JP2009228497A - 圧縮機 - Google Patents

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Kiyohiro Yamada
清宏 山田
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和重 村尾
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Abstract

【課題】スペースの有効利用によりマフラー室内蔵リアハウジングを形成した圧縮機を提供する。
【解決手段】有底筒部30及びサブ有底筒部32からなるリヤハウジング6に隔壁部材40が挿入され、リヤハウジング6はを通しボルト7によりシリンダブロック1の後端に固定される。リヤハウジング6の内部空間は隔壁部材40よって、吸入室4、吐出室5、マフラー室48及び流通室49がそれぞれ区画される。マフラー室48はリヤハウジング6の後方に突出させたサブ有底筒部32の内部空間を利用してマフラー機能を発生するために必要な十分な大きさの容積を確保することができる。冷媒ガスが吸入ポート33の流通路33aから流通室49、連通路47、マフラー室48、格子状の連通路45を経て吸入室4に至る過程で膨張、圧縮を繰り返すことにより、吸入脈動は低減される。
【選択図】図1

Description

本願発明は、車両に搭載されるマフラーを内蔵した圧縮機に関するものである。
圧縮機においては、吸入室の冷媒ガスが吸入弁を介してシリンダボアの圧縮室に流れる。容量可変型圧縮機では、特に低容量可変時に冷媒ガスの吸入流量が少ないため、吸入弁はストッパーに接触する位置まで開かず、自励振動を生じる。吸入弁の自励振動は冷媒ガスの吸入配管を伝播してエバポレータを共振させ、吸入脈動による異音が発生する。
圧縮機では、吸入室に至る冷媒ガスの流入通路にマフラーを配置し、吸入脈動の低減を図っている。具体的には、例えば特許文献1に開示されるようなマフラー内臓型の圧縮機がある。特許文献1に記載された圧縮機は、シリンダボア3を有するシリンダブロック2の前端面にフロントハウジング4を接合してクランク室を形成するとともにシリンダブロック2の後瑞面にバルブプレート9を介してリアハウジング6を接合して吸入室7及び吐出室8を形成する。クランク室5内に軸支した駆動軸Sの回転によりピストン29が往復動される。
リアハウジング6は略円柱状を有し、外部配管から冷媒が供給される吸入ポート16に連通された第1吸入室7a及びその外周部分にリアハウジング6の隔壁10を挟んで第1吸入室7aと異なる内部容積を備えた第2吸入室7bが設けられている。第1吸入室7aと第2吸入室7bは隔壁10に形成された3ヶ所の連通路13によって連通され、第2吸入室7bはバルブプレート9を介してシリンダボア3に連通されている。また、第2吸入室7bよりもリアハウジング6の中心側には別部材6bの挿入により吐出室8が形成され、圧縮された冷媒を吐出ポート17から外部配管に供給する。
吸入ポート16と第1吸入室7aとの間に連通路13を介して配置された第2吸入室7bはマフラーとしての機能を備え、圧縮機の中回転運転時や低回転運転時に発生する吸入脈動を低減して異音の発生や吸入効率の低下を防止する。
特開2005−42624号公報
圧縮機に内蔵するマフラーは、吸入脈動の低減効果を高めるために容積を可能な限り大きくする必要がある。特許文献1の圧縮機に内蔵されたマフラーである第2吸入室7bの容積は、有底円筒状に形成されたリアハウジング6の底壁面によって制限を受けている。従って、第2吸入室7bの容積を拡大するためには圧縮機全体を駆動軸Sの軸線方向に長い構成としなければならない。
しかし、圧縮機を搭載する車両内部には多くの機構が配設されており、圧縮機の搭載スペースは厳しく制限されている。このため、実用化されている圧縮機ではリアハウジングの底壁面の一部を車両内部の僅かなスペースに突出させ、その内部をマフラー室として確保する構成が用いられている。
ところが、車両内部の利用できるスペースの制約から、リアハウジングの底壁面の突出部における中心は駆動軸の中心軸線、即ちハウジングの中心線からずれた位置に配設せざるを得ない。このため、鋳造により成型されるリアハウジングは突出部を含めた内部空間を複数に区画する壁面の抜きが不可能となり、特許文献1のような有底円筒状または有底筒状に製作することができない。
現状では、リアハウジングの底壁面の突出部を貫通状態に成型し、後工程でガスケットを介した蓋をボルト締め等により固定し、マフラー室を形成している。従って、このような従来技術ではリアハウジングを形成するために蓋、ガスケット及びボルト等の余分な部品が必要となり、しかもボルトの突出により車両内部の制約されたスペースの有効利用が阻害されるなどの問題を有する。
本願発明の目的は、マフラー室内蔵リアハウジングを形成した圧縮機を提供することにある。
請求項1に記載の本願発明は、駆動軸が収容されるクランク室を形成するフロントハウジング、ピストンが収容されるシリンダボアを形成するシリンダブロック及び冷媒ガスの吸入室と吐出室とを形成するリアハウジングを備えた圧縮機において、前記リアハウジングにマフラー室、吸入室及び吐出室を区画するとともに前記マフラー室と前記吸入室又は吐出室との連通路を形成した各壁面を備える隔壁部材を挿入し、前記リアハウジング及び前記隔壁部材を前記シリンダーブロックに弁形成体を介在して締結したことを特徴とする。
請求項1記載の本願発明によれば、製作が簡単なリアハウジングの構成により、十分な容積を確保したマフラー室を形成することができる。
請求項2に記載の本願発明は、前記リアハウジングをメインとなる有底筒部及び前記有底筒部の底壁面の一部に後方側に突出するサブ有底筒部から構成し、
前記隔壁部材は前記サブ有底筒部の内部空間にマフラー室を区画するとともに前記有底筒部の内部空間に吸入室及び吐出室を区画する各壁面を備えたことを特徴とするため、車両内部の制約されたスペースの有効利用が可能である。
請求項3に記載の本願発明は、前記隔壁部材は前記サブ有底筒部の内部空間に前記マフラー室と連通する冷媒ガスの流通室を区画する壁面を有することを特徴とするため、サブ有底筒部の構成により冷媒ガスの吸入ポートと吸入室との間にさらに冷媒ガスの流通室を形成することができるので、吸入脈動の低減効果をより高めることができる。
請求項4に記載の本願発明は、前記サブ有底筒部はその中心軸線を前記駆動軸の中心軸線と位相が異なる位置に存在するように形成されていることを特徴とするため、リアハウジング内部には吸入室、吐出室、マフラー室等の各室を区画する壁面が存在しないので、リアハウジングの外形製作の自由度が高まり、車両内部のスペースを有効利用することができる。
請求項5に記載の本願発明は、前記マフラー室と前記吸入室とを区画する前記隔壁部材の壁面には格子状に配置された複数の連通路が形成されていることを特徴とするため、複数の連通路の形成により個々の連通路の断面積を小さくすることができ、冷媒ガスの流通量を適性に確保しながらマフラー効果を高めることができる。
請求項6に記載の本願発明は、前記マフラー室と前記冷媒ガスの流通室を区画する前記隔壁部材の壁面には複数の連通路が形成されていることを特徴とするため、複数の連通路の形成により個々の連通路の断面積を小さくすることができ、冷媒ガスの流通量を適性に確保しながらマフラー効果を高めることができる。
請求項7に記載の本願発明は、前記隔壁部材は樹脂成形により構成されていることを特徴とするため、吐出室内の高温、高圧の冷媒ガスに対して耐熱性、耐久性を有し、隣接する吸入室との間の熱伝導を防止することができる。
本願発明は、リアハウジングを簡単に製作することができ、十分な容積を確保したマフラー室の形成が可能となる。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1はクラッチレス可変容量型片側斜板式圧縮機(以下、単に圧縮機とする)の概要を示すものである。圧縮機は、複数のシリンダボア1aが形成されたシリンダブロック1、シリンダブロック1の前端側に接合されて内部にクランク室2を形成するフロントハウジング3及びシリンダブロック1の後端側に接合されて吸入室4と吐出室5を形成するリヤハウジング6から構成されている。なお、本願明細書では図1の左方に位置するフロントハウジング3側を圧縮機の前方、右方に位置するリヤハウジング6側を後方として説明する。
圧縮機のハウジングを形成するフロントハウジング3、シリンダブロック1及びリヤハウジング6は、軽量化を図るためアルミ系金属材料により形成され、またフロントハウジング3からリヤハウジング6に通された通しボルト7によって固定され、一体化されている。
フロントハウジング3には、回転自在な駆動軸8がクランク室2の中央付近を貫通するように収容されている。駆動軸8はフロントハウジング3に設けたラジアル軸受9と、シリンダブロック1の中央付近に穿設された軸受孔10に設けたラジアル軸受11により支持されている。また、駆動軸8の前部を支持するラジアル軸受9の前方には、駆動軸8の周面に亘って摺接する軸封機構12が備えられている。軸封機構12はリップシール部材及びリップシール部材を保持する保持金具から構成され、クランク室2内の冷媒ガスがフロントハウジング3と駆動軸8の間から漏洩することを防止している。駆動軸8の前端は図示しない動力伝達機構を介してエンジン等の駆動源と連結されているが、前記動力伝達機構はベルト及びプーリーの組み合わせからなるクラッチレス機構で構成され、動力が常時伝達されている。
クランク室2内において、駆動軸8には鋳鉄製のラグプレート13が一体回転可能に固定されている。ラグプレート13の後方側には、シリンダボア1a内の冷媒ガスの容量変更機構を構成する斜板14が駆動軸8の軸線方向へスライド可能及び揺動可能に駆動軸8上に遊嵌され、支持されている。斜板14はラグプレート13との間に介在されたヒンジ機構15によって連結され、駆動軸8との同期回転及び駆動軸8上での揺動ができるように構成されている。
ラグプレート13とフロントハウジング3との間にはスラスト軸受16が介在されている。また、スラスト軸受16を潤滑する潤滑流路17がラグプレート13とフロントハウジング3との間に形成されている。潤滑流路17はその一端がクランク室2に開口し、他端が前記スラスト軸受16から直接軸封機構12に至る流路と、スラスト軸受16及び駆動軸8の前部を支持するラジアル軸受9を経て軸封機構12に至る流路とを備えている。また、潤滑流路17は駆動軸8の軸芯に穿設された図示しない軸孔流路を介してシリンダブロック1の中心側に形成した軸受孔10に連通している。
駆動軸8におけるラグプレート13と斜板14との間にはコイルスプリング18が巻装されているほか、コイルスプリング18により後方へ付勢される筒状体19が摺動可能に駆動軸8に嵌挿されている。斜板14はコイルスプリング18の付勢力により筒状体19を介して常に後方へ、即ち斜板14の傾斜角度が減少する方向(斜板が立つ方向)へ押圧されている。なお、斜板14の傾斜角度とは、駆動軸8に直交する仮想面と斜板14の面とにより成す角度である。
斜板14の前部にはストッパ部20が突設されている。ストッパ部20はラグプレート13と当接することにより、斜板14の最大傾斜角度の位置を規定している。斜板14の後方における駆動軸8にはサークリップ21が取り付けられ、サークリップ21の前方において斜板14との間に位置するようにコイルスプリング22が巻装されている。コイルスプリング22はその前部が斜板14の後面と当接することにより、斜板14の最小傾斜角度の位置を規定している。また、コイルスプリング22は圧縮機の最小容量運転から中間容量運転へ切り換わる時に斜板14を傾斜する方向へ復帰させるための機能も有する。
シリンダブロック1の各シリンダボア1aには、片頭型のピストン23がそれぞれ往復移動可能に収容され、ピストン23の頭部側はシリンダボア1a内における圧縮室24を区画形成する。各ピストン23の頚部23aは、シュー25を介して斜板14の外周面を跨ぐ様にして斜板14に連結されている。駆動軸8の回転に伴う斜板14の回転は、シュー25を介して各ピストン23を前後方向に往復移動する。なお、ピストン23における頚部23aの外周面はピストン23頭部の外周面より僅かに駆動軸8側に変位した段差を有し、シリンダボア1aの壁面との間に隙間Sを形成している。
一方、シリンダブロック1の後部側は弁座板、吸入弁及び吐出弁等からなる弁形成体26を介してリヤハウジング6の前部側と接合されている。リヤハウジング6の中心側に形成した吸入室4は弁形成体26に設けた吸入ポート27により圧縮室24と連通している。また、吸入室4の外周側に形成した吐出室5は、弁形成体26に設けた吐出ポート28により圧縮室24と連通している。吸入室4の冷媒ガスはピストン23が上死点位置から下死点位置へ移動することにより、吸入ポート27を介して圧縮室24内に吸入される。圧縮室24内に吸入された冷媒ガスは、ピストン23が下死点位置から上死点位置へ移動することにより圧縮され、所定の圧力に高められた高温、高圧の状態で吐出ポート28から吐出室5へ吐出される。
圧縮機では、クランク室2内の圧力を調節するため、図示しないが、例えば電磁弁等の容量制御弁がクランク室2と吐出室5とを繋ぐ連通路の途中に配設されている。容量制御弁はクランク室2内の冷媒ガスを調整して冷媒ガスの圧力によるモーメントを変更し、斜板14の傾斜角度を最小傾斜角度から最大傾斜角度の間の任意の角度に設定する。容量制御弁により傾斜角度を変更された斜板14はその傾斜角に応じてピストン23のストロークを変更し、吐出室5へ吐出する冷媒ガスの容量を変更する。なお、29はクランク室2と吸入室4を連通する抽気通路である。
次に、リヤハウジング6の構成について詳細に説明する。リヤハウジング6は略円筒状のメインとなる有底筒部30及び有底筒部30の底壁面31から後方側に突出したサブ有底筒部32によって形成される。サブ有底筒部32は図4に仮想線にて示されるように、上面及び下面が円弧状であるが全体として上下に長い略長方形で形成されている。サブ有底筒部32の中心軸線Yは図2に示すように、圧縮機の中心に相当する駆動軸8の中心軸線、即ちリヤハウジング6の中心軸線Xから偏心され、上方に位相がずれた位置に存在するように形成されている。また、有底筒部30の上面に形成されたボス部は外部冷媒回路(図示せず)に接続される吸入ポート33である。
有底筒部30の内部は円形の内壁34の開口側上面の一部が切り欠かれて矩形部35を有し、内壁34と矩形部35との間に上下方向の段差部36が形成されている。サブ有底筒部32の内部は上面側内壁37が有底筒部30の内壁34と面一に接続し、下面側内壁38が有底筒部30の底壁面31の一部から後方に延び、略長方形の空間を形成している。従って、リヤハウジング6の内部は前方が開口され、後方に向けて小さくなる連続した空間を有するのみで、鋳造等による成型が可能な構成である。なお、有底筒部30の底壁面31の内面には、回り止め用の孔39が周方向に2ヶ所形成されている。また、吸入ポート33と内壁34との間には冷媒ガスの流通路33aが形成されている。
一方、図2の符号40は、高温、高圧の冷媒ガスに対応できる樹脂で成型された隔壁部材であり、縦断面図で示したものである。図2〜図4に示されるように、隔壁部材40は有底円筒状に形成された円筒状隔壁部41と円筒状隔壁部41の上面側から上方に突出した板状隔壁部42と円筒状隔壁部41の上面側から後方に延出した弧状隔壁部43とからなる。
円筒状隔壁部41は底壁面44の中央部に格子状に配置(図4参照)された複数の断面円形の連通路45を有する。底壁面44の後面下部には、周方向に間隔を開けて2ヶ所に回り止めピン46が設けられている。板状隔壁部42は略四角形状に形成され、サブ有底筒部32の内部空間の横幅に一致する幅を有し、中心軸線Xからの高さが有底筒部30の矩形部35の上面に一致する長さを有する。弧状隔壁部43は図3及び図4に示されるように、サブ有底筒部32の内部空間の横幅に一致する幅を有する円弧状の庇の形状を成している。弧状隔壁部43の後方に延出する長さは隔壁部材40を図2の仮想線で示すように、リヤハウジング6に挿入した時、後瑞面がサブ有底筒部32の底壁面32aの内面に当接するように構成されている。また、弧状隔壁部43には複数の断面長方形の連通路47が形成されている。
隔壁部材40は図2の仮想線で示すように、リヤハウジング6に挿入すると、隔壁部材40を形成する円筒状隔壁部41の底壁面44後面が有底筒部30の底壁面31前面に当接するとともに回り止めピン46が底壁面31の孔39に嵌合する。また、隔壁部材40の板状隔壁部42の後面が有底筒部30の段差部36に当接し、有底筒部30及びサブ有底筒部32の内部空間を複数の分割された空間に区画する。
即ち、隔壁部材40の円筒状隔壁部41の内部空間によって吸入室4が区画される。隔壁部材40の円筒状隔壁部41外周面と板状隔壁部42の前面と有底筒部30の矩形部35とによって環状の吐出室5が区画される。円筒状隔壁部41の底壁面44後面と弧状隔壁部43の下面とサブ有底筒部32の下面側内壁38及び底壁面32a前面とによってマフラー室48が区画される。板状隔壁部42の後面と円筒状隔壁部41の外周面及び弧状隔壁部43の上面と有底筒部30の内壁34とサブ有底筒部32の上面側内壁37とによって流通室49が区画される。従って、マフラー室48はリヤハウジング6の後方に突出させたサブ有底筒部32の内部空間を利用することにより、マフラー機能を発生させるために必要な十分な大きさの容積を自由に確保することができる。
外部冷媒回路(図示せず)に接続する吸入ポート33の流通路33aは流通室49に連通する。流通室49は幅の狭い連通路47によってマフラー室48と連通する。マフラー室48は格子状に形成された小径の連通路45によって吸入室4と連通する。吸入室4及び吐出室5はそれぞれ弁形成体26の吸入ポート27及び吐出ポート28によって圧縮室24に連通する。
以上のように構成された第1の実施形態の作用を以下に説明する。
隔壁部材40をリヤハウジング6に挿入することにより、円筒状隔壁部41の底壁面44が有底筒部30の底壁面31に当接され、回り止めピン46が底壁面31の孔39に嵌合されるとともに板状隔壁部42が有底筒部30の段差部36に当接される。隔壁部材40を挿入されたリヤハウジング6は通しボルト7によりシリンダブロック1の後端に固定される。この組み付け作業により、図1に示すように、吸入室4、吐出室5、マフラー室48及び流通室49がリヤハウジング6の内部に密閉状態で形成される。
製作された圧縮機は使用状態として車両に搭載される。十分な容積を持つマフラー室48を形成したサブ有底筒部32は車両内部のスペースを考慮し、中心軸線Yが駆動軸の中心軸線Xから偏心され、位相が異なる状態で形成されている。このため、圧縮機は図2に示すように、車両内部に配設された多数の構成部品50の一部に存在する配設スペース51が有効に利用され、車両内部に効率良く収納される。
圧縮機が運転されると、駆動軸8は斜板14を回転する。斜板14はピストン23を往復動し、吸入室4から冷媒ガスを圧縮室24に吸入するとともに圧縮した冷媒ガスを吐出室5に吐出し、外部冷媒回路に供給するという公知の冷凍サイクルが繰り返される。
即ち、圧縮室24の吸入作用により外部冷媒回路から吸入ポート33に戻された冷媒ガスは、小径の絞られた流通路33aから広い容積の流通室49へ流入する。流通室49の冷媒ガスは再び幅の狭い絞られた連通路47を通過して流通室49より広い容積のマフラー室48へ流入する。マフラー室48の冷媒ガスは格子状の小径に絞られた連通路45により整流された状態で吸入室4へ流入する。吸入室4の冷媒ガスは圧縮室24へ吸入されたのち、圧縮され、吐出室5へ吐出される。
圧縮機の運転中、特に低容量への可変時に吸入弁による自励振動を生じ、吸入脈動が発生し易いが、冷媒ガスが流通室49、連通路47、マフラー室48、連通路45及び吸入室4を通過することによりマフラー効果が発揮され、吸入脈動が低減される。特に、格子状に形成された連通路45により大きな脈動低減効果が得られるとともに連通路が多数形成されているために冷媒ガスの流通量を適性に保つことができる。
前記した本願発明の第1の実施形態では、以下の作用効果が得られる。
(1)リヤハウジング6は内部が空間のみであるため、鋳造等により簡単に製作することができる。
(2)隔壁部材40をリヤハウジング6に挿入するのみで複数の室を形成することができるので、圧縮機の組み付け工数や部品点数を削減することがでいる。
(3)サブ有底筒部32の存在により簡単な構造でマフラー室の十分な容積を確保することができるとともに圧縮機を搭載する車両内部のスペースを有効利用することができる。
(4)弧状隔壁部43をサブ有底筒部32の底壁面32aに当接させることにより、マフラー室48を区画する外、隔壁部材40の補強機能を有する。
(5)隔壁部材40を樹脂製にしたため、高温の冷媒ガスを収容する吐出室5から吸入室4への熱伝播を防止することができる。
本願発明は、前記した第1の実施形態の構成に限定されるものではなく本願発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、次のように実施することができる。
(1)第1の実施形態に記載したサブ有底筒部32は必ずしも必要でなく、リヤハウジング6は有底筒部30のみで形成しても良い。この場合、マフラー室48、吸入室4及び吐出室5は隔壁部材40によって全て有底筒部30内に区画形成される。
(2)第1の実施形態では、マフラー室48を吸入室4に連通し、吸入脈動の低減効果が得られるように構成されているが、本願発明ではマフラー室48を吐出室5に連通し、吐出脈動の低減効果が得られるように構成することも可能である。
(3)流通室49を無くし、吸入ポート33と吸入室4との間には1つのマフラー室48のみが存在する構成としてもよい。
(4)連通路45は必ずしも格子状に形成する必要はない。
(5)連通路45及び連通路47は絞り機能を有する形態であればいずれか一方あるいは双方ともに1つの連通路としてもよい。
(6)連通路45及び連通路47はいずれも中心部の連通路を他よりも大径にしてメインの連通路とする構成であっても良い。
(7)有底筒部30及びサブ有底筒部32はそれぞれ円筒形や長方形の筒に限らず、筒状であれば他のあらゆる形状で形成することができる。
(8)第1の実施形態ではリヤハウジング6の中心側に吸入室4を形成し、外周側に吐出室5を形成したが、吐出室5を中心側に形成し、吸入室を外周側に形成する形態であっても本願発明を実施することができる。
(9)本願発明はクラッチレス可変容量型片側斜板式圧縮機に限らず、クラッチを介在した圧縮機や固定容量型圧縮機あるいは両頭型の斜板式圧縮機等に実施することができる。
クラッチレス可変容量型片側斜板式圧縮機の縦断面図である。 リヤハウジングと隔壁部材を分離して示した断面図である。 隔壁部材の正面図である。 隔壁部材の一部断面側面図である。
符号の説明
1 シリンダブロック
3 フロントハウジング
4 吸入室
5 吐出室
6 リヤハウジング
7 通しボルト
8 駆動軸
14 斜板
23 ピストン
24 圧縮室
26 弁形成体
27、33 吸入ポート
28 吐出ポート
30 有底筒部
32 サブ有底筒部
36 段差部
39 回り止め用の孔
40 隔壁部材
41 円筒状隔壁部
42 板状隔壁部
43 弧状隔壁部
45、47 連通路
46 回り止めピン
48 マフラー室
49 流通室
X、Y 中心軸線

Claims (7)

  1. 駆動軸が収容されるクランク室を形成するフロントハウジング、ピストンが収容されるシリンダボアを形成するシリンダブロック及び冷媒ガスの吸入室と吐出室とを形成するリアハウジングを備えた圧縮機において、
    前記リアハウジングに、マフラー室、吸入室及び吐出室を区画するとともに前記マフラー室と前記吸入室又は吐出室との連通路を形成した各壁面を備える隔壁部材を挿入し、
    前記リアハウジング及び前記隔壁部材を前記シリンダーブロックに弁形成体を介在して締結したことを特徴とする圧縮機。
  2. 前記リアハウジングをメインとなる有底筒部及び前記有底筒部の底壁面の一部に後方側に突出するサブ有底筒部から構成し、前記隔壁部材は前記サブ有底筒部の内部空間にマフラー室を区画するとともに前記有底筒部の内部空間に吸入室及び吐出室を区画する各壁面を備えたことを特徴とする請求項1圧縮機。
  3. 前記隔壁部材は前記サブ有底筒部の内部空間に前記マフラー室と連通する冷媒ガスの流通室を区画する壁面を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記サブ有底筒部はその中心軸線を前記駆動軸の中心軸線と位相が異なる位置に存在するように形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の圧縮機。
  5. 前記マフラー室と前記吸入室とを区画する前記隔壁部材の壁面には格子状に配置された複数の連通路が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の圧縮機。
  6. 前記マフラー室と前記冷媒ガスの流通室を区画する前記隔壁部材の壁面には複数の連通路が形成されていることを特徴する請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の圧縮機。
  7. 前記隔壁部材は樹脂成形により構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20110137566A (ko) * 2010-06-17 2011-12-23 한라공조주식회사 가변 용량형 사판식 압축기
KR101452567B1 (ko) * 2012-02-13 2014-10-21 한라비스테온공조 주식회사 가변용량형 사판식 압축기
JP2018100665A (ja) * 2016-12-19 2018-06-28 ワールプール・エシ・ア 密閉圧縮機

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