JP2004211662A - 圧縮機のオイル分離構造 - Google Patents

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Tomoji Taruya
知二 樽谷
Shigeki Kawachi
繁希 河内
Yoshinori Inoue
井上  宜典
Naoto Kawamura
川村  尚登
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
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Abstract

【課題】ガスバックの抑制とオイル戻し通路の大径化及び短縮化とを両立可能な圧縮機のオイル分離構造を提供する。
【解決手段】圧縮機には、オイルセパレータ38とオイル戻し通路とが設けられている。オイルセパレータ38は、吐出室28に連通され、該吐出室28を流動される冷媒ガス中に含まれる潤滑油を冷媒ガスから分離する。オイル戻し通路は、オイルセパレータ38とロータリバルブ35の導入室36とを接続し、オイルセパレータ38で分離された潤滑油を導入室36へと戻すためのものである。ロータリバルブ35は、オイル戻し通路上に配設されているとともに回転軸16に作動連結され、該回転軸16の回転に応じてオイル戻し通路の開度を変化させるオイル戻し用ロータリバルブとして機能する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷媒循環回路を構成するとともに、回転軸が駆動されることで冷媒ガスの圧縮を行う圧縮機に関し、特に、冷媒循環回路の高圧領域を流動される冷媒ガス中に含まれる潤滑油を、冷媒ガスから分離して低圧領域へと戻すためのオイル分離構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のオイル分離構造としては、高圧領域を流動される冷媒ガスから潤滑油を分離するオイルセパレータと、該オイルセパレータで分離された潤滑油を吸入圧領域(低圧領域)へと戻すためのオイル戻し通路とを備えたものが存在する(例えば特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0003】
さて、前記オイル戻し通路は、圧縮機の回転速度が低くなる等によって、オイルセパレータでの潤滑油の分離量が少なくなった場合でも、吸入圧領域への潤滑油の戻りが途切れないように構成されている。詳しくは、オイル戻し通路の通路径(通過断面積)を小さめに設定したり、或いは通路長を長めに設定することで、吸入圧領域への潤滑油の戻りを適度に抑えている。つまり、吸入圧領域への潤滑油の戻りが途切れると、高圧領域の冷媒ガスが、オイル戻し通路を介して吸入圧領域へと多量に戻されてしまうのである(所謂ガスバック)。吸入圧領域にガスバックがなされると、吸入冷媒ガスの温度上昇によって圧縮機の圧縮効率が低下してしまう。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−308986号公報(第3頁、第4図)
【特許文献2】
特開平3−67070号公報(第5頁、第10図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記オイル戻し通路の通路径を小さく設定した場合には、該通路における異物の詰まりが発生し易くなる。また、オイル戻し通路の通路長が長めに設定された場合には、該通路が圧縮機内のスペースを多く消費して圧縮機の小型化が阻害されてしまう。
【0006】
さらに、前記オイル戻し通路の通路径又は通路長の設定によって、ガスバックの防止と、或る程度の量の潤滑油を吸入圧領域へ戻すこととを両立するには、該オイル戻し通路を高精度で加工する必要がある。しかし、通路径が小さい又は通路長が長いオイル戻し通路は、その加工が面倒で、圧縮機の製造コストが上昇する問題があった。
【0007】
本発明の目的は、ガスバックの抑制とオイル戻し通路の大径化及び短縮化とを両立可能な圧縮機のオイル分離構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明のオイル分離構造は、オイルセパレータとオイル戻し通路とを備えている。オイルセパレータは、冷媒循環回路の高圧領域に配設され、該高圧領域を流動される冷媒ガス中に含まれる潤滑油を冷媒ガスから分離する。オイル戻し通路は、オイルセパレータと冷媒循環回路の低圧領域とを接続し、オイルセパレータで分離された潤滑油を低圧領域へと戻すためのものである。
【0009】
そして、本発明のオイル分離構造には、オイル戻し用ロータリバルブが備えられている。オイル戻し用ロータリバルブは、オイル戻し通路上に配設されているとともに回転軸に作動連結され、該回転軸の回転に応じてオイル戻し通路の開度を変化させる。従って、オイル戻し用ロータリバルブがオイル戻し通路の開度を大きくすれば、オイルセパレータから低圧領域への潤滑油の戻り量が増大する。逆に、オイル戻し用ロータリバルブがオイル戻し通路の開度を小さくすれば、オイルセパレータから低圧領域への潤滑油の戻り量が減少する。つまり、オイル戻し用ロータリバルブが一回転される間において、オイル戻し通路の開度が増減変更されることとなる。
【0010】
よって、前記オイルセパレータで分離された潤滑油の低圧領域への戻り具合は、例えば、オイル戻し用ロータリバルブの一回転における、オイル戻し通路の開度増大と開度減少との比率によって簡単に調整することができる。その結果、オイル戻し通路の通路径を小さめに設定したり通路長を長めに設定しなくとも、低圧領域への潤滑油の戻りが途切れないように調整することが可能となる。
【0011】
請求項2の発明は請求項1において、圧縮機は、回転軸の回転によってピストンが往復動されることで、吸入弁機構を介した吸入圧領域から圧縮室への冷媒ガスの吸入及び圧縮室内での冷媒ガスの圧縮が行われる構成である。吸入弁機構には、回転軸と同期回転することで圧縮室と吸入圧領域との間の冷媒ガス通路を開閉可能な冷媒吸入用ロータリバルブが用いられている。
【0012】
そして、前記冷媒吸入用ロータリバルブには、オイル戻し用ロータリバルブが回転軸の軸線方向に並設されている。従って、冷媒吸入用ロータリバルブとオイル戻し用ロータリバルブとを省スペースで配置することができるし、両ロータリバルブを回転軸に対して作動連結する構造も簡単にできる。
【0013】
請求項3の発明は請求項2において、前記オイル戻し用ロータリバルブと冷媒吸入用ロータリバルブとは、円柱体として一体化されている。円柱体には、冷媒ガス通路を開閉するための冷媒吸入用弁部と、該冷媒吸入用弁部に対して軸線方向にずれて配置され、オイル戻し通路の開度を変化させるためのオイル戻し用弁部とが設けられている。
【0014】
このように、前記冷媒吸入用ロータリバルブとオイル戻し用ロータリバルブとを一体化することで、部品点数を削減することができるし、両ロータリバルブをさらに省スペースで配置することができるうえに、両ロータリバルブを回転軸に対して作動連結する構造もさらに簡単にできる。
【0015】
請求項4の発明は請求項3において、前記回転軸とオイル戻し用ロータリバルブと冷媒吸入用ロータリバルブとは、一軸線上に配置されている。従って、両ロータリバルブを回転軸に対して作動連結する構造を、さらに簡単にできる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を、車両空調装置に用いられる容量可変型斜板式圧縮機のオイル分離構造に具体化した第1及び第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態においては第1実施形態との相違点についてのみ説明し、同一部材又は相当部材には同じ番号を付して説明を省略する。
【0017】
(第1の実施形態)
(容量可変型斜板式圧縮機)
図1に示すように、容量可変型斜板式圧縮機(以下単に圧縮機とする)は、シリンダブロック11と、その前端に接合固定されたフロントハウジング12と、シリンダブロック11の後端に弁・ポート形成体13を介して接合固定されたリヤハウジング14とを備えている。これらシリンダブロック11、フロントハウジング12及びリヤハウジング14が圧縮機のハウジングを構成する。なお、図面の左方を前方とし右方を後方とする。
【0018】
前記シリンダブロック11とフロントハウジング12とで囲まれた領域にはクランク室15が区画されている。回転軸16はクランク室15を貫通するように配設され、フロントハウジング12とシリンダブロック11との間で回転可能に架設支持されている。回転軸16は、車両の走行駆動源であるエンジンEgに作動連結されており、エンジンEgから動力の供給を受けて回転される。
【0019】
前記クランク室15において回転軸16には、ラグプレート20が一体回転可能に固定されている。クランク室15内には、カム体としての斜板21が収容されている。斜板21は、回転軸16にスライド移動可能でかつ傾動可能に支持されている。ヒンジ機構22は、ラグプレート20と斜板21との間に介在されている。従って、斜板21は、ヒンジ機構22を介したラグプレート20との間でのヒンジ連結、及び回転軸16の支持により、ラグプレート20及び回転軸16と同期回転可能であるとともに、回転軸16の軸線L方向へのスライド移動を伴いながら回転軸16に対し傾動可能となっている。
【0020】
複数のシリンダボア23(図面においては一箇所のみ示す)は、前記シリンダブロック11において回転軸16の後端側を取り囲むようにして貫通形成されている。片頭型のピストン24は、各シリンダボア23に往復動可能に収容されている。シリンダボア23の前後開口は、弁・ポート形成体13及びピストン24によって閉塞されており、このシリンダボア23内にはピストン24の往復動に応じて体積変化する圧縮室26が区画されている。
【0021】
前記各ピストン24は、シュー25を介して斜板21の外周部に係留されている。従って、回転軸16の回転にともなう斜板21の回転が、シュー25を介してピストン24の往復動に変換される。
【0022】
前記リヤハウジング14内には、吸入通路27及び吐出室(高圧領域)28がそれぞれ区画形成されている。吸入通路27はリヤハウジング14の中央部に形成されているとともに、吐出室28は吸入通路27の外周を取り囲むようにして形成されている。吸入通路27には、図示しない外部冷媒回路の車室内側熱交換器につながる外部配管が接続されている。吐出室28には、オイルセパレータ38を介して、図示しない外部冷媒回路の車室外側熱交換器につながる外部配管が接続されている。この外部冷媒回路及び圧縮機は冷媒循環回路を構成する。
【0023】
前記吸入通路27内の冷媒ガスは、各ピストン24の上死点位置から下死点側への移動により、シリンダブロック11内に配設された吸入弁機構を介して圧縮室26に吸入される。圧縮室26に吸入された冷媒ガスは、ピストン24の下死点位置から上死点側への移動により所定の圧力にまで圧縮され、弁・ポート形成体13に形成された吐出ポート29及び吐出弁30を介して吐出室28に吐出される。吐出室28に吐出された冷媒ガスは、リヤハウジング14に設けられたオイルセパレータ38で潤滑油が分離された後、外部冷媒回路へと排出される。
【0024】
前記圧縮機のハウジング内には、抽気通路31及び給気通路32並びに制御弁33が設けられている。抽気通路31はクランク室15と吸入通路27とを連通する。抽気通路31は、回転軸16の軸心位置に形成された軸内通路34を備えている。軸内通路34の入り口は、ラグプレート20付近でクランク室15に開口され、出口は、回転軸16の後端面で開口されている。給気通路32は吐出室28とクランク室15とを連通する。給気通路32の途中には、電磁弁よりなる制御弁33が配設されている。
【0025】
前記制御弁33の開度を調節することで、給気通路32を介したクランク室15への高圧な吐出ガスの導入量と抽気通路31を介したクランク室15からのガス導出量とのバランスが制御され、クランク室15の内圧が決定される。クランク室15の内圧変更に応じて、ピストン24を介してのクランク室15の内圧と圧縮室26の内圧との差が変更され、斜板21の傾斜角度(回転軸16に直交する仮想平面と斜板21とがなす角度)が変更される結果、ピストン24のストロークすなわち圧縮機の吐出容量が調節される。
【0026】
例えば、クランク室15の内圧が低下されると斜板21の傾斜角度が増大し、ピストン24のストロークが増大して圧縮機の吐出容量が増大される。逆に、クランク室15の内圧が上昇されると斜板21の傾斜角度が減少し、ピストン24のストロークが減少して圧縮機の吐出容量が減少される。
【0027】
(吸入弁機構)
図1及び図2に示すように、前記圧縮機のハウジングには、シリンダブロック11においてシリンダボア23に囲まれた中心部にバルブ収容室17が形成されている。バルブ収容室17は、円柱状をなすとともに後方側で吸入通路27に連通されている。バルブ収容室17と各圧縮室26とは、シリンダブロック11に形成された複数(図面においては一つのみ示す))の吸入連通路18を介してそれぞれ連通されている。
【0028】
前記バルブ収容室17内には、円柱体としての円筒状をなすロータリバルブ35が、回転可能に収容されている。図1〜図3に示すように、ロータリバルブ35は、後端側が吸入通路27に開口されているとともに、前端部には小径部35aが設けられている。回転軸16においてバルブ収容室17に臨む後端面には、取付孔16aが設けられている。回転軸16の取付孔16aには、ロータリバルブ35が小径部35aを以て圧入固定されている。従って、回転軸16とロータリバルブ35とは同一軸線上で一体化されており、ロータリバルブ35は回転軸16の回転つまりはピストン24の往復動に同期して回転される。
【0029】
前記ロータリバルブ35の筒内空間は、吸入通路27と連通する導入室36をなしている。ロータリバルブ35の周壁には、導入室36と常時連通される吸入案内孔37が周方向の一定区間に形成されている。この吸入案内孔37と前記吸入連通路18とが、吸入圧領域(低圧領域)たる導入室36と圧縮室26との間の冷媒ガス通路をなしている。この冷媒ガス通路をロータリバルブ35がその回転によって開閉する。
【0030】
すなわち、前記ロータリバルブ35は、ピストン24が吸入行程に移行した場合に、吸入案内孔37が吸入連通路18に連通する。従って、吸入通路27の冷媒ガスは、ロータリバルブ35の導入室36及び吸入案内孔37、並びにシリンダブロック11の吸入連通路18を経由して圧縮室26に吸入される。ピストン24の吸入行程の終了時には、吸入案内孔37が吸入連通路18に対して周方向に完全にずれ、圧縮室26内への冷媒ガスの吸入が停止される。ピストン24が吐出行程に移行されると、ロータリバルブ35の外周面によって吸入連通路18が閉鎖状態に保持され、冷媒ガスの圧縮及び吐出室28への吐出が妨げられることはない。つまり、本実施形態においては、ロータリバルブ35が冷媒吸入用ロータリバルブをなすとともに、該ロータリバルブ35の外周面と吸入案内孔37とが冷媒吸入用弁部をなしている。
【0031】
(オイル分離構造)
図2に示すように、前記オイルセパレータ38は、分離室39と該分離室39内に収容された分離筒41とからなっている。分離室39と吐出室28とは連通路40を介して連通されており、該連通路40は分離筒41の外周面に対向する位置で分離室39に開口されている。
【0032】
そして、前記連通路40を介して吐出室28から分離室39に導入された冷媒ガスは、該分離室39の内周面と分離筒41の外周面との隙間を旋回されて、冷媒ガス中に混在する潤滑油と冷媒ガスとが遠心分離される。分離された潤滑油は、分離室39において分離筒41の下方に設けられたオイル貯留部42に貯留される。また、潤滑油が分離された冷媒ガスは、分離筒41の下端の開口を介して該分離筒41の内側に導入されるとともに、該分離筒41の上方に設けられた吐出口19を経由して外部冷媒回路へと排出される。
【0033】
前記オイルセパレータ38の分離室39とシリンダブロック11のバルブ収容室17とは、連通路44で接続されている。連通路44の一端はオイル貯留部42の下面上に開口され、他端はバルブ収容室17の内周面上に開口されている。なおこの連通路44の他端側の開口44aは、ロータリバルブ35の吸入案内孔37とは前後方向にずれた位置に設けられている。さらに具体的には、開口44aは、バルブ収容室17の後端部に設けられている。
【0034】
前記ロータリバルブ35の周壁の後端には、導入室36とロータリバルブ35の外空間とを連通する開口部45が形成されている。開口部45は、ロータリバルブ35の周壁の後端面から前方に向けて溝が凹設されることで形成されている。この開口部45と前記連通路44とが、オイルセパレータ38で分離された潤滑油を導入室36へと戻すためのオイル戻し通路をなしている。このオイル戻し通路をロータリバルブ35がその回転によって開閉する。
【0035】
つまり、本実施形態においては、ロータリバルブ35が、回転軸16の回転に応じてオイル戻し通路の開度を変化させるオイル戻し用ロータリバルブとして機能するとともに、該ロータリバルブ35の外周面と開口部45とがオイル戻し用弁部をなしている。
【0036】
前記ロータリバルブ35の外周面が連通路44の開口44aと対向した状態では、オイル戻し通路は閉状態となり、開口部45が開口44aと対向した状態では、オイル戻し通路は開状態となる。オイル戻し用弁部は、回転軸16の回転に基づきロータリバルブ35が回転されることで、オイル戻し通路を間欠的に連通状態とする。この間欠的な連通、即ち、オイル戻し通路の開閉により、ロータリバルブ35が一回転される間において、オイル戻し通路の開度が増減変更(全開状態と全閉状態との切替え変更)されることとなる。この開度の増減変更により、オイルセパレータ38からロータリバルブ35の導入室36への潤滑油の戻り量が調節される。
【0037】
前記潤滑油のロータリバルブ35の導入室36への戻り具合は、例えば、ロータリバルブ35の一回転における、オイル戻し通路の開度増大と開度減少との比率、即ち本実施形態ではロータリバルブ35における開口部45の周方向の大きさによって調整することができる。
【0038】
前記ロータリバルブ35の導入室36に導入された潤滑油は、各ピストン24の上死点位置から下死点位置への移動によって、吸入案内孔37及び吸入連通路18を介して圧縮室26に導入され、ピストン24とシリンダボア23との潤滑に利用される。
【0039】
なお、ロータリバルブ35の開口部45は、ロータリバルブ35を回転軸16に圧入するための製造工程(圧入工程)において、回転軸16に対するロータリバルブ35の周方向の位置決め用の治工具を挿入するための溝(位置決め部)として利用される。即ち開口部45は、冷媒吸入用ロータリバルブと回転軸16との回転位相関係を調整するための位置決め部として機能する。
【0040】
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態においては、前記オイル戻し通路上に配設されたオイル戻し用ロータリバルブが、回転軸16の回転に応じてオイル戻し通路の開度を変化させる。従って、オイル戻し用ロータリバルブがオイル戻し通路の開度を大きくすれば、オイルセパレータ38から低圧領域(導入室36)への潤滑油の戻り量が増大する。逆に、オイル戻し用ロータリバルブがオイル戻し通路の開度を小さくすれば、オイルセパレータ38から低圧領域への潤滑油の戻り量が減少する。つまり、オイル戻し用ロータリバルブが一回転される間において、オイル戻し通路の開度が増減変更されることとなる。
【0041】
よって、前記オイルセパレータ38で分離された潤滑油の低圧領域への戻り具合は、例えば、ロータリバルブ35における開口部45の周方向の大きさを調整することで簡単に調整することができる。その結果、オイル戻し通路の通路径を小さめに設定したり通路長を長めに設定しなくとも、低圧領域への潤滑油の戻りが途切れないように調整することが可能となる。
【0042】
従って、前記オイル戻し通路を介したガスバックの抑制とオイル戻し通路の大径化及び短縮化とを両立させることができる。
(2)前記冷媒吸入用ロータリバルブには、オイル戻し用ロータリバルブが回転軸16の軸線L方向に並設されている。従って、冷媒吸入用ロータリバルブとオイル戻し用ロータリバルブとを省スペースで配置することができるし、両ロータリバルブを回転軸16に対して作動連結する構造も簡単にできる。
【0043】
(3)前記オイル戻し用ロータリバルブと冷媒吸入用ロータリバルブとは、円柱体(ロータリバルブ35)として一体化されている。これによれば、部品点数を削減することができるし、両ロータリバルブをさらに省スペースで配置することができるうえに、両ロータリバルブを回転軸16に対して作動連結する構造もさらに簡単にできる。
【0044】
(4)前記回転軸16とオイル戻し用ロータリバルブと冷媒吸入用ロータリバルブとは、一軸線上に配置されている。従って、両ロータリバルブを回転軸16に対して作動連結する構造を、本実施形態の圧入構造のような簡単な構造とすることができる。
【0045】
(5)ロータリバルブ35の開口部45は、ロータリバルブ35を回転軸16に対して該回転軸16の周方向に位置決めするための位置決め部として利用されている。これによれば、位置決め部が開口部45と別個に設けられた形態に比較して、該位置決め部(若しくは開口部45)を設けるための加工を省略することができる。
【0046】
(第2の実施形態)
前記第1の実施形態では、吸入弁機構(冷媒吸入用ロータリバルブ)とオイル戻し用ロータリバルブとを一体化したが、この第2の実施形態は、両者を個別に設けている。
【0047】
図4に示すように、弁・ポート形成体13には、リヤハウジング14側に形成された吸入室50の冷媒ガスを圧縮室26に導入するためのリード弁機構(吸入弁機構)51が設けられている。リード弁機構51は、吸入室50から圧縮室26への冷媒導入を許容するとともに圧縮室26から吸入室50への冷媒導出を阻止する。
【0048】
回転軸16の後端部には、円筒部52が一体形成されている。円筒部52の筒内空間は、吸入室50と連通するとともに吸入室50とで吸入圧領域(低圧領域)を構成する導入室36をなしている。この円筒部52には、連通路44の開口44aと対向した状態でオイル戻し通路(連通路44、開口部45)を開状態とする開口部45が設けられている。つまり、本実施形態においては、円筒部52が、回転軸16の回転に応じてオイル戻し通路の開度を変化させるオイル戻し用ロータリバルブとして機能するとともに、該円筒部52の外周面と開口部45とがオイル戻し用弁部をなしている。
【0049】
オイル戻し用弁部は、回転軸16の回転に基づき円筒部52が回転されることで、オイル戻し通路を間欠的に連通状態とする。この間欠的な連通、即ち、オイル戻し通路の開閉に基づく該オイル戻し通路の開度の増減変更により、オイルセパレータ38から円筒部52の導入室36への潤滑油の戻り量が調節される。
【0050】
本実施形態では、上記の(1)と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で例えば以下の態様でも実施できる。
○ 前記第1の実施形態において、ロータリバルブ35の開口部45は、ロータリバルブ35を回転軸16に対して位置決めするための位置決め部として利用されていなくてもよい。
【0051】
○ 前記第1の実施形態において、ロータリバルブ35を回転軸16に対して一体形成してもよい。
○ 前記回転軸16とオイル戻し用ロータリバルブと冷媒吸入用ロータリバルブとは、必ずしも一軸線上に配置されていなくてもよい。
【0052】
○ 前記実施形態では、オイルセパレータ38からの潤滑油を吸入圧領域に導入したが、これに限定されない。例えば、クランク室15に導入してもよい。
この場合、例えば、図5のように構成する。即ち、前記第2の実施形態のように、吸入弁機構(リード弁機構51)とオイル戻し用ロータリバルブとを個別に設ける。そして、オイル戻し用ロータリバルブを構成する円筒部52の導入室36と、吸入室50との連通を遮断する(弁・ポート形成体13において吸入室50と導入室36とを連通する孔を省略する)。この状態で、円筒部52の導入室36は回転軸16の軸内通路34を介してクランク室15と連通されて、該クランク室15の内圧とほぼ等しい内圧の低圧領域とされる。連通路44を介してオイルセパレータ38から円筒部52の導入室36に導入された潤滑油は、軸内通路34を経由してクランク室15に導入される。
【0053】
この構成において、クランク室15の冷媒ガスを吸入室50に導入する抽気通路31は、シリンダブロック11及び弁・ポート形成体13を貫通するようにして設けられている。
【0054】
なお、オイルセパレータ38からの潤滑油をクランク室15に導入する構成は、上記のように回転軸16内に設けた導入室36及び軸内通路34を介して潤滑油をクランク室15に導入するものに限らない。この場合、例えば、回転軸16の外周面上に前後方向に延在する溝を設ける。この溝の後端部分を、回転軸16が回転した場合に連通路44の開口44aと対向し得る位置に設ける。また、前記溝の前端部分を、クランク室15内に配置する。即ち、回転軸16の回転に基づいて、前記溝の溝内空間が連通路44とクランク室15とを間欠的に連通するように構成する。
【0055】
○ 前記実施形態では、オイル戻し用ロータリバルブにおいて開口部45が一つのみ設けられたが、周方向に複数設けてもよい。つまり、この複数の開口部45を設けることで、例えば、オイル戻し用ロータリバルブの一回転における、オイル戻し通路の開度増大と開度減少との比率や、同じく一回転における、オイル戻し通路の開閉回数等を調整するようにしてもよい。
【0056】
○ 前記実施形態では、オイル戻し用ロータリバルブによってオイル戻し通路が、開閉されるように構成されたが、該通路の開度が変更されるように構成されていればよく、必ずしも開閉される必要はない。
【0057】
○ 前記オイルセパレータ38は遠心分離によって冷媒ガスと潤滑油とを分離するタイプとされたが、慣性分離によって分離するタイプとされてもよい。
○ 前記実施形態では、回転軸16を駆動するための駆動源が、圧縮機外部の駆動源(エンジンEg)とされたが、これに代えて、圧縮機に内蔵された、例えば電動モータ等の内部駆動源とされてもよい。
【0058】
○ ワッブルタイプの容量可変型圧縮機において本発明を適用してもよい。
○ 片頭ピストンを備えた固定容量型ピストン式圧縮機において本発明を適用してもよい。
【0059】
○ 両頭ピストン式の圧縮機において本発明を適用してもよい。
○ 斜板21に換えてウエーブカムをカム体として用いた、ウエーブカムタイプのピストン式圧縮機において本発明を適用してもよい。
【0060】
○ 例えばスクロールタイプやベーンタイプ等、ピストン式以外の圧縮機において本発明を適用してもよい。
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載すると、前記オイル戻し用ロータリバルブには、オイル戻し用弁部を構成する開口部が設けられ、この開口部は、冷媒吸入用ロータリバルブと回転軸との回転位相関係を調整するための位置決め部として利用されている請求項3に記載の圧縮機のオイル分離構造。
【0061】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜4に記載の発明によれば、圧縮機において、ガスバックの抑制とオイル戻し通路の大径化及び短縮化との両立が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の圧縮機を示す断面図。
【図2】要部を示す部分断面図。
【図3】回転軸に圧入固定する前の状態のロータリバルブを示す斜視図。
【図4】第2の実施形態の圧縮機を示す部分断面図。
【図5】別例の圧縮機を示す部分断面図。
【符号の説明】
11…シリンダブロック、12…フロントハウジング、14…リヤハウジング(11,12,14は圧縮機のハウジングを構成する)、16…回転軸、18…吸入連通路、24…ピストン、26…圧縮室、27…吸入通路、28…高圧領域としての吐出室、35…冷媒吸入用ロータリバルブ(吸入弁機構)及びオイル戻し用ロータリバルブとして機能する円柱体としてのロータリバルブ、36…導入室(27,36は吸入圧領域(低圧領域)を構成する)、37…冷媒吸入用弁部を構成する吸入案内孔(18,37は圧縮室と導入室との間の冷媒ガス通路を構成する)、38…オイルセパレータ、44…連通路、45…オイル戻し用弁部を構成する開口部(44,45はオイル戻し通路を構成する)、50…吸入圧領域を構成する吸入室、51…吸入弁機構としてのリード弁機構、52…オイル戻し用ロータリバルブとして機能する円筒部。

Claims (4)

  1. 冷媒循環回路を構成するとともに、回転軸が駆動されることで冷媒ガスの圧縮を行う圧縮機において、
    前記冷媒循環回路の高圧領域に配設され、該高圧領域を流動される冷媒ガス中に含まれる潤滑油を冷媒ガスから分離するためのオイルセパレータと、
    前記オイルセパレータと冷媒循環回路の低圧領域とを接続し、オイルセパレータで分離された潤滑油を低圧領域へと戻すためのオイル戻し通路と、
    前記オイル戻し通路上に配設されているとともに回転軸に作動連結され、該回転軸の回転に応じてオイル戻し通路の開度を変化させるオイル戻し用ロータリバルブと
    を備えたことを特徴とするオイル分離構造。
  2. 前記圧縮機は、回転軸の回転によってピストンが往復動されることで、吸入弁機構を介した吸入圧領域から圧縮室への冷媒ガスの吸入及び圧縮室内での冷媒ガスの圧縮が行われる構成であり、前記吸入弁機構には、回転軸と同期回転することで圧縮室と吸入圧領域との間の冷媒ガス通路を開閉可能な冷媒吸入用ロータリバルブが用いられ、該冷媒吸入用ロータリバルブには、前記オイル戻し用ロータリバルブが軸線方向に並設されている請求項1に記載のオイル分離構造。
  3. 前記オイル戻し用ロータリバルブと冷媒吸入用ロータリバルブとは円柱体として一体化されており、該円柱体には、冷媒ガス通路を開閉するための冷媒吸入用弁部と、該冷媒吸入用弁部に対して軸線方向にずれて配置され、オイル戻し通路の開度を変化させるためのオイル戻し用弁部とが設けられている請求項2に記載のオイル分離構造。
  4. 前記回転軸とオイル戻し用ロータリバルブと冷媒吸入用ロータリバルブとは、一軸線上に配置されている請求項2又は3に記載のオイル分離構造。
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