動軸(33)の回転中心から所定量偏心
した偏心軸(33a) に構成されている。そして、この偏心
軸(33a) に、上記圧縮機構(20)のローリングピストン(2
4)が固定されている。ローリングピストン(24)は、圧縮
機構(20)の横断面図である図3に表しているように円環
状で、その外周面が、シリンダ(21)の内周面と一点で接
触するように形成されている。
【0028】一方、上記シリンダ(21)には、該シリンダ
(21)の径方向に沿ってブレード溝(21a) が形成され、こ
のブレード溝(21a) に、長方形の板状に形成されたブレ
ード(26)が該ブレード溝(21a) 内をシリンダ(21)の径方
向へ摺動可能に装着されている。ブレード(26)は、スプ
リング(27)によって径方向内方へ付勢され、先端が上記
ローリングピストン(24)の外周面に常に圧接した状態
で、駆動軸(33)の回転に伴ってブレード溝(21a) 内を進
退するように構成されている。
【0029】上記ブレード(26)は、シリンダ(21)の内周
面とローリングピストン(24)の外周面との間の圧縮室(2
5)を、低圧室(25a) と高圧室(25b) とに区画している。
そして、シリンダ(21)には、シリンダ(21)の外周面から
内周面へ径方向に貫通して吸入管(14)と低圧室(25a) と
に連通する吸入口(28)と、同様にシリンダ(21)の外周面
から内周面へ径方向に貫通してケーシング(10)内と高圧
室(25b) とに連通する吐出口(29)が形成されている。
【0030】上記吸入口(28)には、上記吸入管(14)を介
して、図示しないアキュムレータからの吸入配管が接続
されている。一方、上記シリンダ(21)には、吐出口(29)
の出口側に、吐出弁(41)が装着されている。吐出弁(41)
は、その基端部がシリンダ(21)に固定されるとともに、
先端部が吐出口(29)を閉塞している。吐出弁(41)は、圧
縮室(25)の内外の圧力差によって撓んで開閉する板状の
開閉弁(リード弁)で、圧縮室(25)(高圧室(25b) )が
一定の高圧になることで上記圧力差が所定値に達すると
開き、冷媒ガスが吐出口(29)から流出するように構成さ
れている。なお、吐出弁(41)が過剰に撓むことのないよ
うに、シリンダ(21)には吐出弁(41)の撓み量を規制する
ための弁押さえ(ストッパ)(42)が設けられている。
【0031】上記駆動軸(33)には、図示しないが、遠心
ポンプと、給油路とが設けられている。遠心ポンプは駆
動軸(33)の下端部に設けられ、該駆動軸(33)の回転に伴
ってケーシング(10)内の下部に貯留する冷凍機油を汲み
上げるように構成されている。給油路は、駆動軸(33)内
を上下方向に延びるとともに、遠心ポンプが汲み上げた
冷凍機油を各摺動部分へ供給するように、各部に設けら
れた給油口と連通している。具体的には、シリンダ(21)
の内周面とピストン(24)の外周面とが摺動する部分や、
フロントヘッド(22)及びリヤヘッド(23)における軸受部
(22a,23a) の軸受面などに給油するように構成されてい
る。
【0032】−運転動作−次に、この実施形態に係る密
閉型圧縮機(1) の運転動作について説明する。
【0033】まず、圧縮機モータ(30)に電流を供給する
とロータ(32)が回転し、該ロータ(32)の回転が駆動軸(3
3)を介して圧縮機構(20)のローリングピストン(24)に伝
達される。これによって、圧縮機構(20)が所定の圧縮動
作を行う。
【0034】具体的に、図3を参照しながら圧縮機構(2
0)の圧縮動作について説明する。まず、シリンダ(21)の
内周における吸入口(28)の開口部のすぐ右側においてシ
リンダ(21)の内周面とローリングピストン(24)の外周面
とが実質的に接触する仮想線の状態から説明すると、こ
の状態で圧縮室(25)の低圧室(25a) の容積が最小とな
る。この状態で圧縮機モータ(30)の駆動によってローリ
ングピストン(24)が右回りに回転すると、ローリングピ
ストン(24)の回転に従って低圧室(25a) の容積が拡大
し、該低圧室(25a) に低圧の冷媒ガスが吸入される。そ
の際、ローリングピストン(24)は圧縮室(25)内で偏心運
動するが、ブレード(26)はローリングピストン(24)に常
に押圧されており、高圧室(25b) から低圧室(25a) への
冷媒ガスの流入は生じない。この冷媒ガスの吸入は、ロ
ーリングピストン(24)が1回公転して再び吸入口(28)の
開口部のすぐ右側でシリンダ(21)とローリングピストン
(24)とが接触する状態となるまで続く。
【0035】このようにして冷媒ガスの吸入を終えた部
分は、今度は冷媒ガスが圧縮される高圧室(25b) にな
る。そして、この時点で高圧室(25b) の容積は最大であ
り、この高圧室(25b) には低圧の冷媒ガスが満たされて
いる。また、高圧室(25b) の隣には新たに低圧室(25a)
が形成され、該低圧室(25a) において冷媒の吸入が繰り
返される。
【0036】このとき、上記高圧室(25b) 内はまだ低圧
であるため、吐出口(29)は吐出弁(51)で閉鎖され、該高
圧室(25b) は密閉空間となっている。この状態からロー
リングピストン(24)が回転するに従って高圧室(25b) の
容積が減少し、高圧室(25b)内の冷媒ガスが圧縮され
る。そして、高圧室(25b) の圧力が所定値に達して圧縮
室(25)の内外の圧力差が設定値になると、高圧室(25b)
の高圧の冷媒ガスに押されて吐出弁(41)がたわみ、吐出
口(29)が開口状態となる。したがって、高圧の冷媒ガス
が高圧室(25b) からケーシング(10)内に吐出される。
【0037】圧縮機構(20)からケーシング(10)内に吐出
された冷媒ガスは、圧縮機モータ(30)のステータ(31)と
ケーシング(10)の胴部(11)との間に存在する空隙(S) を
通過し、ステータ(31)の下側の空間から上側の空間に移
動する。その際、冷媒の通過により圧縮機モータ(30)が
冷却され、同時に、冷媒に含まれている冷凍機油が冷媒
から分離する。そして、このように冷凍機油が分離され
た高圧の冷媒ガスが、吐出管(15)から吐出され、図示し
ない冷媒回路を循環する。
【0038】−実施形態の効果− 本実施形態によれば、圧縮機モータ(30)のステータ(31)
にコアカットを形成せず、ケーシング(10)における胴部
(11)の一部(周方向の4カ所)を拡径することにより冷
媒の流通する空隙(S) を形成している。したがって、拡
径部(11a) の大きさを適切に設計すれば、コアカットを
形成しなくても十分な流路面積を確保できる。そして、
コアカットを設けないにも関わらず、十分な油分離作用
を生じさせて、圧縮機(1) の油上がりを防止できる。
【0039】また、この拡径部(11a) の空隙(15)を冷媒
が流れることにより、圧縮機モータ(1) の冷却作用も十
分に行うことができるうえ、ステータ(31)にコアカット
を形成していないので圧縮機モータ(30)の性能が低下す
ることもない。特に、コアカットを形成しないようにし
たことにより、コアカットによる磁路への影響をなくせ
るので、圧縮機モータ(30)は、コアカットを形成する場
合と同一の大きさであれば性能を高くすることができ、
同一の性能であれば小型化することができる。また、圧
縮機モータ(30)を小型化すれば圧縮機(1) も小型化でき
る。
【0040】また、ケーシング(10)の拡径部(11a) を周
方向の4カ所に設け、これらを互いに分離した配置とし
たことにより、圧縮機モータ(30)を均一に冷却すること
も可能である。
【0041】−実施形態の変形例− 上記実施形態では、圧縮機モータ(30)のステータ(31)に
コアカットを形成しない例について説明したが、図4に
示すように、該ステータ(31)には、外周面の一部を切り
欠くことによりコアカット(31a) を形成してもよい。図
には、4カ所にコアカット(31a) を形成した例を示して
いる。また、ケーシング(10)における胴部(11)の拡径部
(11a) は、上記ステータ(31)のコアカット(31a) に対応
する位置に形成され、ケーシング(10)とステータ(31)
は、拡径部(11a) 及びコアカット(31a) の形成されてい
ない位置で、焼き嵌めにより互いに固定される。
【0042】この変形例では、その他の部分の構成は上
記実施形態と同じである。このため、他の部分の構成に
ついての具体的な説明は省略する。
【0043】このように構成すると、冷媒の流路面積
は、ステータ(31)のコアカット(31a)と、拡径部(11a)
との間の合計面積となる。したがって、コアカット(31
a) が小さくても冷媒の流路面積を十分に大きくするこ
とが可能である。これにより、モータ性能が低下するの
を抑えながら、上記実施形態と比較してさらに十分な油
分離効果を得ることが可能となる。
【0044】
【発明のその他の実施の形態】本発明は、上記実施形態
について、以下のような構成としてもよい。
【0045】例えば、上記実施形態では、ケーシング(1
0)における胴部(11)の拡径部(11a)を胴部(11)の周方向
4カ所に配置しているが、この拡径部(11a) は少なくと
も1カ所に設けておけばよい。
【0046】また、上記実施形態では、ロータリーピス
トン型圧縮機に本発明を適用した例について説明した
が、本発明は、スイング型やスクロール型などの他のタ
イプの回転式圧縮機でも適用可能である。
【0047】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、回転式
圧縮機のケーシング(10)の一部を径方向外側へ膨らませ
ることでステータ(31)の外周面とケーシング(10)との間
に空隙(S) を形成し、この空隙(S) で圧縮機モータ(30)
の冷却とともに油分離を行うようにしている。そして、
ケーシング(10)に拡径部(11a) を設けたことにより、圧
縮機モータ(30)のステータ(31)に大きなコアカットを形
成しなくても、あるいはコアカットそのものを形成しな
くても十分な流路面積を確保できるため、モータ性能が
低下するのを防止しながら十分な油分離作用を行うこと
が可能となる。
【0048】また、請求項2に記載の発明によれば、ケ
ーシング(10)拡径部(11a) をその周方向の複数箇所に互
いに分離して形成することにより、冷媒の流れる空隙
(S) を圧縮機モータ(30)の外周面の複数箇所に配置して
いるので、圧縮機モータ(30)を均一に冷却することが可
能となる。
【0049】また、請求項3に記載の発明によれば、圧
縮機モータ(30)のステータ(31)にコアカットを形成せず
に、その外周面を円筒面にしているので、モータ性能が
低下することはない。そして、コアカットを形成しない
ようにしたことで磁路への影響がなくなるため、圧縮機
モータ(30)は、コアカットを形成する場合と同一の大き
さであれば性能を高くすることができ、同一の性能であ
れば小型化することができる。
【0050】また、請求項4に記載の発明によれば、ス
テータ(31)にコアカット(31a) を形成するとともに、ケ
ーシング(10)の拡径部(11a) をコアカット(31a) と対応
する位置に形成しているので、コアカット(31a) 自体を
大きくしなくても冷媒の流路面積を十分に大きくするこ
とが可能となり、モータ性能の低下を抑えながら油分離
効果も高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る回転式圧縮機(ローリ
ングピストン型圧縮機)の縦断面構造図である。
【図2】図1の圧縮機における圧縮機モータの横断面構
造図である。
【図3】圧縮機構の横断面構造図である。
【図4】図2の変形例を示す横断面構造図である。
【図5】従来の回転式圧縮機(ローリングピストン型圧
縮機)の縦断面構造図である。
【図6】図5の圧縮機における圧縮機モータの部分の横
断面構造図である。
【符号の説明】
(1) ローリングピストン型圧縮機(回転式圧縮機) (10) ケーシング (11) 胴部(周壁) (11a) 拡径部 (20) 圧縮機構 (21) シリンダ (22) フロントヘッド (23) リヤヘッド (24) ローリングピストン (25) 圧縮室 (26) ブレード (30) 圧縮機モータ (31) ステータ (31a) コアカット (32) ロータ (33) 駆動軸 (S) 空隙

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のケーシング(10)内に、圧縮機モー
    タ(30)と、該圧縮機モータ(30)により駆動される圧縮機
    構(20)とを備え、圧縮機モータ(30)のステータ(31)がケ
    ーシング(10)の周壁(11)に固定された回転式圧縮機であ
    って、 上記ケーシング(10)は、周壁(11)の一部に径方向外側へ
    膨らむ拡径部(11a) を備え、該拡径部(11a) と上記ステ
    ータ(31)との間に該ステータ(31)の上下の空間に連通す
    る空隙(S) が形成されていることを特徴とする回転式圧
    縮機。
  2. 【請求項2】 ケーシング(10)の拡径部(11a) は、該ケ
    ーシング(10)の周方向の複数箇所に互いに分離して形成
    されていることを特徴とする請求項1記載の回転式圧縮
    機。
  3. 【請求項3】 圧縮機モータ(30)のステータ(31)は、外
    周面が円筒面に形成されていることを特徴とする請求項
    1または2記載の回転式圧縮機。
  4. 【請求項4】 圧縮機モータ(30)のステータ(31)には、
    円筒状の外周面の一部に、凹陥部であるコアカット(31
    a) が形成され、 ケーシング(10)の拡径部(11a) は、上記ステータ(31)の
    コアカット(31a) に対応する位置に形成されていること
    を特徴とする請求項1または2記載の回転式圧縮機。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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